JP2008231514A - 表面処理銅箔の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境負荷が低く、耐薬品性を備えた粗化表面処理銅箔の製造方法を提供する。
【解決手段】銅電解液中に下記の化学構造の化合物を添加する表面処理銅箔の製造方法。

(式中、Rは炭素数2以下のアルキル基、Rはアミノ基、フェニルアゾ基のいずれかである。)
【選択図】なし

Description

本発明は、表面処理銅箔の製造方法に関するものであり、特に銅箔表面へ銅粒の析出物を形成することにより粗面化し、基材との接着特性を向上させる銅箔の表面処理技術に関する。
従来より、表面処理銅箔は、広く電気、電子産業の分野で用いられるプリント配線板製造の基礎材料として用いられてきた。一般に、表面処理銅箔はガラス−エポキシ系基材、フェノール系基材、ポリイミド等の高分子絶縁材料からなる基材と、熱間プレス成形にて張り合わせることにより銅張積層板とし、プリント配線板製造に用いられている。
このように表面処理銅箔は種々の基材と張り合わせて使用されるものであるが、この基材との接着特性が良好であることが表面処理銅箔には要求される。この基材との接着特性を付与するために、次のような表面処理技術が用いられている。
一般的な表面処理銅箔は、まず、電解銅箔や圧延銅箔を準備し、その銅箔の表面を粗面化する粗化処理や、各種の防錆処理などを施して製造される。この粗化処理とは、通常、硫酸性の銅電解液に銅箔を浸漬し、銅箔を陰極とすることで、その銅箔表面に、コブ状或いは粒状の銅を析出させ、銅箔表面を粗面化する工程である。また、防錆処理とは、亜鉛、ニッケルなどのめっき、クロメート処理を行う工程であり、この防錆処理によって表面処理銅箔の変色防止や耐熱性などの特性が付与される。また、防錆処理の後に、シランカップリング剤などを塗布することで、基材との接着をより強力にする処理も併せて行われる。
上記のような表面処理技術により製造された表面処理銅箔は、種々の基材と張り合わせて使用されることになるが、この基材との接着に関しては、いわゆる耐薬品性と総称される接着特性が要求される。この耐薬品性としては、特に耐塩酸性と耐湿性と呼ばれる特性の良好なことが強く要望される。また、TABテープなどのフレキシブルプリント配線板用の表面処理銅箔では、基材との接着面側となる表面の色調が黒色系であることも要求される。
この耐塩酸性とは、表面処理銅箔をパターンエッチングして形成した銅回路を備える基材を、所定の濃度の塩酸溶液中に一定時間浸漬した後の引き剥がし強度の劣化状態(耐塩酸劣化率として数値化:塩酸浸漬前(常態)と塩酸浸漬後の銅回路の引き剥がし強さをそれぞれ測定し、その劣化率を換算する)を評価するものであり、耐湿性とは、上記と同様な銅回路を備える基材を、沸騰したイオン交換水(純水)中に一定時間浸漬した後の引き剥がし強度の劣化状態(耐湿劣化率として数値化:沸騰水浸漬前(常態)と浸漬後の銅回路の引き剥がし強さをそれぞれ測定し、その劣化率を換算する)を評価するものである。
昨今の電子、電気機器の軽薄短小化の流れに従い、使用されるプリント配線板も軽薄短小化への移行が著しく進み、より微細な銅回路の形成が行われている。一般にプリント配線板に用いられる回路幅が微細となるほど、優れた耐塩酸性や耐湿性などの接着特性が求められる。
このような基材との接着特性の向上を図るべく、表面処理銅箔の基材との接着面側に、微細な銅を析出させる粗化処理が行われる。例えば、添加剤として砒素を含有した硫酸性の銅電解液に銅箔を浸漬し、表面処理銅箔の基材との接着面側に、針状或いは粒状の微細な銅析出物を形成させている(特許文献1、2参照)。このような粗化処理を行うことで、基材との接着特性が良好になり、特に、耐塩酸性や耐湿性が良好な表面処理銅箔とすることができる。
特開平7−202367号公報 特開2001−177205号公報
しかし、砒素のような人体に悪影響を及ぼす添加剤は、環境への配慮からその使用は望まれていない。そのため、砒素の代替添加剤として、例えば、ベンゾキノリン類を用いると、良好な耐塩酸性や耐湿性を備える表面処理銅箔が製造できることを、本出願人は提案した(特許文献3〜5参照)。特に、このベンゾキノリン類の中の9−フェニルアクリジン(以下、9PAと略称する)を用いると、微細な銅粒の形成が可能となり、非常に良好な接着特性を備えた表面処理銅箔を製造することができ、より微細な銅回路を形成させることが可能となった。
特公昭56−41196号公報 特開2001−214297号公報 特開2005−290519号公報
この9PAは、環境への負荷も少なく、非常に優れた接着特性を実現できるものである。しかしながら、9PAは、価格自体が高価であるとともに、化審法(化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律)の規制により、国内での年間生産量が1トンと制限されているため、十分な供給量を確保することが難しい。
さらに、近年においては、環境負荷に対する規制がより厳しくなっている。例えば、メーカー各社によりグリーン調達基準が設けられており、環境に影響を及ぼす化学物質の使用状況などを評価し、その物品を選択している。そのため、有害性のある化学物質等の使用は回避せざるを得なく、安全性の高い代替添加剤を見出すことが極めて重要とされている。
上述のような背景の下、本発明は、環境負荷が低く、安全性の高い表面処理銅箔であって、優れた耐薬品性を備えた表面処理銅箔を提案することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明者らは様々な有機化合物を調査した結果、染料として用いられている有機化合物の一部に、銅箔の粗化処理工程に極めて好適なものがあることを見出し、本発明を想到するに至った。本発明は、硫酸性の銅電解液に銅箔を接触して、該銅箔の表面に銅粒の析出物を形成することにより銅箔表面を粗面化する粗化処理工程を備える表面処理銅箔の製造方法において、銅電解液中に下記の化学構造を有する添加剤を含むことを特徴とするものである。
(式中、Rは炭素数2以下のアルキル基、Rはアミノ基、フェニルアゾ基のいずれかである。)
本発明における添加剤において、フェニルアゾ基は、フェニル基部分の水素原子の1つがヒドロキシル基、シアノエチル−メチル−アミノ基のいずれかにより置換されていることが好ましい。
本発明における添加剤は、銅電解液に50ppm〜200ppm含有されていることが好ましい。
また、本発明に係る表面処理銅箔の製造方法においては、銅電解液は銅濃度5g/L〜25g/L、硫酸濃度30g/L〜100g/L、塩素濃度20ppm〜100ppmであり、電流密度10A/dm〜40A/dmであることが好ましい。
本発明によれば、従来より用いられていた砒素や9PAなどの添加剤を用いた場合と同等レベルの粗化面を実現できるので、優れた耐薬品性を備えた表面処理銅箔を製造することが可能となる。そして、本発明における添加剤は、環境負荷が非常に低いため、安全性の高い表面処理銅箔を製造でき、さらに添加剤自体が安価であるとともに、その生産量規制もないため、低コストで、安定して、表面処理銅箔を市場に供給することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
本発明に係る表面処理銅箔の製造方法においては、その原材料として銅箔を用いるが、銅箔には電解銅箔或いは圧延銅箔を用いることが好ましい。これらの銅箔の製造方法や銅箔物性に関しては、特に制限はない。
以下に、電解銅箔を原材料として使用する場合を例にして、本発明を具体的に説明する。電解銅箔は、ドラム形状をした回転陰極と、その回転陰極の形状に沿って対向配置した鉛系陽極との間に、硫酸銅電解液を流し、電解反応を利用して銅を回転陰極のドラム表面に析出させ、回転陰極から連続して引き剥がして巻き取って製造される。回転陰極と接触した状態から引き剥がされた電解銅箔の面は、鏡面仕上げされた回転陰極表面の形状が転写されるため、光沢を持ち滑らかな面となることから光沢面と呼ばれる。これに対し、電解銅箔の析出面側は、析出する銅の結晶成長速度が結晶面ごとに異なるため、山形の凹凸形状となることから、粗面と呼ばれる。各種の基材との接着を行う場合、この粗面側を基材に張り合わせることが一般的に行われる。但し、場合によっては、光沢面側を基材に張り合わせることもあるため、以下に説明する表面処理は、電解銅箔の粗面、光沢面のいずれにも適用できる。なお、電解条件によっては、光沢面側よりも滑らかな性状の粗面が得られる場合がある。
この電解銅箔の表面処理として、コブ状の銅析出物を形成して基材との接着力を付与させることが行われる。電解銅箔の粗面側に、コブ状の銅析出物を形成させておくと、基材と張り合わせた際に、そのコブ状の銅析出物が基材表面に食い込む状態になり、いわゆるアンカー効果を示して、基材との接着力が向上する。このコブ状の銅析出物の形成は、公知の表面処理方法によることができる。
例えば、硫酸銅溶液中で、電解銅箔に、限界電流密度以上のいわゆるヤケめっき条件の電流を流し、粗面の山形の凹凸形状に微細な銅粒を析出付着させ、その後、平滑めっき条件の電流を流して被せメッキすることで、コブ状の銅析出物を形成する。具体的には、電解銅箔を塩酸系、硫酸系、硫酸−過酸化水素系にて酸洗処理を行い、水洗後、微細銅粒を析出付着させるヤケめっき処理を行う(以下、一段処理と称する)。この一段処理で用いる銅電解液には特に限定はないが、例えば、銅濃度5g/L〜20g/L、硫酸50g/L〜200g/L、その他必要に応じた添加剤(α−ナフトキノリン、デキストリン、ニカワ、チオ尿素等)を含む硫酸性銅電解液を用いることができ、液温15℃〜40℃、電流密度10A/dm〜50A/dmの電解条件とすることができる。
この一段処理に続き、平滑めっき条件にて銅めっきが行われる(以下、二段処理と称する)。この二段処理は、一段処理で形成した微細銅粒を被覆するように銅を均一に析出させるものでよく、用いる銅電解液には特に制限はないが、例えば、銅濃度50g/L〜80g/L、硫酸濃度50〜200g/Lの銅電解液を用いることができ、液温40℃〜50℃、電流密度5A/dm〜50A/dmの電解条件とすることができる。
このような一段処理、二段処理を行うことにより、電解銅箔の粗面側に、コブ状の銅析出物が形成される。続いて、本発明における粗化処理を行う。つまり、電解銅箔表面に形成されたコブ状析出物の上に、さらに、銅粒の析出物を形成して銅箔表面を粗面化するのである(以下、三段処理と称する)。
この三段処理の銅電解液は、下記の化学構造を有する添加剤を含むもので行う。
(式中、Rは炭素数2以下のアルキル基、Rはアミノ基、フェニルアゾ基のいずれかである。)
この化学構造を持つ添加剤は、砒素のような有害物質ではなく、かつ9PAのように生産量規制もないことから、安定して添加剤を入手することができる。そして、この添加剤を含む銅電解液による三段処理を施すことにより、砒素や9PAなどの従来から知られる添加剤で処理した場合と同等レベルの粗化処理を行うことができる。なお、上記化2で示す添加剤は、Rがエチル基の場合に、所望の効果が発揮されやすい。
上記化学構造の具体的な添加剤としては、以下のものが挙げられる。
化3で示す添加剤は、Basic Violet(3−ジエチルアミノ−7−アミノ−5−フェニルフェナジニウム塩)と呼ばれる染料である。また、化4の添加剤としては、次のものが挙げられる。
化5で示す添加剤は、C.I.No.Basic Black 2と呼ばれる染料であり、化6で示す添加剤は、C.I.No.Basic Blue 64と呼ばれる染料である。この化5及び化6の添加剤はアゾ化合物ではあるが、その分解物がアジア圏のグリーン調達基準により規制されている特定アミン(22種)には該当していない。
これらの添加剤は、銅電解液に50ppm〜200ppm含有されていることが好ましい。50ppm未満であると、表面処理銅箔表面の色調が明るくなる。200ppmを超えると、銅粒の析出量が過剰となり、いわゆるトランスファー(粉落ち)と呼ばれる銅粒の脱落現象が生じる傾向が顕著となる。なお、暗い色調、即ち、黒色の色調表面が好ましい理由は、粗化処理により微細な銅粒を析出させて、黒色の表面を有した表面処理銅箔にすることによって、良好な耐塩酸性や耐湿性を備えさせることができるからである。また、TABテープなどのフレキシブルプリント配線板用途では、ICチップとTABテープとを接合する際に、黒色の表面を有した表面処理銅箔であると、接合位置の位置決めを容易に行えるからである。さらに、トランスファーが生じると、基材に接着した表面処理銅箔をエッチングした際に、基材側に銅粒が残存し、プリント配線板等の絶縁特性に影響を及ぼすため、トランスファーが生じないことが望ましい。以上のことから、表面処理銅箔表面の色調としては、L値で30〜40であることが好ましい。
また、三段処理に用いる銅電解液は、銅濃度5g/L〜25g/L、硫酸濃度30g/L〜100g/L、塩素濃度20ppm〜100ppmであることが好ましい。銅濃度が5g/L未満になると、銅粒の析出量が低下して、表面処理銅箔表面の色調が明るくなり、25g/Lを超えると、銅粒が過剰に析出して、こちらの場合も表面処理銅箔表面の色調が明るくなる。さらに、上述した本発明における添加剤は、水に対して易溶性なので銅電解液の作製が容易に且つ安全に行える。従来から用いられている添加剤である9PAは、水に対して難溶性であるため、銅電解液を作製する際に高濃度の硫酸又は有機溶剤に溶かしてから添加する必要があったが、本発明の添加剤では水に溶解するため、危険な高濃度硫酸や表面処理に悪影響を与える蓋然性の高い有機溶剤を使用しなくても済む。
そして、三段処理の電解条件としては、電流密度10A/dm〜40A/dmであることが好ましい。10A/dm未満であると、表面処理銅箔表面の色調が明るくなり、40A/dmを超えると、トランスファー(粉落ち)と呼ばれる銅粒の脱落現象が生じる傾向となる。
上記したように電解銅箔の粗面側に一段処理から三段処理までの表面処理を行うと、コブ状析出物の上に微細な銅粒が形成される。なお、この三段処理の粗化処理工程は、上記一段処理に採用することも可能であり、また、一段処理、二段処理を行うことなく、直接、電解銅箔表面に処理することも可能である。
上記、三段処理における粗化処理工程後は、適宜、防錆処理を行うことが好ましい。この防錆処理としては、公知の防錆処理方法を採用することができるもので、表面処理銅箔の使用条件、積層させる基材種類などを考慮して、最適な防錆処理を行うことが好ましい。例えば、表面処理銅箔の変色防止、耐熱性等の特性を考慮する場合、亜鉛又は亜鉛合金めっき処理を行い、クロメート処理を行うことができる。
防錆処理の後には、シランカップリング剤を表面に付着させることが好ましい。このシランカップリング剤処理を行うと、基材との接着特性が向上する。シランカップリング剤としては、オレフィン官能性シラン、エポキシ官能性シラン、アクリル官能性シラン、アミノ官能性シラン及びメルカプト官能性シランのいずれかを選択して用いることができる。また、その処理方法は、浸漬法、シャワーリング法、噴霧法等を採用できる。
シランカップリング剤処理後は、乾燥処理を行うことによって、所望特性を備えた表面処理銅箔が製造される。この乾燥条件としては、採用する防錆処理の金属種やシランカップリング剤の種類などを考慮して、好適な温度領域を決定すればよい。
以上で説明した表面処理工程は、各処理をバッチ式で行うことも可能であるが、公知の表面処理機を用いて連続的に行うことが好ましい。例えば、各処理槽中に、ロール状に巻き取られた電解銅箔を蛇行走行させることができる表面処理機を使用することができる。
続いて、本発明の実施例について説明する。この実施例1では、上記化6で示す添加剤(C.I.No.Basic Blue 64)を用いた場合を例とする。
銅箔は、厚み12μm、三井金属鉱業社製VLP箔(析離箔)を使用し、その光沢面側に以下に示す各表面処理を施して、ガラスエポキシ基材(FR−4)に積層させた後、その引き剥がし強度を測定した。
表面処理は、一段処理、二段処理、三段処理を行い、Ni−Zn合金めっきからなる防錆処理、クロメート処理、シランカップリング剤処理、乾燥処理を行った。各処理条件は、以下の通りである。なお、各処理の間には、適宜、洗浄を行った。
一段処理:銅濃度 8g/L
硫酸濃度 90g/L
塩素濃度 50ppm
浴温 30℃
電流密度 20A/dm
処理時間 5秒間
二段処理:銅濃度 80g/L
硫酸濃度 190g/L
浴温 45℃
電流密度 5A/dm
処理時間 60秒間
三段処理:銅濃度 18g/L
硫酸濃度 65g/L
塩素濃度 30ppm
添加剤濃度 50、100、130、200、250ppm
浴温 30℃
電流密度 20A/dm
処理時間 2秒間
防錆処理:ニッケル−亜鉛合金めっき
ニッケル濃度 3.8g/L
亜鉛濃度 0.7g/L
浴温 30℃
電流密度 1A/dm
処理時間 5秒間
クロメート処理:
クロム濃度 1g/L
浴温 30℃
電流密度 1A/dm
処理時間 5秒間
シランカップリング剤処理:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
シラン濃度 5g/L
浸漬時間 20秒間
乾燥処理:熱風乾燥
乾燥温度 180℃
乾燥時間 10秒間
上記方法により製造した表面処理銅箔は、常態引き剥がし強度、耐塩酸性、耐湿性の測定を行うことにより、基材との接着特性を調査した。基材は、厚み1mmのFR−4を用い、プレス条件を30kgf/cm、180℃、1時間として銅張積層板を形成し、フォトリソグラフィ法により、10mm幅回路、0.8mm幅回路、0.2mm幅回路をそれぞれ形成して測定した。各評価方法の条件は次の通りである。
常態引き剥がし強度:10mm幅回路を、ピール強度測定機を用い、JIS規格C6481に準拠して測定した。
耐塩酸性:耐塩酸劣化率を算出することにより行った。この耐塩酸劣化率は、0.2mm幅回路、0.8mm幅回路を形成した評価基板を、塩酸:水=1:1の溶液(室温)に、1時間浸漬し、水洗、乾燥後、上記常態引き剥がし強度測定と同様にして、その劣化後の引き剥がし強度を測定した。そして、予め、塩酸溶液浸漬前に測定した引き剥がし強度値と浸漬後の引き剥がし強度値とから、その強度値の低下割合(%)を算出した。
耐湿性:耐湿劣化率を算出することにより行った。この耐湿劣化率は、0.8mm幅回路を形成した評価基板を、沸騰したイオン交換水(純水)に2時間浸漬し、水洗、乾燥後、上記常態引き剥がし強度測定と同様にして、その劣化後の引き剥がし強度を測定した。そして、予め、沸騰水浸漬前に測定した引き剥がし強度値と浸漬後の引き剥がし強度値とから、その強度値の低下割合(%)を算出した。評価結果を表1に示す。
この実施例2では、上記化5で示す添加剤(C.I.No.Basic Black 2)を用いた場合を例とする。使用銅箔、各表面処理工程、評価に関しては、添加剤を変更した以外は上記実施例1の場合と同様にした。評価結果を表2に示す。
この実施例3では、上記化3で示す添加剤(Basic Violet)を用いた場合を例とする。使用銅箔、各表面処理工程、評価に関しては、添加剤を変更した以外は上記実施例1の場合と同様にした。評価結果を表3に示す。
参考例1:この参考例1では、9PAを添加剤として用いた場合を例とする。使用銅箔、各表面処理工程、評価に関しては、基本的に上記実施例1の場合と同様にした。但し、三段処理については、銅濃度を8g/L、9PA濃度を130ppm、電流密度を20A/dmとした。評価結果を表4に示す。
また、上記実施例1〜実施例3において、三段処理の電流密度を20A/dm、25A/dm、30A/dmの3条件により表面処理銅箔を作製し、その表面の色調、トランスファー(粉落ち)を調べた。色調の測定は、分光式色差計(日本電色工業(株)社製:SE2000)を用い、JIS規格Z8722に準拠して行った。なお、表面処理銅箔の表面性状を特定する場合、通常、JIS B 0601に規定される表面粗さ計を用い、その表面粗さを測定することが行われるが、上記した粗化処理により形成される銅粒は極めて微細なため、表面粗さ計の測定精度では、その表面性状の相違を測定できない。そのため、表面粗さの二次的な指標として、色調を採用したものである。また、トランスファーの調査は、引き剥がし強度測定後の試験片について、銅回路が剥離された基材表面を目視にて観察し、銅粒が残存しているか否かを確認することで行った。色調、トランスファーの調査結果を表5に示す。
表1〜3に示したように、実施例1〜3の各添加剤による三段処理を行った表面処理銅箔は、参考例1の9PAの場合と同レベルの特性を備えていることが判明した。また、表5に示す各表面処理銅箔表面のL値を見ると、上記参考例1の表面処理銅箔における表面色調L値が33.2であったことより、各実施例の表面処理銅箔は、参考例1の9PA添加剤の場合と同じ程度であることが確認された。さらに、トランスファー結果では、実施例1及び実施例2の添加剤では、添加量が250ppmになると、粉落ちが発生して、銅回路剥離後に多数の銅粒が基材表面に残存することが判った。なお、上記参考例1の表面処理銅箔のトランスファー評価は○であった。
最後に、上記実施例1と参考例1との表面処理銅箔について、その表面状態を走査電子顕微鏡(SEM)により観察した結果を図1及び図2に示す。図1が実施例1の場合で、図2が参考例1の場合である(倍率1万倍:図中の白線スケールが2μm長さを示す)。これらの表面状態を比べたところ、実施例1の表面処理銅箔は、参考例1の9PAを用いて処理したものと、ほぼ同等の表面状態であることが確認された。
実施例1の走査型電子顕微鏡による表面形状観察像。 参考例1の走査型電子顕微鏡による表面形状観察像。

Claims (5)

  1. 硫酸性の銅電解液に銅箔を接触して、該銅箔の表面に銅粒の析出物を形成することにより銅箔表面を粗面化する粗化処理工程を備える表面処理銅箔の製造方法において、
    銅電解液中に下記の化学構造を有する添加剤を含むことを特徴とする表面処理銅箔の製造方法。
    (式中、Rは炭素数2以下のアルキル基、Rはアミノ基、フェニルアゾ基のいずれかである。)
  2. フェニルアゾ基は、フェニル基部分の水素原子の1つがヒドロキシル基、シアノエチル−メチル−アミノ基のいずれかにより置換されている請求項1に記載の表面処理銅箔の製造方法。
  3. 添加剤は、銅電解液に50ppm〜200ppm含有されている請求項1又は請求項2に記載の表面処理銅箔の製造方法。
  4. 銅電解液は銅濃度5g/L〜25g/L、硫酸濃度30g/L〜100g/L、塩素濃度20ppm〜100ppmであり、電流密度10A/dm〜40A/dmである請求項1〜請求項3いずれかに記載の表面処理銅箔の製造方法。
  5. 硫酸性の銅電解液において、
    下記の化学構造を有する添加剤を含むことを特徴とする表面処理銅箔用の銅電解液。
    (式中、Rは炭素数2以下のアルキル基、Rはアミノ基、フェニルアゾ基のいずれかである。)
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