JP2008228861A - 医療用の二重刺針、医療用ドリル、および、それらを用いた医療用ドリルキット - Google Patents

医療用の二重刺針、医療用ドリル、および、それらを用いた医療用ドリルキット Download PDF

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康弘 藤田
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Abstract

【課題】骨を穿刺し、髄腔の髄液の吸引を容易に行うことができる医療用の二重刺針セットを提供する。
【解決手段】先端に形成された刃先部13を備えた筒状の外針11と、その外針の内部に収納される中実の内針12と、前記外針の基端に固定される針基15と、前記内針の基端に固定されるキャップ23とからなる医療用の二重刺針10。針基15が、外針の基端と係合する外針係合部16と、回転具によって保持される保持部18と、吸引器具と連結する吸引部17と、外周に形成された雄ネジ19を備えている。キャップ23が、内針の基端と係合する内針係合部28と、雄ネジ19と螺合する雌ネジ29を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は医療用の二重刺針、それを用いる医療用ドリル、および、それらを用いた医療用ドリルキットに関する。
特開2003−116862号公報
一般的に骨髄採取の方法としては、腸骨や胸骨に骨髄吸引用の穿刺針を使って骨髄腔に向かって硬い骨皮質から穿刺針のハンドルをにぎり、手術者の体重をかけながら手をねじり針を穿刺する。また、硬い骨皮質に針を穿刺して、カテーテルなどを挿入して行う方法もある。双方とも、中空の外針とその内部に着脱自在に挿入される内針とを組み合わせた二重刺針が用いられる。つまり前者の場合、二重刺針を骨皮質から骨髄腔まで貫通させ、ついで内針を抜き取り、外針を使って骨髄を吸引するが、後者の場合、外針内にガイドワイヤや検査用の探索管などを通し、そのガイドワイヤ等を用いてカテーテルを骨髄腔に案内して吸引する。また、内針を用いずに、外針だけを骨穿刺針として使用することもある。
特許文献1には、保持体を有する内針と、その内針を挿入する外針とからなり、内針と外針を一体に連結させる骨髄針が開示されている。この骨髄針は、その内針に設けられた保持体と電動ドリル等の回転具とを連結させて内針と外針を一体にして回転させ骨を穿刺する。また、骨髄の採取は、骨髄針を二箇所穿刺し、それぞれ内針を取り除き、一方の外針に注射用のシリンジを取り付け、他方の外針に吸引用チューブを取り付けて、髄腔内を洗い流すようにして骨髄を採取する方法が開示されている。
本発明は、骨を穿刺し、髄腔の髄液の吸引を容易に行うことができる医療用の二重刺針、それに用いる医療用ドリルおよびそれらを用いた医療用ドリルキットを提供することを目的としている。
本発明の医療用の二重刺針は、先端に刃先部を備えた筒状の外針と、その外針の内部に収納される中実の内針と、前記外針の基端に固定される針基と、前記内針の基端に固定されるキャップとからなり、前記針基が、外針の基端と係合する外針係合部と、回転具によって保持される保持部と、吸引器具と連結する吸引部とを備えており、前記キャップが、内針の基端と係合する内針係合部を備えており、前記針基とキャップとを着脱自在に連結固定する手段を備えていることを特徴としている。
このような二重刺針であって、前記保持部が対面5〜12mmの六角形断面である、前記保持部が外径5〜10mmの円形断面である、あるいは、前記保持部がトルク伝達機構を有しているものが好ましい。
本発明の医療用ドリルキットは、本発明の二重刺針と、その二重刺針の保持部を保持する回転具とからなることを特徴としている。また、このようなドリルキットであって、回転具が医療用ドリルであるものが好ましい。
本発明の医療用ドリルは、円筒状のドリルボディの軸と、その軸の端部に取り外し自在に連結されるチャックと、そのチャックと軸とを連結する連結具とを備えた医療用ドリルであって、前記軸が、チャックを支持するチャック受け部と、連結具と連結する連結部とを備え、前記チャックが、内部にドリルを保持する円筒状のチャック本体と、そのチャック本体の外周に螺合されるナットとからなり、前記チャック本体が、一方の端部に形成され、前記チャック受け部と嵌合する軸係合部と、他方の端部に設けられた軸方向に延びる溝を備えたテーパー状のドリル固定部と、内面に形成された前記連結具を係止する係止部とを備えており、前記ナットの内周が、ドリル固定部の外周と縮径可能に当接する当接面を有し、前記連結具を、チャック本体の他方の端部より挿入して一方の端部より突出させ、ドリルボディの軸の連結部と連結させることによって軸とチャックとを連結させることを特徴としている。
このような医療用ドリルであって、前記連結具が頭部を有する雄ネジであり、前記連結部が円筒状に形成された軸の内周に形成された雌ネジ部であり、前記係止部は雄ネジの頭部を係止する段部であり、前記雄ネジを、チャック本体の他方の端部より挿入して一方の端部よりネジ先を突出させ、ドリルボディの軸の雌ネジ部と螺合させることによって軸とチャックとを連結させるものが好ましい。また、前記チャック本体が、その外周に形成された環状のフランジ部を備えていてもよい。さらに、前記固定部のスリットが、六角形状に配置されていてもよい。
本発明の医療用ドリルであって、全体を覆って保護する防汚カバーを有し、前記防汚カバーが、チャックを外部に露出させるチャック穴を備えたものが好ましい。また前記防汚カバーが、可撓性を有する中空状の袋本体からなり、前記袋本体は、医療用ドリルを挿入する開閉可能な挿入口と、袋本体の上部に設けられるチャック穴とからなるものが好ましい。さらに、前記チャック穴の縁にリングが取り付けられていてもよい。
また、防汚カバーを有した医療用ドリルであって、ドリルボディに略直交するように取り付けられた把持部を有し、防汚カバーの袋本体が、前記ドリルボディを収容する第1袋体と、前記把持部を収容する第2袋体とからなり、第1袋体と第2袋体とを連結する連結手段を備えていてもよい。
本発明の医療用の二重刺針は、先端に形成された刃先部を備えた筒状の外針と、その外針の内部に収納される中実の内針と、その外針の基端に固定される針基と、その内針の基端に固定されるキャップとからなり、前記針基が、外針の基端と係合する外針係合部と、回転具によって保持される保持部と、吸引器具と連結する吸引部とを備えており、前記キャップが、内針の基端と係合する内針係合部を備えており、前記針基とキャップとを着脱自在に連結固定する手段を備えているため、連結した外針と内針とを外針の保持部を保持して回転具を使って回転させることにより、簡単に骨を穿刺することができる。また、穿刺した後、内針を取り除き、外針に吸引器具を連結することにより髄液等の採取ができるため、その操作が簡単である。
このような二重刺針であって、前記保持部が対面5〜12mmの六角形断面である、前記保持部が外径5〜10mmの円形断面である、あるいは、前記保持部がトルク伝達機構を有している場合、二重刺針を回転具で保持しやすい。
本発明のドリルキットは、上述した本発明の医療用の二重刺針と、その二重刺針の保持部を保持する回転具とからなるため、骨の穿刺、および、その後の髄液の採取の操作が容易である。
本発明のドリルは、円筒状のドリルボディの軸と、その軸の端部に取り外し自在に連結されるチャックと、そのチャックと軸とを連結する連結具とを備えた医療用ドリルであって、前記軸が、チャックを支持するチャック受け部と、連結具と連結する連結部とを備え、前記チャックが、内部にドリルを保持する円筒状のチャック本体と、そのチャック本体の外周に螺合されるナットとからなり、前記チャック本体が、一方の端部に形成され、前記チャック受け部と嵌合する軸係合部と、他方の端部に設けられた軸方向に延びる溝を備えたテーパー状のドリル固定部と、内面に形成された前記連結具を係止する係止部とを備えており、前記ナットの内周が、ドリル固定部の外周と縮径可能に当接する当接面を有し、前記連結具を、チャック本体の他方の端部より挿入して一方の端部より突出させ、ドリルボディの軸の連結部と連結させることによって軸とチャックとを連結させるため、従来のドリルと同様の性能を有すると共に、連結具を操作することによってチャックを容易に着脱できる。そのため、ドリル使用毎のチャックの洗浄、滅菌が容易にできる。
また、このようなドリルであって、チャック本体が、その外周に形成された環状のフランジ部を備えている場合、使用者はチャックを把持しやすい。さらに、固定部のスリットが、六角形状に配置されている場合、ドリルに取り付ける穿刺針の固定がしっかりできる。
本発明のドリルであって、全体を覆って保護する防汚カバーを有し、前記防汚カバーが、チャックを外部に露出させるチャック穴を備えている場合、チャックのみを外部に露出した状態でドリルを使用できる。そのため、チャックおよび防汚カバーを洗浄、滅菌するだけで、ドリルの洗浄、滅菌ができる。
このような防汚カバーを有するドリルであって、防汚カバーが、可撓性を有する中空状の袋本体からなり、袋本体は、医療用ドリルを挿入する開閉可能な挿入口と、袋本体の上部に設けられるチャック穴とからなる場合、ドリルを一層密閉でき、ドリル全体の洗浄が容易である。また、防汚カバーを取り替えることにより、チャックの洗浄、滅菌のみでドリルの再使用ができる。また、前記チャック穴の縁にリングが取り付けられている場合、ドリルの取り出しによってチャック穴が破れたりするおそれが小さい。
本発明のドリルであって、前記ドリルボディに略直交するように取り付けられた把持部を有し、前記防汚カバーの袋本体が、前記ドリルボディを収容する第1袋体と、前記把持部を収容する第2袋体とからなり、第1袋体と第2袋体とを連結する連結手段を備えている場合、ドリルボディの保護が確実にできる。
本発明の二重刺針を図面を用いて説明する。図1aは、本発明の二重刺針の一実施形態を示す側面図、図1bは、その外針を示す側面図、図1cはその内針を示す側面図;図2aは、図1aの二重刺針の基端を示す断面側面図、図2bは、図1bの外針の基端を示す断面側面図、図2cは、図1cの内針の基端を示す断面側面図、図2d、e、f、gは、本発明の二重刺針の保持部の形状を示す正面図;図3aは、図1aの二重刺針を電動ドリルに取り付けた状態の一部を示す側面図、図3bは、図1bの外針をシリンジに取り付けた状態の一部を示す側面図;図4aは、図3aの状態にアジャスターを取り付けた場合を示す一部断面側面図、図4b、c、dはそれぞれアジャスターの部品を示す断面図;図5は、本発明のドリルの一実施形態を示す側面図;図6aは、図5のドリル先端部分を示す分解図、図6bは、図5のドリル先端部分を示す側面断面図;図7aは、本発明のドリルに用いられる防汚カバーの一実施形態を示す側面図、図7bは、そのチャック穴を示す部分側面図、図7c、図7dは、防汚カバーを設けた本発明のドリルの他の実施形態を示す側面図;図8は、本発明のドリルに用いられる防汚カバーの他の実施形態を示す側面図である。
図1aに示す二重刺針10は、筒状の外針11と、その外針の内部に収納される中実の内針12とからなる。
外針11は、図1bに示すように、先端に傾斜面からなる刃先部13を備えた筒状の外針本体14と、その外針本体の基端を挿入するようにして連結される筒状の針基15とからなる。外針本体14は、人間あるいは動物の骨に刺して孔をあけるものであるため、ステンレススチール、ニチノール、あるいは、チタン、チタン合金、コバルト合金、クロム合金等の強度を備えた金属製のものが好ましい。しかし、その材料は、強度が骨を刺針できる程度であれば特に限定されるものではない。
針基15は、図2bに示すように、その内周に外針本体14の基端と係合する外針係合部16と、後述するシリンジ等の吸引器の先端と係合する基端に向かって拡径しているテーパー状の吸引部17とが形成されている。また、針基15の外周には、後述する回転具により保持される六角形状の保持部18と、基端側に形成された後述する内針12と連結する雄ネジ19とが設けられている。この実施形態では、雄ネジ19は二条ネジとなっている。ここで保持部18は、対面5mm〜12mmの六角柱であり、好ましくは、8mm〜10mmの六角柱である。対面が5mmより小さい場合は、その成形、特にテーパー状の吸引部17の成形が困難となり、12mmより大きい場合は、重くなり使いづらい。
このような針基15は、ステンレススチール、ニチノール、チタン、チタン合金、コバルト合金、クロム合金等の強度を備えた金属によって形成される。そのため、強い力で保持部18を保持しても針基15が変形しない。しかし、合成樹脂等で作成してもよく、その材料は、使用により変形しないものであれば、特に限定されるものではない。
また、図2dに示すように保持部18は、六角形状であるが、保持部18aのように四角形状(図2e参照)等の多角形状、あるいは、キー構造からなるトルク伝達機構を有することが好ましい。キー構造としては、例えば、外径が6mm〜12mmの円形であり、扇状に切り欠かれた保持部18b(図2f参照)、さらに、外径6〜12の円形であり、スリットが形成された保持部18c(図2g参照)が挙げられる。
しかし、保持部は、トルク伝達機構を有しない円柱であってもよい。この場合、外径が5mm〜10mm、特に8mm〜10mmであるものが好ましい。外径が5mmより小さい場合、吸引部の形成が困難となり、10mmより大きいと重くなり使いづらい。
また、外針本体14と針基15とは、はんだ、あるいは、糊等によって固定されており、回転具等によって保持部18を保持して針基15を回転させることにより外針本体14も一体となって回転する。
内針12は、図1cに示すように、先端に傾斜面からなる刃先部21を備えた内針本体22と、その内針本体の基端を挿入して連結される有底筒状のキャップ23とからなる。内針本体22も外針本体14と同様に強度を有する材料から成形される。
キャップ23は、図2cに示すように、底部24を有する内筒25と、その内筒の外周に設けられる外筒26とからなり、外筒の底部27と内筒の外周とが連結している。そして、キャップ23には、内筒の底部24において内針本体22の基端を受けて、基端付近を係合する内針係合部28が形成されている。また、外筒26の内面には、針基15の雄ネジ19と嵌合する雌ネジ29が形成されている。この実施形態の雌ネジ29も、上述した雄ネジ19と同様に二条ネジとなっている。また、キャップ23の外周には、キャップ23の取り扱いを容易にするための羽根30が設けられている。このようなキャップ23は、合成樹脂等によって成形される。また、この内針本体22とキャップ23は糊等によって一体に連結されている。
この二重刺針10は、図1aおよび図2aに示すように、外針11に内針12を挿入し、針基15の雄ネジ19およびキャップ23の雌ネジ29をネジ嵌合させることにより連結し、一体化させる。
そして、このように一体化させた二重刺針10は、図3aに示すように医療用の電動ドリル31等の回転具に連結させて医療用ドリルキットとして用いる。この二重刺針10の保持部18に、電動ドリルのチャック32を連結させる。チャック32は、従来公知のものであり、六角形状の保持部18を覆うようにして保持するものである。また、レンチ等により保持部18を保持し、人の力で回転させてもよい。
これにより、二重刺針10の外針11を回転させて、二重刺針10の先端が目的としている骨の髄腔に届くように穿孔する。このとき、内針12は外針11と一体化されているため、一体に回転し、内針の刃先部21によって孔は形成される。
二重刺針10の先端が髄腔に到着したら、外針の保持部18から電動ドリル31(チャック32)を取り外し、さらに、内針12を取り外す。このとき、外針11と内針12とはネジ嵌合しているため、簡単に取り外すことができる。
次に、図3bに示すように、シリンジ34の先端35を外針の針基15に挿入する。このとき、針基15の吸引部17の内面はテーパー状に形成されているため、シリンジ34を外針11方向に強く押し付けることにより、シリンジ34と外針11とを密閉して連結することができる。この状態でシリンジ34のピストン36を引くことにより、髄腔の髄液を吸引し、シリンダー37内に抽出することができる。
このように二重刺針10は、外針が内針との連結手段を備えているため、外針と内針とを一体にして骨の穿孔を行うことができ、手間がかからない。また従来、穿孔した後の髄液の吸引は、カテーテルを外針に這わせて挿入し、カテーテルを介して行っていたが、外針がシリンジ(吸引器)との連結手段を備えているため、外針をカテーテルの代わりに使用でき、髄液の抽出操作が容易にできる。
また、二重刺針10を用いて骨の穿孔を行う際に、図4aに示すようなアジャスター39を用いてもよい。
アジャスター39は、図4b〜dに示すように、外周に雄ネジが形成された雄部39aと、内周に雌ネジが形成された雌部39bと、雄部39aと雌部39bの螺合位置を固定するためのロックナット39cとからなり、二重刺針10を挿入し、二重刺針の針基15の先端に配置するものである。つまり、二重刺針10の骨への挿入する長さを調整するものである。これにより、穿孔するときに、二重刺針10の先端が髄腔を跨いで反対側の骨に届かないようにする。
このアジャスター39は、雄部39aと雌部39bを螺合させ、適切な位置で、ロックナット39cで固定する。また、雄部39aの挿入を浅くすることによりアジャスターの長さを長くすることができ、挿入を深くすることによりアジャスターの長さを短くすることができる。そして、穿孔する骨の髄腔の大きさに応じて、二重刺針を穿孔する長さを計算し、その長さの針だけがアジャスター39から突出するようにして電動ドリルに装着する。これにより、骨を穿孔するときに二重刺針10をどれだけ深く挿入したらよいか考えずに穿孔することができ、穿孔による事故等を防止することができる。
図5、図6に示す医療用ドリル40は、ドリルボディ41と、そのドリルボディに着脱自在に連結されるチャック42と、そのドリルボディとチャックとを連結する雄ねじ43とからなる。雄ねじ43は、頭部43aと胴部43bとを有する従来公知のものである。また、図5、図6では、左側を先端という。
図6aに示すように、ドリルボディ41は、チャックと連結する円筒状の先端41aに円筒状の軸44が挿入されている。また、軸44は、雄ねじ43と螺合する雌ネジが形成された中心孔46と、その中心孔の先端に形成された拡径した円筒状のチャック受け部47とを備えている。そして、中心孔43とチャック受け部47とによって段部48が形成されている。
チャック42は、内部にドリルを支持する円筒状のチャック本体51と、そのチャック本体の外周に螺合されるナット52とからなる。
チャック本体51は、基端部(図5の右端部)に形成されたチャック受け部と係合する軸係合部53と、先端部(図5の左端部)に形成されたドリル固定部54と、軸係合部とドリル固定部の間の外周に形成された環状フランジ55とから構成されている。
ドリル固定部54は、先端に形成されたテーパー部56と、そのテーパー部と連続した雄ねじ部57とからなり、テーパー部56には、軸方向に延びるスリット58が六角形状に設けられている。
また、チャック本体56の内面は、先端から延びるドリルを係止するドリル係止面59と、そのドリル係止面と連続した雄ねじ43の頭部43aを係止する段部60とからなっている。
ナット52は、円筒状のものであり、内面の基端に雄ねじ部57と螺合する雌ネジ部62が形成されており、内面の先端にその雌ネジ部62と連続しており、先端側に向かって縮径するテーパー状の当接面63が形成されている。この当接面63の傾斜は、ドリル固定部のテーパー部56よりも大きく構成されている。
このように構成されたドリル40は、次のようにして組み立てられる。初めに、雄ねじ43をチャック本体51の先端開口部から挿入し、雄ねじの頭部43aを段部60と当接させ、胴部43bをチャック本体の基端開口部から突出させる。この状態で、押ねじの胴部43bをドリルボディ41の軸44の中心孔46に螺合させる。このとき、チャック本体の軸係合部53と軸のチャック受け部47とは係合され、軸44がチャック本体51を支持する。その後、チャック本体51の先端にナット52を被せる。
また、このドリルへの穿刺針の取り付け法は、ナット52をチャック本体51の先端に軽く被せた状態で、穿刺針の基端をナットの先端開口部より段部60と係合するまで挿入する(図6bの想像線)。その後、ナット52の雌ネジ部62をチャック本体の雄ねじ部57に螺合させる。このとき、ナットの当接面63と、チャック本体のテーパー部56とが当接する。そして、さらにナット52をチャック本体51とを強く螺合させる、つまり、ナット52をチャック本体51の基端側に押し込むことにより、当接面63がテーパー部56を押圧する。これにより、スリット58の分だけ、テーパー部56が縮径し、チャック本体の内面であるドリル係止面59が穿刺針の外周を固定する。
このように構成された医療用ドリル40は、チャック51とドリルの軸44とを雄ねじ43によって容易に着脱することができる。そのため、ドリルを使用するたびに行う必要があるチャックの洗浄、滅菌(特に、蒸気滅菌(オートクレーブ)、エチレンオキサイドガス(EOG)滅菌)が容易にできる。
図7aに示す防汚カバー70は、ドリルボディ全体を保護する袋本体71からなり、チャックを外部に露出させるチャック穴72がその袋本体の上部に形成されており、医療用ドリルを挿入する挿入口73が袋本体の下端に設けられている。
袋本体71は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの合成樹脂製の可撓性を有するものである。
チャック穴72は、図7bに示すように、袋本体に形成された孔にシリコーンゴムあるいは硬質プラスチック(例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなど)のリング74が取り付けられている。これにより、袋本体71の破れを防止すると共に、袋内の密閉性を高めることができる。
挿入口73には、図7cのように紐、テープ75aなどで巻きつけたり、図7dのように折り曲げてテープ75aなどで閉じても良い。
このようにドリル40を防汚カバー70で被せるとき、チャック穴42のリング74は、ドリルボディの軸のチャック受け部47の外周に嵌められる。これによりドリルボディ41を密閉して保護することができる。
このように防汚カバー70を備えたドリルは、着脱自在で洗浄が容易なチャック以外を密閉して保護することができるため、チャックおよび防汚カバーを洗浄、滅菌するだけで、再使用することができる。
図8a、bに示す防汚カバー80は、ドリルボディの本体を収容する第1袋体81と、ドリルボディの本体に略直交するように設けられた把持部を収容する第2袋体82とからなる。
第1袋体81は、巻物状のものであり、対向する辺に第1紐83が2本ずつ設けられている。
第2袋体82は、上端が開口した下底を有する円筒状のものであり、上部に第2紐孔84が設けられている。
この防汚カバー80のドリルへの取り付け方法は、第1袋体81をドリルボディを包むようにして巻き、第1紐83で固定する。このとき、第1袋体81の一端をドリル固定部を絞るように別途の紐で縛り、多端を閉じるようにして別途の紐84で縛る。一方、第2袋体82は、ドリルの把持部を被せるようにして装着し、第2紐84で第1袋体と連結する。このとき、隙間があかないように注意する。これにより、防汚カバー70と同様に、着脱自在で洗浄が容易なチャック以外を密閉して保護することができ、チャックおよび防汚カバーを洗浄、滅菌するだけで、再使用することができる。また、防汚カバーは使い捨てとすることができ、常に新しい防汚カバーを使うことにより清潔な環境を提供できる。
図1aは、本発明の二重刺針の一実施形態を示す側面図であり、図1bは、その外針を示す側面図であり、図1cはその内針を示す側面図である。 図2aは、図1aの二重刺針の基端を示す断面側面図であり、図2bは、図1bの外針の基端を示す断面側面図であり、図2cは、図1cの内針の基端を示す断面側面図であり、図2d、e、f、gは、本発明の二重刺針の保持部の形状を示す正面図である。 図3aは、図1aの二重刺針を電動ドリルに取り付けた状態の一部を示す側面図であり、図3bは、図1bの外針をシリンジに取り付けた状態の一部を示す側面図である。 図4aは、図3aの状態にアジャスターを取り付けた場合を示す一部断面側面図であり、図4b、c、dはそれぞれアジャスターの部品を示す断面図である。 本発明のドリルの一実施形態を示す側面図である。 図6aは、図5のドリル先端部分を示す分解図であり、図6bは、図5のドリル先端部分を示す側面断面図である 図7aは、本発明のドリルに用いられる防汚カバーの一実施形態を示す側面図であり、図7bは、そのチャック穴を示す部分側面図であり、図7c、図7dは、防汚カバーを設けた本発明のドリルの他の実施形態を示す側面図である。 本発明のドリルに用いられる防汚カバーの他の実施形態を示す側面図である。
符号の説明
10 二重刺針
11 外針
12 内針
13 外針の刃先部
14 外針本体
15 針基
16 外針係合部
17 注入部
18、18a、18b、18c 保持部
19 雄ネジ
21 内針の刃先部
22 内針本体
23 キャップ
24 内筒の底部
25 内筒
26 外筒
27 外筒の底部
28 内針係合部
29 雄ネジ
30 羽根
31 電動ドリル
32 チャック
34 シリンジ
35 シリンジの先端
36 ピストン
37 シリンダー
39 アジャスター
39a 雄部
39b 雌部
39c ロックナット
40 医療用ドリル
41 ドリルボディ
41a ドリルボディの先端
42 チャック
43 雄ねじ
43a 頭部
43b 胴部
44 軸
46 中心孔
47 チャック受け部
48 段部
51 チャック本体
52 ナット
53 軸係合部
54 ドリル固定部
55 環状フランジ
56 テーパー部
57 雄ねじ部
58 スリット
59 ドリル係止面
60 段部
62 ナット
63 当接面
70 防汚カバー
71 袋本体
72 チャック穴
73 挿入口
74 リング
75a テープ
80 防汚カバー
81 第1袋体
82 第2袋体
83 第1紐
84 第2紐

Claims (14)

  1. 先端に刃先部を備えた筒状の外針と、その外針の内部に収納される中実の内針と、前記外針の基端に固定される針基と、前記内針の基端に固定されるキャップとからなり、
    前記針基が、外針の基端と係合する外針係合部と、回転具によって保持される保持部と、吸引器具と連結する吸引部とを備えており、
    前記キャップが、内針の基端と係合する内針係合部を備えており、
    前記針基とキャップとを着脱自在に連結固定する手段を備えている、医療用の二重刺針。
  2. 前記保持部が対面5〜12mmの六角形断面である、請求項1記載の医療用の二重刺針。
  3. 前記保持部が外径5〜10mmの円形断面である、請求項1記載の医療用の二重刺針。
  4. 前記保持部がトルク伝達機構を有している、請求項1記載の医療用の二重刺針。
  5. 請求項1〜4いずれか記載の医療用の二重刺針と、その二重刺針の保持部を保持する回転具とからなる医療用ドリルキット。
  6. 前記回転具が医療用ドリルである、請求項5記載の医療用ドリルキット。
  7. 円筒状のドリルボディの軸と、その軸の端部に取り外し自在に連結されるチャックと、そのチャックと軸とを連結する連結具とを備えた医療用ドリルであって、
    前記軸が、チャックを支持するチャック受け部と、連結具と連結する連結部とを備え、
    前記チャックが、内部にドリルを保持する円筒状のチャック本体と、そのチャック本体の外周に螺合されるナットとからなり、
    前記チャック本体が、一方の端部に形成され、前記チャック受け部と嵌合する軸係合部と、他方の端部に設けられた軸方向に延びる溝を備えたテーパー状のドリル固定部と、内面に形成された前記連結具を係止する係止部とを備えており、
    前記ナットの内周が、ドリル固定部の外周と縮径可能に当接する当接面を有し、
    前記連結具を、チャック本体の他方の端部より挿入して一方の端部より突出させ、ドリルボディの軸の連結部と連結させることによって軸とチャックとを連結させる、医療用ドリル。
  8. 前記連結具が頭部を有する雄ネジであり、
    前記連結部が円筒状に形成された軸の内周に形成された雌ネジ部であり、
    前記係止部は雄ネジの頭部を係止する段部であり、
    前記雄ネジを、チャック本体の他方の端部より挿入して一方の端部よりネジ先を突出させ、ドリルボディの軸の雌ネジ部と螺合させることによって軸とチャックとを連結させる、請求項7記載の医療用ドリル。
  9. 前記チャック本体が、その外周に形成された環状のフランジ部を備えている請求項7記載の医療用ドリル。
  10. 前記固定部のスリットが、六角形状に配置されている請求項7記載の医療用ドリル。
  11. 全体を覆って保護する防汚カバーを有し、前記防汚カバーが、チャックを外部に露出させるチャック穴を備えた、請求項7記載の医療用ドリル。
  12. 前記防汚カバーが、可撓性を有する中空状の袋本体からなり、
    前記袋本体は、医療用ドリルを挿入する開閉可能な挿入口と、袋本体の上部に設けられるチャック穴とからなる、請求項11記載の医療用ドリル。
  13. 前記チャック穴の縁にリングが取り付けられている、請求項12記載の医療用ドリル。
  14. 前記ドリルボディに略直交するように取り付けられた把持部を有し、
    前記防汚カバーの袋本体が、前記ドリルボディを収容する第1袋体と、前記把持部を収容する第2袋体とからなり、第1袋体と第2袋体とを連結する連結手段を備えた、請求項11記載の医療用ドリル。
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