JP2008233178A - 蓄光表示板 - Google Patents

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光伸 藤本
Toru Yasumatsu
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Abstract

【課題】床材として用いるのに十分な耐久性を有し、平時にも十分な表示機能を発揮し、かつ、十分な蓄光性を有する蓄光板を提供する。
【解決手段】表面の一部に印刷層部15を有するポリカーボネート製基板11の一方の面上に、蓄光顔料を含む蓄光樹脂層12を積層して蓄光表示板を製造する。
【選択図】図2

Description

この発明は、蓄光機能を有する表示板とその製造方法に関する。
従来、光源が無くなっても避難誘導や安全確認が出来るようにする蓄光機能を有する標識板が、建物内や地下などに設置されている。この蓄光機能を有する標識板は、太陽光や蛍光灯などの照射された光エネルギーを吸収し、日没や停電により照射される光源が消失した後、長時間に亘って発光し続けて非常口などを表示し、人が完全な暗闇の中で避難する事態に陥ることを防ぐものである。
このような蓄光機能を有する標識板としては、例えば特許文献1に記載の発光性複合シートや、特許文献2に記載の繊維強化プラスチックスに酸化物蓄光顔料を混合した成形品などを用いることができる。前記の発光性複合シートは、布などの裏打材上を設けた基材の反対側の面上に、白色合成樹脂層と、発光性顔料含有合成樹脂層を積層したものであり、発光する床材として使用するものである。また、前記の成形品は、耐久性の高い繊維強化プラスチックスを使用するとともに、外気に曝されても蓄光性能が劣化しにくい酸化物蓄光顔料を用いることで、高い耐候性を実現したものである。
特開平10−114030号公報 特開2006−219585号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発光性複合シートは、基材上に発光層を設け、その発光層が表面側にあるため、発光層の蓄光顔料が摩耗しやすく、床材に用いるためには別途保護膜を設ける必要があった。
また、特許文献2に記載の成形体では、当該文献の[0024]に記載のように、繊維強化プラスチックスの中に蓄光顔料を混合させる際には、蓄光機能を劣化させないために、蓄光顔料の含浸層には強化繊維を混入させないことが求められるので、蓄光顔料は表層に集中する。結果として蓄光顔料を有する樹脂層は、樹脂を強化する強化繊維無しに、物理的摩耗に曝されることになり、直接踏まれるような床材に用いるには、耐久性が十分ではない場合があった。
そこでこの発明は、床材として用いても物理的摩耗による蓄光機能の劣化が見られない十分な耐久性を有する蓄光表示板を製造することを目的とする。
この発明は、透明なポリカーボネート製基板の一方の表面に、蓄光顔料を含む蓄光樹脂層を積層した蓄光表示板により、上記の課題を解決したのである。
すなわち、基板に耐久性の高いポリカーボネートを用いることで、この基板が十分な透明性を有しているため、基板を表面に露出させて蓄光樹脂層を基板により保護して耐摩耗性を確保しても、十分な光量の吸収と放出が可能となる。
この発明にかかる蓄光表示板は、蓄光顔料が物理的摩耗に曝されることがなく、耐久性が高いため、長期間に亘ってメンテナンスを必要としない、蓄光性の床材や壁材として用いることができる。この床材や壁材は、それを照らす光源が消失した後、長時間発光して、避難経路や消火栓などの位置を示すことができる。
以下、この発明について図1及び図10を用いて詳細に説明する。この発明は、表面の一部に印刷層部を有する透明なポリカーボネート製基板の一方の表面上に、蓄光樹脂層を積層した蓄光表示板である。
この発明にかかる蓄光表示板の第一の実施形態を図1に示す。この実施形態は、ポリカーボネート製基板11の一方の表面に、蓄光製蛍光顔料を含む蓄光樹脂層12を積層した蓄光表示板である。
上記のポリカーボネート製基板11は、ポリカーボネート製のプレートである。上記の表面とは、端面や側面ではなく、プレートの最も面積の広い面を示す。ポリカーボネートは樹脂の中でも強度が高く、この発明にかかる蓄光表示板を床材として用いて直接踏みつけられる環境下でも、十分な耐久性を発揮する。また、透明性が高い材料であるため、透明な基板を得ることができ、この基板より下にある蓄光樹脂層12へ外光を到達させることができ、また、蓄光樹脂層12が発する光を外部へ透過させることができる。
上記の蓄光樹脂層12は、蓄光顔料を含む樹脂の層である。この層が外光を受けて光を吸収し、外光消失時に発光を続けることで、蓄光表示板として作用する。前記蓄光顔料とは、一旦光エネルギーを吸収して一時的に蓄えた後、そのエネルギーを徐々にりん光として放出しうる顔料をいう。このような蓄光顔料として用いる顔料は、蓄光樹脂層12が上記ポリカーボネート製基板11によって保護されるため必ずしも耐候性の高い顔料でなくてもよく、硫化カルシウム、硫化亜鉛、硫化亜鉛カドミウム等の硫化物蛍光体や、ストロンチウム、ユウロピウムやジスプロシウムを含むアルミン酸塩蛍光体など、特に限定されるものではない。ただし、実用上は長時間に亘って発光し続けることが求められるため、長時間に亘って発光し続けることができる前記のストロンチウムやユウロピウム等を含むアルミン酸塩蛍光体を用いるのが好ましい。
上記のアルミン酸塩蛍光体としては、例えば、特許第2543825号に記載された蓄光性蛍光体が挙げられる。これは、カルシウム、ストロンチウム、及びバリウムからなる金属群から選ばれる少なくとも一つの金属元素Mにより、MAlで表される化合物を母結晶とし、賦活剤としてユウロピウムを、前記Mで表される金属元素の金属群に対するモル%が0.002%以上20%未満となる量だけ添加し、共賦活剤として、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムからなるランタノイド金属群から選ばれる少なくとも一つの元素を、前記Mで表される金属元素の金属群に対するモル%で0.002%以上20%以下となる量だけ添加したものである。また、上記の化合物とMとAlとOの含有率が異なる化合物を母結晶とする蓄光性蛍光体でもよい。具体的には、根本特殊化学(株)のN夜光ルミノーバ(登録商標)が好適に使用できる。
この蓄光樹脂層12は、上記蓄光顔料と、この蓄光顔料を固めてポリカーボネート製基板11上に固定する樹脂とからなる。この樹脂は、出来るだけ可視光の透過性の高い樹脂であると好ましい。また、樹脂と顔料とを混合した時点では液状で塗工可能であり、塗工後に硬化させることができるものであると、層を形成させやすく好ましい。
この蓄光樹脂層12の厚さは、0.1mm以上3mm以下であると好ましい。0.1mm未満であると、面積あたりの蓄光顔料の量が少なすぎて、十分な発光量が得られなくなってしまう。一方で、蓄光顔料として、上記のアルミン酸塩蛍光体を用いた場合には、ある程度光を透過させるが、3mmを超えると透過する光がほとんど0に等しくなり、それ以上厚くしてもそこまでは光が届かずに、蓄光も発光も出来ない無駄な厚みとなってしまう。また、蓄光顔料自体が高価であるので、出来るだけ無駄を少なくすることが求められる。このため、厚みを3mm以下としておくと好ましく、1mm以下としておくとより好ましい。
この蓄光樹脂層12を形成させる方法としては、上記のポリカーボネート製基板11の、内表面側となる表面上に、熱硬化性樹脂と上記蓄光顔料とを混合した蓄光顔料樹脂混合物を塗工して硬化させる方法が挙げられる。前記熱硬化性樹脂としては、上記蓄光顔料と混合する時点では固まっておらず、その後硬化させることができるものであれば、特に限定されない。蓄光樹脂層12を形成させる方法としては、上記熱硬化性樹脂を、上記蓄光顔料と混合した後に硬化剤を投入して硬化が完了する前に塗工して硬化させて樹脂層を形成させる方法や、上記蓄光顔料と混合してから塗工した後に加熱して硬化させて樹脂層を形成させる方法が挙げられるが、硬化剤を用いる方法の方がポリカーボネート製基板11への影響が少なくより好ましい。また、塗工させる方法は特に限定されず、刷毛による手塗りで塗工させることもできる。
この実施形態にかかる蓄光表示板は、蓄光樹脂層12を床や壁に接するように取り付け、外表面にポリカーボネート製基板11が露出することとなる。蓄光顔料が物理的摩耗に曝されずに済むため、耐久力の高いものとなる。このような蓄光表示板は、特に形状が限定されるものではなく、長方形、円形、三角形や矢印型など、自由な形状のものとしてよい。また、文字や文字のパーツの形状であってもよい。
次に、この発明にかかる第二の実施形態を図2に示す。この実施形態は、図1に示す第一の実施形態の外表面となるポリカーボネート製基板11の他方の表面の一部に、印刷層部又はフィルム層部(図中15にあたる。)を有する蓄光表示板である。
上記の印刷層部は、ポリカーボネート製基板11の表面上の一部に、スタンプ印刷又はスクリーン印刷により印刷して形成させたものである。これらの印刷方法により印刷することで、図2のように、ポリカーボネート製基板11の表面上の一部にインク又は箔押しの層が形成される。前記のスタンプ印刷とは通常のインクによるスタンプ押しでインクを載せるものだけではなく、箔押しするホットスタンプ印刷も含む。また、前記のスクリーン印刷とは、インクを目的の箇所だけ通過させる印刷版を用いてインクを載せる印刷方法であり、例えばシルクスクリーン印刷が挙げられる。なお、通常のインクとは、蛍光塗料や蓄光塗料ではない、可視光を反射、吸収して色を示すインクをいう。ただし、上記の硬化剤や溶剤に溶けないものである必要がある。接触により印刷層部が溶けて表示が消えることを防ぐためである。
また、上記のフィルム層部は、ポリカーボネート製基板11の表面上の一部に、任意の形状でフィルムを貼り付けたものである。このフィルムは無色透明でなく、可視光線を遮るものであれば特に材質を限定するものではないが、不透明であると判別がしやすく好ましい。貼り付ける方法としては、ポリカーボネート製基板11を傷めるものでない限り、通常の接着剤を用いて貼り付けてよい。以下、上記の印刷層部とフィルム層部をまとめて印刷層部15として記述する。
この印刷層部15は、印刷されたインクや貼り付けられたフィルムがポリカーボネート製基板11の表面の全てを覆うのではなく、表面の一部だけを覆っており、インクや箔が載っていない部分が残る必要がある。印刷層部15は可視光線を遮るため、全面を覆ってしまうと蓄光とその後の発光が出来なくなり、単なるインクや箔による表示板となってしまうためである。
この印刷層部15で印刷される内容、又はフィルムの形状により表示する内容は、例えば図3のように、非常口の表示とその方向を示す矢印や、地図、現在位置の表示、消火器及び消火栓の表示など、緊急時に求められる情報を記載すると、この発明にかかる蓄光表示板の効果が発揮される。
この印刷層部に用いるインクや箔押し、フィルムの色は特に限定されないが、背景となる蓄光樹脂層12の色と明確に区別できる色であると、光源下でも識別しやすいため好ましい。このような色としては例えば黒や緑、青などが挙げられる。また、印刷層部15に複数の色のインクを用いて印刷を行っても良いが、インクが載っている部分の輪郭だけでも最低限必要な情報が読み取れるものであると好ましい。外光が無くなって、蓄光樹脂層12が発する光のみとなった環境では、この印刷層部15自体の色は識別が困難であり、蓄光樹脂層12の光をバックライトとして浮かび上がる印刷層部15の輪郭が、観察者に対して有効な情報を形成するためである。
この印刷層部15は、ポリカーボネート製基板11の蓄光樹脂層12側の表面の一部、すなわち、ポリカーボネート製基板11と蓄光樹脂層12との間に設けていてもよい。このように印刷層部15’を設けた第三の実施形態を図4に示す。この実施形態にかかる蓄光表示板を製造するには、ポリカーボネート製基板11の一方の表面に上記の手順で印刷層部15’を形成させた後、その印刷層部15’を含む前記一方の表面の全体に、上記の手順で蓄光樹脂層12を形成させる。この実施形態では、印刷層部15’が外表面に露出せず、ポリカーボネート製基板11に覆われているために、印刷層部15’が物理的摩耗を受けることがないので、表示が消えにくく、図2の実施形態に比べてより表示寿命が長いものとなる。
また、上記の印刷層部を、ポリカーボネート製基板11の両方の表面の一部に設けてもよい。この第四の実施形態を図5に示す。すなわち、図4の実施形態にかかる蓄光表示板の外表面側となる、ポリカーボネート製基板11の他方の表面に、印刷層部15を設けたものである。なお、製造手順としては、先にポリカーボネート製基板の両面の一部に印刷層部15,15’を設けてから、その一方の表面に蓄光樹脂層12を形成させてもよいし、一方の表面に印刷層部15’と蓄光樹脂層12とを設けてから、他方の表面の一部に印刷層部15を設けてもよい。
この第四の実施形態にかかる蓄光表示板では、ポリカーボネート製基板11の両面に設けられた印刷層部15及び印刷層部15’は同一の内容で、蓄光表示板の表面に対して垂直に見た際に輪郭が一致するものであると好ましい。このような実施形態とすることで、表面に設けられた印刷層部15によって、ポリカーボネート製基板11の外表面によって外光が反射されても充分な視認性を発揮できる。また、その印刷層部15が物理的摩耗に曝されることによって剥がれてしまったとしても、ポリカーボネート製基板11の下にあるもう一つの印刷層部15’によって、印刷層部15が示すべき表示内容を表示し続けることができ、長い表示寿命を有するものとなる。
この発明にかかる蓄光表示板の第五の実施形態を図6に示す。この実施形態にかかる蓄光表示板は、ポリカーボネート製基板11の一方の表面に、蓄光樹脂層12と白色樹脂層13とが積層された蓄光表示板である。すなわち、図1にかかる実施形態の蓄光樹脂層12上に、新たに白色樹脂層13を設けたものである。
上記の白色樹脂層13は、白色顔料を含む樹脂の層である。この層が含む白色顔料が、上記の蓄光樹脂層12が発する光のうち、下方へ放出された光を反射するので、この発明にかかる蓄光表示板から実質的に放出される光量を増やすことができ、高い輝度を得ることができる。また、光源下でも印刷層部15の背景部分を明るくする効果が得られる。前記白色顔料は特に限定されるものではなく、例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛などを用いることができる。
また、この白色樹脂層13の厚さは特に限定されないが、少なくとも蓄光樹脂層12が発した光のうち、白色樹脂層13側に発せられた光を充分に反射できる程度の厚みを有すると好ましい。薄すぎると光を反射しきれずに下方へ透過してしまい、この白色樹脂層13により外表面側の輝度を上昇させる効果が不十分になってしまう。
この白色樹脂層13を形成させる方法としては、上記の蓄光樹脂層12を形成させた後、その蓄光樹脂層12の上に、上記熱硬化性樹脂と上記白色顔料とを混合した白色顔料樹脂混合物を塗工して硬化させる方法が挙げられる。すなわち、液状の熱硬化性樹脂と上記白色顔料とを混合した後、硬化剤を添加して、硬化が完了する前に塗工し、硬化させて樹脂層を形成させる。また、塗工させる方法は特に限定されず、刷毛による手塗りで塗工させることもできる。
このような白色樹脂層13を、図2、図4、及び図5に記載の印刷層部15を有する蓄光表示板の蓄光樹脂層12上に設けると、図6の実施形態にかかる蓄光表示板と同様に、輝度を高める効果が得られる。それぞれに白色樹脂層13を設けた実施形態を図7乃至図9に示す。これらはそれぞれ、図2,図4及び図5に記載の蓄光表示板と同様に、印刷層部15の表示内容を表示し、光源のあるところでは印刷層部15を直接視認させることで印刷された内容を表示し、光源が無くなると、蓄光樹脂層12が発する光により、印刷層部15の輪郭を浮かび上がらせて、印刷された内容を伝えるものであるが、光源が無くなった際の発光輝度が、それぞれ図2,図4、及び図5に記載の蓄光表示板より高いものとなる。
これらの、印刷層部15と白色樹脂層13とを備えた蓄光表示板を製造するにあたっては、図2、図4及び図5に記載の蓄光表示板を製造してから白色樹脂層13を設けてよい。また、図7及び図9に記載の蓄光表示板を製造するにあたっては、白色樹脂層13を形成させてから、外表面側の印刷層部15を設けてもよく、形成される順番は特に規定されない。例えば、予め図6に記載の印刷層部の無い蓄光表示板を製造しておき、後日用途に応じて必要な表示を印刷層部15として外表面側に形成させて図7に記載の蓄光表示板を得てもよい。
この発明にかかる蓄光表示板は、通常時には太陽光や蛍光灯光などの光を受けることができる場所である壁や床、天井等に貼り付け、又は嵌め込んで用いる。光源下では蓄光樹脂層により光を吸収して、日没や停電などにより光源が消失した際には、蓄光樹脂層が発する光により、蓄光表示板の存在を示す。その使用形態の例を図10に示す。印刷層部を有さない蓄光表示板21を並べることで、経路の方向を示すことが出来る。また、印刷層部15を有する蓄光表示板22は、光源下でも印刷層部の表示により観察者に情報を与え、日没や停電などにより光源が消失した際には、蓄光樹脂層が発する光により印刷層部の輪郭を浮かび上がらせて、その輪郭により観察者に情報を与えることができる。
また、これらの蓄光表示板21,22は、人の往来が激しい床に設置して用いても、ポリカーボネート製基板に保護されるために蓄光機能が劣化することがなく、また、雨水などに触れても蓄光機能の劣化は起こりにくい。このため、設置から長期間に亘ってメンテナンス不要で使用することができる。
(実施例1)
ポリカーボネート製基板として、縦10cm×横21cm×厚さ2mmの無色透明のポリカーボネート板を用意した。その一方の表面に非常口のマークをシルクスクリーン印刷して印刷層部を形成させた。
一方で、蓄光顔料(根本特殊化学(株)製:ルミノーバ)と熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステル樹脂)とを、固形物の重量混合比が2:5となるように攪拌して混合した後、硬化剤を添加して蓄光顔料樹脂混合物を得た。その後速やかに、印刷層部を形成させたポリカーボネート製基板の他方の表面上に蓄光顔料樹脂混合物を刷毛で塗りつけ、半日静置して樹脂を硬化させて蓄光樹脂層を形成させた。
次に、白色顔料と上記と同様の熱硬化性樹脂とを攪拌して混合した後、硬化剤(同上)を添加して、白色顔料樹脂混合物を得た。その後速やかに、蓄光樹脂層上に白色顔料樹脂混合物を刷毛で塗りつけ、半日静置して、白色樹脂層を形成させて、蓄光表示板を製造した。
得られた蓄光表示板を200ルックスの光源下に20分放置した後、光源を消失させた。1時間後、蓄光表示板の輝度を輝度計(コニカミノルタホールディングス(株)製:LS−110)により測定したところ、40ルックスを示し、JIS規格(JIS Z 9107−1988)で要求される7ルックス以上の値を満たすことができた。
また、蓄光表示板を屋内の壁に設置してから1ヶ月後に同様の輝度測定を行ったところ、輝度は38ルックスを示し、特に劣化は見られなかった。また、印刷層部の表示も問題なく認識可能なままであった。
(実施例2)
実施例1において、印刷層部を設けた側の表面に蓄光樹脂層を形成させること以外は同様の手順により、蓄光表示板を得て、同様に輝度の測定を行ったところ、1時間後の輝度は36ルックスであった。また、1ヶ月後に同様の試験をおこなったところ、輝度は38ルックスであり、輝度の劣化は見られなかった。なお、輝度が上昇しているのは誤差の範囲と考えられる。また、印刷層部の表示も問題なく認識可能なままであった。
(実施例3)
実施例1において、シルクスクリーン印刷の代わりに、マーキングフィルム(住友スリーエム(株)製:スコッチカル、JS−6717XL)を非常口の表示の形にして、フィルム自体の接着力により貼り付けてフィルム層部を形成させ、それ以外の手順は実施例1と同様にして、蓄光表示板を得た。この蓄光表示板について、実施例1と同様の測定を行ったところ、1時間後の輝度は37ルックスであった。また、1ヶ月後に行った同様の試験では38ルックスであり、輝度の劣化は見られなかった。なお、これも輝度が上昇しているのは誤差の範囲と考えられる。また、フィルム層部の表示も問題なく認識可能なままであった。
(実施例4)
実施例1で得られた蓄光表示板を、太陽光の当たる屋外に1ヶ月間放置したが、ポリカーボネート製基板の表面は特に劣化しておらず、表面の透明度は目視上変化が見られなかった。
(比較例1)
実施例1において、ポリカーボネート製基板の代わりに、アクリル樹脂製基板を用いたこと以外は、実施例1と同様の手順により、蓄光表示板を得ることができた。この蓄光表示板を実施例4と同様の環境に1ヶ月間放置したところ、アクリル樹脂製基板の表面が荒れてしまい、目視上の透明度が低下してしまった。これは太陽光が含む紫外線によって劣化したと考えられる。
第1の実施形態にかかる蓄光表示板の断面図 外表面に印刷層部を設けた蓄光表示板の断面図 図2の蓄光表示板の斜視図 蓄光樹脂層との間に印刷層部を設けた蓄光表示板の断面図 ポリカーボネート製基板の両面に印刷層部を設けた蓄光表示板の断面図 図1の蓄光表示板に白色樹脂層を設けた蓄光表示板の断面図 白色樹脂層を設け、外表面に印刷層部を設けた蓄光表示板の断面図 白色樹脂層を設け、蓄光樹脂層との間に印刷層部を設けた蓄光表示板の断面図 白色樹脂層を設け、ポリカーボネート製基板の両面に印刷層部を設けた蓄光表示板の断面図 この発明にかかる蓄光表示板の使用形態の例を示す概略図
符号の説明
11 ポリカーボネート製基板
12 蓄光樹脂層
13 白色樹脂層
15 印刷層部
15’ (蓄光樹脂層側の)印刷層部
21 印刷層部の無い蓄光表示板
22 印刷層部のある蓄光表示板

Claims (6)

  1. 透明なポリカーボネート製基板の一方の表面に蓄光顔料を含む蓄光樹脂層を積層させた蓄光表示板。
  2. 透明なポリカーボネート製基板の一方の表面に、蓄光顔料を含む蓄光樹脂層が積層され、
    前記ポリカーボネート製基板の他方の表面の一部、前記蓄光樹脂層との間の前記一方の表面の一部、又はその両方に、スタンプ印刷又はスクリーン印刷による印刷層部を有する蓄光表示板。
  3. 透明なポリカーボネート製基板の一方の表面に、蓄光顔料を含む蓄光樹脂層と白色顔料を含む白色樹脂層とが順に積層され、
    前記ポリカーボネート製基板の他方の表面の一部、前記蓄光樹脂層との間の前記一方の表面の一部、又はその両方に、スタンプ印刷若しくはスクリーン印刷による印刷層部又はフィルムを貼り付けたフィルム層部を有する蓄光表示板。
  4. 透明なポリカーボネート製基板の一方の表面に、熱硬化性樹脂と蓄光顔料とを混合した蓄光顔料樹脂混合物を塗工して蓄光樹脂層を形成させる蓄光表示板の製造方法。
  5. 透明なポリカーボネート製基板の一方、又は両方の表面の一部に、スタンプ印刷若しくはスクリーン印刷により印刷層部を設け、又はフィルムを貼り付けてフィルム層部を形成させ、
    前記ポリカーボネート製基板の一方、又は他方の表面に、熱硬化性樹脂と蓄光顔料とを混合した蓄光顔料樹脂混合物を塗工して蓄光樹脂層を形成させる、蓄光表示板の製造方法。
  6. 透明なポリカーボネート製基板の一方、又は両方の表面の一部に、スタンプ印刷又はスクリーン印刷により印刷層部を設け、又はフィルムを貼り付けてフィルム層部を形成させ、
    前記ポリカーボネート製基板の一方、又は他方の表面に、熱硬化性樹脂と蓄光顔料とを混合した蓄光顔料樹脂混合物を塗工して蓄光樹脂層を形成し、前記蓄光樹脂層上に、熱硬化性樹脂と白色顔料とを混合した白色顔料樹脂混合物を塗工して白色樹脂層を形成させる蓄光表示板の製造方法。
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