JP2008234853A - 非水系二次電池用セパレータおよびこれを備えた非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池用セパレータおよびこれを備えた非水系二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2008234853A
JP2008234853A JP2007068410A JP2007068410A JP2008234853A JP 2008234853 A JP2008234853 A JP 2008234853A JP 2007068410 A JP2007068410 A JP 2007068410A JP 2007068410 A JP2007068410 A JP 2007068410A JP 2008234853 A JP2008234853 A JP 2008234853A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separator
secondary battery
electrode plate
layer
battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007068410A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4952314B2 (ja
Inventor
Akira Nagasaki
顕 長崎
Satoru Hashimoto
哲 橋本
Shinji Kasamatsu
真治 笠松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2007068410A priority Critical patent/JP4952314B2/ja
Publication of JP2008234853A publication Critical patent/JP2008234853A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4952314B2 publication Critical patent/JP4952314B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Cell Separators (AREA)

Abstract

【課題】安全性に優れ、かつサイクル寿命特性と信頼性に優れた非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系微多孔膜の両面に耐熱性高分子からなる多孔質層が一体形成され、耐熱性高分子多孔質層の片方が平均孔径0.01〜0.05μmでもう片方が平均孔径0.2〜1μmであることを特徴とする非水系二次電池用セパレータとリチウムを吸蔵放出する活物質を含む正極板とリチウムを吸蔵放出する活物質を含む負極板からなる非水系二次電池において、孔径の小さい面を正極側、孔径の大きい面を負極側の構成をとることを特徴とする非水系二次電池。
【選択図】図1

Description

非水系二次電池用セパレータおよびこれを備えた非水系二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、軽量で高エネルギー密度を有することから、携帯電話、ノートパソコンなどのポータブル機器を中心に電源として実用化されている。これらの機器の高性能化および長時間駆動の要求からさらなる高エネルギー密度化の研究・開発が活発に行われている。このような開発の中で、安全性の確保が大きな課題の一つとなっている。安全性の確保に対して、セパレータの観点から、シャットダウン機能と耐熱性を両立させるために、シャットダウン機能を有するポリエチレン微多孔膜などに耐熱性樹脂からなる層をコーティングして一体化したセパレータが提案されている。これらは安全性の確保、あるいはそれと合せてセパレータのカールを防ぐなどのハンドリングを考慮したことに着目している(例えば、特許文献1参照のこと)。しかしながら、電池の高容量化に伴い、安全性の確保に加えて、二次電池として重要な特性であるサイクル特性や高温保存特性に着目した場合、安全性とこれらの特性を両立するセパレータとしては不十分である。
また、ポリオレフィン系樹脂を用いたセパレータの孔径を制御し、電池性能を改善することが提案されている(例えば、特許文献2参照のこと)。電池を高容量にする場合、正極板および負極板の高密度化やセパレータの薄膜化などが実施されることが多い。この際に、電極表面の電解液の枯渇などを助長し、二次電池の重要特性であるサイクル特性や高温保存特性の低下をもたらすことがある。長期間充放電を繰り返すと極板の膨張によって極板間の電解液が押し出され、電極表面の電解液の枯渇などが起こる。さらには、電解液が副反応によりが分解し、分解生成物によって、セパレータが目詰まりし、電池性能が低下することが知られている。このため、セパレータの孔径は目詰まりし難くくするために、セパレータの孔が大きいのが望ましい。一方で、リチウム析出によるデンドライトおよび金属不純物の溶解析出による正・負極板間の内部短絡防止を考慮すると孔径は小さい方が望ましく、セパレータの孔径を制御することが述べられている。
特開2005−209570号公報 特開2000−212323号公報
しかし、近年の非水系二次電池、中でもリチウムイオン二次電池の高容量化によって、特許文献1のように、ポリオレフィン系微多孔膜の両面に耐熱性高分子からなる多孔質層が形成された耐熱性に優れたセパレータは、安全性の向上を主目的としている。安全性を向上させることはある程度可能であるが、電池の高容量化に伴って課題となる電池特性、具体的には、サイクル特性、リチウム析出によるデンドライト、および金属不純物の溶解析出による正・負極板間の内部短絡防止が十分にできないという課題がある。その理由は、セパレータ表面の孔径が小さすぎると、前述のように、セパレータが目詰まりしやすく、サイクル特性が低下してしまい、逆に、セパレータ表面の孔径が大きすぎると、前述の内部短絡の危険性が高く、信頼性を確保できず、セパレータの膜構造、特に孔径を考慮することが重要であるからである。そのため、サイクル特性や高温保存特性などの長期信頼性の確保が非常に困難である。
また、特許文献2はポリオレフィン系樹脂を用いたセパレータの孔径を規定し、これらの性能を改善するが提案されている。しかし、電池の高容量化に伴って、セパレータを薄膜化したり、正極板・負極板を高密度化することによって、セパレータの孔径を制御した
としてもポリオレフィン系樹脂そのものの柔らかさは変わらない。そのため、電池を充放電することで、極板の膨張収縮が起こり、その膨張に伴って柔らかいセパレータが圧縮されることになる。よって、電極表面に接しているセパレータ中に保持された電解液が枯渇し、サイクル特性の確保が困難となる。これはセパレータが厚み方向に対して、極板の膨張収縮に耐えられるだけの機械的強度を有していないことが課題である。
本発明は、シャットダウン機能を有する微多孔膜と耐熱性分子からなる多孔質膜とを有するセパレータで、シャットダウン機能を有する微多孔膜より厚み方向の機械的強度がある多孔質層であり、かつ孔質層の孔径を制御することにより、安全性、サイクル特性、および信頼性を兼ね備えた非水系二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の非水系二次電池用セパレータは、シャットダウン機能を有する微多孔膜の両面に耐熱性高分子からなる多孔質層が形成され、前記微多孔膜の片面には前記耐熱性高分子からなるの多孔質層の平均孔径が0.01〜0.05μmであり、かつもう一方の面には前記耐熱性高分子からなる多孔質層の平均孔径が0.2〜1μmである。
本発明によれば、安全性、サイクル特性、および信頼性に優れた高容量非水系二次電池を提供することが可能となる。
本発明の非水系二次電池用セパレータの実施の形態は、シャットダウン機能を有する微多孔膜の両面に耐熱性高分子からなる多孔質層が形成され、片面の多孔質層が平均孔径0.01〜0.05μm、もう片面の多孔質層が平均孔径0.2〜1μmである膜構造を有している。シャットダウン機能を有する微多孔膜の両面に耐熱性高分子からなる多孔質層がない場合、充放電時の極板の膨張収縮により、微多孔膜が圧縮され、微多孔膜中に保持された電解液が枯渇し、サイクル特性が低下してしまう。そのため、シャットダウン機能を有する微多孔膜より厚み方向の機械的強度がある多孔質層が必要である。耐熱性高分子からなる多孔質層の平均孔径が0.01μmより小さい場合、イオン透過性が得られず、平均孔径が1μm以上の場合、耐熱性高分子からなる多孔質層の製膜性が悪く、剥離し易いため良くない。このような非水系二次電池用セパレータを非水系二次電池に使った場合において、本発明の非水系二次電池の実施の形態は、正極板、負極板、およびシャットダウン機能を有する微多孔膜を有する非水系二次電池において、微多孔膜は、両面に耐熱性高分子からなる多孔質層が形成され、微多孔膜の片面には耐熱性高分子からなる多孔質層の平均孔径が0.01〜0.05μmであり、かつもう一方の面には前記耐熱性高分子からなる多孔質層の平均孔径が0.2〜1μmである。
耐熱性高分子からなる多孔質層の平均孔径を0.05μm以下にすることにより、リチウム析出によるデンドライトおよび金属不純物の溶解析出によるブリッジの形成に起因する内部短絡防止に効果があり、非水系二次電池の信頼性が向上する。前述したイオン透過性を確保するために、平均孔径が0.01μm以上が必要である。かつ、耐熱性高分子からなる多孔質層の平均孔径を0.2μm以上にすることにより、電解液の副反応による生成物が堆積することによるセパレータの目詰まりを抑制することが可能となり、サイクル特性が向上する。前述した多孔質層の製膜性の理由から、平均孔径が1μm以下が必要である。以上のことより、平均孔径0.01〜0.05μmを有する多孔質層により、リチウム析出によるデンドライトおよび金属不純物の溶解析出によるブリッジの形成に起因する内部短絡防止に効果があり、信頼性が向上する。また、平均孔径0.2〜1μmを有する多孔質層により、副反応による生成物が堆積することによるセパレータの目詰まりを抑
制することが可能となり、サイクル特性が向上する。
本発明の非水系二次電池用セパレータおよび非水系二次電池の好ましい実施の形態は、微多孔膜がポリオレフィン系である。シャットダウン機能を有する微多孔膜の中でも、ポリオレフィン系は、特に優れたシャットダウン特性を有しており、かつ延伸性に優れており、微多孔膜自身の機械的な強度の確保の点からも好ましい。
本発明の非水系二次電池の好ましい実施の形態は、多孔質層の平均孔径が小さい面を正極板側に配置し、平均孔径が大きい面を負極板側に配置する。こうすることにより、電解液の副反応の酸化還元反応による生成物の堆積は負極板側で顕著であるため、正極板側に面する多孔質層の平均孔径よりも負極側に面する多孔質層の平均孔径を大きくすることが目詰まりを抑制する効果が得られる。このような構成にすることで非水系二次電池のサイクル特性がさらに向上する。
シャットダウン機能を有する微多孔膜は公知のポリオレフィン微多孔膜を好適に用いることが可能である。具体的には、膜厚は5〜25μmの範囲であり、目付けは5〜25g/m2が好適である。空孔率は30〜50%の範囲が好ましく、ガーレ値(JIS P8117)は800秒/100cc以下が好適であり、さらに600秒以下が好ましい。材質としてはポリエチレンを主体とすることが好ましい。
シャットダウン機能を有する微多孔膜の両面に形成される耐熱性高分子からなる多孔質層については、融点200℃以上を有するものが好ましい。具体的には、芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、およびセラミックフィラー等が挙げられ、これらを混合して用いても構わない。
また、本発明の耐熱性高分子からなる多孔質層の平均孔径は、水銀圧入法によって測定されるモード径のことである。
本発明の非水系二次電池用セパレータの膜厚は10〜30μmの範囲が好ましく、耐熱性高分子からなる多孔質層は各層とも1.0〜7.0g/m2の範囲で被覆することが好ましく、特に1.5〜4.0g/mの範囲が好ましい。1.0g/m未満の場合には、高温時にポリオレフィン系微多孔膜の収縮力の影響で短絡する可能性があり、安全性の確保が困難になる。また、7.0g/mより大きい場合には、セパレータとして群構成時にクラックが入りやすく、耐熱性高分子からなる多孔質層が剥離する可能性がある。
正極板については、活物質としてコバルト酸リチウムおよびその変性体・ニッケル酸リチウムおよびその変性体・マンガン酸リチウムおよびその変性体などの複合酸化物を挙げることができる。結着剤としてはPTFEやPVDF等を単独または組み合わせて用いてもよい。導電材としてはアセチレンブラック、ケッチェンブラック(登録商標)、および各種グラファイトを単独あるいは組み合わせて用いてよい。
正極集電体の材料としてはアルミニウム、もしくはアルミニウム合金箔が好ましい。
負極板としてはその活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、およびハードカーボン等の各種炭素材料またはリチウムと合金化可能な各種元素、例えば、Al、Si、Zn、Ge、Cd、Sn、およびPb等を挙げることができる。これらは単独で含まれていてもよく、2種以上が含まれていてもよい。また、SnO、SiOx(0<x<2)等の酸化物、Ni−Si合金、およびTi−Si合金等の遷移金属元素を含む合金等、様々な材料を用いることができる。
結着剤としてはPVDFおよびその変性体をはじめ各種樹脂材料を用いることができる。また、結着剤を用いずに、集電体上に蒸着などにより活物質層を形成してもよい。
負極集電体の材料としては、銅箔が好ましい。
電解液については、塩としてLiPFおよびLiBFなどの各種リチウム化合物を用いることができる。また、溶媒としてエチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、およびエチルメチルカーボネート(EMC)を単独および組み合わせて用いることができる。
以上のような構成とすることで、安全性、サイクル特性、および信頼性に優れた高容量非水系二次電池を得ることができる。
次に、円筒型リチウムイオン二次電池の作製方法について詳細に述べる。
(a)正極板の作製
正極活物質としてコバルト酸リチウム3kgと、正極結着剤として呉羽化学(株)製の「#1320(商品名)」(PVDFを12重量%含むNMP溶液)1kgと、導電剤としてアセチレンブラック90gと、適量のNMPとを、双腕式練合機にて攪拌し、正極合剤塗料を調製した。この塗料を正極集電体である厚み15μmのアルミニウム箔の両面に、正極リードの接続部を除いて塗布し、乾燥後の塗膜をローラで圧延し、活物質密度が3.6g/cmの正極合剤層を形成した。この際、アルミニウム箔および正極合剤層からなる極板の厚みを150μmに制御した。その後、円筒型電池(直径18mm、長さ65mm)の電池缶に挿入可能な幅に極板を極板幅57.5mmにスリットし、正極板のフープを得た。
(b)負極板の作製
負極活物質として人造黒鉛3kgと、負極結着剤として日本ゼオン(株)製の「BM−400B(商品名)」(スチレン−ブタジエン共重合体の変性体を40重量%含む水性分散液)75gと、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を30gと、適量の水とを、双腕式練合機にて攪拌し、負極合剤塗料を調製した。この塗料を負極集電体である厚さ10μmの銅箔の両面に、負極リード接続部を除いて塗布し、乾燥後の塗膜をローラで圧延して、活物質層密度が1.6g/cmになるように負極合剤層を形成した。この際、銅箔および負極合剤層からなる極板の厚みが150μmになるようにした。その後、上述した円筒型リチウムイオン二次電池の電池缶に挿入可能な幅(極板幅58.5mm)の極板にスリットし、負極板のフープを得た。
(c)セパレータの作製
まず、セパレータの構成について説明する。図1に示すように、セパレータには三層あり、正極板に面している層をA層、負極板に面している層をC層、真ん中の層をB層と呼ぶことにする。
(B層の作製)
原料として重量平均分子量60万の高密度ポリエチレン35重量部、重量平均分子量20万の低密度ポリエチレン10重量部、可塑剤ジオクチルフタレート55重量部を混合造粒した後、先端にT−ダイを装着した押出機中で溶融混練し、厚さ100μmのシートを作製した。このシートをメチルエチルケトン(MEK)溶媒に浸漬させジオクチルフタレートを抽出除去し、乾燥させて延伸前の多孔膜を得た。この多孔膜を115〜125℃に加熱された槽で二軸方向に7.0倍×7.0倍に延伸し、その後100℃に加熱された槽
で熱処理を行い、ポリエチレン微多孔膜を得た。
このポリエチレン微多孔膜を基材として、表面にアラミド樹脂を塗着し、アラミド−ポリエチレン微多孔積層膜とした。以下にアラミド−ポリエチレン微多孔積層膜の作製方法を示す。
(A層、C層の作製)
NMP4200gに塩化カルシウム272.65gを溶解した後、パラフェニレンジアミン132.91gを添加して完全に溶解させた。得られた溶液に、テレフタル酸ジクロライド(以下、TPCと略す)243.32gを徐々に添加してパラアラミドを重合させ、さらにNMPで希釈して、濃度2.0重量%のパラアラミド溶液を得た。なお、得られたパラアラミド溶液からパラアラミド樹脂を分離し、その固有粘度を求めたところ、201cm/gであった。
得られたパラアラミド溶液に、アルミナ粉末(平均粒子径0.16μm)を添加し、分散させ、様々なアラミド樹脂の含有率を有するA層の原料スラリーを調製した。
次に、ポリエチレンフィルム(B層)の片面に、所定量のA層の原料スラリーを塗布し、温度60℃、湿度70%の雰囲気で、アラミド樹脂を析出させた。その後、析出したアラミド樹脂を水洗し、乾燥させた。その結果、B層およびB層の片面に形成されたA層からなり、A層がアラミド樹脂とアルミナ粉末とを含むセパレータが得られた。さらに、所定量のC層の原料スラリーを塗布し、温度60℃、湿度70%の雰囲気で、アラミド樹脂を析出させた。その後、析出したアラミド樹脂を水洗し、乾燥させた。その結果、B層のもう片面にアラミド樹脂とアルミナ粉末とを含むC層が形成され、B層の両面にA層、C層からなるセパレータが得られた。
アラミド樹脂とアルミナ粉末との合計に占めるアラミド樹脂の含有率を様々に変化させて孔径の異なる多孔膜を含むセパレータが得られた。
(d)非水電解液の調製
ECとDMCとEMCとを体積比2:3:3で含む非水溶媒の混合物に、LiPFを1.2mol/Lの濃度で溶解した後、VCを非水電解液100重量部あたり3重量部添加し、非水電解液を調整した。
(e)電池の作製
上述の正極板、負極板、セパレータおよび非水電解液を用いて、以下の要領で円筒型電池を作製した。まず、正極板のフープと負極板のフープとをそれぞれ所定の長さに切断し、正極リード接続部には正極リードの一端を、負極リード接続部には負極リードの一端をそれぞれ接続した。その後、正極板、負極板、セパレータを用いて捲回し、最外周がセパレータで覆われた円柱状の電極群を構成した。ここでセパレータのフープを巻き解く速度を2個/分(荷重は500gf)とした。
この電極群を上部絶縁リングと下部絶縁リングで挟み、電池缶に収容した。次いで、上記の非水電解液5gを電池缶内に注入した後133Paに減圧し、電極群表面に電解液の残渣が確認されなくなるまで放置し、電極群に電解液を含浸させた。
その後、正極リードを電池蓋の裏面に、負極リードを電池缶の内底面にそれぞれ溶接し、最後に周縁に絶縁パッキンが配された電池蓋で電池缶の開口部を塞ぎ、容量2500mAhの18650サイズの円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。これを実施例とする。
(セパレータの厚み)
厚みは、JIS規格K7130−1992による方法に準じて測定した。また、多孔質層の厚みについては、断面SEM写真で確認した。
(セパレータの平均孔径)
島津製作所製ポアサイザー9320型を用いて、サンプル重量0.02〜0.04mgを前処理として真空脱気を5分間行った後、初期圧2.0psiaより測定した。得られた細孔径分布データから、4μm以下で圧入体積の最も大きい点(モード径)を平均孔径とした。
《実施例1》
以下で説明する表1に示したセパレータを用いた。セパレータはポリエチレン微多孔膜(B層)の両面にアラミド多孔質層(A、C層)を形成し、A層の平均孔径が0.02μm、C層の平均孔径が0.5μmであるものを用いた。このセパレータを用いて円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
《実施例2》
A層の平均孔径が0.05μm、C層の平均孔径が1μmであるセパレータを用いた以外は実施例1と同様の電池を作製した。
《実施例3》
B層にポリプロピレン微多孔膜を用いた以外は実施例1と同様の電池を作製した。
《実施例4》
A層の平均孔径が0.5μm、C層の平均孔径が0.02μmであるセパレータを用いた以外は実施例1と同様の電池を作製した。
《比較例1》
B層のみのポリエチレン微多孔膜のセパレータを用いた電池を作製した。
《比較例2》
A層の平均孔径が0.1μm、C層の平均孔径が0.5μmであるセパレータを用いた以外は実施例1と同様の電池を作製した。
《比較例3》
A層の平均孔径が0.05μm、C層の平均孔径が1.5μmであるセパレータを用いた以外は実施例1と同様の電池を作製した。しかし、電池作製時において、セパレータのC層の剥離が発生したため、電池を作ることができなかった。
以下に、電池の評価方法として、電池の電圧不良の測定方法、初期容量の測定方法、およびサイクル特性の評価方法について示します。
(電池の評価方法)
(電圧不良の測定方法)
組み立てられた電池に定電流0.25Cで電池電圧4.1Vまで充電を行い、定電流1Cで電池電圧3.0Vまで放電し、これら充放電を3サイクル行った。再度、定電流0.25Cで電池電圧が4.1Vに到達するまで充電し、さらに定電圧4.1Vで2時間充電した。その後、充電状態で恒温45℃で7日間エージングを行った後、電池が25℃になった状態で電池電圧を測定し、測定数の平均値より2mV低いものを不良とし、各々の電
池について不良率を算出した。
(初期容量の測定方法)
作製した電池を25℃の環境下に置き、設計容量を基準にして、定電流0.1Cで電池電圧が4.2Vに到達するまで充電し、さらに定電圧4.2Vで5時間充電した。その後、定電流0.1Cで放電し、25℃における初期容量(C)を測定した。得られた初期容量を基準にして、以下に説明するサイクル特性と加熱試験を評価した。
(サイクル特性の測定方法)
25℃環境温度で、以下の条件で電池の充放電を繰り返した。
まず、定電流0.1Cで、電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後、定電圧4.2Vで、充電カット電流が50mAになるまで充電した。充電後の電池を30分間休止させた。その後、定電流1Cで、電池電圧が3.0Vになるまで放電した。放電後の電池を30分間休止させた。この充放電を1サイクルとして、放電容量が初期容量(C)の50%になるまで、充放電サイクルを繰り返した。その時のサイクル数を50%維持サイクル数として求めた。
(加熱試験)
電池を加熱槽に設置し、加熱槽を5℃/分の昇温速度で150℃まで上昇させ、150℃で10分間放置した。その後、電池の温度をモニターし、電池の最高温度を測定した。
それらの結果を表1と2に示した。
Figure 2008234853
Figure 2008234853
以下、結果について説明する。
まず、電圧不良については、実施例1〜4は不良率が1%以上の比較例1、2と比べて大きく改善している。この原因として次の2つのように考えている。1つ目は、比較例1はセパレータがポリエチレン単層であり、アルミナを含むアラミド樹脂層よりも柔らかく、極板の膨張によりセパレータが圧縮され易くなっている。そのため、セパレータ中に保持されている電解液量が減少するに伴って、極板間の距離が小さくなったためと考えている。また、2つ目は、正極板あるいは負極板表面の微多孔膜の平均孔径が0.2μmと0.05μmも大きいため、金属不純物の溶解析出によるブリッジが形成し易いと考えられる。以上、2つの要因から、電圧不良が高くなったと推定している。
また、比較例2については、セパレータの圧縮の影響は受け難いが、セパレータの多孔質層の平均孔径の小さい方の平均孔径が0.1μmであることにより、前述した金属不純物の溶解析出によるブリッジが形成し易いことに起因すると考えられる。
次に、25℃サイクル寿命特性について説明する。
まず、ポリエチレン微多孔膜(B層)の両面にアラミド多孔質層(A、C層)がない比較例1と比較例2を比べた場合、アラミド多孔質層がある比較例2は、アラミド多孔質層がない比較例1に比べ、サイクル特性が良好である。これは、比較例1のようにアラミド多孔質層がない場合、充放電を繰り返すサイクル試験において、極板の膨張によりセパレータが圧縮され、セパレータ中に保持されている電解液量が減少することによってリチウムイオンが通り難くなるためと考えられる。これに対して、アラミド多孔質層がある比較例2は、アラミド多孔質層を有しているため、極板が膨張しても一定の厚みを保持できる。このことから、一定の多孔度を維持しながら、かつ電解液の保持量が低下しないためサイクル特性が良好であると考えられる。
また、いずれもアラミド多孔質層がある実施例1〜4と比較例2において、実施例1〜3および比較例2は、実施例4に比べ、サイクル特性が良好である。これは、実施例4は、負極板側に対向するアラミド多孔質層C層の平均孔径が0.02μmと小さいため、電解液の副反応による反応生成物が負極板表面に析出し、被膜形成され、セパレータの目詰まりを起こしている。このことから、セパレータの抵抗が大きくなり、分極が大きくなり、容量の低下を引き起こしたものと考えられる。これに対して、実施例1〜3および比較例2は、負極板側に対向するアラミド多孔質層C層の平均孔径が0.1μm以上あることで、セパレータの目詰まりによる分極の増大が抑制され、サイクル特性が大きく向上していると考えられる。
次に、加熱試験について説明する。
ポリエチレン微多孔膜(B層)の両面にアラミド多孔質層(A、C層)がない比較例1のみ最高温度170℃まで到達したが、アラミド多孔質層がある実施例1〜4および比較例2については、いずれも最高到達温度が155℃以下と低く、ポリエチレンよりも耐熱性のある樹脂層があるため、高温下でのセパレータの収縮が抑制されていると考えられる。
なお、前述した実施例については、円筒型リチウムイオン二次電池について説明したが、正極板および負極板が、セパレータを介して渦巻状に捲かれて極板群を構成しているものであればよく、角型リチウムイオン電池でも同様の効果が確認された。本発明のリチウムイオン二次電池の形状はこれに限定されるものではない。
本発明の非水系二次電池は、高容量でなおかつ優れたサイクル特性、安全性、信頼性を有し、携帯電話、ノートパソコンなどのポータブル電子機器の電源などとして有用である。
本発明の非水系二次電池の極板構造の一実施例を示す概略模式図
符号の説明
1 正極板
2 負極板
A 正極板に面する耐熱性高分子からなる多孔質層
B シャットダウン機能を有する微多孔膜
C 負極板に面する耐熱性高分子からなる多孔質層

Claims (5)

  1. シャットダウン機能を有する微多孔膜の両面に耐熱性高分子からなる多孔質層が形成され、前記微多孔膜の片面には前記耐熱性高分子からなる多孔質層の平均孔径が0.01〜0.05μmであり、かつもう一方の面には前記耐熱性高分子からなる多孔質層の平均孔径が0.2〜1μmである非水系二次電池用セパレータ。
  2. 前記微多孔膜は、ポリオレフィン系のセパレータである請求項1記載の非水系二次電池用セパレータ。
  3. 正極板、負極板、およびシャットダウン機能を有する微多孔膜を有する非水系二次電池において、
    前記微多孔膜は、両面に耐熱性高分子からなる多孔質層が形成され、前記微多孔膜の片面には前記耐熱性高分子からなる多孔質層の平均孔径が0.01〜0.05μmであり、かつもう一方の面には前記耐熱性高分子からなる多孔質層の平均孔径が0.2〜1μmである非水系二次電池。
  4. 前記微多孔膜は、前記多孔質層の平均孔径が小さい面を前記正極板側に配置し、前記平均孔径が大きい面を前記負極板側に配置する請求項3記載の非水系二次電池。
  5. 前記微多孔膜は、ポリオレフィン系のセパレータである請求項3記載の非水系二次電池。
JP2007068410A 2007-03-16 2007-03-16 非水系二次電池用セパレータおよびこれを備えた非水系二次電池 Active JP4952314B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007068410A JP4952314B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 非水系二次電池用セパレータおよびこれを備えた非水系二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007068410A JP4952314B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 非水系二次電池用セパレータおよびこれを備えた非水系二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008234853A true JP2008234853A (ja) 2008-10-02
JP4952314B2 JP4952314B2 (ja) 2012-06-13

Family

ID=39907434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007068410A Active JP4952314B2 (ja) 2007-03-16 2007-03-16 非水系二次電池用セパレータおよびこれを備えた非水系二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4952314B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013218925A (ja) * 2012-04-10 2013-10-24 Tdk Corp セパレータ、及びそれを用いた非水系二次電池
CN103945747A (zh) * 2011-11-17 2014-07-23 松下电器产业株式会社 手干燥装置
US9017853B2 (en) 2010-12-27 2015-04-28 Industrial Technololgy Research Institute Lithium battery and electrode plate structure
WO2015122164A1 (ja) * 2014-02-17 2015-08-20 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池用セパレータ
JPWO2016152991A1 (ja) * 2015-03-24 2018-01-18 日本電気株式会社 高安全性・高エネルギー密度電池
CN114614200A (zh) * 2022-03-31 2022-06-10 宁德新能源科技有限公司 电化学装置及用电设备
WO2023127508A1 (ja) * 2021-12-27 2023-07-06 パナソニックエナジ-株式会社 非水電解質二次電池

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10302748A (ja) * 1997-04-28 1998-11-13 Nitto Denko Corp 非水電解液電池
JP2002231209A (ja) * 2001-01-31 2002-08-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池
JP2006507635A (ja) * 2002-11-26 2006-03-02 デグサ アクチエンゲゼルシャフト 電気化学的セルのための非対称的多孔質構造を有するセパレータ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10302748A (ja) * 1997-04-28 1998-11-13 Nitto Denko Corp 非水電解液電池
JP2002231209A (ja) * 2001-01-31 2002-08-16 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池
JP2006507635A (ja) * 2002-11-26 2006-03-02 デグサ アクチエンゲゼルシャフト 電気化学的セルのための非対称的多孔質構造を有するセパレータ

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9017853B2 (en) 2010-12-27 2015-04-28 Industrial Technololgy Research Institute Lithium battery and electrode plate structure
CN103945747A (zh) * 2011-11-17 2014-07-23 松下电器产业株式会社 手干燥装置
JP2013218925A (ja) * 2012-04-10 2013-10-24 Tdk Corp セパレータ、及びそれを用いた非水系二次電池
WO2015122164A1 (ja) * 2014-02-17 2015-08-20 三洋電機株式会社 非水電解質二次電池用セパレータ
JPWO2016152991A1 (ja) * 2015-03-24 2018-01-18 日本電気株式会社 高安全性・高エネルギー密度電池
WO2023127508A1 (ja) * 2021-12-27 2023-07-06 パナソニックエナジ-株式会社 非水電解質二次電池
CN114614200A (zh) * 2022-03-31 2022-06-10 宁德新能源科技有限公司 电化学装置及用电设备
CN114614200B (zh) * 2022-03-31 2023-12-19 宁德新能源科技有限公司 电化学装置及用电设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP4952314B2 (ja) 2012-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4920423B2 (ja) リチウムイオン二次電池
JP5699576B2 (ja) 積層型微多孔膜、電池用セパレータおよび非水電解質電池
US10193117B2 (en) Separator for nonaqueous secondary battery, and nonaqueous secondary battery
TWI497790B (zh) Non-aqueous secondary battery separator and non-aqueous secondary battery
JP4487457B2 (ja) 非水電解液二次電池用セパレータおよび非水電解液二次電池
CN105794018B (zh) 保护膜、使用该保护膜的间隔物以及充电电池
TWI497791B (zh) Non-aqueous secondary battery separator and non-aqueous secondary battery
JP5611505B2 (ja) 電池用セパレータおよびリチウム二次電池
JP5603522B2 (ja) 非水電解質電池用セパレータおよび非水電解質電池
KR20180077190A (ko) 비수계 이차전지용 세퍼레이터 및 비수계 이차전지
JP2007324073A (ja) リチウム二次電池並びにそのセパレータ及びその製造方法
WO2017082258A1 (ja) 非水系二次電池用セパレータ及び非水系二次電池
JP5729442B2 (ja) セパレータおよびこれを用いた電池
JP4952314B2 (ja) 非水系二次電池用セパレータおよびこれを備えた非水系二次電池
WO2001063687A1 (fr) Element secondaire a electrolyte non-aqueux
US11398660B2 (en) Flame retardant separator having asymmetric structure for secondary batteries
JP2015181110A (ja) 耐熱性微多孔膜、リチウムイオン二次電池用セパレータ及びリチウムイオン二次電池
JPWO2012137374A1 (ja) 非水系二次電池用セパレータおよび非水系二次電池
WO2005067079A1 (ja) リチウム二次電池
KR20180042831A (ko) 비수 전해액 이차 전지용 적층 세퍼레이터, 비수 전해액 이차 전지용 부재 및 비수 전해액 이차 전지
JP2014026946A (ja) 非水電解質電池用セパレータ及び非水電解質電池
JP4649862B2 (ja) リチウムイオン二次電池及びその製造方法
JP2006228544A (ja) リチウムイオン二次電池
JP2011228188A (ja) 電気化学素子用セパレータ、電気化学素子およびその製造方法
JP2007242575A (ja) 非水電解液二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100308

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20100413

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120214

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120227

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4952314

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150323

Year of fee payment: 3