JPH07248338A - 電流の測定方法および電流測定装置 - Google Patents

電流の測定方法および電流測定装置

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JPH07248338A
JPH07248338A JP6038556A JP3855694A JPH07248338A JP H07248338 A JPH07248338 A JP H07248338A JP 6038556 A JP6038556 A JP 6038556A JP 3855694 A JP3855694 A JP 3855694A JP H07248338 A JPH07248338 A JP H07248338A
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JP
Japan
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current
optical fiber
linearly polarized
optical path
polarized light
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Application number
JP6038556A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Kurosawa
潔 黒澤
Satoru Yoshida
知 吉田
Kazuo Sakamoto
和夫 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hoya Corp
Tokyo Electric Power Company Holdings Inc
Original Assignee
Hoya Corp
Tokyo Electric Power Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 外力に対して変動しない電流測定装置の提
供。 【構成】 装置は、光源1と、光学系部品2と、被測定
電流の外周を周回する光路を形成する特定された組成比
率の鉛ガラス光ファイバ3ーとから概略構成されてい
る。部品2は、第1,第2偏光子13,5と、第1,第
2集光レンズ6,8,ビームスプリッタ7および検光子
9と、第3および第4集光レンズ10,11とを有し、
偏光子13,5は、単一モード光ファイバ12の両端側
に固着されている。集光レンズ8の近傍には、鉛ガラス
光ファイバ3の一端側が近接配置され、この鉛ガラス光
ファイバ3は、被測定電流Iacが流れる導体14の外周
を少なくとも1回周回するように配置され、周回端側に
は反射手段15が設けられている。第3,第4集光レン
ズ10,11側には、光ファイバ16,17を介して光
電変換素子18,19が配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電流の測定方法およ
び電流測定装置に関し、特に、光ファイバを用いる電流
の測定方法および電流測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光の偏波面が磁界の作用により回転する
ファラデー効果を利用した電流の測定方法が知られてお
り、このような測定原理に基づく電流の測定方法におい
て、周回積分型の光変流器が、例えば、ガス絶縁開閉装
置内における電流の測定に利用されている。
【0003】この種のファラデー効果を利用する周回積
分型の光変流器は、電磁雑音の影響がなく、電気的な絶
縁が容易に行えるなどの利点があり、通常、被測定電流
が流れる導体の外周に周回状に光路を形成する。そし
て、この光路内に直線偏波光を通過させた際に、被測定
電流の磁気作用で回転する直線偏波光のファラデー回転
角を測定して電流の大きさを求める。
【0004】ところで、このような構成の光変流器で
は、従来、光路の構成材料として、例えば、ブロック状
の鉛ガラスを用い、このガラスで中心に導体を挿通する
略正方形状の中空部を設けた枠状に形成していた。しか
し、このようなガラスブロックを用いた光路では、重量
が重くなり、小型化にも限界があった。そこで、この種
の光変流器の光路として、光ファイバを用い、大幅な小
型化を達成することが研究されており、例えば、石英系
光ファイバを用いた光変流器の実験研究が報告されてい
る。ところが、このような石英系の光ファイバを用いた
場合には、ファイバが変形(物理的な変形以外に熱的な
変形も含む)ないしは振動した場合や、荷重が印加され
た場合などに、光ファイバからの出射光の偏波面が光弾
性効果の影響により変動し、測定値に誤差が発生すると
いう問題があった。
【0005】このような問題を解決するために、全く異
なった2つの技術的思想に基づく解決手法が研究されて
いる。その第1の手法は、光弾性効果を積極的に利用し
ようとする技術的発想であり、光弾性効果による影響が
直線複屈折と円複屈折とに分類されることから、強い円
複屈折を起こさせて、光路中を伝播した直線偏波光を周
回端で反射させて、円複屈折の影響を相殺させるように
するものであって、その具体的な構成は、例えば、特開
昭62−161059号公報に提案されている。
【0006】しかし、このような技術的発想に基づく解
決手段では、強い円複屈折を起こさせるためには、光フ
ァイバに非常に細かいピッチで多数の強い捩じりを加
え、この状態で導体の周りを周回させる必要がある上
に、この捩じりおよび周回状態を長期間維持しなければ
ならないので、実用化する際に解決すべき問題が非常に
多い。
【0007】一方、第2の手法は、第1の手法と全く逆
の技術的思想であり、光弾性効果の影響を可能な限り小
さくしようとする技術的発想に基づくものであって、例
えば、特公平3−13177号公報にその一例が開示さ
れている。この公報に提案されている解決手段は、鉛ガ
ラス光ファイバのコアとクラッドの組成比率を特定の範
囲に設定することにより、光弾性定数が非常に小さく、
実質上零と考えられる程度にするものである。
【0008】この公告公報に開示されている鉛ガラス光
ファイバを用いると、上記公開公報に提案されている解
決手段のような実用化上の問題がなく、光弾性効果の影
響が実質上無視できるので、高精度の電流測定が簡単に
実現できるものと考えられる。しかしながら、本発明者
らの知得によると、この公告公報に開示されている鉛ガ
ラス光ファイバを用いた電流の測定方法および電流測定
装置においても、以下に説明する技術的課題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、本発明者ら
は、公告公報に開示されている構成の光ファイバを用い
て周回積分型の光変流器を試作し、実際に電流を測定し
た。この測定実験において、本発明者らは、光路を形成
する鉛ガラス光ファイバの光弾性効果の影響が、実質上
零と考えられるので、光ファイバに外力を加えてみた。
ところが、光ファイバに外力を加えると、測定値が大き
く変動することが判明した。
【0010】本発明者らの検討によると、この測定値の
変動は、光ファイバの光弾性効果の影響によるものでは
なく、光ファイバの曲線の捩れに起因することが判っ
た。つまり、光ファイバに直線偏波光を入射したとき
に、ファイバの周回端から出射する光の偏波の方位は、
ファイバのなす曲線の形に依存し、曲線の捩れの総量と
等しい角度の回転が発生し、光ファイバに外力が加わっ
たときに、光ファイバの曲線の形が変化し、これに伴っ
て偏波の方位が変化し、その結果、測定値に変動が発生
するものと考えられる。
【0011】本発明は、このような知得に基づいてなさ
れたものであって、その第一の目的は、外力によって測
定値が変動しない電流の測定方法および電流測定装置を
提供することにある。また、第二の目的は、交流および
直流の測定が、外力に対して安定した状態で行なえる電
流の測定方法および電流測定装置を提供することにあ
る。
【0012】さらに、第三の目的は、より一層の小型化
が達成できる電流測定装置を提供することにある。ま
た、第四の目的は、比較的脆い光ファイバを有効に保護
することができる電流測定装置を提供することにある。
またさらに、第五の目的は、測定レンジの拡大が可能に
なる電流測定装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明にかかる電流の測定方法における第一の発明
は、被測定電流が流れている導体の外周を周回するよう
に光路を形成し、前記光路内に直線偏波光を通過させた
際に、前記被測定電流の磁界作用で回転する前記直線偏
波光のファラデー回転角を測定する電流の測定方法にお
いて、 前記光路は、光弾性定数が1.0×10-9〜−
1.0×10-9cm2 /kgの値を示すガラスからなる
光ファイバーで構成されるとともに、この光ファイバの
曲線の捩れに等しい角度で回転する偏波面回転を相殺す
るために、前記光ファイバで構成した光路の周回端で前
記直線偏波光を反射させることを特徴とする。
【0014】また、第二の発明は、被測定電流が流れて
いる導体の外周を周回するように光路を形成し、前記光
路内に直線偏波光を通過させた際に、前記被測定電流の
磁界作用で回転する前記直線偏波光のファラデー回転角
を測定する電流の測定方法において、 前記光路は、P
bOとSiO2 とを主成分とした鉛ガラスからなる光フ
ァイバで構成されるとともに、この光ファイバの曲線の
捩れに等しい角度で回転する偏波面回転を相殺するため
に、前記光ファイバで構成した光路の周回端で前記直線
偏波光を反射させることを特徴とする。
【0015】上記電流の測定方法では、被測定電流が交
流であって、前記光ファイバで構成した光路を伝播する
前記直線偏波光に所定の光学的バイアスを加えることが
できる。また、上記電流の測定方法では、被測定電流が
直流であって、前記光ファイバで構成した光路を伝播す
る前記直線偏波光に所定の偏波面変調を加えることがで
きる。
【0016】一方、本発明にかかる電流測定装置の第一
発明は、所定波長の光を発射する光源と、この光源から
の発射光を直線偏波光に変改して出力させる偏光手段
と、前記直線偏波光が入射され、被測定電流が流れてい
る導体の外周を周回するように光路とを備え、前記光路
内に直線偏波光を通過させた際に、前記被測定電流の磁
界作用で回転する前記直線偏波光のファラデー回転角を
測定する電流測定装置において、 前記光路は、光弾性
定数が1.0×10-9〜−1.0×10-9cm2/kg
の値を示すガラスからなる光ファイバで構成され、前記
光ファイバで構成した光路の周回端に、前記光ファイバ
の曲線の捩れに等しい角度で回転する偏波面回転を相殺
する反射手段を設けたことを特徴とする。
【0017】また、第二発明は、所定波長の光を発射す
る光源と、この光源からの発射光を直線偏波光に変改し
て出力させる偏光手段と、前記直線偏波光が入射され、
被測定電流が流れている導体の外周を周回するように光
路とを備え、前記光路内に直線偏波光を通過させた際
に、前記被測定電流の磁界作用で回転する前記直線偏波
光のファラデー回転角を測定する電流測定装置におい
て、 前記光路は、PbOとSiO2 とを主成分とした
鉛ガラスからなる光ファイバで構成され、前記光ファイ
バで構成した光路の周回端に、前記光ファイバの曲線の
捩れに等しい角度で回転する偏波面回転を相殺する反射
手段を設けたことを特徴とする。
【0018】前記電流測定装置では、被測定電流が交流
であって、前記光ファイバで構成した光路を伝播する前
記直線偏波光に所定の光学的バイアスを加えるバイアス
手段を設けることができる。また、前記電流測定装置で
は、被測定電流が直流であって、前記光ファイバで構成
した光路を伝播する前記直線偏波光に所定の偏波面変調
を加える変調器を設けることができる。
【0019】さらに、前記反射手段は、前記光ファイバ
の周回端に一体的に設けられた金属蒸着膜または誘電体
多層膜から選択することができる。また、前記光ファイ
バは、その外周を包囲する保護チューブに緩く挿入する
ことができる。さらにまた、前記光ファイバは、前記フ
ァラデー回転角が45°以下になるようにその光路長を
分割することができる。
【0020】
【作用】上記構成の電流の測定方法および電流測定装置
によれば、被測定電流が流れている導体の外周を周回す
るように形成された特定比率の光ファイバ内に入射した
直線偏波光は、光ファイバの周回端側で反射して、再び
光ファイバ内を伝播した後に出射する。
【0021】このとき、光ファイバの曲線の捩れに起因
する偏波の方位回転は、入射後に周回端側に向かう場合
と、周回端側から出射する場合では、その大きさが同じ
で方向が互いに異なった方向になる。従って、光ファイ
バ内を伝播して出射した光には、光ファイバの曲線の捩
れに起因する偏波の方位回転が相殺されて全く含まれな
い。
【0022】この作用を図20〜図27に基づいて詳細
に説明する。図20は、曲がった光ファイバ中の偏波と
座標との関係を示した模式図であり、弧長sの点におけ
る偏波を、曲線の主法線ベクトルn(s)方向の成分E
n(s)と、それに直行する縦法線ベクトルb(s)方
向の成分Eb(s)に別けて考える。2つの偏波成分
は、空間座標に対して、振動方向を一定に保ちながら、
接線ベクトルt(s)の方向へ進む。
【0023】ここで、光ファイバに曲線論で定義される
「捩れ」がある場合、フレネ・セレーの公式(3)を参
照すると、微小長Δs進んだs+Δsの点では、主・縦
法線ベクトルが、捩れ率τ(s)とΔsの積に等しい角
度だけ偏波に対して回転する。これは、偏波が法線ベク
トルに対して回転するとも見なせる。従って、光ファイ
バに入射した偏波は、楕円率を一定に保ったまま回転し
て出射することになり、このときの回転角θは、光ファ
イバの全長に渡って捩れ率τを積分した値となり、以下
の式で表される。
【0024】θ=∫τ(s)ds 光ファイバの曲線が変わると、上記式の値が変わり、回
転角が変わる。また、曲がっていても捩れがない場合に
は、偏波は回転しない。さらに、上記式は、積分の方向
を逆にすると符号が反転する。このため、入射端から再
び出射する光を反射させて往復させれば、捩れの影響は
相殺される。
【0025】以上の作用を確認するため、本発明者ら
は、以下に説明する3つの実験を試みた。図21は、こ
の実験で使用した装置の基本構成を示している。 (1)光ファイバを曲げた場合の偏波特性 図21に示した構成で、鉛ガラス光ファイバの下に、図
22に示すように状態で、直径の異なるパイプを挿入し
て、ファイバの曲線を異ならせて、入射直線偏波の方位
に対する出射偏波の方位と消光比とを測定した。この測
定結果を図23に示している。
【0026】同図から明らかなように、出射光の消光
比は、常に34dB以上の値を示し、直線偏波状態が保
たれていることがわかる。光ファイバの形が一定の場
合、入射偏波と出射偏波の方位の変化は、ほぼ等しいこ
とがわかる。光ファイバの形を変えると、入射偏波の
方位が一定であっても、出射偏波の方位が変わる。,
から光ファイバの固有複屈折と変形により誘起される
複屈折が小さいことがわかる。 (2)光ファイバの捩れと偏波との関係 図24に示すように、光ファイバを円筒体に巻き付け、
水平に対して30°の方位を持つ直線偏波を入射し、角
度θ3に対する出射光の方位と消光比とを測定した。図
25に得られた測定結果を示している。同図より、角度
θ3とともに出射偏波の方位が回転することがわかる。
【0027】この実験の場合、上記式の計算値は、2π
sinθ3となり、図25に破線でその値を示してい
る。実験結果が計算値に非常に近いことが分かる。 (3)光ファイバの捩れと偏波との関係 図24において、光ファイバの巻始めと巻終わりの点に
おける法線ベクトルは等しいため、入・出射点の偏波の
方位差が上記式の値となる。しかし、一般には、入・出
射点における法線ベクトルの方位は等しくない。従っ
て、偏波の方位差は、2つの法線ベクトルの方位差と上
記式の値の和から決まる。
【0028】このことを確認するため、図26に示すよ
うに、光ファイバを厚紙に沿わせて配置し、定盤にに垂
直の直線偏波を入射し、厚紙の定盤に対する角度φを変
えながら、出射光と消光比とを測定した。図27に得ら
れた測定結果を示している。この実験の場合、入射点に
おける主法線ベクトルは垂直である。一方、出射点にお
ける主法線ベクトルは、φ+90°傾いている。また、
厚紙上の曲がりの部分に、−90°の捩れによる偏波の
回転がある。従って、法線ベクトルの方位角差と捩れに
よる偏波の回転角の和は、角度φに等しくなる。図27
示した結果は、このことと良く整合している。
【0029】
【実施例】以下本発明の好適な実施例について添附図面
を参照して詳細に説明する。図1から図3は、本発明に
かかる電流の測定方法および電流測定装置の第1実施例
を示している。同図に示す方法および装置は、本発明を
交流電流の測定に適用した場合であって、電流測定装置
は、光源1と、光学系部品2と、被測定電流の外周を周
回する光路を形成する鉛ガラス光ファイバ3ーとから概
略構成されている。
【0030】光学系部品2は、その主要構成部品がケー
ス4内に収納されている。ケース4には、入射系と出射
系の光学部品が配置されていて、入射系光学部品は、第
2偏光子5と、この偏光子5の後方の同一光軸上に配置
された第1集光レンズ6,ビームスプリッタ7および第
2集光レンズ8とから構成されている。出射系光学部品
は、ビームスプリッタ7のS偏波の方位に対して、一致
するように配置された検光子9と、この検光子9の近傍
に配置された一対の第3および第4集光レンズ10,1
1とから構成されている。
【0031】第2偏光子5は、この実施例では、単一モ
ード光ファイバ12の一端に固着され、この単一モード
光ファイバ12の他端側には、第1偏光子13が固着さ
れていて、この第1偏光子13は、光源1に近接配置さ
れている。なお、単一モード光ファイバ12は、その主
軸を第1および第2偏光子13,5の主軸と一致させる
とともに、第1および第2偏光子13,5は、その方位
をビームスプリッタ7のS偏波の方位に対して約45°
の方向に設定する。
【0032】第2集光レンズ8の近傍には、鉛ガラス光
ファイバ3の一端側が近接配置され、この鉛ガラス光フ
ァイバ3は、被測定電流Iacが流れる導体14の外周を
少なくとも1回周回するように配置され、その周回端側
には反射手段15が設けられている。一方、第3および
第4集光レンズ10,11の近傍には、それぞれマルチ
モード光ファイバ16,17の一端が配置され、各マル
チモード光ファイバ16,17の他端側に、光電変換素
子18,19が接続されている。
【0033】光源1は、例えば、半導体レーザやLED
などのように所定波長の光を発するものも使用できる
が、時間的コヒーレンスが低く、戻り光に影響されず、
空間的コヒーレンスが高いため、単一モード光ファイバ
12に光を入射することができるスーパールミネッセン
トダイオードが望ましい。また、第1および第2偏光子
13,5は、光ファイバの端面に直接接着固定すること
ができ、小型化を促進するためにも積層型のもの、例え
ば、商品名ラミポール(住友セメント株式会社製)が好
ましい。
【0034】ケース4は、外力や温度変化に対して変形
しにくいものが望ましく、また、ビームスプリッタ7
は、偏波の位相の飛びを防止する観点から蒸着膜がない
ものが望ましい。反射手段15は、反射膜を形成したミ
ラーなどを用いることもできるが、金属蒸着膜や誘電体
多層膜を鉛ガラス光ファイバ3の周回端面に直接形成す
ることが、光ファイバ3の周回端側が太くならず、小型
化の上では望ましい。
【0035】鉛ガラス光ファイバ3は、コアおよびクラ
ッドを有し、このコアおよびクラッドの組成比率が、重
量%で SiO2 5〜28% B2 2 0〜10% Al2 3 0〜 5% 但し、SiO2 +B2 2 +Al2 3 16〜28% Na2 O+K2 O 0.3〜2.5% PbO 69.5〜83.7% の範囲内に含まれているものが望ましい。
【0036】光ファイバ3の組成比率を上記範囲に限定
するのは以下の理由に基づく。すなわち、SiO2 は、
ガラス形成剤であって、5%以上必要であるが、これが
28%以上になると、ガラスの主形成剤であるPbOの
含有量が低下して、ベルデ定数を所要値まで大きくでき
ない。B2 2 は、特に、PbOの含有量が多い場合に
ガラスを安定化させるものであるが、10%以上になる
と、分散が低下し、ベルデ定数が小さくなる。Al2
3 は、ベルデ定数を大きくするために加えるものである
が、5%以上になると、失透傾向が強くなる。以上の3
成分の和が16%以上ないと、不安定になり失透し易く
なるが、28%以上になるとPbOの含有量が多くでき
ない。
【0037】Na2 O+K2 Oは、安定化のために0.
3%以上必要であるが、2.5%以上になると、化学的
耐久性が低下する。PbOは、ベルデ定数を大きくし、
光弾性定数を小さくするために69.5%以上必要とす
るが、83.7%以上になると失透傾向が増す。このよ
うな組成のガラスを光ファイバ3とする際には、ロッド
インチューブ法でまずプリフォームを形成し、このプリ
フォームを線引きして作製することができる。電流測定
用の光ファイバ3としては、直線偏波光を伝播させるた
め、伝播モードは、シングルモードとする必要がある
が、このためには、例えば、規格化周波数を2.4以下
にすればよい。
【0038】このような組成比率に含まれている鉛ガラ
ス光ファイバ3の具体的な物性値の一例を以下の表に示
している。 なお、この実施例を含む以下の実施例では、光弾性定数
が0.45 ×10-9cm2 /kgのものを使用した
が、これ以外に光弾性対数が0.8×10-9cm2 /k
gのものと同−0.8×10-9cm2 /kgのものとに
ついて同等の評価をしたところ、測定値の安定性は、光
弾性定数が0.45 ×10-9cm2/kgのものに比
較して僅かながら低下するものの、石英ガラスファイバ
に比べて遙に安定していることが確認できた。また、光
弾性定数が0.2 ×10-9cm2 /kgのものについ
て評価したところ、このものでは、光弾性定数が0.4
5 ×10-9cm2 /kgのものよりも測定値の安定性
が一層向上することも確認できた。
【0039】図2は、鉛ガラス光ファイバ3の保護構造
の一例を示している。同図に示した保護構造は、ケース
4に穿設された貫通孔20に嵌着固定した両端が開口し
た金属スリーブ21と、ケース4の外側に突出した金属
スリーブ21の一端に固着した漏斗状金属スリーブ22
と、光ファイバ3が緩く挿通される保護チューブ23
と、漏斗状金属スリーブ22と保護チューブ23との間
に溶着される熱収縮チューブ24とから構成されてい
る。
【0040】保護チューブ23は、例えば、シリコン樹
脂から形成され、鉛ガラス光ファイバ3は、例えばファ
イバ3を円周状に変形させる際などに、このチューブ2
3内において滑るようにして移動する。このような保護
構造に鉛ガラス光ファイバ3をセットする際には、ま
ず、光ファイバ3を保護チューブ23内に挿通し、その
一端側に漏斗状金属スリーブ22と熱収縮チューブ24
とを挿通しておく。
【0041】そして、この状態で光ファイバ3の一端
を、ケース4の貫通孔20内に嵌着固定されている金属
スリーブ21内に挿通し、漏斗状金属スリーブ22を金
属スリーブ21の端部に嵌合して、溶接などにより固定
する。次に、熱収縮チューブ24を所定の位置に移動し
た後、加熱して溶着する。しかる後に、光ファイバ3の
一端に、その端面が露出するようにしてフェルール25
を固着し、金属スリーブ20内に接着剤を充填して固定
する。
【0042】このような保護構造により鉛ガラス光ファ
イバ3をケース4に固定すると、比較的脆いファイバを
効果的に保護することができる。次に、上記構成の電流
測定装置による交流電流の測定方法について説明する。
導体14には、所定周波数の被測定電流Iacが流れてい
るものとすると、光源1から発射された光は、単一モー
ド光ファイバ12内を伝播し、第2偏光子5により消光
比の高い直線偏波光に変換されて、ビームスプリッタ7
を介して鉛ガラス光ファイバ3内に導入される。
【0043】鉛ガラス光ファイバ3内に導入された直線
偏波光は、その後周回端側に向けて伝播し、周回端側に
設けられている反射手段15で反射した後、今度は、周
回端側から入射端側に向けて伝播し、これらの過程にお
いて、被測定電流Iacの作る磁界の作用を受けて、その
偏波面が被測定電流Iacの大きさに比例して回転する。
【0044】なお、このときの回転角度は、ファラデー
効果に基づくものであって、これをファラデー回転角θ
acで表す。以上のようにして、偏波面が回転させられ
た反射光は、その後ビームスプリッタ7で取り出され、
検光子9によりファラデー回転角θIacが光の強度に変
換されて、マルチモード光ファイバ16,17を介して
光電変換素子18,19に導かれ電気信号I1,2 に変
換される。
【0045】図3は、このような電流の測定方法で行な
われる電流Iac, 1,2 とファラデー回転角θIac
の関係を示した図であって、被測定電流Iacが変化する
と、光電変換素子18,19の出力電流 I1,2 がこ
れに比例して変化するので、出力電流 I1,2 を求め
ることにより被測定電流Iacの値が判る。さて、以上の
ような電流測定装置および電流の測定方法によれば、被
測定電流Iacが流れている導体15の外周に周回され、
直線偏波光の光路となる鉛ガラス光ファイバ3は、光弾
性定数が非常に小さいので、光弾性効果の影響が非常に
少なくなっているとともに、次のような顕著な効果が得
られる。
【0046】すなわち、被測定電流Iacが流れている導
体15の外周を周回するように形成された特定比率の鉛
ガラス光ファイバ3内に入射した直線偏波光は、光ファ
イバ3の周回端側で反射して、再び光ファイバ3内を伝
播した後に出射する。このとき、光ファイバ3の曲線の
捩れに起因する偏波の方位回転は、入射後に周回端側に
向かう場合と、周回端側から出射する場合では、その大
きさが同じで方向が互いに異なった方向になる。従っ
て、光ファイバ3内を伝播して出射した光には、捩れに
起因する偏波の方位回転が相殺されて全く含まれない。
このため、本実施例の装置および測定方法では、外部か
ら外力や振動を加えても測定値の変動が全く発生しな
い。
【0047】また、本実施例の電流測定装置および電流
の測定方法によれば、永久磁石などの特別な手段を用い
ることなく光学的バイアスを加えることができ、光学系
が簡単になるとともに、鉛ガラス光ファイバ3から出射
した光の2つの偏波成分をそれぞれ電気信号として取り
出すことができ、その後の演算処理が容易に行なえる。
【0048】図4から図6は、本発明の第2実施例を示
している。同図に示す装置および方法は、上記第1実施
例と同様に本発明を交流電流の測定に適用した場合であ
り、上記実施例と同一若しくは相当する部分には同一符
号を付してその説明を省略するとともに、以下にその特
徴点についてのみ説明する。図4に示す電流測定装置
は、光源1と、第1および第2偏光子13,5と、これ
らの偏光子13,5がそれぞれ両端側に配置された単一
モード光ファイバ12と、周回端側に反射手段15が設
けられた鉛ガラス光ファイバ3とを有している。鉛ガラ
ス光ファイバ3は、被測定電流Iacが流れる導体15の
外周を少なくとも1回周回している。
【0049】単一モード光ファイバ12の途中には、鉛
ガラス光ファイバ3中を伝播して反射手段15で反射し
た後の光を抽出する光カプラ26が設けられ、この光カ
プラ26には、分岐光ファイバ27が設けられ、この分
岐光ファイバ27の端部側には、光電変換素子18が設
けられている。単一モード光ファイバ12と鉛ガラス光
ファイバ3は、金属スリーブ28a内において第1偏光
子5を介在させて、端部が対向するように接続されてい
る。図5は、この接続構造の詳細を示している。同図に
示す接続構造は、両端が開口した金属スリーブ28a内
に、端部側にそれぞれフェルール25を固着した単一モ
ード光ファイバ12と鉛ガラス光ファイバ3とが同一光
軸上に挿入されている。
【0050】一対のフェルール25間には、第1偏光子
5が両側に間隔整合材29を介在させてほぼその中心に
設置され、これらの間は、可視光の透過が可能な硬化型
接着剤30が充填されているとともに、各フェルール2
5と金属スリーブ28aとの間は、エポキシ系の接着剤
31で固定されている。鉛ガラス光ファイバ3の保護構
造は、図2に示した漏斗状金属スリーブ22の固設位置
が、金属スリーブ28aに変わったこと以外は、同様な
構造になっている。
【0051】一方、鉛ガラス光ファイバ3の途中には、
このファイバ3中を伝播する直線偏波光に所定の光学的
バイアスを加えるマグネット32が、ファイバ3を挿通
するようにして設けられている。なお、この実施例で
は、光カプラ26は、第1実施例の一対の集光レンズ
6,8とビームスプリッタ7とで構成した光学系に置換
することができる。
【0052】このように構成された電流測定装置による
電流の測定方法は、上記第1実施例と同様な方法で行な
われるが、本実施例の場合には、光学的バイアスを加え
るマグネット32が設けられているため、図6に示した
特性図において、ファラデー回転角がこのバイアスに相
当する分θMgだけ変移し、この変移した点が動作点とな
る。
【0053】以上のように構成された電流測定装置およ
び測定方法においては、上記第1実施例と同等の作用効
果に加えて以下に説明する作用効果が奏される。すなわ
ち、第1実施例の場合には、光を空間で伝播させる箇所
があり、これらの部分で光強度の低下があるが、本実施
例の場合には、金属スリーブ28a内で光ファイバ3,
12を密閉接続し、しかも、反射光の取り出しに光カプ
ラ26を用いているので、接続部分に空間がなく、接続
効率が安定かつ高効率になる。
【0054】図7および図8は、本発明の第3実施例を
示している。同図に示す装置および方法は、上記第1実
施例と同様に本発明を交流電流の測定に適用した場合で
あり、上記実施例と同一若しくは相当する部分には同一
符号を付してその説明を省略するとともに、以下にその
特徴点についてのみ説明する。図7に示した電流測定装
置では、光源1と単一モード光ファイバ12との間に配
置された光学系と、単一モード光ファイバ12と鉛ガラ
ス光フィバー3との接続構造とに上記第1,2実施例と
の相違がある。光源1と単一モード光ファイバ12との
間に配置された光学系は、光源1と同一光軸上に配置さ
れた第1集光レンズ6,第1偏光子5,ビームスプリッ
タ7,第2集光レンズ8で入射系を構成し、検光子9で
出射系を構成し、光電変換素子18,19には、検光子
9から直接光が入射するように構成されている。
【0055】なお、単一モード光ファイバ12は、ビー
ムスプリッタ7のS偏波の方位と一致させるとともに、
第1偏光子5は、その方位をビームスプリッタ7のS偏
波の方位に対して約45°の方向に設定する。また、検
光子9の方位は、ビームスプリッタ7のS偏波の方位に
対して、一致するように配置する。一方、光ファイバ同
士の接続構造は、図5に示した構造から第1偏光子5を
除いて、単一モード光ファイバ12と鉛ガラス光ファイ
バ3の端面同士を単に、金属スリーブ28b内で突き合
わせ接続した構成が採用されている。このように構成さ
れた装置においても上記第1および第2実施例と同様な
方法で交流電流が測定され、これらの実施例と同等の作
用効果が得られる。
【0056】また、本実施例では、光ファイバ同士の接
続構造が第2実施例の場合よりも簡単になるとともに、
鉛ガラス光ファイバ3から出射した光の2つの偏波成分
をそれぞれ電気信号として取り出すことができ、その後
の演算処理が容易に行なえる。図9および図10は、本
発明の第4実施例を示している。同図に示す装置および
方法は、本発明を直流電流の測定に適用した場合であ
り、上記実施例と同一若しくは相当する部分には同一符
号を付してその説明を省略するとともに、以下にその特
徴点についてのみ説明する。
【0057】図9に示した電流測定装置では、図1に示
した交流電流の測定装置に対して、出射系の第4集光レ
ンズ14とマルチモード光ファイバ17と光電変換素子
19とを除去し、鉛ガラス光ファイバ3の一端側に偏波
面変調器33を設けている。この偏波面変調器33は、
鉛ガラス光ファイバ3中を伝播する直線偏波光に所定の
変調を加えるものであって、高周波電流im が供給され
る。なお、この実施例では、第1偏光子13と単一モー
ド光ファイバ12および第2偏光子5との主軸はそれぞ
れ一致させるとともに、第2偏光子5の主軸は、ビーム
スプリッタ7に対して、P偏波成分の方位に一致させ
る。
【0058】以上のように構成された装置で直流電流を
測定する際には、導体15に被測定電流Idcが供給され
る。そして、光源1から発した光を第1偏光子13,単
一モード光ファイバ12,第2偏光子5を経由して直線
偏波光に変え、この直線偏波光を集光レンズ7,8とビ
ームスプリッタ7を介して、鉛ガラス光ファイバ3に導
入する。
【0059】直線偏波光は、鉛ガラス光ファイバ3中を
往復伝播する過程で、被測定電流I dcと変調用高周波電
流im の両者によるファラデー回転を受ける。このとき
のファラデー回転をθIdcおよびθim とする。そし
て、反射手段15から反射して戻ってきた光を、ビーム
スプリッタ7で受けて、検光子9に入射し、ビームスプ
リッタ7のS偏波の方位に等しい成分を信号として取り
出す。
【0060】得られた信号から変調用高周波電流im
周波数に等しい周波数成分と、その2倍周波数成分を取
り出し、両者の比から被測定電流Idcの大きさを求め
る。図10は、このような過程における電流とファラデ
ー回転角との関係を示す特性図である。さて、以上のよ
うな電流の測定装置および測定方法によれば、直流電流
が上記実施例で示した交流電流と同様な作用効果を奏し
ながら測定できるとともに、後述する例のように永久磁
石などを用いなくても、クロスニコルの偏光解析条件が
容易に得られ、信号のS/N比を図る上で有利となる。
【0061】なお、この実施例では、ビームスプリッタ
7としては、単なる誘電体(ガラス板など)を用いるよ
りも偏光ビームスプリッタを用いる方が信号レベルを高
くすることができる。図11および図12は、本発明の
第5実施例を示している。同図に示す装置および方法
は、本発明を直流電流の測定に適用した場合であり、上
記実施例と同一若しくは相当する部分には同一符号を付
してその説明を省略するとともに、以下にその特徴点に
ついてのみ説明する。
【0062】図11に示した電流測定装置は、図4に示
した交流電流の測定装置に対して、マグネット33に変
えて上記第4実施例で示した偏波面変調器33を設け、
これ以外の構成は第2実施例と同様になっている。この
ように構成した電流測定装置においても上記第4実施例
と同様に直流暖流の測定が可能になるとともに、本実施
例の場合には、金属スリーブ28a内で光ファイバ3,
12を密閉接続し、しかも、反射光の取り出しに光カプ
ラ26を用いているので、接続部分に空間がなく、接続
効率が安定かつ高効率になる。
【0063】図13および図14は、本発明の第6実施
例を示している。同図に示す装置および方法は、本発明
を直流電流の測定に適用した場合であり、上記実施例と
同一若しくは相当する部分には同一符号を付してその説
明を省略するとともに、以下にその特徴点についてのみ
説明する。図13に示した電流測定装置は、図7に示し
た交流電流の測定装置に対して、マグネット33に変え
て上記第4実施例で示した偏波面変調器33を設け、こ
れ以外の構成は第3実施例と実質上同一になっている。
【0064】このように構成された装置においても上記
第4および第5実施例と同様な方法で直流電流が測定さ
れ、これらの実施例と同等の作用効果が得られる。ま
た、本実施例では、光ファイバ同士の接続構造が第5実
施例の場合よりも簡単になり、より一層の小型化が達成
される。図15は、本発明の第7実施例を示している。
同図に示す実施例では、上記各実施例で示した鉛ガラス
光ファイバ3を、被測定電流が流れる導体14を中心に
周回させる点は各実施例と同じであるが、導体14を中
心として対向する部分で2分割し、分割された鉛ガラス
光ファイバ3a,3bの周回端にそれぞれ反射手段15
を設けている。
また、各鉛ガラス光ファイバ3a,3b
の入力側には、それぞれ光学ユニット34が設けられて
おり、この光学ユニット34は、導体14に流れる電流
が交流電流の場合には、上記第1〜第3実施例のいずれ
の構成でもよく、また、導体14に流れる電流が直流電
流の場合には、上記第4〜第6実施例のいずれか1つを
選択することができる。
【0065】このように構成された本実施例の場合に
は、光学ユニット34に採用した各実施例のそれぞれの
作用効果が得られるとともに、以下に示す顕著な効果も
得られる。すなわち、上記実施例で説明した本発明にか
かる電流測定装置および電流の測定方法では、被測定電
流が流れている導体14の外周に鉛ガラス光ファイバ3
で構成した光路を周回させ、この光路の周回端側に反射
手段15を設け、光路中を伝播させる直線偏波光を光路
中で往復させている。
【0066】このように直線偏波光を往復させると、光
は、被測定電流で偏波面が2度ファラデー回転を受ける
ことになり、このファラデー回転が積算される。ところ
が、良く知られているように、ファラデー回転を利用す
る電流の測定では、その回転角に上限(45°)があっ
て、ファラデー回転が積算される構成では、電流の測定
において測定レンジに規制が生じる恐れがある。
【0067】そこで、本実施例では、それぞれの鉛ガラ
ス光ファイバ3a,3bで直線偏波光が受けるファラデ
ー回転積算が上限を超えないように、光路を分割してい
る。このため、本実施例の構成によれば、測定レンジの
拡大が可能になる。なお、本実施例の場合には、鉛ガラ
ス光ファイバの分割数は、2に限られることはなく、被
測定電流の大きさなどとの関係から積算されるファラデ
ー回転が上限値以下になるようにすれば任意の分割数が
採用できる。
【0068】図16は、上記構成の電流の測定方法およ
び電流測定装置の作用効果を確認するために行なった実
験装置を示している。この実験装置では、SLD光源
(波長840nmのスーパスミネッセントダイオード)
から出射した光を、定盤に対して45°に合わせた偏光
子を通過させて直線偏光とし、ハーフミラーを通して、
平面上に設置された鉛ガラス光ファイバに入射した。
【0069】入射された光は、光ファイバ内を通過し、
周回端に取り付けられたミラー(誘電体多層膜)によっ
て反射してファイバ内を往復する。入射端から再び出射
してきた光をハーフミラーで取り出し、S偏波を検光子
によって検出する。この実験では、偏波をコイル(0.
8A,約1500turn,7KHz)の磁界で変調
し、鉛ガラス光ファイバの下にまくらを挿入して、ファ
イバを変形させ、受光光量のAC成分とDC成分とを測
定し、両者の比から求めた変調度と鉛ガラスファイバの
変形との関係を求めた。
【0070】比較のために、図17に示すような反射さ
せない状態での実験も行なった。図16に示した実験で
は、受信光に反射戻り光の成分が含まれているので、こ
の成分を除去して変調度を求めた。図18に受信信号波
形と鉛ガラス光ファイバの変形との関係を示し、図19
に受信信号の変調度と鉛ガラス光ファイバの変形との関
係を示している。
【0071】図18を見ると明らかなように、光を通過
させる場合には、ファイバの変形に対してPx,Pyの
いずれもが変化しているが、光を往復させた場合には、
ファイバが変形しても受信信号の波形に変化はない。ま
た、図19の変調度をみても、光を通過させる場合に
は、Pxが42.7〜1.1%で変化し、Pyが0.2
〜6.3%で変化している。
【0072】これに対して、光を往復させた場合には、
変調度が8.4%のままで変化しなかった。これらの結
果から、光を鉛ガラス光ファイバ中で往復させると、出
射光の偏光方位がファイバの捩れに依存せず安定するこ
とが確認された。なお、上記実施例において光ファイバ
は、鉛ガラスファイバを使用したが、そのガラス種は鉛
ガラスに限定されず、他のガラスであっても光弾性定数
が1.0×10-9〜−1.0×10-9cm2 /kgの範
囲内にあれば同等の効果が得られる。
【0073】
【発明の効果】以上、実施例で詳細に説明したように、
本発明にかかる電流の測定方法および電流測定装置によ
れば、外力によって測定値が変動しないという優れた効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる電流測定装置の第1実施例を示
す説明図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】第1実施例の電流とファラデー回転角との関係
を示す特性図である。
【図4】本発明にかかる電流測定装置の第2実施例を示
す説明図である。
【図5】図4の要部拡大断面図である。
【図6】第2実施例の電流とファラデー回転角との関係
を示す特性図である。
【図7】本発明にかかる電流測定装置の第3実施例を示
す説明図である。
【図8】第3実施例の電流とファラデー回転角との関係
を示す特性図である。
【図9】本発明にかかる電流測定装置の第4実施例を示
す説明図である。
【図10】第4実施例の電流とファラデー回転角との関
係を示す特性図である。
【図11】本発明にかかる電流測定装置の第5実施例を
示す説明図である。
【図12】第5実施例の電流とファラデー回転角との関
係を示す特性図である。
【図13】本発明にかかる電流測定装置の第6実施例を
示す説明図である。
【図14】第6実施例の電流とファラデー回転角との関
係を示す特性図である。
【図15】本発明にかかる電流測定装置の第7実施例を
示す説明図である。
【図16】本発明にかかる電流の測定方法および装置の
作用効果を確認するために行なった実験装置の説明図で
ある。
【図17】本発明にかかる電流の測定方法および装置の
作用効果を確認するために行なった比較実験装置の説明
図である。
【図18】図17,18の実験装置で得られた受信信号
波形とファイバの変形との関係を示す図である。
【図19】図17,18の実験装置で得られた受信信号
の変調度とファイバの変形との関係を示す図である。
【図20】本発明の曲がった光ファイバ中の偏波と座標
との関係を示す説明図である。
【図21】本発明の作用を確認するために行なった実験
の基本構成の説明図である。
【図22】鉛ガラス光ファイバに曲げ変形を与える手段
の説明図である。
【図23】図22で示した手段により曲げを与えた場合
の偏波特性を示すグラフである。
【図24】鉛ガラス光ファイバに捩れを与える手段の説
明図である。
【図25】図24で示した手段により捩れを与えた場合
の偏波特性を示すグラフである。
【図26】鉛ガラス光ファイバに別の捩れを与える手段
の説明図である。
【図27】図26で示した手段により捩れを与えた場合
の偏波特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 光源 2 光学系部品 3,3a,3b 鉛ガラス光ファイバ(光路) 4 ケース 5 第2偏光子 7 ビームスプリッタ 12 単一モード光ファイバ 13 第1偏光子 14 導体 18,19 光電変換素子 23 保護チューブ 26 光カプラ 28 金属スリーブ 32 マグネット(バイアス手段) 33 偏波面変調器 34 光学ユニット
フロントページの続き (72)発明者 坂本 和夫 東京都昭島市武蔵野3丁目3番1号 ホー ヤ株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定電流が流れている導体の外周を周
    回するように光路を形成し、前記光路内に直線偏波光を
    通過させた際に、前記被測定電流の磁界作用で回転する
    前記直線偏波光のファラデー回転角を測定する電流の測
    定方法において、 前記光路は、光弾性定数が1.0×10-9〜−1.0×
    10-9cm2 /kgの値を示すガラスからなる光ファイ
    バで構成されるとともに、この光ファイバの曲線の捩れ
    に等しい角度で回転する偏波面回転を相殺するために、
    前記光ファイバで構成した光路の周回端で前記直線偏波
    光を反射させることを特徴とする電流の測定方法。
  2. 【請求項2】 被測定電流が流れている導体の外周を周
    回するように光路を形成し、前記光路内に直線偏波光を
    通過させた際に、前記被測定電流の磁界作用で回転する
    前記直線偏波光のファラデー回転角を測定する電流の測
    定方法において、 前記光路は、PbOとSiO2 とを主成分とした鉛ガラ
    スからなる光ファイバで構成されるとともに、この光フ
    ァイバの曲線の捩れに等しい角度で回転する偏波面回転
    を相殺するために、前記光ファイバで構成した光路の周
    回端で前記直線偏波光を反射させることを特徴とする電
    流の測定方法。
  3. 【請求項3】 前記被測定電流が交流であって、前記光
    ファイバで構成した光路を伝播する前記直線偏波光に所
    定の光学的バイアスを加えることを特徴とする請求項1
    または2記載の電流の測定方法。
  4. 【請求項4】 前記被測定電流が直流であって、前記光
    ファイバで構成した光路を伝播する前記直線偏波光に所
    定の偏波面変調を加えることを特徴とする請求項1また
    は2記載の電流の測定方法。
  5. 【請求項5】 所定波長の光を発射する光源と、この光
    源からの発射光を直線偏波光に変改して出力させる偏光
    手段と、前記直線偏波光が入射され、被測定電流が流れ
    ている導体の外周を周回するように光路とを備え、前記
    光路内に直線偏波光を通過させた際に、前記被測定電流
    の磁界作用で回転する前記直線偏波光のファラデー回転
    角を測定する電流測定装置において、 前記光路は、光弾性定数が1.0×10-9〜−1.0×
    10-9cm2 /kgの値を示すガラスからなる光ファイ
    バーで構成され、 前記光ファイバで構成した光路の周回端に、前記光ファ
    イバの曲線の捩れに等しい角度で回転する偏波面回転を
    相殺する反射手段を設けたことを特徴とする電流測定装
    置。
  6. 【請求項6】 所定波長の光を発射する光源と、この光
    源からの発射光を直線偏波光に変改して出力させる偏光
    手段と、前記直線偏波光が入射され、被測定電流が流れ
    ている導体の外周を周回するように光路とを備え、前記
    光路内に直線偏波光を通過させた際に、前記被測定電流
    の磁界作用で回転する前記直線偏波光のファラデー回転
    角を測定する電流測定装置において、 前記光路は、PbOとSiO2 とを主成分とした鉛ガラ
    スからなる光ファイバで構成され、 前記光ファイバで構成した光路の周回端に、前記光ファ
    イバの曲線の捩れに等しい角度で回転する偏波面回転を
    相殺する反射手段を設けたことを特徴とする電流測定装
    置。
  7. 【請求項7】 前記被測定電流が交流であって、前記光
    ファイバで構成した光路を伝播する前記直線偏波光に所
    定の光学的バイアスを加えるバイアス手段を設けたこと
    を特徴とする請求項5または6記載の電流測定装置。
  8. 【請求項8】 前記被測定電流が直流であって、前記光
    ファイバで構成した光路を伝播する前記直線偏波光に所
    定の偏波面変調を加える変調器を設けたことを特徴とす
    る請求項5または6記載の電流測定装置。
  9. 【請求項9】 前記反射手段は、前記光ファイバの周回
    端に一体的に設けられた金属蒸着膜または誘電体多層膜
    からなることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項
    記載の電流測定装置。
  10. 【請求項10】 前記光ファイバは、その外周を包囲す
    る保護チューブに緩く挿入されていることを特徴とする
    請求項5〜9のいずれか1項記載の電流測定装置。
  11. 【請求項11】 前記光ファイバは、前記ファラデー回
    転角が45°以下になるように、その光路長が分割され
    ていることを特徴とする請求項5〜10のいずれか1項
    記載の電流測定装置。
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