JP2008234858A - 車両用灯具 - Google Patents

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Abstract

【課題】カットラインにおける色帯の発生を効果的に抑制できる車両用灯具を提供すること。
【解決手段】この車両用灯具は、白色光源と、この光源からの光を直接あるいは間接的に灯具の前方に照射するレンズ4とを有する。この車両用灯具では、配光パターンにカットラインが形成される。この車両用灯具では、レンズ4の射出面42の少なくとも一部が自由曲面により構成され、且つ、この自由曲面では、カットライン上に色帯を生じさせる所定の波長域の射出光R(B)がレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行に射出される。
【選択図】 図4

Description

この発明は、車両用灯具に関し、さらに詳しくは、カットラインにおける色帯の発生を効果的に抑制できる車両用灯具に関する。
回転対称型の非球面レンズあるいは円錐曲面や円錐曲面に高次の非球面項を加えた数式で表されるレンズを採用する車両用灯具では、配光パターンのカットライン上に発生する色帯を抑制すべき課題がある。従来の車両用灯具では、かかる課題を解決するために、非球面レンズにシボ加工、歪み加工、ティンプル状加工などが施される。かかる従来の車両用灯具には、特許文献1に記載される技術が知られている。
特開平1−186701号公報
しかしながら、従来の車両用灯具では、カットライン上に発生した色帯に対して別の色の光を足す(混色させる)ことにより、色味が緩和される。このため、カットラインがぼけ過ぎて判別できなくなり、また、グレア値が増大するという問題がある。また、かかる構成では、灯具の外観におけるクリア感が損なわれるという問題がある。
この発明は、カットラインにおける色帯の発生を効果的に抑制できる車両用灯具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる車両用灯具は、白色光源と、前記光源からの光を直接あるいは間接的に灯具の前方に照射するレンズとを有すると共に、配光パターンにカットラインが形成される車両用灯具であって、前記レンズの射出面の少なくとも一部が自由曲面により構成され、且つ、前記自由曲面では、前記カットライン上に色帯を生じさせる所定の波長域の射出光が前記レンズの光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行に射出されることを特徴とする。
この車両用灯具では、配光パターンのカットライン上に色帯を生じさせる所定の波長域の射出光がレンズの光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行に射出されるので、射出光がカットライン近傍に収束して射出光の色収差が緩和される。これにより、カットラインにおける色帯の発生が抑制される利点がある。
また、この発明にかかる車両用灯具は、前記光源の分光分布P(λ)とCIE視感効率V(λ)との積P(λ)×V(λ)に基づいて前記光源の可視波長域が定義されるときに、前記射出光として、前記可視波長域の上限波長を有する前記射出光または前記可視波長域の下限波長を有する射出光が設定される。
この車両用灯具では、色帯を生じさせ易い射出光(可視波長域の上限波長の射出光あるいは下限波長の射出光)がカットライン近傍に収束するので、これらの射出光の色収差が抑制される。これにより、配光パターンのカットラインにおける色帯の発生が抑制される利点がある。
また、この発明にかかる車両用灯具は、前記レンズが射出面を凸面とする凸レンズであるときに、前記レンズの光軸Zよりも鉛直方向上側の射出面が前記自由曲面により構成され、且つ、当該自由曲面では、赤色系の射出光Rが前記レンズの光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行に射出する。
また、この車両用灯具では、鉛直方向上側の射出面(自由曲面)から照射された赤色系の射出光Rが、配光パターンのカットライン近傍に収束する。これにより、カットラインにおける赤色系の色帯の発生が抑制される利点がある。
また、この発明にかかる車両用灯具は、前記レンズが射出面を凸面とする凸レンズであるときに、前記レンズの光軸Zよりも鉛直方向下側の射出面が前記自由曲面により構成され、且つ、当該自由曲面では、青色系の射出光Bが前記レンズの光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行略平行に射出する。
この車両用灯具では、鉛直方向下側の射出面(自由曲面)から照射された青色系の射出光Bが、配光パターンのカットライン近傍に収束する。これにより、カットラインにおける青色系の色帯の発生が抑制される利点がある。
この発明にかかる車両用灯具では、配光パターンのカットライン上に色帯を生じさせる所定の波長域の射出光がレンズの光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行に射出されるので、射出光がカットライン近傍に収束して射出光の色収差が緩和される。これにより、カットラインにおける色帯の発生が抑制される利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的同一のものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる車両用灯具を示す構成図である。図2〜図10は、図1に記載した車両用灯具のレンズを示す説明図である。図11〜図13は、図1に記載した車両用灯具の変形例を示す説明図である。図14〜図15は、従来の車両用灯具のレンズを示す説明図である。
[車両用灯具]
この車両用灯具1は、白色光源用のプロジェクター型ランプであり、例えば、ヘッドランプ、フォグランプ、コーナリングランプなどに適用される。この車両用灯具1は、光源2と、リフレクタ3と、レンズ4と、シールド5とを含んで構成される(図1参照)。光源2は、半導体発光素子から成る。この光源2は、例えば、配列された複数のLED(light emitting diode)により構成され、略半球状に白色光を放射する。リフレクタ3は、光源2に対して灯具後方側に配置され、光源2からの光を反射して灯具の前方に照射する。レンズ4は、光源2に対して灯具前方側に配置され、光源2からの光を直接あるいは間接的に灯具前方に照射する。このレンズ4は、例えば、PMMA(Polymethylmethacrylate)などの樹脂製あるいはガラス製の凸レンズをベースとして構成される。また、レンズ4は、光の入射面41および射出面42を有する。また、レンズ4の入射面41が500[mm]の単一径を有する凸面により構成される。また、レンズ4の射出面42が後述する自由曲面により構成される。シールド5は、リフレクタ3に取り付けられて配置され、リフレクタ3からの反射光を遮蔽して配光パターンのカットラインを形成する。また、光源2およびリフレクタ3は、点Fを中心としてZ軸から反時計回りに傾斜角θで傾けて配置される。
この車両用灯具1では、光源2が発光すると、その放射光がリフレクタ3にて反射されてレンズ4に入射し、照射される。そして、この照射光により所定の配光パターンが形成される。
[カットラインの色帯]
一般に、プロジェクター用の非球面レンズ100では、図8の分光分布を持つ白色光が擬似バックフォーカス点Fから入射面101に入射したときに、射出光の各波長成分(R,B,G)が光軸Zに対して以下の関係を有する(図14および図15参照)。まず、レンズ100の鉛直断面にて、光軸Zよりも鉛直方向上側の領域では、波長589[nm]の射出光Gが光軸Zに平行に射出し、波長670[nm]の射出光Rが鉛直方向上側に傾斜しつつ射出し、また、波長440[nm]の射出光Bが鉛直方向下側に傾斜しつつ射出する。一方、光軸Zよりも鉛直方向下側の領域では、波長589[nm]の射出光Gが光軸Zに平行に射出し、波長670[nm]の射出光Rが鉛直方向下側に傾斜しつつ射出し、また、波長440[nm]の射出光Bが鉛直方向上側に傾斜しつつ射出する。また、波長670[nm]の射出光RとZ軸との鉛直方向の傾斜角、ならびに、波長440[nm]の射出光BとZ軸との鉛直方向の傾斜角は、レンズ100の中央部よりも端部の方が大きい。また、これらの傾斜角は、レンズ100の端部から中央部(光軸Z側)に向かうに連れて減少し、光軸Zにてゼロとなる。また、波長670[nm]の射出光Rと光軸Zとの鉛直方向の傾斜角(ZX平面とのなす角)、ならびに、波長440[nm]の射出光Bと光軸Zとの鉛直方向の傾斜角は、光軸Z周りの回転方向(u方向)に鉛直断面から水平断面に向かうに連れて減少する。そして、レンズ100の水平断面にて、波長670[nm]の射出光R、波長440[nm]の射出光Bおよび波長589[nm]の射出光Gと光軸Zとの鉛直方向の傾斜角がゼロとなる。
このため、非球面レンズ100では、各射出光R、G、Bの色収差の影響により、配光パターンのカットライン上に色帯が発生する。例えば、レンズ100の光軸Zよりも鉛直方向上側の領域では、赤色系の射出光Rが鉛直方向上側(レンズ100の径方向外側)に傾斜するため、カットライン上に赤色系の色帯が発生する。また、レンズ100の光軸Zよりも鉛直方向下側の領域では、青色系の射出光Bが鉛直方向上側(レンズ100の径方向内側)に傾斜するため、カットライン上に青色系の色帯が発生する。
[カットラインの色帯除去制御]
そこで、この車両用灯具1では、配光パターンのカットラインにおける色帯の発生を抑制するために、以下の構成が採用される(図1〜図10参照)。まず、灯具の光軸(基準軸)をZ軸としてX−Y−Z直交座標系をとる(図1〜図3参照)。また、灯具の設置状態にて鉛直方向をY軸とし、水平方向をX軸とする。このとき、リフレクタ3の第二擬似フォーカス点およびレンズ4の擬似バックフォーカス点が、Z軸上の点Fに配置される。また、レンズ4の射出面42と光軸Zとの交点を基準点Oとする。
このとき、レンズ4の射出面42(の少なくとも一部)が自由曲面により構成される(図2〜図4参照)。また、この自由曲面は、所定の波長域の射出光がレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行に射出されるように、構成される。具体的には、配光パターンのカットライン上に色帯を生じさせる所定の波長域の射出光R、Bが、光軸Zに対して平行な平面(ZX平面)に対して略平行に射出されるように、射出面42の自由曲面が構成される。なお、カットライン上に色帯を生じさせる波長の射出光には、例えば、赤色系の射出光R、青色系の射出光Bなどが該当する。また、光軸Zに対して平行な平面には、例えば、灯具設置時にて水平となる平面や、光軸Zを含む平面が含まれる(図3参照)。
例えば、この実施例では、(1)レンズ4の鉛直断面視(YZ断面視)にて、鉛直方向上側の領域のうちカットライン上に色帯を生じさせる領域では、赤色系(波長λ=670[nm])の射出光Rがレンズ4の光軸Zに対して略平行に射出するように、自由曲面が設定される(図3および図4参照)。すなわち、レンズ4の鉛直方向上側の端部までの領域のうちカットライン上に色帯を生じさせる領域では、赤色系(λ=670[nm])の射出光Rとレンズ4の光軸Zとの鉛直方向の傾斜角がゼロ(平行)となるように、自由曲面が設定される。また、(2)鉛直方向下側の領域のうちカットライン上に色帯を生じさせる領域では、青色系(波長λ=440[nm])の射出光Bがレンズ4の光軸Zに対して略平行に射出するように、自由曲面が設定される。すなわち、レンズ4の鉛直方向下側の端部までの領域のうちカットライン上に色帯を生じさせる領域では、青色系(λ=440[nm])の射出光Bとレンズ4の光軸Zとの鉛直方向の傾斜角がゼロ(平行)となるように、自由曲面が設定される。
また、(3)レンズ4の水平断面視(XZ断面視)にて、緑色系〜黄色系(波長λ=589[nm])の射出光Gがレンズ4の光軸Zに対して略平行に射出するように、自由曲面が設定される(図4参照)。また、この水平断面視では、赤色系の射出光Rおよび青色系の射出光Bが光軸Zに対して水平方向に傾斜し、鉛直方向には傾斜していない。また、(4)レンズの平面視(XY平面視)では、水平断面(XZ断面)と鉛直断面(XZ断面)との間の範囲(第1象限から第4象限)にて、水平断面における自由曲面の設定と鉛直断面における自由曲面の設定とが基準点Oを中心とする回転方向(u方向)にn次関数補間されて設定される。そして、各射出光R、G、Bの射出角が光軸Zを中心として回転方向(u方向)および放射方向(w方向)にパラメトリックに変化するように、レンズ4全体の自由曲面が形成される。これにより、レンズ全体の領域にて、上記の(1)〜(4)の関係が形成される。
なお、上記のような自由曲面は、例えば、以下のように設計される。まず、レンズ4の入射面41に曲面パッチを形成し(図3および図5参照)、この曲面パッチの所定のノード点に対してレンズ4の擬似バックフォーカス点Fから入射光を入射させる(図3参照)。このとき、YZ断面上側(鉛直方向上側)のノード点には、赤色系(波長λ=670[nm])の入射光Rを入射させ、YZ断面下側(鉛直方向下側)のノード点には、青色系(波長λ=440[nm])の入射光Bを入射させる。また、XZ断面(水平方向)のノード点には、緑色系〜黄色系(波長λ=589[nm])の入射光Gを入射させる。そして、レンズ4の射出面42にて、各入射光R、G、Bに対応する射出光R、G、Bが光軸Zを含む平面(XZ平面)に対して平行に射出するように、射出面42側のノード点(図2参照)が設定される。
次に、レンズ4の正面視(XY平面視)にて、レンズ4の水平断面(XZ断面)と鉛直断面(XZ断面)との間の範囲にある射出面42のノード点群が決定される(図2参照)。このとき、水平断面のノード点群と鉛直断面のノード点群とに基づき、基準点Oを中心として回転方向(u方向)にn次関数(図6参照)による補間が行われて、射出面42全域のノード点群が設定される。なお、この実施例では、ノード点群が1次関数により補完されて射出面42全域のノード点群が設定される。そして、設定された全てのノード点を通るように射出面42の自由曲面が形成される。このとき、任意に設定された階数および制御点数によりNURBS曲面化が行われる(図7参照)。これにより、各射出光R、G、Bの射出角(光軸Zに対する傾斜角)が光軸Zを中心として回転方向(u方向)および放射方向(w方向)にパラメトリックに変化するように、レンズ4全体の自由曲面が形成される。
以上説明したように、この車両用灯具1では、配光パターンのカットライン上に色帯を生じさせる所定の波長域の射出光R(B)がレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行に射出されるので(図3および図4参照)、射出光R(B)がカットライン近傍に収束して射出光R(B)の色収差が緩和される。これにより、カットラインにおける色帯の発生が抑制される利点がある。
また、一般に、光源がLEDであるときの分光分布P(λ)とCIE(Commission Internationale de l'Eclairage)の視感効率V(λ)との関係により、LEDの可視波長域(人が目で明るさを感じ得る領域)の上限波長(赤色系の光)が670[nm]であること、ならびに、その下限波長(青色系の光)が440[nm]であることが目安となる(図8〜図10参照)。なお、光源2の可視波長域は、光源2の分光分布P(λ)とCIE視感効率V(λ)との積P(λ)×V(λ)に基づいて定義される。
そこで、この車両用灯具1では、可視波長域の上限波長を有する射出光(赤色系の射出光R)または可視波長域の下限波長を有する射出光(青色系の射出光B)がレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行に射出されることが好ましい(図3および図4参照)。かかる構成では、色帯を生じさせ易い射出光(可視波長域の上限波長の射出光あるいは下限波長の射出光)が所定の照射範囲(カットライン上)に収束するので、これらの射出光の色収差が緩和される。これにより、配光パターンの所定の照射範囲(カットライン上)における色帯の発生が抑制される利点がある。
また、この車両用灯具1では、レンズ4が射出面を凸面とする凸レンズであるときに、レンズ4の光軸Zよりも鉛直方向上側の射出面42が上記の自由曲面により構成され、且つ、赤色系の射出光Rがレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面(XZ平面)に対して略平行に射出するように、この自由曲面が形成されることが好ましい(図3および図4参照)。かかる構成では、鉛直方向上側の射出面42(自由曲面)から照射された赤色系の射出光Rが、配光パターンのカットライン近傍に収束する。これにより、カットラインにおける赤色系の色帯の発生が抑制される利点がある。
また、この車両用灯具1では、レンズ4が射出面を凸面とする凸レンズであるときに、レンズ4の光軸Zよりも鉛直方向下側の射出面42が上記の自由曲面により構成され、且つ、青色系の射出光Bがレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面(XZ平面)に対して略平行略平行に射出するように、この自由曲面が形成されることが好ましい(図3および図4参照)。かかる構成では、鉛直方向下側の射出面42(自由曲面)から照射された青色系の射出光Bが、配光パターンのカットライン近傍に収束する。これにより、カットラインにおける青色系の色帯の発生が抑制される利点がある。
なお、この車両用灯具1では、レンズ4の射出面42(自由曲面)が任意に設定された階数および制御点数によりNURBS曲面化されることが好ましい(図2、図3、図6および図7参照)。これにより、自由曲面の各部分における射出光R、Bの射出角が精度良く設定されるので、カットラインにおける色帯の発生が効果的に抑制される利点がある。また。レンズ4の射出面42が滑らかに形成される利点がある。
[カットラインのぼかし制御]
また、一般に、プロジェクター用の非球面レンズ100では、射出光がレンズ100の光軸Zに対して平行に射出されるため(図14および図15参照)、カットラインが配光パターン内に際立って現れる。しかしながら、車両用灯具の配光パターンでは、カットラインがある程度ぼかされて現れることが好ましい。
そこで、この車両用灯具1では、配光パターン内のカットラインをぼかすために、レンズ4の射出面42(自由曲面)の一部の領域にて、射出光がレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面に対して微少な傾斜角φにて傾斜しつつ射出するように、自由曲面が形成される(図11〜図13参照)。すなわち、このレンズ4の射出面42(自由曲面)では、射出光の一部がレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面(XZ平面)に対して微少な傾斜角φにて傾斜する。
例えば、この実施例では、レンズ4の鉛直断面視(YZ断面視)にて、入射面41への入射光とレンズ4の光軸Zとのなす角を入射角θとする(図11参照)。このとき、20[deg]≦θ≦22[deg]の入射光に対応する射出光と光軸Zとのなす角φが、鉛直方向上側を正としてφ=1[deg]となるように、射出面42が設定される。具体的には、(1)レンズ4の鉛直方向上側の領域では、20[deg]≦θ≦22[deg]の範囲にて、射出光が鉛直方向上側にφ=1[deg]の角度φにて傾斜する。また、(2)レンズ4の鉛直方向下側の領域では、20[deg]≦θ≦22[deg]の範囲にて、射出光が鉛直方向上側にφ=1[deg]の角度φにて傾斜する。また、(3)レンズ4全体では、20[deg]≦θ≦22[deg]の入射光に対応する射出光と光軸Zを含む水平面(XZ平面)とのなす角φが、鉛直方向上側あるいは鉛直方向下側から光軸Zを含む水平面(XZ平面)に近付くに連れてn次連続的に減少し、光軸Zを含む水平面(XZ平面)にてφ=0[deg]となるように設定される(図12および図13参照)。また、入射角θの範囲は、例えば、図14の色帯発生範囲よりも内側(基準点O側)とすることが望ましい。白色光のまま色収差のない光でボカせるためである。
なお、上記のような自由曲面の部分は、例えば、上記したカットラインの色帯抑制制御にて設定された射出面42をベースとして、以下のように設計される。まず、レンズ4の入射面41に曲面パッチを形成する。そして、入射面41への入射光とレンズ4の光軸Zとのなす角θがθ=20[deg]およびθ=22[deg]となるノード点に対して、レンズ4の擬似バックフォーカス点Fから入射光を入射させる(図11および図13参照)。
このとき、(1)YZ断面上側のノード点のうち色帯が発生するノード点には、赤色系(波長λ=670[nm])の入射光Rを入射させ、(2)YZ断面下側のノード点のうち色帯が発生するノード点には、青色系(波長λ=440[nm])の入射光Bを入射させる。また、(3)XZ断面(水平方向)のノード点には、緑色系〜黄色系(波長λ=589[nm])の入射光Gを入射させる。これは、上記したカットラインの色帯抑制制御にて、(1)レンズ4の光軸Zよりも鉛直方向上側の領域では、赤色系の射出光Rとレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面(XZ平面)とが略平行となり、(2)レンズ4の光軸Zよりも鉛直方向下側の領域では、青色系の射出光Bとレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面とが略平行となり、且つ、(3)X軸上の領域では、緑色系の入射光Gとレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面とが略平行となる(XZ平面内にある)ように、射出面42の自由曲面が設定されるためである(図3および図4参照)。
そして、レンズ4の射出面42にて、(1)YZ断面上側のノード点(20[deg]≦θ≦22[deg])では、射出光が傾斜角φ=1[deg]にて鉛直方向上側に傾斜し、(2)YZ断面下側のノード点(20[deg]≦θ≦22[deg])では、射出光が傾斜角φ=1[deg]にて鉛直方向上側に傾斜するように、射出面42のノード点が設定される。また、(3)XZ断面のノード点(20[deg]≦θ≦22[deg])では、射出光がレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行に射出する(XZ平面内にある)ように、射出面42のノード点が設定される(図13参照)。
次に、レンズ4の正面視(XY平面視)にて、20[deg]≦θ≦22[deg]の範囲に対応する射出面42内のノード点群が決定される(図13参照)。このとき、水平断面のノード点と鉛直断面のノード点とに基づき、基準点Oを中心として回転方向(u方向)にn次関数(図6参照)による補間が行われる。なお、この実施例では、ノード点群が1次関数により補間されてノード点群が設定される。そして、設定された全てのノード点を通るように射出面42の自由曲面が形成される。このとき、任意に設定された階数および制御点数によりNURBS曲面化が行われる(図7参照)。これにより、鉛直方向のノード点から水平方向のノード点に向かうに連れて射出光の傾斜角φがn次連続的に減少するような、自由曲面が形成される。
以上説明したように、この車両用灯具1では、レンズ4の射出面42(自由曲面)の一部の領域にて、射出光がレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面(XZ平面)に対して微少な傾斜角φ〜0にて連続的に傾斜しつつ射出するので、この射出光の微少な傾斜角変化φ〜0によりカットライン近傍の光が上方へ連続的に微少に拡散される。これにより、配光パターン内のカットラインを適正にぼかすことができる利点がある。
また、この車両用灯具1では、自由曲面における射出光の傾斜角φがレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面に近付くに連れてn次連続的に減少することが好ましい(図12および図13参照)。これより、カットライン近傍の光が傾斜角φ〜0の範囲で滑らか且つ連続的に上方に拡散されて、配光パターン内のカットラインを適正にぼかすことができる利点がある。
また、この車両用灯具1では、カットラインのぼかし制御と上記のカットラインの色帯抑制制御とが併用されることが好ましい。すなわち、配光パターンのカットライン上に色帯を生じさせる所定の波長域の射出光R(B)がレンズ4の光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行に射出されることが好ましい(図3および図4参照)。かかる構成では、射出光R(B)がカットライン近傍に収束するので、射出光R(B)の色収差が緩和される。これにより、カットラインにおける色帯の発生が抑制される利点がある。特に、カットラインをぼかしつつ、カットラインにおける色帯の発生を抑制できる点で有用性が高い。
また、カットラインのぼかし制御では、射出光が光軸Zを含む水平方向の平面に対して微少な傾斜角φにて傾斜するが、カットラインの色帯抑制制御では、射出光が光軸Zを含む水平方向の平面に対して「略平行」となることが要件とされる。したがって、射出光の傾斜角φの範囲は、射出光と光軸Zを含む水平方向の平面との関係(略平行)を阻害しないように設定されることが好ましい。これにより、カットラインのぼかし制御と色帯抑制制御とが両立される利点がある。例えば、この実施例では、射出光の傾斜角φが0[deg]≦φ≦1[deg]に設定される(図11〜図13参照)。
また、同時に、配光パターンにおける射出光の色収差の影響が小さい範囲にて、射出光の傾斜角φが設定されることが好ましい。これにより、カットラインのぼかし制御と色帯抑制制御とが両立される利点がある。例えば、この実施例では、入射光の入射角θが20[deg]≦θ≦22[deg]の範囲にある射出光について、その傾斜角φが上記のように設定される。
以上のように、本発明にかかる車両用灯具は、カットラインにおける色帯の発生を効果的に抑制できる点で有用である。
この発明の実施例にかかる車両用灯具を示す構成図である。 図1に記載した車両用灯具のレンズを示す説明図である。 図1に記載した車両用灯具のレンズを示す説明図である。 図1に記載した車両用灯具のレンズを示す説明図である。 図1に記載した車両用灯具のレンズを示す説明図である。 図1に記載した車両用灯具のレンズを示す説明図である。 図1に記載した車両用灯具のレンズを示す説明図である。 図1に記載した車両用灯具のレンズを示す説明図である。 図1に記載した車両用灯具のレンズを示す説明図である。 図1に記載した車両用灯具のレンズを示す説明図である。 図1に記載した車両用灯具の変形例を示す説明図である。 図1に記載した車両用灯具の変形例を示す説明図である。 図1に記載した車両用灯具の変形例を示す説明図である。 従来の車両用灯具のレンズを示す説明図である。 従来の車両用灯具のレンズを示す説明図である。
符号の説明
1 車両用灯具
2 光源
3 リフレクタ
4 レンズ
41 入射面
42 射出面
5 シールド

Claims (4)

  1. 白色光源と、前記光源からの光を直接あるいは間接的に灯具の前方に照射するレンズとを有すると共に、配光パターンにカットラインが形成される車両用灯具であって、
    前記レンズの射出面の少なくとも一部が自由曲面により構成され、且つ、前記自由曲面では、前記カットライン上に色帯を生じさせる所定の波長域の射出光が前記レンズの光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行に射出されることを特徴とする車両用灯具。
  2. 前記光源の分光分布P(λ)とCIE視感効率V(λ)との積P(λ)×V(λ)に基づいて前記光源の可視波長域が定義されるときに、
    前記射出光として、前記可視波長域の上限波長を有する前記射出光または前記可視波長域の下限波長を有する射出光が設定される請求項1に記載の車両用灯具。
  3. 前記レンズが射出面を凸面とする凸レンズであるときに、前記レンズの光軸Zよりも鉛直方向上側の射出面が前記自由曲面により構成され、且つ、当該自由曲面では、赤色系の射出光Rが前記レンズの光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行に射出する請求項1または2に記載の車両用灯具。
  4. 前記レンズが射出面を凸面とする凸レンズであるときに、前記レンズの光軸Zよりも鉛直方向下側の射出面が前記自由曲面により構成され、且つ、当該自由曲面では、青色系の射出光Bが前記レンズの光軸Zを含む水平方向の平面に対して略平行略平行に射出する請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両用灯具。
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