JP4028035B2 - 光ファイバー応用計測器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光の特性の変化を利用して物理量を測定する光応用計測器に係り、特に、光ファイバーセンサの構成を改良した光応用計測器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光で物理量を測定する光ファイバー応用計測器が提案されている。特に、光ファイバー電流計測器は、被測定電流が流れる導体に近接して光ファイバーをセンサとして配置し、このセンサに直線偏光の光を通過させて、被測定電流によって生ずるファラデー効果の旋光角を測定するものである。
【0003】
図8は、従来の光ファイバー電流計測器の一例として、U.S.Patent No.3,605,013の公報に記載の光ファイバー電流計測器を示す構成図である。この図8に示すように、光ファイバー電流計測器は、レーザ1、偏光子2、送光用ファイバー3、光ファイバーセンサ(光ガイド)3´、被測定導体4、検光子5、光検出器6、および表示装置7より構成されており、光ファイバーセンサ3´は、センサ用光ファイバーを、被測定導体4の周りに巻き付けるように近接配置して構成されている。
【0004】
光源となるレーザ1より出射された光は、偏光子2により直線偏光にされ、送光用ファイバー3を通して光ファイバーセンサ3´に導かれる。被測定導体4に電流Iが流れることによって磁界が発生し、この磁界により、光ファイバーセンサ3´中を伝播する光に、ファラデー効果に基づく旋光が生じる。光ファイバーセンサ3´を通過した後、光は、送光用ファイバー3を通って検光子5に導かれ、検光子5の方位の光の成分のみが通過して光検出器6に導かれる。電流量Iが変化すると、この変化に応じてファラデー旋光角が変化するため、検光子5通過後の光量が変化し、それに伴い光検出器6の出力が変化する。したがって、光検出器6の出力を測定することにより、電流量Iを求めることができる。得られた結果は、信号処理器を兼ねた表示装置7によって表示される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図8に示すような従来の光ファイバー電流計測器においては、センサ用光ファイバーを被測定導体の周りに巻き付けることにより光ファイバー中に誘起される複屈折により、センサ用光ファイバーの感度が低下し、かつ、温度等の外部環境により測定結果が変動するという問題点がある。また、電力系統に用いるためには、高精度測定だけでなく、さらに長期信頼性を確保することが必要である。
【0006】
なお、このような問題点は、光ファイバー電流計測器に限らず、被測定対象物の近傍に配置された光ファイバーセンサを通る光の変化を利用して被測定対象物の各種の物理量を測定するように構成した各種の光ファイバー応用計測器において、同様に存在している。
【0007】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、高精度な測定が可能でしかも長期信頼性に優れた光ファイバー応用計測器を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、請求項1記載の発明においては、被測定対象物の近くに配置された光ファイバーセンサと、測定用の光を発生して前記センサに送る光源と、前記センサからの出射光を検出する検出器と、前記センサと光源及び検出器とを光学的に結合する結合光学系と、前記検出器からの信号を処理する信号処理部とを備え、前記光ファイバーセンサ用の光ファイバーとして、磁界がない状態でも常に旋光性を有する光ファイバーを用いており、光の特性の変化により物理量を計測する光ファイバー応用計測器において、前記光ファイバーセンサ用の光ファイバーのクラッド外径を2r(μm)、前記被測定対象物の周りにおけるこの光ファイバーの巻き数をm(回)とした場合に、この光ファイバーに対して実装段階に加える捻じり率n t (回/m)が、n t ≦(125/2r)(8.0−log 10 m)を満足する値であることを特徴としている。
【0009】
以上のような請求項1に係る発明によれば、光ファイバーセンサとして磁界がない状態でも常に旋光性を有する光ファイバーを用いることにより、光ファイバーセンサ内を光が伝播する際、光の偏波面が旋光を受けて回転することによって平均化されるため、光から見た光ファイバーセンサ内部の不均一性が緩和される。その結果、光ファイバー中に誘起されて不均一性の原因となる直線複屈折の影響を抑制することができ、高精度な測定を実現することができる。また、光ファイバーセンサ用の光ファイバーに対して実装段階に加える捻じり率n t (回/m)の値を、クラッド外径2r(μm)に関して具体的に規定することにより、捻じりに伴う機械的強度に基づく寿命の低下を抑制し、長期信頼性を高めることができる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の光ファイバー応用計測器において、前記光ファイバーセンサ用の光ファイバー全長が有する複屈折量が、捻じり数と複屈折量との関係によって0°近傍と極値近傍のいずれか一方の値を持つように、捻じり数を設定したことを特徴としている。
【0017】
請求項2に係る発明によれば、光ファイバーセンサ用の光ファイバー全長が0°近傍もしくは極値近傍となることにより、温度等の外部環境が変化しても感度の変化量が小さくなるため、高精度を保つことができる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の光ファイバー応用計測器において、前記光ファイバーセンサに入射する光の偏波面の方向が、光ファイバーが配置されている面に対して、+45°、+135°、−45°、もしくは−135°の近傍となるようにしたことを特徴としている。
【0019】
請求項3に係る発明によれば、光ファイバーセンサを捻じることにより、ファイバー内で誘起される複屈折量を平均化する度合いを大きくすることができ、結果として、少ない捻じり量で感度の変化量を小さくできるため、寿命の低下を抑制できるとともに、高精度を保つことができる。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の光ファイバー応用計測器において、前記光ファイバーセンサ用の光ファイバーとして石英ファイバーを用い、この光ファイバー全長に亘る捻じり数N(回)が、3.5M−1≦N≦3.5M+1 (Mは0以外の整数)を満足する値であることを特徴としている。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、光ファイバーセンサ用の石英ファイバーの全長に亘る捻じり数N(回)を具体的に規定することにより、捻じりによる光の偏光面の回転角を90°近傍の整数倍にすることができるため、これにより、光ファイバーセンサ用の光ファイバー全長が有する複屈折量を0°近傍にすることができる。したがって、感度が低下することなく、温度等の外部環境が変化しても感度の変化量が小さくなるため、高精度を保つことができる。
【0022】
請求項5記載の発明は、請求項2記載の光ファイバー応用計測器において、前記光ファイバーセンサ用の光ファイバーとして石英ファイバーを用い、この光ファイバー全長に亘る捻じり数N(回)が、|N|=1.75+3.5M (Mは正の整数)
を満足する値の±1以内の値であることを特徴としている。
【0023】
請求項5に係る発明によれば、光ファイバーセンサ用の石英ファイバーの全長に亘る捻じり数N(回)を具体的に規定することにより、複屈折量を極値にすることができる。したがって、温度等の外部環境が変化しても感度の変化量が小さくなるため、高精度を保つことができる。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一つに記載の光ファイバー応用計測器において、前記光ファイバーセンサ用の光ファイバーの平均曲げ半径をR(m)、前記被測定対象物の周りにおけるこの光ファイバーの巻き数をm、光の波長をλとした場合に、この光ファイバーのクラッド外径2r(μm)が、(r/62.5)2 ≦(80/2mπR/3.8)(R/0.25)2 (λ/0.8)
を満足する値であることを特徴としている。
【0025】
請求項6に係る発明によれば、光ファイバーセンサ用の光ファイバーのクラッド外径2r(μm)を、光ファイバーの平均曲げ半径R(m)と巻き数m、および光の波長λに関して具体的に規定することにより、曲げによる複屈折を小さくすることができるため、精度を高めることができる。
【0026】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一つに記載の光ファイバー応用計測器において、前記光ファイバーセンサ用の光ファイバーの平均曲げ半径をR(m)、前記被測定対象物の周りにおけるこの光ファイバーの巻き数をmとした場合に、この光ファイバーのクラッド外径2r(μm)が、2r/125≦(8.0−log10m)×2mπR/3.5を満足する値であることを特徴としている。
【0027】
請求項7に係る発明によれば、光ファイバーセンサ用の光ファイバーのクラッド外径2r(μm)を、光ファイバーの平均曲げ半径R(m)と巻き数mに関して具体的に規定することにより、光ファイバーの曲げ半径Rが小さい場合でも、曲げによる複屈折を小さくできると共に、実装段階で捻じることによる機械的強度に基づく寿命の低下を抑制できるため、精度および長期信頼性を高めることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下には、本発明による光ファイバー応用計測器を光ファイバー電流計測器に適用した複数の実施の形態について、図1〜図8を参照して説明する。
【0035】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.全体の構成]
図1に示すように、本実施の形態の光ファイバー電流計測器において、光ファイバーセンサ8は、被測定導体4の周りを囲むように配置されている。
【0036】
この図1に示すように、本実施の形態の光ファイバー電流計測器は、大別して、センサ光学部9、信号処理部10、および伝送用ファイバー部11から構成されている。
【0037】
このうち、信号処理部10は、測定光を発生する光源12、センサ光学部9からの2つの光を検出してその強度に応じた電気信号に変換する検出器13、検出器13で得られた信号を演算処理する信号処理回路14、および処理結果を出力する出力端子15を備えている。光源12は、レーザダイオードまたはスーパールミネセントダイオードによって構成されている。
【0038】
また、伝送用ファイバー部11は、信号処理部10内の光源12からセンサ光学部9に光を送る送光用ファイバー16と、センサ光学部9から信号処理部10内の2つの検出器13に光を送る2本の受光用ファイバー17とを備えている。
【0039】
一方、センサ光学部9は、結合光学部18aと光ファイバーセンサ部18bとを備えている。このうち、結合光学部18aは、4つのレンズ19〜22、偏光子23、2つのビームスプリッタ24,25、および2つの検光子26,27から構成されている。ここで、4つのレンズ19〜22のうち、第1のレンズ19は、送光用ファイバー16からの光を平行ビームに変換するために使用され、第2のレンズ20は、光ファイバーセンサ部18bに光を入射し、かつ、光ファイバーセンサ部18bからの出射光を受光するために使用され、第3と第4のレンズ21,22は、平行ビームを集光して各受光用ファイバー17に入射するためにそれぞれ使用される。
【0040】
偏光子23は、光を水平方向(光ファイバーセンサ8が配置されている面)に関して45度方向の直線偏光に変換するために使用され、2つのビームスプリッタ24,25は、光をその入射方向に応じて透過光と反射光とに分割するためにそれぞれ使用される。2つの検光子26,27は、各々水平方向および垂直方向の直線偏光の光を透過させることにより、直交するx,y方向の各偏光成分を抽出するためにそれぞれ使用される。
【0041】
この場合、結合光学部18aは、送光用ファイバー16からの光を、第1のレンズ19、偏光子23、第1のビームスプリッタ24、および第2のレンズ20を介して光ファイバーセンサ部18bの一端に送るようになっている。
【0042】
また、光ファイバーセンサ部18bからの反射方向の光は、第2のレンズ20を透過した後、第1のビームスプリッタ24で反射され、第2のビームスプリッタ25に送られ、2方向の光に分割されるようになっている。この一方の分割光は、第1の検光子26および第3のレンズ21を介して一方の受光用ファイバー17に送られる。他方の分割光は、第2の検光子27および第4のレンズ22を介して他方の受光用ファイバー17に送られる。
【0043】
一方、光ファイバーセンサ部18bは、被測定電流が流れる被測定導体4の周囲に1以上のほぼ整数倍の回数だけ巻き付けられた光ファイバーからなる光ファイバーセンサ8から構成されており、この光ファイバーセンサ8は、その終端部に反射端28を備えている。ここでは、光ファイバーセンサ8用の光ファイバーとして、信頼性の高い石英ファイバーを使用した場合について説明するが、特に、石英ファイバーに限定されるものではない。また、光ファイバーセンサ8の反射端28は、光ファイバーセンサ8内を伝播してきた光を反射して再び光ファイバーセンサ8内に戻し、反対方向に伝播させるようになっている。この時、反射端28を用いることにより、光ファイバーの入射端と出射端は完全に一致している。図中29は、このような入出射端を示しており、この入出射端29は、構造物中に収納されている。そして、光ファイバーセンサ8の両端であるこの入出射端29と前述した反射端28は互いに近接して配置されている。
【0044】
[1−2.光ファイバーセンサの構成]
図2は、光ファイバーセンサ8の詳細を示す説明図である。光ファイバーセンサ8用の光ファイバーとしては、磁界がない状態でも常に旋光性を有するシングルモードファイバーが採用されており、この光ファイバー自体は、製造段階に捻じられた(スパン)ファイバーである。この光ファイバーセンサ8用の光ファイバーは、光が伝播するコア部30と、その外周に順次設けられたクラッド層31およびコーティング層32から構成されており、実装段階で右方向に機械的に捻じられている。
【0045】
[1−3.電流計測]
以上の構成を有する図1の光ファイバー電流計測器による被測定導体4の電流計測は、次のようにして行われる。まず、信号処理部10の光源12から発した光は、送光用ファイバー16を通ってセンサ光学部9の結合光学系18aに送られる。
【0046】
この送光用ファイバー16からの光は、第1のレンズ19によって平行ビームに変換され、偏光子23によって直線偏光に変換された後、第1のビームスプリッタ24を透過して第2のレンズ20によって集光され、光ファイバーセンサ部18bの始端部に入射する。
【0047】
光ファイバーセンサ部18bに入射した光は、光ファイバーセンサ8内を伝播して反射端28で反射された後、再び光ファイバーセンサ8内に戻され、反対方向に伝播して結合光学系18a側の始端部である入射端から出射する。この場合、光ファイバーセンサ部18b内を往復する形で通過する光の偏光面は、被測定導体4を流れる被測定電流によって誘起されるファラデー効果により回転する。
【0048】
そして、光ファイバーセンサ8からの出射光は、結合光学系18aの第2のレンズ20で平行ビームに変換された後、第1のビームスプリッタ24で反射され、第2のビームスプリッタ25で2方向の光に分割される。
【0049】
この場合、第2のビームスプリッタ25からの一方の分割光は、第1の検光子26によってx方向の偏光成分が抽出された後、第3のレンズ21および受光用ファイバー17を介して、信号処理部10の一方の検出器13に送られる。また、他方の分割光は、第2の検光子27によってy方向の偏光成分が抽出された後、第4のレンズ22および受光用ファイバー17を介して、他方の検出器13に送られる。
【0050】
このようにして、x方向とy方向の偏光成分の光は、各検出器13に送られ、これらの検出器13で得られた各偏光成分の信号は、信号処理回路14に送られて演算処理され、得られた処理結果、すなわち測定結果は、出力端子15によって出力される。
【0051】
[1−4.光ファイバーセンサの作用]
以上が、図1の光ファイバー電流計測器における信号の流れであるが、特に、光ファイバーセンサ8は、その構成の特徴から、コア部30が均一である上、光ファイバーセンサ8内を光が伝播する際、光の偏光面が回転する。この点について次に説明する。
【0052】
まず、光ファイバーセンサ8用の光ファイバーは、磁界がない状態でも常に旋光性を有するシングルモードファイバーであり、しかも、この光ファイバー自体は、製造段階においてプリフォームを回転させながら線引きすることによって捻じられた(スパン)ファイバーであるため、ファイバー製作時に生ずるコア部30の非対称性がなくなり、複屈折量が小さくなっている(<2°/m)。すなわち、コア部30が均一化されている。
【0053】
また、光ファイバーを曲げると曲げた方向、すなわち光ファイバーを配置した方向(x軸)とこれに垂直な方向(y軸)に複屈折の主軸が発生し、これが光ファイバー内の不均一性の原因になる。これに対して、光ファイバーセンサ8は、実装段階でも右方向に機械的に捻じられているため、この光ファイバーセンサ8内を伝播する光が旋光する。すなわち、図2においては、光ファイバーセンサ8の軸方向(z軸方向)に直線方向の光が伝播する際の、コア部30内のA点およびB点での偏光面の方向が示してあり、光ファイバーが捩じられていることから、光の偏光面は、B点ではA点に比べて角度θだけ旋光している。なお、光ファイバーが、左方向に機械的に捻じられた場合でも、同様の作用が得られる。
【0054】
このように、光ファイバーセンサ8内を光が伝播する際、光の偏光面が回転することにより平均化されるため、光から見た光ファイバーセンサ8内部の不均一性を解消することができ、感度の低下なしに高精度な測定が実現できる。なお、捻じり応力による旋光性は捻じり量に対して一定の割合となるため、あらかじめ捻じり量がわかれば、この旋光量を求めることができ、被測定電流4によって生ずる磁界によるファラデー効果と分離することができる。特に、本実施の形態では、反射鏡28を用いて光路を往復させているので、捻じりによる旋光量は行きと帰りで逆方向となり打ち消される構成になっているため、実質的にファラデー旋光のみが測定できるという利点がある。
【0055】
したがって、本実施の形態の形態によれば、光ファイバーに旋光性を持たせた結果、ファイバー内部の不均一性を解消することができるので、高精度な電流測定が実現できる。
【0056】
[2.第2の実施の形態]
本発明に係る第2の実施の形態は、前述した第1の実施の形態の変形例に相当するため、第1の実施の形態と同等の構成についての説明は省略する。
【0057】
すなわち、本実施の形態は、図1に示すような光ファイバーセンサ8の光ファイバーに加える捻じり量を規定して、長期信頼性を向上するものである。特に、光ファイバー電流計測器を電力系統用として適用するためには、光ファイバーセンサ8の寿命が重要である。
【0058】
まず、実装段階で捻じられた光ファイバーの寿命ts は、次の(1)式によって表される。
【数1】
この(1)式において、各パラメータは、製造段階に捻じられた光ファイバーの強度試験のパラメータを表している。tpe1 、tpe2 は、1、2回目の耐力試験時間、Pf は破壊確率、Lはファイバー長、Np1、Np2は1、2回目の耐力試験時の単位長さ当たりの破断個数、σp1、σp2は、1、2回目の耐力試験時の応力、nは動的疲労試験による傾きである。
【0059】
σs は実使用時の応力であり、ファイバーの最大主応力と等しい。すなわち、次のように表される。
【数2】
σs =[σzmax+{(σzmax)2 +4G2 θ2 r2 }1/2 ]/2
ここで、Gは横弾性係数、θは単位長さ当たりの捻じり角度、rは光ファイバーのクラッド層の外半径である。また、σzmaxは曲げの最大応力であり、次式で表わされる。
【数3】
σzmax={r/(R+r)}E
ここで、Rはファイバーの曲げ半径、Eはヤング率である。
【0060】
具体的に、光ファイバーセンサ用の光ファイバーとして石英ファイバーを用い、破断確率Pf =10-5、光ファイバーのクラッド外半径r=62.5μm、ファイバーの曲げ半径0.5m、巻回数m=1回とし、強度試験を行ったところ、n=20、tpe1 =1.2(s)、b=0.0492、σp1=3.196×10s (Pa)、Np1=1.43(コ/m)、E=7.2×1010(N/m2 )、G=E/{2・(1+0.2)}、という結果が得られた。そして、この結果を前記(1)式に代入したところ、図3に示すような、ファイバー破断寿命のファイバー捻じり回数依存性が得られた。この図3から明らかなように、捻じり率を8回/m以下にすれば、電力系統用として要求される25年以上の機械的寿命を確保することができる。
【0061】
さらに、具体的に、破断確率Pf =10-5で、25年以上の機械的寿命を確保するためには、前記(1)式をより簡略化することで、次のような条件式が求められる。すなわち、光ファイバーセンサ用の光ファイバーのクラッド外径を2r(μm)、被測定対象物の周りにおける光ファイバーの巻き数をm(回)とした場合に、光ファイバーに対して実装段階に加える捻じり率nt (回/m)が、次の(2)式を満足すれば、破断確率Pf =10-5で、25年以上の寿命を確保することができる。
【0062】
【数4】
nt ≦(125/2r)(8.0−log10m)…(2)
なお、この(2)式は、ファイバーの曲げ半径R≦0.5mの場合に成り立つ必要条件であり、R>0.5mの場合には、さらに寿命を延ばすことができる。ちなみに、図3の条件を代入すれば、nt ≦8.0(回/m)=16.0π(ラジアン/m)となり、図3の結果と一致する。
【0063】
したがって、この(2)式の条件を満足するような捻じりを光ファイバーに加えることにより、前記光ファイバーが均質となるため、高精度な測定が実現でき、かつ長期信頼性も向上させることができる。
【0064】
[3.第3の実施の形態]
本発明に係る第3の実施の形態は、前述した第1の実施の形態の変形例に相当するため、第1の実施の形態と同等の構成についての説明は省略する。
【0065】
すなわち、本実施の形態は、図1に示すような光ファイバーセンサ8において、捻じり数と複屈折量の関係において光ファイバー全長が有する複屈折量が0°近傍、もしくは極値近傍となるように捻じり数を設定して、高精度を確保するものである。
【0066】
図4は、石英ファイバーにおける光ファイバー全長に亘る捻じり数と複屈折量(任意目盛り)の関係を示す。このとき、光ファイバーセンサ8に入射する光の偏波面は光ファイバーを配置した方向に対して+45°近傍である(+135°、−45°、−135°近傍でも同等の結果である)。ここで、近傍とは、±22.5°の範囲を示すが、±10°の範囲ならばさらに効果が大である。石英ファイバーにおける捻じり量ξと旋光量ωの関係は、次式で表される。
【数5】
ω=0.073ξ(ラジアン)
なお、係数0.073は、温度により若干変化する。ここで、捻じり数N(回)と捻じり量ξとの間には、ξ=2πNの関係がある。捻じり量ξを3.5回の倍数近傍とする条件は、次の(3)式で表される。
【数6】
2π(3.5M−1)≦ξ(=2πN)≦2π(3.5M+1)…(3)
なお、この(3)式において、Mは正の整数であり、ξが負の時は左向きの捻じりを示す。この(3)式に示すように捻じり量ξを規定すれば、旋光量ωは(π/2)・Mとほぼ等しくなり、図4に示すように、光ファイバー全長に亘る複屈折量は0°近傍となる。
【0067】
ところで、電流値が低い場合に、光ファイバー電流計測器の感度Sと複屈折量δとの間には、次の(4)式で表されるような関係がある。
【数7】
S=sinδ/δ …(4)
という関係がある。したがって、複屈折量δが0°近傍にあれば、感度が高くて精度の高い測定ができる。また、温度変化により旋光量が若干変化しても、複屈折量が0°近傍にあるため、感度Sはほとんど変化せず、温度安定性に優れている。
【0068】
また、図4において、捻じり数N(回)を、3.5回の倍数に1.75を加えた値の近傍する条件は、次の(5)式で表される。
【数8】
|N|=1.75+3.5M …(5)
なお、この(5)式において、Mは、正の整数である。この(5)式を満足する近傍、すなわち、±1以内となるように捻じり数Nを規定すれば、図4に示すように、複屈折量は極値近傍となる。この場合、計測器の感度Sは若干低下するが、複屈折量が極値近傍であるため、温度変化により旋光量が若干変化しても感度の変動は少ない。
【0069】
以上のように、光ファイバーセンサの複屈折量を、捻じり数と複屈折量の関係において、0°近傍もしくは極値近傍となるように捻じり数を設定することにより、温度変化に影響されにくい、高精度な計測器を実現することができる。また、光ファイバーセンサに入射する光の偏波面の方向(直線偏光の方向)を、光ファイバーが配置される面に対して、+45°、+135°、−45°、もしくは−135°の近傍とすることにより、少ない捻じり量で感度の変化量を小さくでき、寿命の低下を抑制することができる。
【0070】
[4.第4の実施の形態]
本発明に係る第4の実施の形態は、前述した第1の実施の形態の変形例に相当するため、第1の実施の形態と同等の構成についての説明は省略する。
【0071】
すなわち、本実施の形態は、図1に示すような光ファイバーセンサ8のクラッド外径2r(μm)の条件を、光ファイバーの平均曲げ半径R(m)と巻き数m、および光の波長λに関して規定することにより、曲げによる複屈折を小さくして精度を高めるものである。
【0072】
まず、クラッド外径2r(μm)の光ファイバーセンサ8が被測定導体4の周りに平均曲げ半径R(m)にて設置されている場合、光ファイバー中に誘起される曲げによる複屈折量Δβ(°/m)は次の(6)式で表わされる。
【数9】
Δβ=|(πEc/λ)(r/R)2 ×(180/π)|…(6)
ここで、Eはヤング率(=7.75×109 kg/m2 (石英))、cは光弾性定数(=−3.5×10-11 m2 /kg)、λは光の波長である。図5は、r=62.5μmの場合における平均曲げ半径Rと複屈折量Δβの関係を示す。この図5から、平均曲げ半径R(m)が小さい程、複屈折量Δβが大きくなり、光ファイバーセンサ8の感度が低下することがわかる。
【0073】
よって、光ファイバーセンサ8の全長に亘る複屈折量をδ(°)、光ファイバーセンサ8の被測定導体4の周りの巻き数をmとすると、前記(6)式より、次式が得られる。
【数10】
δ=3.8×(0.25/R)2 (r/62.5)2 (0.8/λ)×2mπR
この場合、光ファイバーセンサ8の感度Sは、前記(4)式のように表わされるため、測定精度±1%以内とするためには、δ≦0.35ラジアン=20°とするのが望ましい。また、図4より光ファイバー全長に亘る捻じり数を約3.5回以上にすると、複屈折量は捻じり数0回の時に比べて1/4以下になる。したがって、曲げによって誘起される複屈折量を20°×4=80°以下に抑制するようなファイバーパラメータを設定すれば、測定精度±1%は容易に満足できる。
【0074】
よって、本実施の形態の光ファイバーセンサ8のパラメータは、以下の(7)式に示す条件を満足するように設定される。
【0075】
【数11】
この(7)式に、R=0.1(m)、m=10(回)、λ=0.8(μm)を代入すると、光ファイバーセンサのクラッド外半径rは、45μm以下である。
【0076】
また、R≧0.25(m)、m=1(回)、λ=1.3(μm)でr<40(μm)とすると、δ<3°となり、光ファイバー全長に亘る捻じり数が0でも所定の精度を満足することができる。さらに、これを光ファイバー全長に亘って約3.5回転以上捻じるとδ<0.75°となり、感度S>0.99997が実現でき、超高精度な光ファイバー電流計測器が実現できる。
【0077】
したがって、本実施の形態によれば、前記(7)式を満足するような光ファイバーセンサ8のパラメータを用いることにより、光ファイバー全長に亘る複屈折量を大幅に低減できるため、光ファイバー電流計測器の精度を高めることができる。
【0078】
[5.第5の実施の形態]
本発明に係る第5の実施の形態は、前述した第1の実施の形態の変形例に相当するため、第1の実施の形態と同等の構成についての説明は省略する。
【0079】
すなわち、本実施の形態は、図1に示すような光ファイバーセンサ8のクラッド外径2r(μm)の条件を、光ファイバーの平均曲げ半径R(m)と巻き数mに関して規定することにより、光ファイバー全長に亘る複屈折量を低減して精度を高めると共に、機械的寿命の低下を抑制して長期信頼性を高めるものである。
【0080】
電力系統用として要求される機械的寿命を確保するための条件としては、前記(2)式において、光ファイバーに対して実装段階に加える捻じり率nt (回/m)を規定した。また、光ファイバー全長に亘る複屈折量をある程度低い値にするためには、図4に示すように、光ファイバー全長に亘って少なくとも約3.5回転以上捻じらなければならない。
【0081】
よって、光ファイバーセンサ8の平均曲げ半径をR(m)とすると、次式が成り立つ。
【数12】
(125/2r)(8.0−log10m)×2mπR≧3.5
すなわち、光ファイバーセンサ8は、次の(8)式を満足する。
【0082】
【数13】
2r/125≦(8.0−log10m)×2mπR/3.5…(8)
ここで、rは光ファイバーのクラッド外半径(μm)、mは被測定導体4の周りにおける光ファイバーの巻き数(回)である。この(8)式に、m=1(回)、R=0.05(m)を代入すると、r≦45(μm)となる。
【0083】
したがって、本実施の形態によれば、(8)式を満足するような光ファイバーセンサ8を用いることにより、光ファイバーセンサ8の曲げ半径が小さい場合でも、光ファイバー全長に亘る複屈折量を小さくできると共に、実装段階で捻じることによる機械的寿命の低下を抑制できるため、精度および長期信頼性に優れた光ファイバー電流計測器が実現できる。
【0084】
さらに、本実施の形態の変形例としては、前記(8)式のクラッド外径2rの条件と、第4の実施の形態について説明した前記(7)式のクラッド外径2rの条件とを組み合わせて、光ファイバーセンサ8のクラッド外半径rを40μm未満(クラッド外径80μm未満)にすることが考えられる。この構成によれば、さらに超高精度で長期信頼性に優れた光ファイバー電流計測器が実現できる。
【0085】
[6.第6の実施の形態]
図6は、本発明の第6の実施の形態を示す図であり、特に、光ファイバーセンサ8の詳細を示す説明図である。なお、本実施の形態は、前述した第1の実施の形態の変形例に相当するため、第1の実施の形態と同等の構成についての説明は省略する。
【0086】
すなわち、本実施の形態においては、図6に示すように、光ファイバーセンサ8のコア部30、クラッド層31、およびコーティング層32までを捻じることによりこれらの部分に捻じり応力が加えられており、この捻じりが、コーティング層32の周囲に新たに設けられたアクリル等の外部コーティング層33によって固定されている。
【0087】
この構成により、捻じりに起因する光ファイバーの絡みを防止することができ、実装が容易になると共に、光ファイバー中に誘起されて不均一性の原因となる直線複屈折の影響を、捻じり応力による光の旋光によって抑制することができる。
【0088】
以上のように、本実施の形態によれば、光ファイバーセンサ8のコア部30からコーティング層32までの部分に捻じり応力を加え、その周囲に、この捻じりを固定するための外部コーティング層33を設けることにより、非常に取り扱い易く、かつ高精度の光ファイバー電流計測器を実現できる。なお、必ずしもコア部30からコーティング層32までの部分全体に捻じり応力を加える必要はなく、少なくともコア部30に捻じり応力を加えることにより、同様に優れた効果を得ることができるものである。
【0089】
[7.第7の実施の形態]
図7は、本発明の第7の実施の形態として、特に、請求項11、12記載の各発明を適用した光ファイバー電流計測器の一つの実施の形態を示す図であり、特に、光ファイバーセンサ8の詳細を示す説明図である。なお、本実施の形態は、前述した第1の実施の形態の変形例に相当するため、第1の実施の形態と同等の構成についての説明は省略する。
【0090】
すなわち、本実施の形態においては、図7に示すように、光ファイバーセンサ8の光ファイバーを構成するコア部30、クラッド層31、およびコーティング層32までを捻じることによりこれらの部分に捻じり応力が加えられている点では、前記第6の実施の形態と同様であるが、この捻じりの固定方法が異なる。本実施の形態においては、この捻じりが、光ファイバーセンサ8の両端を固定するコネクタ34で固定されると共に、光ファイバーセンサ8の外側に外被となる保護用のパイプ35が設けられている。また、両端のコネクタ34の少なくとも一方には、捻じりを調整した後に固定するための捻じり固定具36が設けられている。さらに、図示していないが、パイプ35内には部分的もしくは全体的に光ファイバーセンサ8のガイドを設けてもよい。
【0091】
この構成により、パイプ35に光ファイバーセンサ8を通した後、一方のコネクタ34を回転することによって、光ファイバーセンサ8の全長に亘る捻じり数を容易に決定できる。したがって、捻じりに起因する光ファイバーの絡みを防止することができ、実装が容易になると共に、実装段階において容易に捻じり数を調整でき、光ファイバー中に誘起されて不均一性の原因となる直線複屈折の影響を、適切な捻じり応力による光の旋光によって適切に抑制することができる。
【0092】
以上のように、本実施の形態によれば、光ファイバーセンサ8のコア部30からコーティング層32までの部分に捻じり応力を加え、この光ファイバーセンサ8の両端を固定すると共に、その外側にパイプ35を設けることにより、非常に取り扱い易く、光ファイバーセンサ8自体の劣化を防止でき、しかも、実装段階で容易に調整可能な、高精度の光ファイバー電流計測器を実現できる。
【0093】
なお、必ずしもコア部30からコーティング層32までの部分全体に捻じり応力を加える必要はなく、少なくともコア部30に捻じり応力を加えることにより、同様に優れた効果を得ることができるものである。また、光ファイバーセンサ8の両端を固定する手段は、コネクタ34や捻じり固定具36等の構成に限定されるものではなく、その具体的な構成は適宜選択可能であり、また、パイプ35の具体的な構成も適宜選択可能である。
【0094】
[8.他の実施の形態]
なお、本発明は、前記の実施の形態に限定されるものではなく、他にも本発明の範囲内で多種多様の変形例を実施可能である。例えば、前記の実施の形態において説明したように、本発明は、特に、光ファイバー電流計測器に有効であり、長期信頼性を考えれば、さらに電力系統用に好適であるが、他の各種の光ファイバー応用計測器にも同様に適用可能であり、同様に優れた効果を得られるものである。
【0095】
また、前記の実施の形態においては、光ファイバーセンサとして、特に、石英ファイバーを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば鉛ガラス等の、他の各種の材質の光ファイバーを適用可能であり、そのような場合にも、前記の実施の形態と同等な効果が得られる。とりわけ、前記(1)式で述べた機械的寿命の条件は、あらゆる光ファイバーセンサについて成り立つものであり、捻じりの有無に係らず、機械的応力に関してこの条件で光ファイバー寿命ts ≧25年を満足する光ファイバーパラメータを用い、電力系統用あるいは他の用途に応用した場合には、それらの応用は全て本発明の範囲内である。
【0096】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光ファイバーセンサ用の光ファイバーに旋光性を持たせることにより、光ファイバー内の光に対する均質性を向上することができるので、高精度な測定が可能な光ファイバー応用計測器を提供することができる。特に、光ファイバーに適切な捻じりを加えることにより、高精度な測定が可能でしかも長期信頼性に優れた光ファイバー応用計測器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1の実施の形態に係る光ファイバー電流計測器を示す構成図。
【図2】図1の光ファイバーセンサの詳細を示す説明図。
【図3】本発明による第2の実施の形態に係る光ファイバーセンサの捻じり率と寿命との関係を示すグラフ。
【図4】本発明による第3の実施の形態に係る光ファイバーセンサのファイバー全長に亘る捻じり数と複屈折量との関係を示すグラフ。
【図5】本発明による第4の実施の形態に係る光ファイバーセンサの曲げ直径と単位長さ当りの複屈折量との関係を示すグラフ。
【図6】本発明による第6の実施の形態に係る光ファイバーセンサの詳細を示す説明図。
【図7】本発明による第7の実施の形態に係る光ファイバーセンサの詳細を示す説明図。
【図8】従来の光ファイバー電流計測器の一例を示す構成図。
【符号の説明】
4…被測定導体
8…光ファイバーセンサ
9…センサ光学部
10…信号処理部
11…伝送用ファイバー部
18a…結合光学部
18b…光ファイバーセンサ部
30…コア部
31…クラッド層
32…コーティング層
33…外部コーティング層
34…コネクタ
35…パイプ
36…捻じり固定具
Claims (7)
- 被測定対象物の近くに配置された光ファイバーセンサと、測定用の光を発生して前記センサに送る光源と、前記センサからの出射光を検出する検出器と、前記センサと光源及び検出器とを光学的に結合する結合光学系と、前記検出器からの信号を処理する信号処理部とを備え、
前記光ファイバーセンサ用の光ファイバーとして、磁界がない状態でも常に旋光性を有する光ファイバーを用いており、光の特性の変化により物理量を計測する光ファイバー応用計測器において、
前記光ファイバーセンサ用の光ファイバーのクラッド外径を2r(μm)、前記被測定対象物の周りにおけるこの光ファイバーの巻き数をm(回)とした場合に、この光ファイバーに対して実装段階に加える捻じり率n t (回/m)が、
n t ≦(125/2r)(8.0−log 10 m)
を満足する値であることを特徴とする光ファイバー応用計測器。 - 前記光ファイバーセンサ用の光ファイバー全長が有する複屈折量が、捻じり数と複屈折量との関係によって0°近傍と極値近傍のいずれか一方の値を持つように、捻じり数を設定したことを特徴とする請求項1記載の光ファイバー応用計測器。
- 前記光ファイバーセンサに入射する光の偏波面の方向が、光ファイバーが配置されている面に対して、+45°、+135°、−45°、もしくは−135°の近傍となるようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバー応用計測器。
- 前記光ファイバーセンサ用の光ファイバーとして石英ファイバーを用い、この光ファイバー全長に亘る捻じり数N(回)が、
3.5M−1≦N≦3.5M+1 (Mは0以外の整数)
を満足する値であることを特徴とする請求項2又は3記載の光ファイバー応用計測器。 - 前記光ファイバーセンサ用の光ファイバーとして石英ファイバーを用い、この光ファイバー全長に亘る捻じり数N(回)が、
|N|=1.75+3.5M (Mは正の整数)
を満足する値の±1以内の値であることを特徴とする請求項2記載の光ファイバー応用計測器。 - 前記光ファイバーセンサ用の光ファイバーの平均曲げ半径をR(m)、前記被測定対象物の周りにおけるこの光ファイバーの巻き数をm、光の波長をλとした場合に、この光ファイバーのクラッド外径2r(μm)が、
(r/62.5)2 ≦(80/2mπR/3.8)(R/0.25)2 (λ/0.8)
を満足する値であることを特徴とする請求項1から5までのいずれか一つに記載の光ファイバー応用計測器。 - 前記光ファイバーセンサ用の光ファイバーの平均曲げ半径をR(m)、前記被測定対象物の周りにおけるこの光ファイバーの巻き数をmとした場合に、この光ファイバーのクラッド外径2r(μm)が、
2r/125≦(8.0−log10m)×2mπR/3.5
を満足する値であることを特徴とする請求項1から6までのいずれか一つに記載の光ファイバー応用計測器。
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