JP2008235123A - 電界放射電子銃 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、カーボンナノ材料を陰極に使用する電界放射電子銃に於いて、長時間安定したビーム放射方向を維持し軸ずれのない構造を提供することにある。
【解決手段】カーボンナノ材料を先端に接合した陰極と対向するように先端を先鋭化した導電性針を引出電極の開口部に陰極に突き出すように配置し、電位は引出電極と同一とする。電界放射された電子は電界集中した導電性針に向かって軌道を描き、長時間安定した電子ビームを得ることができる。電界放射された電子は、徐々にエネルギーが与えられるので全ての電子が導電性針に吸収されることはなく多くは電子ビームとして取り出せる。
【選択図】 図1
【解決手段】カーボンナノ材料を先端に接合した陰極と対向するように先端を先鋭化した導電性針を引出電極の開口部に陰極に突き出すように配置し、電位は引出電極と同一とする。電界放射された電子は電界集中した導電性針に向かって軌道を描き、長時間安定した電子ビームを得ることができる。電界放射された電子は、徐々にエネルギーが与えられるので全ての電子が導電性針に吸収されることはなく多くは電子ビームとして取り出せる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、陰極材料にカーボンナノ材料を使用した電界放射電子銃の構造に関する。
カーボンナノ材料を陰極に使用する電界放射電子銃では、電子の放射方向と光軸とを一致させるのが非常に困難で、いくつかの方法が考案されている(参考文献1および参考文献2)。しかし、いずれの方法も高度の加工精度が要求されたり、カーボンナノ材料の先端からの電子放出される方向が不安定で、一度軸調整しても時間の経過と共に軸ずれを起すという問題点があった。この現象は、カーボンナノ材料からの電界放射が周囲の電界の影響を強く受けることに起因する。
特開2000−294182号公報
特開2006−31976号公報
本発明が解決しようとする課題は、カーボンナノ材料を陰極に使用する電界放射電子銃に於いて、放射電子の放出方向が長時間安定する構造を提供することにある。
通常の電界放射電子銃の引出電極は中心に穴が開いた平板形状である。この形状では、カーボンナノ材料から電界放射された電子線が安定的にいつも当該穴を通過するとは限らず、一旦機械的に軸合わせをしたとしても、時間と共に軸ずれを起こし、最終的に穴周辺部の向かって電子線が流れることが多い。
これを回避するために、先端を電界研磨等で先鋭化した導電性針を前記引出電極の穴中心に配置し、電位的には引出電極と同電位とする。また、この導電性針は、引出電極から陰極方向に突き出すように配置し、その先端方向は陰極のカーボンナノ材料の方向とほぼ一致させるように配置する。このように先端が非常に先鋭化されたチップが対向して配置された電子銃では、カーボンナノ材料から放出された電子線は、対向した導電性針の先端に向かって非常に安定した軌道を描く。長時間の運転に於いてもほとんど軸ずれを起こさない。これは、向き合う2つのチップ先端部で電界が集中していることに起因する。
本発明によれば、カーボンナノ材料を陰極に使用した電界放射電子銃に於いて、放射される電子ビームの放出方向が長時間にわたって非常に安定し、一度軸合わせすればほとんど軸ずれを起こさない。しかも構造は、引出電極の穴中心に先鋭化された導電性針を配置するだけの比較的簡単な構造である。この電子銃を走査型電子顕微鏡に応用すれば、
従来のような軸ずれの問題から開放され非常に使いやすい装置となる。
従来のような軸ずれの問題から開放され非常に使いやすい装置となる。
図1は本発明による電界放射電子銃の実施例を説明する図である。1は陰極を保持する絶縁体、2は、カーボンナノ材料3を先端に接合した陰極材で加熱も可能なようにタングステン線を使うのが良い。4は引出電極で、中心に電子ビームが通過する穴が開いている。この穴の中心に、先端が電界研磨などで先鋭化されたタングステン針5が引出電極4に接合されており、引出電極から陰極に向かって突き出し、カーボンナノ材料3の先端と向き合うように配置されている。カーボンナノ材料3の先端とタングステン針5の先端との距離は、カーボンナノ材料3から放射される電子が、タングステン針5先端の集中電界に影響されて収束する程度の距離である必要があり、通常、数10μmから数100μmほどの距離となる。
このチップ間の等電位面は図2に実線で示したようになっており、陰極のカーボンナノ材料6の先端部から放出された電界放射電子線は図2で破線で示すようにタングステン針7の先端部に集中するように流れる。電子線のエネルギーは、この間に徐々に加速されるので、タングステン針の先端部に全ての電子が流れ込むことはなく、これをかすめて下方に放射される電子線もかなり多く、これが電子ビームとして利用できる。向かい合ったチップの両先端部で電界が集中する形状になっていることから電子軌道は非常に安定する。
なお、タングステン針5は図1に示すように多少斜めに配置すると、タングステン針5に吸収される電子が減って下方に多くの電子が流れるので好ましい。タングステン針の先端にカーボンナノ材料のような非常に細い導電材料を接合することも考えられる。
タングステン針5がない通常の引出電極を使用するとカーボンナノ材料付近の電界が僅かに変化しただけでも、そこから放射される電子軌道は大きく影響を受け、いつも一定の軌道を描くとは限らない。これが、カーボンナノ材料を使用した電界放射電子銃の軸ずれの原因である。実際には、引出電極の中央開口部周辺のエッジ部に向かってビームが流れることが多い。しかしながら、本発明のような強い集中電界が電界放射するカーボンナノ材料の近くに存在すると電子ビームはその方向に収束、拘束され軸ずれを起こすことがない。
図2において、タングステン針7先端部を通過して下方に放射される電子ビームは、先端部近傍の電界の影響を受けて変形したスポットとなるが、電子線経路内に非点収差補正装置を組み込めばその収差は押さえられる。
1 絶縁材
2 陰極
3 カーボンナノ材料
4 引出電極
5 タングステン針
6 カーボンナノ材料先端部
7 タングステン針先端部
2 陰極
3 カーボンナノ材料
4 引出電極
5 タングステン針
6 カーボンナノ材料先端部
7 タングステン針先端部
Claims (1)
- カーボンナノ材料が先端に接合された陰極と、電界放射を誘引する電位が与えられた引出電極からなる電界放射電子銃に於いて、引出電極の開口部の中心に先端が先鋭化された導電性針が開口部から陰極方向に突き出して備えられ、その電位は引出電位が与えられ、その方向は陰極のカーボンナノ材料の先端と向き合うように配置されたことを特徴とする電子銃
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007075686A JP2008235123A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | 電界放射電子銃 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007075686A JP2008235123A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | 電界放射電子銃 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008235123A true JP2008235123A (ja) | 2008-10-02 |
Family
ID=39907682
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007075686A Pending JP2008235123A (ja) | 2007-03-23 | 2007-03-23 | 電界放射電子銃 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008235123A (ja) |
-
2007
- 2007-03-23 JP JP2007075686A patent/JP2008235123A/ja active Pending
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