JP2008224786A - 光スイッチング素子とスイッチング素子と光スイッチング素子アレイと画像表示装置 - Google Patents

光スイッチング素子とスイッチング素子と光スイッチング素子アレイと画像表示装置 Download PDF

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強 橋口
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Abstract

【課題】偏光ビームスプリッタやクロスダイクロイックプリズムを不要とする光スイッチング素子と光スイッチング素子アレイと画像表示装置を提供する。
【解決手段】微細な凹凸による周期構造が入射光と共振することにより特定波長の入射光を反射させる共鳴フィルタ31Rまたは32Gまたは33Bを備えた光スイッチング素子31または32または33において、入射光の偏光方向を変えて前記特定波長における入射光の透過率を変化させる赤色偏光方向素子31Sまたは緑色偏光方向素子32Sまたは青色偏光方向素子33Sを設けた。
【選択図】図6

Description

この発明は、例えば光通信、光記録、プリンタ用スイッチデバイス、電子ビューファインダーなどに適用できる光スイッチング素子と光スイッチング素子アレイと画像表示装置に関する。
従来から、映像を大画面で表示するための装置として、空間変調素子である液晶を使ったプロジェクタが知られている。
かかるプロジェクタは、図14に示すように、放物線リフレクタ1を含む光源2と、この光源2から発光された青色(B)光,緑色(G)光,赤色(R)光を含む白色光を平行光束にする照明光学系3と、ミラー4,5と、青色光(B光)を透過し他の色の光を反射するダイクロイックミラー6と、赤色光を透過し緑色光(G光)を反射するダイクロイックミラー7と、ミラー8,9,10と、R,B,G用の液晶パネル11R,11B,11Gと、クロスダイクロイックプリズム12と、投射レンズ13とを備えている。
そして、ダイクロイックミラー6,7およびミラー8〜10により、赤,緑,青色の各平行光束がそれぞれの液晶パネル11R,11B,11Gに導かれ、この液晶パネル11R,11B,11Gによって各色の画像情報が付与される。各液晶パネル11R,11B,11Gを透過した平行光束はクロスダイクロイックプリズム12に入射し、このクロスダイクロイックプリズム12により各色の平行光束は合成され、この合成された平行光束は投射レンズ13によりスクリーン上に画像が拡大投影される。
ところで、近年携帯性に優れたプロジェクタの需要が大きくなり、薄型化、小型化することが大きく望まれている。例えば特許文献1に示すものでは、反射型の液晶パネルを用いたプロジェクタにおいて、偏光ビームスプリッタを緑色成分及び青色成分の分離用と、緑色映像光および青色映像光の色合成用とに使用することにより、色分離用のダイクロイックミラーや全反射ミラー等を用いて余分に光路を回り込ませる必要がなくなり、光学系の小型化を図っている。また特許文献2のものでは、色分解光学系と色合成光学系を立体的に配置することにより、光学系の省スペース化を図っている。
特開2000−284228号公報 特開2000−39583号公報
しかしながら、上記のいずれのプロジェクタも複数の偏光ビームスプリッタを用い、最終的には2もしくは3方向からの光をクロスダイクロイックプリズムにて合成して映像を映しだしているため、これらパーツ、光学系構成により、十分な小型化、薄型化は困難な状況になっている。また、クロスダイクロイックプリズムは、4つの直角プリズムを貼りあわせて作製されるためにプリズム中央部分が不連続となり、画像に二重像や暗線を形成する原因となるため、組み立てには高い加工精度、接着精度を要する問題があった。
この発明の目的は、偏光ビームスプリッタやクロスダイクロイックプリズムを不要とする光スイッチング素子とスイッチング素子と光スイッチング素子アレイと画像表示装置を提供することにある。
請求項1の発明は、微細な凹凸による周期構造が入射光と共振することにより特定波長の入射光を反射させる共鳴フィルタを備えた光スイッチング素子において、
前記入射光の偏光方向を変えて前記特定波長における入射光の透過率を変化させる偏光方向変更手段を設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の共鳴フィルタと偏光方向変更手段とを有する光スイッチング素子を入射方向に対して直列に複数配置したことを特徴とする。
請求項3の発明は、前記偏光方向変更手段は液晶を備えた駆動素子であることを特徴とする。
請求項4の発明は、前記偏光方向変更手段は液晶を備えた駆動素子であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1または請求項3に記載の光スイッチング素子を一次元または二次元状に配置した光スイッチング素子アレイであることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項2または請求項4に記載のスイッチング素子を一次元または二次元状に配置した光スイッチング素子アレイであることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項5または請求項6に記載の光スイッチング素子アレイを備えた画像表示装置であることを特徴とする。
この発明によれば、偏光ビームスプリッタやクロスダイクロイックプリズムが不要となる。
以下、この発明に係る光スイッチング素子と光スイッチング素子アレイと画像表示装置の実施の形態である実施例を図面に基づいて説明する。
[原理]
図1に共鳴フィルタ20の一般的な構成を示す。この共鳴フィルタ20は、透光性の基板L1と、この基板L1の上に形成された導波路部分となる導波層L2と、この導波層L2の上部に形成された屈折率の異なる部分が周期的に並ぶ格子層L3とから構成されている。
格子層L3は、高屈折率部と低屈折率部(例えば空気など)が所定のピッチで交互に形成され、このピッチの周期構造は左右方向のみの一次元的な構造となっている。
この格子層L3に光が入射すると、図2に示すように、ほとんどの波長の光が格子層L3を透過するが、特定波長λ1付近では狭帯域で共鳴を起こして反射する。これは、導波層L2内を全反射で伝播する光波の伝播定数が、格子層L3の格子による格子ベクトルと一致する時に強い共鳴を起こし、強い反射光となるためである。
ここで、図3において、微細構造である格子Kに対する入射光の偏光方向に着目する。格子Kが延びる方向に対して直交する方向(格子Kが並ぶ方向)が偏光方向であるTM波を照射すると共鳴波長はλ1となる。しかし、格子Kと平行な方向が偏光方向であるTE波を照射すると共鳴波長がシフトしてλ2となる現象が発生する。
図4は、波長λに対するTM波とTE波の透過率のグラフG1,G2を示している。グラフG1がTM波の透過率であり、グラフG2がTE波の透過率である。
ここで、TM波の入射光の波長をλ1とすると、このTM波の入射光は共鳴波長がλ1であることにより反射することになるが、この入射光の偏光方向を90°ずらしてTE波にすると、共鳴波長がλ2にシフトすることにより、波長λ1のTE波の入射光は透過することになる。すなわち、波長λ1の入射光を反射から透過に変えることができる。このようにして光スイッチングの動作が可能となる。
この偏光変換による共鳴波長のシフト量が大きくとれるため、光スイッチング素子の作成が容易となる。
図5は、TE波の偏光方向をTM波方向へ除々に回転させていった場合の透過率のグラフGa〜Geを示したものである。各グラフGa〜Geは、偏光方向が90°、60°、45°、30°、0°の場合を示す。
このグラフGa〜Geからも分かるように、偏光方向が0°のとき透過率がほぼ100%となる。そして、偏光方向をTM波方向へ徐々に回転させていくと、特定波長(共鳴波長)において反射率が上がり、透過率が下がることになる。最終的に偏光方向を90°としたときの透過率がほぼ0%となる。すなわち、入射光の偏光方向を変えることにより、透過率をスムーズに且つ容易に変えることができる。
共鳴フィルタ20は、特定波長のみで共鳴反射する構成となっているため、他の特定波長すなわち他の色の共鳴フィルタには影響を及ばさないことになる。このため、特定波長が異なる複数の共鳴フィルタでは、それぞれ独立に透過率を変化させることができる。
このため、光源に対して特定波長の異なる複数の共鳴フィルタを直列に配置すれば、色の合成や調整を行うことができる。
[第1実施例]
図6はカラー用のスイッチング素子30を示す。このスイッチング素子30は、重ねられた3つの光スイッチング素子31,32,33から構成されている。
光スイッチング素子31は、特定波長が赤色の波長である共鳴フィルタ31Rと、赤色偏光方向素子(偏光方向変更手段)31Sとを備えている。
共鳴フィルタ31Rは、図1に示す共鳴フィルタ20と同様に、基板31L1と導波層31L2と格子層31L3とカバー層31L4から構成されている。
赤色偏光方向素子31Sは、液晶から構成されており入射光の偏光方向を0°から90°まで容易に変えることができる。
光スイッチング素子32は、特定波長が緑色の波長である共鳴フィルタ32Gと、緑色偏光方向素子(偏光方向変更手段)32Sとを備えている。
共鳴フィルタ32Gは、上記と同様に基板32L1と導波層32L2と格子層32L3とカバー層32L4から構成されている。緑色偏光方向素子32Sは液晶から構成されている。
光スイッチング素子33は、特定波長が青色の波長である共鳴フィルタ33Bと、青色偏光方向素子(偏光方向変更手段)33Sとを備えている。
共鳴フィルタ33Bは、上記と同様に基板33L1と導波層33L2と格子層33L3とカバー層33L4から構成されている。青色偏光方向素子33Sは液晶から構成されている。
図7は、スイッチング素子30の光スイッチング素子31,32,33と、各光スイッチング素子31,32,33の特定波長の透過率との関係を示したグラフである。
スイッチング素子30の光スイッチング素子31,32,33は光軸Oに沿って直列に配置され、光源(図示せず)からの光は矢印方向から入射する。
この実施例では、光スイッチング素子31の基板31L1には石英基板を使用し、導波層31L2にはTiO2膜を使用した。
格子層31L3は、ピッチP(図6参照)が360nm、深さ(格子層厚さ)t1が20nm、格子幅W1が180nmとした。このときの導波層31L2の厚さt2が80nmである。この導波層31L2の上には、アクリル系紫外線硬化樹脂を塗布してカバー層31L4が形成され、表面が平坦化されている。
同様に、図8の図表1に示すように、格子層32L3,33L3のピッチが290nm,230nm、深さ20nm,20nm、導波層32L2,33L2の厚さが80,80nmにそれぞれ設定されている。図表1に示すフィルファクタfは、ピッチPと格子幅W1の比、f=W1/Pをあらわす。
ここで、青色のLDを光源として使用した場合、石英の基板33L1の屈折率は1.45、TiO2の導波層33L2の屈折率は2.25、アクリル系紫外線硬化樹脂のカバー層33L4の屈折率は1.50となり、図9(A)に示すようにTM波は波長440nm付近の波長で共鳴反射を起こす。共鳴波長以外の光はこの光スイッチング素子33をほぼ透過することになる。
また、図9(B)は光スイッチング素子32に対する透過曲線、図9(C)は光スイッチング素子31に対する透過曲線を示す。青色光源としては440nm、緑色光源としては532nm、赤色光源としては635nmの高出力LDを用いた。この実施例では、TM波のときに共鳴反射、TE波のときに透過するように設計されている。これらの設計例からわかるように、偏光変化による波長シフト量を30nm以上とすることができるため、スイッチング動作は非常に容易なものとなる。また、光スイッチング素子31〜33の作製が容易なものとなる。
なお、共鳴波長、共鳴のQ値を変化させるパラメータとしては、導波層の厚さt2、格子層の厚さt1、それぞれの屈折率などがある。
[動 作]
次に、上記のように構成されるスイッチング素子30の動作について説明する。
入射光の偏光方向を変える赤,緑,青色偏光方向素子31S,32S,33Sの液晶素子としては、電圧をかけた状態では偏光方向を変えず、電圧が閾値以下の状態のときに偏光方向を変える特性をもつ90°TN液晶を用いた。入射光は、赤,緑,青色偏光方向素子31S,32S,33Sに対してTM偏光になるような光とする。通常は電圧をかけて液晶層を透過する光の偏光方向が変化しない状態にしておき、液晶素子にかける電圧を下げることにより、入射光の偏光方向を90°変え、共鳴波長をシフトさせることによってスイッチングを行う。ここで、すべての光を透過させる状態の例を説明する。
まず、光スイッチング素子33に青色光を透過させるために、青色偏光方向素子33Sに印加する電圧を0.5Vにして、この青色偏光方向素子33Sにより、光スイッチング素子33に入射する青色光の偏光方向をTM偏光からTE偏光に変換する。
ここで、印加電圧によって透過光の偏光方向が変化するのが実質1.0V〜2.5Vの液晶を使っており、0.5Vでは偏光方向を90°回転させることになる。この偏光方向が90°回転されることにより、共鳴フィルタ33Bの特定波長が図7に示す実線の位置から破線の位置へシフトする。このため青色光は共鳴フィルタ33Bを透過することになる。
一方、青色偏光方向素子33Sにより、この青色偏光方向素子33Sを透過するR光,G光も偏光方向は変わるが、図7に示すように、R光,G光の波長はシフトした青色光の特定波長から大きくずれた位置にあるので、その偏光方向によって共鳴フィルタ33Bの透過率特性の影響を受けない。すなわち、R光,G光は共鳴フィルタ33Bに共鳴しないので、すべての光が光スイッチング素子33を透過することになる。
そして、光スイッチング素子32の手前では、光スイッチング素子33を透過したG光、R光は一つ目の液晶素子すなわち青色偏光方向素子33SによりTE偏光になっている。このため、緑色偏光方向素子32Sには、偏光方向の回転が行われない閾値以上の3.0Vの電圧をかける。これにより、緑色偏光方向素子32Sを透過したG光はTE偏光のままとなる。
このため、共鳴フィルタ32Gの特定波長が図7に示す実線の位置から破線の位置へシフトする。これにより、G光は共鳴フィルタ32Gを透過することになる。
緑色偏光方向素子32Sを透過したB光,R光もTE偏光のままとなるが、共鳴フィルタ32Gとは共鳴しないのでB光,R光は光スイッチング素子32をそのまま透過する。
同様に、赤色偏光方向素子31Sに3.0Vの電圧をかけておくとR光はTE偏光のままとなって共鳴フィルタ31Rを透過する。B光,G光は共鳴フィルタ31Rで共鳴しないのでそのまま光スイッチング素子31を透過する。
このように、R光,G光,B光のすべての光をスイッチング素子30を透過させることができる。
同様の原理で、各R光,G光,B光を透過させない場合には、偏光方向を共鳴フィルタ31R,32G,33Bの手前でTM偏光となるように各偏光方向素子31S,32S,33Sの電圧を調整すれば、各共鳴フィルタ31R,32G,33Bの透過率をゼロにすることができる。
このように、赤,緑,青色偏光方向素子31S,32S,33Sに閾値以上の電圧(3V)を印加したり、閾値以下の電圧(0.5V)を印加したりすることにより、スイッチング素子30で各R光,G光,B光を同時にオン・オフすることができることになる。
また、スイッチング素子30の各光スイッチング素子31,32,33による透過光強度は、赤,緑,青色偏光方向素子31S,32S,33Sに印加する電圧強度で、共鳴フィルタ31R,32G,33Bへの入射光の偏光方向を調整することによって変化する。偏光方向の回転角度に対する各光スイッチング素子31,32,33の透過率特性のグラフを図10に示す。各光スイッチング素子31,32,33の透過率特性はほとんど同じである。
この透過率特性に基づいて、光スイッチング素子31,32,33の共鳴フィルタ31R,32G,33Bに対する偏光方向を選択することにより、各光スイッチング素子31,32,33の所望の透過率を得ることができる。
一例として、B光の透過率50%、G光の透過率75%、R光の透過率25%の混合色を形成する場合、光スイッチング素子33の共鳴フィルタ33Bの手前でTM偏光から45°、光スイッチング素子32の共鳴フィルタ32Gの手前でTM偏光から30°、光スイッチング素子31の共鳴フィルタ31Rの手前でTM偏光から60°回転した偏光の光を入射することによって実現することができる。
液晶の種類によっては波長分散性を考慮する必要があるが、90°TN液晶のような波長依存性のほとんどない液晶素子の赤,緑,青色偏光方向素子31S,32S,33Sを使用することにより、各共鳴フィルタ31R,32G,33Bを同じように使用することができる。このようにして、各色の液晶素子すなわち赤,緑,青色偏光方向素子31S,32S,33Sによる偏光回転角度の組み合わせを調整することにより、各色での階調を選択できるため、幅広い色の表現が可能となる。
すなわち、スイッチング素子30は、入射光の偏光方向を変えることにより透過率の階調、つまり光の強度を選択することができるので、幅広い色の表現すなわち多様な色を再現することができる。
また、スイッチング素子30は、光スイッチング素子31〜33を光軸に対して積層させた構造となっているので、偏光ビームスプリッタやクロスダイクロイックプリズムが不要となるとともに大幅に薄型化を図ることができる。
さらに、赤,緑,青色偏光方向素子31S,32S,33Sに液晶を使用して入射光の偏光方向を変えているので、その偏光方向を大きく変えることができ、このため安定した大きな共鳴波長のシフトが得られ、光スイッチング素子31〜33のスイッチングが簡単に行える。また、液晶を使用していることにより消費電力を低く抑えることができる。
[製造プロセス]
次に、スイッチング素子30の各光スイッチング素子31〜33の製造プロセスの概要を図11に示す図面に基づいて説明する。
まず、表面がきれいに研磨された石英基板121を用意し、この石英基板121の表面の洗浄を行う。その上に真空蒸着によりTiO2の薄膜122を形成する。このTiO2の膜厚は、スイッチング素子の導波層と格子層の和の厚さとなるように成膜する。
このようにして形成された基板121上にフォトレジスト薄膜を形成し、微細なパターニングを行って、フォトレジスト層に格子を形成する。そのフォトレジストパターンをマスクとして、TiO2の薄膜を所定の深さまでエッチングする。パターニングの方法は、ステッパを用いた露光、EB(電子ビーム)を用いた露光、集光ビームを走査することによって行う露光、2光束干渉による露光などの方法により形成が可能である。本例では大面積化における生産性を考慮して、2光束干渉による露光法を用いた。光源には351nmのガスレーザを用い、フォトレジストにはi線系ポジ型フォトレジストを使用した。この場合、形成される格子のピッチΛ(P)は2光束における交差角度によって調整でき、図12に示す片側入射角度θを用いて、Λ = λ/(sinθ)から形成可能になる。
ここでλは、2光束の露光波長である。また、凹凸パターンのフィルファクタfは露光強度によって調節することができる。TiO2薄膜のエッチングに関しては、本実施例では凹凸深さが浅いためフォトレジストをマスクとしたエッチングで形成可能であるが、フォトレジストパターンをマスクとして金属薄膜を蒸着、フォトレジストを除去した後の金属パターンをマスクとしたエッチングを行うことも可能である。ここで、本実施例では微細凹凸形状は矩形としているが、台形、波型、などの形状でも実現可能である。
この微細な凹凸の形成された基板に対して、カバー層124を形成する。ここではアクリル製紫外線硬化樹脂を使用し、平坦化を行った。微細な凹凸周期構造に入れ、かつ平坦化をするため、紫外線硬化樹脂の粘度は10cP(センチポアズ)以下のものを使用した。
このようにして基本的なスイッチング素子が作製されるが、入射光の偏光方向を変えるための液晶素子125をカバー層側に取り付ける。ここで、複数の光スイッチング素子と液晶素子の組み合わせを光軸に沿って直列に並べることにより、カラー偏光方向素子が得られる。各々の色に対してのスイッチング機能は、他の色に影響を及ぼさないために独立に動作でき、そのため色の合成が可能になる。本実施例では3色の光源とそれに対するスイッチング素子として説明を行ったが、簡易的に1色や2色で構成することも可能であり、また4色以上にして色再現性を高めるようにすることも可能である。
[第2実施例]
図13はカラー用スイッチングデバイス200を示したものであり、このカラー用スイッチングデバイス200は、スイッチング素子30の光スイッチング素子31〜33をそれぞれ2次元アレイ状に配列した3枚の2次元アレイスイッチデバイス(光スイッチング素子アレイ)201〜203を有しており、この2次元アレイスイッチデバイス201〜203を光軸方向に並べたものである。
このカラー用スイッチングデバイス200は、各色の各画素である光スイッチング素子31〜33ごとにオン・オフすることができるようになっている。また、偏光方向を回転させるためにスイッチング素子30の赤,緑,青色偏光方向素子31S,32S,33S(図7参照)に、その偏光方向の回転角度に応じた電圧を印加することが可能となっている。
また、カラー用スイッチングデバイス200は、偏光方向の回転角度に応じた電圧を印加することが可能となっていることにより、2次元アレイスイッチデバイス201〜203ごとに赤、緑、青の各色ごとの2次元画像を形成することができ、この3枚の2次元アレイスイッチデバイス201〜203を光軸方向に重ねてカラー化した像を作成するものである。
このカラー用スイッチングデバイス200は、共鳴フィルタ31R,32G,33Bの凹凸周期構造(図1参照)の共鳴によって各画素のスイッチングを行っているため、他の色に影響を及ぼすことがない。またカラー化において、3枚の2次元アレイスイッチデバイス201〜203を光軸方向に対して直列に並べることによって合成を行うため、各色の位置合わせが非常に簡易になり、さらに精密に合わせられるという利点がある。
また、カラー用スイッチングデバイス200は、投写用プロジェクタ等の画像表示装置のほか、電子ビューファインダーなどの小型の画像表示装置にも応用することができ、この画像表示装置の小型化、薄型化が容易となり、また、2次元アレイスイッチデバイス201〜203の位置合わせが簡単であるため、画像表示装置は高精細な画像を表示することが可能となる。
第2実施例では、光スイッチング素子31〜33をそれぞれ2次元アレイ状に配列したものについて説明したが、1次元アレイ状に配列したものであってもよい。
この発明に係るスイッチング素子の共鳴フィルタの構成を模式的に示した断面図である。 図1に示す共鳴フィルタの透過率を示したグラフである。 図1に示す共鳴フィルタを模式的に示した説明図である。 入射光がTE偏光の場合と、TM偏光の場合の透過率を示したグラフである。 透過率と偏光方向の回転角度との関係を示したグラフである。 この発明に係るスイッチング素子の構成を模式的に示した断面図である。 スイッチング素子の各光スイッチ素子の透過率と波長との関係を示した説明図である。 共鳴フィルタの格子層のピッチや格子層の厚さなどの数値を示した一例の図表である。 (A)青色における共鳴フィルタの反射特性(透過率)を示したグラフ、 (B)緑色における共鳴フィルタの反射特性(透過率)を示したグラフ、 (C)赤色における共鳴フィルタの反射特性(透過率)を示したグラフである。 共鳴フィルタに対する共鳴波長における入射光の偏光方向と、共鳴フィルタの透過率との関係を示したグラフである。 光スイッチング素子の製造プロセスの概要を示した説明図である。 2光束干渉を使った露光方法を示した説明図である。 カラー用スイッチングデバイスの構成を示した説明図である。 従来のプロジェクタの構成を示した説明図である。
符号の説明
30 スイッチング素子
31 光スイッチング素子
31R 共鳴フィルタ
31S 赤色偏光方向素子(偏光方向変更手段)
32 光スイッチング素子
32G 共鳴フィルタ
32S 緑色偏光方向素子(偏光方向変更手段)
33 光スイッチング素子
33B 共鳴フィルタ
33S 青色偏光方向素子(偏光方向変更手段)

Claims (7)

  1. 微細な凹凸による周期構造が入射光と共振することにより特定波長の入射光を反射させる共鳴フィルタを備えた光スイッチング素子において、
    前記入射光の偏光方向を変えて前記特定波長における入射光の透過率を変化させる偏光方向変更手段を設けたことを特徴とする光スイッチング素子。
  2. 請求項1に記載の共鳴フィルタと偏光方向変更手段とを有する光スイッチング素子を入射方向に対して直列に複数配置したことを特徴とするスイッチング素子。
  3. 前記偏光方向変更手段は液晶を備えた駆動素子であることを特徴とする請求項1に記載の光スイッチング素子。
  4. 前記偏光方向変更手段は液晶を備えた駆動素子であることを特徴とする請求項2に記載のスイッチング素子。
  5. 請求項1または請求項3に記載の光スイッチング素子を一次元または二次元状に配置したことを特徴とする光スイッチング素子アレイ。
  6. 請求項2または請求項4に記載のスイッチング素子を一次元または二次元状に配置したことを特徴とする光スイッチング素子アレイ。
  7. 請求項5または請求項6に記載の光スイッチング素子アレイを備えたことを特徴とする画像表示装置。
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JP2007059390A Pending JP2008224786A (ja) 2007-03-09 2007-03-09 光スイッチング素子とスイッチング素子と光スイッチング素子アレイと画像表示装置

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010093211A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Ricoh Co Ltd 波長変換レーザ装置
JP2011154370A (ja) * 2010-01-25 2011-08-11 Toyota Motor Engineering & Manufacturing North America Inc 回折格子を利用した光学装置
US8269956B2 (en) 2008-07-18 2012-09-18 Ricoh Company, Ltd. Optical element, refractive index sensor, refractive index sensor array, and biosensor

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