JP2008232739A - 光ファイバ電流センサ及びその光学バイアス設定方法 - Google Patents

光ファイバ電流センサ及びその光学バイアス設定方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008232739A
JP2008232739A JP2007071000A JP2007071000A JP2008232739A JP 2008232739 A JP2008232739 A JP 2008232739A JP 2007071000 A JP2007071000 A JP 2007071000A JP 2007071000 A JP2007071000 A JP 2007071000A JP 2008232739 A JP2008232739 A JP 2008232739A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
sensor element
analyzer
sensor
element fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007071000A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4858251B2 (ja
Inventor
Kiyoshi Kurosawa
潔 黒澤
Noriyuki Kondo
礼志 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
Original Assignee
Tokyo Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electric Power Co Inc filed Critical Tokyo Electric Power Co Inc
Priority to JP2007071000A priority Critical patent/JP4858251B2/ja
Publication of JP2008232739A publication Critical patent/JP2008232739A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4858251B2 publication Critical patent/JP4858251B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Instrument Details And Bridges, And Automatic Balancing Devices (AREA)

Abstract

【課題】偏光子や検光子の主軸方位を回転させたり、1/2波長板を用いたりすることなく、光学バイアスの設定を可能とし、さらに、磁気シールドを施すことなく、出力誤差を少なく抑制した光ファイバ電流センサを提供する。
【解決手段】本発明の光ファイバ電流センサ10は、偏光子12を通過した光をセンサ素子ファイバ11に入射させ、該センサ素子ファイバを通過した光を検光子13に入射させて、前記検光子を通過した光の強度を検出し、変調度を求め、該変調度の変化量から該センサ素子ファイバに印加された磁界が誘起するファラデー回転角の大きさを評価する光ファイバ電流センサであって、前記センサ素子ファイバ全体を1つの平面に配置し、かつ、該センサ素子ファイバの少なくとも一部が前記平面から外れる方向へ該一部11aを移動させる第一手段15を備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、電力設備の監視等に使用する光ファイバ電流センサ及びその光学バイアス設定方法に係り、より詳細には、ファラデー効果を利用して送電線等の電路に流れる電流を検出する光ファイバ電流センサ及びその光学バイアス設定方法に関する。
近年、電力設備の監視等を行う電流計測装置として、光ファイバを素子に用いた光ファイバ電流センサが注目されている。
この光ファイバ電流センサは、光ファイバを通過する光のファラデー効果を検出することにより、磁界の発生源である電流の測定を行うセンサである。ファラデー効果とは、磁界と同じ方向に直線偏光が透明媒質中を通る時、磁界の強さに比例して光の偏波面が回転する現象である。また、磁界の強さは測定を行う電流の大きさに比例する。そのため、磁界の強さに比例する偏波面の回転角度を測定することによって、電流の大きさを求めることができる。
この光ファイバ電流センサは基本的に、被測定電流が流れる送電線等の導体の外周に設置するセンサ素子ファイバと、その一端(入光)側に備えられた偏光子、及び他端(出光)側に備えられた検光子を有している。
そして、このような光ファイバ電流センサでの動作は、次の通りである。
光源を発した光は、送光ファイバによって偏光子に送られ、波の振動方向がそろった直線偏波光に変えられる。前記偏光子を通過した直線偏波光は、センサ素子ファイバの一端に入射し、電流が流れる導体の周囲に発生する磁界によって、前記センサ素子ファイバの中でファラデー回転を生じる。前記センサ素子ファイバを通過することでファラデー回転を生じた直線偏波光は、検光子に入射し、ファラデー回転に比例した光の強度の変化に変換される。さらに、前記検光子を通過した光は、受光ファイバで電子回路部に送られて信号処理を施される。電子回路部では、受光素子により受光強度に比例した電気信号に光を変換するとともに変調度を求める。そして、変調度の変化量からセンサ素子ファイバに印加された磁界が誘起するファラデー回転角の大きさを求める。
このような光ファイバ電流センサでは、測定精度を高める等のために、ファラデー回転角と変調度の変化の関係が直線性を保つように設定する必要がある。そのため、前記関係が直線になるようにするために、ファラデー回転角がゼロ(被測定電流=0)時に、検光子に入射する直線偏波光の偏波方位が前記検光子の主軸方位に対して45度前後(最適値45度)になるように光学バイアスを設定し、測定用の光に位相変調を施す必要がある。これを45度の光学バイアス設定と称する。
そこで、光学バイアスを設定するための光学系調整方法の一つとして、偏光子の主軸方位を回転させる手段が提案されている。
この手段は、送光ファイバと、薄型の偏光子(吸収型)と、センサ素子ファイバとを一体化させた円筒形の偏光子ユニットを用い、該偏光子ユニットを回転させて検光子に入射する光の偏波方位を調整し、光学バイアスを設定した後に、前記偏光子ユニットを固定するものである(たとえば、特許文献1を参照)。
なお、この手段により、検光子の主軸方位を回転させて検光子への入射光に対する検光子の主軸方位を調整し、光学バイアスを設定する方法も考えられる。
しかしながら、上記特許文献1に記載の手段は、センサ素子ファイバに「撚り(twist)」を与えることになり、センサ素子ファイバに常に応力を発生させていることとなってしまい、力学的に好ましくない。また、直径の細い偏光子部の円筒を回転させて精密な角度調整を行うことは、熟練した技能が必要となり容易に行えない。
また、光学バイアスを設定するための光学系調整の他の方法として、偏光子と検光子の間に1/2波長板を挿入し、前記1/2波長板105の主軸方位を回転させる手段が知られている。このような1/2波長板を用いた光ファイバ電流センサの構成は、たとえば、図14及び図15に示すことができる。
図14及び図15に示すように、光ファイバ電流センサ100は、センサ素子ファイバ101と、その一端側に取り付けられた偏光子102と、同他端側に取り付けられた1/2波長板105、検光子103及びプリズム104とを有している。前記偏光子102には、光源112からの光Lを伝播する送光ファイバ106が接続され、一方、前記検光子103には、当該検光子103を通過した光を伝播する受光ファイバ107が接続されている。また、前記受光ファイバ107には、受光素子111が接続されている。さらに、センサ素子ファイバ101は、被測定電流が流れる送電線等の導体109の外周に設置される一部101aが、導体109から所定の距離だけ外側に離れて、周回するように配された枠体108に載置されている。また、その上にリング状の押え蓋114を設けることにより、センサ素子ファイバ101のうち周回をなす一部101aは、その全域にわたって、押え蓋114と枠体108に挟まれた状態で、枠体108に対して固定されている。
そして、このような光ファイバ電流センサ100は、偏光子102、センサ素子ファイバ101、検光子103、1/2波長板105を、基本的に共通平面基盤の上に配列し、前記1/2波長板105の主軸方位を回転させて、検光子に入射する光の偏波方位を調整し、光学バイアスを設定する。この際、各素子の方位は次の通りである。偏光子0度、検光子0度、センサ素子ファイバの曲線のねじれによる偏波回転0度、1/2波長板22.5度(偏波の回転角45度)。
ところが、上記1/2波長板を用いる構成の光ファイバ電流センサでは、1/2波長板の存在に起因して、以下のような問題があった。1/2波長板の偏波特性の不完全により、正確に所望の回転角が得られないことから光ファイバ電流センサの測定精度が低下してしまう。また、1/2波長板を回転させた場合に、光の光軸が変動し、受光ファイバへの結合効率が低下してしまう。さらに、1/2波長板と回転機構がコストの上昇と構造の大型化につながる虞がある。
また、上記光ファイバ電流センサでは、被測定電流以外の電流、及び被測定電流の位置の出力への影響を小さくするために、ファイバコイルの開放部(閉じていない部分)に磁性体を取り付けて磁気シールドを施す必要があった(たとえば、非特許文献1参照)。
また、光ファイバ電流センサの偏波特性として、光ファイバ電流センサを組み立てる際、普及している石英を材料に用いたファイバをセンサ素子として使用し、そこに何らかの応力が加わると、光がファイバの内部で光弾性効果によるモード複屈折の影響を受け、入射した光の直線偏波状態が維持されなくなり、特性が変化してしまう。さらに、温度変化や周囲から伝わる振動もファイバ内部の応力の原因となり、直線偏波の保持に悪い影響を及ぼしてしまう。
特許第3415972号公報 黒澤潔、吉田知、坂本和夫、増田勲、山下俊晴、「鉛ガラスから製造した光ファイバのファラデー効果を利用した電流センサ」、電気学会論文誌B,116巻1号,No.10,pp.93−103,1996
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、1/2波長板による不具合が生じた場合でも、また、1/2波長板を省略しても、光学バイアスの設定を可能とし、さらに、1/2波長板を省略したことで、光学ユニットのコンパクト化が図られ、それにより、センサファイバの始端と終端を密着させることができ、センサコイルの開放部がほとんど無い状態にすることで磁気シールドを施すことなく、出力誤差を少なく抑制した光ファイバ電流センサを提供することを第一の目的とする。
また、本発明は、センサ素子ファイバに撚り(twist) を与えることなく、光学バイアスの微調整を容易に行うことのできる光ファイバ電流センサの光学バイアス設定方法を提供することを第二の目的とする。
本発明の請求項1に係る光ファイバ電流センサは、偏光子を通過した光をセンサ素子ファイバに入射させ、該センサ素子ファイバを通過した光を検光子に入射させて、前記検光子を通過した光の強度を検出し、変調度を求め、該変調度の変化量から該センサ素子ファイバに印加された磁界が誘起するファラデー回転角の大きさを評価する光ファイバ電流センサであって、前記センサ素子ファイバ全体を1つの平面に配置し、かつ、該センサ素子ファイバの少なくとも一部が前記平面から外れる方向へ該一部を移動させる第一手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る光ファイバ電流センサは、請求項1に係る光ファイバ電流センサにおいて、前記平面において、前記センサ素子ファイバを直線に伸ばした状態で、前記偏光子の主軸方向と前記検光子の主軸方向にあらかじめ45度前後の角度差を設けるように、前記偏光子、前記検光子、及び前記センサ素子ファイバからなるセンサファイバモジュールを固定する第二手段を備えたことを特徴とする。但し、本手段のみでの調整では、工業製品による誤差及びセンサファイバの形状変化による誤差により、光学バイアス設定を正確に45度とすることは難しく、別の手段により微調整が必要な場合がある。
また、本発明の請求項3に係る光ファイバ電流センサは、請求項1又は2に係る光ファイバ電流センサにおいて、前記センサ素子ファイバが、その周方向に対して撚られるのを防止する第三手段を備えたことを特徴とする。
また、本発明の請求項4に係る光ファイバ電流センサは、請求項1乃至3のいずれか1項に係る光ファイバ電流センサにおいて、前記センサ素子ファイバは、鉛ガラスファイバであることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に係る光ファイバ電流センサの光学バイアス設定方法は、偏光子を通過した光をセンサ素子ファイバに入射させ、該センサ素子ファイバを通過した光を検光子に入射させて、前記検光子を通過した光の強度を検出し、変調度を求め、該変調度の変化量から該センサ素子ファイバに印加された磁界が誘起するファラデー回転角の大きさを評価する光ファイバ電流センサの光学バイアス設定方法であって、前記光ファイバ電流センサとして、前記センサ素子ファイバ全体を1つの平面に配置し、かつ、該センサ素子ファイバの少なくとも一部が前記平面から外れる方向へ該一部を移動させる第一手段と、前記平面において、前記センサ素子ファイバを直線に伸ばした状態で、前記偏光子の主軸方向と前記検光子の主軸方向にあらかじめ45度前後の角度差を設けるように、前記偏光子、前記検光子、及び前記センサ素子ファイバからなるセンサファイバモジュールを固定する第二手段と、前記センサ素子ファイバが、その周方向に対して撚られるのを防止する第三手段と、を備えたものを用い、前記第二手段と前記第三手段を用いて、前記偏光子、前記検光子、及び前記センサ素子ファイバからなるセンサファイバモジュールを1つの平面に配置する手順A、前記偏光子を通過した光を前記センサ素子ファイバに入射させ、前記第一手段を用いて、前記センサ素子ファイバの少なくとも一部を前記平面から外れる方向へ移動させることにより、前記センサ素子ファイバを通過する光の偏波方位を回転させ、前記検光子に入射する光の偏波方位を調整する手順B、を少なくとも有することを特徴とする。
本発明の請求項1に係る光ファイバ電流センサは、センサ素子ファイバ全体を1つの平面に配置し、かつ、該センサ素子ファイバの少なくとも一部が前記平面から外れる方向へ該一部を移動させる第一手段を備えている。
ゆえに、前記第一手段によって、全体が1つの平面に配置されたセンサ素子ファイバの形を変えるように、前記センサ素子ファイバの少なくとも一部を移動させることができるので、前記センサ素子ファイバの所望の箇所に、所定の大きさを有するねじれ(torsion)を正確に制御して付与することが可能となる。これにより、ねじれ(torsion) が生じた前記センサ素子ファイバの中を通過する直線偏波光の偏波方位を回転させ、前記センサ素子ファイバの一部の移動による曲線の形を変えることによって、検光子に入射する光の偏波方位を微調整し、45度の光学バイアス設定を最適な状態(最適値45度の状態)を実現することができる。そして、最適な45度の光学バイアス設定の状態でファラデー回転角の大きさを求めることができるため、自ずと測定精度がよくなるのである。
したがって、本発明によれば、従来は必須であった、偏光子や検光子の主軸方位を回転させたり、1/2波長板を用いなくても光学バイアスの設定を可能とし、さらに、磁気シールドを施すことなく、出力誤差を少なく抑制した光ファイバ電流センサが得られる。
本発明の請求項5に係る光ファイバ電流センサの光学バイアス設定方法は、光ファイバ電流センサとして、以下の第一手段、第二手段、及び前記第三手段を備えたものを用いる。第一手段は、センサ素子ファイバ全体を1つの平面に配置し、かつ、該センサ素子ファイバの少なくとも一部が前記平面から外れる方向へ該一部を移動させるものである。また、第二手段は、前記平面において、前記センサ素子ファイバを直線に伸ばした状態で、前記偏光子の主軸方向と前記検光子の主軸方向にあらかじめ45度前後の角度差を設けるように、前記偏光子、前記検光子、及び前記センサ素子ファイバからなるセンサファイバモジュールを固定するものである。また、第三手段は、前記センサ素子ファイバが、その周方向に対して撚られるのを防止するものである。
そして、本発明の請求項5に係る光ファイバ電流センサの光学バイアス設定方法は、前記第二手段と前記第三手段を用いて、前記偏光子、前記検光子、及び前記センサ素子ファイバからなるセンサファイバモジュールが1つの平面に配置された状態とする(手順A)。次いで、前記偏光子を通過した光を前記センサ素子ファイバに入射させ、前記第一手段を用いて、前記センサ素子ファイバの少なくとも一部を前記平面から外れる方向へ移動させることにより、前記センサ素子ファイバを通過する光の偏波方位を回転させ、前記検光子に入射する光の偏波方位を最適値となるように調整する(手順B)。
ゆえに、本発明によれば、まず手順Aにおいて、第二手段により、あらかじめ偏光子と検光子の間に45度に近い角度差がつけられているので、特段調整をしなくても45度前後の光学バイアスが得られる。また、その際、第三手段により、センサ素子ファイバに大きい「撚り(twist) 」の応力が発生することがないものとすることができる。次いで、手順Bにおいて、偏光子を通過した光をセンサ素子ファイバに入射させ、第一手段によって、センサ素子ファイバの少なくとも一部を前記平面から外れる方向へ移動させることにより、偏光子と検光子の方位差の微調整を行い、光学バイアスを最適値に設定することができる。しかも、センサ素子ファイバは平面に固定されているので、外部からの振動等の影響によってセンサ素子ファイバが変形し、偏波が回転することの影響を除くことができる。
したがって、本発明は、センサ素子ファイバに撚り(twist) を与えることなく、光学バイアスの微調整を容易に行うことが可能な光ファイバ電流センサの光学バイアス設定方法をもたらす。
以下、最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1は、本発明に係る光ファイバ電流センサの構成の二つの例を模式的に示す平面図であり、図2は、これらの光ファイバ電流センサの動作を説明する概略図である。
本実施形態における光ファイバ電流センサ10(10A,10B)は、図1及び図2に示すとおり、被測定電流が流れる送電線等の導体19の外周に設置するセンサ素子ファイバ11と、その一端(入光)側に取り付けられた偏光子12と、同他端(出光)側に取り付けられた検光子13及びプリズム14と、を少なくとも備えている。また、偏光子12には、光源22からの光Lを伝播する送光ファイバ16が接続され、一方、検光子13には、検光子13を通過した光を伝播する受光ファイバ17が接続されている。さらに、受光ファイバ17には、受光素子21を介して信号処理部20A(20)が接続されている。
このような光ファイバ電流センサ10は、偏光子12を通過した光をセンサ素子ファイバ11に入射させ、このセンサ素子ファイバ11を通過した光を直交する2つの偏波成分に分離する検光子13に入射させて、検光子13を通過した2つの光の強度を検出し、両者の値から変調度を求め、この変調度の変化量からセンサ素子ファイバ11に印加された磁界が誘起するファラデー回転角の大きさを評価するものである。
そして、本実施形態における光ファイバ電流センサ10は、センサ素子ファイバ11全体を1つの平面に配置し、かつ、このセンサ素子ファイバ11の少なくとも一部11aが前記平面から外れる方向へ、この一部11aを移動させる第一手段15を備えていることを特徴とする。
ここで、平面から外れる方向とは、その操作を行う前に、センサ素子ファイバ11全体を配置した1つの平面から外れる(離れる)方向であれば、如何なる方向であっても構わない。ただし、センサ素子ファイバに対して、撚り(twist) を発生させることなく、ねじれ(torsion) を与えることが肝要である。ゆえに、平面から外れる方向としては、センサ素子ファイバ11全体を配置した1つの平面から、略垂直をなす方向(上下方向)が特に好ましい。
つまり、本発明は、第一手段15によってセンサ素子ファイバ11の曲線に、ねじれ(torsion) を与え、センサ素子ファイバ11を通過する光の偏波方位を回転させて、検光子13に入射する光の偏波方位を調整する。
曲線のねじれ(torsion) との関係としては、センサ素子ファイバ11を通過する光の偏波の方位は、センサ素子ファイバ11の曲線のねじれ(torsion) に依存して回転する。回転角は、ねじれ率のファイバのなす曲線にそった線積分値に一致する。したがって、透過型光ファイバ電流センサを組み立てる際には、センサ素子ファイバ11を変形しない枠体18に固定する必要がある。
また、センサ素子ファイバ11を、枠体18に取り付ける際、前記センサ素子ファイバ11の曲線の形を僅かに調整できるようにしておく。
このようにすると、第一手段15によって曲線の形を変えながら光学バイアスの微調整を行うことができる。
本発明に係る光ファイバ電流センサ10は、前記第一手段15を備える位置によって、次の説明する第一構造例と第二構造例の2つに大きく分けることができる。
第一構造例の光ファイバ電流センサ10Aは、図1(a)に示すように、導体19の外周を周回するように設置されたセンサ素子ファイバ11の途中の部分に第一手段15を備えて、このセンサ素子ファイバ11の少なくとも一部11aを移動させるものである。
これに対して、第二構造例の光ファイバ電流センサ10Bは、図1(b)に示すように、導体19の外周を周回するように設置されたセンサ素子ファイバの周回する始点部分及び終点部分に前記第一手段15を備えて、該センサ素子ファイバ11の少なくとも一部11aを移動させるものである。
第一手段15は、第一構造例とした光ファイバ電流センサ10Aに適用した場合、例えば、図3及び図4に示すような構造とすることができる。図3及び図4において、(a)は一部の断面を同時に示す斜視図、(b)はセンサ素子ファイバの進行方向から見た断面図、(c)はセンサ素子ファイバの側面方向から見た断面図である。
まず、図3に示した第一手段15Aは、台座部15aと、この台座部15aの高さ調節を可能とする固定ネジ15bと、この台座部15aを上方へ押し上げる円筒バネ15cと、から構成されている。
台座部15aは、例えば、センサ素子ファイバ11の周回部を固定する枠体18の一部(該センサ素子ファイバ11が載っている部分)を、上方にスライドできるように箱抜き加工することにより形成され、上方から下方に向かって固定ネジ15bを挿通するネジ孔を有する。また、枠体18の一部を箱抜き加工することにより形成された凹部18aの底部には、固定ネジ15bと螺合するネジ溝が形成されている。
そして、凹部18aの中に円筒バネ15cを配置し、その上から台座部15aを配置し、さらに台座部15aのネジ孔に固定ネジ15bを挿通し、円筒バネ15cを介して凹部18aのネジ溝と螺合させる。
その後、固定ネジ15bを、台座部15a内に押し込んだり、台座部15a内から引っ込めたりして、ネジ溝と螺合程度を調節することにより、台座部15aの高さ調節がなされ、台座部15aは、円筒バネ15cの上方への付勢力によって凹部18a内に沈まずにその高さを維持することができるようになっている。
これにより、前記センサ素子ファイバ11にねじれ(torsion) を与え、光学バイアスを設定することができる。
また、図4に示した第一手段15Bは、台座部15dと、この台座部15dの高さ維持を可能とする固定ネジ15eと、から構成されている。
台座部15dは、例えば、センサ素子ファイバ11を固定する枠体18の一部(センサ素子ファイバ11が載っている部分)を、上方にスライドできるように箱抜き加工することにより形成できる。また、枠体18の側面には、固定ネジ15eと螺合し、固定ネジ15eの先端部が台座部15dの側面まで達することが可能となるネジ溝が形成されている。
そして、枠体18の一部を箱抜き加工することにより形成された凹部18aの中に前記台座部15dを配置し、手動で台座部15dを上方に持ち上げて高さを調節し、さらに、枠体18の側面に形成されたネジ溝に固定ネジ15eを挿通し、螺合させる。
その後、固定ネジ15eの先端部で台座部15dを側方より圧接するように固定し、台座部15dが、凹部18a内に沈まないようにその高さを所望の位置に維持する。
これにより、センサ素子ファイバ11にねじれ(torsion) を与え、光学バイアスを設定することができる。
上述した第一構造例において、光ファイバ電流センサ10Aに備えられた第一手段15(15A,15B)によって、センサ素子ファイバ11の曲線の形を変える具体的な方法としては、例えば、図5及び図6に示すように、センサ素子ファイバ11の途中部分(一部11a)を持ち上げる手法が挙げられる。図5は、第一手段15によってセンサ素子ファイバ11の一部11aを平面から外れる方向へ移動させる前の状態を示す図であり、図5(a)は、図1(a)に示すX方向から見た状態、図5(b)は、図1(a)に示すY方向から見た状態、をそれぞれ示す概略図である。また、図6は、第一手段15によってセンサ素子ファイバ11の一部11aを平面から外れる方向へ移動させた後の状態を示す図であり、図6(a)は、図1(a)に示すX方向から見た状態、図6(b)は、図1(a)に示すY方向から見た状態、をそれぞれ示す概略図である。
このように、センサ素子ファイバ11の一部11aを、第一手段15(15A,15B)によって下方から押し上げるようにすることで、センサ素子ファイバ11を上方に向かって撓ませ、その一部11aの曲線の形を変えることができる。これは、センサ素子ファイバ11にねじれ(torsion) を与えることを意味する。
なお、図5及び図6には、導体19の外周を周回するように設置されたセンサ素子ファイバ11の途中の一カ所の部分に第一手段15を適用し、このセンサ素子ファイバ11の少なくとも一部11aを移動させる場合を例示したが、このような第一手段15を周回全体にわたって設置して、センサ素子ファイバ11の周回全体を同様に移動させてもよい。たとえば、第一手段15の設置は一カ所に限らず複数箇所に設けて、個々の第一手段15を操作することにより複数箇所で、センサ素子ファイバ11にねじれ(torsion) を与えるように構成しても構わない。その際、複数の第一手段15は、センサ素子ファイバ11の周回全体にわたって分散配置するが、その配置例としては均等に配置する方法の他に、局所的に配置する方法等が挙げられる。
また、第一手段15は、第二構造例の光ファイバ電流センサ10Bに適用した場合、例えば、図7及び図8に示すような構造とすることができる。図7及び図8において、(a)は一部の断面を同時に示す斜視図、(b)はセンサ素子ファイバの進行方向から見た断面図、(c)はセンサ素子ファイバの側面方向から見た断面図である。
図7に示した第一手段15Cは、台座部15fと、この台座部15fの高さ調節を可能とする台座固定ネジ15gと、この台座部15fを上方へ押し上げる円筒バネ15iと、センサ素子ファイバ11(11a)及び円筒体25で構成されたセンサファイバユニット2を保持するユニット固定ネジ15hと、から構成されている。
台座部15fは、センサファイバユニット2を両側から保持する複数(図では3つ)の固定板から構成され、この固定板は上下スライド及び傾きが得られるように形成されている。また、台座部15fには、上方から下方に向かって、台座固定ネジ15gを挿通するネジ孔が形成されている。さらに、センサ素子ファイバ11を固定する枠体18の一部(センサ素子ファイバ11が載っている部分)を、上方にスライドできるように箱抜き加工することにより凹部18aを形成し、この凹部18aの底部には、台座固定ネジ15gと螺合するネジ溝が形成されている。
そして、凹部18aの中に円筒バネ15iを配置し、その上から台座部15fを配置し、さらに台座部15fのネジ孔に台座固定ネジ15gを挿通し、円筒バネ15iを介して凹部18aのネジ溝と螺合させる。
その後、台座固定ネジ15gを、台座部15f内に押し込んだり、台座部15f内より引っ込めたりして、ネジ溝と螺合程度を調節することにより、台座部15fの高さ調節がなされ、台座部15fは、円筒バネ15iの上方への付勢力によって凹部18a内に沈まずにその高さを維持することができるようになっている。
さらに、高さ調節後、台座部15fの側面に形成されたネジ孔に台座固定ネジ15gを挿通して螺合させ、台座固定ネジ15gの先端部でセンサファイバユニット2を側方より圧接するように固定する。
これにより、センサ素子ファイバ11にねじれ(torsion) を与え、光学バイアスを設定することができる。
図8に示した第一手段15Dは、台座部15jと、この台座部15jの高さ調節を可能とする台座固定ネジ15kと、この台座部15jを上方へ押し上げる円筒バネ15mと、センサ素子ファイバ11(11a)及び円筒体25で構成されたセンサファイバユニット2を個々に保持する複数(図では2つ)のユニット固定ネジ15lと、から構成されている。
台座部15jは、センサファイバユニット2を両側から保持する複数(図では3つ)の固定板から構成され、この固定板は上下スライド及び傾きが得られるように形成されている。また、台座部15jには、上方から下方に向かって、台座固定ネジ15kを挿通するネジ孔が形成されている。さらに、センサ素子ファイバ11を固定する枠体18の一部(センサ素子ファイバ11が載っている部分)を、上方にスライドできるように箱抜き加工することにより凹部18aを形成し、この凹部18aの底部には、台座固定ネジ15kと螺合するネジ溝が形成されている。
そして、凹部18aの中に円筒バネ15mを配置し、その上から台座部15jを配置し、さらに台座部15jのネジ孔に台座固定ネジ15kを挿通し、円筒バネ15mを介して凹部18aのネジ溝と螺合させる。
その後、台座固定ネジ15kを、台座部15j内に押し込んだり、台座部15j内より引っ込めたりして、ネジ溝と螺合程度を調節することにより、台座部15jの高さ調節がなされ、台座部15jは、円筒バネ15mの上方への付勢力によって凹部18a内に沈まずにその高さを維持することができるようになっている。
この台座部15jの高さ調節は、センサファイバユニット2を保持する固定板ごとに行なうことができる。さらに、高さ調節後、台座部15jの側面に形成されたネジ孔に台座固定ネジ15lを挿通して螺合させ、台座固定ネジ15lの先端部でセンサファイバユニット2を側方より圧接するように固定する。
これにより、センサ素子ファイバ11にねじれ(torsion) を与え、光学バイアスを設定することができる。
そして、上述した第二構造例の光ファイバ電流センサ10Bに備えられた第一手段15(15C,15D)によって、センサ素子ファイバ11の曲線の形を変える具体的な方法としては、例えば、図9及び図10に示すように、センサ素子ファイバ11の周回する始点部分及び終点部分(一部11a)を持ち上げる構成が挙げられる。図9は、第一手段15によってセンサ素子ファイバ11の一部11aを平面から外れる方向へ移動させる前の状態を、図1(b)に示すZ方向から見た状態を示す概略図である。また、図10は、第一手段15によってセンサ素子ファイバ11の一部11aを平面から外れる方向へ移動させた後の状態を、図1(b)に示すZ方向から見た状態示す概略図である。
このように、センサ素子ファイバ11の一部11aを、第一手段15(15C,15D)によって挟んで持ち上げるようにすることで、前記センサ素子ファイバ11を上方に向かって撓ませ、その一部11aの曲線の形を変えることができる。
また、第一手段15によるセンサ素子ファイバ11の曲線の形を変える他の方法としては、巻回されたセンサ素子ファイバ11が螺旋状となるように、一方の端部を最適な位置に持ち上げたりしても良い。
上述した各種の方法によりセンサ素子ファイバ11にねじれ(torsion) を与え、光学バイアスを設定した際に、第一手段15による光学バイアスの微調整によってセンサ素子ファイバに対して「撚り(twist) 」に起因した応力が発生することはない。また、光の偏波の回転角をセンサ素子ファイバの曲線の変形により変化させることは、偏光子を回転させて検光子への入射光に対する検光子の主軸方位の調整を行う場合よりも偏波の回転が敏感でないため、微調整が容易である。この点については、たとえば、平面状に1回巻いたセンサ素子ファイバを螺旋状に変形することを考える。この場合、センサ素子ファイバを螺旋にしたことによる偏波の回転角は、およそ次式で表される。
Figure 2008232739
ここで、φ:偏波の回転角、a:センサ素子ファイバの螺旋の半径、x:螺旋のピッチ、である。
たとえば、螺旋の半径aを360mmとすると、螺旋のピッチxの1mmの変化が偏波の回転角φの1度に相当する。
次に、本発明の光ファイバ電流センサ10(10A,10B)を構成するそれぞれの部材について説明する。
センサ素子ファイバ11は、全ての通過光に対して、単一モードとなる単一モード型の光ファイバであって、例えば、光弾性定数がごく小さい鉛ガラスファイバが好適に用いられる。センサ素子ファイバ11は、被測定電流が流れる導体19の外周に、1回ないしは複数回周回するように設置される。そして、センサ素子ファイバ11の入射端に近接して、偏光子12が配置される。
このようにセンサ素子ファイバ11として鉛ガラスファイバを用いることで、光弾性の影響を考慮する必要がなく、光ファイバ電流センサの組み立てが容易となる。
偏光子12は、センサ素子ファイバ11に直線偏波光を導くものであって、その出射端側がファイバ素子センサ11の入射端に接続されているとともに、偏光子12の入射端側には、外部から偏光子12に光を導く送光ファイバ16が配置されている。偏光子12としては、例えば、積層型の偏光子が使用される。この偏光子12の前方には、送光ファイバ16を介して光源22が配置されている。
検光子13は、センサ素子ファイバから出力された直線偏波光の偏波面のファラデー回転角を検出するために、被測定電流の磁界の影響を受けた直線偏波光を、直交する2つの偏光成分(常光と異常光)に分離するものである。したがって、一方の偏光成分(常光)は直進して第一の受光ファイバ17aより信号Tとして出力され、他方の偏光成分(異常光)はプリズム14へ送られる。この検光子13としては、例えば、偏光分離型の検光子が使用される。
プリズム14は、検光子13により送られた偏光成分(異常光)の光路を調節するものであり、第二の受光ファイバ17bより信号Rとして出力される。
送光ファイバ16は、単一モードとなる偏波面保持型の光ファイバから構成され、偏光子12に接続されている。送光ファイバ16とセンサ素子ファイバ11との接続は、両者の結合を長期に亘り安定に維持するため、積層型の偏光子による突き合わせ接続方式が有効である。
枠体18は、導体19の外周を周回可能なように設計され、センサ素子ファイバ11を固定する。枠体18としては、例えば、ステンレス、アルミニウム合金などの高い剛性をもつ金属、あるいはガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維などで強化した繊維強化プラスチック等の材料を用いることができる。また、枠体18の上面には、センサ素子ファイバ11の少なくとも一部11aを平面から外れる方向へ移動させる第一手段15が備えられている。
この枠体18により、周囲から伝わる振動や温度変動によってセンサ素子ファイバの曲線が変形を防止し、偏波の回転の影響による測定誤差を抑制することができる。
導体19は、被測定交流電流が流れる送電線等である。
信号処理部20は、T側の受光素子21の出力を、帯域通過フィルタと低域通過フィルタの2種類のフィルタに通し、帯域通過フィルタから信号の交流(AC)成分、低域通過フィルタから直流(DC)成分を得る。さらに、割り算器で両者の比(AC/DC)を求め、交流成分を直流成分で規格化した信号を得る。一方、R側については、T側と同じ処理を行った後、符号を反転させ。その後、和算器により両信号の和を求め、最終出力を得る。
受光素子21は、受光ファイバ17a,17bを介して送られる信号光を受光する受光部を有した集積回路であり、受光した光信号をその強度に応じた電気信号に変換して出力する機能を有する。受光素子21としては、例えば、フォトダイオード(PD)などが挙げられる。変換された電気信号は、信号処理部20へ送られる。
光源22は、ファラデー効果を作用させるための光Lを発生させる。光源22は、例えば、レーザダイオード(LD)やスーパールミネッセンスダイオード(SLD)などで実現されるが、SLDを光源に用いると、光の干渉と光源の発振の不安定による雑音を除去できるので望ましい。光源22からでた光Lは、送光ファイバ16を伝播し、偏光子12により直線偏光に変換され、センサ素子ファイバ11の中を伝播する。伝播した光は、検光子13により直交する2つの偏光成分に分離され、受光ファイバ17を介して、信号処理部20に入力される。
また、本実施形態では、平面において、センサ素子ファイバ11を直線に伸ばした状態で、偏光子12の主軸方向と検光子13の主軸方向にあらかじめ45度前後の角度差を設けるように、偏光子12、検光子13、及びセンサ素子ファイバ11からなるセンサファイバモジュール1を固定する第二手段23を備えると望ましい。
以下では、本発明に係る光ファイバ電流センサの光学バイアス設定方法について説明する。まず、手順Aとして、偏光子12と検光子13間の約45度方位差の設定を行う。この設定は、たとえば、図11に示すように行なうことができる。
まず、本発明に係る光ファイバ電流センサの光学バイアス設定方法を手順Aとして、以下の操作を行う。
(A1)送光ファイバ16と偏光子12とセンサ素子ファイバ11aとが一体となった偏光子部12A、センサ素子ファイバ11(11b)、センサ素子ファイバ11cと検光子13と受光ファイバ17とが一体となった検光子部13A、の3つの要素からなるセンサファイバモジュール1を作製する。
(A2)その際に、センサ素子ファイバ11を直線に伸ばした状態で、偏光子12の主軸方向と前記検光子13の主軸方向にあらかじめ45度前後の角度差が生じるように設定する。
(A3)次いで、センサファイバモジュール1を、第二手段23によって枠体に取り付けることにより、偏光子、検光子、及びセンサ素子ファイバからなるセンサファイバモジュールが1つの平面に配置された状態とする。
以上の操作を、本発明では手順Aと呼ぶ。この手順Aにより、あらかじめ偏光子と検光子の間に45度に近い角度差がつけられているので、特段の調整をしなくても45度前後の最適に近い状態の光学バイアスが得られる。
さらに、本実施形態では、偏光子12と検光子13間の45度前後方位差の設定の際、センサ素子ファイバ11が、その周方向に対して撚られるのを防止する第三手段24を備えると望ましい。
センサ素子ファイバ11が、その周方向に対して撚られるのを防止する方法としては、例えば、図12に示すように行なうことができる。
図12では、第三手段24を、上面にV字溝を有する台座部24aと、この台座部24aの上面に被覆される押え蓋部24bとで構成している。したがって、センサ素子ファイバ11の周方向に対する撚りを防止するためには、台座部24aのV字溝内にセンサ素子ファイバ11を配置し、その上から押え蓋部24bを被せて該センサ素子ファイバ11を枠体18に固定する。
このように、第三手段24によって偏光子と検光子の方位差の微調整を行う手法を採るならば、センサ素子ファイバ11に対して大きな「撚り(twist) 」に起因した応力が発生することはない。
次に、本発明に係る光ファイバ電流センサの光学バイアス設定方法の手順Bについて説明する。
この手順Bでは、前述の手順Aにより準備した光ファイバ電流センサ10を用いる。すなわち、光ファイバ電流センサ10として、センサ素子ファイバ11全体を1つの平面に配置し、かつ、このセンサ素子ファイバ11の少なくとも一部11aが前記平面から外れる方向へこの一部11aを移動させる第一手段15と、前記平面において、センサ素子ファイバ11を直線に伸ばした状態で、偏光子12の主軸方向と検光子13の主軸方向にあらかじめ45度前後の角度差を設けるように、偏光子12、検光子13、及びセンサ素子ファイバ11からなるセンサファイバモジュール1を固定する第二手段23と、センサ素子ファイバ11が、その周方向に対して撚られるのを防止する第三手段24と、を備えたものを用いる。
(B1)まず、第二手段23と第三手段24を用いて、センサファイバモジュール1を1つの平面に配置した後、偏光子12を通過した光をセンサ素子ファイバ11に入射させる。
(B2)次に、第一手段15を用いて、例えば、偏光子部12Aと検光子部13Aを平行にしたまま、センサ素子ファイバ11の途中部分を持ち上げたり、偏光子部12Aと検光子部13Aとを並べておき、一方または両方を最適な位置に持ち上げたりして、センサ素子ファイバ11の少なくとも一部11aを前記平面から外れる方向へ移動させる。これにより、センサ素子ファイバ11を通過する光の偏波方位を回転させ、検光子13に入射する光の偏波方位を最適値(45度)となるように調整するのである。
上記の手順Bにより、最適な光学バイアス設定がなされた状態で測定を行うことが可能となるため、測定精度が高まるのである。
上述した実施形態においては、透過型の光ファイバ電流センサであって、かつ、2信号方式(出力を2信号R、Tとする構成)について特に説明したが、本発明はこれに限らず、図13に示すような1信号方式の光ファイバ電流センサ30にも適用できる。1信号方式とする構成(図13)では、信号処理部20B(20)における演算方式のみ2信号方式と相違するものを採用すればよく、それ以外は2信号方式(図2)と同等でよい。
かかる構成によれば、2信号方式に比較して出力側のシンプル化が図れる。ゆえに、光ファイバ電流センサ全体の小型化が容易であるとともに、メンテナンス性や制御性にも優れた透過型の光ファイバ電流センサを構築できる。
以上のように、本発明に係る光ファイバ電流センサによれば、センサ素子ファイバに撚り(twist) を与えたり、1/2波長板を省略したとしても、光学バイアスの設定を可能とすることができる。また、外部磁気によて生じる測定誤差についても出力誤差が少なくなるように光バイアス設定を微調整することが可能となるため、磁気シールドを施すことなく、出力誤差を少なく抑制することができる。このように偏波特性を安定的に確保し、外部からの振動等の影響に強い電流センサを、簡素な構造で実現することができる。
本発明は、電気機器や電力設備等の電力の測定に適用できる。
本発明の光ファイバ電流センサの一例を示す平面図である。 本発明の光ファイバ電流センサの構成を示す図である。 本発明の光ファイバ電流センサにおける第一手段の一例を示す図である。 本発明の光ファイバ電流センサにおける第一手段の他の一例を示す図である。 図3及び図4に示す第一手段の動作前の状態を示す図である。 図3及び図4に示す第一手段の動作後の状態を示す図である。 本発明の光ファイバ電流センサにおける第一手段の他の一例を示す図である。 本発明の光ファイバ電流センサにおける第一手段の他の一例を示す図である。 図7及び図8に示す第一手段の動作前の状態を示す図である。 図7及び図8に示す第一手段の動作後の状態を示す図である。 本発明の光ファイバ電流センサにおける第二手段の一例を示す図である。 本発明の光ファイバ電流センサにおける第三手段の一例を示す図である。 本発明の光ファイバ電流センサの他の一例を示す平面図である。 従来の光ファイバ電流センサの一例を示す平面図である。 従来の光ファイバ電流センサの構成を示す図である。
符号の説明
1 センサファイバモジュール、10 光ファイバ電流センサ(2信号方式)、11(11a,11b,11c),31 センサ素子ファイバ、12 偏光子、12A 偏光子部、13 検光子、13A 検光子部、14 プリズム、15 第一手段、16 送光ファイバ、17 受光ファイバ、18 枠体、19 導体、20(20A、20B) 信号処理部、21 受光素子、22 光源、23 第二手段、24 第三手段、30 光ファイバ電流センサ(1信号方式)、32 光学部、33 反射ミラー。

Claims (5)

  1. 偏光子を通過した光をセンサ素子ファイバに入射させ、該センサ素子ファイバを通過した光を検光子に入射させて、前記検光子を通過した光の強度を検出し、変調度を求め、該変調度の変化量から該センサ素子ファイバに印加された磁界が誘起するファラデー回転角の大きさを評価する光ファイバ電流センサであって、
    前記センサ素子ファイバ全体を1つの平面に配置し、かつ、該センサ素子ファイバの少なくとも一部が前記平面から外れる方向へ該一部を移動させる第一手段を備えたことを特徴とする光ファイバ電流センサ。
  2. 前記平面において、前記センサ素子ファイバを直線に伸ばした状態で、前記偏光子の主軸方向と前記検光子の主軸方向にあらかじめ45度前後の角度差を設けるように、前記偏光子、前記検光子、及び前記センサ素子ファイバからなるセンサファイバモジュールを固定する第二手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ電流センサ。
  3. 前記センサ素子ファイバが、その周方向に対して撚られるのを防止する第三手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ電流センサ。
  4. 前記センサ素子ファイバは、鉛ガラスファイバであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光ファイバ電流センサ。
  5. 偏光子を通過した光をセンサ素子ファイバに入射させ、該センサ素子ファイバを通過した光を検光子に入射させて、前記検光子を通過した光の強度を検出し、変調度を求め、該変調度の変化量から該センサ素子ファイバに印加された磁界が誘起するファラデー回転角の大きさを評価する光ファイバ電流センサの光学バイアス設定方法であって、
    前記光ファイバ電流センサとして、
    前記センサ素子ファイバ全体を1つの平面に配置し、かつ、該センサ素子ファイバの少なくとも一部が前記平面から外れる方向へ該一部を移動させる第一手段と、
    前記平面において、前記センサ素子ファイバを直線に伸ばした状態で、前記偏光子の主軸方向と前記検光子の主軸方向にあらかじめ45度前後の角度差を設けるように、前記偏光子、前記検光子、及び前記センサ素子ファイバからなるセンサファイバモジュールを固定する第二手段と、
    前記センサ素子ファイバが、その周方向に対して撚られるのを防止する第三手段と、
    を備えたものを用い、
    前記第二手段と前記第三手段を用いて、前記偏光子、前記検光子、及び前記センサ素子ファイバからなるセンサファイバモジュールを1つの平面に配置する手順A、
    前記偏光子を通過した光を前記センサ素子ファイバに入射させ、前記第一手段を用いて、前記センサ素子ファイバの少なくとも一部を前記平面から外れる方向へ移動させることにより、前記センサ素子ファイバを通過する光の偏波方位を回転させ、前記検光子に入射する光の偏波方位を調整する手順B、
    を少なくとも有することを特徴とする光ファイバ電流センサの光学バイアス設定方法。
JP2007071000A 2007-03-19 2007-03-19 光ファイバ電流センサ及びその光学バイアス設定方法 Expired - Fee Related JP4858251B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007071000A JP4858251B2 (ja) 2007-03-19 2007-03-19 光ファイバ電流センサ及びその光学バイアス設定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007071000A JP4858251B2 (ja) 2007-03-19 2007-03-19 光ファイバ電流センサ及びその光学バイアス設定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008232739A true JP2008232739A (ja) 2008-10-02
JP4858251B2 JP4858251B2 (ja) 2012-01-18

Family

ID=39905725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007071000A Expired - Fee Related JP4858251B2 (ja) 2007-03-19 2007-03-19 光ファイバ電流センサ及びその光学バイアス設定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4858251B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109581024A (zh) * 2017-09-29 2019-04-05 南京南瑞继保电气有限公司 一种光纤电流互感器

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07248338A (ja) * 1994-03-09 1995-09-26 Tokyo Electric Power Co Inc:The 電流の測定方法および電流測定装置
JPH0989937A (ja) * 1995-09-27 1997-04-04 Hoya Corp 光ファイバ型センサおよび偏光子ユニット
JPH09304444A (ja) * 1996-05-17 1997-11-28 Tokyo Electric Power Co Inc:The 光ファイバ型電流センサ
JPH1164392A (ja) * 1997-08-21 1999-03-05 Toshiba Corp 光ファイバー応用計測器

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07248338A (ja) * 1994-03-09 1995-09-26 Tokyo Electric Power Co Inc:The 電流の測定方法および電流測定装置
JPH0989937A (ja) * 1995-09-27 1997-04-04 Hoya Corp 光ファイバ型センサおよび偏光子ユニット
JPH09304444A (ja) * 1996-05-17 1997-11-28 Tokyo Electric Power Co Inc:The 光ファイバ型電流センサ
JPH1164392A (ja) * 1997-08-21 1999-03-05 Toshiba Corp 光ファイバー応用計測器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109581024A (zh) * 2017-09-29 2019-04-05 南京南瑞继保电气有限公司 一种光纤电流互感器

Also Published As

Publication number Publication date
JP4858251B2 (ja) 2012-01-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10288701B2 (en) Optically pumped atomic magnetometer and magnetic sensing method
US9568339B2 (en) DBF fiber laser bend sensor and optical heterodyne microphone
JP4108040B2 (ja) 電流測定装置
JP2009122095A (ja) 光ファイバ電流センサおよび電流測定方法
CN104698410A (zh) 用于磁力仪的原子磁传感器及消除磁力仪探测盲区的方法
US20100194379A1 (en) Optical fiber electric current measurement apparatus and electric current measurement method
US20150102802A1 (en) Optical fiber current sensor
US9383272B2 (en) Optical measurement system with polarization compensation, and corresponding method
EP2354772B1 (en) Optical fiber type vibration meter and vibration detection method
US7057792B2 (en) Optical sensor unit for measuring current and voltage of high frequency
JP2007057324A (ja) 光ファイバ型計測システム
Akiyama et al. Development of CO2 laser dispersion interferometer with photoelastic modulator
KR101932231B1 (ko) 광을 이용한 직류 전류 측정장치
JP4858251B2 (ja) 光ファイバ電流センサ及びその光学バイアス設定方法
TWI526678B (zh) A light source device, an analysis device, and a light generation method
Zhao et al. Ppb-level all-optical off-axis QEPAS gas sensor based on dual-wavelength demodulation of out-of-plane vibration mode
KR100575244B1 (ko) 광섬유 격자를 이용한 온도 보상 광 변류기
EA027448B1 (ru) Атомно-абсорбционный спектрометр, основанный на эффекте зеемана
FR3093816B1 (fr) Magnétomètre asservi en champ nul avec filtrage basse fréquence du champ de compensation
CN111721992B (zh) 一种测量三相高压导线电流强度的光纤传感系统
JP2008256366A (ja) 光ファイバ電流センサおよび電流測定方法
JP2016197023A (ja) 交流用光電流センサ
JP2011214958A (ja) 光ファイバ電流センサおよび電流測定方法
JP2010014579A (ja) 光学センサおよびそれを用いた計測システム
JP6453994B2 (ja) 光ファイバセンサ及びそれを用いた計測装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100315

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111004

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111017

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141111

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees