JP2008226522A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の各セルの膜−電極接合体の均一な保水性及び排水性を確保する。
【解決手段】燃料電池は、電解質と電解質の両側に配置された一対の電極と、一対の電極の外側に配置された一対の拡散層と、一対の拡散層の外側に配置された一対のセパレータとを備えている。この燃料電池の一対の拡散層のうち少なくとも一方の拡散層は、反応ガスを通過させて電極のそれぞれに反応ガスを拡散させる複数の気孔を有する板状部材と、板状部材に埋め込まれた線状部材とを備えている。
【選択図】図3

Description

この発明は燃料電池に関する。更に具体的には、複数の膜−電極接合体がセパレータを挟んで積層されて構成される燃料電池に関するものである。
従来、特開2005−302674号公報には、セパレータに挟持された膜−電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)を有する複数のセルが積層されて構成される燃料電池が開示されている。この従来技術の燃料電池の各セルにおいて、MEAの両側にはそれぞれ拡散層が配置されている。拡散層は、複数の気孔を備えることで供給された反応ガスをMEAの各電極に拡散させると共に、MEAの電気化学反応により生成される生成水を取り込んで排水させる機能を有している。
セパレータは、凹凸を有し、凹部によって各電極に供給される反応ガスを流通させるための流路が構成されている。燃料電池が組み立てられた状態において、各セルは、セパレータ両外側から拡散層及びMEAが締め付けられて積層される。このため拡散層は、セパレータの凸部付近において特に強い押圧力を受ける。この強い押圧力により、セパレータ凸部付近において拡散層の気孔が潰れるのを防止するため、上記従来技術の各セルには、生成水が生成されるカソード極側の拡散層とセパレータとの間に網状部材が配置されている。これにより、上記従来技術によれば、セパレータの凸部からの強い押圧力から拡散層が保護され、カソード側において、拡散層の気孔からの生成水の排水性を確保することができるとしている。
特開2005−302674号公報 特開2004−335449号公報 特開2002−170572号公報 特開2006−107752号公報
しかし、拡散層内に入った生成水は、拡散層内部でバランスを保持する傾向にある。従って、単に網状部材を設置して気孔部の潰れを防止するだけでは、十分な排水性を確保することができず、拡散層の気孔内に過剰に保水された状態(フラッディング)となる場合がある。この場合大気等の反応ガスが拡散層を通し難い状態となり、発電性能が低下することが考えられる。これに対し拡散層の高い排水性を確保するため、拡散層の気孔率を増大させることが考えられる。しかし拡散層の気孔率が大きくなれば、セパレータと拡散層との接触面積が小さくなるため、接触抵抗が増大することとなる。更に、拡散層の気孔率が高くなると、拡散層の強度は低下することとなるため、セル・スタックを組み立てる際の割れ・欠け等の不具合が発生し歩留まりが低下する場合が考えられる。
また、燃料電池のアノード極において発生したプロトンは水を伴って電解質膜中を移動する。従って燃料電池において電解質膜のプロトン伝導性を高めて高い発電性能を確保するためには、アノード極、電解質膜、カソード極を高い湿潤状態に維持することが重要となる。従って、アノード極、電解質膜、カソード極の乾燥を防ぐべく、拡散層は均一に保水された状態に維持することが好ましい。即ち、拡散層ではフラッディングを防止すべく排水性を確保する一方で、MEAの乾燥を防ぐため、電極に接する面全体を均一にある程度保水することが要求される。
しかし、例えば、反応ガスの供給口との位置関係や、電気化学反応の面内でのバラツキ等により、必ずしも面内の保水・排水性は均一とはならず、乾燥しやすい部分、フラッディングを起こし易い部分等、面内でのバラツキが生じることとなる。この点、上記従来技術は、拡散層の気孔の潰れを防止するものであるが、拡散層全面を均一な状態に排水・保水することについて寄与するものではない。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、各セルの強度を確保しつつ、セル面内の排水・保水の均一性を向上させるように改良した燃料電池を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、燃料電池であって、
電解質と、
前記電解質の両側に配置された一対の電極と、
前記一対の電極の外側に配置された一対の拡散層と、
前記一対の拡散層の外側に配置された一対のセパレータと、
を備え、
前記一対の拡散層のうち、少なくとも一方の拡散層は、
複数の気孔を有する板状部材と、
前記板状部材に埋め込まれた線状部材と、
を備える。
第2の発明は、第1の発明において、前記線状部材は、該線状部材の配置方向を重力方向と水平方向との成分に分解した場合に、少なくとも重力方向の成分を含む方向に、複数本配置されている。
第3の発明は、第2の発明において、前記線状部材の配置方向は、該線状部材の配置方向を重力方向と水平方向との成分に分解した場合に、水平方向の成分を含む。
第4の発明は、第1又は第2の発明において、前記セパレータは、前記一対の電極のうち、前記一方の拡散層に接する一方の電極に供給される反応ガスの、入口及び出口を備え、
前記反応ガスの入口付近の領域における前記線状部材の配置方向を、重力方向と水平方向とに分解した場合に、前記重力方向の成分と前記水平方向の成分とを共に有する。
第5の発明は、第1から第4のいずれかの発明において、前記セパレータは、前記一対の電極のうち、前記一方の拡散層に接する一方の電極に供給される反応ガスの、入口及び出口を備え、
前記線状部材の配置方向は、前記入口と前記出口とを結ぶ方向と、これに対して垂直な方向とに分解された場合に、少なくとも前記入口と前記出口とを結ぶ方向の成分を有する。
第6の発明は、第5の発明において、前記反応ガスの入口付近の領域における前記線状部材の配置方向を、前記入口と前記出口とを結ぶ方向と、これに対して垂直な方向とに分解した場合に、前記入口と前記出口とを結ぶ方向の成分と、これに対して垂直な方向の成分とを共に有する。
第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明において、前記セパレータは、前記反応ガスの拡散層における流れが、少なくとも重力に反する方向の成分を有するように配置された、反応ガスの入口と出口とを備える。
第8の発明は、第1から第7のいずれかの発明において、前記線状部材は、導電性を有する材料で構成される。
第9の発明は、第8の発明において、前記線状部材は、チタンである。
第1の発明によれば、一対の電極の外側に配置される拡散層は、複数の気孔を有する板状部材と、これに埋め込まれた線状部材とを有している。このように拡散層に線状部材が埋め込まれることで、拡散層内の生成水が排出される流れを複数の領域ごとに区画することができ、拡散層内の生成水を均一に排水しつつ、拡散層面内の湿潤状態をある程度均一に維持することができる。
第2の発明によれば、線状部材の配置方向には、少なくとも重力方向の成分が含まれている。従って、拡散層内の生成水が排出される流れを重力方向に区画することができる。従って、拡散層内に滞留する生成水を、複数の領域ごとに効率的に重力方向に排水することができると共に、拡散層面内の湿潤状態を均一に維持することができる。
第3の発明によれば、線状部材の配置方向には、重力方向に加えて水平方向の成分画含まれている。これにより、拡散層に滞留する生成水が排出される際の重力方向の流れを緩和することができ、拡散層内からの排水を緩やかにして拡散層の保水性を高めることができる。
第4の発明によれば、セパレータに設けられた反応ガスの入口付近に対応する拡散層の領域において、線状部材の配置方向は、重力方向と水平方向とに分解した場合に、重力方向の成分と水平方向の成分とを共に有するようになっている。このように、重力方向に対して垂直な方向の成分を有するように線状部材を配置することで、拡散層内の生成水が重力方向に流れ落ちるのを停滞させて、生成水の流れを緩やかにすることができる。従って、反応ガスの入口付近の特に乾燥しやすい領域において、拡散層内を十分に保水することができる。
第5の発明によれば、線状部材の配置方向は、セパレータに設けられた反応ガスの入口と出口とを結ぶ方向の成分を有するように構成されている。つまり、反応ガスの流れる方向と同じ方向成分を持たせることで、拡散層内に滞留する生成水を効率良く排水又は滞留させることができ、拡散層の排水性又は保水性の向上を図ることができる。
第6の発明によれば、反応ガスの入口付近に対応する拡散層の領域において、線状部材の配置方向は、反応ガスの入口と出口とを結ぶ方向成分と、これに対して垂直な方向成分とを共に有するように構成されている。このように入口から出口に向う反応ガスの流れに対して垂直な成分を有するように線状部材を配置することで、拡散層内の反応ガスの流れに伴う生成水の流れの妨げとすることができ、生成水の流れを緩やかにすることができる。従って、反応ガスの入口付近の特に乾燥しやすい領域において、拡散層内を十分に保水することができる。
第7の発明によれば、反応ガスの流れが、少なくとも重力に反する方向の成分を有するように、反応ガスの入口と出口とが配置されている。従って、生成水が重力方向に排出されるのに反して反応ガスを逆流させて供給することができる。これにより、拡散層からの生成水の排水をより緩やかに留めることができる。従って、拡散層の保水性を向上させることができる。
第8及び第9の発明によれば、線状部材は、導電性を有する材料で構成される。従って、セパレータとの接触抵抗を小さくすることができ、燃料電池の発電性能を高めることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における燃料電池のセルについて説明するための模式図である。図1は燃料電池に積層される複数のセルのうち1のセルを模式的に表している。図2は、図1に示すセルの積層方向に平行な断面を表す模式図である。
図1及び図2を参照して、セル2は、膜―電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)10を有している。MEA10は、固体高分子型の電解質膜12(電解質)を有している。電解質膜12の両側には一対の触媒電極(電極)、即ち、カソード極14とアノード極16とが配置されている。電極14、16としては、例えば、金や白金等の触媒金属をカーボン粒子に担持させたものを溶媒に溶かし、電解質膜12に塗布したもの等を用いることができる。
カソード極14とアノード極16の外側には、それぞれ拡散層20が配置されている。拡散層20は、多孔体22(板状部材)に線材24(線状部材)が埋め込まれて構成されている。具体的に、線材24の一部が、多孔体22の表面にもライン状に露出する状態で埋め込まれている。多孔体22としては、例えば、複数の気孔を有するカーボン焼結体や金属を用いることができる。また、線材24は導電性を有する材料であることが好ましく、具体的にはカーボン繊維や金属を用いることができる。但し、金属を用いる場合には、チタン等、燃料電池の使用環境における耐腐食性の高い金属を用いることが望ましい。
拡散層20の両側には、導電性多孔体26を介してセパレータ30が設置されている。導電性多孔体26としては、ニッケル等を金メッキでコートしたものなど、耐腐食性の強い材料を用いることができる。導電性多孔体26は複数の気孔を備え供給される反応ガスを拡散させて拡散層20側に供給する機能を有している。
セパレータ30には、その長辺に沿って、それぞれ酸素導入口32(反応ガス入口)、酸素排出口34(反応ガス出口)が複数配置されている。ここでは燃料電池が設置された状態において、酸素導入口32が下側の辺、酸素排出口34が上側の辺に沿って平行に形成されている。
一方、セパレータ30の短辺のそれぞれに、水素導入口36及び水素排出口38が形成されている。水素導入口36と水素排出口38とは互いに対角となる位置に形成されている。一方の短辺側において、水素導入口36の下部には冷却水導入口40が2つ形成されている。一方、この短辺に対向する短辺に沿って、水素排出口38の上部には冷却水排出口42が2つ縦に並んで形成されている。なお、これらの導入口32、36、40及び排出口34、38、42は、いずれもセパレータ30を貫通して形成されている。
対向するセパレータ30の間の、MEA10又は拡散層20が配置される領域以外の隙間は、ガスケット44によりシールされる。ガスケット44には、セパレータ30の各導入口32、36、40や排出口34、38、42に対応する位置に貫通孔が形成されている。
実施の形態1の燃料電池は、図1に示すような、MEA10とその両側の拡散層20及びガスケット44が一体型に構成されたものが、セパレータ30に挟まれた状態で複数積層され、更にその両外側にターミナルやエンドプレート等が配置されて構成される。この状態において、セパレータ30の各導入口32、36、40や排出口34、38、42は隣接するセパレータ間で連結して、それぞれにマニホールドを構成する。このマニホールド介して、反応ガスとしての大気又は水素、及び冷却水が供給、排出される。
上記のように、実施の形態1の燃料電池において、各セル2の拡散層20は、複数の気孔を有する多孔体22に、気孔を有さない導電性の線材24を埋め込むことにより構成されている。このため多孔体22の気孔率を高いものとしても、線材24によって拡散層20の強度を確保することができる。従って、拡散層20における反応ガスの十分な通気性や排水性を確保しつつ、燃料電池が組み立てられて拡散層20が両側から締結圧力を受けた場合にも、多孔体22内の気孔の潰れや、組み立て時の割れ等の発生を抑制することができる。また、線材24は多孔体22の表面にも露出するように形成される。従って、実施の形態1の燃料電池は、拡散層20とセパレータ30との接触抵抗が小さく、発電性能の高いものとなる。
図3は、この発明の実施の形態1における拡散層について説明するための図である。ここでは、拡散層20がカソード極14側に配置される場合について説明する。上記のように拡散層20は多孔体22に線材24が埋め込まれて構成されている。多孔体22は、複数の気孔を有する。セパレータ30の酸素導入口32から導電性多孔体26を介して供給された大気は、多孔体22の気孔を透過して拡散された状態でカソード極14に供給される。
線材24は、燃料電池が設置された状態で上下となる方向(図3では紙面上下方向)に配置されて多孔体22に埋め込まれている。線材24は多孔体22とは異なり、ガスを透過させない、即ち気孔を有さない材料で構成されている。従って、拡散層20内には線材24によって複数の区画に仕切られ、上下方向の流路が形成されているような状態となっている。
この構造により、燃料電池の電気化学反応において生成された生成水は、重力によって拡散層20内を酸素導入口32側に押されることとなる。このとき、拡散層20内は線材24によって複数の区画に仕切られているため、生成水は、他の区画に移動することなく区画内の流れに沿って重力方向の力を受ける。
一方、燃料電池は、酸素導入口32が下方に配置され、酸素排出口34が上方に配置されている。つまり、供給される大気は拡散層20を下方から上方に向けて流れることとなる。ここで大気中の酸素分圧は約20%強と低い。従って、発電性能を確保するため、大気は比較的強い勢いで供給される。このため、拡散層20に滞留する生成水が下方に向けて押し出されるのに反して、大気の流れは十分な抵抗力となり、生成水は上方に向けて押し上げられることとなる。つまり生成水は、重力による下向きの流れと大気の流れの影響を同時に受けることとなるため、生成水の排水量は小さくなる。従って、拡散層20全体を十分に保水することができる。
このとき拡散層20内には線材24によって仕切られた区画が形成されている。従って、拡散層20に滞留する生成水は各区画から外に移動することがない。従って、拡散層20全体にある程度均一に生成水を滞留させることができ、拡散層20の均一な保水性を確保することができる。
図4は、この発明の実施の形態1における拡散層20の製造方法について説明するための模式図である。図4に示すように、拡散層20は線材24となる枠24aが準備されてラインに投入される(線材投入)。その後、枠24a上に多孔体22の材料となる焼結材料22aが投入される(終結材投入)。この状態で、プレスされ(プレス)、焼結炉において焼結が行われる(焼結)。これにより多孔体22に線材24が埋め込まれた拡散層20が形成される。但し、拡散層20の製造方法はこのような方法に限るものではなく、多孔体22に線材24を埋め込むことができるものであれば、他の方法で製造するものであってもよい。
なお、実施の形態1においては、拡散層20の線材24が上下鉛直方向に埋め込まれている場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではない。図5は、実施の形態1における線材の埋め込み方向に関する、他の例について説明するための図である。図5に示す例では、線材124は、重力方向に対して斜めの方向に設置されている。つまり、線材124の配置方向は、重力方向とそれに垂直な方向の成分とに分解された場合に、重力方向の成分と水平方向の成分とを共に含む方向となっている。図5の線材124の配置構造により、拡散層20内の生成水は重力方向に直接移動することができず、線材124付近で一旦その移動が妨げられることとなる。従って、より拡散層20内の保水性を高めることができる。
また、線材124は短辺方向の両端部付近には埋め込まれておらず、短辺方向に沿って線材の配置されない領域が形成されている。従って、斜めに配置された線材124に沿って、短辺側にまで移動した生成水は、そのまま短辺付近を重力方向、あるいは大気の流れに押し上げられる方向に移動して排出されることとなる。
また、図5の場合のように重力方向に対して斜めに線材124が配置される場合にも、大気を下方から上方に流すことで、重力によって流れ落ちる生成水に対して抵抗となるようにすることができる。これにより、効果的に保水性を高めることができる。また、このような場合、大気を上方に向けて鉛直に流すものに限らず、例えば、その線材124の方向に沿って大気が逆流するように、酸素導入口及び排出口を配置した構成することもできる。これにより、面内の保水性を均一に維持することができる。但し、酸素導入口、排出口の設置位置は、水素の導入・排出口や冷却水の導入・排出口との位置関係を考慮して決めることが望ましい。
また、実施の形態1では、大気を下方から上方に向けて供給する場合について説明した。これにより、生成水が流れる方向に反して大気を流すことができるため、生成水が重力方向に移動するのを押し返して、拡散層20内の保水性を高めることができる。しかし、この発明はこれに限るものではなく、例えば、上方を酸素導入口とし下方を酸素排出口として、大気を上方から下方に向けて流すものであってもよい。このようにしても、少なくとも拡散層20内は線材24によって区画されているため、拡散層20の面内の保水性をある程度均一なものとすることができる。また、例えば図5のように、重力方向に対して垂直な方向の成分を有する方向に線材124を配置すれば、生成水の重力方向の移動に対する妨げとなるため、大気を上方から下方に向けて供給する場合であっても、その保水性を比較的高く維持することができる。
また、実施の形態1では、セパレータ30から供給された反応ガスが導電性多孔体26及び拡散層20を通過して、カソード極14又はアノード極16に供給される場合について説明した。しかし、この発明において燃料電池はこれに限るものではない。例えば、導電性多孔体26を有さず、セパレータ30に、それぞれの反応ガス流路が溝状に形成されているものであってもよい。
更に、実施の形態1では、固体高分子型の燃料電池について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、電解質又は電極触媒の乾燥を防止する必要がある他の燃料電池にも効果的に適用することができる。
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2における燃料電池のセルについて説明するための模式図である。但し、図6には、セルのセパレータと拡散層のみが模式的に表されている。図6のセルは、拡散層に埋め込まれた線材の形状、及び、酸素導入口、排出口の配置位置を除いて、図1のセル2と同じ構造を有している。
具体的に、酸素導入口232はセパレータ230の上側の長辺に沿って配列され、酸素排出口234は、セパレータ230の下側の長辺に沿って配列されている。つまり、燃料電池が設置された場合に、酸素導入口232は重力方向の上側となり、酸素排出口234は重力方向の下側となるように配置されている。
ところで、実施の形態2の燃料電池は、実施の形態1の燃料電池と同様に、酸素と水素とが反応ガスとして用いられるが、アノード極16側には純水素が供給されるのに対して、カソード極14側には大気が供給され、大気中の酸素が反応ガスとして用いられる。ここで、大気中の酸素の分圧は約20%強と低い。つまり純水素に対して、カソード極14側に供給されるカソードガス(つまり大気)の酸素分圧は小さいことになる。従って、燃料電池の発電性能を確保するため大気は水素に比べて強い勢いで供給される。
このため各セルにおいては、特に酸素導入口232付近において乾燥(ドライアップ)が起き易い。従って、このドライアップしやすい領域(図6においては点線aで囲まれた部分)において拡散層20の保水性を十分に高く確保することが重要となる。
このため、図6に示す拡散層220のドライアップしやすい領域aには、線材224が折れ曲がった部分を有するように配置されている。一方、ドライアップしやすい領域aの下流側においては、線材224は重力方向に直線的に配置されている。通常、拡散層220内に滞留する生成水は、重力方向に上方から下方に向けて移動する。しかし、領域aを通過する水分は屈折した線材224によって鉛直方向の流れが阻止されるため、線材224に区画される区画内を線材224に沿って緩やかに下方に移動することとなる。つまり、領域aにおいては、生成水はトラップされて排出され難い状態となる。従って、ドライアップしやすい領域a内の保水性が十分に高く保たれる。一方、ドライアップし難い酸素排出口234側では、線材224は直線的に埋め込まれている。従って、ドライアップを起こし難い領域における過度な保湿を防止し、フラッディングの発生を抑制することができる。
以上説明したように実施の形態2によれば、特にドライアップしやすい領域において、拡散層220の線材224をトラップしやすい形状に形成することで、ドライアップを防止すると共に、拡散層220の保水性の均一化を図ることができる。
なお、実施の形態2では、拡散層220に折れ曲がった状態で線材224が埋め込まれている。これにより、ドライアップしやすい領域aに均一な保水性を確保することができる。ただし、拡散層220に埋め込まれる線材224の形状は、実施の形態2に示した形状に限るものではない。線材224の形状は、その燃料電池の特性に従って、特にドライアップしやすい領域において水分をトラップできる形状となるように、配置すればよい。
また、実施の形態2では、酸素導入口232を重力方向上側、酸素排出口234を重力方向下側に配置する場合について説明した。このようにしても、図6の線材224の構造であれば、ドライアップしやすい領域の水分を十分にトラップすることができ、保水性を確保することができる。しかし、この発明はこれに限るものではなく、実施の形態1に説明したように、酸素導入口232を重力方向下側、酸素排出口234を上側に設定し、下側から上側に向けて大気を導入するようにしたものであってもよい。これによって生成水の移動を妨げて、効果的に拡散層220内を保湿することができる
以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に限定されるものではない。また、実施の形態において説明する構造や、方法におけるステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
この発明の実施の形態1における燃料電池のセルについて説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1における燃料電池のセルについて説明するための断面模式図である。 この発明の実施の形態1における拡散層について説明するための模式図である。 この発明の実施の形態1における拡散層の製造方法について説明するための図である。 この発明の実施の形態1の拡散層の他の例について説明するための模式図である。 この発明の実施の形態2の拡散層について説明するための模式図である。
符号の説明
2 セル
10 MEA
12 電解質膜
14 カソード極
16 アノード極
20、220 拡散層
22、222 多孔体
24、124、224 線材
26 導電性多孔体
30、230 セパレータ
32、232 酸素導入口
34、234 酸素排出口
36 水素導入口
38 水素排出口
40 冷却水導入口
42 冷却水排出口
44 ガスケット

Claims (9)

  1. 電解質と、
    前記電解質の両側に配置された一対の電極と、
    前記一対の電極の外側に配置された一対の拡散層と、
    前記一対の拡散層の外側に配置された一対のセパレータと、
    を備え、
    前記一対の拡散層のうち、少なくとも一方の拡散層は、
    前記反応ガスを通過させる複数の気孔を有する板状部材と、
    前記板状部材に埋め込まれた線状部材と、
    を備えることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記線状部材は、該線状部材の配置方向を重力方向と水平方向との成分に分解した場合に、少なくとも重力方向の成分を含む方向に、複数本配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記線状部材の配置方向は、該線状部材の配置方向を重力方向と水平方向との成分に分解した場合に、水平方向の成分を含むことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記セパレータは、前記一対の電極のうち、前記一方の拡散層に接する一方の電極に供給される反応ガスの、入口及び出口を備え、
    前記反応ガスの入口付近の領域における前記線状部材の配置方向を、重力方向と水平方向とに分解した場合に、前記重力方向の成分と前記水平方向の成分とを共に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池。
  5. 前記セパレータは、前記一対の電極のうち、前記一方の拡散層に接する一方の電極に供給される反応ガスの、入口及び出口を備え、
    前記線状部材の配置方向は、前記入口と前記出口とを結ぶ方向と、これに対して垂直な方向とに分解された場合に、少なくとも前記入口と前記出口とを結ぶ方向の成分を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の燃料電池。
  6. 前記反応ガスの入口付近の領域における前記線状部材の配置方向を、前記入口と前記出口とを結ぶ方向と、これに対して垂直な方向とに分解した場合に、前記入口と前記出口とを結ぶ方向の成分と、これに対して垂直な方向の成分とを共に有することを特徴とする請求項5に記載の燃料電池。
  7. 前記セパレータは、前記反応ガスの拡散層における流れが、少なくとも重力に反する方向の成分を有するように配置された、反応ガスの入口と出口とを備えることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の燃料電池。
  8. 前記線状部材は、導電性を有する材料で構成されることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の燃料電池。
  9. 前記線状部材は、チタンであることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池。
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