JP2008232246A - 産業車両用変速機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この変速機は、入力軸2と、それぞれ複数段の変速段を有する第1及び第2変速機構3,4と、第2変速機構4と、クラッチ機構5と、回転方向切換機構6と、出力軸7と、を備えている。クラッチ機構5は、第1及び第2変速機構3,4の入力側に配置され、前後進を切り換えるための前進用クラッチF及び後進用クラッチRと、第1及び第2変速機構3,4のいずれにエンジン側からの回転を入力するかを選択するための第1及び第2スナップクラッチSC1,SC2と、を含む。回転方向切換機構6は、前後進の切換に応じて、第1変速機構3又は第2変速機構4への入力回転方向を、前進用回転方向又は後進用回転方向に切り換えるための機構である。出力軸7は第1及び第2変速機構3,4からの回転が入力されて出力する。
【選択図】図3
Description
入力軸(回転方向:第1方向)→第1クラッチ対(第1方向)→第3ギア列(第2方向=前進)→第1変速機構
<前進時第2変速機構への入力:第2スナップクラッチ・オン>
入力軸(第1方向)→第1クラッチ対(前進用クラッチ:第1方向)→第2ギア列(第2方向)→第2クラッチ対(第2方向=前進)→第2変速機構
以上のようにして、第1変速機構及び第2変速機構に第2方向(前進方向)の回転が伝達される。
入力軸(第1方向)→第1ギア列(第1方向)→第2クラッチ対(後進用クラッチ:第1方向)→第2ギア列(第2方向)→第1クラッチ対(第1スナップクラッチ:第2方向)→第3ギア列(第1方向=後進)→第1変速機構
<後進時第2変速機構への入力:第2スナップクラッチ・オン>
入力軸(第1方向)→第1ギア列(第1方向)→第2クラッチ対(後進用クラッチ+第2スナップクラッチ:第1方向=後進)→第2変速機構
以上のようにして、第1変速機構及び第2変速機構に第1方向(後進方向)の回転が伝達される。
図1に本発明の一実施形態による変速機の展開断面構成を、図2にその後方から見た概略の軸等の配置図を示している。また、図3に本変速機のスケルトン図を示す。さらに、図4に変速機構部分のみを取り出した模式図を示す。
メインクラッチ1は、油圧式のクラッチであり、クラッチ油圧を制御することによってクラッチ容量を制御することが可能である。このメインクラッチ1は、入力側の部材1aがエンジン側の部材に連結されており、出力側の部材1bが入力軸2に連結されている。なお、メインクラッチ1の入力側の部材1aには、補機類を駆動するためのパワーテイクオフ機構(図示せず)が連結されている。
入力軸2は変速機のハウジング10に対して1対の軸受によって回転自在に支持されている。この入力軸2の先端部には、メインクラッチ1の出力側部材1bがスプライン結合されるとともに、メインクラッチ1の入力側部材1aが軸受を介して回転自在に支持されている。
第1変速機構3は、10段の変速段のうちの奇数段(1&3速,5速,7&9速)が選択されたときに回転が入力されるものであり、第1変速軸12と、第1速・第3速用(以下、1&3速)ドライブギア13と、第5速用(以下、5速)ドライブギア14と、第7速・第9速用(以下、7&9速)ドライブギア15と、減速用ギア16と、を有し、さらに第1〜第3ドグクラッチC1,C2,C3を有している。
第2変速機構4は、10段の変速段のうちの偶数段(2&4速,6速,8&10速)が選択されたときに回転が入力されるものであり、第2変速軸20と、第2速・第4速用(以下、2&4速)ドライブギア21と、第6速用(以下、6速)ドライブギア22と、第8速・第10速用(以下、8&10速)ドライブギア23と、を有し、さらに第4〜第6ドグクラッチC4,C5,C6を有している。
変速用アイドル軸8は、各変速軸12,20と同様に、ハウジング10に対して1対の軸受によって回転自在に支持されている。また、図2から明らかなように、変速用アイドル軸8は、第1及び第2変速軸12,20の下方でこれらの軸12,20と平行に、かつ入力軸2と同じ鉛直線上に配置されている。この変速用アイドル軸8には、第1及び第2変速機構3,4に設けられた各ドライブギアに噛み合うドリブンギアと、第7及び第8ドグクラッチC7,C8とが設けられている。より詳細には、変速用アイドル軸8には、エンジン側から順に、第1〜第5ドリブンギア26,27,28,29,30がそれぞれ軸受を介して回転自在に支持されている。なお、第1ドリブンギア26と第2ドリブンギア27とは互いに一体的に回転するように、また第4ドリブンギア29と第5ドリブンギア30とは互いに一体的に回転するように構成されている。そして、第1ドリブンギア26は7&9速ドライブギア15に、第2ドリブンギア27は2&4速ドライブギア21に、第3ドリブンギア28は5速ドライブギア14及び6速ドライブギア22に、第4ドリブンギア29は1&3速ドライブギア13に、第5ドリブンギア30は8&10速ドライブギア23に、それぞれ常時噛み合っている。
出力用アイドル軸9は、他の軸と同様に、ハウジング10に対して1対の軸受によって回転自在に支持されている。また、出力用アイドル軸9は、図2から明らかなように、変速用アイドル軸8の下方で変速用アイドル軸8と平行に、かつ後方から見て左側(第2変速軸20)側に偏倚して配置されている。この出力用アイドル軸9には、第1及び第2出力用アイドルギア35,36が固定されている。そして、第1出力用アイドルギア35は変速用アイドル軸8の第3ドリブンギア28と噛み合っている。
出力軸7は、他の軸と同様に、ハウジング10に対して1対の軸受によって回転自在に支持されており、その両端にはアクスル側の部材に連結される出力フランジ40,41が装着されている。また、出力軸7は、図2から明らかなように、出力用アイドル軸9の下方で各軸と平行に、かつ入力軸2及び第2変速軸20と同じ鉛直線上に配置されている。この出力軸7には、出力ギア42が固定されており、この出力ギア42は出力用アイドル軸9の第2出力用アイドルギア36と噛み合っている。
クラッチ機構5は、入力軸2と同軸上に配置された第1クラッチ対5Fと、第2変速機構4の第2変速軸20と同軸上に配置された第2クラッチ対5Rと、を有している。
図3から明らかなように、第1クラッチ対5Fは、前進走行時にオン(動力伝達状態)となる前進用クラッチFと、第1変速機構3に回転を伝達するための第1スナップクラッチSC1とを有している。なお、前進用クラッチF及び第1スナップクラッチSC1はともに油圧式多板クラッチであり、互いに同軸上に配置されている。
図3から明らかなように、第2クラッチ対5Rは、後進走行時にオン(動力伝達状態)となる後進用クラッチRと、第2変速機構4に回転を伝達するための第2スナップクラッチSC2とを有している。なお、後進用クラッチR及び第2スナップクラッチSC2はともに油圧式多板クラッチであり、互いに同軸上に配置されている。
回転方向切換機構6は、クラッチ機構5での前後進の切換に応じて、第1変速機構3又は第2変速機構4への入力回転方向を、前進用回転方向又は後進用回転方向とするための機構である。この回転方向切換機構6は、図3に示すように、第1クラッチ対5F及び第2クラッチ対5Rに同方向の回転を入力するための第1ギア列52と、第1クラッチ対5F及び第2クラッチ対5Rの互いの出力回転を逆方向にして相手側に伝達するための第2ギア列53と、第1クラッチ対5Fの出力の回転方向を逆方向にして第1変速機構3に入力する第3ギア列54と、を有している。
次に、以上のように構成された変速機の動力伝達経路について説明する。まず、各変速段において共通の経路、すなわち、入力軸2から各変速機構3,4に至るまでの動力伝達経路について説明する。
前進用クラッチF及び第1スナップクラッチSC1がオン(後進用クラッチR及び第2スナップクラッチSC2はオフ)の場合は、入力軸2からの回転は前進用クラッチF及び第1スナップクラッチSC1を介して中間ギア46に伝達され、さらにこの中間ギア46と噛み合う減速ギア16を介して第1変速機構3の第1変速軸12に入力される。
前進用クラッチF及び第2スナップクラッチSC2がオン(後進用クラッチR及び第1スナップクラッチSC1はオフ)の場合は、入力軸2からの回転は前進用クラッチF及び第2スナップクラッチSC2を介してクラッチ軸48に伝達され、このクラッチ軸48とスプライン結合している第2変速機構4の第1変速軸20に入力される。
後進用クラッチR及び第1スナップクラッチSC1がオン(前進用クラッチF及び第2スナップクラッチSC2はオフ)の場合は、入力軸2からの回転は前進用入力ギアFG、アイドルギアIG及び後進用入力ギアRGを介して後進用クラッチRに入力される。そして、後進用クラッチRの回転は、両クラッチケースギア47,50の噛み合いを介して第1スナップクラッチSC1に入力される。この回転は、中間ギア46に伝達され、さらにこの中間ギア46と噛み合う減速ギア16を介して第1変速機構3の第1変速軸12に入力される。
後進用クラッチR及び第2スナップクラッチSC2がオン(前進用クラッチF及び第1スナップクラッチSC1はオフ)の場合は、入力軸2からの回転は前進用入力ギアFG、アイドルギアIG及び後進用入力ギアRGを介して後進用クラッチRに入力される。そして、後進用クラッチRの回転は、第2スナップクラッチSC2を介してクラッチ軸48及び第2変速機構4の第2変速軸20に入力される。
以上のようにして第1又は第2変速機構3,4に入力された回転は、各変速段においては以下のようにして変速される。
前進第1速の場合は、前進用クラッチF及び第1スナップクラッチSC1がオンされ、後進用クラッチR及び第2スナップクラッチSC2がオフされる。この場合は、前述のように、第2方向の回転が第1変速軸12に入力される。また、前進第1速では、図5Aに示すように、各ドグクラッチは以下の部材間をオン(連結)するように制御される。
第2ドグクラッチC2:5速ドライブギア14+7&9速ドライブギア15
第4ドグクラッチC4:第2変速軸20+2&4速ドライブギア21
第5ドグクラッチC5:6速ドライブギア22+8&10速ドライブギア23
他のドグクラッチ:オフ
ここでは、第1変速軸12に入力された回転は、以下の経路により変速用アイドル軸8に伝達される。図5Aでは動力伝達経路を実線で示している。また、この場合の第2変速機構4側の回転伝達経路を点線で示している。この点線で示す経路は第2速の回転伝達経路であり、プリシフトされていることを示している。
<前進第2速>
前進第2速の場合は、前進用クラッチF及び第2スナップクラッチSC2がオンされ、後進用クラッチR及び第1スナップクラッチSC1がオフされる。この場合は、前述のように、第2方向の回転が第2変速軸20に入力される。また、前進第2速では、図5Bに示すように、各ドグクラッチは以下の部材間をオン(連結)するように制御される。
第2ドグクラッチC2:5速ドライブギア14+7&9速ドライブギア15
第4ドグクラッチC4:第2変速軸20+2&4速ドライブギア21
第8ドグクラッチC8:第4ドリブンギア29+変速用アイドル軸8
他のドグクラッチ:オフ
ここでは、第2変速軸20に入力された回転は、以下の経路により変速用アイドル軸8に伝達される。図5Bでは動力伝達経路を実線で示している。また、この場合の第1変速機構3側の回転伝達経路を点線で示している。この点線で示す経路は第3速の回転伝達経路であり、プリシフトされていることを示している。
<前進第3速>
前進第3速の場合は、前進用クラッチF及び第1スナップクラッチSC1がオンされ、後進用クラッチR及び第2スナップクラッチSC2がオフされる。この場合は、前述のように、第2方向の回転が第1変速軸12に入力される。また、前進第3速では、図5Cに示すように、各ドグクラッチは以下の部材間をオン(連結)するように制御される。
第4ドグクラッチC4:第2変速軸20+2&4速ドライブギア21
第7ドグクラッチC7:第2ドリブンギア27+変速用アイドル軸8
第8ドグクラッチC8:第4ドリブンギア29+変速用アイドル軸8
他のドグクラッチ:オフ
ここでは、第1変速軸12に入力された回転は、以下の経路により変速用アイドル軸8に伝達される。図5Cでは動力伝達経路を実線で示している。また、この場合の第2変速機構4側の回転伝達経路を点線で示している。この点線で示す経路は第4速の回転伝達経路であり、プリシフトされていることを示している。
<前進第4速>
前進第4速の場合は、前進用クラッチF及び第2スナップクラッチSC2がオンされ、後進用クラッチR及び第1スナップクラッチSC1がオフされる。この場合は、前述のように、第2方向の回転が第2変速軸20に入力される。また、前進第4速では、図5Dに示すように、各ドグクラッチは以下の部材間をオン(連結)するように制御される。
第4ドグクラッチC4:第2変速軸20+2&4速ドライブギア21
第7ドグクラッチC7:第2ドリブンギア27+変速用アイドル軸8
他のドグクラッチ:オフ
ここでは、第2変速軸20に入力された回転は、以下の経路により変速用アイドル軸8に伝達される。図5Dでは動力伝達経路を実線で示している。また、この場合の第1変速機構3側の回転伝達経路を点線で示している。この点線で示す経路は第5速の回転伝達経路であり、プリシフトされていることを示している。
<前進第5速>
前進第5速の場合は、前進用クラッチF及び第1スナップクラッチSC1がオンされ、後進用クラッチR及び第2スナップクラッチSC2がオフされる。この場合は、前述のように、第2方向の回転が第1変速軸12に入力される。また、前進第5速では、図5Eに示すように、各ドグクラッチは以下の部材間をオン(連結)するように制御される。
第5ドグクラッチC5:第2変速軸20+6速ドライブギア22
他のドグクラッチ:オフ
ここでは、第1変速軸12に入力された回転は、以下の経路により変速用アイドル軸8に伝達される。図5Eでは動力伝達経路を実線で示している。また、この場合の第2変速機構4側の回転伝達経路を点線で示している。この点線で示す経路は第6速の回転伝達経路であり、プリシフトされていることを示している。
<前進第6速>
前進第6速の場合は、前進用クラッチF及び第2スナップクラッチSC2がオンされ、後進用クラッチR及び第1スナップクラッチSC1がオフされる。この場合は、前述のように、第2方向の回転が第2変速軸20に入力される。また、前進第6速では、図5Fに示すように、各ドグクラッチは以下の部材間をオン(連結)するように制御される。
第5ドグクラッチC5:第2変速軸20+6速ドライブギア22
第7ドグクラッチC7:第1及び第2ドリブンギア26,27+変速用アイドル軸8
他のドグクラッチ:オフ
ここでは、第2変速軸20に入力された回転は、以下の経路により変速用アイドル軸8に伝達される。図5Fでは動力伝達経路を実線で示している。また、この場合の第1変速機構3側の回転伝達経路を点線で示している。この点線で示す経路は第7速の回転伝達経路であり、プリシフトされていることを示している。
<前進第7速>
前進第7速の場合は、前進用クラッチF及び第1スナップクラッチSC1がオンされ、後進用クラッチR及び第2スナップクラッチSC2がオフされる。この場合は、前述のように、第2方向の回転が第1変速軸12に入力される。また、前進第7速では、図5Gに示すように、各ドグクラッチは以下の部材間をオン(連結)するように制御される。
第6ドグクラッチC6:第2変速軸20+8&10速ドライブギア23
第7ドグクラッチC7:第1及び第2ドリブンギア26,27+変速用アイドル軸8
他のドグクラッチ:オフ
ここでは、第1変速軸12に入力された回転は、以下の経路により変速用アイドル軸8に伝達される。図5Gでは動力伝達経路を実線で示している。また、この場合の第2変速機構4側の回転伝達経路を点線で示している。この点線で示す経路は第8速の回転伝達経路であり、プリシフトされていることを示している。
<前進第8速>
前進第8速の場合は、前進用クラッチF及び第2スナップクラッチSC2がオンされ、後進用クラッチR及び第1スナップクラッチSC1がオフされる。この場合は、前述のように、第2方向の回転が第2変速軸20に入力される。また、前進第8速では、図5Hに示すように、各ドグクラッチは以下の部材間をオン(連結)するように制御される。
第4ドグクラッチC4:2&4速ドライブギア21+6速ドライブギア22
第6ドグクラッチC6:第2変速軸20+8&10速ドライブギア23
第8ドグクラッチC8:第4及び第5ドリブンギア29,30+変速用アイドル軸8
他のドグクラッチ:オフ
ここでは、第2変速軸20に入力された回転は、以下の経路により変速用アイドル軸8に伝達される。図5Hでは動力伝達経路を実線で示している。この場合の第1変速機構3側の回転伝達経路を点線で示している。この点線で示す経路は第9速の回転伝達経路であり、プリシフトされていることを示している。
<前進第9速>
前進第9速の場合は、前進用クラッチF及び第1スナップクラッチSC1がオンされ、後進用クラッチR及び第2スナップクラッチSC2がオフされる。この場合は、前述のように、第2方向の回転が第1変速軸12に入力される。また、前進第9速では、図5Iに示すように、各ドグクラッチは以下の部材間をオン(連結)するように制御される。
第3ドグクラッチC3:第1変速軸12+7&9速ドライブギア15
第4ドグクラッチC4:2&4速ドライブギア21+6速ドライブギア22
第6ドグクラッチC6:第2変速軸20+8&10速ドライブギア23
他のドグクラッチ:オフ
ここでは、第1変速軸12に入力された回転は、以下の経路により変速用アイドル軸8に伝達される。図5Iでは動力伝達経路を実線で示している。また、この場合の第2変速機構4側の回転伝達経路を点線で示している。この点線で示す経路は第10速の回転伝達経路であり、プリシフトされていることを示している。
<前進第10速>
前進第10速の場合は、前進用クラッチF及び第2スナップクラッチSC2がオンされ、後進用クラッチR及び第1スナップクラッチSC1がオフされる。この場合は、前述のように、第2方向の回転が第2変速軸20に入力される。また、前進第10速では、各ドグクラッチのオン、オフは前進第9速の場合と同様である。
<後進第1速〜第10速>
後進の場合は、前進用クラッチFをオフし、後進用クラッチRをオンすることが前進の場合と異なる。したがって、後進の場合は、第1変速軸12及び第2変速軸20に前進とは逆方向の回転が入力されるが、各速度段でのドグクラッチの制御や動力の伝達経路は前進の各変速段の場合と全く同様である。
以上のようにして各変速段において変速用アイドル軸8に出力された回転は、変速用アイドル軸8の第3ドリブンギア28に噛み合う第1出力用アイドルギア35、出力用アイドル軸9及び第2出力用アイドルギア36を介して出力ギア42に伝達され、さらに出力軸7及び出力フランジ40,41を介してアクスルに出力される。
本実施形態では、前述のように、奇数段の変速段については第1変速機構3に回転を入力し、偶数段の変速段については第2変速機構4に回転を入力するようにしている。そして、1段ずつ変速していく際に、次の変速段側を担当する変速機構においてプリシフトを行うとともに、さらに次の変速段に変速する際にシンクロ機構24を用いてドグクラッチの噛み合いがスムーズに行えるようにしている。
この装置では、前後進切換用の1対のクラッチF,R及び2つのスナップクラッチSC1,SC2を変速機構の前段に設けることによって、1組の変速機構3,4を用いて前進走行時及び後進走行時の両方において10段の変速段を得ることができる。
(a)前記実施形態では、前後進10段を例にとって説明したが、変速段数はこの実施形態に限定されるものではない。
2 入力軸
3 第1変速機構
4 第2変速機構
5F 第1クラッチ対
5R 第2クラッチ対
6 回転方向切換機構
7 出力軸
8 変速用アイドル軸
12 第1変速軸
20 第2変速軸
C1〜C8 ドグクラッチ
F 前進用クラッチ
R 後進用クラッチ
Claims (5)
- 前進及び後進において多段変速が可能であり、エンジン側からの回転を変速して出力する産業車両用変速機であって、
エンジン側からの回転が入力される入力軸と、
前記入力軸からの回転を複数段の間で変速するための第1変速機構と、
前記第1変速機構に併設され、前記入力軸からの回転を複数段の間で変速するための第2変速機構と、
前記第1及び第2変速機構の入力側に配置され、前後進切換用の前進用クラッチ及び後進用クラッチと、前記第1変速機構にエンジンからの回転を入力するための第1スナップクラッチ及び前記第2変速機構にエンジンからの回転を入力するための第2スナップクラッチと、を含むクラッチ機構と、
前記前進用クラッチ及び前記後進用クラッチでの前後進の切換に応じて、前記第1変速機構又は前記第2変速機構への入力回転方向を、前進用回転方向又は後進用回転方向に切り換えるための回転方向切換機構と、
前記第1及び第2変速機構からの回転が入力されて出力する出力軸と、
を備えた産業車両用変速機。 - 前記前進用クラッチ及び前記後進用クラッチの一方と、前記第1スナップクラッチ及び前記第2スナップクラッチの一方とは、第1クラッチ対として同軸上に配置され、
前記前進用クラッチ及び前記後進用クラッチの他方と、前記第1スナップクラッチ及び前記第2スナップクラッチの他方とは、第2クラッチ対として同軸上に配置されている、
請求項1に記載の産業車両用変速機。 - 前記第1及び第2変速機構はそれぞれ前記入力軸と平行に配置された第1,第2変速軸を有しており、
前記第1及び第2クラッチ対の一方は前記入力軸と同軸上に配置され、
前記第1及び第2クラッチ対の他方は前記第1変速軸及び前記第2変速軸の一方と同軸上に配置されている、
請求項2に記載の産業車両用変速機。 - 前記回転方向切換機構は、
前記第1クラッチ対及び前記第2クラッチ対に同方向の回転を入力するための第1ギア列と、
前記第1クラッチ対及び前記第2クラッチ対の互いの出力回転を逆回転にして相手側に伝達するための第2ギア列と、
前記第1及び第2クラッチ対のうちの前記入力軸と同軸上に配置されたクラッチ対の出力の回転方向を逆方向にして前記第1及び第2クラッチ対と同軸上にない変速機構に入力する第3ギア列と、
を有している、請求項3に記載の産業車両用変速機。 - エンジンと前記クラッチ機構との間に設けられ、前記エンジンからの回転を前記入力軸に伝達するためのメインクラッチ装置をさらに備えた、請求項1から4のいずれかに記載の産業車両用変速機。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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