JP2008234704A - フレキシブル光ディスク用ターンテーブル及びその製造方法、光情報記録再生装置、フレキシブル光ディスク回転装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フレキシブル光ディスクとの貼り付きを防止するフレキシブル光ディスク用ターンテーブルを提供する。
【解決手段】フレキシブル光ディスク搭載面と、スピンドルに嵌る中心孔とを備えた透明基板からなるフレキシブル光ディスク用ターンテーブルであって、前記フレキシブル光ディスク搭載面に透明な帯電防止膜が設けられ、前記帯電防止膜の表面には微細凹凸が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】フレキシブル光ディスク搭載面と、スピンドルに嵌る中心孔とを備えた透明基板からなるフレキシブル光ディスク用ターンテーブルであって、前記フレキシブル光ディスク搭載面に透明な帯電防止膜が設けられ、前記帯電防止膜の表面には微細凹凸が形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、フレキシブル光ディスク用ターンテーブル及びその製造方法に関する。本発明は、このようなフレキシブル光ディスク用ターンテーブルを使用する光情報記録再生装置及びフレキシブル光ディスク回転装置にも関する。
近年、情報量の増加に伴い、ハードディスク等の大容量高記録密度媒体の需要が増えている。また、大容量高記録密度媒体は、信頼性、低コスト化についても求められている。光ディスクは、これらの期待に応えることのできる信頼性を持っており、且つ低コストなためその需要エリアは幅広い。
しかし、ハードディスク等に比べ、光ディスク1枚の記録容量は少ないため、さらなる高記録密度化が現在の課題ともいえる。HD DVDやBlu−rayディスクのように、記録再生に用いられるレーザのスポット径を狭めた青色レーザを使用する高記録密度な光メディアが登場している。これらは、ディスク形成においてディスクのパターン面におけるランドプリピット(溝形状)を現行のDVDよりもさらに微細化することにより、光ディスクの高記録密度化を図ることができたが、このような方法によるさらなる高記録密度化は現状では困難である。
そこで、さらなる高記録密度化のため、ディスク基板そのものを薄くしたフレキシブル光ディスクの開発が行われている。従来の光ディスクの記憶容量のままディスクの厚みを薄くすれば、多数枚積層した場合、単位体積あたりの記憶容量を上げることができ、大記録容量化を実現することができる。
しかしながら、このような薄い基板を用いる薄型フレキシブル光ディスクは、その製造装置や記録再生装置における回転時に面ぶれが生じ、安定に回転させることが難しいという問題がある。
そこで、例えば、特許文献1及び2には、薄型フレキシブル光ディスクとスタビライザを組み合わせることにより、薄型フレキシブル光ディスクを面ぶれが少なく安定に回転させる技術が記載されている。また、特許文献3には、薄型フレキシブル光ディスクをターンテーブルに載置して回転させる技術が記載されている。
しかしながら、特許文献1及び2のようなスタビライザを用いる方式では、強度の弱い薄型フレキシブル光ディスクが折れ曲がった状態で回転してしまったり、回転する薄型フレキシブル光ディスクにスタビライザが接触してしまったりするなど、薄型フレキシブル光ディスクを確実かつ安定して記録再生する光情報記録再生システムを実現するには依然として問題があった。
そこで本発明者らは、特許文献3のように、フレキシブル光ディスクを用いるに際し、より確実かつ安全なシステムを構築するために、スタビライザの使用をやめ、代わりにターンテーブルを用いることを提案した。フレキシブル光ディスクをターンテーブルに載置して、種々の実験を繰り返したところ、フレキシブル光ディスクは、以下に述べるように従来の記録媒体とは異なる挙動を示し、確実な記録再生が困難であった。
まず、厚さ100μm程度のフレキシブル光ディスクをほぼ同じ大きさのターンテーブルの上に載せ、このターンテーブルでフレキシブル光ディスクを支持することを試みた。ターンテーブルは、光学ガラスで作製し、レーザをこのターンテーブル越しにフレキシブル光ディスクに照射する。
100μm厚のフレキシブル光ディスクと500μm厚のターンテーブルを用意し、前者を後者の上に偏心が小さくなるように載せたところ、次のような現象が現れた。
(イ)ターンテーブルとフレキシブル光ディスクの一部の領域同士が吸着した。
(ロ)吸着部分が他の部分を次々に巻き込んで吸着領域が広がっていくのが観察された。
(ハ)吸着領域の拡大は、ある範囲で落ち着いてそれ以上は広がらなかった。
(ニ)結局、ターンテーブルとフレキシブル光ディスクは一様には吸着せず、所々にエア噛み部分が残った。
(ホ)このようなエア噛み部分が残った状態でターンテーブル上に載置されたフレキシブル光ディスクを記録再生装置で記録再生を試みたところ、まったく記録再生ができなかった。
(イ)ターンテーブルとフレキシブル光ディスクの一部の領域同士が吸着した。
(ロ)吸着部分が他の部分を次々に巻き込んで吸着領域が広がっていくのが観察された。
(ハ)吸着領域の拡大は、ある範囲で落ち着いてそれ以上は広がらなかった。
(ニ)結局、ターンテーブルとフレキシブル光ディスクは一様には吸着せず、所々にエア噛み部分が残った。
(ホ)このようなエア噛み部分が残った状態でターンテーブル上に載置されたフレキシブル光ディスクを記録再生装置で記録再生を試みたところ、まったく記録再生ができなかった。
このような実験結果から、本発明者らは、エア噛み現象が記録再生を阻害する原因とみて、このエア噛み現象が発生する原因を確認し、それを回避する方策を考えた。本発明者らは、まず、吸着部分が常に局所的に発生する現象に気がついた。そして、フレキシブル光ディスク及びターンテーブルが不導体でできていることに注目し、現象に静電気が関与していることを突き止めた。帯電した部分同士が接触し、静電気が中和されると、吸着部分はそれ以上に広がらず、帯電部分に応じて吸着部分が局所的に発生する。この結果、フレキシブル光ディスクには部分的にひずみができるから、フレキシブル光ディスクとターンテーブルの中和が済んでいない部分同士の領域に過不足が生じ、吸着することなく取り残された島状部が残存する。このような理由でエア噛み現象が起こるものと考えた。また、記録再生ができなかったのは、記録再生装置によるフォーカス追従が実行されたかったためであり、これは、エア噛みが存在することによってディスク回転時に局所的な面ブレが発生することによるものと考えた。さらにこのエア噛みは、記録再生ができたとしてもその後も残留するため、記録再生装置からフレキシブル光ディスクを取り出す際に、フレキシブル光ディスクとターンテーブルの摺動によってこれらの表面に傷がつくおそれがあるという問題もあった。
上述したことを鑑み、本発明は、フレキシブル光ディスクとの貼り付きを防止するフレキシブル光ディスク用ターンテーブルを提供することを目的とする。本発明は、また、このようなフレキシブル光ディスク用ターンテーブルの製造方法も提供する。本発明は、さらに、このようなフレキシブル光ディスク用ターンテーブルを使用する光情報記録再生装置及びフレキシブル光ディスク回転装置も提供する。
本発明のフレキシブル光ディスク用ターンテーブルは、フレキシブル光ディスク搭載面と、スピンドルに嵌る中心孔とを備えた透明基板からなるフレキシブル光ディスク用ターンテーブルであって、前記フレキシブル光ディスク搭載面に透明な帯電防止膜が設けられ、前記帯電防止膜の表面には微細凹凸が形成されていることを特徴とする。帯電防止膜の帯電防止作用に加えて、帯電防止膜の表面の微細凹凸によりフレキシブル光ディスクとの接触面積が狭くなることにより、貼り付きが防止される。微細凹凸は透明体かつ微細なため、ターンテーブル越しのフレキシブル光ディスクの記録再生を妨げない。
好適には、前記帯電防止膜はポリチオフェン系ポリマーからなる。
好適には、前記帯電防止膜の表面上の微細凹凸の寸法は、0.01〜20μmである。
好適には、該フレキシブル光ディスク用ターンテーブルは、プラスチック製又はガラス製である。
好適には、前記帯電防止膜の表面上の微細凹凸の寸法は、0.01〜20μmである。
好適には、該フレキシブル光ディスク用ターンテーブルは、プラスチック製又はガラス製である。
好適には、該フレキシブル光ディスク用ターンテーブルの外径は、φ100mm〜φ130mmである。
好適には、前記フレキシブル光ディスク搭載面は少なくともフレキシブル光ディスクの記録領域を覆う大きさである。
好適には、該フレキシブル光ディスク用ターンテーブルの厚さは、0.4mm〜2.0mmである。
好適には、前記フレキシブル光ディスク搭載面の表面抵抗値が1×106〜1×1012Ω/□である。
該フレキシブル光ディスク用ターンテーブルにおいて、載置されるフレキシブル光ディスクの光情報記録領域より内側にある内周領域に空気流入用の貫通孔を設けてもよい。
本発明の光情報記録再生装置は、上記のようなフレキシブル光ディスク用ターンテーブルと、前記フレキシブル光ディスク用ターンテーブル上の、フレキシブル光ディスクの内周領域に対向する位置に載置され、前記フレキシブル光ディスクと前記フレキシブル光ディスク用ターンテーブルとの間に間隙を形成するためのスペーサーと、前記フレキシブル光ディスク及び前記フレキシブル光ディスク用ターンテーブルを回転させるためのスピンドル部と、光ピックアップとを備えることを特徴とする。
本発明のフレキシブル光ディスク回転装置は、上記のようなフレキシブル光ディスク用ターンテーブルと、前記フレキシブル光ディスク用ターンテーブル上の、フレキシブル光ディスクの内周領域に対向する位置に載置され、前記フレキシブル光ディスクと前記フレキシブル光ディスク用ターンテーブルとの間に間隙を形成するためのスペーサーと、前記フレキシブル光ディスク及び前記フレキシブル光ディスク用ターンテーブルを回転させるためのスピンドル部とを備えることを特徴とする。
本発明のフレキシブル光ディスク用ターンテーブルの製造方法は、中心孔を有する円板状の透明基板を準備する工程と、前記透明基板の少なくとも片方の面に揮発性溶媒で希釈したポリチオフェン系透明導電性ポリマーをスピンコートする工程と、前記ポリチオフェン系透明導電性ポリマーをUV照射によって硬化させる工程とを含むことを特徴とする。揮発性溶媒で希釈したポリチオフェン系透明導電性ポリマーは、UV照射により瞬間的に硬化し、表面にランダムな形状、配置の数十ナノ〜数十ミクロンの凹凸が生じる。
本発明によれば、フレキシブル光ディスクとの貼り付きを防止するフレキシブル光ディスク用ターンテーブルが実現する。
図1は、本発明のフレキシブル光ディスク用ターンテーブルの一実施形態を模式的に示す図である。記録再生装置等のフレキシブル光ディスク回転装置内において、ターンテーブル102上にスペーサ104を介してフレキシブル光ディスク101を搭載する。これらを回転させるためのスピンドル106にこれらの中心孔を嵌め、クランプ108によって挟み込んでチャッキングを安定させる。
本発明と共に用いられるフレキシブル光ディスクは、例えば、厚さ100μmのポリカーボネートフィルムに色素記録層、銀を主成分とする金属反射層、保護コートを積層した、光記録再生可能なものであり、外径がφ120mm、内径がφ15mmのドーナツ板であり、その重さ1g程度のものである。
ターンテーブル102の基板は、例えばガラスやプラスチック等の透明な材料から成る円板であり、フレキシブル光ディスク101とほぼ同じ径の中心孔を有する。ターンテーブル102の製造は、このような透明基板の一方の面に、イソプロピルアルコール等の揮発性の高い溶媒で希釈したポリチオフェン系透明導電性ポリマーを、例えば1000rpm〜4000rpmの回転数で厚さ1〜20μm程度にスピンコートし、硬化させることによって行われる。このようなポリチオフェン系透明導電性ポリマー剤が硬化すると、表面に0.01〜20μmのランダムな形状の微細凹凸110が形成される。このような微細凹凸110が形成された面をフレキシブル光ディスク搭載面とする。ターンテーブル102のフレキシブル光ディスク搭載面が、少なくともその上に載置されるフレキシブル光ディスクの記録再生エリアを覆うようにターンテーブル102の外径を選択する必要がある。例えば、フレキシブル光ディスクがDVD等と同様のφ120mmである場合、ターンテーブル102の外径は、φ100mm〜φ130mm程度が好適である。レーザ光がターンテーブル102越しにフレキシブル光ディスク101の記録層に照射されることを考慮すると、ターンテーブル102の厚さは、0.4〜2.0mm程度が好適である。ポリチオフェン系透明透明導電性ポリマーの微細凹凸110は透明かつ微細であるので、ターンテーブル越しのフレキシブル光ディスクの記録再生の障害にはならない。
このようにしてポリチオフェン系透明透明導電性ポリマーの微細凹凸110が形成されたターンテーブル102のフレキシブル光ディスク搭載面は、1×106〜1012Ω/□の表面抵抗値を持つため、2000rpm以上の高速回転時においても極性基が発生せず、2000rpm以上の高速回転後の静止後においてもエア噛みを発生しない。また、微細凹凸110同士の間は空間が存在するため、フレキシブル光ディスクの回転時に内周から外周方向へ流れる空気流が発生し、エア噛みの発生の防止に寄与する。また、ターンテーブル102のフレキシブル光ディスク搭載面に塗布されたポリチオフェン系透明型導電性ポリマーは、回転の際に生じる空気流に混在した塵埃の衝突や、フレキシブル光ディスクとターンテーブルのフレキシブル光ディスク搭載面との摺動によって、フレキシブル光ディスクを構成するプラスチックフィルムあるいはターンテーブル表面が傷つくことを防止する保護層としても機能する。
本発明の効果を確認するために、本発明の実施例として図1に示すような実施形態のフレキシブル光ディスク用ターンテーブルを用意し、比較例として図2のようなフレキシブル光ディスク用ターンテーブルを用意し、以下のような実験を行った。
本発明の実施例において、ターンテーブル102は、厚さ0.5mmのソーダガラス板で、外径はφ125mm、内径はφ15mmのドーナツ状であり、表面抵抗は1×1014Ω/□である。ターンテーブル102の一方の表面上に、表面抵抗値1×106〜1×1012Ω/□、粘度15mPa・sの透明型導電性ポリマー(インスコン・テック株式会社製コニソルU−200)を3000rpmでスピンコートし、UV照射により十分に硬化させることで、表面全体に0.1〜10μmの不均一且つ透明な微細凹凸110を形成した。この状態での表面抵抗値は、1×107Ω/□である。このような透明型導電性ポリマーを塗布した面がターンテーブル102のフレキシブル光ディスク搭載面である。
比較例において、フレキシブル光ディスク用ターンテーブル202は、表面に透明型導電性ポリマーをスピンコートしない状態の図1のターンテーブル102と同様のものであり、厚さ0.5mmのソーダガラス板で、外径はφ125mm、内径はφ15mmのドーナツ状であり、表面抵抗は1×1014Ω/□である。
実施例と比較例において、ターンテーブル以外の構成は同様である。フレキシブル光ディスク101は、厚さ100μmのポリカーボネートフィルムに色素記録層と、銀を主成分とする金属反射層と、保護コートとを積層して成り、外径はφ120mm、内径はφ15mmのドーナツ状であり、重さは1〜5gである。スペーサ104は、SUS304製で、厚さ0.1mm、外径φ33mm、内径φ15mmのドーナツ状である。
実施例ではターンテーブル102上に、比較例ではターンテーブル202上にスペーサ104を介してフレキシブル光ディスク101を搭載する。これらを回転させるためのスピンドル106にこれらの中心孔を嵌め、クランプ108によって挟み込んでチャッキングを安定させる。
図1及び図2に示す構成において、2000rpm、4000rpm、5000rpm、6000rpm、8000rpm、10000rpmで回転させたときの、フレキシブル光ディスク101の内周(R=22mm)、中周(R=40mm)、外周(R=57mm)の位置における、面ぶれ量と、面ぶれ速度と、面ぶれ加速度を測定した。内周における測定結果を図3に、中周における測定結果を図4に、外周における測定結果を図5にそれぞれ示す。これらの図3〜5において、(a)は比較例の測定結果を示し、(b)は実施例の測定結果を示す。これらの数値は、低いものほど面ぶれが少なく、ディスクの記録再生が良好に行えることを意味する。実施例と比較例を比較すると、内周、中周、外周共、明らかに実施例の方が面ぶれが少ないことがわかる。特に、フレキシブル光ディスク外周部に注目すると、フレキシブル光ディスクとターンテーブルの回転に伴って空気の乱流が発生していることが予想され、この空気の乱流によってフレキシブル光ディスクに非定常的な力が発生し、その結果、フレキシブル光ディスクの面ぶれ量が増えると考えられる。さらに、高速回転時に発生した静電気が起因し、ターンテーブルとフレキシブル光ディスクが局所的に付着してエア噛みが発生するため、表面に微細凹凸が無い比較例の方が、実施例よりも乱流の影響を強く受け、面ぶれ量が大きくなると考えられる。
続いて、実施例及び比較例のフレキシブル光ディスクを載置したターンテーブルを4000rpmの高速回転した後、静止させて、ターンテーブル上のフレキシブル光ディスクを吸着圧力25kPa、ノズルφ7mmの吸着ピンセットで脱着させるディスク脱着試験をそれぞれ100回行った。その結果を図6のグラフに示す。このグラフでは、ディスク脱着回数10回ごとの貼り付き回数を示す。比較例では合計89回も貼り付きが生じたのに対し、実施例では一度も貼り付くことがなかった。
図7は、本発明のフレキシブル光ディスク用ターンテーブルの他の実施形態を模式的に示す図である。図1に示す実施形態と同様に、この実施形態におけるターンテーブル302は、例えばガラスやプラスチック等の透明な材料から成る円板であり、フレキシブル光ディスク101とほぼ同じ径の中心孔を有する。ターンテーブル302の製造は、このような透明基板の一方の面に、イソプロピルアルコール等の揮発性の高い溶媒で希釈したポリチオフェン系透明導電性ポリマーを、例えば1000rpm〜4000rpmの回転数で厚さ1〜20μm程度にスピンコートし、硬化させることによって行われる。このようなポリチオフェン系透明導電性ポリマー剤が硬化すると、表面に0.01〜20μmのランダムな形状の微細凹凸110が形成される。このような微細凹凸110が形成された面をフレキシブル光ディスク搭載面とする。ターンテーブル302の外径は、ターンテーブル302のフレキシブル光ディスク搭載面が、少なくともその上に載置されるフレキシブル光ディスクの記録再生エリアを覆うように選択する必要があり、例えば、φ100mm〜φ130mm程度が好適である。ターンテーブル302の厚さは、レーザ光がターンテーブル302越しにフレキシブル光ディスク101の記録層に照射されることを考慮すると、0.4〜2.0mm程度が好適である。本実施形態のターンテーブル302は、内周部に空気流入用の貫通孔303を有する。これにより、空気の流れがよりスムーズに行われるようになるため、さらに局所的な面ぶれを低減しかつ面ぶれがより少なく安定した状態を保つことができるようになった。空気流入用の貫通孔303は多数満遍なく設けることにより均一な空気の流れを実現することが望ましい。実際的には、複数個、好ましくは3個〜50個、回転中心対称に円周状に配置するのが望ましい。貫通孔303の径は2mmφ〜7mmφが望ましい。ともかくターンテーブル302の強度が極端に落ちない程度の径と数にする。図示しないが、貫通孔には渦発生防止のため孔周縁はアール加工されることが望ましい。
図8は、上記で説明したような本発明のフレキシブル光ディスク用ターンテーブルを使用する光情報記録再生装置の構成の一例を示すブロック図である。本例では、図1に示したものと同様のフレキシブル光ディスク用ターンテーブルを用いるが、もちろん図7に示したものと同様のフレキシブル光ディスク用ターンテーブルを用いてもかまわない。本例の光情報記録再生装置は、例えば、図1と同様のターンテーブル102と、SUS304製で外径33mmφ、内径15mmφ、厚さ0.1mmのスペーサー104と、ターンテーブル102及び載置されたフレキシブル光ディスク101を回転させるためのスピンドル106と、チャッキングを安定させるためのクランプ108と、光ピックアップ801と、を備える。また、この光情報記録再生装置は、記録/再生信号の入出力をするためのインターフェース部802と、記録するための信号を符号化し、かつ、光ピックアップによって読み取られた再生信号を復号する信号処理部803と、フォーカス/トラッキングサーボ信号を生成するフォーカス/トラッキングサーボ回路805と、フォーカス/トラッキングサーボ回路805からのサーボ信号に応じて光ピックアップを作動させる光ヘッドアクセス機構806と、スピンドル106の回転速度を制御するための回転制御回路804とを備えている。このような構成とすることにより、フレキシブル光ディスクとフレキシブル光ディスク用ターンテーブルとの貼り付くことによるエア噛みの問題が発生せず、フレキシブル光ディスクを面ぶれさせることなく安定に回転させることができるようになるので、安定した記録再生を行うことができる。
本発明のフレキシブル光ディスク用ターンテーブルは、フレキシブル光ディスクの製造工程、例えば、ディスク基板上に接着剤等をスピンコーティングする際にディスク基板を回転させるディスク回転装置において使用するターンテーブルとしても使用可能である。図9は、このような用途に用いるフレキシブル光ディスク回転装置の構成の一例を示すブロック図である。本例では、図1に示したものと同様のフレキシブル光ディスク用ターンテーブルを用いるが、もちろん図7に示したものと同様のフレキシブル光ディスク用ターンテーブルを用いてもかまわない。本例の光情報記録再生装置は、例えば、図1と同様のターンテーブル102と、SUS304製で外径33mmφ、内径15mmφ、厚さ0.1mmのスペーサー104と、ターンテーブル102及び載置されたフレキシブル光ディスク101を回転させるためのスピンドル106と、チャッキングを安定させるためのクランプ108と、スピンドル106の回転速度を制御するための回転制御回路804とを備えている。このような構成とすることにより、フレキシブル光ディスクとフレキシブル光ディスク用ターンテーブルとの貼り付くことによるエア噛みの問題が発生せず、フレキシブル光ディスクを面ぶれさせることなく安定に回転させることができるようになる。
本発明は、フレキシブル光ディスク用ターンテーブルに利用可能である。
101、202、302 フレキシブル光ディスク
102 ターンテーブル
104 スペーサ
106 スピンドル
108 クランプ
110 微細凹凸
303 空気流入用貫通孔
801 光ピックアップ
802 インターフェース部
803 信号処理部
804 回転制御回路
805 フォーカス/トラッキングサーボ回路
806 光ヘッドアクセス機構
102 ターンテーブル
104 スペーサ
106 スピンドル
108 クランプ
110 微細凹凸
303 空気流入用貫通孔
801 光ピックアップ
802 インターフェース部
803 信号処理部
804 回転制御回路
805 フォーカス/トラッキングサーボ回路
806 光ヘッドアクセス機構
Claims (12)
- フレキシブル光ディスク搭載面と、スピンドルに嵌る中心孔とを備えた透明基板からなるフレキシブル光ディスク用ターンテーブルであって、
前記フレキシブル光ディスク搭載面に透明な帯電防止膜が設けられ、前記帯電防止膜の表面には微細凹凸が形成されていることを特徴とするフレキシブル光ディスク用ターンテーブル。 - 前記帯電防止膜はポリチオフェン系ポリマーからなることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル光ディスク用ターンテーブル。
- 前記帯電防止膜の表面上の微細凹凸の寸法は、0.01〜20μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブル光ディスク用ターンテーブル。
- プラスチック製又はガラス製であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のフレキシブル光ディスク用ターンテーブル。
- 外径がφ100mm〜φ130mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフレキシブル光ディスク用ターンテーブル。
- 前記フレキシブル光ディスク搭載面は少なくともフレキシブル光ディスクの記録領域を覆う大きさであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフレキシブル光ディスク用ターンテーブル。
- 厚さが0.4mm〜2.0mmであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフレキシブル光ディスク用ターンテーブル。
- 前記フレキシブル光ディスク搭載面の表面抵抗値が1×106〜1×1012Ω/□であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフレキシブル光ディスク用ターンテーブル。
- 載置されるフレキシブル光ディスクの光情報記録領域より内側にある内周領域に空気流入用の貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のフレキシブル光ディスク用ターンテーブル。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のフレキシブル光ディスク用ターンテーブルと、
前記フレキシブル光ディスク用ターンテーブル上の、フレキシブル光ディスクの内周領域に対向する位置に載置され、前記フレキシブル光ディスクと前記フレキシブル光ディスク用ターンテーブルとの間に間隙を形成するためのスペーサーと、
前記フレキシブル光ディスク及び前記フレキシブル光ディスク用ターンテーブルを回転させるためのスピンドル部と、
光ピックアップとを備えることを特徴とする光情報記録再生装置。 - 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のフレキシブル光ディスク用ターンテーブルと、
前記フレキシブル光ディスク用ターンテーブル上の、フレキシブル光ディスクの内周領域に対向する位置に載置され、前記フレキシブル光ディスクと前記フレキシブル光ディスク用ターンテーブルとの間に間隙を形成するためのスペーサーと、
前記フレキシブル光ディスク及び前記フレキシブル光ディスク用ターンテーブルを回転させるためのスピンドル部とを備えることを特徴とするフレキシブル光ディスク回転装置。 - 中心孔を有する円板状の透明基板を準備する工程と、
前記透明基板の少なくとも片方の面に揮発性溶媒で希釈したポリチオフェン系透明導電性ポリマーをスピンコートする工程と、
前記ポリチオフェン系透明導電性ポリマーをUV照射によって硬化させる工程とを含むことを特徴とするフレキシブル光ディスク用ターンテーブルの製造方法。
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KR20130020608A (ko) * | 2011-08-17 | 2013-02-27 | 나가세케무텍쿠스가부시키가이샤 | 유기 도전막 |
JP2013058470A (ja) * | 2011-08-17 | 2013-03-28 | Nagase Chemtex Corp | 有機導電膜 |
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