以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の概略図である。
図において、1は画像形成装置であり、例えば、電子写真式プリンタ、ファクシミリ機、複写機、プリンタ、ファクシミリ機及び複写機の機能を併せ持つ複合機等であるが、いかなる種類の画像形成装置であってもよい。なお、本実施の形態においては、前記画像形成装置1がいわゆるタンデム方式のカラー電子写真式プリンタである場合について説明する。
この場合、画像形成装置1は、記録媒体としての記録用紙Pの搬送路に沿ってタンデムに配設されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色各々に対応する画像形成部10Y、10M、10C及び10Kと、定着部としての定着装置12とを有する。なお、前記記録用紙Pは、印刷用紙、封筒、OHP(Over Head Projector)シート等であるが、いかなる種類のものであってもよい。そして、現像剤像が転写される転写部材でもある転写ベルト24によって搬送された記録用紙P上に4種類の現像剤としてのトナーを順次重ねて転写することにより、カラー画像を記録用紙P上に形成し、定着器12により定着させるようになっている。
また、前記画像形成部10Y、10M、10C及び10Kは、使用されるトナーが相違するだけであって、実質的に同一の構成を有するものである。そして、配列の順序は、必ずしも、図に示されるようなものである必要はなく、適宜変更することができる。また、モノクロ画像形成装置の場合には 画像形成部10が1つ、例えば、ブラックの画像形成部10Kだけであってもよい。
前記画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの構成が同一であるので、ここでは、イエローのトナーを用いる画像形成部10Yの構成を例に採って説明する。
画像形成部10Yは、表面に有機感光体を用いた像担持体としての感光体ドラム11yを有する。なお、該感光体ドラム11yは、例えば、外径が30〔mm〕であり、周速が約162〔mm/ 秒〕で回転する。そして、感光体ドラム11yの周囲には、該感光体ドラム11yを帯電させる帯電部として帯電ローラ21yが配設される。該帯電ローラ21yは、所定の帯電装置用電源22yによって正電圧又は負電圧が印加されることにより、接触した感光体ドラム11yを帯電させる。
また、該感光体ドラム11yの周囲には、静電潜像を形成する露光部としての露光装置23yが配設される。該露光装置23yは、画像信号に対応した光を感光体ドラム11yの表面に照射し、前記感光体ドラム11y上に静電潜像を形成する。露光装置23yには、例えば、LED(Light Emitting Diode)アレイといわゆるレンズアレイとを組み合わせたものや、レーザと作像光学系とを組み合わせたもの等、任意のものを適用することができる。
さらに、感光体ドラム11yの周囲には、該感光体ドラム11y上に形成された静電潜像の現像をトナーによって行う現像手段である現像部としての現像ローラ41yが配設される。該現像ローラ41yは、所定の現像装置用電源42yによって正電圧又は負電圧が印加されることにより、接触した感光体ドラム11y上に形成された静電潜像をトナーによって現像し、現像剤像としてのトナー画像を形成する。また、この現像ローラ41yには、層形成装置として、現像ローラ41y上のトナー量を一定に保つトナー規制部材である層形成ブレード52yが、その一端を接触させて配設される。さらに、トナー供給装置として、前記現像ローラ41yにトナーを供給するトナー供給ローラ51yが接触されて配設される。これらトナー供給ローラ51y及び層形成ブレード52yには、所定のトナー供給装置用電源53yによって正電圧又は負電圧が印加される。
さらに、感光体ドラム11yの周囲には、トナー画像を記録媒体である記録用紙P上に転写する転写手段である転写部としての転写ローラ43yが配設される。該転写ローラ43yは、載置された記録用紙Pを駆動ローラ11a、従動ローラ11bの回転に応じた動力によって水平方向に搬送する媒体搬送経路を形成する転写ベルト24の裏面と接触させて配設される。そして、前記転写ローラ43yは、転写ベルト24上に載置された記録用紙Pを感光体ドラム11yと挟持した状態で、所定の転写装置用電源44yによって正電圧又は負電圧が印加され、この転写電圧を用いて、前記記録用紙P上又は転写ベルト24上にトナー画像を転写する。
さらに、感光体ドラム11yの周囲には、トナー収集手段であるクリーニング装置として、感光体ドラム11yと接触させた回収部としてのクリーニングローラ45yが配設される。該クリーニングローラ45yは、金属製シャフトと多孔(こう)質のスポンジとから成り、所定のクリーニング装置用電源46yによって正電圧又は負電圧が印加されることにより、感光体ドラム11y上に残存する転写残トナーを収集する。なお、クリーニングローラ45yは、例えば、外径が11〔mm〕であり、周速が約220〔mm/ 秒〕で回転する。
このように、画像形成部10Yは、イエローのトナーを用いて感光体ドラム11y上に形成された静電潜像を現像し、得られたトナー画像を、転写ベルト24に載置された記録用紙P上に転写する。画像形成部10Yにおける各電源及び各ローラを駆動する図示されない各モータは、後述される印刷制御部60によって制御される。
なお、マゼンタのトナーを用いる画像形成部10M、シアンのトナーを用いる画像形成部10C、及び、ブラックのトナーを用いる画像形成部10Kを構成する各部は、それぞれ、画像形成部10Yを構成する各部を示す符号の数字部分にm、c及びkを添えたものとして示される。したがって、以下では、画像形成部10Y、10M、10C及び10Kのそれぞれの各部を総称する際には、必要に応じて、各部を示す符号の数字部分のみを付すものとする。
そして、画像形成としての印刷が開始されると、画像形成部10に記録用紙Pが搬送される。該記録用紙Pは、トレイ32又はMPTトレイ(Mu1ti Purpose Tray)33から給紙される。記録用紙Pをトレイ32から給紙する場合、後述されるホッピングローラ制御部91によって制御されたホッピングローラ30が駆動し、記録用紙Pが1枚取り出されてドライブローラ34によって搬送される。また、記録用紙PをMPTトレイ33から給紙する場合、後述されるMPTホッピングローラ制御部92によって制御されたMPTホッピングローラ31が駆動し、記録用紙Pが1枚取り出され、ドライブローラ34によって搬送される。どちらの場合も、この後、記録用紙Pの先端は、1番目の画像形成部10Yに到達する。
また、画像形成装置1は、転写ベルト24のクリーニング装置として、媒体搬送方向上流側の駆動ローラ11bの周囲において前記転写ベルト24と接触させたベルトクリーニングブレード15と、該ベルトクリーニングブレード15によって転写ベルト24上から掻(か)き取った廃トナー16を回収する廃トナーボックス17とを備える。前記ベルトクリーニングブレード15は、弾性を備える板部材であり、転写ベルト24にエッジ部が接触するように配置されており、転写ベルト24の動作によって転写ベルト24上に残留するトナーを掻き取るものである。
さらに、転写ベルト24の下流には、媒体搬送経路を形成する定着装置12が配設されている。該定着装置12は、上下に接触させて並設された2つのローラを備え、これらローラ間に形成されるニップ部において加えられる熱及び圧力によって、記録用紙P上のトナー画像を定着させて画像を形成し、記録用紙Pを搬送する。なお、図に示される例において、一方のローラは加熱手段としてのヒータ12aを備える。
そして、駆動ローラ11a、従動ローラ11bがそれぞれ回転駆動され、転写ベルト24によって記録用紙Pが所定の媒体搬送速度で図における矢印Xの方向へ搬送される。これにともない、4つの画像形成部10Y、10M、10C及び10Kのそれぞれによって各色のトナー画像を感光体ドラム11y、11m、11c及び11k上に形成し、各色のトナー画像を搬送される記録用紙P上に順次転写した後、定着装置12によって一括定着する。これにより、カラー画像が形成される。
次に、前記画像形成装置1の動作を制御する制御装置の構成について説明する。
図2は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の制御装置の構成を示すブロック図である。
図に示されるように、制御装置は、画像形成装置1全体の動作を制御する印刷制御部60を有する。該印刷制御部60には、I/F制御部61、メモリ62、後述するトナー廃棄に対するユーザによる承認を求めるための操作部68、トレイ用紙切れセンサ69、その他の各種センサ70、及び、ディスプレイ部90が接続される。
そして、I/F制御部61は、図示されない上位装置から転送される印刷データの送受信を行うインターフェイスであり、上位装置から転送された印刷データを印刷制御部60に供給する。
また、メモリ62は、RAM(Random Access Memory)等によって構成された記憶領域に割り当てられた受信メモリ63及び画像データ編集部64と、ROM(Read Only Memory)65とを備える。そして、受信メモリ63は、印刷制御部60のワークエリアとして機能し、上位装置から受信したデータを一時的に記憶する。また、画像データ編集部64は、印刷制御部60の制御のもと、画像データを編集する際のワークエリアとして機能する。さらに、ROM65は、印刷制御部60によって実行される印刷動作制御プログラムを格納するとともに、後述されるトナー廃棄動作のタイミングを決定するために前記印刷制御部60によって実行されるタイミング決定処理プログラムを格納する。
そして、メモリ62におけるRAMには、後述されるデータ量計数部80における印刷ドット数カウンタ83pxの計数値であるパラメータPxを一時的に記憶するパラメータ記憶部66pと、トナー廃棄動作の実行タイミングを決定するためのパラメータである閾(しきい)値Nを記憶する閾値記憶部67pと、トナー廃棄動作のユーザによる拒否回数の計数値であるパラメータQを一時的に記憶するパラメータ記憶部66qと、トナー廃棄動作拒否回数の上限パラメータである閾値Mを一時的に記憶する閾値記憶部67qと、トナー廃棄が自動実行するよう指定されているか否かを記憶する自動実行パラメータ86と、トナー廃棄動作を行うに当たって使用する記録用紙Pの供給元を記憶するパラメータであるトレイ指定パラメータ87とが、記憶領域として割り当てられる。
ここで、トナー廃棄動作を行うトレイを指定するのは、トナー廃棄に当たってMPTトレイ33から不要な記録用紙Pを給紙してトナー廃棄動作を行ったり、反対に、特殊な紙を記録用紙Pとして給紙するために利用されることが多いMPTトレイ33から誤って実行されないようにするためである。また、自動実行パラメータが必要となるのは、ユーザに承認を求めず、後述されるように、画像形成装置1が自動的に実行することが求められているとき、画像形成装置1の需要が多いとき、又は、特殊な紙が記録用紙Pとして用いられているときに、誤ってトナー廃棄動作が行われないようにするためである。
そして、操作部68は、画像形成装置1に対して操作者からの指示を与えるスイッチを有する。前記操作部68を介して入力された情報は、印刷制御部60に供給される。また、トレイ用紙切れセンサ69は、トナー廃棄動作が行われるに当たって指定トレイに記録用紙Pがあるか否かを判断するだけでなく、通常の印刷時にも利用される。各種センサ70は、トレイ用紙切れセンサ69以外の、例えば、画像形成装置1を構成する各部の温度を検出する温度センサ、記録用紙Pの搬送状態を検出する媒体搬送状態検出センサ等のような様々なセンサ群から構成される。
前記トレイ用紙切れセンサ69及び各種センサ70によって検出された情報は、印刷制御部60に供給される。そして、ディスプレイ部90は、印刷制御部60によって制御され、トナー廃棄が必要であること及びトレイの記録用紙P切れをユーザに通知する。
また、印刷制御部60には、該印刷制御部60による制御対象として、前記露光装置23の他に、帯電電圧制御部71、第2の電圧制御手段としての現像電圧制御部72、供給電圧制御部73、第3の電圧制御手段としての転写電圧制御部74、第1の電圧制御手段としてのクリーニング制御部75、モータ制御部76、及び、定着制御部77が接続される。
帯電電圧制御部71は、帯電ローラ21と帯電装置用電源22とを制御する。具体的には、前記帯電電圧制御部71は、印刷制御部60による制御のもとで、帯電装置用電源22によって帯電ローラ21に対して印加される電圧と、前記帯電ローラ21の駆動とを制御する。
現像電圧制御部72は、現像ローラ41と現像装置用電源42とを制御する。具体的には、前記現像電圧制御部72は、印刷制御部60の制御のもとで、現像装置用電源42によって現像ローラ41に対して印加される電圧と、前記現像ローラ41の駆動とを制御する。
供給電圧制御部73は、トナー供給ローラ51、層形成ブレード52及びトナー供給装置用電源53を制御する。具体的には、前記供給電圧制御部73は、印刷制御部60の制御のもとで、トナー供給装置用電源53によって供給ローラ51及び層形成ブレード52に対して印加される電圧と、前記供給ローラ51及び層形成ブレード52の駆動とを制御する。
転写電圧制御部74は、転写ローラ43及び転写装置用電源44を制御する。具体的には、前記転写電圧制御部74は、印刷制御部60の制御のもとで、転写装置用電源44によって転写ローラ43に対して印加される転写電圧と、前記転写ローラ43の駆動とを制御する。
クリーニング制御部75は、クリーニングローラ45とクリーニング装置用電源46とを制御する。具体的には、前記クリーニング電圧制御部75は、印刷制御部60の制御のもとで、クリーニング装置用電源46によってクリーニングローラ45に対して印加される電圧と、前記クリーニングローラ45の駆動とを制御する。
ホッピングローラ制御部91は、印刷制御部60の制御のもとで、ホッピングローラ30の駆動を制御する。
MPTホッピングローラ制御部92は、印刷制御部60の制御のもとで、MPTホッピングローラ31の駆動を制御する。
なお、シャッタ制御部93及び攪拌(かくはん)羽根制御部94は、第2の実施の形態において説明されるシャッタ101及び攪拌羽根102の駆動を制御する。
また、ドット計算部105は、第3の実施の形態において説明されるように、各画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの印刷ドット数を加算し、各画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの印刷ドット数の割合を計算する。
モータ制御部76は、印刷制御部60の制御のもとで、前記画像形或装置1が有するドライブローラ34及びその他各ローラを駆動する各モータ78の駆動を制御する。
定着制御部77は、印刷制御部60の制御のもとで、定着装置12の温度及び記録用紙Pを搬送する速度を制御する。
さらに、印刷制御部60にはデータ量計数部80が接続されている。該データ量計数部80は、記録用紙Pに対して各画像形成部10Y、10M、10C及び10Kが行った印刷ドット数を計数する印刷ドット数カウンタ83px(x=y、m、c及びk)とユーザがトナー廃棄動作を拒否し、トナー廃棄が保留された回数を計数する拒否回数カウンタ83qとを内蔵する。そして、印刷ドット数カウンタ83pxは、印刷制御部60の制御のもとで、前記印刷ドット数を計数する。
具体的には、データ量計数部80は、後述されるトナー処理動作を実行するために、印刷制御部60の制御のもとで、所定のタイミング(例えば、新しい画像形成部10Y、10M、10C及び10Kが画像形成装置1に装着されたとき、トナー廃棄動作が終了したとき等)で、印刷ドット数カウンタ83px(83py、83pm、83pc及び83pkのそれぞれ)がゼロ値に初期化され、前記印刷制御部60から各画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの印刷ドット数を示すデータを当該印刷ドット数カウンタ83pxに対して入力する。前記データ量計数部80における印刷ドット数カウンタ83px(83py、83pm、83pc及び83pkのそれぞれ)によって計数された印刷ドット数を示す計数値は、印刷制御部60により読み取られ、上述したように、パラメータPx(x=y、m、c及びk)として、メモリ62に構成されたパラメータ記憶部66pに累積加算されて記憶される。トナー廃棄動作拒否回数を計数する拒否回数カウンタ83qは、トナー廃棄動作がユーザによって一時的に保留された回数をカウントする。
また、データ量計数部80は、印刷制御部60の制御のもとで、所定のタイミング(例えば、新しい画像形成部10Y、10M、10C及び10Kが画像形成装置1に装着されたとき、トナー廃棄動作が終了したとき等)で拒否回数カウンタ83qがゼロ値に初期化され、前記印刷制御部60からトナー廃棄動作拒否回数を示すデータを拒否回数カウンタ83qに対して入力する。前記データ量計数部80における拒否回数カウンタ83qによって計数されたトナー廃棄動作拒否回数を示す計数値は、印刷制御部60によって読み取られ、上述したように、パラメータQとして、メモリ62に構成されたパラメータ記憶部66qに累積加算されて記憶される。
なお、図2に示される各部の内、データ量計数部80、パラメータ記憶部66q及び閾値記憶部67p、67q以外の構成は、一般の電子写真記録方式の画像形成装置におけるものと同様の機能を有する。
次に、前記構成の画像形成装置1の動作について説明する。
図3は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の画像形成部の動作を示すタイミングチャート、図4は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の画像形成部のトナー廃棄をスタートするタイミングを示す図である。なお、図3において、(a)は感光体ドラムを駆動するモータのon/offのタイミング、(b)は帯電ローラに対して印加される電圧変化、(c)は露光装置のon/offのタイミング、(d)はクリーニングローラに対して印加される電圧変化、(e)は現像ローラに対して印加される電圧変化、(f)はトナー供給ローラ及び層形成ブレードに対して印加される電圧変化、(g)は転写ローラに対して印加される電圧変化、(h)はホッピングローラ及びMPTホッピングローラのon/offのタイミング、(i)はヒータのon/offのタイミング、(j)は媒体搬送方向下流側の画像形成部における帯電ローラに対して印加される電圧変化、(k)は媒体搬送方向下流側の画像形成部における転写ローラに対して印加される電圧変化を示している。
まず、画像形成装置1は、図3に示される時刻0において、上位装置から印刷制御部60に対して印刷命令が入力されると、印刷動作が開始される。
そして、印刷動作が開始されると、印刷制御部60は、メモリ62のトレイ指定パラメータ87を確認する。トレイ32が指定されている場合、ホッピングローラ制御部91はホッピングローラ30を駆動し、記録用紙Pを1枚取り出す。また、MPTトレイ33が指定されている場合、MPTホッピングローラ制御部92は、MPTホッピングローラ31を駆動し、記録用紙Pを1枚取り出す。
続いて、モータ制御部76は、ドライブローラ34、感光体ドラムlly、帯電ローラ21y、転写ベルト24、クリーニングローラ45y、定着装置12、現像ローラ41y及びトナー供給ローラ51yの各モータ78の電源を投入し、それぞれを図1に示される矢印の方向へ回転駆動させる。
また、これと同時に、印刷制御部60は、帯電装置用電源22yから帯電ローラ21yに対して、例えば、−1200〔V〕の直流の帯電電圧を印加させ、感光体ドラムllyの表面を、例えば、−600〔V〕の表面電位で一様に帯電させる。
さらに、印刷制御部60は、転写装置用電源44yから転写ローラ43yに対して、帯電電圧と逆極性の、例えば、+4000〔V〕の直流電圧を印加させる。
さらに、前記印刷制御部60は、現像装置用電源42yから現像ローラ41yに対して、帯電電圧と同極性の、例えば、−200〔V〕の直流電圧を印加させる。
さらに、前記印刷制御部60は、トナー供給装置用電源53yからトナー供給ローラ51y及び層形成ブレード52yに対して、帯電電圧と同極性の、例えば、−300〔V〕の直流電圧を印加させる。
さらに、印刷制御部60は、クリーニング装置用電源46yからクリーニングローラ45yに対して、帯電電圧と逆極性の、例えば、+400〔V〕の直流電圧を印加させる。
続いて、印刷制御部60は、露光装置23yを駆動し、画像信号に対応した光を感光体ドラムllyの表面に照射し、前記感光体ドラムllyにおける一様に電荷が帯電された部分に静電潜像を形成する。このとき、該静電潜像が形成された部分は、光が照射されたことによって、約0〔V〕近傍まで電圧降下する。このような静電潜像の書き込みが行われた感光体ドラムllyの表面は、引き続き、図1に示される矢印Rの方向へと回転することによって、現像ローラ41yと接触する。
ここで、該現像ローラ41y上のトナーが帯電電圧と同極性に帯電していることから、感光体ドラムllyと現像ローラ41yとの接触の際に、帯電している前記トナーが静電効果によって静電潜像に付着し、現像化する。
このように、現像を終えた感光体ドラムllyの表面は、転写ベルト24と接触する。該転写ベルト24は、所定の圧力で感光体ドラムllyと接触し、前記矢印Xの方向へと駆動する。
ここで、転写ベルト24が転写ローラ43yによる帯電電圧と逆極性の電圧印加によって帯電していることから、感光体ドラムlly上のトナー像は、記録用紙P上に転写される。
このように、トナー像の転写がなされた記録用紙Pは、転写ベルト24の駆動に応じて次段に設けられた画像形成部10Mへと搬送される。画像形成装置1は、このようなプロセスを媒体搬送方向下流側の他の画像形成部10M、10C及び10Kにおいても行い、定着装置12による定着終了後、印刷物として記録用紙Pを外部に排出する。
なお、定着装置12による定着終了後、記録用紙Pの印刷時に転写ベルト24上に残留したトナーは、引き続き前記矢印Xの方向へと搬送され、媒体搬送方向上流側の駆動ローラllbの周囲に配設されたベルトクリーニングブレード15と接触して掻き取られる。
これにより、画像形成装置1における印刷動作が終了する。なお、印刷動作が終了するタイミングは、図3における時刻tf である。
このようにして、ベルトクリーニングブレード15による残留トナーの掻き取りが終了することによって印刷動作が終了した後、画像形成装置1は、印刷制御部60の制御に従って、時刻t0 において、転写残トナーの廃棄動作へと移行する。具体的には、画像形成装置1の画像形成部10Y、10M、10C及び10Kが転写残トナーの放出動作を行う。時刻t0 において、転写残トナーの廃棄動作へと移行すると、記録用紙Pが給紙される。なお、転写残トナーの廃棄動作への移行は、ベルトクリーニングブレード15による残留トナーの掻き取りが終了した後であれば、いかなるタイミングであってもよい。
まず、転写残トナーの放出動作について説明する。
図4に示されるように、トナー廃棄は、記録用紙Pを副走査方向に4等分し、先端から順にブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの順にトナーを記録用紙P上に廃棄することによって行われる。この場合、図4に示されるように、各感光体ドラム11が記録用紙Pの4等分点に来たとき転写が始まる。また、記録用紙P上で位置をずらすのは、トナー層厚が大きくなることによる定着不良を避けるためである。
なお、画像形成部10Y、10M、10C及び10Kにおける転写残トナーの放出動作はタイミングをずらして行われること以外は同一であるので、画像形成部10Yにおける動作についてのみ説明するものとする。
図3における時刻tf において感光体ドラムlly上の転写残トナーがすべて除去されたものとすると、印刷制御部60の制御に従って、時刻t0 において、前述したように、指定されたトレイから記録用紙Pがホッピングローラ30又はMPTホッピングローラ31によって取り出され、ドライブローラ34により転写ベルト24上に搬送される。
続いて、前述した記録用紙P上の位置に合わせ、時刻t1 において、クリーニング装置用電源46yからクリーニングローラ45yに対して、帯電電圧と同極性の、例えば、−1200〔V〕の直流電圧を印加する。なお、時刻t1 は、転写開始位置P1 が後述される媒体搬送路上の所定の地点αに到達する時刻である。
ここで、転写工程を経た感光体ドラムllyの表面電位は、放電によって約0〔V〕となっている。前記クリーニングローラ45yに蓄積されて帯電電圧と同極性に帯電している転写残トナーが、クーロン力によって感光体ドラム11yの表面に移動する。そして、該感光体ドラムllyの表面が、クリーニングローラ45yによって帯電電圧と同極性の、例えば、−600〔V〕に帯電される。このとき、クリーニングローラ45yに対しては、帯電電圧と同極性であって感光体ドラムlly上の帯電電位よりも大きい電圧が印加される。
そして、転写残トナーを担持した感光体ドラムllyが更に回転し、帯電ローラ21yと接触する。ここで、前記帯電装置用電源22yによって転写残トナーと同極性の電圧が帯電ローラ21yに対して印加されており、感光体ドラムllyの表面電位が帯電電圧と同極性であって、かつ、当該帯電ローラ21yの帯電電圧よりも小さいことから、転写残トナーは、クーロン力によって感光体ドラムllyの表面に保持されたまま、当該帯電ローラ21yを通過する。このとき、該帯電ローラ21yに対しては、帯電電圧と同極性であって感光体ドラムlly上の帯電電位よりも大きい電圧が印加される。
また、感光体ドラムllyが回転することによって、時刻t2 において、帯電ローラ21yを通過した前記感光体ドラムlly上の転写残トナー(感光体ドラム11yの回転方向の先端部)が現像ローラ41yと接触する。この時刻t2 において、帯電電圧と同極性であって、かつ、感光体ドラムllyの表面と同じ電圧となるように、現像装置用電源42yから現像ローラ41yに対して印加する。
例えば、感光体ドラム11y上の転写残トナーが、クリーニングローラ45yによってその表面電位が−600〔V〕に帯電していることから、現像ローラ41yに対しても同じ−600〔V〕の電圧を印加する。なお、前記感光体ドラム11y上の転写残トナーの表面電位は、感光体ドラム11yの表面電位と転写残トナーのトナー層全体として電位とを併せたものであり、感光体ドラム11yの表面自体の電位は約0〔V〕である。また、本実施の形態においては、同じ電圧を印加しているが、−600〔V〕よりも負に大きな値、例えば、−1000〔V〕を印加するものであってもよい。
これにより、現像ローラ41yが帯電電圧と同極性であって、かつ、感光体ドラム11yの表面電位と同じ電圧又は絶対値が大きい電圧となることから、前記感光体ドラム11y上の転写残トナーが感光体ドラムllyの表面に保持されたまま通過するとともに、現像ローラ41y上のトナーについては、前記感光体ドラムlly上に現像されず、転写残トナーのみが感光体ドラムlly上に保持されたまま現像ローラ41yを通過する。
また、転写残トナーを担持した感光体ドラムllyは、更に回転することによって、図4に示されるように、記録用紙Pと接触する。図3における時刻tt は、感光体ドラム11y上の転写残トナーの先端部が転写ローラ43yとの接触部に到達する時刻である。このとき、感光体ドラム11y上の転写残トナーの先端部と転写開始位置P1 とが接触し、転写残トナーが記録用紙Pに転写され始める。ここで、転写装置用電源44yによって、転写残トナーと逆極性の、例えば、+4000〔V〕の電圧が転写ローラ43yに対して印加されていることから、転写残トナーは、クーロン力によって感光体ドラムllyの表面から転写ベルト24上の記録用紙Pに移動することになる。
そして、時刻t3 で、クリーニングローラ45yから感光体ドラム11yへの転写残トナーの移動が完了する。クリーニングローラ45yから感光体ドラム11yへ移動させるため、本実施の形態では、クリーニングローラ45y1周分の時間を必要とするが、完全にクリーニングローラ45yから感光体ドラム11yへ移動すればよいので、例えば、1周より多く回転してもよい。ただし、クリーニングローラ45yの外周に付着した転写残トナーを感光体ドラム11yへ移動させるために、少なくとも、クリーニングローラ45y1周分であることが好ましい。
時刻t3 において、クリーニングローラ45y上の転写残トナーが感光体ドラム11y上に放出が終わると、クリーニング装置用電源46yから当該クリーニングローラ45yに対して、帯電電圧と逆極性の、例えば、+400〔V〕の電圧が印加される。
このように、再度、クリーニングローラ45yに対して帯電電圧と逆極性の電圧を印加することによって、転写工程により転写されずに抜けてきた転写残トナーを収集することができる。
そして、時刻t4 において、転写残トナーの回収が終了し、これをもって、画像形成部10Yのトナー廃棄を終了する。時刻t4 は、感光体ドラム11y上の転写残トナーの後端部が、現像ローラ41yとの接触部に到達する時刻である。
また、時刻t5 は、感光体ドラム11y上の転写残トナーの後端部が転写ローラ43yとの接触部に到達する時刻であり、感光体ドラム11yに移動した転写残トナーの記録用紙Pへ転写が完了する。
なお、時刻t5 以降も画像形成部10M、10C及び10Kの帯電ローラ21m、21c及び21kに−1200〔V〕の電圧を印加し、転写ローラ43m、43c及び43kに+4000〔V〕の電圧を印加することが好ましい。
また、時刻t6 は、媒体搬送方向最下流側の画像形成部、すなわち、画像形成部10Kでの転写残トナーの記録用紙Pへの転写が完了する時刻である。このとき、画像形成部10M、10C及び10Kの帯電ローラ21m、21c及び21kに−1200〔V〕の電圧が印加され、転写ローラ43m、43c及び43kに印加された+4000〔V〕の電圧がoffとなる。
さらに、時刻t7 は、転写残トナーが転写された記録用紙Pの後端が定着装置12を通過する時刻である。このとき定着装置12のヒータ12aへの通電がoffにされる。
さらに、時刻t8 は、転写残トナーが転写された記録用紙Pの後端が画像形成装置1の外に排出される時刻である。ここで、転写残トナーの廃棄が完了する。
なお、印刷動作と印刷動作との間にトナー廃棄が行われる場合は、時刻t8 以降で印刷動作が引き続き開始される。
次に、トナー廃棄動作と記録用紙Pの位置との関係についてより詳細に説明する。
図5は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の画像形成部のトナー廃棄動作と記録用紙Pの位置との関係を示す図である。
図4に示されるような記録用紙Pの先端が、画像形成部10Yで形成されたトナー像が転写される転写位置の先端(転写残現像剤移動開始位置である転写開始位置P1 )とする。なお、本実施の形態では、転写開始位置P1 が記録用紙Pの先端であるが、これに限定されることなく、記録用紙Pの先端から所定の距離(例えば、5〔mm〕)の空白部を設け、転写開始位置P1 を設定することもできる。
そして、図5に示されるように、媒体検知部としての書き込みセンサ81を配設し、該書き込みセンサ81が記録用紙Pの先端を検知し、転写開始位置P1 が媒体搬送路上の所定の地点αになるまで、例えば、タイマ等によって計数し、転写開始位置P1 が媒体搬送路上の所定の地点αになる時刻t1 として、クリーニングローラ45yに対する印加電圧を+400〔V〕から−1200〔V〕へと切り替える。
また、感光体ドラム11yにおけるクリーニングローラ45yとの接触部から転写ローラ43yとの接触部までの距離をL1 とする。
本実施の形態においては、感光体ドラム11yの周速と記録用紙Pの搬送速度、すなわち、転写ベルト24の搬送速度やドライブローラ34の搬送速度が等しいとする場合、感光体ドラム11yと転写ローラ43yとの接触部から媒体搬送方向上流側へ所定の距離L2 となる地点をαとすると、該地点αはL1 =L2 となる地点である。
なお、本実施の形態においては、感光体ドラム11yの周速と記録用紙Pの搬送速度が等しいとしているので、L1 =L2 であるが、それぞれに速度差がある場合、L1 に対応するL2 の距離は適宜変更することができる。
このとき、L2 は、感光体ドラム11yの回転によってL1 の距離分が接触する記録用紙P上の距離だけ感光体ドラム11yと転写ローラ43yとの接触部から媒体搬送方向上流側へ離れた距離、となる。例えば、感光体ドラム11yの周速>記録用紙Pの搬送速度であるときは、L1 >L2 とすればよい。
そして、クリーニングローラ45yに堆(たい)積した転写残トナーが感光体ドラム11yに放出される。
このようにして記録用紙P上に移動した転写残トナーは、記録用紙Pとともに、図1における前記矢印Xの方向へと搬送され、媒体搬送方向下流側の画像形成部10M、10C及び10Kと接触する。
ここで、転写装置用電源44m、44c及び44kによって帯電電圧と逆極性の+4000〔V〕の電圧が、転写ローラ43m、43c及び43kに対して印加され、また、帯電装置用電源22m、22c及び22kによって、例えば、−1200〔V〕の電圧が帯電ローラ21m、21c及び21kに対して印加されており、感光体ドラム11yの表面電位が約−600〔V〕に帯電していることから、帯電電圧と同極性に帯電している転写残トナーは、クーロン力によって感光体ドラムに逆転写することなく画像形成部10M、10C及び10Kを通過し、媒体搬送方向最下流側の定着部12まで移動する。
画像形成部10M、10C及び10Kにおける転写残トナーについても、同様のプロセスを経ることによって、クリーニングローラ45m、45c及び45kから放出されて記録用紙Pに移動し、定着部12まで搬送される。
なお、画像形成部10Yの下流側における画像形成部10M、10C及び10Kにおいて、画像形成部10Yで排出した転写残トナーが感光体ドラム11m、11c及び11kに付着(逆転写という)しないように、時刻t1 において、画像形成部10M、10C及び10Kの帯電ローラ21m、21c及び21kに、−1200〔V〕の電圧を印加し、転写ローラ43m、43c及び43kに+4000〔V〕の電圧を印加することが好ましい。
この場合、媒体搬送方向最下流側の画像形成部10Kの転写残トナーの排出が完了する時刻t6 に、帯電ローラ21y、21m、21c及び21kに印加する電圧と、転写ローラ43y、43m、43c及び43kに印加する電圧とをoffとする。
画像形成部10M、10C及び10Kにおいても、同様に、L1 =L2 である地点にそれぞれの転写残現像剤移動開始位置である転写開始位置P2 、P3 、P4 が到達する時刻に、クリーニングローラ45m、45c及び45kの印加電圧を+400〔V〕から−1200〔V〕へと切り替え、画像形成部10Yでの転写残トナーの排出と同様の動作を行えばよい。
このように、本実施の形態の画像形成装置1においては、画像形成部10Y、10M、10C及び10Kにおける転写残トナーを放出することができる。そして、定着部12によって転写残トナーの定着動作を行う。
次に、トナー廃棄のタイミングについて説明する。
図6は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の転写残トナーの廃棄動作の実行タイミングを示すフローチャートである。
画像形成装置1は、転写残トナーの廃棄を図6に示されるようなタイミングで実行する。
まず、印刷制御部60は、パラメータ記憶部66pに記憶されるパラメータPx(x=y、m、c及びk)及びパラメータQをゼロ値に初期化する。なお、初期化は、例えば、トナーの廃棄が終了した後行われる。前記パラメータPxは、クリーニング動作を実行する際のパラメータであり、記録用紙Pに対する各画像形成部10の印刷ドット数をカウントしているものであり、データ量計数部80における印刷ドット数カウンタ83pxによって計数された計数値が印刷制御部60を介してパラメータ記憶部66py、66pm、66pc及び66pkに記憶される。すなわち、画像形成装置1においては、1頁の印刷を行うと、印刷制御部60の制御は、パラメータ記憶部66pに記憶されるパラメータPy、Pm、Pc及びPkに各画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの印刷ドット数py、pm、pc及びpkを加算する。
また、パラメータQは、クリーニング動作をユーザが拒否する毎に“1”ずつ増加するものであり、同様に、データ量計数部80における拒否回数カウンタ83qによって計数された計数値が印刷制御部60を介してパラメータ記憶部66qに記憶されるものである。該パラメータ66qは、ユーザによるトナー廃棄が拒否され続けることによって排トナーがパンクすることを防ぐために設けてある。
次に、印刷制御部60は、次頁の印刷データが存在するか否かを判断し、存在する場合は印刷動作を行う。また、次頁の印刷データが存在しない揚合、印刷制御部60は、パラメータ記憶部66pに記憶されているパラメータPxと閾値記憶部67pに記憶されている所定の閾値Nとをそれぞれ比較し、パラメータPxが閾値Nに達したか否かを判定する。すなわち、各画像形成部10がそれぞれNドットの印刷を行ったか否かを判定する。例えば、閾値Nとして“10000”を設定した場合には、各画像形成部10において10000ドットの印刷を行ったか否かを判定することになる。
ここで、いずれかのパラメータPx(Py、Pm、Pc、Pk)が閾値Nに達したと判断した場合、印刷制御部60は、トナー廃棄が自動実行されるよう指示されているか否かを判断する。すなわち、自動実行パラメータ86がONとなっているか否かを確認する。該自動実行パラメータ86がONとなっている場合、印刷制御部60は、トレイ用紙切れセンサ69によって、トレイ指定パラメータ87に指定されたトレイに用紙があるか否かを判断する。そして、印刷制御部60が指定されたトレイに用紙があると判断した場合、トナー廃棄が実行され、プロセスを終了する。また、指定されたトレイに用紙がないと判断した場合、ディスプレイ部90を介してユーザに用紙切れを通知し、トレイ指定パラメータ87に指定されたトレイに用紙があるか否かの判断を繰り返す。
次に、自動実行パラメータ86の自動実行がOFFとなっている場合、印刷制御部60は、自動実行OFFの判定を受け、ディスプレイ部90にユーザにトナー廃棄が必要であることを通知する。そして、操作部68を介して印刷制御部60がユーザの承認を得た場合は、トレイ指定パラメータ87に指定されたトレイに用紙があるか否かの判断をし、以下同様の動作を行う。
続いて、ユーザの承認を得られるか否かを判断し、ユーザの承認を得られない場合、印刷制御部60は、トナー廃棄動作拒否回数の計数値であるパラメータQに1を加える。次に、トナー廃棄動作拒否回数が閾値Mに達しているか否かを判断し、トナー廃棄動作拒否回数が閾値Mに達していない場合は、印刷制御部60は、元に戻り印刷を続行させる。トナー廃棄動作拒否回数が閾値Mに達している場合、印刷制御部60は、ユーザにトナー廃棄が必要であることを通知する。ここで、閾値Mを設けてあるのは、トナー廃棄がユーザによって拒否され続けることにより排トナーがパンクすることを防ぐためである。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 パラメータPx及びパラメータQをゼロ値に初期化する。
ステップS2 1頁の印刷を行う。
ステップS3 印刷制御部60の制御は、パラメータ記憶部66pに記憶されるパラメータPx(Py、Pm、Pc、Pkのそれぞれ)に印刷ドット数カウンタpx(py、pm、pc、pkのそれぞれ)を加算する。
ステップS4 次頁の印刷データがあるか否かを判断する。次頁の印刷データがある場合はステップS2に戻り、次頁の印刷データがない場合はステップS5に進む。
ステップS5 パラメータPx(Py、Pm、Pc、Pkのいずれか)が閾値Nに達したか否かを判断する。パラメータPxが閾値Nに達した場合はステップS6に進み、パラメータPxが閾値Nに達しない場合はステップS2に戻る。
ステップS6 自動実行パラメータ86がONとなっているか否かを判断する。自動実行パラメータ86がONとなっている場合はステップS7に進み、自動実行パラメータ86がONとなっていない場合はステップS9に進む。
ステップS7 指定されたトレイに用紙があるか否かを判断する。指定されたトレイに用紙がある場合はステップS8に進み、指定されたトレイに用紙がない場合はステップS13に進む。
ステップS8 トナー廃棄を実行し、処理を終了する。
ステップS9 ユーザにトナー廃棄が必要と通知する。
ステップS10 ユーザの承認を得られるか否かを判断する。ユーザの承認を得られる場合はステップS7に進み、ユーザの承認を得られない場合はステップS11に進む。
ステップS11 トナー廃棄動作拒否回数の計数値であるパラメータQに1を加える。
ステップS12 トナー廃棄動作拒否回数が閾値Mに達しているか否かを判断する。トナー廃棄動作拒否回数が閾値Mに達している場合はステップS9に戻り、トナー廃棄動作拒否回数が閾値Mに達していない場合はステップS2に戻る。
ステップS13 ユーザに用紙切れを通知する。
このように、本実施の形態においては、転写残トナーを記録用紙P上に定着させることから、ユーザは排トナーを一般廃棄物として処理することができるだけでなく、現像装置40、トナーカートリッジ又は画像形成装置1に排トナー回収のためのスペースや機構を設ける必要がなく、画像形成装置1及び画像形成部10の小型化及び軽量化を行うことができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図7は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置の概略図、図8は本発明の第2の実施の形態における画像形成装置のクリーニングブレードの構成を示す図である。なお、図8において、(a)は側面図、(b)は斜視図、(c)は攪拌羽根の斜視図である。
本実施の形態において、画像形成装置2は、転写残トナーの回収部としてのクリーニングローラ45を有する前記第1の実施の形態における画像形成装置1とは異なり、転写残トナーの回収部としてのクリーニングブレード100を有する。より詳細に説明すると、前記画像形成装置2は、画像形成部96Y、96M、96C及び96Kを有する。なお、前記第1の実施の形態と同様に、前記画像形成部96Y、96M、96C及び96Kは、使用されるトナーが相違するだけであって、実質的に同一の構成を有するものであるので、ここでは、イエローのトナーを用いる画像形成部96Yの構成を例に採って説明する。また、前記第1の実施形態における画像形成部10Yと同じ部分については説明を省略する。
図8(a)及び(b)に示されるように、画像形成部96Yにおいては、クリーニングブレード100yが感光体ドラム11yに接している。前記クリーニングブレード100yは、弾性を備える板部材であり、感光体ドラム11yにエッジ部が接触するように配置されており、感光体ドラム11yの動作によって転写残トナーを掻き取る。
そして、掻き取られた転写残トナーは、クリーニングブレード100yの下の空間に蓄積される。該空間の底面には、図8(b)に示されるように、窓104yが形成されている。また、該窓104yを覆うようにシャッタ101yが設けられている。該シャッタ101yは、印刷制御部60に制御される図示されないシャッタ開閉モータによって駆動ギア103yを介して駆動され、前記窓104yを開閉することができる。
そして、トナーを蓄積する空間内には、図8(c)に示されるような構成を備える撹拌羽根102yが回転可能に配設されている。該撹拌羽根102yは、回転して転写残トナーを攪拌することによって、転写残トナーの固化を防止したり、転写残トナーの排出を補助するようになっている。
なお、前記画像形成装置2のその他の点の構成については、前記前記第1の実施の形態における画像形成装置1と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態における画像形成装置2の動作について説明する。
前記第1の実施の形態における画像形成装置1と同様に、画像形成装置2は、印刷動作を終了すると、転写残トナーの廃棄動作へと移行する。そのため、感光体ドラムlly上の転写残トナーをすべて除去したものとすると、印刷制御部60の制御に従って、記録用紙Pが転写ベルト24上に搬送される。そして、図4に示されるように、記録用紙P上に転写残トナーを移動させるようにする。転写開始位置P1 に合わせて、シャッタ制御部93によって駆動ギア103yが駆動され、クリーニングブレード100yの下部のシャッタ101yが作動して窓104yを開放する。同時に、撹拌羽根制御部94によって図示されない撹拌羽根モータが駆動され、撹拌羽根102が回転される。
これにより、クリーニングブレード100yの下に蓄積されていた転写残トナーが、転写ベルト24上の記録用紙P上に落下する。このとき、モータ制御部76によって転写ベルト24が駆動され、記録用紙Pが搬送されているので、該記録用紙P上に落下する転写残トナーの位置がずれ、これにより、記録用紙P上においてトナー層厚が大きくなり過ぎることが防止される。
また、転写残トナーには感光体ドラムllyによる圧力が加えられていないが、定着装置12が転写残トナーを加圧しながら加熱するので、記録用紙P上においてトナー層が厚くなり過ぎることに起因する定着不良は発生しにくい。
なお、トナー廃棄時のみ、モータ制御部76が制御することによって媒体搬送速度を低下させたり、定着制御部77が制御することによって定着装置12の速度を落としたり、定着温度を高くしたりすることにより、転写残トナーの定着性を高めるような方法も実施することができる。
このように、本実施の形態においては、シャッタ101を作動させて転写残トナーを直接転写ベルト24上に移動させることによって、転写残トナーの廃棄の際に、該転写残トナーが現像ローラ41に接触することに起因する該現像ローラ41の表面及び未使用トナーの汚染を防止することができる。同様に、転写残トナーが帯電ローラ21に接触することに起因する該帯電ローラ21の表面の汚染も防止することができる。
さらに、転写残トナー廃棄の際に、現像装置用電源42及びクリーニング装置用電源46を使用しないので、高圧電源制御を簡略化することができる。そのため、画像形成部96毎の独立電源が不要となり、画像形成装置2のコストを削減することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1及び第2の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによって、その説明を省略する。また、前記第1及び第2の実施の形態と同じ動作及び同じ効果についても、その説明を省略する。
図9は本発明の第3の実施の形態における画像形成装置の転写残トナーの廃棄動作の実行タイミングを示すフローチャートである。
本実施の形態においては、ドット計算部105が、第3の実施の形態において説明されるように、各画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの印刷ドット数を加算し、各画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの印刷ドット数の割合を計算するようになっている。また、本実施の形態における画像形成装置は、前記第1の実施の形態における画像形成装置1と同様の構成を有するものであるので、その構成についての説明は省略する。
カラー画像を形成する画像形成装置1において、各画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの印刷ドット数が等しいということは一般に起こり難い。特に、カラー画像を形成する画像形成装置1において、モノクロ印刷が行われたり、文書が多く印刷されるような環境ではブラックの画像形成部10Kのみが多く使用され、ブラックのみ転写残トナーが増加することが起きる。
前記第1及び第2の実施の形態においては、画像形成部10Y、10M、10C及び10K、並びに、96Y、96M、96C及び96Kのいずれかの印刷ドット数が、例えば、10000ドットに達したときにトナー廃棄を実行するように設定されている。そのため、例えば、画像形成部10Y、10M、10C及び10K、並びに、96Y、96M、96C及び96Kが、各々、200、200、200及び10000ドットの印刷を行ったとすると、トナー廃棄のタイミングとなる。そして、このときの排トナーは10600ドット分である。しかし、前記第1及び第2の実施の形態において、10000ドットに達したときにトナー廃棄を実行するように設定されている場合には、1枚の記録用紙Pに、理想的には40000ドット印刷分の廃トナーが廃棄できるはずであるから、10600ドットの印刷でトナー廃棄を行うと、記録用紙Pが無駄になり、また、トナー廃棄の頻度が必要以上に多くなる。なお、1枚の記録用紙Pに印刷可能な印刷ドット数は、記録用紙Pに依存するが、ここでは、記録用紙Pの大きさが、40000ドットの印刷分の廃トナーの廃棄が可能な大きさであるものとして説明する。
そこで、本実施の形態においては、画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの印刷ドット数の合計が、例えば、40000ドットとなったときをトナー廃棄のタイミングとすることによって、トナー廃棄の頻度を減らせるようなっている。
まず、印刷制御部60は、パラメータ記憶部66pに記憶されるパラメータPx(x=y、m、c及びk)及びパラメータ記憶部66qに記憶されるパラメータQをゼロ値に初期化する。なお、パラメータQについては前記第1の実施の形態と同じ動作のため、説明を省略する。前記パラメータPxは、クリーニング動作を実行する際のパラメータであり、記録用紙Pに対する各画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの印刷ドット数をカウントしたものであり、前記第1の実施の形態と同じものである。
次に、1頁の印刷を行うと、印刷制御部60は、パラメータ記憶部66pに記憶されるパラメータPy、Pm、Pc及びPkに各画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの印刷ドット数py、pm、pc及びpkを加算する。
続いて、印刷制御部60は、次頁の印刷データが存在するか否かを判断し、次頁の印刷データが存在する場合は、前記第1の実施の形態と同様に、印刷動作を行う。また、次頁の印刷データが存在しない場合は、前記第1の実施の形態と異なり、印刷制御部60は、パラメータ記憶部66pに記憶されているパラメータPx(x=y、m、c及びk)をドット計算部105が加算する。この加算した値を閾値記憶部67pに記憶されている所定の閾値4Nと比較し、パラメータPxの合計が閾値4Nに達したか否かを判断する。すなわち、各画像形成部10が、それぞれ、合計4Nドットの印刷を行ったか否かを判断する。例えば、閾値4Nとして“40000”を設定した場合には、画像形成装置1が合計40000ドットの印刷を行ったか否かを判断する。そして、40000ドットに達していない場合は印刷を続ける。また、40000ドットに達している場合は、前記第1の実施の形態と同様の動作を行い、トナー廃棄を実行する。
なお、本実施の形態においては、トナー廃棄での記録用紙Pの利用の仕方が前記第1の実施の形態と異なる。
すなわち、ドット計算部105が各画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの印刷ドットの割合を計算する。例えば、画像形成部10Kの印刷ドットの割合は、Pk/(Py+Pm+Pc+Pk)となる。具体的には、画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの印刷トッド数が、各々、5000、5000、5000及び25000であり、その合計が40000ドットであれば、各画像形成部10Y、10M、10C及び10Kの印刷ドットの割合は、1/8、1/8、1/8及び5/8となる。
そして、印刷制御部60の制御に従って、前記第1及び第2の実施の形態における場合と同様に、記録用紙Pの先端から1/8、1/8、1/8及び5/8となるように転写残現像剤移動開始位置である転写開始位置P1 〜P4 を分割した場所から、トナー廃棄を実行する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 パラメータPxをゼロ値に初期化する。
ステップS22 1頁の印刷を行う。
ステップS23 印刷制御部60の制御は、パラメータ記憶部66pに記憶されるパラメータPx(Py、Pm、Pc、Pkのそれぞれ)に印刷ドット数カウンタpx(py、pm、pc、pkのそれぞれ)を加算する。
ステップS24 次頁の印刷データがあるか否かを判断する。次頁の印刷データがある場合はステップS22に戻り、次頁の印刷データがない場合はステップS25に進む。
ステップS25 パラメータPxの合計(Py+Pm+Pc+Pk)が閾値4Nに達したか否かを判断する。パラメータPxの合計が閾値4Nに達した場合はステップS26に進み、パラメータPxの合計が閾値4Nに達しない場合はステップS22に戻る。
ステップS26 自動実行パラメータ86がONとなっているか否かを判断する。自動実行パラメータ86がONとなっている場合はステップS27に進み、自動実行パラメータ86がONとなっていない場合はステップS29に進む。
ステップS27 指定されたトレイに用紙があるか否かを判断する。指定されたトレイに用紙がある場合はステップS28に進み、指定されたトレイに用紙がない場合はステップS33に進む。
ステップS28 トナー廃棄を実行し、処理を終了する。
ステップS29 ユーザにトナー廃棄が必要と通知する。
ステップS30 ユーザの承認を得られるか否かを判断する。ユーザの承認を得られる場合はステップS27に進み、ユーザの承認を得られない場合はステップS31に進む。
ステップS31 トナー廃棄動作拒否回数の計数値であるパラメータQに1を加える。
ステップS32 トナー廃棄動作拒否回数が閾値Mに達しているか否かを判断する。トナー廃棄動作拒否回数が閾値Mに達している場合はステップS29に戻り、トナー廃棄動作拒否回数が閾値Mに達していない場合はステップS22に戻る。
ステップS33 ユーザに用紙切れを通知する。
このように、本実施の形態においては、トナー廃棄に用いる記録用紙Pを効率よく使い、トナー廃棄の頻度を下げることができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。