JP2008233331A - 現像ローラ、及び、画像形成方法 - Google Patents

現像ローラ、及び、画像形成方法 Download PDF

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哲 内野
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Abstract

【課題】シャフト上に樹脂層を直接配置する現像ローラ等で、応力を受けた時にローラ表面にキズを発生させない現像ローラを提供する。
【解決手段】導電性シャフトの周りに厚さが1μm以上30μm以下の樹脂層を有し、樹脂層を構成する表面層にアクリルシリコーン共重合体を含有する現像ローラ。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ受信機等の電子写真方式の画像形成装置に搭載される現像ローラ、及び、画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成方法は、通常、以下の工程を経て転写シート上に画像形成が行われる。すなわち、電荷の付与されたトナーを電子写真感光体に代表される静電潜像担持体上に形成された静電潜像に接触、あるいは非接触で供給し、静電潜像を顕像化する現像を行い、静電潜像担持体上のトナー画像を用紙等に転写した後、定着を行って最終画像を形成する。
静電潜像担持体上にトナー画像を形成するための現像方法には、キャリアとトナーより構成される2成分現像剤を用いる2成分現像方式と、トナーのみから構成される1成分現像剤を用いる1成分現像方式がある。1成分現像方式の現像方法では、キャリアを使用せずにトナーを帯電部材や現像ローラ面に摺擦、押圧して帯電を行うもので、現像器の構造を簡略化してコンパクトにし易いメリットがある。とりわけ、トナー画像のカラー化の流れに対し、限られたスペース内にイエロー、マゼンタ、シアン、黒色等複数の現像装置を配置するフルカラーの画像形成装置では非磁性1成分方式による画像形成が有力である。また、製造工程でトナーの粒径や形状制御を行いながら作製可能ないわゆる重合トナーを用いることにより、フルカラーのピクトリアル画像形成を可能にしている(例えば、特許文献1参照)。
非磁性1成分方式の画像形成に使用する現像ローラは、例えば、シャフトの外周に設けられたゴム層上に樹脂層を有する形態を有し、現像ローラ上では金属板やローラ等によりトナーの層が形成される。そして、現像ローラ上に形成されたトナー層は前述した金属板やローラ等からの摩擦の作用により帯電される。
現像ローラ表面に形成される樹脂層は、トナーに安定した帯電性を付与するとともに、良好なトナー搬送性が求められ、現像ローラ表面へのトナーの付着や融着を防止する技術がこれまでも検討されてきた。例えば、フッ素樹脂を用いたり、これらの性能を向上させることが試みられてきた。また、現像ローラ表面で行われるトナーの層形成は、トナーのみならず、現像ローラにも負荷が加わるので、現像ローラの耐久性を向上させる技術の検討も進められていた。例えば、ベースゴム上にシランカップリング剤を用いて形成された中間層を設け、さらに中間層上にフッ素樹脂を含有する樹脂層を設けることにより、ローラの耐久性を向上させる様にした技術もある(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−214629号公報 特開平8−190263号公報
ところで、画像形成装置のコンパクト化に伴い、現像装置も小型化され、現像装置の構成部品もコンパクト化される傾向にある。そして、現像ローラもシャフト上の層構成を低減させてコンパクト化を実現させようとする試みが行われている。たとえば、シャフト上に樹脂層を直接設け、ゴム層をなくした現像ローラも登場し、ゴム層をなくした分、ローラの径を小さくすることができる。
しかしながら、この様な現像ローラは応力を吸収する領域が少ないため、他の構成部材から加わる応力がローラ表面に伝播し易い構造となり、その結果、ローラ表面にキズが発生し易かった。また、非磁性一成分現像剤を構成するトナーには、帯電付与性能を向上させるために外添剤が多く添加され、外添剤によりローラ表面にキズがつくことも懸念されていた。
この様に、シャフト上に樹脂層を直接設けた構造の現像ローラ表面のキズ発生を防止する技術が求められていた。本発明は、たとえば、ゴム層を有さない現像ローラの様に、シャフト上に樹脂層を直接配置する現像ローラに対し、応力を受けてもローラ表面にキズがつかない現像ローラ、及び、該現像ローラを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、ローラ表面のキズ発生を防止することにより、濃度ムラやカブリのない良好なトナー画像が形成可能であり、機内汚れを起こすことのない現像ローラ、及び、該現像ローラを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
上記課題は下記に記載の構成により解消されるものである。
請求項1に記載の発明は、
『導電性シャフトの周りに樹脂層を有する現像ローラであって、
前記樹脂層は、
厚さが1μm以上30μm以下であって、
かつ、樹脂層を構成する表面層にアクリルシリコーン共重合体が含有されることを特徴とする現像ローラ。』というものである。
請求項2に記載の発明は、
『現像ローラ上にトナーのみからなる現像剤層を形成し、現像剤層を形成したトナーを用いて像担持体上に形成された静電潜像を現像する工程を有する画像形成方法において、
前記現像ローラは、導電性シャフトの周りに厚さが1μm以上30μm以下の樹脂層を有し、前記樹脂層を構成する表面層にアクリルシリコーン共重合体が含有されるものであることを特徴とする画像形成方法。』というものである。
本発明では、シャフト上に厚さが1μm以上30μm以下の樹脂層を設け、当該樹脂層の最表面の領域にアクリルシリコーン共重合体を含有させた現像ローラを見出している。
本発明に係る現像ローラによれば、ローラ表面上に適度な硬さと滑り性がバランス良く付与され、現像ローラに応力が加わってもローラ表面にキズが発生しないことが見出された。したがって、ローラ表面に発生するキズに起因して発生するとされるトナーこぼれがなくなり、プリント画像上における濃度ムラやカブリ、さらには、画像形成装置内での汚染の発生を解消することができる様になった。
本発明は、導電性シャフトの周りに樹脂層を有する現像ローラに関する。シャフト上に樹脂層を直接設け、ゴム層のない現像ローラは、ゴム層をなくした分だけローラ径を小さくすることができる。しかしながら、ゴム層がない分、応力が逃げにくい構造を有しており、その影響でローラ表面にキズがつき易いという問題を有していた。この様に、ゴム層のない現像ローラは表面にキズがつき易く、この問題を解消する必要があった。
本発明では、厚さが1μm以上30μm以下の樹脂層表面にアクリルシリコーン共重合体を含有させることで、シャフト上に樹脂層を直接設けた構造の現像ローラ表面におけるキズ発生の問題を解消させることができる様になった。本発明の構成によりローラ表面でのキズ発生が解消した理由として、アクリルシリコーン共重合体によりローラ表面に適度な硬さと滑り性が付与されたことが挙げられる。
従来より、キズ発生を防止するために、シリコーン樹脂を用いて表面の滑り性を向上させる方法が採られているが、シリコーン樹脂は硬度が低くなりすぎるという問題があった。また、シリコーン樹脂を含有する塗布液をシャフト表面等に塗布すると、液がはじかれて塗布が行いにくいという問題もあった。本発明では、アクリルシリコーン共重合体を用いることにより、シリコーン成分のもつ滑り性がローラ表面で発現されるとともに、アクリル成分によりローラ表面に適度な硬さが付与されるものと推測される。また、アクリルシリコーン樹脂を含有させることにより、シャフト表面等を塗布する際にはじきが起きずに円滑に塗布が行える様になった。
また、アクリル成分のもつ帯電性がローラ表面でのトナー付着に貢献していることも推測される。すなわち、アクリル成分が高い正帯電性を有するので、負帯電性の非磁性一成分トナーは強い力をかけることなくローラ表面に付着し易く、その結果、ローラ表面を傷めずにトナー層が形成されるためと推測される。
さらに、樹脂層の厚さが1μm以上30μm以下のとき、樹脂層そのものに適度な弾性が付与された状態となり、現像ローラ表面に加わった負荷を適度に樹脂層自身が吸収することでキズが発生しにくいものになっているものと推測される。
この様な理由から、本発明ではシャフト上に直接樹脂層を設ける現像ローラにおいて、ローラ表面にアクリルシリコーン共重合体を含有させることにより、上記課題が解消されたものと推測される。以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る現像ローラは、導電性を有するシャフトの周りに厚さが1μm以上30μm以下の樹脂層を有し、当該樹脂層を構成する表面層の領域にアクリルシリコーン共重合体を含有するものである。図1に本発明に係る現像ローラの代表的な断面構成を示す。なお、本発明に係る現像ローラは、図1に示す断面構成のみに限定されるものではない。
現像ローラ10は、導電性のシャフト11と、シャフト11上の樹脂層12より構成される。樹脂層12には、樹脂中にカーボンブラック等の導電性材料を含有させることも可能である。樹脂層12中にカーボンブラックを分散、含有させることにより、樹脂層中にある程度の導電性が付与され、ローラ表面の残留電荷が導電性のシャフト11にリークし易くなる。
また、シャフト11は、導電性の部材で構成され、具体的には、SUS304等のステンレス鋼、鉄、アルミニウム、ニッケル、アルミニウム合金、ニッケル合金等の金属材料が好ましい。また、前述した金属の粉体物やカーボンブラック等の導電性材料を樹脂中に充填させた導電性樹脂も使用可能である。導電性シャフト11は、その比抵抗が1×104Ω・cm以下のものが好ましく、また、その外径は5mm〜30mmが好ましく、10mm〜20mmがより好ましい。
本発明に係る現像ローラ10は、シャフト11の周りに設けられる樹脂層12のうち表面層にアクリルシリコーン共重合体を含有するものである。ここで、本発明でいう表面層とは、像担持体上に供給するトナーの層を形成する領域を有する樹脂層のことをいう。すなわち、図1で説明すると、図1(a)に示す現像ローラ10は、樹脂層12の表面でトナー層を形成するものであることから樹脂層12が表面層に該当する。そして、樹脂層12中にアクリルシリコーン共重合体を含有することになる。また、図1の(b)は樹脂層12の外周にさらに樹脂層12aを配置したものであるが、この場合、樹脂層12a表面でトナー層が形成されることになるので樹脂層12aが表面層に該当する。そして、図1(b)では樹脂層12a中にアクリルシリコーン共重合体を含有することになる。
また、現像ローラ10を構成する樹脂層12は、その厚みが1μm以上30μm以下となるもので、5μm以上20μm以下とすることが好ましい。樹脂層の厚みは、現像ローラより樹脂層を含む断面試料を採取し、その顕微鏡写真より測定することが可能である。また、本発明に係る現像ローラは、図1(b)に示す様に、樹脂層が複数層からなる多層構造のものにすることも可能である。現像ローラ10を構成する樹脂層12の厚さを1μm以上30μm以下とすることにより、樹脂層そのものに適度な弾性が付与されて現像ローラ表面に加わった負荷を樹脂層が適度に吸収することでキズが発生しにくくなっているものと推測される。
一方、樹脂層12の厚さが1μmよりも薄いと、樹脂層が弾性の発現しにくい構造になることや、樹脂層表面に存在するアクリルシリコーン共重合体が少なくなりすぎて、本発明の効果を発現しにくくなりキズが発生し易くなるものと推測される。また、樹脂層12の厚さが30μmを超えると、樹脂層が厚くなった分、トナー層規制部材等の構成部材から受ける負荷が大きくなり、キズが発生し易くなることが懸念される。
本発明に係る現像ローラは、表面層にアクリルシリコーン共重合体を含有するものであるが、表面層を構成する樹脂中に含有されるケイ素原子の量を5質量%以上50質量%以下にすることが好ましい。ケイ素原子の含有量が上記範囲のとき、シャフトに樹脂層を直接配置した構造を有する現像ローラの硬さと滑り性の両方がバランスよく向上し、応力が加えられてもローラ表面へのキズの発生を回避することが可能になる。また、シャフトあるいは樹脂層上にアクリルシリコーン共重合体を含有する樹脂層を塗布する際、シャフト表面等に塗布液が十分馴染むので、スムーズな塗布作業を実現させることができる。
本発明に係る現像ローラの表面層に含有されるケイ素原子の量は、前述した様に、5質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは、10質量%以上40質量%以下、特に好ましくは、15質量%以上35質量%以下である。
本発明に係る現像ローラの表面層に含有されるケイ素原子の量は、たとえば、29SiNMR法(ケイ素29核磁気共鳴法)に代表される、ケイ素元素含有高分子化合物の構造解析法により算出することが可能である。具体的には、ケミカルシフト50〜−200ppmにおける29SiNMRスペクトルのシグナルを示す積分曲線を求め、上記範囲における基準物質(テトラメチルシラン)と試料の積分面積の比率よりケイ素元素の含有量を算出する。
たとえば、29SiNMR法によりケイ素原子含有量を測定する場合は、以下の手順により行われる。
市販の溶液系核磁気共鳴装置として、たとえば、「LA−400型核磁気共鳴装置(日本電子(株)製)」を用い、下記条件を設定することにより29SiNMR法での分析が可能である。
測定周波数 79.38MHz
観測範囲 31746Hz
サンプル濃度 30質量%
積算回数 4000回
使用溶媒 重トルエン
測定環境温度 23℃
また、測定は以下の手順で行う。
(1)基準物質であるテトラメチルシラン(分子量88)の30質量%重トルエン溶液を作製し、この溶液を上記条件を設定した上記核磁気共鳴装置にて測定し、基準となるテトラメチルシランのケイ素原子シグナルを求める。得られたケイ素原子シグナルの積分面積をA(cm2)とする。
(2)次に、本発明に使用可能な試料の30質量%重トルエン溶液を作製し、これを上記条件を設定した上記核磁気共鳴装置にて測定することにより、アクリルシリコーン共重合体のケイ素原子シグナルを求める。得られたケイ素原子シグナルの積分面積をB(cm2)とする。
(3)基準物質及び本発明に使用可能な試料より求められた各シグナルの積分面積の相対比率より、試料のケイ素原子含有量(質量%)を算出する。
なお、29SiNMR法により測定を行う際に使用する試料管は、ポリフッ化エチレン製のものが好ましい。すなわち、通常のガラス製NMR試料管では、ケイ酸ガラスに起因する29Siのシグナルが現れることが懸念されるので、これを避けるためである。
次に、本発明に使用可能なアクリルシリコーン共重合体について説明する。
ここで、アクリルシリコーン共重合体とは、分子中にビニル基を有する重合性シラン化合物とアクリル系単量体を含むラジカル重合性単量体とを共重合することにより作製される重合体のことをいう。具体的には、下記一般式(1)で表されるビニル系単量体と、下記一般式(2)、(3)、及び、(4)で表されるシリコーン単位(シラン構造)を側鎖に有するビニル系単量体との重合により、シリコーン単位を側鎖に有するビニル系共重合体である。
Figure 2008233331
(式中、R1は水素原子、メチル基またはエチル基を、R3は炭素数1乃至13のアルキル基または炭素数6〜14のアリール基、エーテル結合もしくはエステル結合を有してもよい炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表す。)
Figure 2008233331
(式中、R11は水素原子またはメチル基、R12はアルキレン基、R13はアルキル基またはフェニル基、R14〜R17はそれぞれ独立してハロゲン置換されていてもよい1価の炭化水素基、R18〜R21はそれぞれ独立して水素原子またはハロゲン原子で置換されていてもよい炭化水素基、nは0〜1000の整数を表す。)
一般式(1)で表されるビニル系単量体について、さらに説明する。一般式(1)で表されるビニル系単量体は、アクリレート系単量体と呼ばれるもので、側鎖にアクリル構造、(メタ)アクリル構造を有するものである。
具体的には、たとえば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2H−ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート等の含フッ素(メタ)アクリル酸エステル類;2,3,5,6−テトラフルオロフェニル(メタ)アクリル酸エステル、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル(メタ)アクリル酸エステル類等の芳香族フッ素含有(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上を使用することができる。
また、アクリルシリコーン共重合体の主鎖成分を構成するビニル単量体には、前述した(メタ)アクリル系単量体以外のものも使用可能である。使用可能なビニル単量体(ラジカル重合性単量体)としては、たとえばスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等の含ハロゲン−α,β−不飽和単量体等が挙げられ、これらを1種また2種以上併用することも可能である。
ただし、本発明の目的をより効果的に発現させるためには、ビニル単量体成分全量中に占める(メタ)アクリル系単量体以外のビニル単量体の比率を95質量%以下、好ましくは80質量%以下にすることが好ましい。
次に、一般式(2)、(3)、及び、(4)で表されるビニル系単量体について、さらに説明する。一般式(2)、(3)、及び、(4)で表されるビニル系単量体は、側鎖にシリコーン単位(シラン構造)を有し、重合性シラン化合物とも呼ばれるものである。本発明では、これらのシリコーン単位を有するビニル系単量体を必要により2種以上併用することも可能である。
重合性モノマーもしくは重合性マクロモノマー、あるいはこれらと他の共重合体モノマーとの反応物等が例示され、これらは必要により2種以上を利用することもできる。上記シラン構造を有するビニル系単量体の中でも、シリコーン単位を1分子中に10数個乃至数百個有するものが、最も好ましいとされる。
上記一般式(2)で表されるシラン構造を有するビニル系単量体の具体例としては、γ−(メタ)アクリロキシエチルポリジメチルシロキサン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルポリエチルメチルシロキサン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルポリブトキシシロキサン等が挙げられる。
また、一般式(3)で表されるシラン構造を有するビニル系単量体の具体例としては、ビニルポリジメチルシロキサン、2−メチルビニルポリジエチルシロキサン、ビニルポリジブトキシシロキサン、2−クロロビニルポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
さらに、一般式(4)で表されるシラン構造を有するビニル系単量体の具体例としては、アリルポリジメチルシロキサン、アリルポリジエトキシシロキサン等が挙げられる。
これらのシリコーン単位を有するビニル系単量体の中でも、前述した一般式(1)で表されるビニル系単量体との反応性をより高めるという視点から、十数個〜数百個のシリコーン単位を有するγ−(メタ)アクロキシプロピルポリジメチルシロキサン(市販品としては、たとえば、「サイラプレーン FM−0711、FM−0725(チッソ(株)社製)」)が好ましい。
また、アクリルシリコーン共重合体の製造方法としては、たとえば、有機溶媒中での溶液重合、界面活性剤を用いて水中で重合反応を行う乳化重合や懸濁重合によるラジカル重合法、あるいは、アニオン重合法やカチオン重合法等の方法が挙げられる。
より詳細な具体例としては、たとえば、シリコーン単位を有するビニル系単量体よりなる共重合体を分散剤とし、炭化水素系溶剤中でアクリル系単量体を分散重合させる方法が挙げられる。
この方法は、一般式(1)で表されるビニル系単量体を、一般式(2)〜(4)で表されるシリコーン単位を有するビニル系単量体より作製されるシリコーン系共重合体中の主鎖成分に導入して、アクリルシリコーン共重合体を作製するものである。すなわち、一般式(1)で表されるビニル系単量体とシリコーン系共重合体との間である程度の親和性が発現されることにより、分散重合によってアクリルシリコーン共重合体が生成されるものである。
この作製方法では、シリコーン単位を有するビニル系単量体により作製されるシリコーン系共重合体と一般式(1)で表されるアクリル基を有するビニル系単量体の比率は、モル比で1:1〜1:500が好ましく、1:1〜1:50がさらに好ましい。なお、シリコーン系共重合体の製法は特に限定されず、前述したラジカル重合法等の公知のビニル系重合体の作製方法をそのままもしくは適当に改善して採用することで実現される。
また、アクリルシリコーン共重合体の主鎖を構成するビニル系単量体は、(メタ)アクリル系単量体に加えて、必要により前述した他のビニル系単量体をさらに併用することが可能なものである。これらのビニル系単量体は、溶解度パラメータ値(以下、SP値と表す)が8以下である炭化水素系溶剤中で分散重合可能なものであればその種類は特に限定されるものではない。
分散重合に使用可能な有機溶剤としては、SP値が8以下の炭化水素系溶剤を選択することが可能で、たとえば、アクリルシリコーン共重合体の主鎖を構成するビニル系単量体により作製される重合体のSP値よりも低いSP値を有する炭化水素系溶剤が好ましい。より好ましくは、前記重合体のSP値より1以上低いSP値を有する炭化水素系溶剤である。特に、SP値が5以上8以下の有機溶剤は、主鎖を構成するビニル系単量体を十分に溶解させるとともにシリコーン系共重合体に対しても適度な溶解性を有するので、分散重合を円滑に進行させることを可能にする。
好ましい炭化水素系溶剤としては、たとえば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の鎖状炭化水素が挙げられ、これらは単独で使用し得る他、必要により2種以上の混合溶剤として使用することもできる。これらの溶剤の中でも特に直鎖状の炭化水素系溶剤が好ましい。
また、分散重合を開始するための重合開始剤としては、非水系ラジカル重合開始剤の全てが使用可能であるが、具体的には、クメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤等が挙げられる。また、前記重合開始剤とともにジメチルアニリン等の重合促進剤を併用することも可能である。
分散重合の条件も特に限定されるものではないが、たとえば、アクリルシリコーン共重合体を作製するのに使用される単量体成分の全使用量に対し、シリコーン系共重合体の使用量は1〜50質量%程度、主鎖を形成する単量体成分に対する重合開始剤の使用量は0.1〜5質量%程度とし、反応温度は50〜150℃、反応時間は3〜20時間程度である。
また、一般式(1)で表されるアクリル系ビニル単量体として複数種類のアクリル系ビニル単量体を用いて共重合体を形成し、ハイドロジェンシリコーン化合物を付加させることにより、アクリルシリコーン共重合体を作製する方法もある。
この方法では、先ず、下記一般式(5)で表されるアクリレート化合物と下記一般式(6)で表される末端不飽和結合含有アクリレート化合物と、必要に応じて一般式(7)で表される不飽和結合含有アクリレート化合物を用いて共重合体を作製する。
Figure 2008233331
(式中、R1とR3は一般式(1)中のR1とR3と同一である。)
Figure 2008233331
(式中、R2は水素原子、メチル基またはエチル基を、A’は単結合、即ちA’の左の酸素原子と右の炭素原子が直接結合している、あるいは主鎖にエーテル結合もしくはエステル結合を有してもよい炭素数1〜18の2価の炭化水素基を表す。)
Figure 2008233331
(式中、R23は水素原子、メチル基またはエチル基を、R24は主鎖中にエーテル結合もしくはエステル結合を有してもよい炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表す。)
次に、上記アクリレート化合物より形成された共重合体に、一般式(8)で表されるハイドロジェンシリコーン化合物と呼ばれるシリコーン単位を有する化合物を白金等の触媒を用いて付加反応を行う。
Figure 2008233331
(式中、R4〜R10はそれぞれ炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜14のアリール基を、R31、R32はそれぞれ水素原子、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜14のアリール基を表し、cとdは平均繰り返し単位数を示し、cは1〜100、dは0〜100の整数である。)
その結果、アクリレート化合物よりなる共重合体中にシリコーン単位を有する部位が取り込まれ、アクリルシリコーン共重合体が形成される。なお、この付加反応は、ハイドロジェンシリコーン化合物中の水素原子を介して行われるもので、一般にハイドロシリレーション反応と呼ばれるものである。
この様に、上記合成方法は、アクリレート化合物、末端不飽和結合含有アクリレート化合物及び必要に応じて不飽和結合含有アクリレート化合物を共重合反応させ、作製された共重合体とハイドロジェンシリコーン化合物とをハイドロシリレーション反応を行うことにより、アクリルシリコーン共重合体を作製するものである。
アクリレート化合物等を用いて行う共重合反応は、たとえば、ベンゾイルパーオキサイドやアゾビスイソブチロニトリル等のラジカル重合開始剤を用い、トルエン等の有機溶媒中で行う溶液重合や、界面活性剤を添加した水中で重合を行う乳化重合や懸濁重合で行うことが可能である。
また、ハイドロシリレーション反応は、アクリル共重合体の側鎖末端に設けられた二重結合にハイドロジェンシリコーン化合物を付加するものである。具体的には、たとえば、トルエン等の有機溶媒と白金触媒が仕込まれた反応容器中に、アクリル共重合体とアクリル共重合体の側鎖末端に設けられた二重結合に対して過剰となる様にハイドロジェンシリコーン化合物を添加する。そして、反応容器中で水分の影響を除去するための窒素等によるバブリング下で加熱、撹拌を行うことにより付加反応が進行し、その結果、アクリルシリコーン共重合体が形成される。
表面層12a、及び、樹脂層12には、前述したアクリルシリコーン共重合体以外の樹脂を併用することも可能である。特に、樹脂層12では、シャフト11との間に強固な接着力を発現することが可能な樹脂を使用することが好ましい。
この性能を発現させる樹脂の例として、たとえば、ポリオールとイソシアネートとを反応させて得られるポリウレタン系樹脂が挙げられる。また、前記ポリウレタン系樹脂の作製時に、ポリオールとイソシアネートに加えて鎖伸長剤を必要に応じて添加することも可能である。
前記ポリオールの具体例としては、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリカーボネートポリオール、ポリプロピレングリコール等のポリウレタン用ポリオール化合物が挙げられる。これらの中でも、高温高湿環境下での画像形成時にトナーの帯電量低下の発生を防止するポリウレタン樹脂を形成するポリカーボネートポリオールが好ましい。具体的には、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等の脂肪族または脂環式のポリカーボネートポリオールがより好ましい。
また、前記イソシアネートの具体例としては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、シクロヘキサンジイソシアネート、水添MDI、イソホロンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネートやポリオール、さらにはポリアミンとを用い、分子末端にイソシアネート基を有する様に反応させて得られるウレタンプレポリマーを用いることも可能である。
前記鎖伸長剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン(IPDA)、ヒドラジン等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂の代表的な製造方法としては一段法と二段法が挙げられる。一段法はポリオールとジイソシアネート化合物、及び、必要に応じて鎖伸長剤や重合停止剤を適当な溶媒中で一度に反応させることによりポリウレタン樹脂を作製する方法である。また、二段法はポリオールとジイソシアネート化合物をイソシアネート基が過剰な環境下で反応させることにより、ポリオール鎖の末端にイソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、次いで、これを適当な溶媒中で鎖伸長剤や重合停止剤を存在させた環境下で反応を行うものである。このうち、二段法は均一なポリマー溶液を得られ易いメリットを有する。
ポリウレタン樹脂を作製する際に使用される溶剤としては、通常、以下のものが挙げられる。ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン等が挙げられる。これらの有機溶剤を単独または混合して使用することが可能である。
また、樹脂−シリカハイブリッド体と呼ばれる樹脂成分とシリカ成分とを分子結合で一体化した分子構造を有する化合物を樹脂層12に含有することにより、樹脂層12とシャフト11の間での接着性を向上させることも可能である。樹脂−シリカハイブリッド体は、ケイ素原子と酸素原子の交互結合による網目状のシリカ構造(本発明ではシリカ骨格ともいう)を有する領域と、ポリウレタン樹脂やビニル重合体樹脂からなる有機高分子の領域とから構成されるものである。
樹脂−シリカハイブリッド体は、エポキシ基と反応性を有する官能基を有する樹脂とエポキシ基含有アルコキシシラン部分縮合物との反応によりアルコキシ基含有シラン変性樹脂を形成し、アルコキシ基含有シラン変性樹脂を縮合反応により硬化させてシリカ構造を形成するものである。
次に、本発明に係る現像ローラの製造方法について説明する。本発明に係る現像ローラは、導電性を有するシャフトの周りに、乾燥時の厚さが1μm以上30μm以下となる様に塗布液を塗布し、塗布後、加熱処理を行うことにより作製することが可能である。また、上記樹脂層の上にさらに塗布液を塗布し、同様の加熱処理を行うことにより、図1(b)に示す多層構造の現像ローラを作製することも可能である。本発明に係る現像ローラの作製手順についてさらに説明する。
先ず、導電性を有するシャフトの周りに形成する樹脂層を形成する材料を有機溶剤に混合、溶解させて樹脂層形成用の塗布液を作製する。樹脂層形成用の塗布液には、樹脂層を構成する樹脂材料の他に、必要に応じて、カーボンブラック等を添加して塗布液を調製することも可能である。
塗布液を作製する際には、塗布液中の成分が均一になることが好ましく、たとえば、カーボンブラック等を樹脂とともに添加して塗布液を調製する場合には、カーボンブラック等が均一分散する様に調製することが好ましい。塗布液を調製する手段としては、たとえば、「ダイノーミルTILAB(シンマルエンタープライセス社製)」に代表されるサンドグラインダ型の分散装置等が挙げられる。サンドグラインダ型の分散装置では、たとえば、直径0.5mmガラスビーズ等を使用して分散処理が行われる。この様にして樹脂層形成用の塗布液を調製する。
次に、導電性シャフト上に前述の樹脂層形成用塗布溶液を塗布する。塗布方法は、樹脂層形成用塗布溶液の粘度等に応じて種々の方法を選択することが可能である。具体的な塗布方法としては、具体的にはディッピング法、スプレー法、ロールコート法または刷毛塗り法等の方法が挙げられ、本発明ではこれらの塗布方法を限定するものではない。
導電性シャフト上に樹脂層形成用塗布液を塗布後、乾燥及び加熱処理(温度;120〜200℃、処理時間;20〜90分)を行って樹脂層形成用塗布溶液中の溶剤を除去することにより、カーボンブラックを含有する樹脂層(導電性樹脂層)を形成する。
また、上記手順によるカーボンブラックを含有する樹脂層の形成前後に、例えば、シリコーン共重合体樹脂を含有する塗布溶液等の塗布液を塗布することにより、図1(b)に示す多層構造の現像ローラを作製することも可能である。
次に、本発明に係る現像ローラを使用する画像形成方法の具体例を説明する。本発明に係る現像ローラは、キャリアを用いずに画像形成を行う非磁性一成分系現像剤を用いる画像形成装置に好ましく使用される。
本発明に係る現像ローラは、静電潜像を形成する像担持体上にトナーを供給する現像装置に装填されるものである。現像装置は、本発明に係る現像ローラの他に、トナー層規制部材とトナー補給補助部材とを有し、これらの部材がそれぞれ当接する様に配置されている。現像装置ではトナー層規制部材とトナー補給補助部材により現像ローラ上にトナーの薄層を形成し、これを像担持体上に供給して像担持体上に形成された潜像を可視画像化する。
トナー層規制部材は、押圧状態の下で現像ローラ上にトナーを均一な薄層状態にして供給するとともに、供給したトナーを摩擦帯電する。トナー層規制部材は、ウレタンゴムや金属板等の様に、ある程度の弾性を有する部材が用いられ、現像ローラに当接することにより現像ローラ上にトナーの薄層を形成する。現像ローラ上に形成されたトナーの薄層は、トナー粒子が最大で10個分、好ましくは5個分以下の厚さを有するものである。
トナー層規制部材の現像ローラへの押圧力は、100mN/cm〜5N/cmが好ましく、200mN/cm〜4N/cmが特に好ましい。押圧力を上記範囲内にすることで、搬送ムラを起こさずにトナー搬送が行え、白スジ等の画像不良の発生が回避される。また、押圧力を上記範囲とすることで、トナーを変形、破砕させる様な負荷を与えずに現像ローラに供給する。現像ローラへの押圧力は、トナー層規制部材を構成する材質や、画像形成時における部材の長さや厚さを調整することにより、上記範囲内にある所望の大きさに設定することが可能である。
トナー補給補助部材は、現像ローラにトナーを安定に供給するためのものである。トナー補給補助部材には、例えば、撹拌羽根をつけた水車状のローラやスポンジ状のローラが使用されている。トナー補給補助部材の大きさ(直径)は、現像ローラの直径の0.2〜1.5倍が好ましく、この範囲のときに、現像ローラにトナーが過不足なく供給されて、画像不良のない良好な画像形成を可能にする。
また、本発明に係る画像形成方法に使用される像担持体としては、無機感光体、アモルファスシリコン感光体、有機感光体等が挙げられ、この中でも、有機感光体が特に好ましく、さらに、電荷輸送層と電荷発生層とを積層構造としたものが好ましい。
以下、本発明に係る画像形成方法に使用可能な現像器(現像装置)について具体的に説明する。
図2は本発明に係る画像形成方法に使用可能な現像装置20の断面図である。
図2に示す現像装置20は、非磁性1成分系トナー(非磁性1成分現像剤)を用いて現像を行うことが可能である。現像装置20は、図示しないモータにより図中反時計回り方向に回転駆動され、画像形成装置に組み込んだ状態で図示しない像担持体に接触または近接する本発明に係る現像ローラ10と、現像ローラ10の左側に設けられたバッファ室22と、バッファ室22に隣接するホッパ23とを有する。
現像ローラ10は、導電性の円柱基体と、基体の外周にシリコーンゴム等の硬度の高い物質を用いて形成した樹脂層を有する。
バッファ室22にはトナー規制部材であるブレード24が現像ローラ10に圧接させた状態で配置されている。ブレード24は、現像ローラ10上のトナーの帯電量及び付着量を規制するものである。また、現像ローラ10の回転方向に対してブレード24の下流側に、現像ローラ10上のトナー帯電量・付着量の規制を補助するための補助ブレード25をさらに設けることも可能である。
現像ローラ10には供給ローラ26が押圧されている。供給ローラ26は、図示しないモータにより現像ローラ10と同一方向(図中反時計回り方向)に回転駆動する。供給ローラ26は、導電性の円柱基体と基体の外周にウレタンフォームなどで形成された発泡層を有する。
ホッパ23には一成分現像剤であるトナーTが収容されている。また、ホッパ23にはトナーTを攪拌する回転体27が設けられている。回転体27には、フィルム状の搬送羽根が取付けられており、回転体27の矢印方向への回転によりトナーTを搬送する。搬送羽根により搬送されたトナーTは、ホッパ23とバッファ室22を隔てる隔壁に設けられた通路28を介してバッファ室22に供給される。なお、搬送羽根の形状は、回転体27の回転に伴い羽根の回転方向前方でトナーTを搬送しながら撓むとともに、通路28の左側端部に到達すると真っ直ぐの状態に戻るようになっている。このように羽根はその形状を湾曲状態を経て真っ直ぐに戻るようにすることでトナーTを通路28に供給している。
また、通路28には通路28を閉鎖する弁281が設けられている。この弁はフィルム状の部材で、一端が隔壁の通路28右側面上側に固定され、トナーTがホッパ23から通路28に供給されると、トナーTからの押圧力により右側に押されて通路28を開けるようになっている。その結果、バッファ室22内にトナーTが供給される。
また、弁281の他端には規制部材282が取り付けられている。規制部材282と供給ローラ26は、弁281が通路28を閉鎖した状態でも僅かな隙間を形成する様に配置される。規制部材282は、バッファ室22の底部に溜まるトナー量が過度にならないように調整するもので、現像ローラ10から供給ローラ26に回収されたトナーTがバッファ室22の底部に多量に落下しないように調整される。
現像装置20では、画像形成時に現像ローラ10が矢印方向に回転駆動するとともに供給ローラ26の回転によりバッファ室22のトナーが現像ローラ10上に供給される。現像ローラ10上に供給されたトナーTは、ブレード24、補助ブレード25により帯電、薄層化された後、像担持体との対向領域に搬送され、像担持体上の静電潜像の現像に供される。現像に使用されなかったトナーは、現像ローラ10の回転に伴ってバッファ室22に戻り、供給ローラ26により現像ローラ10から掻き取られ回収される。
また、現像装置20に設けられる現像バイアス電源装置29は、現像バイアス電圧Vbの設定値(例えば500V程度)を出力する直流電圧電源と交番電界(例えばVppが2.0kV,周波数2kHz)を形成する交流電源装置より構成される。なお、「Vpp」とは、交番電圧波形の振幅の山と谷の差であるピーク・トゥー・ピーク電圧を示す。
画像形成時、静電潜像担持体11が、帯電装置(図示せず)により例えば800V程度の電位に一様に帯電され、その後、所定部分がレーザ等の光学ヘッドにより露光されると、例えば100V程度の電位に減衰されて静電潜像が形成される。
現像領域では、現像バイアス電源装置29から印加される現像バイアス電圧Vbと交番電圧により形成される電界の作用により、現像ローラ10上で薄層形成していたトナーが現像ローラ10周面から飛翔してパウダクラウド化する。そして、静電潜像が形成されている静電潜像担持体11上にトナー供給が行われ、静電潜像が現像されてトナー像が形成される。
現像ローラ10上に形成されるトナー層の厚さは、たとえば、以下の様な条件設定を行うことにより制御される。すなわち、静電潜像担持体11の周速を100mm/sec、現像ローラ10の周速を200mm/sec、トナー規制部材24が現像ローラ10を押圧する押圧力を、前述の様に100mN/cm〜5N/cm、好ましくは200mN/cm〜4N/cmに設定する。その結果、10層(トナー粒子10個分)以下、好ましくは、5層(トナー粒子5個分)以下のトナー層を形成することができる。
なお、本発明に係る現像ローラを搭載可能な現像装置の構成は、図2に示すものに限定されるものではない。
図2に示す現像装置20が搭載可能なフルカラー画像形成装置の一例を図3に示す。なお、図2の現像装置20が使用可能な画像形成装置は図3に示すものに限定されるものではない。図3の画像形成装置は、回転駆動される感光体ドラム15の周囲に、感光体ドラム15表面を所定電位に均一帯電させる帯電ブラシ16、感光体ドラム11上の残留トナーを除去するクリーナ17が設けられている。
レーザ走査光学系18は、帯電ブラシ16により均一帯電された感光体ドラム15上を走査露光し、感光体ドラム15上に静電潜像を形成する。レーザ走査光学系18は、レーザダイオード、ポリゴンミラー、fθ光学素子を内蔵し、その制御部にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック毎の印字データがホストコンピュータから転送される。そして、上記各色の印字データに基づいて、レーザビームが順次出力され、感光体ドラム15上を走査露光して、各色毎の静電潜像を形成する。
本発明に係る現像装置20を収納した現像装置ユニット30は、静電潜像が形成された感光体ドラム15に各色トナーを供給して現像を行う。現像装置ユニット30には、支軸33の周囲にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各非磁性1成分トナーをそれぞれ収納した4つの現像装置20Y、20M、20C、20Bkが装着され、支軸33を中心に回転して、各現像装置20が感光体ドラム15と対向する位置に導かれる。
現像装置ユニット30は、レーザ走査光学系18により感光体ドラム15上に各色の静電潜像が形成される毎に、支軸33を中心に回転し、対応する色のトナーを収容した現像装置20を感光体ドラム15に対向する位置に導く。そして、各現像装置20Y、20M、20C、20Bkより感光体ドラム15上に、帯電された各色トナーを順次供給して現像を行う。
図3の画像形成装置は、現像装置ユニット30より感光体ドラム15の回転方向下流側に無端状の中間転写ベルト40が設けられ、感光体ドラム15と同期して回転駆動する。中間転写ベルト40は、1次転写ローラ41により押圧された部位で感光体ドラム15と接触し、感光体ドラム15上に形成されたトナー画像を転写する。また、中間転写ベルト40を支持する支持ローラ42と対向して、2次転写ローラ43が回転可能に設けられ、支持ローラ42と2次転写ローラ43との対向する部位で、中間転写ベルト40上のトナー画像が記録紙等の記録材S上に押圧転写される。
なお、現像装置ユニット30と中間転写ベルト40との間には、中間転写ベルト40上の残留トナーを除去するクリーナ50が中間転写ベルト40に対して接離可能に設けられている。
記録材Sを中間転写ベルト40に導く給紙手段60は、記録材Sを収容する給紙トレイ61と、給紙トレイ61に収容した記録材Sを1枚ずつ給紙する給紙ローラ62、給紙した記録材Sを2次転写部位に送るタイミングローラ63より構成される。
トナー画像が押圧転写された記録材Sは、エアーサクションベルト等で構成された搬送手段66により定着装置70に搬送され、定着装置70で転写されたトナー画像が記録材S上に定着される。定着後、記録材Sは垂直搬送路80を搬送され、装置本体100の上面に排出される。
以下、実施例を挙げて本発明の実施態様を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1.現像ローラの作製
1−1.アクリルシリコーン共重合体の作製
(1)アクリルシリコーン共重合体1の作製
γ−(メタ)アクロキシプロピルポリジメチルシロキサン(末端にメタクリロキシ基を有するラジカル重合性シリコーン基含有ビニル単量体)「サイラプレーン FM−0711(チッソ(株)社製)」(平均分子量1000)25質量部、スチレン単量体20質量部、アクリル酸ブチル5質量部、及び、重合開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)「V−59(和光純薬工業(株)社製)」0.5質量部をノルマルヘキサン50質量部に溶解後、撹拌を行いながら70℃まで昇温させ、20時間還流温度で重合させた。その後、ノルマルヘキサンを減圧留去し、シリコーン単位を側鎖に有する重量平均分子量が28000の「シリコーン共重合体1」を作製した。
次に、「シリコーン共重合体1」15質量部、スチレンモノマー55質量部、アクリル酸ブチル20質量部、ジビニルベンゼン15質量部、及び、重合開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)「V−59(和光純薬工業(株)社製)」0.5質量部をノルマルヘキサン900質量部(SP値:7.2)に溶解後、攪拌を行いながら70℃まで昇温させ、10時間還流温度下で重合を行った。その後、反応液を冷却し遠心分離を行い、得られた沈殿を窒素気流下30℃で12時間乾燥処理することにより、「アクリルシリコーン共重合体1」を得た。得られた「アクリルシリコーン共重合体1」を前述の29SiNMR測定装置で測定したところ、ケイ素原子含有量は35質量%であった。
(2)アクリルシリコーン共重合体2の作製
「アクリルシリコーン共重合体1」の作製において、「シリコーン共重合体1」の添加量を15質量部から23質量部に変更した他は同様の手順により、「アクリルシリコーン共重合体2」を作製した。得られた「アクリルシリコーン共重合体2」におけるケイ素原子含有量は50質量%であった。
(3)アクリルシリコーン共重合体3の作製
「アクリルシリコーン共重合体1」の作製において、「シリコーン共重合体1」の添加量を15質量部から3.5質量部に変更した他は同様の手順により、「アクリルシリコーン共重合体3」を作製した。得られた「アクリルシリコーン共重合体3」におけるケイ素原子含有量は5質量%であった。
(4)アクリルシリコーン共重合体4の作製
「アクリルシリコーン共重合体1」の作製において、「シリコーン共重合体1」の添加量を15質量部から28質量部に変更した他は同様の手順により、「アクリルシリコーン共重合体4」を作製した。得られた「アクリルシリコーン共重合体4」におけるケイ素原子含有量は55質量%であった。
(5)アクリルシリコーン共重合体5の作製
「アクリルシリコーン共重合体1」の作製において、「シリコーン共重合体1」の添加量を15質量部から2.8質量部に変更した他は同様の手順により、「アクリルシリコーン共重合体5」を作製した。得られた「アクリルシリコーン共重合体5」におけるケイ素原子含有量は3.5質量%であった。
(6)アクリルシリコーン共重合体6の作製
フラスコに下記構造を有するハイドロジェンシリコーン化合物を27.9質量部、トルエンを270質量部、白金1000ppmに調節した白金/ジビニルシロキサン錯体溶液を0.33質量部を入れ、窒素をバブリングしながら80℃に加熱、攪拌した。
Figure 2008233331
ここに、メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合比(モル比)が50対1の共重合体(重量平均分子量102000)15質量部をトルエン90質量部に溶解した溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに6時間加熱、撹拌を継続し、トルエンを減圧除去後、メタノール/エタノール混合溶媒で過剰のハイドロジェンシリコーン化合物を洗浄後、ろ過、乾燥処理を行い、下記構造と平均繰り返し単位数を有する「アクリルシリコーン共重合体4」を作製した。なお、式中のPhはフェニル基を表す。得られた「アクリルシリコーン共重合体4」におけるケイ素原子含有量は35質量%であった。
Figure 2008233331
1−2.現像ローラの作製
(1)現像ローラ1の作製
市販のメタクリル酸メチル重合体樹脂(アクリル樹脂)「スミペックス LG2(住友化学(株)社製)」100質量部、「アクリルシリコーン共重合体1」100質量部、及び、カーボンブラック「#44(三菱化学(株)社製)」30質量部をメチルエチルケトン(MEK)400質量部に混合分散させて塗布液を調製した。この塗布液を、直径10mmのSUS303製シャフトの周面に乾燥時の厚さが15μmになる様に塗布し、100℃の加熱処理を1時間行って樹脂層を形成し、「現像ローラ1」を作製した。
(2)現像ローラ2の作製
現像ローラ1の作製において、「アクリルシリコーン共重合体1」の添加量を140質量部に変更した他は同様の手順により、「現像ローラ2」を作製した。
(3)現像ローラ3の作製
「アクリルシリコーン共重合体1」100質量部、カーボンブラック「#44(三菱化学(株)社製)」30質量部をメチルエチルケトン(MEK)250質量部に混合分散させた塗布液を調製した。この塗布液を、直径10mmのSUS303製シャフトの周面に乾燥時の厚さが30μmになる様に塗布し、100℃の加熱処理を1時間行って樹脂層を形成し、「現像ローラ3」を作製した。
(4)現像ローラ4の作製
最初に、ウレタン樹脂「ニッポラン5120(日本ポリウレタン社製)」100質量部、カーボンブラック「#44(三菱化学(株)社製)」30質量部をメチルエチルケトン(MEK)250質量部に混合分散させて塗布液を調製した。この塗布液を、直径10mmのSUS303製シャフトの周面に乾燥時の厚さが15μmになる様に塗布し、100℃の加熱処理を1時間行って樹脂層を形成した。
続いて、「現像ローラ3」を作製するときに使用した塗布液を、前述の樹脂層の周面に乾燥時の厚さが5μmになる様に塗布し、100℃の加熱処理を1時間行ってウレタン樹脂層上にアクリルシリコーン共重合体を含有する表面層を有する「現像ローラ4」を作製した。
(5)現像ローラ5の作製
「現像ローラ4」を作製するときに使用したアクリルシリコーン共重合体を含有する塗布液の代わりに、「現像ローラ2」を作製するときに使用した塗布液を用いた他は同様の手順により、「現像ローラ5」を作製した。
(6)現像ローラ6〜10の作製
「現像ローラ3」を作製した時に用いた塗布液中の「アクリルシリコーン共重合体1」に代えて「アクリルシリコーン共重合体2〜6」をそれぞれ使用して塗布液を調製した。各塗布液を、直径10mmのSUS303製シャフト周面に乾燥時の厚さが15μmになる様に塗布し、100℃の加熱処理を1時間行って樹脂層を形成した。作製した現像ローラを「現像ローラ6〜10」とした。
(7)現像ローラ11の作製
「現像ローラ3」を作製した時に用いた塗布液を、直径10mmのSUS303製シャフト周面に乾燥時の厚さが1μmになる様に塗布し、100℃の加熱処理を25分間行って樹脂層を形成して、「現像ローラ11」を作製した。
(8)現像ローラ12の作製
市販のメタクリル酸メチル重合体樹脂(アクリル樹脂)「スミペックス LG2(住友化学(株)社製)」100質量部、市販のシリコーン樹脂「KR211(信越シリコーン(株)社製)」15質量部、及び、カーボンブラック「#44(三菱化学(株)社製)」30質量部をメチルエチルケトン(MEK)400質量部に混合分散させた塗布液を、直径10mmのSUS303製シャフトの周面に15μmの厚さになる様に塗布し、100℃の加熱処理を1時間行って樹脂層を形成し、「現像ローラ12」を作製した。
(9)現像ローラ13の作製
「現像ローラ12」の作製において、シリコーン樹脂「KR211(信越シリコーン(株)社製)」の添加量を35質量部に変更した他は同様の手順により、「現像ローラ13」を作製した。
(10)現像ローラ14の作製
市販のシリコーン樹脂「KR211(信越シリコーン(株)社製)」100質量部と、カーボンブラック「#44(三菱化学(株)社製)」30質量部をメチルエチルケトン(MEK)400質量部に混合分散させた塗布液を、直径10mmのSUS303製シャフトの周面に15μmの厚さになる様に塗布し、100℃の加熱処理を1時間行って樹脂層を形成し、「現像ローラ14」を作製した。なお、塗布液をシャフト周面に塗布する際、シャフト上で塗布液の小さなはじきが生じていた。
(11)現像ローラ15の作製
「現像ローラ3」を作製した時に用いた塗布液を、直径10mmのSUS303製シャフト周面に乾燥時の厚さが45μmになる様に塗布し、100℃の加熱処理を25分間行って樹脂層を形成して、「現像ローラ15」を作製した。
2.トナーの作製
(1)「樹脂粒子分散液1」の作製
撹拌装置を取り付けたフラスコに、ペンタエリスリトールテトラステアリン酸エステル72.0gを、スチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、及び、メタクリル酸10.9gからなる単量体混合液に添加し、80℃に加温して溶解させた。
一方、撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けたセパラブルフラスコに、アニオン系界面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水2760gに溶解させた界面活性剤溶液を投入し、窒素気流下で撹拌速度230rpmで撹拌しながら80℃に昇温させた。次いで、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(エム・テクニック(株)製)」により、前記界面活性剤溶液(80℃)中に前記単量体溶液(80℃)を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子(油滴)が分散された乳化液を調製した。
この分散液に、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200gに溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃にて3時間にわたり加熱・撹拌して重合反応を行った。得られた反応溶液に、重合開始剤(KPS)7.73gをイオン交換水240gに溶解させた溶液を添加し、15分後に温度を80℃とした後、スチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、及び、n−オクチルメルカプタン12gからなる混合液を100分間かけて滴下し、この系を80℃で60分間にわたり加熱・撹拌させた後、この系を40℃まで冷却することにより、ワックスを含有する樹脂粒子分散液(以下、「ラテックス(1)」という。)を作製した。
(2)「着色剤分散液K」の作製
一方、n−ドデシル硫酸ナトリウム9.2gをイオン交換水160gに撹拌溶解した。この溶液を撹拌しながら、着色剤としてカーボンブラック「モーガルL」(キャボット社製)20gを徐々に添加し、次いで、機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック(株)製)を用いて分散処理することにより、「着色剤分散液K」を調製した。「着色剤分散液K」における着色剤粒子の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)で測定したところ、重量平均粒子径で120nmであった。
(3)「着色粒子1K」の作製
温度センサ、冷却管、撹拌装置(撹拌翼を2枚有し、交差角が20°)、形状モニタリング装置を取り付けた反応容器(四つ口フラスコ)に、「樹脂粒子分散液1」1250g(固形分換算)、イオン交換水2000g、「着色剤分散液1」全量を投入し、内温を25℃に調整後、この分散液混合溶液に5mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.0に調整した。次いで、塩化マグネシウム・6水和物52.6gをイオン交換水72gに溶解した水溶液を、撹拌下25℃にて10分間かけて添加した。その後、直ちに昇温を開始し、この系を5分間かけて95℃まで昇温(昇温速度14℃/分)させた。
この状態で「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」にて凝集粒子の粒径を測定し、体積基準メディアン径(D50)が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム115gをイオン交換水700gに溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、液温度90℃にて8時間にわたり加熱撹拌(撹拌回転数120rpm)して融着を継続させて熟成処理した後、この系を10℃/分の条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加してpHを3.0に調整し、撹拌を停止した。
生成した粒子を濾過し、イオン交換水で繰り返し洗浄して遠心分離装置によって液中分級処理し、その後、フラッシュジェットドライヤを用いて乾燥処理して含水率1.0質量%の「着色粒子1K」を生成した。
(4)「着色剤分散液Y」の調製
「着色剤分散液K」の調製において、カーボンブラック20gに代えて顔料「C.I.ピグメントイエロー74」20gを用いたこと以外は同様の手順により、「着色剤分散液Y」を調製した。「着色剤分散液Y」における着色剤粒子の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、重量平均粒子径で120nmであった。
(5)「着色剤分散液M」の調製
「着色剤分散液K」の調製において、カーボンブラック20gに代えてキナクリドン系マゼンタ顔料「C.I.ピグメントレッド122」20gを用いたこと以外は同様の手順により、「着色剤分散液M」を調製した。「着色剤分散液M」における着色剤粒子の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、重量平均粒子径で120nmであった。
(6)「着色剤分散液C」の調製
「着色剤分散液K」の調製において、カーボンブラック20gに代えてフタロシアニン系シアン顔料「C.I.ピグメントブルー15:3」20gを用いたこと以外は同様の手順により、「着色剤分散液C」を調製した。「着色剤分散液C」における着色剤粒子の粒子径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子社製)を用いて測定したところ、重量平均粒子径で120nmであった。
(7)「着色粒子1Y」の作製
「着色粒子1K」の作製において、「着色剤分散液K」全量に代えて「着色剤分散液Y」全量を用いた他は同様の手順により「着色粒子1Y」を作製した。
(8)「着色粒子1M」の作製
「着色粒子1K」の作製において、「着色剤分散液K」全量に代えて「着色剤分散液M」全量を用いた他は同様の手順により「着色粒子1M」を作製した。
(9)「着色粒子1C」の作製
「着色粒子1K」の作製において、「着色剤分散液K」全量に代えて「着色剤分散液C」全量を用いた他は同様の手順により「着色粒子1C」を作製した。
(10)トナーの作製
上記「着色粒子」に、数平均一次粒子径が12nm、疎水化度が65の疎水性シリカを0.8質量部、数平均一次粒子径が30nm、疎水化度が55の疎水性チタニアを0.8質量部添加し、ヘンシェルミキサーにて混合して、トナーを作製した。これらを「トナー1K、トナー1Y、トナー1M、トナー1C」とした。
この様に作製したトナーと前述の各現像ローラ1〜13を搭載した現像装置を準備し、評価実験を行った。
3.評価実験
市販のカラーレーザプリンタ「Magicolor 5440DL(コニカミノルタビジネステクノロジー(株)製)」を用い、上記現像ローラ1〜15とトナーを搭載した現像装置に表2に示す現像条件(Vb、Vpp)とを組み合わせた条件下で評価を行った。表1に示す様に、現像ローラと現像条件との組み合わせたものを実施例1〜11、及び、比較例1〜4とした。なお、現像条件における交番電界の周波数を2.0kHzとした。
常温常湿環境(20℃、50%RH)下で画素率が20%(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色5%のフルカラーモード)となるA4サイズのプリント画像を連続5000枚出力し、連続プリント終了時における濃度ムラ、カブリ、キズ発生、及び、機内汚れの発生状況を評価した。
〈濃度ムラ〉
5000枚目のプリント画像中の5%画像上で任意に10点を選択し、マクベス反射濃度計(RD−918)を使用して反射濃度を測定し、最大濃度と最小濃度の差を算出して濃度ムラを評価した。最大濃度と最小濃度の差が小さいほど濃度ムラが小さい。濃度差が0.15以下のものを合格とした。
〈カブリ〉
カブリ濃度については、マクベス反射濃度計(RD−918)を使用し、紙の反射濃度を「0」とし、白地部を測定して、相対反射濃度にて評価した。白地部の反射濃度(カブリ濃度)が0.01未満のものを合格とした。
〈キズ発生〉
5000枚連続プリント終了後の現像ローラ表面におけるキズ発生を、直接目視、及び、倍率10倍のルーペを用いて評価した。
○:直接目視、ルーペのいずれからもキズは確認されなかった
△:ルーペのみにより微小なキズが確認されたが実用上問題なしと判断した
×:直接目視でキズの発生が確認された。
〈機内汚れ〉
5000枚の連続プリント後の現像装置からのトナーの飛散状態を目視で評価するとともに、現像装置を画像形成装置から取り外したときの手の汚れ具合を評価した。以下の4ランクに分類し判定した。
◎;現像装置上蓋のトナー付着や装置内の機内汚れが見られず、現像装置を取り外しても全く手が汚れなかった
○;現像装置では現像ローラ付近の上蓋に若干のトナー付着があったが、それ以外の個所ではトナーの付着が見られない。また、装置内のトナー飛散も見られず、現像装置を取り外しても手はよごれなかった
△;現像装置上蓋の一部にトナー付着があったが、装置内のトナー飛散は見られず、現像装置を取り外しても手は汚れなかった
×:機内へのトナー飛散が確認され、また、現像装置を取り外した際に手洗いが必要な程に手が汚れた。
結果を表1に示す。
Figure 2008233331
表1に示す様に、本発明に該当する実施例1〜11では常温常湿環境下で5000枚の連続プリントを行った後でも、キズ発生はほとんど見られず、また、キズ発生に起因するとされる濃度ムラや、トナーこぼれによる機内汚れやカブリはほとんど見られなかった。
一方、本発明外の構成からなる比較例1〜4では、現像ローラ表面のキズ発生が顕著に見られ、また、濃度ムラや機内汚れ、カブリについて実施例の様な結果は得られなかった。この様に、実施例の結果からも、本発明の構成とすることにより表面にキズの発生しにくい高耐久性の現像ローラが得られることが確認された。
なお、上記評価は黒色トナー1Kを搭載した現像装置について評価を行ったものであるが、トナー1Y、1M、1Cを搭載した現像装置についても同様の結果が得られた。
本発明に係る現像ローラの断面構成を示す図である。 本発明に使用可能な現像装置の断面図である。 図2の現像装置が搭載可能な画像形成装置の断面図である。
符号の説明
10 現像ローラ
11 シャフト
12 樹脂層
12a 表面層
20 現像装置

Claims (2)

  1. 導電性シャフトの周りに樹脂層を有する現像ローラであって、
    前記樹脂層は、
    厚さが1μm以上30μm以下であって、
    かつ、樹脂層を構成する表面層にアクリルシリコーン共重合体が含有されることを特徴とする現像ローラ。
  2. 現像ローラ上にトナーのみからなる現像剤層を形成し、現像剤層を形成したトナーを用いて像担持体上に形成された静電潜像を現像する工程を有する画像形成方法において、
    前記現像ローラは、導電性シャフトの周りに厚さが1μm以上30μm以下の樹脂層を有し、前記樹脂層を構成する表面層にアクリルシリコーン共重合体が含有されるものであることを特徴とする画像形成方法。
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