JP2008230902A - フェライト多孔体及びその製造方法並びに電波吸収体 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェライト多孔体の製造方法において、高い気孔率と高強度とを兼ね備えたフェライト多孔体を容易に得ることができること。
【解決手段】フェライト粉末、寒天、水、分散剤をボールミルに入れて(S10)、24時間攪拌し(S11)、混合物を圧力鍋で加熱して約120℃として寒天を液状に溶解させ(S12)、界面活性剤を添加してミキサーで攪拌して泡立て(S13)、90℃のウォーターバスでさらに起泡させた(S14)後に、型に流し込んで冷却固化させ(S15)、離型して調湿乾燥機で脱水乾燥した(S16)後に、加熱炉で有機分を除去し(S17)、焼成炉でフェライトを焼成する(S18)。気孔率83.3%で、しかも高強度のフェライト多孔体2が得られる。
【選択図】図2

Description

本発明は、高い気孔率と高強度を兼ね備え、電波吸収体を構成するのに適したフェライト多孔体及びその製造方法、並びにそのフェライト多孔体を用いた電波吸収体に関するものである。
フェライトは、通常はMO・Fe23 の型の2価金属の塩をさし(Mは2価金属であり、具体的にはMn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Mg,Cd等)、フェリ磁性を示す無機化合物である。図1にM=Feの場合のフェライトの分子構造を示す。図1はM=Feの場合のフェライトの分子構造を示す模式図である。
図1に示されるように、フェライト1は逆スピネル構造をもち、4個のO原子で囲まれたA格子点(8a位置)1AにはFe3+、6個のO原子で囲まれたB格子点(16d位置)1Bには残りの同数のFe3+とFe2+が入る。超交換相互作用によって、A格子点1AのスピンとB格子点1Bのスピンは半平行に並び、差し引きFe2+のスピンの分が自発磁化に寄与する。自発磁化の強さは400〜500G(0.5〜0.6Wb/m2 )程度、キュリー温度は300〜600℃くらいのものが多い(長倉三郎他編「岩波理化学辞典(第5版)」1155頁、発行日:1998年2月20日、発行所:株式会社岩波書店)。
したがって、自発磁化を利用して、永久磁石や電磁波吸収体としての応用が可能である。特に、フェライトを電磁波吸収体として応用する場合には、成形体としての強度を維持しながら空隙率(気孔率)の大きい多孔体とすることによって、電波暗室における電波吸収体、電磁特性を有するフィルター・触媒担体としての用途にも応え得るものとなる。そこで、従来から、フェライト多孔体の製造方法についての研究開発が盛んに進められてきた。
例えば、特許文献1においては、三次元網目状のセル構造の有機多孔体にフェライトのスラリーを付着させ、乾燥した後に焼結するものであって、焼結によって有機多孔体が消滅するとともにフェライトが三次元骨格を形成するというフェライト多孔成形体の製造方法の発明について開示している。しかし、この特許文献1に係る特許出願は、出願審査請求期間中に審査請求されず、見做し取下げとなっていることから、実用的な強度を有するフェライト多孔成形体が得られないものと考えられる。
また、特許文献2においては、有機溶媒には溶解し易く水には溶解し難いショウノウ等の昇華性物質を有機溶媒に完全に溶解し、その溶解液を細孔から水中に噴出させて昇華性物質の微粒子を析出させ、湿ったままの状態でフェライト粉末に添加して混合し、成形後に焼成するフェライト多孔体の製造方法の発明について開示している。しかし、この特許文献2に係る特許出願は拒絶査定となっており、その拒絶査定の引用文献の1つである特許文献3の記載から、気孔率が約50%以下のフェライト多孔体しか得られないものと考えられる。
そこで、特許文献4においては、実用的な強度を有するとともに高い気孔率を有するフェライト多孔体を得ることを目的として、三次元網目状樹脂の表面をフェライト粘性膜で被覆し、そのフェライト粘性膜が湿潤状態の間にフェライト微粉を付着させ、その後乾燥焼成するフェライト多孔体の製造方法の発明について開示している。この製造方法によれば、付着したフェライト微粉によって表面に微小な凸部が無数に形成されるため、比表面積が大きくなり、また網目状骨格を比較的太くすることが可能となり、機械的強度が向上するとしている。
特開昭62−132783号公報 特開平5−294753号公報 特公平6−033190号公報 特開2004−115333号公報
しかしながら、上記特許文献4に記載された技術においても、三次元網目状樹脂の表面をフェライトのスラリーで被覆することには変わりがないため、焼成時に三次元網目状樹脂(実施例においては発泡ウレタン樹脂)が分解した揮発性有機化合物(VOC)が大量に発生して環境問題を引き起こし、しかも気孔率を高くするためにはフェライトのスラリーの粘性をあまり高くできないため、実用的な機械的強度の向上は望めないという問題点があった。
そこで、本発明は、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することなく環境に優しく、しかも高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備え、フェライトの電磁的特性を十分に発揮することができるフェライト多孔体及びその製造方法並びにフェライト多孔体を用いた電波吸収体を提供することを課題とする。
請求項1の発明に係るフェライト多孔体は、フェライト焼結体のみまたはフェライト焼結体と該フェライト焼結体より体積分率の小さい無機化合物からなるフェライト多孔体であって、高強度であり、かつ、開気孔率と閉気孔率とを合わせた全気孔率が75%〜85%の範囲内であるものである。
ここで、「開気孔率」とはフェライト多孔体の外部に連通している気孔の体積のフェライト多孔体の全体積に対する割合をいい、「閉気孔率」とはフェライト多孔体の外部に連通していない気孔の体積のフェライト多孔体の全体積に対する割合をいう。また、「無機化合物」としては、ホウケイ酸ガラス、ケイ酸ガラス、アルミナ、シリカ、ガラス繊維や炭素繊維等の無機化合物繊維、等がある。更に、「高強度」とは、電波暗室の床材にも使用できるほど曲げ強度等の機械的な強度が高いことをいう。
請求項2の発明に係るフェライト多孔体は、フェライト焼結体のみまたはフェライト焼結体と該フェライト焼結体より体積分率の小さい無機化合物からなるフェライト多孔体であって、開気孔率と閉気孔率とを合わせた全気孔率が前記フェライト多孔体の一方の面から他方の面に向かって連続的にまたは段階的に変化しているものである。
請求項3の発明に係るフェライト多孔体の製造方法は、フェライト粉末、寒天、水、分散剤を混合して攪拌する工程と、得られた混合物を加圧下において加熱して前記寒天を液状に溶解させる工程と、界面活性剤を添加して攪拌して泡立てて起泡溶液を得る工程と、前記起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させて成形体を得る工程と、前記成形体を離型する工程と、前記成形体を加熱炉で加熱して水分及び有機分を除去する工程と、焼成炉で前記フェライト粉末を焼結させる工程とを具備するものである。
請求項4の発明に係るフェライト多孔体の製造方法は、請求項3の構成において、前記起泡溶液中におけるフェライト粉末の割合は69.0重量%〜81.0重量%の範囲内、寒天の割合は0.28重量%〜0.42重量%の範囲内、水の割合は17.0重量%〜24.0重量%の範囲内、分散剤の割合は0.06重量%〜0.10重量%の範囲内、界面活性剤の割合は0.5重量%〜0.8重量%の範囲内であるものである。
請求項5の発明に係るフェライト多孔体の製造方法は、フェライト粉末、無機化合物繊維、寒天、水、分散剤を混合して攪拌する工程と、得られた混合物を加圧下において加熱して前記寒天を液状に溶解させる工程と、界面活性剤を添加して攪拌して泡立てて起泡溶液を得る工程と、前記起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させて成形体を得る工程と、前記成形体を離型する工程と、前記成形体を加熱炉で加熱して水分及び有機分を除去する工程と、焼成炉で前記フェライト粉末及び前記無機化合物繊維を焼結させる工程とを具備するものである。
請求項6の発明に係るフェライト多孔体の製造方法は、請求項5の構成において、前記起泡溶液中におけるフェライト粉末の割合は63.0重量%〜73.0重量%の範囲内、無機化合物繊維の割合は6.0重量%〜8.0重量%の範囲内、寒天の割合は0.28重量%〜0.42重量%の範囲内、水の割合は17.0重量%〜24.0重量%の範囲内、分散剤の割合は0.06重量%〜0.10重量%の範囲内、界面活性剤の割合は0.5重量%〜0.8重量%の範囲内であるものである。
請求項7の発明に係るフェライト多孔体の製造方法は、請求項3乃至請求項6のいずれか1つの構成において、前記成形体を加熱炉で加熱して水分及び有機分を除去する工程の代わりに、前記成形体を調湿乾燥機で脱水乾燥する工程と脱水乾燥体を加熱炉で加熱して有機分を除去する工程とを有するものである。
請求項8の発明に係るフェライト多孔体の製造方法は、請求項3乃至請求項7のいずれか1つの構成において、前記起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させて成形体を得る工程は、前記起泡溶液中の前記界面活性剤の添加量がそれぞれ異なる複数の起泡溶液を順次前記成形型に流し込んで冷却固化させては、次の起泡溶液を前記成形型に流し込んで冷却固化させる処理を繰り返してなるものである。
請求項9の発明に係るフェライト多孔体の製造方法は、請求項3乃至請求項7のいずれか1つの構成において、前記起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させて成形体を得る工程は、前記起泡溶液中の前記界面活性剤の添加量がそれぞれ異なる複数の起泡溶液を順次前記成形型に流し込んで冷却固化する直前に次の起泡溶液を前記成形型に流し込む処理を繰り返してなるものである。
請求項10の発明に係るフェライト多孔体の製造方法は、請求項3乃至請求項9のいずれか1つの構成において、前記フェライト粉末は平均粒子径が略1μm〜10μmの範囲内であるものである。
請求項11の発明に係る電波吸収体は、請求項1若しくは請求項2に記載のフェライト多孔体または請求項3乃至請求項10のいずれか1つに記載のフェライト多孔体の製造方法によって得られるフェライト多孔体を用いてなるものである。
請求項1の発明に係るフェライト多孔体は、フェライト焼結体のみまたはフェライト焼結体とフェライト焼結体より体積分率の小さい無機化合物からなるフェライト多孔体であって、高強度であり、かつ、開気孔率と閉気孔率とを合わせた全気孔率が75%〜85%の範囲内である。
ここで、「開気孔率」とはフェライト多孔体の外部に連通している気孔の体積のフェライト多孔体の全体積に対する割合をいい、「閉気孔率」とはフェライト多孔体の外部に連通していない気孔の体積のフェライト多孔体の全体積に対する割合をいう。また、「無機化合物」としては、ホウケイ酸ガラス、ケイ酸ガラス、アルミナ、シリカ、ガラス繊維や炭素繊維等の無機化合物繊維、等がある。更に、「高強度」とは、電波暗室の床材にも使用できるほど曲げ強度等の機械的な強度が高いことをいう。
開気孔率と閉気孔率とを合わせた全気孔率が75%〜85%の範囲内で、しかも電波暗室の床材にも使用できるほど曲げ強度等の機械的な強度が高いフェライト多孔体は、これまで開発されていない。本発明者らは、鋭意実験研究の結果、特殊な製造方法を用いることによって、かかる特性を有するフェライト多孔体を製造することに成功した。
かかる特性を有するフェライト多孔体は、電波吸収体として電波暗室の天井・四面の壁のみでなく床材としても用いることができる。しかも、本発明者らが発明したフェライト多孔体の製造方法は、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することのない、環境に極めて優しい製造方法である。
このようにして、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することなく環境に優しく、しかも高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備え、フェライトの電磁的特性を十分に発揮することができるフェライト多孔体となる。
請求項2の発明に係るフェライト多孔体は、フェライト焼結体のみまたはフェライト焼結体と該フェライト焼結体より体積分率の小さい無機化合物からなるフェライト多孔体であって、開気孔率と閉気孔率とを合わせた全気孔率がフェライト多孔体の一方の面から他方の面に向かって連続的にまたは段階的に変化している。
かかる全気孔率がフェライト多孔体の一方の面から他方の面に向かって連続的にまたは段階的に変化しているフェライト多孔体は、これまで製造されたことがない。本発明者らは、鋭意実験研究の結果、特殊な製造方法を用いることによって、かかる特殊な構造を有するフェライト多孔体を製造することに成功した。
このようなフェライト多孔体を用いることによって、電波暗室等に用いられる四角錐形状の電波吸収体の代わりに、平板形状または直方体形状で表面においては気孔率が高く、底面に行くにしたがって連続的にまたは段階的に気孔率が低くなっていく電波吸収体を製作すれば、四角錐形状でなく平板形状または直方体形状でも電波吸収率の高い電波吸収体となり、電波暗室等において四角錐形状の電波吸収体を用いる必要がなくなるため、製造が容易になり低コスト化することができる。
更に、このようなフェライト多孔体で強度が高いものを用いることによって、電波暗室の床面をも平板形状または直方体形状で電波吸収率の高い電波吸収体で製作することができ、容易に完全電波暗室を製作することができる。しかも、本発明者らが発明したフェライト多孔体の製造方法は、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することのない、環境に極めて優しい製造方法である。
このようにして、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することなく環境に優しく、しかも高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備え、フェライトの電磁的特性を十分に発揮することができ、四角錐形状でなく平板形状または直方体形状でも電波吸収率の高い電波吸収体となり、電波暗室等に応用することができるフェライト多孔体となる。
請求項3の発明に係るフェライト多孔体の製造方法は、フェライト粉末、寒天、水、分散剤を混合して攪拌する工程と、得られた混合物を加圧下において加熱して寒天を液状に溶解させる工程と、界面活性剤を添加して攪拌して泡立てて起泡溶液を得る工程と、起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させて成形体を得る工程と、成形体を離型する工程と、成形体を加熱炉で加熱して水分及び有機分を除去する工程と、焼成炉でフェライト粉末を焼結させる工程とを具備する。
寒天は、ごく少量で多量のフェライト粉末を均一に分散させたスラリーを生成することができるバインダーとして機能し、また約120℃で溶融するため、水溶液として大気圧下では溶解させることはできないが、加圧して約120℃まで水が沸騰しないようにして加熱することによって、水溶液とすることができる。一旦溶解して均一な水溶液となれば、水溶液の温度が120℃以下になっても70℃程度以上であれば寒天が析出することはないので、水溶液の温度を70℃程度以上に保ちながら界面活性剤を添加して攪拌することによって、水溶液の中に細かい気泡を多数生じさせることができる。
このようにして調整した起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させることによって、寒天が固化して多数の細かい気泡を内包したフェライト粉末の成形体が得られる。そこで、この成形体を成形型から離型して、成形体を加熱炉で徐々に加熱して成形体に亀裂が生じないように水分及び有機分(寒天・分散剤・界面活性剤)を除去し、焼成炉でフェライト粉末を焼結させることによって、気孔率が75%〜85%以上のフェライト多孔体を得ることができる。
ここで、フェライト多孔体は高気孔率であるが、細かい気孔が均一に分散してなるものであるため、高強度である。また、寒天はテングサを原料とする天然由来物質であるため環境を汚染することがなく、加熱炉で焼却しても環境汚染物質を生成することがなく、更に、寒天・分散剤・界面活性剤の使用量はごく少量であるため、加熱炉で焼却しても揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することがない。
このようにして、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することなく環境に優しく、しかも高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備え、フェライトの電磁的特性を十分に発揮することができるフェライト多孔体の製造方法となる。
請求項4の発明に係るフェライト多孔体の製造方法においては、起泡溶液中におけるフェライト粉末の割合が69.0重量%〜81.0重量%の範囲内、寒天の割合が0.28重量%〜0.42重量%の範囲内、水の割合が17.0重量%〜24.0重量%の範囲内、分散剤の割合が0.06重量%〜0.10重量%の範囲内、界面活性剤の割合が0.5重量%〜0.8重量%の範囲内であるものである。
本発明者らは、鋭意実験研究の結果、請求項3の発明に係るフェライト多孔体の製造方法において、起泡溶液中におけるフェライト粉末の割合が69.0重量%〜81.0重量%の範囲内、寒天の割合が0.28重量%〜0.42重量%の範囲内、水の割合が17.0重量%〜24.0重量%の範囲内、分散剤の割合が0.06重量%〜0.10重量%の範囲内、界面活性剤の割合が0.5重量%〜0.8重量%の範囲内である場合に、高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備えたフェライト多孔体が製造できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
このようにして、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することなく環境に優しく、しかも高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備え、フェライトの電磁的特性を十分に発揮することができるフェライト多孔体の製造方法となる。
請求項5の発明に係るフェライト多孔体の製造方法は、フェライト粉末、無機化合物繊維、寒天、水、分散剤を混合して攪拌する工程と、得られた混合物を加圧下において加熱して寒天を液状に溶解させる工程と、界面活性剤を添加して攪拌して泡立てて起泡溶液を得る工程と、起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させて成形体を得る工程と、成形体を離型する工程と、成形体を加熱炉で加熱して水分及び有機分を除去する工程と、焼成炉でフェライト粉末及び無機化合物繊維を焼結させる工程とを具備する。
寒天は、ごく少量で多量のフェライト粉末及び無機化合物繊維を均一に分散させたスラリーを生成することができるバインダーとして機能し、また約120℃で溶融するため、水溶液として大気圧下では溶解させることはできないが、加圧して約120℃まで水が沸騰しないようにして加熱することによって、水溶液とすることができる。一旦溶解して均一な水溶液となれば、水溶液の温度が120℃以下になっても70℃程度以上であれば寒天が析出することはないので、水溶液の温度を70℃程度以上に保ちながら界面活性剤を添加して攪拌することによって、水溶液の中に細かい気泡を多数生じさせることができる。
このようにして調整した起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させることによって、寒天が固化して多数の細かい気泡を内包したフェライト粉末及び無機化合物繊維の成形体が得られる。そこで、この成形体を成形型から離型して、成形体を加熱炉で徐々に加熱して成形体に亀裂が生じないように水分及び有機分(寒天・分散剤・界面活性剤)を除去し、焼成炉でフェライト粉末及び無機化合物繊維を焼結させることによって、気孔率が75%〜85%以上のフェライト多孔体を得ることができる。
ここで、フェライト多孔体は高気孔率であるが、細かい気孔が均一に分散してなるものであり、更に無機化合物繊維によって補強されているため、高強度である。また、寒天はテングサを原料とする天然由来物質であるため環境を汚染することがなく、加熱炉で焼却しても環境汚染物質を生成することがなく、更に、寒天・分散剤・界面活性剤の使用量はごく少量であるため、加熱炉で焼却しても揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することがない。
このようにして、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することなく環境に優しく、しかも高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備え、フェライトの電磁的特性を十分に発揮することができるフェライト多孔体の製造方法となる。
請求項6の発明に係るフェライト多孔体の製造方法においては、起泡溶液中におけるフェライト粉末の割合が63.0重量%〜73.0重量%の範囲内、無機化合物繊維の割合が6.0重量%〜8.0重量%の範囲内、寒天の割合が0.28重量%〜0.42重量%の範囲内、水の割合が17.0重量%〜24.0重量%の範囲内、分散剤の割合が0.06重量%〜0.10重量%の範囲内、界面活性剤の割合が0.5重量%〜0.8重量%の範囲内である。
本発明者らは、鋭意実験研究の結果、請求項5の発明に係るフェライト多孔体の製造方法において、起泡溶液中におけるフェライト粉末の割合が63.0重量%〜73.0重量%の範囲内、無機化合物繊維の割合が6.0重量%〜8.0重量%の範囲内、寒天の割合が0.28重量%〜0.42重量%の範囲内、水の割合が17.0重量%〜24.0重量%の範囲内、分散剤の割合が0.06重量%〜0.10重量%の範囲内、界面活性剤の割合が0.5重量%〜0.8重量%の範囲内である場合に、高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備えたフェライト多孔体が製造できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
このようにして、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することなく環境に優しく、しかも高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備え、フェライトの電磁的特性を十分に発揮することができるフェライト多孔体の製造方法となる。
請求項7の発明に係るフェライト多孔体の製造方法においては、成形体を加熱炉で加熱して水分及び有機分を除去する工程の代わりに、成形体を調湿乾燥機で脱水乾燥する工程と脱水乾燥体を加熱炉で加熱して有機分を除去する工程とを有する。
起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させて得られる成形体は、水分を多く含んでおり、また多数の細かい気泡を内包しているため、フェライト粉末を焼結させる前においては強度が低いので、急激に乾燥させると成形体に亀裂を生じ易い。そこで、成形体を調湿乾燥機に入れて湿度を調節しながら、徐々に湿度を下げて水分をゆっくり蒸発させることによって、成形体に亀裂を生ずることなく脱水乾燥することができる。水分を除去した後は、成形体に含まれる有機分(寒天・分散剤・界面活性剤)はごく少量であるため、通常に加熱焼却しても亀裂が生ずることはない。
このようにして、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することなく環境に優しく、しかも高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備え、フェライトの電磁的特性を十分に発揮することができるフェライト多孔体の製造方法となる。
請求項8の発明に係るフェライト多孔体の製造方法においては、起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させて成形体を得る工程が、起泡溶液中の界面活性剤の添加量がそれぞれ異なる複数の起泡溶液を順次成形型に流し込んで冷却固化させては、次の起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させる処理を繰り返してなる。
本発明者らは、鋭意実験研究の結果、起泡溶液中の界面活性剤の添加量が異なると、得られるフェライト多孔体の気孔率も異なることを見出した。したがって、起泡溶液中の界面活性剤の添加量がそれぞれ異なる複数の起泡溶液を順次成形型に流し込んで冷却固化させては、次の起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させる処理を繰り返すことによって、得られた成形体を乾燥・焼成してなるフェライト多孔体は、気孔率の異なる層が積層された構造を有することになる。
すなわち、起泡溶液中の界面活性剤の添加量が徐々に減少するように、起泡溶液中の界面活性剤の添加量がそれぞれ異なる複数の起泡溶液を順次成形型に流し込んで冷却固化させた成形体を乾燥・焼成してなるフェライト多孔体は、平板形状または直方体形状で表面においては気孔率が高く、底面に行くにしたがって段階的に気孔率が低くなっていく電波吸収体となる。よって、四角錐形状でなく平板形状または直方体形状でも電波吸収率の高い電波吸収体となり、電波暗室等において四角錐形状の電波吸収体を用いる必要がなくなるため、製造が容易になり低コスト化することができる。
このようにして、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することなく環境に優しく、しかも高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備え、フェライトの電磁的特性を十分に発揮することができ、四角錐形状でなく平板形状または直方体形状でも電波吸収率の高い電波吸収体となり、電波暗室等に応用することができるフェライト多孔体の製造方法となる。
請求項9の発明に係るフェライト多孔体の製造方法においては、起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させて成形体を得る工程が、起泡溶液中の界面活性剤の添加量がそれぞれ異なる複数の起泡溶液を順次成形型に流し込んで冷却固化する直前に次の起泡溶液を成形型に流し込む処理を繰り返してなる。
このように、起泡溶液中の界面活性剤の添加量がそれぞれ異なる複数の起泡溶液を順次成形型に流し込んで冷却固化する直前に次の起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させる処理を繰り返すことによって、得られた成形体を乾燥・焼成してなるフェライト多孔体は、連続的に気孔率の異なる部分が積み重ねられた構造を有することになる。
すなわち、起泡溶液中の界面活性剤の添加量が徐々に減少するように、起泡溶液中の界面活性剤の添加量がそれぞれ異なる複数の起泡溶液を順次成形型に流し込んで冷却固化させた成形体を乾燥・焼成してなるフェライト多孔体は、平板形状または直方体形状で表面においては気孔率が高く、底面に行くにしたがって連続的に気孔率が低くなっていく電波吸収体となる。よって、四角錐形状でなく平板形状または直方体形状でも電波吸収率の高い電波吸収体となり、電波暗室等において四角錐形状の電波吸収体を用いる必要がなくなるため、製造が容易になり低コスト化することができる。
このようにして、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することなく環境に優しく、しかも高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備え、フェライトの電磁的特性を十分に発揮することができ、四角錐形状でなく平板形状または直方体形状でも電波吸収率の高い電波吸収体となり、電波暗室等に応用することができるフェライト多孔体の製造方法となる。
請求項10の発明に係るフェライト多孔体の製造方法においては、フェライト粉末の平均粒子径が略1μm〜10μmの範囲内である。
平均粒子径が略1μm〜10μmのフェライト粉末を用いることによって、分散性の良い均一なスラリーを作製することができ、細かい気泡を均一に内包した成形体を得ることができ、しかも平均粒子径が略1μm〜10μmのフェライト粉末は焼結強度が高いので、高気孔率と高強度を兼ね備えたフェライト多孔体を製造することができる。
このようにして、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することなく環境に優しく、しかも高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備え、フェライトの電磁的特性を十分に発揮することができるフェライト多孔体の製造方法となる。
請求項11の発明に係る電波吸収体は、請求項1若しくは請求項2に記載のフェライト多孔体または請求項3乃至請求項10のいずれか1つに記載のフェライト多孔体の製造方法によって得られるフェライト多孔体を用いてなる。
請求項1に記載のフェライト多孔体または請求項5,請求項6若しくは請求項10に記載のフェライト多孔体の製造方法によって得られるフェライト多孔体を用いた場合には、高強度であるため電波暗室の床材にも使用できる電波吸収体となる。また、請求項2に記載のフェライト多孔体または請求項8若しくは請求項9に記載のフェライト多孔体の製造方法によって得られるフェライト多孔体を用いた場合には、四角錐形状でなく平板形状または直方体形状でも電波吸収率の高い電波吸収体となり、電波暗室等に応用することができる。
このようにして、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することなく環境に優しく、しかも高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備え、フェライトの電磁的特性を十分に発揮することができ、四角錐形状でなく平板形状または直方体形状でも電波吸収率の高い電波吸収体となり、電波暗室等に応用することができるフェライト多孔体からなる電波吸収体となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
実施の形態1
まず、本発明の実施の形態1に係るフェライト多孔体の製造方法について、図2乃至図5を参照して説明する。
図2は本発明の実施の形態1に係るフェライト多孔体の製造方法を示すフローチャートである。図3は本発明の実施の形態1に係るフェライト多孔体の製造方法の乾燥工程における温度制御を示すグラフである。図4は本発明の実施の形態1に係るフェライト多孔体の製造方法の焼成工程における温度制御を示すグラフである。図5は本発明の実施の形態1に係るフェライト多孔体の微細構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
最初に、本実施の形態1に係るフェライト多孔体の製造工程における、各成分の配合について説明する。本実施の形態1に係るフェライト多孔体の製造工程においては、まず寒天パウダー、蒸留水、フェライト粉末、分散剤を攪拌混合した後に、起泡剤として界面活性剤を追加する。
本実施の形態1においては、フェライト粉末としてはMn系のソフトフェライト粉末(平均粒子径1μm〜10μmの範囲内)を、分散剤としては中京油脂(株)製のセルナD−305(ポリカルボン酸アンモニウム塩)を、界面活性剤としては日本油脂(株)製のパーソフトEFT(高級アルコールエトキシ硫酸ナトリウム)を、それぞれ用いた。各成分の配合について、表1に示す。
表1に示されるように、本実施の形態1に係るフェライト多孔体の製造工程におけるスラリー中の固形分としては、フェライト粉末が大部分を占めており、寒天パウダーの添加量は極めて少量である。このように、バインダーとして寒天を用いることによって、ごく少量で多量のフェライト粉末を均一に分散させたスラリーを生成することができる。
続いて、本実施の形態1に係るフェライト多孔体の製造方法について、図2のフローチャートを参照して説明する。図2に示されるように、まずステップS10において、表1に示される配合にしたがって、寒天パウダー、蒸留水、フェライト粉末、分散剤をボールミルに入れ、室温で24時間攪拌する(ステップS11)。続いて、混合物をビーカーに移して圧力鍋の中に入れて、加圧下で3分間加熱して120℃以上として寒天パウダーを溶解させる(ステップS12)。
次に、ビーカーを圧力鍋から取り出して、スラリーが冷えないように70℃〜80℃のウォーターバス内に入れ、界面活性剤を添加してハンドミキサーで攪拌し、起泡させる(ステップS13)。その後、ビーカーを90℃のウォーターバス内に入れて5分間静置し、更に起泡を促進させる(ステップS14)。こうして均一に泡立ったスラリーを、成形型に流し込んで室温で冷却固化させる(ステップS15)。
得られた成形体を成形型から離型して、調湿乾燥機の中に入れて100時間かけて脱水乾燥させる。本実施の形態1においては、調湿乾燥機をRH90%に調節しておいて成形体を入れ、1日に湿度を10%ずつ低下させて3日かけてRH60%まで低下させ、ゆっくり乾燥させる(ステップS16)。こうして脱水乾燥した成形体を、加熱炉に入れて500℃まで15時間かけて昇温し、ゆっくりと有機成分(寒天・分散剤・界面活性剤)を焼却除去する(ステップS17)。
このときの加熱炉の温度制御パターンが、図3に示されている。すなわち、15時間かけて500℃まで直線的に昇温し(約33.3℃/h)、500℃で2時間保持した後、14時間かけて100℃まで直線的に温度降下させている(約28.6℃/h)。その後、焼成炉において1200℃で5時間焼成してフェライト粉末を焼結させる(ステップS18)。
このときの焼成炉の温度制御パターンが、図4に示されている。すなわち、10℃/minで2時間かけて1200℃まで直線的に昇温し、1200℃で5時間保持した後、2℃/minで約10時間かけて常温まで直線的に、ゆっくりと冷却している。フェライトの焼結において、急冷は応力を発生させ、磁気特性の劣化と強度の低下をもたらすため、2℃/minで徐冷している。このようにして、本実施の形態1に係るフェライト多孔体2が製造される。
こうして得られたフェライト多孔体2について、水銀ポロシメーターを用いて気孔率の測定を行ったところ、開気孔率7.5%、閉気孔率75.8%で、全気孔率は83.3%であった。また、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、フェライト多孔体2の微構造の観察を行った。フェライト多孔体2のSEM写真を、図5に示す。図5に示されるように、フェライト多孔体2の気孔の形状は球形であり、機械的攪拌による起泡によって形成されたものと考えられる。
このように、本実施の形態1にかかるフェライト多孔体の製造方法によって得られたフェライト多孔体2は、全気孔率が83.3%という高気孔率であり、しかも実用的な強度を有していた。また、本実施の形態1にかかるフェライト多孔体の製造方法においては、スラリーのバインダーとして寒天パウダーを用いているため、環境汚染物質を排出することがない。更に、有機成分としての寒天パウダー・分散剤・界面活性剤の使用量が、スラリー全体に対して僅か1.1重量%と極めて微量であるため、有機成分を加熱除去する際にも、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生しない。
このようにして、本実施の形態1にかかるフェライト多孔体2及びフェライト多孔体の製造方法においては、揮発性有機化合物(VOC)を殆ど発生することなく環境に優しく、しかも高い気孔率と実用的な機械的強度を兼ね備え、フェライトの電磁的特性を十分に発揮することができる。
実施の形態2
次に、本発明の実施の形態2に係るフェライト多孔体について、図6乃至図10を参照して説明する。
図6は本発明の実施の形態2に係るフェライト多孔体の製造方法を示すフローチャートである。図7は本発明の実施の形態2に係るフェライト多孔体の断面を示す縦断面図である。図8は本発明の実施の形態2の変形例に係るフェライト多孔体の断面を示す縦断面図である。図9(a)は従来の電波暗室に用いられる電波吸収体の形状を示す斜視図、(b)は従来の電波暗室の内部構造の概略を示す部分斜視図である。図10(a)は本発明の実施の形態2に係る電波暗室に用いられる電波吸収体の形状を示す斜視図、(b)は本発明の実施の形態2に係る電波暗室の内部構造の概略を示す部分斜視図である。
最初に、本実施の形態2に係るフェライト多孔体の製造工程における、各成分の配合について説明する。本実施の形態2に係るフェライト多孔体の製造工程においては、寒天パウダー、蒸留水、フェライト粉末、無機化合物繊維としてのセピオライト繊維、分散剤を攪拌混合した後に、起泡剤として界面活性剤を追加する。
本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、フェライト粉末としてはMn系のソフトフェライト粉末(平均粒子径1μm〜10μmの範囲内)を、分散剤としては中京油脂(株)製のセルナD−305(ポリカルボン酸アンモニウム塩)を、界面活性剤としては日本油脂(株)製のパーソフトEFT(高級アルコールエトキシ硫酸ナトリウム)を、それぞれ用いた。セピオライト繊維の平均繊維長は1μm〜10μmの範囲内である。各成分の配合について、表2に示す。
表2に示されるように、本実施の形態2に係るフェライト多孔体の製造工程におけるスラリー中の固形分としては、フェライト粉末及びセピオライト繊維が大部分を占めており、寒天パウダーの添加量は極めて少量である。このように、バインダーとして寒天を用いることによって、ごく少量で多量のフェライト粉末を均一に分散させたスラリーを生成することができる。
続いて、本実施の形態2に係るフェライト多孔体の製造方法について、図6のフローチャートを参照して説明する。本実施の形態2に係るフェライト多孔体の製造方法においては、界面活性剤の配合量を表2に示される配合量(これを配合量Aとする)から徐々に減らした起泡溶液を積層することによって、気孔率が段階的に変化するフェライト多孔体を製造する。
図6に示されるように、まずステップS20A,S20B,……,S20Hにおいて、表2に示される配合にしたがって、寒天パウダー、蒸留水、フェライト粉末、セピオライト繊維・分散剤をボールミルに入れ、室温で24時間攪拌する。続いて、混合物をビーカーに移して圧力鍋の中に入れて、加圧下で3分間加熱して120℃以上として寒天パウダーを溶解させる(ステップS21A,S21B,……,S21H)。
次に、ビーカーを圧力鍋から取り出して、スラリーが冷えないように70℃〜80℃のウォーターバス内に入れ、界面活性剤(配合量A,B,……,H)を添加してハンドミキサーで攪拌して起泡させた後、ビーカーを90℃のウォーターバス内に入れて5分間静置し、更に起泡を促進させる(ステップS22A,S22B,……,S22H)。続いて、まず界面活性剤が配合量Aである表2に示される配合の起泡溶液を成形型に流し込んで室温で冷却固化させる(ステップS23A)。
界面活性剤が配合量Aである起泡溶液が冷却固化したら、続いて界面活性剤が配合量Bである起泡溶液をその上から成形型に流し込んで室温で冷却固化させる(ステップS23B)。こうして、前の起泡溶液が冷却固化したら、次の起泡溶液をその上から成形型に流し込んで室温で冷却固化させる操作を繰り返して(ステップS23C,S23D,S23E,S23F,S23G)、最後に界面活性剤が配合量Hである起泡溶液をその上から成形型に流し込んで室温で冷却固化させる(ステップS23H)。
得られた成形体を成形型から離型して、調湿乾燥機の中に入れて100時間かけて脱水乾燥させる。本実施の形態2においても上記実施の形態1と同様に、調湿乾燥機をRH90%に調節しておいて成形体を入れ、1日に湿度を10%ずつ低下させて3日かけてRH60%まで低下させ、ゆっくり乾燥させる(ステップS24)。こうして脱水乾燥した成形体を、加熱炉に入れて500℃まで15時間かけて昇温し、ゆっくりと有機成分(寒天・分散剤・界面活性剤)を焼却除去する(ステップS25)。
このときの加熱炉の温度制御パターンは、図3に示される上記実施の形態1と同様である。すなわち、15時間かけて500℃まで直線的に昇温し(約33.3℃/h)、500℃で2時間保持した後、14時間かけて100℃まで直線的に温度降下させている(約28.6℃/h)。その後、焼成炉において1200℃で5時間焼成してフェライト粉末を焼結させる(ステップS26)。
このときの焼成炉の温度制御パターンは、図4に示される上記実施の形態1と同様である。すなわち、10℃/minで2時間かけて1200℃まで直線的に昇温し、1200℃で5時間保持した後、2℃/minで約10時間かけて常温まで直線的に、ゆっくりと冷却している。フェライトの焼結において、急冷は応力を発生させ、磁気特性の劣化と強度の低下をもたらすため、2℃/minで徐冷している。このようにして、本実施の形態2に係るフェライト多孔体11が製造される。
ここで、界面活性剤の配合量は、配合量A>配合量B>配合量C>配合量D>配合量E>配合量F>配合量G>配合量Hであるため、フェライト多孔体11の上部へ行くにしたがって、気孔率が減少する。すなわち、フェライト多孔体11を上下反転させると、図7に示されるような断面構造になっている。
図7に示されるように、最初に冷却固化した部分である表面層11Aは約88%の気孔率を有している。次に冷却固化した部分である層11Bは、界面活性剤の配合量が表2に示される量より減らされているため気孔率が低下し、約82%の気孔率を有している。以下、層11C,層11D,層11E,層11F,層11Gと徐々に気孔率が低下し、底面層11Hは約50%の気孔率となっている。
このように、本実施の形態2に係るフェライト多孔体の製造方法によって製造されたフェライト多孔体11は、直方体形状で表面においては気孔率が高く、底面に行くにしたがって段階的に気孔率が低くなっていく電波吸収体となる。よって、四角錐形状でなく直方体形状でも電波吸収率の高い電波吸収体となり、電波暗室等において四角錐形状の電波吸収体を用いる必要がなくなるため、製造が容易になり低コスト化することができる。
また、本実施の形態2に係るフェライト多孔体11においては、フェライト焼結体がセピオライト繊維で補強されているために、フェライト単体の焼結体よりも更に強度が高くなり、電波暗室の床材にも応用することができる。これによって、完全電波暗室を容易に低コストで製作することができる。
更に、本実施の形態2に係るフェライト多孔体の製造方法において、図6のステップS23B,S23C,S23D,S23E,S23F,S23G,S23Hで、前に成形型に流し込んだ起泡溶液が固化する直前に次の起泡溶液を流し込むことによって、図7に示されるフェライト多孔体11のような境界線のない、気孔率が連続的に変化するフェライト多孔体を得ることができる。
このようにして製造したフェライト多孔体12を、図8に示す。図8に示されるように、本実施の形態2の変形例に係るフェライト多孔体の製造方法によって製造されたフェライト多孔体12においては、表面12Aから底面12Hまで連続的に気孔率が減少している。よって、四角錐形状でなく直方体形状でも電波吸収率の高い電波吸収体となり、電波暗室等において四角錐形状の電波吸収体を用いる必要がなくなるため、製造が容易になり低コスト化することができる。
また、本実施の形態2の変形例に係るフェライト多孔体12においては、フェライト焼結体がセピオライト繊維で補強されているために、フェライト単体の焼結体よりも更に強度が高くなり、電波暗室の床材にも応用することができる。これによって、完全電波暗室を容易に低コストで製作することができる。
電波暗室の具体例について、図9及び図10を参照して説明する。図9(a)に示されるように、従来の電波吸収体13は、電波の吸収率を高くするために四角錐形状に成形されており、図9(b)に示されるように、従来の電波暗室15は、このような電波吸収体13を天井及び四方の壁面に隙間なく取り付けてなるものであった。しかし、床面14のみは、人が歩行するために全面に電波吸収体13を敷設することができず、やむを得ず電波を全反射する金属面とした半電波暗室となっていた。
しかし、図10(a)に示されるように、本実施の形態2の変形例に係るフェライト多孔体12と同様にして製造したフェライト多孔体からなる電波吸収体3を用いることによって、電波吸収体3が直方体形状であるために、図10(b)に示されるように、電波暗室5の天井及び四方の壁面のみならず床面にも敷設することができ、部屋の六面全面が電波吸収体3から構成される完全電波暗室となる。
本実施の形態2においては、フェライト多孔体を補強する無機化合物繊維としてセピオライト繊維を使用した例について説明したが、無機化合物繊維としては、炭素繊維を始めとして、様々な無機化合物繊維材料を用いることができる。
本発明を実施するに際しては、フェライト多孔体のその他の部分の構成、構造、形状、数量、材質、配合、大きさ、配置、製造方法等についても、フェライト多孔体の製造方法のその他の工程についても、上記各実施の形態に限定されるものではない。
なお、本発明の実施の形態で上げている数値は、臨界値を示すものではなく、実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更しても実施が否定されるものではない。
図1はM=Feの場合のフェライトの分子構造を示す模式図である。 図2は本発明の実施の形態1に係るフェライト多孔体の製造方法を示すフローチャートである。 図3は本発明の実施の形態1に係るフェライト多孔体の製造方法の乾燥工程における温度制御を示すグラフである。 図4は本発明の実施の形態1に係るフェライト多孔体の製造方法の焼成工程における温度制御を示すグラフである。 図5は本発明の実施の形態1に係るフェライト多孔体の微細構造を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 図6は本発明の実施の形態2に係るフェライト多孔体の製造方法を示すフローチャートである。 図7は本発明の実施の形態2に係るフェライト多孔体の断面を示す縦断面図である。 図8は本発明の実施の形態2の変形例に係るフェライト多孔体の断面を示す縦断面図である。 図9(a)は従来の電波暗室の内部構造の概略を示す部分斜視図、(b)は従来の電波暗室に用いられる電波吸収体の形状を示す斜視図である。 図10(a)は本発明の実施の形態2に係る電波暗室の内部構造の概略を示す部分斜視図、(b)は本発明の実施の形態2に係る電波暗室に用いられる電波吸収体の形状を示す斜視図である。
符号の説明
1 フェライト
2,11,12 フェライト多孔体
3 電波吸収体
5 電波暗室

Claims (11)

  1. フェライト焼結体のみまたはフェライト焼結体と該フェライト焼結体より体積分率の小さい無機化合物からなるフェライト多孔体であって、
    高強度であり、かつ、開気孔率と閉気孔率とを合わせた全気孔率が75%〜85%の範囲内であることを特徴とするフェライト多孔体。
  2. フェライト焼結体のみまたはフェライト焼結体と該フェライト焼結体より体積分率の小さい無機化合物からなるフェライト多孔体であって、
    開気孔率と閉気孔率とを合わせた全気孔率が前記フェライト多孔体の一方の面から他方の面に向かって連続的にまたは段階的に変化していることを特徴とするフェライト多孔体。
  3. フェライト粉末、寒天、水、分散剤を混合して攪拌する工程と、
    得られた混合物を加圧下において加熱して前記寒天を液状に溶解させる工程と、
    界面活性剤を添加して攪拌して泡立てて起泡溶液を得る工程と、
    前記起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させて成形体を得る工程と、
    前記成形体を離型する工程と、
    前記成形体を加熱炉で加熱して水分及び有機分を除去する工程と、
    焼成炉で前記フェライト粉末を焼結させる工程と
    を具備することを特徴とするフェライト多孔体の製造方法。
  4. 前記起泡溶液中におけるフェライト粉末の割合は69.0重量%〜81.0重量%の範囲内、寒天の割合は0.28重量%〜0.42重量%の範囲内、水の割合は17.0重量%〜24.0重量%の範囲内、分散剤の割合は0.06重量%〜0.10重量%の範囲内、界面活性剤の割合は0.5重量%〜0.8重量%の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載のフェライト多孔体の製造方法。
  5. フェライト粉末、無機化合物繊維、寒天、水、分散剤を混合して攪拌する工程と、
    得られた混合物を加圧下において加熱して前記寒天を液状に溶解させる工程と、
    界面活性剤を添加して攪拌して泡立てて起泡溶液を得る工程と、
    前記起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させて成形体を得る工程と、
    前記成形体を離型する工程と、
    前記成形体を加熱炉で加熱して水分及び有機分を除去する工程と、
    焼成炉で前記フェライト粉末及び前記無機化合物繊維を焼結させる工程と
    を具備することを特徴とするフェライト多孔体の製造方法。
  6. 前記起泡溶液中におけるフェライト粉末の割合は63.0重量%〜73.0重量%の範囲内、無機化合物繊維の割合は6.0重量%〜8.0重量%の範囲内、寒天の割合は0.28重量%〜0.42重量%の範囲内、水の割合は17.0重量%〜24.0重量%の範囲内、分散剤の割合は0.06重量%〜0.10重量%の範囲内、界面活性剤の割合は0.5重量%〜0.8重量%の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載のフェライト多孔体の製造方法。
  7. 前記成形体を加熱炉で加熱して水分及び有機分を除去する工程の代わりに、前記成形体を調湿乾燥機で脱水乾燥する工程と脱水乾燥体を加熱炉で加熱して有機分を除去する工程とを有することを特徴とする請求項3乃至請求項6のいずれか1つに記載のフェライト多孔体の製造方法。
  8. 前記起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させて成形体を得る工程は、前記起泡溶液中の前記界面活性剤の添加量がそれぞれ異なる複数の起泡溶液を順次前記成形型に流し込んで冷却固化させては、次の起泡溶液を前記成形型に流し込んで冷却固化させる処理を繰り返してなることを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか1つに記載のフェライト多孔体の製造方法。
  9. 前記起泡溶液を成形型に流し込んで冷却固化させて成形体を得る工程は、前記起泡溶液中の前記界面活性剤の添加量がそれぞれ異なる複数の起泡溶液を順次前記成形型に流し込んで冷却固化する直前に次の起泡溶液を前記成形型に流し込む処理を繰り返してなることを特徴とする請求項3乃至請求項7のいずれか1つに記載のフェライト多孔体の製造方法。
  10. 前記フェライト粉末は平均粒子径が略1μm〜10μmの範囲内であることを特徴とする請求項3乃至請求項9のいずれか1つに記載のフェライト多孔体の製造方法。
  11. 請求項1若しくは請求項2に記載のフェライト多孔体または請求項3乃至請求項10のいずれか1つに記載のフェライト多孔体の製造方法によって得られるフェライト多孔体を用いてなる電波吸収体。
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