JP2008229886A - 液体噴射装置、液体噴射方法、液体噴射装置の検査方法 - Google Patents

液体噴射装置、液体噴射方法、液体噴射装置の検査方法 Download PDF

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幸平 上野
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Abstract

【課題】プリンタにおいて記録用紙の通過を検出する検出手段の実在位置と搬送ローラ対の実在位置とを正確に把握し、更に前記実在位置に基づいて、記録用紙後端が搬送ローラ対を通過するタイミングが確実に或る特定の副走査送りに属する様に制御する。
【解決手段】プリンタ1は、搬送ローラ対4による用紙ニップ位置(PFニップ位置)Yrと、紙検出センサ17の位置Yfと、用紙頭出し量dと、をもとにして、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するk回目の副走査送りを実行した後の用紙後端位置Ye(k)からPFニップ位置Yrまでの距離dr1及び、用紙後端位置Ye(k−1)からPFニップ位置Yrまでの距離dr2が、安全距離ds以内であるか否かを判断し、いずれか一方が安全距離dsを超える場合には、記録実行内容を変更して、距離dr1、dr2を安全距離ds以内に設定した上で記録を実行する。
【選択図】図6

Description

本発明は被噴射媒体に液体噴射を実行する液体噴射装置及び当該液体噴射装置における液体噴射方法に関する。また、本発明は、液体噴射装置の検査方法に関する。
ここで、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記インクジェット式記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
液体噴射装置の一例としてプリンタがある。プリンタには、記録ヘッドと、当該記録ヘッドの上流側に設けられ、被噴射媒体としての記録用紙を下流側へ搬送する搬送ローラ対と、記録ヘッドの下流側に設けられ、記録の行われた記録用紙を排出する排出ローラ対と、を備えたものがある。そして搬送ローラ対は、回転駆動される搬送駆動ローラと、この搬送駆動ローラとの間で記録用紙をニップする、従動回転可能な搬送従動ローラと、を備えて構成されるものが一般的である。
ここで、記録用紙に余白無く記録を行う場合(いわゆる「縁無し印刷」と呼ばれるもの)、記録用紙の後端が搬送ローラ対(2つのローラによるニップ点)から抜ける際に記録用紙の搬送精度が低下し、この結果記録品質が低下する場合がある。そこで従来この様な問題を解消する為に、記録用紙の後端が搬送駆動ローラと搬送従動ローラとのニップ点から抜ける際に用紙搬送速度を低速にする印刷装置が開発されている(特許文献1、2参照)。
特開2002−96512号公報 特開2005−8343号公報
上記従来技術を適用した場合であっても、記録用紙の後端が搬送ローラ対から抜ける際の搬送精度低下の程度を軽減することはできるものの、必ずしも効果的且つ確実に搬送精度の低下を防止できるものではなかった。
ここで、複数回実行される用紙送り(以下「副走査送り」と言う)において、k回目の副走査送りの際に記録用紙後端が搬送ローラ対を通過するとしたときの前記k値が予め判明していれば、当該k回目の副走査送り時の用紙搬送量に適切な補正値を加えることによって、記録用紙の後端が搬送ローラ対から抜ける際の搬送精度低下を確実に防止することができる。
上記k値は、プリンタの設計値上の寸法、例えば用紙の通過を検出する紙検出センサから搬送ローラ対までの距離(設計上の距離)を用いることによって求めることができる。即ち、プリンタの制御部は、記録用紙の搬送経路上における位置を、記録用紙の搬送経路上に設けられた紙検出センサからの検出信号によって把握することができ、これによって把握した用紙位置と、搬送ローラ対の位置とをもとにして、用紙後端が搬送ローラ対から抜けるタイミングを把握することができる。
しかしながら実際には、記録装置の製造誤差等に起因して、記録用紙後端が搬送ローラ対を通過するタイミングが前後する虞がある。例えば、プリンタ制御部が、k回目の副走査送りの際の用紙後端が搬送ローラ対を通過すると判断しても、実際には(k+1)回目或いは(k−1)回目の副走査送りの際に用紙後端が搬送ローラ対を通過してしまう虞がある。
この様な場合には、記録用紙後端が搬送ローラ対を通過する際の搬送精度低下を防止することができないのみならず、或る副走査送り時に不適切な補正値が加えられてしまい、却って記録品質を低下させてしまうことになる。
加えて、仮にプリンタが設計値通りに製造されていた場合、例えば、紙検出センサから搬送ローラ対までの距離が設計値通りであった場合であっても、記録用紙後端が搬送ローラ対を通過するタイミングが、或る副走査送りの開始直後、或いは終了直前となるような場合には、記録用紙の搬送誤差や用紙長のバラツキ等に起因して、やはり上記k値がずれてしまう虞もある。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、プリンタにおいて記録用紙の通過を検出する検出手段の実在位置と搬送ローラ対の実在位置とを正確に把握することにあり、また更に前記実在位置に基づいて、記録用紙後端が搬送ローラ対を通過するタイミングが確実に或る特定の副走査送りに属する様に制御することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る液体噴射装置は、被噴射媒体に対して液体を噴射することにより被噴射媒体にドットを形成する液体噴射ノズルを複数備えた液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられる搬送ローラ対及び前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられる排出ローラ対を備えて構成された被噴射媒体送り手段と、被噴射媒体の搬送経路上における位置を検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号を受信可能であるとともに、前記液体噴射ヘッド及び前記被噴射媒体送り手段を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、液体噴射実行開始前に、被噴射媒体搬送方向における前記搬送ローラ対の実在位置Yrと前記検出手段の実在位置Yfとの位置関係に係る情報と、被噴射媒体の先端が前記検出手段を通過してから液体噴射実行の為の頭出し位置まで搬送される搬送量dと、をもとにして、被噴射媒体後端が前記搬送ローラ対を通過するk回目の被噴射媒体送りを実行した後の被噴射媒体後端の見込み位置Ye(k)から前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離dr1及び、(k−1)回目の被噴射媒体送りを実行した後の被噴射媒体後端の見込み位置Ye(k−1)から前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離dr2が、安全距離ds以上であるか否かを判断し、少なくとも前記距離dr1及び前記距離dr2のいずれか一方が、前記安全距離dsより小さいと判断した場合には、前記搬送量d、或いは前記頭出し位置から複数回実行が見込まれる被噴射媒体送りのうち少なくとも1回の被噴射媒体送り時の搬送量F、或いは前記搬送量d及び前記搬送量F、を変更することにより、前記距離dr1及び前記距離dr2を前記安全距離ds以上に設定した上で液体噴射を実行することを特徴とする。
本態様によれば、液体噴射装置は、k回目の被噴射媒体送りを実行した後の被噴射媒体後端の見込み位置Ye(k)から前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの距離dr1及び、(k−1)回目の被噴射媒体送りを実行した後の被噴射媒体後端の見込み位置Ye(k−1)から前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの距離dr2が、安全距離dsより小さい場合(以下ではこれを「被噴射媒体の後端が搬送ローラ対を通過するタイミングがクリティカルである」と表現する)には、前記搬送量d、或いは前記頭出し位置から複数回実行が見込まれる被噴射媒体送りのうち少なくとも1回の被噴射媒体送り時の搬送量F、或いは前記搬送量d及び前記搬送量F、を変更することにより、前記距離dr1及び前記距離dr2を前記安全距離ds以上に設定した上で液体噴射を実行するので、被噴射媒体の後端が搬送ローラ対を通過するタイミングが安全側にシフトする。この結果、被噴射媒体の後端が搬送ローラ対を通過するタイミングが、確実に特定の回(k回目)の被噴射媒体送りに属することとなり、従ってk回目の被噴射媒体送りを行う際に被噴射媒体送り量(搬送量)に補正値を加えれば、被噴射媒体の後端が搬送ローラ対を通過する際の搬送精度低下を確実に防止することができる。
尚、前記搬送ローラ対の実在位置Yrと前記検出手段の実在位置Yfとの「位置関係に係る情報」とは、前記搬送ローラ対の実在位置Yrと前記検出手段の実在位置Yfとの被噴射媒体搬送方向における距離bに係る情報、或いは前記実在位置Yrそのもの(例えば搬送ローラ対の被噴射媒体搬送方向座標位置)を把握する為の情報及び前記実在位置Yfそのもの(例えば検出手段の被噴射媒体搬送方向座標位置)を把握する為の情報等、前記搬送ローラ対と前記検出手段との相対的な距離(被噴射媒体搬送における距離)を把握する為の情報を意味する。
本発明の第2の態様に係る液体噴射装置は、第1の態様に係る液体噴射装置において、前記制御部は、前記k回目の被噴射媒体送りを実行する際に、被噴射媒体送り量を補正することを特徴とする。
本態様によれば、前記制御部は、前記k回目の被噴射媒体送りを実行する際に、被噴射媒体送り量を補正するので、上述の通り被噴射媒体の後端が搬送ローラ対を通過する際の搬送精度低下を確実に防止することができる。
本発明の第3の態様に係る液体噴射装置は、第1のまたは第2の態様に係る液体噴射装置において、前記液体噴射ヘッドが主走査方向に往復動しながら被噴射媒体にドット形成を行う際に、前記制御部は、前記k回目の被噴射媒体送りを境にして、前記液体噴射ヘッドの往路において形成されるドットと復路において形成されるドットの主走査方向位置ずれを補正する為の補正値を切り換えることを特徴とする。
液体噴射ヘッドが主走査方向に往復動して双方向ドット形成を行う場合、往路で形成されるドットと復路で形成されるドットの位置ずれ(液体の着弾位置ずれ)が生じることがあり、特に被噴射媒体の後端が搬送ローラ対から外れると、被噴射媒体と液体噴射ヘッドとの距離が変化し、この結果ドット位置ずれが顕著になる。
このドット位置ずれを補正する為には、液体噴射ヘッドの往路において形成されるドットと復路において形成されるドットの主走査方向位置ずれを補正する為の補正値を、被噴射媒体の後端が搬送ローラ対を抜けた後に切り換えれば良いが、被噴射媒体の後端が搬送ローラ対を抜けるタイミングを不正確に把握した場合には、ドット位置ずれの生じない良好なドット形成結果を得ることができる領域(被噴射媒体の後端が搬送ローラ対を抜けていない状態での液体噴射領域)において、不本意なドット位置ずれを招く虞がある。或いは、被噴射媒体の後端が搬送ローラ対を抜けた状態での液体噴射領域において、適切な補正値に切り換わらない為にドット位置ずれを防止できない虞がある。
しかしながら本発明によれば、被噴射媒体の後端が搬送ローラ対を通過するタイミングを正確に把握でき、その上で特定の回(k回目)の被噴射媒体送りを境にして、主走査方向のドット位置ずれを補正する為の補正値を切り換えるので、被噴射媒体の後端が搬送ローラ対を抜けた後の主走査方向のドット位置ずれを確実に防止することができ、また本来ドット位置ずれの生じない良好なドット形成結果を得ることができる領域において、不本意なドット位置ずれを招く虞もない。
本発明の第4の態様に係る液体噴射装置は、第1から第3の態様のいずれかに係る液体噴射装置において、前記制御部は、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離aと、被噴射媒体の先端が前記検出手段を通過してから搬送量d搬送された被噴射媒体の頭出し位置における被噴射媒体先端から、前記基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybまでの被噴射媒体搬送方向における距離cと、を求める為の検査用パターン形成モードを備え、前記検査用パターン形成モードは、被噴射媒体を前記頭出し位置に位置決めした状態において、基準とすべき液体噴射ノズルを用いて1本のラスタラインを形成することにより、前記距離cに相当する間隔を、被噴射媒体先端と前記1本のラスタラインとの間に形成し、次いで被噴射媒体の後端を前記搬送ローラ対上流側の所定位置に位置決めした状態から、被噴射媒体の後端が前記搬送ローラ対を通過して前記搬送ローラ対下流側の所定位置に到達するまで、所定ピッチの被噴射媒体送りと、前記基準とすべき液体噴射ノズルによる1本のラスタラインの形成と、を交互に実行して所定ピッチで複数本のラスタラインを形成することにより、前記距離aに相当する間隔を、被噴射媒体後端と、前記複数本のラスタラインで形成された複数間隔のうち最も小さい間隔、または最も大きい間隔を形成する2本のラスタラインの中間位置との間に形成するモードであることを特徴とする。
本態様によれば、上記検査用パターンを用いることにより上記距離a及び距離cを容易に求めることができる。ここで距離aは、基準となる液体噴射ノズルの実在位置Ybから前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの距離であり、距離cは基準となる液体噴射ノズルの実在位置Ybから被噴射媒体先端までの距離であり、この被噴射媒体先端位置は検出手段の実在位置Yfに搬送量dを加えた位置であるので、従って基準となる液体噴射ノズルの実在位置Ybを介して、搬送ローラ対の実在位置Yrと、検出手段の実在位置Yfとの被噴射媒体送り方向距離を求めることができる。以上により検査用パターンを形成して当該パターン上の各寸法を測定することにより、搬送ローラ対の実在位置Yrと検出手段の実在位置Yfとの距離を容易に求めることができる。
本発明の第5の態様に係る液体噴射装置は、第1から第3の態様のいずれかに係る液体噴射装置において、前記制御部は、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離aと、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記検出手段の実在位置Yfまでの被噴射媒体搬送方向における距離eと、を求める為の検査用パターン形成モードを備え、前記検査用パターン形成モードは、前記検出手段が被噴射媒体後端の通過を検出した際に基準とすべき液体噴射ノズルを用いて1本のラスタラインを形成することにより、前記距離eに相当する間隔を、被噴射媒体後端と前記1本のラスタラインとの間に形成し、次いで被噴射媒体の後端を前記搬送ローラ対上流側の所定位置に位置決めした状態から、被噴射媒体の後端が前記搬送ローラ対を通過して前記搬送ローラ対下流側の所定位置に到達するまで、所定ピッチの被噴射媒体送りと、前記基準とすべき液体噴射ノズルによる1本のラスタラインの形成と、を交互に実行して所定ピッチで複数本のラスタラインを形成することにより、前記距離aに相当する間隔を、被噴射媒体後端と、前記複数本のラスタラインで形成された複数間隔のうち最も小さい間隔、または最も大きい間隔を形成する2本のラスタラインの中間位置との間に形成するモードであることを特徴とする。
本態様によれば、上記検査用パターンを用いることにより上記距離a及び距離eを容易に求めることができる。ここで距離aは、基準となる液体噴射ノズルの実在位置Ybから搬送ローラ対の実在位置Yrまでの距離であり、距離eは基準となる液体噴射ノズルの実在位置Ybから検出手段の実在位置Yfまでの距離であるので、従って距離eから距離aを差し引いた値が、搬送ローラ対の実在位置Yrと検出手段の実在位置Yfとの被噴射媒体送り方向距離を求めることができる。以上により検査用パターンを形成して当該パターン上の各寸法を測定することにより、搬送ローラ対の実在位置Yrと検出手段の実在位置Yfとの距離を容易に求めることができる。
本発明の第6の態様に係る液体噴射装置は、被噴射媒体に対して液体を噴射することにより被噴射媒体にドットを形成する液体噴射ノズルを複数備えた液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられる搬送ローラ対及び前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられる排出ローラ対を備えて構成された被噴射媒体送り手段と、被噴射媒体の搬送経路上における位置を検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号を受信可能であるとともに、前記液体噴射ヘッド及び前記被噴射媒体送り手段を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離aと、被噴射媒体の先端が前記検出手段を通過してから搬送量d搬送された被噴射媒体の頭出し位置における被噴射媒体先端から、前記基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybまでの被噴射媒体搬送方向における距離cと、を求める為の検査用パターン形成モードを備え、前記検査用パターン形成モードは、被噴射媒体を前記頭出し位置に位置決めした状態において、基準とすべき液体噴射ノズルを用いて1本のラスタラインを形成することにより、前記距離cに相当する間隔を、被噴射媒体先端と前記1本のラスタラインとの間に形成し、次いで被噴射媒体の後端を前記搬送ローラ対上流側の所定位置に位置決めした状態から、被噴射媒体の後端が前記搬送ローラ対を通過して前記搬送ローラ対下流側の所定位置に到達するまで、所定ピッチの被噴射媒体送りと、前記基準とすべき液体噴射ノズルによる1本のラスタラインの形成と、を交互に実行して所定ピッチで複数本のラスタラインを形成することにより、前記距離aに相当する間隔を、被噴射媒体後端と、前記複数本のラスタラインで形成された複数間隔のうち最も小さい間隔、または最も大きい間隔を形成する2本のラスタラインの中間位置との間に形成するモードであることを特徴とする。
本態様によれば、液体噴射装置は上記第4の態様で説明した検査用パターンを形成するので、上記第4の態様に係る発明と同様、前記搬送ローラ対の実在位置Yrと前記検出手段の実在位置Yfとの距離を容易に求めることができる。
本発明の第7の態様に係る液体噴射装置は、被噴射媒体に対して液体を噴射することにより被噴射媒体にドットを形成する液体噴射ノズルを複数備えた液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられる搬送ローラ対及び前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられる排出ローラ対を備えて構成された被噴射媒体送り手段と、被噴射媒体の搬送経路上における位置を検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号を受信可能であるとともに、前記液体噴射ヘッド及び前記被噴射媒体送り手段を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離aと、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記検出手段の実在位置Yfまでの被噴射媒体搬送方向における距離eと、を求める為の検査用パターン形成モードを備え、前記検査用パターン形成モードは、前記検出手段が被噴射媒体後端の通過を検出した際に基準とすべき液体噴射ノズルを用いて1本のラスタラインを形成することにより、前記距離eに相当する間隔を、被噴射媒体後端と前記1本のラスタラインとの間に形成し、次いで被噴射媒体の後端を前記搬送ローラ対上流側の所定位置に位置決めした状態から、被噴射媒体の後端が前記搬送ローラ対を通過して前記搬送ローラ対下流側の所定位置に到達するまで、所定ピッチの被噴射媒体送りと、前記基準とすべき液体噴射ノズルによる1本のラスタラインの形成と、を交互に実行して所定ピッチで複数本のラスタラインを形成することにより、前記距離aに相当する間隔を、被噴射媒体後端と、前記複数本のラスタラインで形成された複数間隔のうち最も小さい間隔、または最も大きい間隔を形成する2本のラスタラインの中間位置との間に形成するモードであることを特徴とする。
本態様によれば、液体噴射装置は上記第5の態様で説明した検査用パターンを形成するので、上記第5の態様に係る発明と同様、前記搬送ローラ対の実在位置Yrと前記検出手段の実在位置Yfとの距離を容易に求めることができる。
本発明の第8の態様に係る液体噴射方法は、被噴射媒体に対して液体を噴射することにより被噴射媒体にドットを形成する液体噴射ノズルを複数備えた液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられる搬送ローラ対及び前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられる排出ローラ対を備えて構成された被噴射媒体送り手段と、被噴射媒体の搬送経路上における位置を検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号を受信可能であるとともに、前記液体噴射ヘッド及び前記被噴射媒体送り手段を制御する制御部と、を備えた液体噴射装置における液体噴射方法であって、液体噴射実行開始前に、前記搬送ローラ対の被噴射媒体搬送方向における実在位置Yrと前記検出手段の実在位置Yfとの位置関係に係る情報と、被噴射媒体の先端が前記検出手段を通過してから液体噴射実行の為の頭出し位置まで搬送される搬送量dと、をもとにして、被噴射媒体後端が前記搬送ローラ対を通過するk回目の被噴射媒体送りを実行した後の被噴射媒体後端の見込み位置Ye(k)から前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離dr1及び、(k−1)回目の被噴射媒体送りを実行した後の被噴射媒体後端の見込み位置Ye(k−1)から前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離dr2が、安全距離ds以上であるか否かを判断し、少なくとも前記距離dr1及び前記距離dr2のいずれか一方が、前記安全距離dsより小さいと判断した場合には、前記搬送量d、或いは前記頭出し位置から複数回実行が見込まれる被噴射媒体送りのうち少なくとも1回の被噴射媒体送り時の搬送量F、或いは前記搬送量d及び前記搬送量F、を変更することにより、前記距離dr1及び前記距離dr2を前記安全距離ds以内に設定した上で液体噴射を実行することを特徴とする。
本態様によれば、上記第1の態様に係る発明と同様に、被噴射媒体の後端が搬送ローラ対を通過するタイミングが、確実に特定の回(k回目)の被噴射媒体送りに属することとなり、従ってk回目の被噴射媒体送りを行う際に被噴射媒体送り量(搬送量)に補正値を加えれば、被噴射媒体の後端が搬送ローラ対を通過する際の搬送精度の低下を確実に防止することができる。
本発明の第9の態様に係る液体噴射装置の検査方法は、被噴射媒体に対して液体を噴射することにより被噴射媒体にドットを形成する液体噴射ノズルを複数備えた液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられる搬送ローラ対及び前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられる排出ローラ対を備えて構成された被噴射媒体送り手段と、被噴射媒体の搬送経路上における位置を検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号を受信可能であるとともに、前記液体噴射ヘッド及び前記被噴射媒体送り手段を制御する制御部と、を備えた液体噴射装置の、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離aと、被噴射媒体の先端が前記検出手段を通過してから搬送量d搬送された被噴射媒体の頭出し位置における被噴射媒体先端から、前記基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybまでの被噴射媒体搬送方向における距離cと、を検査する方法であって、(1)被噴射媒体を前記頭出し位置に位置決めした状態において基準とすべき液体噴射ノズルを用いて1本のラスタラインを形成し、(2)被噴射媒体の後端を前記搬送ローラ対上流側の所定位置に位置決めした状態から、被噴射媒体の後端が前記搬送ローラ対を通過して前記搬送ローラ対下流側の所定位置に到達するまで、所定ピッチの被噴射媒体送りと、前記基準とすべき液体噴射ノズルによる1本のラスタラインの形成と、を交互に実行することにより所定ピッチで複数本のラスタラインを形成し、(3)被噴射媒体先端から、上記(1)で形成されたラスタラインまでの距離を測定することにより上記距離cを求め、(4)上記(2)の複数本のラスタラインで形成された複数間隔のうち、最も小さい間隔、または最も大きい間隔を形成する2本のラスタラインの中間位置から、被噴射媒体後端までの距離を測定することにより上記距離aを求めることを特徴とする。
本態様によれば、上記第4の態様で説明した検査用パターンを用いて当該パターン上の各寸法を測定することにより、前記搬送ローラ対の実在位置Yrと前記検出手段の実在位置Yfとの距離を容易に求めることができる。
本発明の第10の態様に係る液体噴射装置の検査方法は、被噴射媒体に対して液体を噴射することにより被噴射媒体にドットを形成する液体噴射ノズルを複数備えた液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられる搬送ローラ対及び前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられる排出ローラ対を備えて構成された被噴射媒体送り手段と、被噴射媒体の搬送経路上における位置を検出する検出手段と、前記検出手段からの検出信号を受信可能であるとともに、前記液体噴射ヘッド及び前記被噴射媒体送り手段を制御する制御部と、を備えた液体噴射装置の、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離aと、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記検出手段の実在位置Yfまでの被噴射媒体搬送方向における距離eと、を検査する方法であって、(1)前記検出手段が被噴射媒体後端の通過を検出した際に基準とすべき液体噴射ノズルを用いて1本のラスタラインを形成し、(2)被噴射媒体の後端を前記搬送ローラ対上流側の所定位置に位置決めした状態から、被噴射媒体の後端が前記搬送ローラ対を通過して前記搬送ローラ対下流側の所定位置に到達するまで、所定ピッチの被噴射媒体送りと、前記基準とすべき液体噴射ノズルによる1本のラスタラインの形成と、を交互に実行することにより所定ピッチで複数本のラスタラインを形成し、(3)被噴射媒体後端から、上記(1)で形成されたラスタラインまでの距離を測定することにより上記距離eを求め、(4)上記(2)の複数本のラスタラインで形成された複数間隔のうち、最も小さい間隔、または最も大きい間隔を形成する2本のラスタラインの中間位置から、被噴射媒体後端までの距離を測定することにより上記距離aを求めることを特徴とする。
本態様によれば、上記第5の態様で説明した検査用パターンを用いて当該パターン上の各寸法を測定することにより、前記搬送ローラ対の実在位置Yrと前記検出手段の実在位置Yfとの被噴射媒体送り方向距離を容易に求めることができる。
以下、本発明の実施形態について図1乃至図18を参照しながら説明する。
<<インクジェットプリンタの構成>>
以下では先ず、図1乃至図3を参照しながら本発明の「液体噴射装置」の一実施形態に係る記録装置としてのインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と言う)1の構成について概説する。ここで図1はプリンタ1の側断面図、図2は液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド23のノズル配置を示す図、図3は制御部50のブロック図である。尚、以下では、図1の右方向(プリンタ前方側)を用紙搬送経路の「下流側」と言い、図1の左方向を同「上流側」と言うこととする。
プリンタ1は後部に「被噴射媒体」の一例としての記録用紙(主として単票紙:以下「用紙P」或いは単に「用紙」と言う)を傾斜姿勢でセット可能な給送装置2を備え、当該給送装置2から、用紙Pを下流側の搬送ローラ対4へ向けて給送する。給送された用紙Pは搬送ローラ対4又は排出ローラ対5から送り力を受け、或いは搬送ローラ対4と排出ローラ対5の双方から送り力を受けて下流側に送られ(副走査送り)、液体の一例としてのインクを吐出(噴射)する液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド23により記録が実行される。そして記録ヘッド23によって記録の行われた用紙Pは、下流側の排出ローラ対5によって装置前方へ排出される。
以下、更に詳説する。給送装置2は制御部50(図3)によって制御される駆動モータ(図示せず)によって回転駆動される給送ローラ11を備えており、この給送ローラ11によって下流側へ給送された用紙Pは、搬送ローラ対4によってニップされる。
搬送ローラ対4の上流側には用紙Pの先端及び後端の通過を検出する紙検出センサ17が設けられており、この紙検出センサ17からの検出信号と、搬送駆動ローラ18、排出駆動ローラ25、のこれら回転駆動量と、によって、プリンタ1の制御部50(後述)は、用紙Pの搬送経路上(用紙送り方向(副走査方向))における位置(用紙の先端位置、後端位置)を把握することが可能となっている。尚、用紙後端位置は、用紙の先端位置情報と、制御部50がプリンタドライバから受信する用紙サイズ情報と、をもとに把握することもできる。また、用紙Pの先端が紙検出センサ17に到達するまでの間は、給送ローラ11の回転駆動量をもとにして、用紙P先端が或る程度どの位置にあるかを把握することができる。
紙検出センサ17としては、例えば反射光の強弱変化によって用紙Pの先端或いは後端の通過を検出する光学センサや、用紙Pと接触することにより用紙Pの先端或いは後端の通過を検出するメカニカルセンサ等を用いることができる。
搬送ローラ対4は、PFモータ66(図3)によって回転駆動される搬送駆動ローラ18と、該搬送駆動ローラ18に圧接して従動回転する搬送従動ローラ19とを備えている。搬送駆動ローラ18は用紙幅方向に延びる軸体によって形成され、搬送従動ローラ19は紙案内上15に自由回転可能に軸支されるとともに、図示しない付勢手段によって搬送駆動ローラ18に向けて付勢されている。
記録ヘッド23と対向する位置には紙案内前27が設けられており、この紙案内前27によって用紙Pと、記録ヘッド23のヘッド面との距離が規定される。記録ヘッド23は、例えばブラック(K)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、の4色のカートリッジによって構成されたインクカートリッジ(図示せず)を搭載可能なキャリッジ21の下部に設けられている。キャリッジ21は、キャリッジガイド軸22にガイドされながら、CRモータ62(図3)によって主走査方向(図1の紙面の表裏方向)に往復動する。
そしてキャリッジ21が主走査方向に往復動しながら記録ヘッド23が駆動制御され、記録ヘッド23から各色のインクが吐出(噴射)されることにより、用紙Pに記録(ドット形成)が行われる。図2に示す様に記録ヘッド23は、インク色毎のノズルアレイ(K,C,M,Y)に、複数のノズル#1〜#mが副走査方向に沿って等間隔で配置されている(#1は最も下流側のノズル)。各ノズルからは、ヘッドドライバ59(図3)から駆動信号が供給されることにより液体としてのインクが吐出され、前記駆動信号によってその吐出タイミング、吐出量(形成されるドットの大きさ)を調整可能となっている。
図1に戻って、記録ヘッド23によって記録の行われた用紙Pは、回動駆動される排出駆動ローラ25と、排出駆動ローラ25に接して従動回動する排出従動ローラ26とを備えた排出ローラ対5によって、装置前方に設けられた図示しないスタッカへ向けて排出される。尚、符号24は、用紙Pの紙案内前24からの浮き上がりを防止する補助ローラを示している。
ここで、プリンタ1は、用紙Pの上端及び下端に余白無く記録を行う所謂縁無し記録を実行可能に構成されている。用紙Pの上端に縁無し記録を実行する際には、用紙Pの上端は排出ローラ対5に到達していないので、用紙Pは搬送ローラ対4のみから送り力を受ける。次に、用紙Pの上端が排出ローラ対5に到達すると、用紙Pは搬送ローラ対4と排出ローラ対5の双方から送り力を受ける。そして用紙Pの下端が搬送ローラ対4から抜けると、用紙Pは排出ローラ対5のみから送り力を受ける。この様に縁無し記録では、用紙Pの搬送方向における位置に応じて、用紙Pの送り精度を支配するローラが切り換わる。以上により搬送ローラ対4と排出ローラ対5は、用紙Pを副走査送りする副走査手段(被噴射媒体送り手段)7を構成する。
続いて図3を参照しながら、プリンタ1の各種制御を行う、制御部50について説明する。制御部50は、プリンタ1に記録データやその他の情報を送信するホスト・コンピュータ100との間でデータの送受信が可能に構成され、ホスト・コンピュータ100とのインタフェースであるIF51と、ASIC52、RAM53、PROM54及びEEPROM55、CPU56、タイマIC57、DCユニット58、紙送り(PF)モータドライバ61、キャリッジ(CR)モータドライバ60、ヘッドドライバ59、を備えている。
CPU56はプリンタ1の制御プログラムを実行する為の演算処理やその他必要な演算処理を行い、タイマIC57は、CPU56に対して各種処理に必要な周期的な割り込み信号を発生させる。ASIC52は、ホスト・コンピュータ100からIF51を介して送信される記録データに基づいて記録解像度や記録ヘッド23の駆動波形等を制御するものである。RAM53は、ASIC52およびCPU56の作業領域や他のデータの1次格納領域として用いられ、PROM54およびEEPROM55には、プリンタ1を制御する為に必要な各種制御プログラム(ファームウェア)および処理に必要なデータ等が格納されている。
DCユニット58は、DCモータ(CRモータ62及びPFモータ66)の速度制御を行う為の制御回路であり、図示を省略するPID制御部、加速制御部、PWM制御回路等を有している。DCユニット58は、CPU56から送られてくる制御命令や、ロータリエンコーダ69、リニアエンコーダ64、等の各種センサ(検出手段)からの出力信号に基づいてDCモータの速度制御を行う為の各種演算を行い、CRモータドライバ60及びPFモータドライバ61へ信号を送出する。
PFモータドライバ61は、DCユニット58の制御の下、PFモータ66を駆動制御する。PFモータ66は、本実施形態においては複数の駆動対象、即ち、前述した搬送駆動ローラ18、排出駆動ローラ25、を回動させる。尚、符号68は無端ベルト、符号67は搬送駆動ローラ18の軸端に取り付けられる従動プーリ、を示しており、また搬送駆動ローラ18から排出駆動ローラ25へは、図示を省略する動力伝達機構によって動力が伝達される様になっている。
CRモータドライバ60は、DCユニット58の制御の下、CRモータ62を駆動制御することによりキャリッジ21を主走査方向に往復動させ、または停止・保持させ、ヘッドドライバ59は、CPU56の制御の下、ホスト・コンピュータ100から送信された記録データに従って記録ヘッド23を駆動制御する。符号63はCRモータ62の回転軸に取り付けられた駆動プーリ62aと、図示しない従動プーリとの間に係回される無端ベルトを示しており、当該無端ベルト63の一部にキャリッジ21が固定される。以上の様にキャリッジ21を主走査方向に駆動する手段が記録ヘッド23を主走査方向に往復移動させる主走査手段6を構成する。
CPU56およびDCユニット58には、搬送駆動ローラ18(PFモータ66)の回転量、回転方向、回転速度を検出する為のロータリエンコーダ69からの出力信号と、キャリッジ21の主走査方向における絶対位置を検出するリニアエンコーダ64からの出力信号とが与えられる。
ロータリエンコーダ69は、外周部に多数の透光部を有する円盤状スケール69bと、透光部に対して発光する発光部および前記透光部を通過した光を受光する受光部を備えた検出部69aと、を有し、円盤状スケール69bの回動に従って検出部69aが透光部を通過する光によって形成される立ち上がり信号と立ち下がり信号とを出力し、制御部50は、この様なロータリエンコーダ69からの出力信号を受信することによって、搬送駆動ローラ18及び排出駆動ローラ25の回転量、回転速度、回転方向を算出し、これにより、目的とする用紙Pの紙送り制御を実行することができる様になっている。
リニアエンコーダ64は、主走査方向に長い符号板64bと、該符号板64bにおいて主走査方向に複数形成された透光部に対して発光する発光部および前記透光部を通過した光を受光する受光部を備えた検出部64aを有している。検出部64aは、前記透光部を通過する光によって形成される立ち上がり信号と立ち下がり信号とを出力し、制御部50は、この様な検出部64aからの出力信号を受信することによって、キャリッジ21の主走査方向における位置や速度を算出する。
以上がプリンタ1の全体構成である。
<<プリンタ検査方法>>
[第1実施形態]
以下、図4乃至図8を参照しながら本発明に係るプリンタ検査方法の流れについて説明する。図4は本発明に係るプリンタ検査方法の流れを示すフローチャート、図5は検査パターンを示す図、図6はプリンタ1の各構成要素間の寸法及び座標値を示す図、図7は検査パターン形成方法を示すフローチャート、図8は得られた各寸法値をもとに用紙後端が搬送ローラ対4から抜けるタイミングを判断する方法を示すフローチャートである。
本発明に係るプリンタ検査方法は、プリンタ1が備える検査パターン形成モードを実行して用紙に検査パターンを記録し(ステップS101)、次にこの検査パターンをスキャナで読み取り(ステップS102)、コンピュータがこの読み取り結果から検査パターン上の各寸法値(後述)を取得する(ステップS103)。そして得られた各寸法値がプリンタ1の制御部50(例えば、EEPROM55)に書き込まれる(ステップS104)。
検査パターンは、例えば図5に示す様に形成することができる。図5において符号a、cで示す寸法値は図6において符号a、cで示す寸法値に対応しており、寸法aは搬送ローラ対4による用紙ニップ位置(以下「PFニップ位置」と言う)と、基準となるインク吐出ノズル(以下「基準ノズル」と言う)の位置との副走査方向距離を、寸法bは紙検出センサ17の位置YfとPFニップ位置Yrとの副走査方向距離を、寸法cは用紙を頭出しした状態における用紙先端位置(以下「頭出し先端位置」と言う)と基準ノズルの位置との副走査方向距離を示している。尚、基準ノズルは、本実施形態では最も上流側の#mノズルとする(図2)。
尚、図6においてアルファベット「Y」とともに添字で示す符号は副走査方向(用紙送り方向:Y方向とも言う)における座標値を示しており、例えば符号Yfは紙検出センサ17の位置、符号YrはPFニップ位置、符号Ybは基準ノズル位置、符号Yjは頭出し先端位置、符号Ye(n)(n=0、1、2、・・・)は用紙頭出し位置からn回目の副走査送りが実行された後の用紙後端の見込み位置、のそれぞれの座標値を示している。
更に、図6のその他の符号については、符号Lは用紙長を、符号dは用紙先端が紙検出センサ17の位置Yfから頭出し先端位置Yjまでの副走査方向距離を、それぞれ示している。尚、以下では符号Yf、Yr、Yb、Yj、Ye(n)で示される位置は、プリンタ1の設計上(理論上)の位置ではなく、実際の位置((副走査方向における)実在位置)を示すものとし、符号a、bで示すプリンタ1の各構成要素間の副走査方向距離も、設計上(理論上)の距離ではなく実際の距離を示すものとする。
この検査パターンは、図7に示す方法(検査パターン形成モード)により形成される。先ず用紙の給送を開始し(ステップS201)、用紙先端を紙検出センサ17の位置Yfの手前(位置Yfの上流側の所定位置)まで給送し(ステップS202)、最小搬送単位(マイクロステップ)にて用紙微小送りをしながら用紙先端の検出を行う(ステップS203、S204)。
次いで用紙先端を検出した時点から搬送量dだけ副走査送りをして用紙の頭出しを行い(ステップS204(肯定枝)、S205)、用紙頭出し位置にて基準ノズルにより1本のラスタライン(記録ヘッド23の移動方向に沿ったドットライン)を形成する(ステップS206)。このラスタラインが、図5において符号T1で示すラインであり、このラインから用紙先端までの距離(間隔)が図6に示す距離cとなる。
次に、用紙後端をPFニップ位置Yrの手前位置(位置Yrの上流側の所定位置)まで給送し(ステップS207)、用紙微小送り(記録実行時の最小搬送量より小さい搬送量)と基準ノズルによるラスタラインの形成とを規定回数(本実施形態では一例として7回)に達するまで交互に繰り返し実行する(ステップS208、S209、S210)。これにより形成された複数のラスタラインが図5において符号T2〜T8で示すラインである。尚これにより用紙後端は、PFニップ位置Yrの下流側の所定位置まで搬送される。
ここで、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過する際に用紙搬送精度が低下するので、複数のラスタラインT2〜T8で形成された複数の間隔のうち、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過した際の間隔が、他の間隔に比べて狭くなり、或いは広くなる。
従って例えば図5においてラインT4とT5の間隔が、他の2つのラインの間隔よりも狭い場合に、ラインT4と用紙後端との距離をa1、ラインT5と用紙後端との距離をa2とすると、ラインT4とラインT5の中間位置[(a1+a2)/2]までの距離(間隔)が、図6に示す距離aとなる。
即ち、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過する際の用紙送り精度の低下を利用することにより、PFニップ位置Yrから基準ノズル位置Ybまでの実際の距離aを求める。ここで距離a、cは、図5に示す検査パターンをスキャナで読み取り、ソフト的な処理を行うことによって求めても良いし、作業者の手により直接測定することにより求めても良い。
この様にして得られたプリンタ1における実際の距離a、cを用いることにより、何回目の副走査送りで用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するかを求めることができるとともに、その通過タイミングがクリティカルであるか否かを判断することができる。以下、その判断手法について図8を参照しながら説明する。
距離a、cに係る情報は、本実施形態ではプリンタ1のEEPROM55(制御部50)に記憶されており、図8のフローチャートで示されるプログラム処理が例えばホスト・コンピュータ100(図3)の側で動作するものであれば、当該プログラム処理が実行される際にホスト・コンピュータ100がEPROM55から読み出す。或いは、プリンタ1が所謂スタンドアロン型のプリンタである場合には、図8のフローチャートで示されるプログラム処理を実行する際に、プリンタ1の制御部50がEEPROM55から読み出す。
先ず、記録データを生成し(ステップS301)、用紙長、記録解像度、縁無し記録の有無、縁有り記録無しの場合は上端余白、等の記録を実行する為に必要な各情報をもとにしてn回目の副走査送りの各副走査送り量F(n)(図6参照)を求める(ステップS302)。
ここで、記録データとは、プリンタ1が解釈できる形式のデータであって、各種のコマンドデータと画素データとを有するデータである。コマンドデータとは、プリンタに特定の動作の実行を指示するためのデータであり、また画素データとは、記録される画像(記録画像)を構成する画素に関するデータであり、例えば、ある画素に対応する用紙上の位置に形成されるドットに関するデータ(ドットの色や大きさ等のデータ)である。
この記録データは、例えばホスト・コンピュータ100上で動作するアプリケーションプログラムから出力された画像データをもとに、同ホスト・コンピュータ100上で動作するプリンタドライバにより変換され、同ホスト・コンピュータ100からプリンタ1へと最終的に出力される。プリンタドライバは、上記アプリケーションプログラムから出力された画像データを記録データに変換するため、解像度変換処理・色変換処理・ハーフトーン処理・ラスタライズ処理などを行うものである(詳細は省略する)。
次に、基準ノズル位置Yb(例えば、この位置を座標軸のゼロとする)及び距離a、cに係る情報を取得し(ステップS303)、PFニップ位置YrをYr=Yb−aにより算出する(ステップS304)。
次に、用紙頭出し時の用紙後端見込み位置Ye(0)をYe(0)=(Yb−L)+cにより求め(ステップS305)、用紙頭出し状態からn回副走査送りした際の用紙後端見込み位置Ye(n)(n=1、2、・・・)をYe(n)=Ye(n−1)+F(n)により算出する(ステップS306)。
そしてYe(n)>Yrとなるとき、即ち用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するときの副走査送り回数をkとして、Ye(k)からPFニップ位置Yrまでの距離dr1(図6)と、Ye(k−1)からPFニップ位置Yrまでの距離dr2(図6)を算出し(ステップS307)、これら距離dr1、dr2が安全距離ds以上であるか否かを判断する(ステップS308)。安全距離ds以上と判断した場合には(ステップS308の肯定枝)、補正フラグを「0」(補正しない)にセットし(ステップS310)、安全距離dsより小さい場合には(ステップS308の否定枝)、補正フラグを「1」(補正する)にセットする(ステップS309)。
ここで、図6において距離dr1或いは距離dr2が短い場合とは、(k−1)回目或いはk回目の副走査送りを実行した後の用紙後端の見込み位置Ye(k)或いはYe(k−1)が、PFニップ位置Yrに近い位置にあることを意味している。従って副走査送り精度の低下や用紙長Lのばらつき等の要因により、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングが(k−1)回目或いはk回目の副走査送りのいずれに属するかが確定的でない状態となる。即ち用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングがクリティカルであると言えるので、従ってこの様に判断される場合(補正フラグ「1」の場合)には、上記タイミングがより安全側にシフトする様に記録実行内容を変更し(補正を行い)、距離dr1及び距離dr2を安全距離drs以上に設定した上で、記録を実行する(詳細は後述)。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、基準ノズル位置YbをY座標上の基準位置とし、この位置から上流側へ距離aの位置をPFニップ位置Yrとし、基準ノズル位置Ybから下流側へ距離c、更にこの位置(位置Yj)から上流側へ距離d(頭出し量)の位置を紙検出センサ17の位置Yfとすることで、PFニップ位置Yrと紙検出センサ17の位置Yfとの相対的な位置関係を求めた。以下では、その他の例としてPFニップ位置YfをY座標上の基準位置とする方法について図9乃至図12を参照しつつ説明する。
尚、図9は検査パターンを示す図、図10はプリンタ1の各構成要素間の寸法及び座標値を示す図、図11は検査パターン形成方法を示すフローチャート、図12は得られた各寸法値をもとに用紙後端が搬送ローラ対4から抜けるタイミングを判断する方法を示すフローチャートであり、それぞれ第1実施形態を示す図5乃至図8に対応して作成された図である。また、第1実施形態と同一の符号は、同一の構成要素、同一の座標位置、同一の距離、等を意味するものであり、従って以下ではその説明は省略することとする。
第2実施形態における検査パターンは、図9に示す通りであり、符号b、eで示す寸法値は図1において符号b、eで示す寸法値に対応していて、寸法eは紙検出センサ17の位置Yfと基準ノズル位置Ybとの間の距離を示している。
この検査パターンは、図11に示す方法(検査パターン形成モード)で形成される。先ず用紙の給送を開始し(ステップS401)、用紙後端を紙検出センサ17の位置Yfの手前(位置Yfの上流側の所定位置)まで給送し(ステップS402)、最小搬送単位(マイクロステップ)にて用紙微小送りをしながら用紙後端の検出を行う(ステップS403、S404)。そして用紙後端を検出した際に基準ノズルにより1本のラスタラインを形成する(ステップS405)。このラスタラインが、図9において符号T1’で示すラインであり、このラインから用紙後端までの距離(間隔)が図10に示す距離eとなる。
次に、用紙後端をPFニップ位置Yrの手前位置(位置Yrの上流側の所定位置)まで給送し(ステップS406)、用紙微小送り(記録実行時の最小搬送量より小さい搬送量)と基準ノズルによるラスタラインの形成とを規定回数(本実施形態では一例として7回)に達するまで交互に繰り返し実行する(ステップS407、S408、S409)。これにより形成された複数のラスタラインが図10において符号T2〜T8で示すラインである。尚これにより用紙後端は、PFニップ位置Yrの下流側の所定位置まで搬送される。
図10の例では、図6の例と同様に、ラインT4とT5の間隔が、他の2つのラインの間隔よりも小さいので、ラインT4と用紙後端との距離をa1、ラインT5と用紙後端との距離をa2とすると、ラインT4とラインT5の中間位置[(a1+a2)/2]までの距離(間隔)が図10に示す距離aとなる。従って距離eから距離aを差し引いた値が、図10の距離bとなる。
この様にして得られたプリンタ1における実際の距離bを用いることにより、第1実施形態と同様に何回目の副走査送りでPFニップ位置Yrを通過するかを求めることができ、またその通過タイミングがクリティカルであるか否かを判断することができる。以下その判断手法について図12を参照しながら説明する。
図10の距離b及び距離d(用紙頭出し量)に係る情報はEEPROM55(制御部50)に記憶されており、図12のフローチャートで示されるプログラム処理が例えばホスト・コンピュータ100(図3)の側で動作するものであれば、当該プログラム処理が実行される際にホスト・コンピュータ100がEPROM55から読み出す。或いは、プリンタ1が所謂スタンドアロン型のプリンタである場合には、図12のフローチャートで示されるプログラム処理を実行する際に、プリンタ1の制御部50がEEPROM55から読み出す。
先ず、記録データを生成した後(ステップS501)、用紙長、記録解像度、縁無し記録の有無、縁有り記録無しの場合は上端余白、等の記録を実行する為に必要な各情報をもとにしてn回目の副走査送りの各副走査送り量F(n)(図6参照)を求める(ステップS502)。次に紙検出センサ17の位置Yf(例えば、この位置を座標軸のゼロとする)及び距離b、dを取得し(ステップS503)、PFニップ位置YrをYr=Yf+bにより算出する(ステップS504)。
次に、用紙頭出し時の用紙後端見込み位置Ye(0)をYe(0)=(Yb−L)+dにより求め(ステップS505)、用紙頭出し状態からn回副走査送りした際の用紙後端見込み位置Ye(n)(n=1、2、・・・)をYe(n)=Ye(n−1)+F(n)により算出する(ステップS506)。
そしてYe(n)>Yrとなるとき、即ち用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するときの副走査送り回数をkとして、Ye(k)からPFニップ位置Yrまでの距離dr1(図10)と、Ye(k−1)からPFニップ位置Yrまでの距離dr2(図10)を算出し(ステップS507)、これら距離dr1、dr2が安全距離ds以上であるか否かを判断する(ステップS508)。安全距離ds以上と判断した場合には(ステップS508の肯定枝)、補正フラグを「0」(補正しない)にセットし(ステップS510)、安全距離dsより小さい場合には(ステップS508の否定枝)、補正フラグを「1」(補正する)にセットする(ステップS509)。
図10において距離dr1或いは距離dr2が短い場合とは、上記第1実施形態と同様、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングがクリティカルであると言えるので、従ってこの様に判断される場合(補正フラグ「1」の場合)には、上記タイミングがより安全側にシフトする様に記録実行内容を変更し(補正を行い)、距離dr1及び距離dr2を安全距離drs以上に設定した上で、記録を実行する(詳細は後述)。
<<記録実行内容の変更>>
以下、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングを安全側にシフトさせる手段について図13乃至図18を参照しながら説明する。ここで図13は上記手段を実現するプログラム処理の流れを概説する為のフローチャート、図14乃至図18はラスタライン、記録領域、用紙、のこれらの位置関係を示す図である。
図13において、補正フラグが「0」(補正なし)の場合には(ステップS601の否定枝)、記録実行内容の変更は行わず図8のステップS301或いは図12のステップS501で生成された記録データをそのままプリンタ1へ出力し、記録を実行する(ステップS607)。
一方補正フラグが「1」(補正あり)の場合には(ステップS601)、記録実行内容の変更を行った後、当該変更後の記録データをプリンタ1へ出力し、記録を実行する。具体的には、距離dr1、距離dr2のうちいずれか短い側(クリティカルな側)と、安全距離dsと、の差をδ(補正量)とする(ステップS602)。この補正量δぶんだけ用紙後端の見込み位置Ye(k)或いはYe(k−1)を上流側或いは下流側にずらすことにより、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングがより安全側にシフトすることになる(図6或いは図10参照)。
ここで、「用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングがより安全側にシフトする」とは、k回目の副走査送りに時間Tpだけ要するとしたときに、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミング(時間)が、k回目の副走査送り開始後Tp/2の時間に近づくことを意味するものであり、或いは、距離dr1と距離dr2が互いにより近い値に近づくこと、つまりPFニップ位置Yrが用紙後端の見込み位置Ye(k)とYe(k−1)との中間位置に近づくことを意味する。
次に、上記補正量δぶんだけ用紙後端位置Ye(k)或いはYe(k−1)を上流側或いは下流側にそのままずらしてしまうと、例えば上端余白を設けて記録を行う場合には上端余白量に顕著な誤差が生じるので、所定の上限値を設ける。即ち、補正量δが予め設定されたδmaxより大きい場合には、補正量δとしてδmaxを用いることとする(ステップS603、S604)。
そして距離dr1が短い場合には、用紙頭出し量dを、d+δに設定(補正)し、これにより用紙後端の見込み位置Ye(k)を下流側にずらす。或いは距離dr2が短い場合には、用紙頭出し量dを、d−δに設定(補正)し、これにより用紙後端の見込み位置Ye(k−1)を上流側にずらす(ステップS605)。
次に、用紙頭出し量のみを変更した場合、記録領域に対して用紙の位置が変わってしまい、上述の様に上端余白量に誤差が生じたり、或いは縁無し印刷の場合には上端側と下端側で画像の切り捨て量が変わってしまうことから、記録領域先端のラスタライン番号をδ相当分下流側(距離dr1が短い場合)又は上流側(距離dr2が短い場合)にシフトさせる(ステップS606)。そしてこの様に記録実行内容を変更した後、記録を実行する(ステップS607)。
尚、「記録実行内容」とは、用紙頭出し量、複数回実行が見込まれる副走査送りのうち少なくとも1回の副走査送り時の搬送量F等の、用紙を給紙し記録する際に用紙のY方向(副走査方向)位置に変化をもたらす記録条件を意味し、「記録実行内容の変更」とは、前記記録条件が複数存在する場合にはその中の少なくとも1つを変更することを意味する。
以下、図14乃至図18を参照しながら用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングを安全側にシフトさせる手段について更に詳述する。
図14乃至図18はインターレース記録の説明図でもある。なお、説明の便宜上、記録ヘッド23が有するノズル群(図の例では#1ノズル〜#5ノズルにより構成される)が、用紙に対して移動しているように描かれているが、同図はノズル群と用紙との相対的な位置関係を示すものであって、実際には用紙がY方向(副走査方向)に搬送される。また、同図において、丸囲い数字で示されたノズルは実際にインクを吐出するノズルであり、丸囲いのされていない数字で示されたノズルはインクを吐出しないノズルである。
ここで、各ノズル群の複数のノズルは、Y方向に沿って、一定の間隔(ノズルピッチ:k・D)でそれぞれ整列している。ここで、Dは、搬送方向におけるドットピッチ(つまり、用紙に形成されるドットの間隔)である。また、kは、1以上の整数である。例えば、ノズルピッチが240dpi(1/240インチ)であって、搬送方向のドットピッチが720dpi(1/720インチ)である場合、k=3である。各ノズル群のノズルは、下流側のノズルほど小さい数の番号が付されており、最も下流側のノズルが、ノズル番号#1となる(図2参照)。
ここで、「インターレース記録」とは、上記k値が2以上であって、1回のパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが挟まれるような記録方式を意味する。また、「パス」とは、ノズル群が移動方向(主走査方向:X方向)に1回移動することを意味し、即ち1回の副走査送りが行われることを意味する。「ラスタライン」とは、記録ヘッド23の移動方向に並ぶ画素の列である。また、「画素」とは、インクを着弾させドットを記録する位置を規定するために、X−Y平面上に仮想的に定められたドットである。
なお、本明細書においては便宜上、前記画素は用紙上だけでなく、縁無し記録の場合に用紙の外側にはみ出す領域である打ち捨て領域に対しても、仮想的に存在する扱いとする。従ってラスタラインは図14乃至図18に示す様に用紙領域や記録領域の外側にも存在し、また本明細書においては例えば図14のラスタライン「2」のように、実際には形成されないラスタラインも含むものとする。
図示する様にインターレース記録では、副走査方向に一定の搬送量で搬送される毎に、各ノズルが、その直前のパスで記録されたラスタラインのすぐ上のラスタラインを記録する。例えば図14において、番号3のラスタラインは2パス目のノズル♯1が担当し、番号4のラスタラインは1パス目のノズル#2が担当する。
なお、同図の3パス目では、ノズル♯2のみがインクを吐出し、4パス目ではノズル#1、2のみがインクを吐出し、以降同様に8パス目までは全てのノズルを使用せずに使用するノズルを制限しているが、これは全てのパスおいて一律に全てのノズルからインクを吐出すると、1つのラスタラインを複数回のパスで複数のノズルが担当する部分が生じるからである。また、同図の1パス目と2パス目では全てのノズルがインクを吐出しないが、これは後述する様に補正量δに合わせて記録領域を上下にずらす為(マスク処理領域を伸縮させる為)、「補正無し」の場合に記録領域の先端を形成するラスタラインを7番に設定しているからである。
なお、図14乃至図18では記録方式としてインターレース記録を用いる場合を示しているが、いわゆるオーバーラップ記録やバンド記録を行うこととしてもよい。ここで、オーバーラップ記録とは、一つのラスタラインを複数のパスにて形成し、かつ、一つのパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが挟まるような記録方法である。また、バンド記録とは、一つのパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが無い記録方法である。
[ケース1:補正の必要が生じない場合]
図14は縁無し記録を行う場合を示しており、番号6までのラスタラインは実際には形成されず(マスクされる)、番号7以降のラスタラインが形成され、この番号7のラスタラインが記録領域の先端となる。縁無し記録である為、記録領域の上端部分及び下端部分には切り捨て領域が生じ、具体的には番号7〜12のラスタラインは用紙先端から外れた領域に形成され、即ち紙案内前27(図1)に形成された溝穴に打ち捨てられるので、実際の記録は行われない。そして番号13のラスタラインが用紙の最も上端に形成され、以降のラスタラインが用紙に形成される。
図14では、13回目の副走査送り時に用紙後端がPFニップ位置Yrを通過することを示しており(k=13)、そのタイミングは、図示する様に13回目の副走査送り(副走査送りに要する時間)のほぼ中間となっている為、用紙搬送精度が或る程度低下したり、或いは用紙長Lに或る程度の誤差が存在していても、13回目の副走査送り時に用紙後端がPFニップ位置Yrを通過することが確定的となる。
尚、同図の上下方向は距離の概念を表しており、或る副走査回数の升目の間隔は、その際の副走査送り量Fと、副走査送りに要する時間Tの、いずれをも意味するものである。従って例えば13回目の副走査の升目においてニップ外れ位置のラインが中央寄りに位置する程、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングが安全であり、逆にニップ外れ位置のラインが12回目の副走査の升目或いは14回目の副走査の升目に近づく程、上記タイミングがクリティカルであることを示す。
図14の例では用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングが安全であるので、13回目の副走査送りを行う際に、その際の副走査送り量を補正すれば、用紙搬送精度が低下する副走査送り時にピンポイント的に補正を行うことができ、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過することに伴う記録品質の低下を確実に防止することができる。また、往路において形成されるドットと復路において形成されるドットの主走査方向位置ずれを補正する為の補正値についても、13回目の副走査送りを境にして切り換えれば、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過する前後において適正な記録結果を得ることができる。
[ケース2:補正の必要が生じる場合]
図15は、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングがクリティカルとなる場合を示している。即ち同図においては、14回目の副走査送り時に用紙後端がPFニップ位置Yrを通過することを示しているが(k=14)、そのタイミングは、図示する様に14回目の副走査送りの開始直後となっている為、用紙搬送精度が或る程度低下したり、或いは用紙長Lに或る程度の誤差が存在すると、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングが13回目の副走査送り時に属してしまう虞が高く、つまり14回目の副走査送り時に用紙後端がPFニップ位置Yrを通過することが確定的でない状態となっている。従ってこの様な場合には、記録実行内容を変更することにより、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングを安全側にシフトさせる。
[ケース3:用紙頭出し量のみ補正する場合]
図16は、用紙頭出し量dに3ラスタライン分に相当する補正量δを加え、用紙頭出し位置を3ラスタライン分下流側にずらした場合を示している。これにより用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングが13回目の副走査送りのほぼ中間に位置することとなり、用紙搬送精度が或る程度低下したり、或いは用紙長Lに或る程度の誤差が存在していても、13回目の副走査送り時に用紙後端がPFニップ位置Yrを通過することが確定的となる。
従って13回目の副走査送りを行う際に、その際の副走査送り量を補正すれば、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過することに伴う記録品質の低下を確実に防止することができる。また、往路において形成されるドットと復路において形成されるドットの主走査方向位置ずれを補正する為の補正値についても、13回目の副走査送りを境にして切り換えれば、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過する前後において適正な記録結果を得ることができる。
[ケース4:用紙頭出し量及び記録領域先端のラスタラインを変更する場合]
縁無し記録では、上述の通り用紙上端からはみ出す領域に対しても記録領域が設定されており、この領域に対してもインクが吐出されるようになっている。これにより用紙が記録領域に対し多少ずれても、用紙の端部へ向けて確実にインクを吐出してドットを形成することができ、もって端部に余白を形成しないようにできる。
尚この縁無し記録を行う際には、プリンタドライバは画像データに基づき、記録領域が用紙から所定幅だけはみ出るような記録データを生成する。例えば、記録領域が用紙よりも小さくなってしまうような画像データを処理する場合には、記録領域が用紙全体に行き渡って前記所定幅だけはみ出すように画像を拡大する。また逆に、記録領域が用紙から大きくはみ出てしまうような画像データを処理する場合には、用紙からのはみ出し代が前記所定幅となるように画像を縮小する。記録領域はこの様にして設定される為、通常、縁無し記録の場合にはオリジナルの画像データの四辺(上端、下端、左右端)は切り捨てられる。
そして図16に示す様に用紙頭出し量のみを補正すると、同図と図14との対比で明かな様に記録領域に対する用紙の副走査方向位置が変化し、上端側及び下端側の画像の切り捨て量が変化してしまい、場合によっては用紙上端或いは下端に余白が形成される虞もある。そこで図16に示す例では、用紙頭出し量とともに記録領域先端を形成するラスタライン番号を、7から5へとシフトさせている。これにより記録領域に対する用紙の位置がセンタリングされ、良好な記録結果を得ることができる。
[ケース5:副走査送り量(記録方式)を変更する場合]
図18は、複数回実行が見込まれる副走査送りのうち7回目の副走査送り量を変更した場合、即ち記録方式を変更した場合を示している。これにより用紙後端がPFニップ位置Yrを通過するタイミングが13回目の副走査送りのほぼ中間に位置することとなり、用紙搬送精度が或る程度低下したり、或いは用紙長Lに或る程度の誤差が存在していても、13回目の副走査送り時に用紙後端がPFニップ位置Yrを通過することが確定的となる。
従って13回目の副走査送りを行う際に、その際の副走査送り量を補正すれば、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過することに伴う記録品質の低下を確実に防止することができる。また、往路において形成されるドットと復路において形成されるドットの主走査方向位置ずれを補正する為の補正値についても、13回目の副走査送りを境にして切り換えれば、用紙後端がPFニップ位置Yrを通過する前後において適正な記録結果を得ることができる。
尚、以上説明した実施形態においては、検査パターンに基づきプリンタ1の各構成要素の実在位置を把握し、その位置に基づき用紙後端がPFニップ位置を通過するタイミングがクリティカルであるか否かを判断して、前記タイミングが安全側にシフトする様に制御したが、検査パターンに基づき得られたプリンタ1の各構成要素の実在位置を、他の用途に用いても構わない。例えば、基準ノズル位置YbとPFニップ位置Yrとの距離aが設計値a’からずれている場合には、記録ヘッド23の位置を微調整することにより、前記ずれを解消して設計値通りの寸法値を得ることができる。その結果上記検査パターンを、装置の製造ばらつきを解消する手段として利用することが可能となる。
本発明に係るプリンタの側断面図。 本発明に係るプリンタの記録ヘッドのノズル配置を示す図。 本発明に係るプリンタの制御部のブロック図。 本発明に係るプリンタ検査方法の流れを示すフローチャート。 検査パターンを示す図。 本発明に係るプリンタの各構成要素間の寸法及び座標値を示す図。 検査パターン形成方法を示すフローチャート。 用紙後端が搬送駆動ローラと搬送従動ローラとの間から抜けるタイミングを判断する方法を示すフローチャート。 検査パターンを示す図(第2実施形態)。 本発明に係るプリンタの各構成要素間の寸法及び座標値を示す図。 検査パターン形成方法を示すフローチャート(第2実施形態)。 用紙後端が搬送駆動ローラと搬送従動ローラとの間から抜けるタイミングを判断する方法を示すフローチャート(第2実施形態)。 用紙後端がPFニップ位置を通過するタイミングを安全側にシフトさせる手段を実現するプログラム処理の流れを概説する為のフローチャート。 ラスタライン、記録領域、用紙、のこれらの位置関係を示す図。 ラスタライン、記録領域、用紙、のこれらの位置関係を示す図。 ラスタライン、記録領域、用紙、のこれらの位置関係を示す図。 ラスタライン、記録領域、用紙、のこれらの位置関係を示す図。 ラスタライン、記録領域、用紙、のこれらの位置関係を示す図。
符号の説明
1 インクジェットプリンタ、2 リア給送装置、4 搬送ローラ対、5 排出ローラ対5 主走査手段、7 副走査手段、11 給送ローラ、15 紙案内上、17 紙検出センサ、18 搬送駆動ローラ、19 搬送従動ローラ、20 紙案内前、21 キャリッジ、22 キャリッジガイド軸、23 記録ヘッド、24 補助ローラ、25 排出駆動ローラ、26 排出従動ローラ、27 紙案内前、50 制御手段、51 IF、52 ASIC、53 RAM、54 ROM、55 EEPROM、56 CPU、57 タイマIC、58 DCユニット、59 ヘッドドライバ、60 キャリッジ(CR)モータドライバ、61 紙送り(PF)モータドライバ、62 キャリッジ(CR)モータ、64 リニアエンコーダ、66 紙送り(PF)モータ、69 ロータリエンコーダ、P 記録用紙

Claims (10)

  1. 被噴射媒体に対して液体を噴射することにより被噴射媒体にドットを形成する液体噴射ノズルを複数備えた液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられる搬送ローラ対及び前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられる排出ローラ対を備えて構成された被噴射媒体送り手段と、
    被噴射媒体の搬送経路上における位置を検出する検出手段と、
    前記検出手段からの検出信号を受信可能であるとともに、前記液体噴射ヘッド及び前記被噴射媒体送り手段を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、液体噴射実行開始前に、被噴射媒体搬送方向における前記搬送ローラ対の実在位置Yrと前記検出手段の実在位置Yfとの位置関係に係る情報と、
    被噴射媒体の先端が前記検出手段を通過してから液体噴射実行の為の頭出し位置まで搬送される搬送量dと、
    をもとにして、被噴射媒体後端が前記搬送ローラ対を通過するk回目の被噴射媒体送りを実行した後の被噴射媒体後端の見込み位置Ye(k)から前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離dr1及び、(k−1)回目の被噴射媒体送りを実行した後の被噴射媒体後端の見込み位置Ye(k−1)から前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離dr2が、安全距離ds以上であるか否かを判断し、
    少なくとも前記距離dr1及び前記距離dr2のいずれか一方が、前記安全距離dsより小さいと判断した場合には、
    前記搬送量d、或いは前記頭出し位置から複数回実行が見込まれる被噴射媒体送りのうち少なくとも1回の被噴射媒体送り時の搬送量F、或いは前記搬送量d及び前記搬送量F、を変更することにより、前記距離dr1及び前記距離dr2を前記安全距離ds以上に設定した上で液体噴射を実行する、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置において、前記制御部は、前記k回目の被噴射媒体送りを実行する際に、被噴射媒体送り量を補正することを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項1または2に記載の液体噴射装置において、前記液体噴射ヘッドが主走査方向に往復動しながら被噴射媒体にドット形成を行う際に、
    前記制御部は、前記k回目の被噴射媒体送りを境にして、前記液体噴射ヘッドの往路において形成されるドットと復路において形成されるドットの主走査方向位置ずれを補正する為の補正値を切り換える、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、前記制御部は、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離aと、被噴射媒体の先端が前記検出手段を通過してから搬送量d搬送された被噴射媒体の頭出し位置における被噴射媒体先端から、前記基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybまでの被噴射媒体搬送方向における距離cと、を求める為の検査用パターン形成モードを備え、
    前記検査用パターン形成モードは、被噴射媒体を前記頭出し位置に位置決めした状態において、基準とすべき液体噴射ノズルを用いて1本のラスタラインを形成することにより、前記距離cに相当する間隔を、被噴射媒体先端と前記1本のラスタラインとの間に形成し、
    次いで被噴射媒体の後端を前記搬送ローラ対上流側の所定位置に位置決めした状態から、被噴射媒体の後端が前記搬送ローラ対を通過して前記搬送ローラ対下流側の所定位置に到達するまで、所定ピッチの被噴射媒体送りと、前記基準とすべき液体噴射ノズルによる1本のラスタラインの形成と、を交互に実行して所定ピッチで複数本のラスタラインを形成することにより、前記距離aに相当する間隔を、被噴射媒体後端と、前記複数本のラスタラインで形成された複数間隔のうち最も小さい間隔、または最も大きい間隔を形成する2本のラスタラインの中間位置との間に形成するモードである、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の液体噴射装置において、前記制御部は、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離aと、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記検出手段の実在位置Yfまでの被噴射媒体搬送方向における距離eと、を求める為の検査用パターン形成モードを備え、
    前記検査用パターン形成モードは、前記検出手段が被噴射媒体後端の通過を検出した際に基準とすべき液体噴射ノズルを用いて1本のラスタラインを形成することにより、前記距離eに相当する間隔を、被噴射媒体後端と前記1本のラスタラインとの間に形成し、
    次いで被噴射媒体の後端を前記搬送ローラ対上流側の所定位置に位置決めした状態から、被噴射媒体の後端が前記搬送ローラ対を通過して前記搬送ローラ対下流側の所定位置に到達するまで、所定ピッチの被噴射媒体送りと、前記基準とすべき液体噴射ノズルによる1本のラスタラインの形成と、を交互に実行して所定ピッチで複数本のラスタラインを形成することにより、前記距離aに相当する間隔を、被噴射媒体後端と、前記複数本のラスタラインで形成された複数間隔のうち最も小さい間隔、または最も大きい間隔を形成する2本のラスタラインの中間位置との間に形成するモードである、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  6. 被噴射媒体に対して液体を噴射することにより被噴射媒体にドットを形成する液体噴射ノズルを複数備えた液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられる搬送ローラ対及び前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられる排出ローラ対を備えて構成された被噴射媒体送り手段と、
    被噴射媒体の搬送経路上における位置を検出する検出手段と、
    前記検出手段からの検出信号を受信可能であるとともに、前記液体噴射ヘッド及び前記被噴射媒体送り手段を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離aと、被噴射媒体の先端が前記検出手段を通過してから搬送量d搬送された被噴射媒体の頭出し位置における被噴射媒体先端から、前記基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybまでの被噴射媒体搬送方向における距離cと、を求める為の検査用パターン形成モードを備え、
    前記検査用パターン形成モードは、被噴射媒体を前記頭出し位置に位置決めした状態において、基準とすべき液体噴射ノズルを用いて1本のラスタラインを形成することにより、前記距離cに相当する間隔を、被噴射媒体先端と前記1本のラスタラインとの間に形成し、
    次いで被噴射媒体の後端を前記搬送ローラ対上流側の所定位置に位置決めした状態から、被噴射媒体の後端が前記搬送ローラ対を通過して前記搬送ローラ対下流側の所定位置に到達するまで、所定ピッチの被噴射媒体送りと、前記基準とすべき液体噴射ノズルによる1本のラスタラインの形成と、を交互に実行して所定ピッチで複数本のラスタラインを形成することにより、前記距離aに相当する間隔を、被噴射媒体後端と、前記複数本のラスタラインで形成された複数間隔のうち最も小さい間隔、または最も大きい間隔を形成する2本のラスタラインの中間位置との間に形成するモードである、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  7. 被噴射媒体に対して液体を噴射することにより被噴射媒体にドットを形成する液体噴射ノズルを複数備えた液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられる搬送ローラ対及び前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられる排出ローラ対を備えて構成された被噴射媒体送り手段と、
    被噴射媒体の搬送経路上における位置を検出する検出手段と、
    前記検出手段からの検出信号を受信可能であるとともに、前記液体噴射ヘッド及び前記被噴射媒体送り手段を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離aと、基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記検出手段の実在位置Yfまでの被噴射媒体搬送方向における距離eと、を求める為の検査用パターン形成モードを備え、
    前記検査用パターン形成モードは、前記検出手段が被噴射媒体後端の通過を検出した際に基準とすべき液体噴射ノズルを用いて1本のラスタラインを形成することにより、前記距離eに相当する間隔を、被噴射媒体後端と前記1本のラスタラインとの間に形成し、
    次いで被噴射媒体の後端を前記搬送ローラ対上流側の所定位置に位置決めした状態から、被噴射媒体の後端が前記搬送ローラ対を通過して前記搬送ローラ対下流側の所定位置に到達するまで、所定ピッチの被噴射媒体送りと、前記基準とすべき液体噴射ノズルによる1本のラスタラインの形成と、を交互に実行して所定ピッチで複数本のラスタラインを形成することにより、前記距離aに相当する間隔を、被噴射媒体後端と、前記複数本のラスタラインで形成された複数間隔のうち最も小さい間隔、または最も大きい間隔を形成する2本のラスタラインの中間位置との間に形成するモードである、
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  8. 被噴射媒体に対して液体を噴射することにより被噴射媒体にドットを形成する液体噴射ノズルを複数備えた液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられる搬送ローラ対及び前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられる排出ローラ対を備えて構成された被噴射媒体送り手段と、
    被噴射媒体の搬送経路上における位置を検出する検出手段と、
    前記検出手段からの検出信号を受信可能であるとともに、前記液体噴射ヘッド及び前記被噴射媒体送り手段を制御する制御部と、を備えた液体噴射装置における液体噴射方法であって、
    液体噴射実行開始前に、
    前記搬送ローラ対の被噴射媒体搬送方向における実在位置Yrと前記検出手段の実在位置Yfとの位置関係に係る情報と、
    被噴射媒体の先端が前記検出手段を通過してから液体噴射実行の為の頭出し位置まで搬送される搬送量dと、
    をもとにして、被噴射媒体後端が前記搬送ローラ対を通過するk回目の被噴射媒体送りを実行した後の被噴射媒体後端の見込み位置Ye(k)から前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離dr1及び、(k−1)回目の被噴射媒体送りを実行した後の被噴射媒体後端の見込み位置Ye(k−1)から前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離dr2が、安全距離ds以上であるか否かを判断し、
    少なくとも前記距離dr1及び前記距離dr2のいずれか一方が、前記安全距離dsより小さいと判断した場合には、
    前記搬送量d、或いは前記頭出し位置から複数回実行が見込まれる被噴射媒体送りのうち少なくとも1回の被噴射媒体送り時の搬送量F、或いは前記搬送量d及び前記搬送量F、を変更することにより、前記距離dr1及び前記距離dr2を前記安全距離ds以内に設定した上で液体噴射を実行する、
    ことを特徴とする液体噴射方法。
  9. 被噴射媒体に対して液体を噴射することにより被噴射媒体にドットを形成する液体噴射ノズルを複数備えた液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられる搬送ローラ対及び前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられる排出ローラ対を備えて構成された被噴射媒体送り手段と、
    被噴射媒体の搬送経路上における位置を検出する検出手段と、
    前記検出手段からの検出信号を受信可能であるとともに、前記液体噴射ヘッド及び前記被噴射媒体送り手段を制御する制御部と、を備えた液体噴射装置の、
    基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離aと、
    被噴射媒体の先端が前記検出手段を通過してから搬送量d搬送された被噴射媒体の頭出し位置における被噴射媒体先端から、前記基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybまでの被噴射媒体搬送方向における距離cと、を検査する方法であって、
    (1)被噴射媒体を前記頭出し位置に位置決めした状態において基準とすべき液体噴射ノズルを用いて1本のラスタラインを形成し、
    (2)被噴射媒体の後端を前記搬送ローラ対上流側の所定位置に位置決めした状態から、被噴射媒体の後端が前記搬送ローラ対を通過して前記搬送ローラ対下流側の所定位置に到達するまで、所定ピッチの被噴射媒体送りと、前記基準とすべき液体噴射ノズルによる1本のラスタラインの形成と、を交互に実行することにより所定ピッチで複数本のラスタラインを形成し、
    (3)被噴射媒体先端から、上記(1)で形成されたラスタラインまでの距離を測定することにより上記距離cを求め、
    (4)上記(2)の複数本のラスタラインで形成された複数間隔のうち、最も小さい間隔、または最も大きい間隔を形成する2本のラスタラインの中間位置から、被噴射媒体後端までの距離を測定することにより上記距離aを求める、
    ことを特徴とする液体噴射装置の検査方法。
  10. 被噴射媒体に対して液体を噴射することにより被噴射媒体にドットを形成する液体噴射ノズルを複数備えた液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドの上流側に設けられる搬送ローラ対及び前記液体噴射ヘッドの下流側に設けられる排出ローラ対を備えて構成された被噴射媒体送り手段と、
    被噴射媒体の搬送経路上における位置を検出する検出手段と、
    前記検出手段からの検出信号を受信可能であるとともに、前記液体噴射ヘッド及び前記被噴射媒体送り手段を制御する制御部と、を備えた液体噴射装置の、
    基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記搬送ローラ対の実在位置Yrまでの被噴射媒体搬送方向における距離aと、
    基準とする液体噴射ノズルの被噴射媒体搬送方向における実在位置Ybから前記検出手段の実在位置Yfまでの被噴射媒体搬送方向における距離eと、を検査する方法であって、
    (1)前記検出手段が被噴射媒体後端の通過を検出した際に基準とすべき液体噴射ノズルを用いて1本のラスタラインを形成し、
    (2)被噴射媒体の後端を前記搬送ローラ対上流側の所定位置に位置決めした状態から、被噴射媒体の後端が前記搬送ローラ対を通過して前記搬送ローラ対下流側の所定位置に到達するまで、所定ピッチの被噴射媒体送りと、前記基準とすべき液体噴射ノズルによる1本のラスタラインの形成と、を交互に実行することにより所定ピッチで複数本のラスタラインを形成し、
    (3)被噴射媒体後端から、上記(1)で形成されたラスタラインまでの距離を測定することにより上記距離eを求め、
    (4)上記(2)の複数本のラスタラインで形成された複数間隔のうち、最も小さい間隔、または最も大きい間隔を形成する2本のラスタラインの中間位置から、被噴射媒体後端までの距離を測定することにより上記距離aを求める、
    ことを特徴とする液体噴射装置の検査方法。
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US11279153B2 (en) 2019-03-01 2022-03-22 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image recording apparatus and printer driver

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JP2004160797A (ja) * 2002-11-12 2004-06-10 Canon Inc 記録装置

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