JP2008233835A - 拡散シート及び当該拡散シートを用いた直下型バックライト - Google Patents

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尚志 小澤
Shinya Okada
慎也 岡田
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慶祐 大前
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健治 船木
Masafumi Suzuki
雅史 鈴木
Osamu Otani
修 大谷
Masaru Iwatani
勝 岩谷
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Abstract

【課題】直下型バックライトに用いた場合に、輝度むらを生じさせることなくロール状に巻き取り可能な0.8mm以下の厚みまで薄くすることができ、しかも、輝度を低下させることもない拡散シートの提供。
【解決手段】透明樹脂、平均粒径0.8μm以上30μm以下の有機系架橋微粒子、およびチタン酸塩微粒子からなる樹脂組成物により厚みが0.05mm以上0.8mm以下のシート状に成形する。
【選択図】なし

Description

本発明は、直下型バックライトに用いるための樹脂製の拡散シートと、当該拡散シートを用いた直下型バックライトとに関する。
近年液晶テレビはますます大画面化しており、それに伴って液晶テレビ用のバックライトも大型化が進んでいる。そのため、液晶テレビ用のバックライトは、光の利用効率が高く、高輝度化が容易な直下型バックライトが主流になってきている。
直下型バックライトは、冷陰極管を液晶パネルの背面に複数本並べて置き、それらの後方に反射板を配置し、前方に拡散板を配置したものである。このバックライトでは、光源から前方へ出射した光は直接拡散板を透過し、また光源から後方へ出射した光は反射板で反射した後に拡散板を透過する。そして、拡散板を透過することによって拡散した光によって液晶パネルを背面側から照明する。ここで、拡散板は、液晶パネルを均一に照明するため、また液晶パネルを通して冷陰極管が透けて見えないようにするために、必要不可欠な部品となっている。
従来、直下型バックライトの拡散板としては、ポリメタクリル酸メチルやポリスチレン、ポリカーボネートなどの透明樹脂板に無機微粒子や有機微粒子などの光拡散剤を添加したものが用いられてきた。なかでも、シリコーンなどの有機系架橋微粒子が光拡散剤としてよく用いられている。
しかし、従来の拡散板は、厚みが2mm程度の樹脂板によって形成されていたので、バックライトが大型化するにつれて大面積となり、かつ、重量も重くなっている。そのため、拡散板の製造工場からバックライトの組立工場へ運ぶ際の輸送効率が次第に悪くなっている。また、拡散板が大面積となり、かつ、その消費量が増大するにつれ、バックライト用の樹脂の消費量も急激に増加しつつある。
従って、拡散板を薄くして省資源化を図ることが望まれており、特にロール状に巻いて輸送できる程度にまで薄くして輸送性を向上させることが求められるようになってきている。
拡散板をロール状に巻けるようにするためには、従来2mm程度あった拡散板の厚みを0.8mm以下まで薄くすればよい。厚みを0.8mm以下まで薄くすれば、拡散板をロール状に巻くことができ、また重量も低減されるので、拡散板が大面積となっても拡散板の輸送が容易になる。また、必要な樹脂量を低減できるので、省資源化にも寄与しうる。
しかしながら、従来の厚み2mmの拡散板でその厚みを0.8mm以下まで薄くすると、拡散板の拡散性能が低下し、バックライトに輝度むらが生じるので、単に拡散板の厚みを薄くするということでは実用性がない。
従来の拡散板で輝度むらを改善する方法としては、拡散板の多層化(特許文献1)や拡散板の上面に半球状の凸パターンを付与する方法(特許文献2)が提案されている。しかし、前者の方法では、複数枚の拡散板を積層することで厚みが大きくなり、後者の方法では、拡散板の表面に半球状をした凸パターンを付与することで厚みが大きくなり、いずれの方法でも拡散板の厚みが大きくなることになり、拡散板をロール状に巻き取れる程度にまで薄くすることはできない。
また、光拡散剤と蛍光増白剤の併用によりバックライトの輝度むらを小さくする方法(特許文献3)も提案されているが、この方法でも、拡散板を厚み0.8mm程度まで薄くしたときに輝度むらが生じないようにするほどの輝度むら改善効果は期待できない。したがって、これまでの技術では、0.8mm以下の厚さでも十分な輝度むら低減効果を有する拡散板を得ることは困難であった。
また、拡散板を薄くした場合の別な課題として、冷陰極管から出てくる紫外線によって拡散板が変色(黄変)する問題がある。従来の2mm程度の厚さの拡散板であれば、紫外線吸収層を拡散板上に形成することで耐光性を向上させることができた(特許文献4)。しかし、拡散板をロール状に巻き取ることができる程度にまで薄くしようとする場合には、紫外線吸収層によって厚みが増すと、拡散板をロール状に巻くことが困難になる。あるいは、紫外線吸収層を含めた厚みを0.8mm程度の厚みにしようとすると、拡散板自体の厚みはより一層薄くしなければならなくなり、拡散板の拡散性能をより高くしなければならなくなる。
特開2005−112971号公報 特開2004−163575号公報 特開2004−29091号公報 特開2005−234521号公報
本発明は、上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、直下型バックライトに用いた場合に、輝度むらを生じさせることなくロール状に巻き取り可能な0.8mm以下の厚みまで薄くすることができ、しかも、輝度を低下させることもない拡散シートを提供することにある。
本発明の拡散シートは、透明樹脂、有機系架橋微粒子、およびチタン酸塩微粒子からなる樹脂組成物により厚みが0.05mm以上0.8mm以下のシート状に成形したものである。
ここで、前記透明樹脂は、十分な透明度を有していれば特に限定されるものではないが、例えばポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、シクロオレフィン系樹脂、メタクリル酸メチルスチレン共重合体などを用いることができる。
また、前記チタン酸塩微粒子としては、例えばチタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、およびチタン酸ランタンからなる群から選ばれた少なくとも1種類の微粒子を用いることができる。
また、前記有機系架橋微粒子としては、シロキサン系架橋微粒子またはメタクリル系架橋微粒子のうち少なくとも1種類の微粒子を用いることができる。
本発明の拡散シートは、成形された透明樹脂の厚みが0.8mm以下となっているので、ロール状に巻くことが可能になり、拡散シートの輸送や取り扱いが容易になる。すなわち、拡散シートの厚みは、0.8mmよりも厚いとロール状に巻くことが困難になり、また、0.05mmよりも薄いと製造工程や取り扱い中に拡散シートが破れる恐れがある。
しかも、有機系架橋微粒子とチタン酸塩微粒子の混合物という新規な光拡散剤を用いているので、拡散シートの厚みを0.8mm以下という薄さにしても、直下型バックライトに用いたときにバックライトに輝度むらが発生せず、また輝度の低下も小さい。さらには、拡散シートの製造時に拡散シートの表面にうねりが生じて不良品となることもなく、耐光性にも優れている。
本発明の拡散シートのある実施態様においては、前記樹脂組成物は、透明樹脂、平均粒径0.8μm以上30μm以下の有機系架橋微粒子、およびチタン酸塩微粒子からなり、前記有機系架橋微粒子の含有量が、シート面積1mあたりにつき2g以上40g以下であり、前記チタン酸塩微粒子の含有量が、シート面積1mあたりにつき0.2g以上30g以下となっている。このような実施態様によれば、直下型バックライトに用いたときに特に輝度むらを小さくすることができ、輝度むらが問題となる用途で薄い拡散シートを用いるのに適している。
また、本発明の拡散シートの別な実施態様においては、前記樹脂組成物は、透明樹脂、含有量がシート面積1mあたりにつき2g以上40g以下である有機系架橋微粒子、およびチタン酸塩微粒子からなり、前記有機系架橋微粒子の平均粒径が、0.8μm以上30μm以下であり、前記チタン酸塩微粒子の平均粒径が、0.2μm以上10μm以下となっている。このような実施態様によれば、直下型バックライトに用いたとき、輝度むらを小さく抑えつつ特に輝度を大きくすることができる。
さらに、上記実施態様においては、前記チタン酸塩微粒子の平均粒径が1μm以上3μm以下であれば、輝度を大きく保ちながら輝度むらをより小さくすることができる。
本発明にかかる直下型バックライトは、冷陰極管などの複数本の線状光源、前記線状光源の背後に配置された反射板、および前記線状光源の前方に配置された本発明にかかる拡散シートとを備えたものである。かかる直下型バックライトによれば、拡散シートを薄くすることによって直下型バックライトの厚みも薄くでき、しかも、拡散シートを薄くしても輝度むらや輝度の低下が生じない。さらには、拡散シートをバックライトに組み込む前には、拡散シートをロール状に巻くことができるので、拡散シートの輸送や取り扱いが容易になる。
なお、本発明における前記課題を解決するための手段は、以上説明した構成要素を適宜組み合せた特徴を有するものであり、本発明はかかる構成要素の組合せによる多くのバリエーションを可能とするものである。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の拡散シートを成形するための樹脂組成物は、透明樹脂と光拡散剤によって構成されており、光拡散剤は有機系架橋微粒子とチタン酸塩微粒子からなる。光拡散剤として、有機系架橋微粒子やチタン酸塩微粒子以外の光拡散剤を併用してもよい。この樹脂組成物には、可塑剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、ブルーイング剤等の常用される薬品や添加物を含んでいてもよい。
透明樹脂としては、ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、シクロオレフィン系樹脂、メタクリル酸メチルスチレン共重合体などを用いることができる。これらのうちでも、靭性が高く、シート化しても破れにくいポリカーボネート系樹脂やシクロオレフィン系樹脂が好適に用いられる。
有機系架橋微粒子としては、シロキサン系重合体、アクリルビーズなどのうちから1種または2種以上のものを用いることができる。また、有機系架橋微粒子は、平均粒径が0.8〜30μmとなるように予め調製されている。有機系架橋微粒子は、拡散シートの面積が1mあたりについて2〜40gの含有量(面密度)となるように調製されるので、あらかじめ成形シートの厚みを決定したうえで透明樹脂量に対する配合量が決められる。
チタン酸塩微粒子としては、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、チタン酸ランタンなどのうちから1種または2種以上のものを用いることができる。また、チタン酸塩微粒子としては、(1)平均粒径が0.2〜10μmのもの、あるいは、(2)拡散シートの面積が1mあたりについて0.2〜30gの含有量(面密度)となるように調製されたものを用いる。前者の(1)については、平均粒径が1〜3μmのものが特に好ましい。後者の(2)については、あらかじめ成形シートの厚みを決定したうえで透明樹脂量に対する配合量が決められる。
上記のような樹脂組成物は、光拡散剤が透明樹脂中に均一に分散するよう十分に混練された後、押出成形機に投入されてシート状に押し出され、厚みが0.05〜0.8mmの拡散シートが成形される。
このようにして光拡散剤として上記のような有機系架橋微粒子とチタン酸塩微粒子の混合物を用いた拡散シートは、直下型バックライトに用いた場合には、ロール状に巻き取り可能な0.8mm以下の薄さに成形しても十分な輝度むら低減の性能を示し、輝度の低下も認識されない。また、紫外線吸収剤を添加しなくても耐光性が高い。よって、シロキサン系重合体粒子などの有機系架橋微粒子のみを拡散剤として透明樹脂に添加した樹脂組成物からなる従来の拡散板と比較して、優れた特性を得ることができる。なお、透明樹脂の配合量が80重量%よりも少ないと、拡散シートの成形が困難になり、また、透明樹脂の配合量が99重量%よりも多いと、拡散シートの拡散性能が低下する。従って、透明樹脂の配合量は、80〜99重量%とするのが望ましい。
図1は液晶パネルの背面に組み込まれる直下型バックライト11の基本的構成を示す概略断面図である。直下型バックライト11には、複数本の冷陰極管12が一定ピッチごとに平行に並んでいる。冷陰極管12の背後には反射板13が配置され、冷陰極管12の前面には本発明にかかる拡散シート14が配置される。なお、拡散シート14は複数枚重ねて用いてもよい。また、拡散シート14には、輝度向上のための拡散フィルムやプリズムシートなどを重ねて用いられる場合もある。
(実施例)
以下に実施例をあげて本発明を説明する。図2は、本発明の実施例1〜26による拡散シートの組成と評価結果を表わす。図3は、比較例1〜10による拡散シートの組成と評価結果を表わす。すなわち、図2及び図3には、透明樹脂の種類、有機系架橋微粒子の種類及び配合量、チタン酸塩微粒子の種類及び配合量を記載している。また、評価項目としては、拡散シートにおけるうねりの程度、平均輝度、輝度むらの程度、耐光性を表している。
図2及び図3には、透明樹脂の種類を記号で表しているが、これらの樹脂種はつぎの通りである。
PC: ポリカーボネート樹脂
(帝人化成(株)製、パンライトLV−2225)
PMMA: ポリメタクリル酸メチル
(住友化学(株)製、スミペックスMGSS)
MS: メタクリル酸メチルスチレン共重合体
(電器化学工業(株)製、TX−400S)
COP: シクロオレフィン系ポリマー
(日本ゼオン(株)製、ゼオノア1060R)
図2及び図3には、有機系架橋微粒子の種類と平均粒径を記号で表しているが、これらの種類と平均粒径はつぎの通りである。
SC1: 架橋シリコーン樹脂微粒子
(東芝シリコーン(株)製、トスパール120)
平均粒径2μm
SC2: 架橋シリコーン樹脂微粒子
(信越化学工業(株)製、X−52−7030)
平均粒径0.8μm
AC1: 架橋アクリル微粒子
(積水化学工業(株)製、テクポリマーMBX−20)
平均粒径20μm
AC2: 架橋アクリル微粒子
(積水化学工業(株)製、テクポリマーMBX−30)
平均粒径30μm
また、図2及び図3の有機系架橋微粒子の欄に示した値は、実施例1−26及び比較例1−10の拡散シートにおける、拡散シート1mあたりの有機系架橋微粒子の配合量(g/m)を示す。なお、空欄は配合量が0g/mであることを表している。
図2及び図3には、チタン酸塩微粒子の種類と平均粒径を記号で表しているが、これらの種類と平均粒径はつぎの通りである。有機系架橋微粒子及びチタン酸塩微粒子の平均粒度は、レーザー回折を利用した粒度計により測定した。
BT1: チタン酸バリウム
(堺化学工業(株)製、BT−01)
平均粒径0.1μm
BT2: チタン酸バリウム
(堺化学工業(株)製、BT−02)
平均粒径0.2μm
BT3: チタン酸バリウム
(共立マテリアル(株)製、BT−HP9DX)
平均粒径0.3μm
BT4: チタン酸バリウム
(共立マテリアル(株)製、BT−HP7DX)
平均粒径0.6μm
BT5: チタン酸バリウム
(共立マテリアル(株)製、BT−HP8KB2)
平均粒径1.0μm
BT6: チタン酸バリウム
(共立マテリアル(株)製、BT−S)
平均粒径1.5μm
BT7: チタン酸バリウム
(共立マテリアル(株)製、BT−S(焼成品))
平均粒径3.0μm
BT8: チタン酸バリウム
(共立マテリアル(株)製、BT−S(焼成品))
平均粒径5.0μm
BT9: チタン酸バリウム
(共立マテリアル(株)製、BT−S(焼成品))
平均粒径10.0μm
BT10: チタン酸バリウム
(共立マテリアル(株)製、BT−S(焼成品))
平均粒径15.0μm
MT: チタン酸マグネシウム
(共立マテリアル(株)製、MT−2)
平均粒径1.5μm
CT: チタン酸カルシウム
(共立マテリアル(株)製、CT)
平均粒径1.5μm
ST: チタン酸ストロンチウム
(共立マテリアル(株)製、ST)
平均粒径1.5μm
LT: チタン酸ランタン
(共立マテリアル(株)製、TLT)
平均粒径1.5μm
なお、BT7〜BT10は、BT6を電気炉中において1400℃で5時間焼成した後、ボールミルを用いて所定の平均粒径となるように粉砕したものである。
また、図2及び図3のチタン酸塩微粒子の欄に示した値は、実施例1〜26及び比較例1〜10の拡散シートにおける、拡散シート1mあたりのチタン酸塩微粒子の配合量(g/m)を示す。なお、空欄は配合量が0g/mであることを表している。
実施例1〜26及び比較例1〜10の各樹脂組成物は、図2及び図3に示したそれぞれの配合で透明樹脂、有機系架橋微粒子、チタン酸塩微粒子をヘンシェルミキサーに投入し、毎分800回転で30分間撹拌することにより均一に混合した。こうして得られた混合物を二軸押出機にて250℃で溶融混練し、押出機先端のTダイからシート引取装置の冷却ロール上に押し出し、これを巻き取ることによって目的とする拡散シートを得た。拡散シートの厚みは、シート引取装置のロール巻き取り速度を変化させることにより厚みが0.2mmとなるように調整した。
こうして実施例1〜26及び比較例1〜10の拡散シートを作製した後、各拡散シートにおけるうねりの有無、平均輝度、輝度むらの程度、耐光性について評価した。
まず最初に拡散シートのうねりを評価した。拡散シートのうねりの程度は、シート状に成形した拡散シートの平滑性を目視により確認し、以下のように評価した。
○: うねりがなく、光学特性の評価が可能なもの
×: うねりが大きく、光学特性の評価が不可能なもの
うねりの評価が"○"のものは、続けて平均輝度等の他の評価を行ったが、うねりの評価が"×"のものはそれ以上の評価が困難であるので、他の評価は行わなかった。
平均輝度の測定は、つぎのようにして行った。15インチ直下型バックライトユニット(冷陰極管8本、冷陰極管の間隔P=28mm)の前面に縦235mm、横315mm、厚さ0.2mmにサイズを揃えた実施例1〜26及び比較例1〜10の各拡散シートを順次1枚ずつ置いた(図1参照)。そして、トプコン(株)製の輝度計BM−7Aを用いて、両端の冷陰極管の間(図1のWで示した範囲)における1.5mm間隔毎の複数点で、スポット径(直径)1mmの領域の輝度(cd/m)を測定し、その平均値を平均輝度とした。
輝度むらは、上記のようにして複数点の輝度測定を行った測定結果から、最高輝度及び最低輝度を抽出し、下記の式を用いて輝度むらを評価した。

輝度むら(%)={(最高輝度−最低輝度)/最高輝度}×100

すなわち、輝度むらが0%とは、輝度のむらがなく最も良好であることを示す。
輝度むらの数値とバックライトの見栄えとの関係は以下のとおりである。
輝度むら12%以下: 拡散シートの上に拡散フィルム(ライトアップ100GM2、(株)きもと製)を1枚置くと、冷陰極管が肉眼で確認できない。
輝度むら14%以下: 拡散シートの上に拡散フィルム(ライトアップ100GM2、(株)きもと製)を2枚置くと、冷陰極管が肉眼で確認できない。
輝度むら17%以下: 拡散シートの上に拡散フィルム(ライトアップ100GM2、(株)きもと製)を3枚置くと、冷陰極管が肉眼で確認できない。
輝度むら18%以上: 拡散シートの上に拡散フィルム(ライトアップ100GM2、(株)きもと製)を3枚置いても、冷陰極管が肉眼で確認できる。
耐光性の試験は、50mm×50mmのサイズにした拡散シートの試験片に対し、波長365nm、照射強度20mW/cmの紫外線を垂直方向から照射しながら、超高圧水銀灯を10時間連続照射した。この照射試験の前後において、分光測色計(コニカミノルタ(株)製、CM−3600d)を用いてD65光源反射法にて色度を測定し、XYZ表色系のx値、y値を測定した。そして、照射前後のx値およびy値の変化量Δx、Δyを評価した。
(実施例1〜8と比較例9、10)
比較例9、10と比較しながら実施例1〜8を検討する。実施例1〜8は、透明樹脂(ポリカーボネート樹脂)に平均粒径2μmの有機系架橋微粒子(架橋シリコーン樹脂微粒子)を14g/m、チタン酸塩微粒子(チタン酸バリウム)を3g/m配合したものにおいて、チタン酸塩微粒子の平均粒径を0.2μmから10.0μmまで変化させたものである。この実施例1〜8では、輝度が5410cd/m以上あって輝度の低下が非常に小さく、しかも、拡散シートの厚みが0.2mmと薄くても輝度むらが17%以下と小さくなっている。なかでも、チタン酸塩微粒子の平均粒径が1.0μm〜3.0μmの範囲にある実施例4〜6では、輝度むらが14%以下となり、輝度むらが非常に小さくなる。また、実施例1〜8では、拡散シートにうねりも発生せず、耐光性も問題ない。
これに対し、チタン酸塩微粒子の平均粒径が0.1μmの比較例9では、耐光性には問題ないが、輝度むらが20%と非常に大きい。また、チタン酸塩微粒子の平均粒径が15.0μmの比較例10では、輝度むらが19%と大きく、耐光性にも問題がある。
よって、チタン酸塩微粒子の平均粒径が0.2〜10μmの範囲にある実施例1〜8によれば、拡散シートにうねりが発生せず、輝度が非常に大きくなり、輝度むらも小さく、耐光性も優れており、特にバックライトの輝度を大きくしたい場合に適している。
(実施例9〜13と比較例6、7)
比較例6、7と比較しながら実施例9〜13を検討する。実施例9〜13は、透明樹脂(ポリカーボネート樹脂)に、配合量14g/mで平均粒径2μmの有機系架橋微粒子(架橋シリコーン樹脂微粒子)と、平均粒径1.5μmのチタン酸塩微粒子(チタン酸バリウム)を配合したものにおいて、チタン酸塩微粒子の配合量を0.2g/mから30g/mまで変化させたものである。この実施例9〜13では、輝度の低下が若干大きなものもあるが、拡散シートの厚みが0.2mmと薄くても輝度むらが17%以下という良好な値を示す。特に、チタン酸塩微粒子の配合量が12〜30g/mの範囲では、輝度が若干悪くなるが、輝度むらは11%以下という非常に優れた値を示している。また、実施例9〜13では、拡散シートにうねりも発生せず、耐光性も問題ない。
これに対し、チタン酸塩微粒子の配合量を0.1g/mと小さくした比較例6では、輝度むらが20%と非常に大きくなり、耐光性にも問題がある。また、チタン酸塩微粒子の配合量が40g/mと大きくなった比較例7では、チタン酸塩微粒子のために拡散シートのうねりが大きくなり、測定不能であった。
よって、チタン酸塩微粒子の配合量が0.2〜30μmの範囲にある実施例9〜13によれば、多少の輝度の低下は見られるが、シートにうねりが発生せず、輝度むらを非常に小さくすることができ、耐光性も優れている。よって、実施例9〜13の拡散シートは、光利用効率の大きな液晶パネルと組み合わせる場合や冷陰極管の輝度が大きい用途に用いて輝度むらの小さなバックライトを製作したい場合に適している。
(実施例14〜16と比較例5、8)
比較例5、8と比較しながら実施例14〜16を検討する。実施例14〜16は、透明樹脂(ポリカーボネート樹脂)に、平均粒径2μmの有機系架橋微粒子(架橋シリコーン樹脂微粒子)と、配合量3g/mで平均粒径1.5μmのチタン酸塩微粒子(チタン酸バリウム)を配合したものにおいて、有機系架橋微粒子の配合量を2g/mから40g/mまで変化させたものである。この実施例14〜16では、輝度の低下が大きなものもあるが、拡散シートの厚みが0.2mmと薄くなっても輝度むらは17%以下と良好な値を示す。特に、有機系架橋微粒子の配合量が40g/m付近では、輝度むらは10%以下という非常に優れた値を示している。また、実施例14〜16では、拡散シートにうねりも発生せず、耐光性も問題ない。
これに対し、有機系架橋微粒子の配合量が1g/mと小さくなった比較例5では、輝度むらが22%と非常に大きくなる。また、有機系架橋微粒子の配合量が50g/mと大きくなった比較例8では、チタン酸塩微粒子のために拡散シートのうねりが大きくなり、測定不能であった。
よって、有機系架橋微粒子の配合量が2〜40g/mの範囲にある実施例14〜16によれば、多少の輝度の低下は見られるものもあるが、シートにうねりが発生せず、輝度むらを非常に小さくすることができ、耐光性にも優れている。
(実施例17〜20と実施例5)
実施例17〜20を検討する。実施例17〜20は、透明樹脂(ポリカーボネート樹脂)に、配合量14g/mで平均粒径2μmの有機系架橋微粒子(架橋シリコーン樹脂微粒子)と、配合量3g/mで平均粒径1.5μmのチタン酸塩微粒子を配合したものにおいて、チタン酸塩微粒子としてチタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、あるいはチタン酸ランタンを用いたものである。
これらの実施例17〜20をチタン酸塩微粒子としてチタン酸バリウムを用いた実施例5と比較すると、ほぼ同じ評価結果となっている。よって、本発明の拡散シートの特性はチタン酸塩微粒子の種類にはよらないことが確認された。
(実施例21〜23と実施例5)
実施例21〜23を検討する。実施例21〜23は、透明樹脂(ポリカーボネート樹脂)に、配合量14g/mで有機系架橋微粒子と、配合量3g/mで平均粒径1.5μmのチタン酸塩微粒子(チタン酸バリウム)を配合したものであり、有機系架橋分子として架橋シリコーン樹脂微粒子又は架橋アクリル微粒子を用いている。また、有機系架橋微粒子の平均粒径も、実施例5を加えると0.8〜30μmの範囲で変化させたことになる。
これらの実施例21〜23を有機系架橋微粒子として平均粒径2μmの架橋シリコーン微粒子を用いた実施例5と比較すると、ほぼ同じ評価結果となっている。
よって、本発明の拡散シートの特性は有機系架橋微粒子の種類にはよらないことが確認された。さらに、有機系架橋微粒子の平均粒径が0.8〜30μmの範囲にある実施例5及び21〜23によれば、直下型バックライトに用いたときの輝度が良好で、シートにうねりが発生せず、輝度むらを非常に小さくすることができ、耐光性にも優れている。
(実施例24〜26と実施例5)
実施例24〜26を検討する。実施例24〜26は、透明樹脂に、配合量14g/mで平均粒径2μmの有機系架橋微粒子(架橋シリコーン樹脂微粒子)と、配合量3g/mで平均粒径1.5μmのチタン酸塩微粒子(チタン酸バリウム)を配合したものであり、透明樹脂として、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸メチルスチレン共重合体、またはシクロオレフィン系ポリマーを用いている。
これらの実施例24〜26を透明樹脂としてポリカーボネート樹脂を用いた実施例5と比較すると、ほぼ同じ評価結果となっている。よって、本発明の拡散シートの特性は透明樹脂の種類にはよらないことが確認された。
(比較例1〜4と実施例1〜26)
比較例1、2は本発明の配合量及び平均粒径の範囲内の有機系架橋微粒子だけを透明樹脂に混合し、チタン酸塩微粒子を混合していない拡散シートである。また、比較例3、4は本発明の配合量及び平均粒径の範囲内のチタン酸塩微粒子だけを透明樹脂に混合し、有機系架橋微粒子を混合していない拡散シートである。
比較例1〜4ではシートのうねりは発生しないもの、比較例1〜4ではいずれも直下型バックライトに用いたときの輝度むらが大きく(19%以上)、さらに、比較例1、2では耐光性にも問題があった。
これに対し、実施例1〜26では、いずれも輝度むらが17%以下となっており、拡散シートを薄くしたときの輝度むらを低減する効果が高い。また、最も輝度の低いものでも、最も高い輝度の1割減程度に収まっており、輝度の低下も小さい。さらには、シートのうねりも発生せず、耐光性にも問題がない。
よって、ここで行った実施例1〜26及び比較例1〜4の評価から、光拡散剤として有機系架橋微粒子とチタン酸塩微粒子とを併用することで厚みの薄い拡散シートとして優れた特性の得られることが理解される。
本発明は、新規な構成の拡散シートを提供するものであり、有機系架橋微粒子とチタン酸塩微粒子を拡散シートの光拡散剤として併用する点については未だ例がない。上記比較例1〜4と実施例1〜26との比較から分かるように、有機系架橋微粒子を単独で光拡散剤として用いた場合にも、チタン酸塩微粒子を単独で光拡散剤として用いた場合にも、輝度むらや耐光性などに問題があり、いずれも実用性のある拡散シート用の光拡散剤としては使用することができないが、有機系架橋微粒子とチタン酸塩微粒子を拡散シートの光拡散剤として併用することにより、上記のように輝度むら、輝度、シートのうねり、耐光性のいずれについても満足のいく結果を得ることができ、拡散シート用の拡散剤として優れた特性を得ることができた。
図1は、直下型バックライトの基本的構造を示す断面図である。 図2は、実施例1〜26の組成、配合量及び評価結果を表した図である。 図3は、比較例1〜10の組成、配合量及び評価結果を表した図である。
符号の説明
11 直下型バックライト
12 冷陰極管
13 反射板
14 拡散シート

Claims (7)

  1. 透明樹脂、有機系架橋微粒子、およびチタン酸塩微粒子からなる樹脂組成物により厚みが0.05mm以上0.8mm以下のシート状に成形したことを特徴とする拡散シート。
  2. 前記樹脂組成物は、透明樹脂、平均粒径0.8μm以上30μm以下の有機系架橋微粒子、およびチタン酸塩微粒子からなり、
    前記有機系架橋微粒子の含有量が、シート面積1mあたりにつき2g以上40g以下であり、
    前記チタン酸塩微粒子の含有量が、シート面積1mあたりにつき0.2g以上30g以下であることを特徴とする、請求項1に記載の拡散シート。
  3. 前記樹脂組成物は、透明樹脂、含有量がシート面積1mあたりにつき2g以上40g以下である有機系架橋微粒子、およびチタン酸塩微粒子からなり、
    前記有機系架橋微粒子の平均粒径が、0.8μm以上30μm以下であり、
    前記チタン酸塩微粒子の平均粒径が、0.2μm以上10μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の拡散シート。
  4. 前記チタン酸塩微粒子の平均粒径が、1μm以上3μm以下であることを特徴とする、請求項3に記載の拡散シート。
  5. 前記チタン酸塩微粒子が、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、およびチタン酸ランタンからなる群から選ばれた少なくとも1種類の微粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の拡散シート。
  6. 前記有機系架橋微粒子が、シロキサン系架橋微粒子またはメタクリル系架橋微粒子のうち少なくとも1種類の微粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の拡散シート。
  7. 複数本の線状光源、前記線状光源の背後に配置された反射板、および前記線状光源の前方に配置された請求項1から6のいずれか1項に記載の拡散シートとを備えた直下型バックライト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010053204A1 (ja) * 2008-11-06 2010-05-14 住友化学株式会社 光拡散板およびその用途

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