JP2010014579A - 光学センサおよびそれを用いた計測システム - Google Patents

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Abstract

【課題】温度変化や偏波保持ファイバの変形があっても最大の感度を得る。
【解決手段】1/4波長板53の位相軸は、偏波保持ファイバ50の位相軸に対して角度22.5度を有するように配置されている。これにより、レンズ305を通過した直線偏光が偏波保持ファイバ50の一方の位相軸にのみ入射すると、偏波保持ファイバ50を逆方向に通過した光は強度変調光となり、電気信号検出器6で得られる検出値は、温度変化や偏波保持ファイバの変形によっては変化せず、これにより、最大の感度が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流電界や交流磁界などの物理量が印加されている電気光学結晶、磁気光学結晶、及び、圧光学(光弾性)結晶などの光学結晶に光を入射させ、該光学結晶から出射された光を検出することのより交流電界、交流磁界、及び、音圧などに相当する信号を得る計測システムに関するものである。
超低周波帯からT(テラ)Hz帯の交流電界を検出する計測システムの一例として、電気光学(Electro-opitc;EO)結晶を用いた電界計測システムが注目されている(特許文献1参照)。
この電界計測システムは、検出部と信号処理部から構成されており、それぞれが電気ケーブルにより接続されている。検出部は、ポリカーボネートやセラミックなどの誘電体からなる筐体から構成されており、筐体の先端部にEO結晶が配置されている。筐体内部には1/2波長板(Half-wave plate;HWP)、1/4波長板(Quarter-wave plate;QWP)、ファラデー回転子(Faraday rotator;FR)、偏光ビームスプリッタ(Polarizing-beam splitter;PBS)、レンズ、レーザダイオード(Laser diode;LD)、フォトダイオード(Photodiode;PD)などの光学素子が固定されており、空間光学系が採用されていることから、検出感度は検出部の向きや状態、および、環境温度の変化に対して安定である。しかしながら、検出部の近くに電気ケーブルが存在するため、被測定電界を乱してしまう可能性がある。
これに対して、LDとPDを信号処理部へ配置し、検出部と信号処理部を光ファイバで接続した電界計測システムが開発されている。
この電界計測システムは、信号線による擾乱を除去することができたが、検出部に多数の光学素子を固定する筐体が必要なことから、被測定電界に多少の擾乱を与える可能性がある。
この問題を解決するために、検出部にEO結晶とレンズのみを配置した電界計測システムが開発されている(特許文献2参照)。しかしながら、検出部を走査すると、光ファイバが屈曲するため、検出感度が変動してしまう。このため、検出部の稼動範囲は数mm程度であり、検出部を固定して、被測定対象を走査するなどの操作性の課題が残っていた。
この問題を解決するため、検出感度の変動を監視し、変動量に基づいて信号処理部の偏波コントローラを調整し、感度を一定にする電界計測システムが開発されている(特許文献3参照)。
図8は、この電界計測システムと同様に構成したシステムを示す図である。
電界計測システムは、光源1、偏光処理装置3、光学センサ5A、電気信号検出器(振幅および位相測定器)6から構成される。
光源1で生成された直線偏光は偏波保持ファイバ(PMF)2により偏光処理装置3へ入力される。直線偏光はビームスプリッタ304を通過した後、光学センサに接続された偏波保持ファイバ50へ入力される。偏波保持ファイバ50の端面から出射した直線偏光はコリメータレンズ52で平行光に整形され、電気光学結晶54に入射する。入射した直線偏光は電気光学結晶54の端面に形成された誘電体反射膜541で反射され、電気光学結晶54内を逆向きに伝搬する。電気光学結晶54に被測定電界が印加されないときは、直線偏光は偏光変調を受けず、直線偏光として偏波保持ファイバ50へ入力される。被測定電界が印加されたとき、電気光学結晶54には複屈折が生じ、電気光学結晶54に入力された直線偏光は偏光変調を受けて、楕円偏光として偏波保持ファイバ50へ入力される。偏波保持ファイバ50に入力された直線偏光もしくは楕円偏光は、偏光処理装置3のビームスプリッタ304を介して偏波コントローラ306へ伝搬され、偏波コントローラ306により適切な偏光へ変換された後、偏光ビームスプリッタ(PBS)307により2つの強度変調光に変換される。2つの強度変調光はそれぞれ光検出器(PD)311、312および差動アンプ313から構成される差動増幅回路(バランスレシーバなど)により被測定電界に比例する出力信号に変換される。電気信号検出器6としてのスペアナやロックインアンプにより出力電気信号の振幅や位相を測定することより、被測定電界の振幅や位相を得ることができる。
この電界計測システムにおいては、例えば、測定された振幅から最大の信号強度を得るように、且つ、バランスレシーバの2つのPDの光電流差が最小になるように偏波コントローラを調整することにより、最大の感度となるようにフィードバック制御している。これにより、検出部の走査や環境温度の変化によらず一定の感度が得られることを実現している。
特開2000−171487号公報 特開2003−014801号公報 特開2005−292068号公報
しかしながら、図8の電界計測システムには、以下に示すような問題があった。
上述したように、感度を安定化させるために、振幅信号とPDの光電流差を監視し、偏波コントローラの1/2波長板(HWP)と1/4波長板(QWP)を制御する必要がある。PMFの屈曲や環境温度変化による偏光の変化はランダムであるため、偏波コントローラの制御は非常に複雑となる。また、フィードバック制御を付加するため、システム構成が複雑となり、構成費用が大きくなる。
本発明は、以上のような問題を解決するためになされたものであり、複雑な機構や制御を付加することなく、環境温度の変化、光学センサの走査および高周波な振動に伴いPMFの変形が存在する場合においても常に最大の感度が得られることを可能とする光学センサおよびそれを用いた計測システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の光学センサは、偏波保持ファイバと、この偏波保持ファイバを通過した光が入射する1/4波長板と、この1/4波長板を通過した光が入射する光学結晶であって、光の偏光状態を電気的、磁気的または力学的に変化させる性質を有し、光を反射する反射手段が設けられた光学結晶とを有し、1/4波長板の位相軸が偏波保持ファイバの位相軸に対して角度22.5度を有することを特徴とする。
本発明の光学センサによれば、1/4波長板の位相軸が偏波保持ファイバの位相軸に対して角度22.5度を有するので、直線偏光が偏波保持ファイバの一方の位相軸にのみ入射すると、偏波保持ファイバを逆方向に通過した光は、計測対象の強度変調光となり、強度変調光により得た強度の検出値は、温度変化や偏波保持ファイバの変形によっては変化せず、これにより、最大の感度を得ることが可能となる。
また、本発明の光学センサにおいて、前記光学結晶が光の偏光状態を電気的に変化させる性質を有することを特徴とする。
この光学センサによれば、特に、電界強度の計測において、最大の感度が得られる。
また、本発明において、前記1/4波長板の位相軸が前記光学結晶の位相軸に対して角度45度を有することを特徴とする。
この光学センサによれば、偏波保持ファイバを逆方向に通過した光が楕円偏光の場合、楕円長軸方向と偏波保持ファイバの位相軸との間の角度が、被測定電界などの測定対象によって変化するのだが、1/4波長板の位相軸が光学結晶の位相軸に対して角度45度を有することにより、その電界などにより変化する角度における変化量が45度以外のどの場合よりも大きくなり、その結果、検出値を最大化つまり最大の感度を得ることができる。
また、本発明の光学センサにおいて、前記偏波保持ファイバを通過した光が入射する同一軸出力型の偏光分離素子を有し、この偏光分離素子を通過した光が前記1/4波長板に入射するようになっていることを特徴とする。
具体的には、本発明の光学センサにおいて、前記偏波保持ファイバを通過した光が入射する第1の偏光分離板と、この第1の偏光分離板を通過した光が入射する1/2波長板と、この1/2波長板を通過した光が入射する第2の偏光分離板とを有し、この第2の偏光分離板を通過した光が前記1/4波長板に入射するようになっていることを特徴とする。
この光学センサによれば、逆方向の光を偏光分離素子により高い偏波消光比で分離してから偏波保持ファイバへ入射させることができ、これにより、検出感度の揺らぎを低減することができる。
また、本発明の光学センサにおいて、前記偏波保持ファイバを出射した光が前記反射手段で反射し、前記第2の偏光分離板で分離され、前記第2の偏光分離板で結合し、前記偏波保持ファイバにおける前記光の出射位置に入射するようになっていることを特徴とする。
この光学センサによれば、その偏波保持ファイバ以外の偏波保持ファイバを含めて2本の偏波保持ファイバを用いる必要がなく、光学センサを簡素化できる。
また、本発明の光学センサを用いた計測システムは、本発明の光学センサと、光を生成する光源と、この光源で生成された光が入射する導光手段と、この導光手段を通過した光を前記偏波保持ファイバに入射させるとともに、当該偏波保持ファイバを逆方向に通過した光の進行方向を変化させるサーキューレータと、このサーキューレータを通過した光を検出する検出手段とを有することを特徴とする。
この計測システムによれば、その光学センサにあっては、1/4波長板の位相軸が偏波保持ファイバの位相軸に対して角度22.5度を有するので、直線偏光が偏波保持ファイバの一方の位相軸にのみ入射すると、偏波保持ファイバを逆方向に通過した光は、計測対象の強度変調光となり、強度変調光により得た強度の検出値は、温度変化や偏波保持ファイバの変形によっては変化せず、これにより、最大の感度を得ることが可能となる。
本発明によれば、1/4波長板の位相軸が偏波保持ファイバの位相軸に対して角度22.5度を有するので、直線偏光が偏波保持ファイバの一方の位相軸にのみ入射すると、偏波保持ファイバを逆方向に通過した光は、計測対象の強度変調光となり、強度変調光により得た強度の検出値は、温度変化や偏波保持ファイバの変形によっては変化せず、これにより、最大の感度を得ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る計測システムの構成を示す図である。この計測システムは、この計測システムを用いる場所に誘起された電界を被測定電界として、その被測定電界の電界強度を検出するものである。
計測システムは、光源1と、光源1で生成されたレーザ光(以下、レーザ光を単に光という)が入射する導光手段である偏波保持ファイバ(Polarization Maintaining Fiber)2と、偏波保持ファイバ2を出射した光を光学処理し、その光の偏光状態が被測定電界で変化したときに、変化後の光を電気信号に変換する偏光処理装置3と、偏光処理装置3で光学処理された光の偏光状態を被測定電界により変化させ、偏波保持ファイバ50に逆方向に入射させる光学センサ5と、この光学センサ5を往復して戻ってきた光から偏光処理装置3が変換した電気信号を検出する電気信号検出器6とを備える。
第1の実施の形態では、光源1が直線偏光を生成し、これが偏波保持ファイバ2の進相軸または遅相軸にのみ入射するようになっている。
電気信号検出器6は、具体的には、ロックインアンプやスペクトルアナライザである。
偏光処理装置3は、偏波保持ファイバ2を出射した光が入射するアイソレータ301と、アイソレータ301を出射した光が入射する偏波保持ファイバ302と、偏波保持ファイバ302を出射した光が通過するレンズ303と、レンズ303を通過した光をレンズ305を介して光学センサ5の偏波保持ファイバ50に入射させるさせるとともに、その光の偏光状態が被測定電界により変化し、偏波保持ファイバ50を逆方向に通過して戻ってきたときには、その光を反射して進行方向を変化させるサーキューレータとして機能するビームスプリッタ304と、偏波保持ファイバ50へ入射する前の光と偏波保持ファイバ50を逆方向に通過して戻ってきた光とが通過するレンズ305と、ビームスプリッタ304で反射した光を分割する偏光ビームスプリッタ307と、分割後の各光が通過するレンズ308およびレンズ309と、通過した各光の差分をその大きさに応じた大きさの電気信号に変換する差動増幅回路310を備える。
アイソレータ301は、図示しない偏光ビームスプリッタ、ファラデー回転子、1/2波長板、1/4波長板などで構成される。
差動増幅回路310は、偏光ビームスプリッタ307による分割後の一方の光を電気信号に変換する光検出器311と、偏光ビームスプリッタ307による分割後の他方の光を電気信号に変換する光検出器312と、各光検出器311、312で変換された電気信号を差動増幅する差動アンプ313を備える。差動増幅回路310は、例えば、バランスレシーバなどである。
なお、偏光ビームスプリッタ307、レンズ308、309、差動増幅回路310および電気信号検出器6は、サーキューレータであるビームスプリッタ304を通過した光を検出する検出手段として機能するものである。
光学センサ5は、偏波保持ファイバ50と、偏波保持ファイバ50を所定位置に案内するフェルール51と、フェルール51に案内された偏波保持ファイバ50から出射する光を平行光に整形するコリメータレンズ52と、コリメータレンズ52を通過した光が入射する1/4波長板53と、被測定電界により光の偏光状態を変化させる電気光学結晶54とを備える。電気光学結晶54の奥側の端面には誘電体反射膜541が形成され、電気光学結晶54の1/4波長板53側の端面には誘電体反射防止膜542が形成されている。
本実施の形態では、例えば、レンズ305を通過した直線偏光が偏波保持ファイバ50の進相軸または遅相軸にのみ入射されるようになっている。かかる進相軸と遅相軸を位相軸と総称する。
また、1/4波長板53の進相軸と遅相軸(これらについても位相軸と総称する)は、偏波保持ファイバ50の位相軸に対して角度22.5度を有するように配置されている。
また、1/4波長板53の位相軸は、電気光学結晶54の位相軸に対して角度45度を有するように配置されている。
(計測システムの動作)
光源1で生成された直線偏光は、偏波保持ファイバ2を通過し、アイソレータ301へ入射する。このアイソレータ301を通過した直線偏光は、レンズ303とビームスプリッタ304とレンズ305を通過し、偏波保持ファイバ50の進相軸のみまたは遅相軸のみへ入射する。ここでは、直線偏光が偏波保持ファイバ50の進相軸のみに入射したこととする。
次に、図2および図3を参照し、偏波保持ファイバ50と光学センサ5での動作を説明する。
図2は、光学センサ5を構成する各要素の斜視図である。図2では、光の伝搬方向をz軸に見立て、同様に偏波保持ファイバ50の遅相軸および進相軸をy軸およびx軸に見立てている。図3は、図2に示した各点における光の偏光状態を示す図である。図3では、z軸の正方向を見たときの偏光状態を示している。
図3(a)は、図2中のA点すなわち偏波保持ファイバ50に入射する直線偏光の偏光状態を示すものである。前述のように、この直線偏光の方向は、偏波保持ファイバ50の進相軸に一致している。
偏波保持ファイバ50に入射した直線偏光は偏波保持ファイバ50を通過し、コリメータレンズ52で平行光に整形され、コリメータレンズ52から出射する。
図3(b)は、図2中のB点すなわちコリメータレンズ52を出射した偏光の偏光状態を示すものである。偏波保持ファイバ50に入射した直線偏光は、偏波保持ファイバ50の周囲温度や偏波保持ファイバ50への応力に影響されず、コリメータレンズ52からは直線偏光が出射する。
この直線偏光は1/4波長板53で楕円偏光となる。誘電体反射防止膜542は、楕円偏光の反射を防止し、これにより、楕円偏光が電気光学結晶54に入射する。
図3(c)は、図2中のC点すなわち1/4波長板53を通過した楕円偏光の偏光状態を示すものである。1/4波長板53は、入射した直線偏光に1/4波長の位相差を与え、直線偏光を楕円偏光に変化させる。また、1/4波長板53の位相軸が偏波保持ファイバ50の位相軸に対して角度22.5度を有するので、入射した直線偏光は、例えば反時計回りで22.5度旋光(回転)する。よって、図3(c)の楕円長手方向は、偏波保持ファイバ50の進相軸に対し、反時計回りで角度22.5度を有する。
電気光学結晶54に入射した楕円偏光は、内部を通過して誘電体反射膜541で反射し、内部を逆方向に通過して電気光学結晶54から出射する。
図3(d)は、図2中のD点すなわち電気光学結晶54から出射した楕円偏光の偏光状態を示すものである。被測定電界が印加されていないときは、図3(d)に示すように、同図の楕円長手方向は、図3(c)と同様に、偏波保持ファイバ50の進相軸に対し、反時計回りで角度22.5度を有している。一方、被測定電界が印加されているときは、この角度が変化する。この被測定電界の電界強度に対する当該角度の変化量は、前述のように、1/4波長板53の位相軸が電気光学結晶54の位相軸に対して角度45度を有することにより、45度以外のどのような場合の変化量よりも大きくなる。つまり、感度を最大化できる。
さて、この電気光学結晶54から逆方向に出射した楕円偏光は、1/4波長板53で直線偏光となる。
図3(e)は、図2中のE点すなわち1/4波長板53を逆方向に通過した直線偏光の偏光状態を示すものである。1/4波長板53は、楕円偏光に対し回転角を与える(旋光させる)。この回転角の絶対値は、正方向の偏光に対して与えた回転角の絶対値に等しい。つまり、1/4波長板53は、その内部の逆方向の偏光に対し、前述の例では時計回りに22.5度の回転角を与える。よって、被測定電界が印加されていないときは、図3(e)の直線偏光は、偏波保持ファイバ50の進相軸に対し、反時計回りで角度45度を有している。
図3(f)は、図2中のF点すなわち偏波保持ファイバ50を逆方向に通過した楕円偏光の偏光状態を示すものである。1/4波長板53を逆方向に通過した直線偏光(図3(e))はコリメータレンズ52で偏波保持ファイバ50に焦光され、この直線偏光は、偏波保持ファイバ50の周囲温度や偏波保持ファイバ50への応力により楕円偏光となって、偏波保持ファイバ50から逆向きに出射する。
図3(f)の楕円長手方向は、図3(e)の直線偏光と同様に、被測定電界が印加されていないときは、偏波保持ファイバ50の進相軸に対し、角度45度を有している。一方、被測定電界が印加されているときは、この角度が変化することになる。
図1に戻って説明する。
偏波保持ファイバ50を逆方向に通過した楕円偏光は、レンズ305を逆方向に通過する。
この楕円偏光は、ビームスプリッタ304で反射し、反射した偏光は、偏光ビームスプリッタ307で2分割される。分割後の一方の偏光がレンズ308を通過し、その後、光検出器311に入射する。分割後の他方の偏光はレンズ309を通過し、その後、光検出器312に入射する。
光検出器311は、自身に入射した偏光をその光強度に応じた大きさの電気信号に変換して、これを差動アンプ313の一方の入力端子へ与える。光検出器312は、自身に入射した偏光をその光強度に応じた大きさの電気信号に変換して、これを差動アンプ313の他方の入力端子へ与える。
差動アンプ313は、自身の両入力端子に与えられた電気信号の差分を増幅して電気信号検出器6に与える。
前述のように、被測定電界が印加されていないときは、偏波保持ファイバ50を逆方向に通過した楕円偏光は偏波保持ファイバ50の進相軸に対し、角度45度を有しているので、差動アンプ313に入力される差分はゼロであり、電気信号検出器6での被測定電界の検出値もゼロとなる。
一方、被測定電界が印加されているときは、45度だった角度が変化するので、差分が生じる。つまり、差動アンプ313の一方の入力端子に入力される電気信号は減少する一方、他方の入力端子に入力される電気信号は増加し、減少量と増加量は等しくなる。その結果、検出値は、被測定電界の電界強度に比例する。つまり、第1の実施の形態では、偏波保持ファイバ50を逆方向に進行する光は、被測定電界による強度変調光である。
また、前述のように、1/4波長板53の位相軸が電気光学結晶54の位相軸に対して角度45度を有することで、この検出値については、最大化つまり最大の感度を得ることができる。
こうして、被測定電界の電界強度が電気信号検出器6で検出される。被測定電界が交流電界のときは、その位相と振幅が検出される。
なお、偏波保持ファイバ50の周囲温度が変化したときや、曲げなどで偏波保持ファイバ50に働く応力の大きさが変化したときは、偏波保持ファイバ50を逆方向に通過した楕円偏光の形状(図3(f)参照)が変化し、例えば、円に一層近い形状の楕円偏光になる。しかし、この楕円偏光は、前述のように強度変調光であり、すなわち、その楕円長手方向と偏波保持ファイバ50の進相軸との間の角度は、かかる温度変化や応力変化によっては変化しないので、被測定電界の電界強度を温度変化や応力変化によらず正確に計測することができる。
(変形例)
なお、第1の実施の形態は、以下のように一部を変更してもよい。
例えば、図4に示すように、ビームスプリッタ304で反射した光の偏光状態を1/4波長板や1/2波長板などで構成される偏波コントローラ306により変化させ、例えば、1/4波長板53の位相軸の電気光学結晶54の位相軸に対する角度を45度にできない場合などにおいて、こうして偏波コントローラ306により大きな検出値が得られるようにしてもよい。
また、図1のビームスプリッタ304および偏光ビームスプリッタ307を使用せず、図5に示すように、その代わりとして、偏光ビームスプリッタ304A、304B、ならびに、回転角が45度のファラデー回転子FRを使用した計測システムを構成してもよい。
偏光ビームスプリッタ304Aの偏光軸は、偏波保持ファイバ2の位相軸に一致している。偏光ビームスプリッタ304Bの偏光軸は、偏光ビームスプリッタ304Aの偏光軸に対し、角度45度を有している。
図5の計測システムにあっては、光源1から出射された直線偏光が2つの偏光ビームスプリッタ304A、304Bを通過するので、直線性の非常に高い直線偏光を光学センサ5へ入射することができる。
また、図1の計測システムにあっては、ビームスプリッタ304を往復するため、光量を3/4以上損失するので、例えば、光増幅器が必要な場合があるが、図5の計測システムにあっては、光量を損失しないので、光増幅器を使用せず、計測システムの構成を簡素化し、低価格化することができる。
[第2の実施の形態]
前述のように、偏波保持ファイバ50から偏光処理装置3に入力される光(光信号)は強度変調光なので、偏波保持ファイバ50の屈曲や周囲の温度変化に影響されず一定である。これは、理想的つまり偏波保持ファイバ50の偏波消光比が非常に大きい場合に得られるメリットである。しかし、実際の偏波消光比は、20dB程度と考えられる。また、光学センサ5から偏波保持ファイバ50へ入力される光の偏光分離消光比も20dB程度と考えられる。そのため、検出感度にあっては、1%程度の揺らぎが生じると予想される。
そこで、第2の実施の形態では、高い偏波消光比で分離してから偏波保持ファイバ50へ光を入力することにより、検出感度の揺らぎを低減するようにしている。
以下、第2の実施の形態について、第1の実施の形態との差異を中心に説明する。
図6は、第2の実施の形態に係る計測システムにおける光学センサの構成を示す図である。図7は、図6に示す各素子に光が入射するときの入射面での偏光状態を示す図である。
光学センサにあっては、偏波保持ファイバ50を通過した光が入射する同一軸出力型の偏光分離素子、すなわち、第1の偏光分離板551、1/2波長板552および第2の偏光分離板553からなる偏光分離素子を有し、この偏光分離素子を通過した光が1/4波長板53に入射するようになっている。具体的には、偏波保持ファイバ50を通過した光が偏光分離板551に入射し、偏光分離板551を通過した光が1/2波長板552に入射し、1/2波長板552を通過した光が偏光分離板553に入射し、偏光分離板553を通過した光が1/4波長板53に入射し、反射光は逆方向に通過するようになっている。各偏光分離板は、ルチルや方解石などからなる、複屈折を利用したものである。
(上り光路)
光学センサにあっては、偏波保持ファイバ50を通過した直線偏光は、偏光分離板551を通過し、1/2波長板552で90度旋光(回転)し、偏光分離板553に入射する。偏光分離板553を通過した直線偏光は、1/4波長板53で楕円偏光になり、電気光学結晶54に入射する。
(下り光路)
楕円偏光は、誘電体反射膜541で反射し、1/4波長板53に入射し、1/4波長板53で直線偏光になり、偏光分離板553に入射する。
偏光分離板553で直線偏光は、偏波保持ファイバ50の各位相軸にそれぞれ一致する2つの直線偏光すなわち垂直な直線偏光と水平な直線偏光に分離され、それぞれ異なる位置から、1/2波長板552に入射する。
各直線偏光は、それぞれ異なる位置で、1/2波長板552で90度旋光し、偏光分離板551に入射する。
各直線偏光は、偏光分離板551により結合され、同じ位置から、偏波保持ファイバ50に入射する。
各偏光分離板の偏光消光比は、50dB以上なので、下り光路で、各偏光分離板を通過した各直線偏光の偏光消光比は、偏波保持ファイバ50のものに比較して非常に大きくなる。よって、第2の実施の形態では、検出感度の揺らぎを非常に小さくすることができる。
また、第2の実施の形態では、偏光分離板551、553の光学特性を等しくすることによって、偏光分離板553で分離された各直線偏光は、偏光分離板551で結合し、偏波保持ファイバ50の光の出射位置に入射する。これにより、入力と出力に2本の偏波保持ファイバを用いることなく、偏波保持ファイバ50だけで(1本の偏波保持ファイバだけで)光学センサを構成することができる。
通常、偏光分離板を通過した2つの偏光は、それぞれ異なる位相で出力される。偏光分離板551を通過した2つの偏光は1/2波長板552によって90度旋光し、偏光分離板553に入射するため、偏光分離板551で生じた位相差は偏光分離板553でキャンセルされる。これによって、誘電体反射膜541によって反射された2つの偏光は、入力位置で偏光分離板551、553での位相差がなくなり、入力したときの位相差を保ったまま出力される。ただし、電気光学結晶54で生じた位相差は偏光分離板551、553で影響を受けないため、電界の検出は可能である。また、偏光分離板を通過した2つの偏光はそれぞれ異なる位置へ出力される。出力位置のずれは偏光分離板の長さに比例するため、偏光分離板の長さを調整することにより、ずれの大きさを任意に選ぶことができる。電気光学結晶54の大きさが1mm角であるとき、ビーム径が200μmであることを考慮して、ずれの大きさが数百μmとなるように偏光分離板の長さを調整すればよい。以上のような理由から、第2の実施の形態では、光学センサを超小型に形成することが可能であり、且つ、感度の安定性を向上することが可能であるという優れた効果が得られる。
以上、本発明について2つの実施の形態を説明したが、他の態様で本発明を実施してもよい。
例えば、各実施の形態では、差動増幅を行ったが、一方の電気信号のみの増幅を行ってもよい。また、分割前の光を電気信号に変換増幅してもよい。
また、各施の形態では、誘電体反射膜541を設けたが、これに代えて、反射鏡を設けてもよい。
また、各実施の形態では、被測定電界の電界強度を電気光学結晶により検出したが、この電気光学結晶に代えて磁気光学結晶を用いることで、被測定磁界の磁界強度を検出してもよい。また、電気光学結晶に代えて圧光学(光弾性)結晶を用いることで、音圧などの被測定圧力を検出してもよい。同様に温度を検出してもよい。
第1の実施の形態に係る計測システムの構成を示す図である。 光学センサ5を構成する各要素の斜視図である。 図2に示した各点における光の偏光状態を示す図である。 図1に示した計測システムの第1の変形例を示す図である。 図1に示した計測システムの第2の変形例を示す図である。 第2の実施の形態に係る計測システムにおける光学センサの構成を示す図である。 図6に示した各点における光の偏光状態を示す図である。 従来の電界計測システムの構成を示す図である。
符号の説明
1…光源
2、50、302…偏波保持ファイバ
3…偏光処理装置
5、5A…光学センサ
6…電気信号検出器
51…フェルール
52…コリメータレンズ
53…1/4波長板
54…電気光学結晶
301…アイソレータ
303、305、308、309…レンズ
304…ビームスプリッタ
304A、304B、307…偏光ビームスプリッタ
306…偏波コントローラ
310…差動増幅回路
311、312…光検出器
313…差動アンプ
541…誘電体反射膜
542…誘電体反射防止膜
551…偏光分離板(第1の偏光分離板)
552…1/2波長板
553…偏光分離板(第2の偏光分離板)

Claims (7)

  1. 偏波保持ファイバと、
    この偏波保持ファイバを通過した光が入射する1/4波長板と、
    この1/4波長板を通過した光が入射する光学結晶であって、光の偏光状態を電気的、磁気的または力学的に変化させる性質を有し、光を反射する反射手段が設けられた光学結晶とを有し、
    前記1/4波長板の位相軸が前記偏波保持ファイバの位相軸に対して角度22.5度を有することを特徴とする光学センサ。
  2. 前記光学結晶が光の偏光状態を電気的に変化させる性質を有することを特徴とする請求項1記載の光学センサ。
  3. 前記1/4波長板の位相軸が前記光学結晶の位相軸に対して角度45度を有することを特徴とする請求項1または2記載の光学センサ。
  4. 前記偏波保持ファイバを通過した光が入射する同一軸出力型の偏光分離素子を有し、
    この偏光分離素子を通過した光が前記1/4波長板に入射するようになっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光学センサ。
  5. 前記偏波保持ファイバを通過した光が入射する第1の偏光分離板と、
    この第1の偏光分離板を通過した光が入射する1/2波長板と、
    この1/2波長板を通過した光が入射する第2の偏光分離板とを有し、
    この第2の偏光分離板を通過した光が前記1/4波長板に入射するようになっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の光学センサ。
  6. 前記偏波保持ファイバを出射した光が前記反射手段で反射し、前記第2の偏光分離板で分離され、前記第2の偏光分離板で結合し、前記偏波保持ファイバにおける前記光の出射位置に入射するようになっていることを特徴とする請求項5記載の光学センサ。
  7. 請求項1ないし6のいずれかに記載の光学センサと、
    光を生成する光源と、
    この光源で生成された光が入射する導光手段と、
    この導光手段を通過した光を前記偏波保持ファイバに入射させるとともに、当該偏波保持ファイバを逆方向に通過した光の進行方向を変化させるサーキューレータと、
    このサーキューレータを通過した光を検出する検出手段とを有することを特徴とする計測システム。
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