JP2008224811A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フリッカーローラ上のトナーを掻き取るスクレーパの磨耗量を軽減できる複数のトナー除去ローラ(ブラシローラ)を配備したクリーニング装置を有する画像形成装置を提供すること。
【解決手段】像担持体上の残留トナーを除去するための、正規トナーと逆極性電圧が印加された第1のトナー除去ローラと、正規トナーと同極性電圧が印加された第2のトナー除去ローラと、前記像担持体の回転方向下流側に配置されたトナー除去ローラに当接するフリッカローラと、当該フリッカローラに当接するスクレーパと、を配備するクリーニング手段を有する画像形成装置において、前記像担持体の回転方向上流側のトナー除去ローラで一旦回収したトナーを、当該上流側のトナー除去ローラから前記像担持体上へ吐き出し、下流側のトナー除去ローラで回収するよう制御可能な摩擦低減モードを有することを特徴とする画像形成装置。
【選択図】図3

Description

本発明は、複写機、プリンタ、FAX等の電子写真方式の画像形成装置に関し、特に、像担持体を複数のブラシローラで清掃するクリーニング手段を有する画像形成装置に関する。
従来、像担持体である感光体上に形成されたトナー像を用紙(転写材)に転写後、感光体上の正極性と負極性が混在する残留トナーを導電性のファーブラシローラで除去し、さらに当該ファーブラシローラに当接する、電圧が印加されたフリッカーローラ(棒)に付着させ、付着したトナーをブレード(スクレーパ)で掻き取る方法がある。
公知の技術として、感光体上の残留トナーの極性を制御する第1のファーブラシローラと、当該第1のファーブラシローラに当接するフリッカーバーと、当該第1のファーブラシローラに印加する電圧印加手段と、第1のファーブラシローラの下流側でトナーを除去する第2のファーブラシローラと、当該第2のファーブラシローラに当接するバイアスローラと、当該バイアスローラに当接するブレードと、前記バイアスローラに電圧を印加する電圧印加手段を有する装置で、第1のファーブラシローラに流れる電流値によって第1のファーブラシの印加電圧を調整する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、像担持体として、中間転写ベルト(以下、単にベルトともいう。)を用いた電子写真方式の画像形成装置においては、中間転写ベルト上の残留トナーを除去するために、正極性と負極性の電圧が印加された複数の導電性のブラシローラを併用する構成のクリーニング装置も公知として知られている。ただし、当該ブラシローラだけでは、ブラシローラがトナーで汚れるので当接するフリッカーローラ(トナー回収ローラ)に付着させ、図2に示すように、スクレーパで掻き落とす方式がとられている。
図2は、中間転写ベルト上の残留トナーが除去される過程を説明するための図である。
図2において、ベルト走行方向に対して上流側と下流側に、それぞれ第1のトナー除去ローラであるブラシローラ1b、第2のトナー除去ローラであるブラシローラ2bを設け、各々のブラシローラに適応する、極性を異にした電圧が印加されたフリッカローラ1f,2fを配備し、スクレーパ1s、2sを介してトナーが回収される。
この場合、スクレーパとフリッカーローラとの間に摩擦抵抗が生じるが、トナーが潤滑剤となって摩擦抵抗を軽減させている。摩擦抵抗が大きいと、スクレーパの磨耗は大きくなりフリッカーローラが汚れ、ひいてはブラシローラが汚れてクリーニング不良が生じる問題がある。
特開平5−289593号公報
しかしながら、図2において、通常画像形成時の残留トナーの大部分が負極性である場合、正規トナー(負極性)と逆極性電圧(正極性)が印加されたブラシローラ1bが負極性トナーを除去し、フリッカローラ1fに大量のトナーを供給する。したがって、スクレーパ1sはトナーが潤滑剤となり磨耗が低減する。一方、少量の正極性トナーを除去する負極性電圧印可のブラシローラ2b側のスクレーパ2sの摩擦抵抗は大きく、磨耗により、フリッカローラ2fのクリーニングが不十分となり、ひいては、ブラシローラ2bの汚れが問題となる。すなわち、フリッカーローラ2fが汚れるとブラシローラ2bにトナーが滞留し、中間転写ベルトから残留トナーを除去するための適切なクリーニング電界が得られなくなり、クリーニング不良が生じる。
ここで、通常画像形成とは、転写材(用紙)に画像を転写するための画像形成を意味する。また、正規トナーとは、現像器に貯留され、摩擦帯電を受けたトナーを指す。
本発明は、このようなクリーニング不良を回避するために、フリッカーローラ上のトナーを掻き取るスクレーパの磨耗量を軽減できる、複数のブラシローラを配備したクリーニング手段を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的は、下記の構成によって達成される。
像担持体上の残留トナーを除去するための、正規トナーと逆極性電圧が印加された第1のトナー除去ローラと、正規トナーと同極性電圧が印加された第2のトナー除去ローラと、前記像担持体の回転方向下流側に配置されたトナー除去ローラに当接するフリッカローラと、当該フリッカローラに当接するスクレーパと、を配備するクリーニング手段を有する画像形成装置において、前記像担持体の回転方向上流側のトナー除去ローラで一旦回収したトナーを、当該上流側のトナー除去ローラから前記像担持体上へ吐き出し、下流側のトナー除去ローラで回収するよう制御可能な摩擦低減モードを有することを特徴とする画像形成装置。
トナー除去量の多いブラシローラから回収されたトナーが、トナー除去量の少ないブラシローラ側のフリッカーローラに供給されるので、スクレーパの磨耗が抑制される。
はじめに、本発明の画像形成装置について図1を基に説明する。
本発明の実施の形態における説明では、本明細書に用いる用語により技術範囲が限定されることはない。
図1は画像形成装置の全体構成の一例を示す模式図である。
図1において、10は感光体、11は帯電手段であるスコロトロン帯電器、12はデジタル式の画像書き込み装置、13は現像器、14は感光体10の表面を清掃するためのクリーニング装置、15は感光体10のクリーニング用のブレード、16は現像スリーブ、20は中間転写ベルトを示す。
画像形成手段1は感光体10、スコロトロン帯電器11、現像器13、およびクリーニング装置14等を有している。以下、説明の中で各色毎の画像形成手段1の機械的な構成は同じであるので、図1ではY(イエロー)系列のみの構成について参照符号を付けており、M(マゼンタ)、C(シアン)およびK(黒)の構成要素については参照符号を省略した。
各色毎の画像形成手段1の配置は像担持体である中間転写ベルト20の走行方向に対して、Y、M、C、Kの順になっており、各感光体10は中間転写ベルト20の張設面に接触し、接触点で中間転写ベルト20の走行方向と同方向、かつ、同線速度で回転する。
中間転写ベルト20は駆動ローラ21、アースローラ22、テンションローラ23、従動ローラ24、補助ローラ29に張架され、これらのローラと中間転写ベルト20、転写ローラ25、クリーニング装置28等でベルトユニット3を構成する。なお、前記従動ローラ24は、アルミ地肌のままの導電性アルミローラで、接地されている。
感光体10は、例えばアルミ材によって形成される円筒状の金属基体の外周に導電層、a−Si層あるいは有機感光体(OPC)等の感光層を形成したものであり、導電層を接地した状態で図の矢印で示す反時計方向に回転する。
現像器13は、正規トナー(実施の形態では負極性)を貯留し、感光体10の周面に対し所定の間隔を保ち、感光体10の回転方向と逆方向に回転する円筒状の非磁性ステンレスあるいはアルミ材で形成された現像スリーブ16を有している。
中間転写ベルト20の走行は不図示の駆動モータによる駆動ローラ21の回転によって行われる。当該中間転写ベルト20の材質は、体積抵抗率106〜1012Ω・cmの無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジニアリングプラスチックに導電材料を分散した、厚さ0.04〜0.10mmの半導電性フィルム基体の外側に、好ましくはトナーフィルミング防止層として厚さ5〜50μmのフッ素コーティングを行った、2層構成のシームレスベルトである。
転写ローラ25には、トナーと反対極性の直流が印加され、感光体10上に形成されたトナー像を中間転写ベルト20上に転写する、所謂、一次転写機能を有する。
26は転写ローラで、アースローラ22からベルトを介して当接および当接解除可能である。転写ローラ26とアースローラ22との圧着状態で形成された、転写領域となるニップ部Sで、中間転写ベルト20上に形成されたトナー像を用紙P上に再転写する、所謂、二次転写機能を有する。
クリーニング装置28は、本発明に係わる中間転写ベルト20のクリーニング手段である。
40は定着装置で、加熱ローラ41と圧着ローラ42を有している。
前記加熱ローラ41は薄手のアルミから形成された円筒状のもので、内側から所定の温度まで加熱するハロゲンヒータ47等を有し、その温度は、前記加熱ローラ41に設置された不図示の接触温度センサにより検出され、制御される。
制御手段である制御部Bは、画像形成プロセス制御、定着温度制御、転写材搬送制御、ブラシローラ(フリッカーローラ)への印加電圧制御および回転駆動制御、等を行う。
次に、図1に基づいて通常画像形成プロセスを説明する。
画像記録のスタートと同時に不図示の感光体駆動モータの始動により色信号Yの感光体10は矢印で示す反時計方向に回転され、同時にスコロトロン帯電器11の帯電作用により感光体10に電位の付与が開始される。
感光体10は電位を付与されたあと、画像書き込み装置12によってYの画像データに対応する画像書込みが開始され、感光体10の表面に原稿画像のYの画像に対応する静電潜像が形成される。
前記静電潜像はYの現像器13により非接触の状態で反転現像され、感光体10の回転に応じYのトナー像が感光体10上に形成される。
当該感光体10上に形成されたYのトナー像は、Yの転写ローラ25の作用により、中間転写ベルト20上に一次転写される。
その後、前記感光体10はクリーニングのブレード15によって残留トナーが清掃され、次の画像形成サイクルにはいる。以下、M、C、Kのクリーニングプロセスにおいても同様故、説明を省略する。画像書き込み装置12によってM(マゼンタ)の色信号すなわちMの画像データに対応する画像書き込みが行われ、感光体10の表面に原稿画像のMの画像に対応する静電潜像が形成される。当該静電潜像は、Mの現像器13により感光体10上にMのトナー像となり、Mの転写ローラ25において、中間転写ベルト20上の前記Yのトナー像と同期が取られ、前記Yのトナー像の上に重ね合わされる。
同様のプロセスにより、Y、Mの重ね合わせトナー像と同期が取られ、C(シアン)のトナー像が、Cの転写ローラ25において、前記のY、Mの重ね合わせトナー像上へ重ね合わされる。次に、すでに形成されているY、M、Cの重ね合わせトナー像と同期が取られ、Kのトナー像が、Kの転写ローラ25において、前記のY、M、Cの重ね合わせトナー像上へ重ね合わされ、Y、M、CおよびKの重ね合わせトナー像が形成される。
重ね合わせトナー像が担持されている中間転写ベルト20は、矢印のように時計方向に送られる。一方、転写材Pは、紙カセット72から紙送り出しローラ70によって送り出され、搬送ローラ73を経て、タイミングローラ71へ搬送され一時停止する。その後、転写材とベルト上の重ね合わせトナー像との同期がとられて、前記タイミングローラ71は転写材をトナーと反対極性の直流電圧が印加されている転写ローラ26(中間転写ベルト20に当接状態にある)のニップ部Sに搬送して、中間転写ベルト20上の重ね合わせトナー像が用紙Pに二次転写される。
その後、中間転写ベルト20は走行し、クリーニング装置28でベルト上の残留トナーは、トナー除去ローラであるブラシローラ281、282によって除去されフリッカーローラ283、284を介してスクレーパにて掻き落とされ、クリーニング装置28内に溜められ、搬送スクリュー287の回転によって軸方向(図において紙表面から紙裏面方向)に搬送し、不図示の廃棄管を介して貯留箱に溜められる。なお、ブラシローラ、フリッカーローラ、スクレーパ等の詳細については後述する。
前記重ね合わせトナー像が転写された用紙Pは、更に定着装置40へと送られ、加熱ローラ41と加圧ローラ42に挟持、加圧され定着される。トナー像が定着された用紙Pは、排紙ローラ81によって排紙皿82へ搬送される。
前述したが、図2において、通常画像形成時の残留トナーの大部分は負極性である場合、正規トナー(負極性)と逆極性の電圧(正極性)が印加されるブラシローラ1bは大量のトナーを除去し、これらのトナーがフリッカローラ1fに供給され、当該トナーを掻き落とすスクレーパ1sの潤滑剤となり、スクレーパ1sの磨耗が低減する。一方、正規トナーと同極性の電圧が印加されるブラシローラ2b側には、正規トナーと逆極性の少量のトナーがスクレーパ2sに供給されるので摩擦抵抗は大きく、スクレーパ2sが磨耗し易くなり、クリーニング不良が発生し易くなる。すなわち、ブラシローラ2bにトナーが付着すると、中間転写ベルトから残留トナーを除去するための適切なクリーニング電界が得られなくなり、クリーニング不良が生じる。
ここで、スクレーパの摩擦低減モードになると、上記のように残留トナーの大部分が負極性である場合、ベルトの走行方向(残留トナーの搬送方向)に対して上流側にあるブラシローラ1bで一旦回収したトナーの極性を反転して、当該ブラシローラ1bからベルト上に吐き出し、反転した極性と逆極性電圧が印加される下流側のブラシローラ2bで回収するように制御する制御手段によりスクレーパの磨耗を低減することができる。
また、残留トナーの大部分が正極性である場合は、その逆で負極性の電圧が印可されたブラシローラ2b側に大量のトナーが除去され、ブラシローラ1b側には少量のトナーしか供給されずスクレーパ1sが磨耗し易くなり、クリーニング不良の原因となる。この場合は、所定のタイミングで画像形成手段にて形成された特定パターンのトナー像(帯)を未転写で、通常画像形成時の印加電圧のブラシローラ1bに送れば、ブラシローラ1b側にも潤滑剤としてトナーが供給されるのでスクレーパ1sの磨耗が軽減される。
以下、スクレーパの磨耗低減について実施の形態である図3に基づいて詳細説明する。
図3は、図1における中間転写ベルトのクリーニング装置を拡大した図を示す。
図3において、クリーニング装置28は、不図示の駆動源からの動力を得て矢印方向に回転する、第1のトナー除去ローラである導電性のブラシローラ281と、その下流側(ベルト走行方向に対して)の第2のトナー除去ローラである導電性のブラシローラ282と、上流側ブラシローラ281に当接する正極電圧印加の第1のフリッカーローラ283と、下流側のブラシローラ282に当接する負極電圧印加の第2のフリッカーローラ284と、第1、第2のフリッカーローラに当接する第1、第2のスクレーパ285、286とを配備している。当該スクレーパで掻き落されたフリッカーローラ上のトナーは、クリーニング装置28内に貯留され、搬送スクリュー287で不図示のトナー回収箱に送られる。
上記構成において、残留トナー大部分が負極性トナーである場合は、図4(図4は、画像間に形成された特定パターとしてのトナー像(帯)を示す図である。)に示すような、所定濃度のトナー像(帯)Gを、所定のタイミングで(本実施の形態ではプリント枚数毎)に中間転写ベルト20上の画像間(紙間)P等に画像形成手段にて形成し、二次転写領域のニップ部S(図1参照)では未転写状態(転写ローラ26は圧着解除状態)にして、当該トナー像Gをクリーニング装置28に送り込む。
[実施例1]
前記トナー像Gをクリーニングするときのみ、上流側のブラシローラ281への印加電圧(正極性)を通常画像形成モードの残留トナークリーニング時よりも絶対値的に大きくし、一旦回収した負極性の残留トナーの極性を反転して逆極性の正極性にして前記中間転写ベルト20上に吐き出し、ブラシローラ282に移送し、除去する。
通常画像形成モードでは、上流側のブラシローラ281には正規トナーの極性と逆極性の電圧が印加され、下流側のブラシローラ282には正規トナーと同極性の電圧が印加されているので、負極性のトナーはブラシローラ281によって除去される。
また、トナー吐き出し時(トナー像Gのクリーニング時)に、フリッカーローラ283の回収能力を低下させるためにフリッカーローラ283の回転数を通常画像形成時の残留トナークリーニング時よりも小さく(または停止)したり、フリッカーローラ283への印加電圧を通常画像の残留トナークリーニング時よりも小さく制御し、フリッカーローラ283へトナーの移行を抑制することで、ベルトへの吐き出し効果を向上させることができる。
残留トナーの大部分が正極性トナーの場合は、負極性電圧が印加されたフリッカーローラ284側のスクレーパ286は問題ないが、正極性電圧が印加されたフリッカーローラ283のスクレーパ285の磨耗が懸念される。
そこで、上記と同様なトナー像Gを所定のタイミング毎に形成しておけば、当該トナー像G(負極性)をクリーニングする時は通常画像形成時と同じ印加電圧(正極性)で、トナー像Gをブラシローラ281で除去し、除去されたトナーはフリッカーローラ283とスクレーパ285との間の潤滑剤の役割を果たすことになる。
図7は、実施例に関するクリーニングプロセスのフローを示す図である。
上記の実施例1について、図7(a)のフロー図に従って説明する。
図7(a)において、<ステップS1>で通常画像形成モードが進行している。<ステップS2>で、プリントカウントが100枚の倍数か否かがチェックされる。Noの場合は<ステップS1>に戻って通常画像形成が継続される。Yesの場合は<ステップS3>で摩擦低減モードに入り、トナー帯であるトナー像Gが感光体10で画像間P(図4参照)に形成され、中間転写ベルト20上に転写される。<ステップS4>でプリントカウントが200枚の倍数か否かがチェックされる。Noの場合は<ステップS1>に戻って通常画像形成が継続される。Yesの場合は、正規トナーのトナー像Gが未転写でクリーニング装置へ送られ、<ステップS5>に進み、上流側のフリッカーローラ283の印加電圧を変更し(実施例1では、+1kVから+2kVへ)、かつフリッカーローラ283を無回転にする。<ステップS6>で、<ステップS5>でのクリーニング条件でトナー像Gを除去した後、通常画像形成モード時の条件に戻す。
したがって、この場合200枚毎にブラシローラ281で正極性に反転したトナーがブラシローラ282へ送られフリッカーローラ284で回収されるので、通常画像形成時の正、負極性の残留トナー量に関係なく、トナー供給の少ないスクレーパへも潤滑剤としてのトナーが供給されることになる。
また、図6のようなトナー吐き出しの方法も考えられる。
図6は、上流側のフリッカーローラからブラシローラへ印加電圧および両フリッカーローラへの印加電圧の切り替えを説明するための図である。
[実施例2]
図6(a)に示すように、通常画像形成モード時に、上流側のフリッカーローラ283には正規トナー(負極性)と逆極性の電圧(正極性)を印加し、所定のタイミング毎に未転写の特定パターンであるトナー像(帯)Gを形成し、当該トナー像Gをクリーニングするときのみ切り替えスイッチC1を点線で示す方向に切り替え、フリッカーローラ283をフローティングしてブラシローラ281へ正極性電圧を直接印加すると、フリッカー283で回収されなくなるトナーをブラシローラ281で正極性に反転してベルトに吐き出し、下流側のブラシローラ282で回収することができる。
実施例2について、図7(b)のフロー図に従って説明する。
図7(b)において、<ステップS10>で通常画像形成(モード)が進行している。<ステップS11>で、プリントカウントが100枚の倍数か否かがチェックされる。Noの場合は<ステップS1>に戻って通常画像形成が継続される。Yesの場合は<ステップS12>でトナー像(帯)Gが感光体10で画像間P(図4参照)に形成され、中間転写ベルト20上に転写される。<ステップS13>でプリントカウントが200枚の倍数か否かがチェックされる。Noの場合は<ステップS10>に戻って通常画像形成が継続される。Yesの場合は、正規トナー(現像器内の負極性トナー)のままの前記トナー像Gが未転写でクリーニング装置へ送られ、<ステップS14>に進み、上流側のフリッカーローラの283への印加電圧を上流側のブラシローラ281に変更する。<ステップS15>で、<ステップS14>でのクリーニング条件でトナー像Gを除去した後、通常画像形成時の条件に戻す。
また、実施例3として図6(b)に示すように、所定のタイミング毎に形成されたトナー像Gをクリーニングするときのみ、フリッカーローラ283とフリッカーローラー284とにかかる印加電圧の極性を切り替えスイッチC2で切り替える(実線または点線)ことにより、ブラシローラに溜まっていたトナーが負極性のまま吐き出され、下流側のブラシローラ282によって回収することもできる。
[実施例3]
図7(c)のフロー図に従って説明する。
図7(c)において、<ステップS20>で、通常画像形成(モード)が進行している。<ステップS21>で、プリントカウントが100Pの倍数か否かがチェックされる。Noの場合はステップS20に戻って通常画像形成が継続される。Yesの場合は<ステップS22>でトナー像(帯)G(負極性)が感光体10で画像間p(図4参照)に形成され、中間転写ベルト20上に転写される。<ステップS23>で、ブラシローラ281(正極性)によるクリーニングが完了直後にフリッカーローラ283とフリッカーローラ284との印加電圧を切り替え、ブラシローラ281に溜まったトナーを負極性のままベルト20に吐き出される。<ステップS24>で吐き出されたトナーは負極性のまま、クリーニング装置を移動し、<ステップS24>でのクリーニング条件でトナーをブラシローラ282で除去した後、通常画像形成時のクリーニング条件に戻す。
以上の方法はブラシローラ282で回収されるトナー量がもともと少ない場合に、トナーが潤滑剤として有効に働き、スクレーパの摩擦抑制等に特に効果がある。
上記のスクレーパ磨耗防止対策の効果について、実施例と比較例との実験を行った。
・確認実験
実験に使用した画像形成装置は下記のような基本条件の構成とし、各実施例でそれぞれの条件を変更した。
<装置の基本条件>
実験機: タンデム方式のカラー画像形成装置(図1参照)
中間転写ベルト: PI(ポリイミド)製、体積抵抗が109Ω、表面 抵抗が1011Ω、ベルトテンション39.2N
ブラシローラ1: 導電性アクリル、線径6d、ベルト走行に対し正回 転方向、線速220mm/s
ブラシローラ2: 導電性アクリル、線径6d、ベルト走行に対し逆回 転方向、線速220mm/s
ブラシのベルトとフリッカローラへの食い込み量1 mm
フリッカーローラ1: ステンレス製、印加電圧:正極性電圧(+1kV)
フリッカーローラ2: ステンレス製、印加電圧:負極性電圧(−1kV)
スクレーパ1、2: ステンレス製、厚さF=0.05mm板、自由長L =8mm、フリッカーローラにカウンターで当接、 先端変形量1.5mm(図5参照)
実効角度θ=35°(図3参照)
<実験例1>(実施例1に対応)
通常画像形成(モード)時の上記基本条件の基で、プリント100枚毎に、画像幅全域W×長さV(100mm)の未転写ベタのトナー像Gを作成する。ただし200枚の倍数時の当該トナー像をクリーニングするときのみ、ブラシローラ281(上流側)の印加電圧を+2kV、フリッカーローラ283を無回転に変更した。これにより、フリッカーローラ283により回収されなくなったトナーが正極性に反転して、ベルト20に吐き出され、下流側のブラシローラ282によって除去される。
・確認方法
通常画像形成で5万プリントの画像出力によってクリーニング性能テストを行った。途中、1万プリント毎に下流側のスクレーパの磨耗量m(図5参照)の測定と画像スリ抜けテストを実施した。
スクレーパの磨耗量m(図5参照)は、スクレーパの摺動距離に対して、レーザ顕微鏡で測定した。
摺動距離は、1プリントサイクルで、スクレーパとフリッカーローラとが当接摺動する
長さ(距離)×プリント数から算出した。
図5は、スクレーパの磨耗量を示す断面を示す図である。
画像すり抜け評価は、実機にてカバレッジ(印字率)20%の原稿を連続100プリントを出力し、終了時にフリッカーローラ上のトナーすり抜け状況を目視で確認した。
<実験例2>(実施例2に対応)
上記の装置の基本条件の基で、100枚毎に、画像幅全域W×長さV(100mm)の未転写ベタのトナー像を作成し、200枚の倍数毎に当該トナー像のクリーニングするときのみ、上流側のフリッカーローラ283への印加電圧を、図6(a)に示すように、切り替えスイッチC1でブラシローラ281軸に切り替えるように制御する。この結果、ブラシローラ281に1kV印加、フリッカーローラ283はフローティング状態となる。
これによりフリッカーローラ283で回収されなくなったトナーは正極性に反転してベルト上に吐き出され、下流側のブラシローラ282によって除去される。
・確認方法
実験例1と同じ
<実験例3>(実施例3に対応)
100枚毎に画像幅全域W×長さV(100mm)の未転写ベタのトナー像Gを形成する。ブラシローラ281によるクリーニング完了直後に、上流側のフリッカーローラ283(印加電圧+1kV)とフリッカーローラ283(印加電圧−1kV)とを、図6(b)に示すように、切り替えスイッチC2で、フリッカーローラ283へは−1kV、フリッカーローラ284へは+1kVに切り替えるように制御する。これによってブラシローラ281に溜まっていたトナーが負極性のまま吐き出され、ブラシローラ282へ搬送され、除去される。
・確認方法
実験例1と同じ
<比較例>
通常画像形成(モード)時の基本条件で、クリーニング条件(印加電圧)を変更することなく5万枚のプリントを行った。
・確認方法
実験例1と同じ
・実験結果
以上の実施例と比較例との実験結果を表1に示す。
ただし、表1におけるクリーニング性の○は合格、×は不合格(目視でトナーすり抜けが見られる)レベルを示す。
Figure 2008224811
表1に示すように、実施例1、2、3では上流側のブラシローラ281での回収トナーを潤滑剤として下流側のブラシローラ282に送り、スクレーパの磨耗を低減することができ、スクレーパー耐久性が向上し良好なクリーニング性能が得られることが確認できた。
比較例では、プリント枚数4万でクリーニング性能が劣化していることがわかる。
本実施の形態では、現像器に貯留される正規トナーが負極性の場合について説明してきたが、貯留される正規トナーが正極性の場合でも同様に上流側のブラシローラで一旦除去されたトナーを、中間転写ベルト上に吐き出し、下流側のブラシローラで除去することにより下流側のスクレーパ磨耗低減が可能となる。
画像形成装置の全体構成の一例を示す模式図である。 中間転写ベルト上の残留トナーが除去される過程を説明するための図である。 図1における中間転写ベルトのクリーニング装置を拡大した図を示す。 画像間に形成されたトナー像を示す図である。 スクレーパの磨耗量を示す断面を示す図である。 上流側のフリッカーローラからブラシローラへ印加電圧および両フリッカーローラへの印加電圧の切り替えを説明するための図である。 実施例に関するクリーニングプロセスのフローを示す図である。
符号の説明
1 画像形成手段
10 感光体
13 現像器
20 中間転写ベルト
21 駆動ローラ
24 従動ローラ
28 クリーニング装置
281、282、1b、2b ブラシローラ
283、284、1f、2f フリッカーローラ
285、286、1s、2s スクレーパ
G トナー(帯)像
P 画像間(紙間)

Claims (9)

  1. 像担持体上の残留トナーを除去するための、正規トナーと逆極性電圧が印加された第1のトナー除去ローラと、正規トナーと同極性電圧が印加された第2のトナー除去ローラと、前記像担持体の回転方向下流側に配置されたトナー除去ローラに当接するフリッカローラと、当該フリッカローラに当接するスクレーパと、を配備するクリーニング手段を有する画像形成装置において、前記像担持体の回転方向上流側のトナー除去ローラで一旦回収したトナーを、当該上流側のトナー除去ローラから前記像担持体上へ吐き出し、下流側のトナー除去ローラで回収するよう制御可能な摩擦低減モードを有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 所定のタイミングで、特定パターンのトナー像を前記像担持体上に形成する画像形成手段を有し、当該トナー像を未転写で前記クリーニング手段へ搬送することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記上流側のトナー除去ローラで一旦回収した時のトナーの極性と、吐き出し時のトナーの極性とは、互いに逆極性となるよう制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記上流側のトナー除去ローラは当接するフリッカーローラを有し、前記摩擦低減モードにおける当該上流側のトナー除去ローラへの印加電圧の絶対値を、通常画像形成モードにおける前記上流側のトナー除去ローラの印加電圧の絶対値よりも大きく制御する制御手段を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記上流側のトナー除去ローラは当接するフリッカーローラを有し、前記摩擦低減モードにおける当該フリッカーローラの回転数を、前記通常画像形成モードにおける当該フリッカーローラの回転数よりも低く制御する制御手段を有することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記上流側のトナー除去ローラは当接するフリッカーローラを有し、前記摩擦低減モードにおける前記上流側のフリッカーローラへの印加電圧の絶対値は、前記通常画像形成モードにおける上流側のフリッカーローラにかかる印下電圧の絶対値よりも低く制御する制御手段を有することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  7. 前記下流側のトナー除去ローラへの印加電圧の極性を、前記通常画像形成モードと前記トナー吐き出し時とで互いに逆極性となるように制御する制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  8. 前記通常画像形成モードにおいては、上流側のトナー除去ローラに正規トナーの極性と逆極性の電圧を印加し、下流側のトナー除去ローラに正規トナーと同極性の電圧を印加することを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記像担持体は、中間転写体であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
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