JP2008224475A - 温度検出システム - Google Patents

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Abstract

【課題】雰囲気の良否に依存されることなく、高い安定性を有して温度上昇を検出することのできる温度検出システムを実現する。
【解決手段】温度検出システムは、所定の換気量を有する一定容積の箱の内部に収容された装置の温度上昇を以下のように検出する。温度検出素子4が、箱内に収容された装置に設置される。温度検出素子4は、ガス放出孔が形成された容器内に装置の温度上昇により気化してガスを発生するガス発生物質を収容し、ガス放出孔を所定の温度で溶融する封止材で封止して構成される。箱内には、箱内の雰囲気中のガスの濃度を検出するガス検出素子5が備えられる。増加度演算部6は、ガス検出素子5の出力に基づいて、ガスが単位時間当たりに増加する度合いを示す増加度を演算する。判定部7は、増加度が所定のしきい値以上か否かを判定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、所定の換気量を有する一定容積の装置収容箱内に収容された装置の温度上昇を検出する温度検出システムに関する。
機械設備や、配電盤などの電気設備、サーバなどのコンピュータシステムなどの諸設備において、負荷の増大や接触不良、短絡、漏電などによって当該設備が発熱し、故障や発火などを招く場合がある。このような事態を未然に防ぐために、発熱を検出する技術が種々提案されている。
例えば、下記に出典を示す特許文献1には、熱反応型匂い発生具及び温度検知システムの発明が記載されている。この匂い発生具は、開口部が形成された容器内に匂い発生材を収容している。その開口部は所定の温度で溶融する密封材で封止されている。この匂い発生具を発熱検出対象の機器などに取り付けると、機器の温度上昇に伴って密封材が溶融し、匂い発生具の設置雰囲気中に揮発した匂い発生材が拡散する。温度検知システムは、この揮発した匂い発生材を、ガス検知素子を用いて検出することによって、機器の温度上昇を検知する。具体的には、匂い発生材が所定のしきい値を超える濃度であると検出された場合に、機器の温度上昇を検知する。
特開2003−35609号公報(第8〜21段落、図1〜3等参照)
ところで、特許文献1に記載されたような半導体式のガス検知素子は、通常ブリッジ回路に組み込まれ、ガスによって変化する抵抗値によって変化する電圧値をガス検知出力として出力する。ガス未検出時の基準電圧は、所定のガス濃度の雰囲気中において設定される。従って、実際にガス検出素子が設置される場所の雰囲気中におけるガス濃度の違いによって、匂い発生材の揮発に伴うガスの濃度を示すガス検知出力に誤差が生じる。
つまり、基準電圧を設定する際の雰囲気よりも、実際にガス検出素子が設置される雰囲気が悪い場合には、少量のガスによって所定のしきい値を超える。従って、匂い発生具がガス(揮発した匂い発生材)を発散していなくとも、同質のガスが外部から浸入することによって機器が温度上昇したと判定してしまう場合がある。逆に、基準電圧を設定する際の雰囲気よりも、実際にガス検出素子が設置される雰囲気が良い場合には、所定のしきい値を超えるために多量のガスを必要とする。従って、機器の温度上昇を検知するまでの時間が長くなったり、匂い発生具に収容された匂い発生材の容量によっては温度上昇を検知できなかったりする可能性が生じる。従って、特許文献1に記載された温度検知システムは、その検知の安定性をさらに向上させるために改善の余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みて創案されたもので、所定温度に達した際に放出されるガスを検出することによって温度上昇を検出する場合に、雰囲気の良否に依存されることなく、高い安定性を有して温度上昇を検出することのできる温度検出システムを実現することを目的とする。
上記目的を達成するため、所定の換気量を有する一定容積の箱の内部に収容された装置の温度上昇を検出するための本発明に係る温度検出システムは、以下の特徴構成を備える。その特徴構成は、
ガス放出孔が形成された容器内に前記装置の温度上昇により気化してガスを発生するガス発生物質を収容し、当該ガス放出孔を所定の温度で溶融する封止材で封止して構成され、前記箱内に収容された前記装置に設置される温度検出素子と、
前記箱内に設置され、前記箱内の雰囲気中の前記ガスの濃度を検出するガス検出素子と、
前記ガス検出素子の出力に基づいて、前記ガスが単位時間当たりに増加する度合いを示す増加度を演算する増加度演算部と、
前記増加度が所定のしきい値以上か否かを判定する判定部と、を備える点にある。
発明者の研究開発によれば、換気量を持つ一定容積の空間内において一定体積のガスが一定時間に発生する場合、発生初期における空間内のガス濃度の上昇速度は換気量には依存しないということがわかった。上述したように、本特徴構成によれば、増加度演算部が設けられ、ガスが単位時間当たりに増加する度合いを示す増加度が演算される。この増加度は、ガスの発生初期においては、換気量や箱内の雰囲気の状態に拘わらず同様の傾向を示すことになる。従って、増加度を所定のしきい値に基づいて判定することによって、雰囲気の良否に依存されることなく、高い安定性を有した温度検出システムを実現することができる。
また、本発明に係る温度検出システムは、さらに、前記増加度演算部が、前記増加度として、第1増加度と第2増加度とを演算し、前記判定部が、前記所定のしきい値として、前記第1増加度に対する第1しきい値と、前記第2増加度に対する第2しきい値とを用いて判定することを特徴とする。
ここで、前記第1増加度は、第1単位時間の間に前記ガスが増加する度合いである。前記増加度演算部は、前記第1増加度を、前記ガスが増加する場合は当該増加分を演算すると共に、前記ガスが減少する場合はゼロとみなして演算する。
前記第2増加度は、nを自然数として前記第1単位時間のn倍に設定された第2単位時間の間に増加する度合いである。前記増加度演算部は、前記第2単位時間内に繰り返し演算された前記第1増加度を前記第1単位時間の経過に応じて移動積算することによって、前記第2増加度を演算する。
前記第2しきい値は、前記第1しきい値よりも大きい値に設定される。
この特徴によれば、第1単位時間と、第1単位時間よりも長く設定される第2単位時間との2つの単位時間に対する増加度に基づいて装置の温度上昇が判定される。対流などを考慮すると、短い単位時間、例えば第1単位時間に対する第1増加度は増減する可能性がある。しかし、第1単位時間よりも長いスパンの第2単位時間に対する第2増加度によって、増加傾向であるか減少傾向であるかが判定可能である。従って、正確な判定が可能となる。また、第1増加度が減少している場合には、その第1単位時間において温度上昇を判定する必要がない。増加度をゼロとすることによって負の数を演算しなければ、演算負荷を抑制することができる。また、第2増加度を演算する際においても、負の数を含む加算を行う必要がないので演算負荷を抑制することができる。
尚、第1しきい値及び第2しきい値は、それぞれ独立して任意に設定可能である。しきい値の一方、例えば第1しきい値をゼロと設定することによって、第2増加度だけを用いて判定することも可能である。
ここで、前記第2しきい値が、前記第1しきい値をn倍した値よりも大きい値に設定されると好適である。
第2単位時間にn個の第1増加度が含まれるから、1つの第2単位時間に含まれる第1増加度の全てが第1しきい値以上である場合には、第2単位時間の間に第1しきい値のn倍以上増加することになる。従って、第2しきい値を、第1しきい値をn倍した値よりも大きい値とすれば、第2単位時間内の増加度の平均が第1しきい値以上となることを判定することができ、より正確な判定が可能となる。
また、本発明に係る温度検出システムは、前記判定部が、前記増加度に基づいて、前記ガスが前記箱内の前記温度検出素子から放出されたものであるか否かを判定することを特徴とする。
箱の中に収納された装置の発熱に伴って、当該装置から温度検出素子と同様の成分のガスが発生する場合がある。また、装置が収納された箱は、所定の換気量を有するので、箱の外部からも温度検出素子と同様の成分のガスが浸入することが有りえる。しかし、箱の中で、急速に気化したガスが放出される場合に比べて、装置から発生するガスや外部から浸入するガスによる濃度の上昇は緩やかである。従って、増加度に基づいて、検出されたガスが温度検出素子から放出されたものであるか否かを判定することによって正確な判定が可能となる。
また、本発明に係る温度検出システムは、前記箱の外部に前記ガス検出素子がさらに配置され、以下のように構成されることを特徴とする。
前記増加度演算部は、前記箱内に配置された前記ガス検出素子の出力に基づく前記増加度と、前記箱外に配置された前記ガス検出素子の出力に基づく前記増加度と、をそれぞれ演算する。
前記判定部は、これら演算された前記増加度に基づいて前記ガスが増加を始めた時刻の時間差を演算すると共に、前記時間差に基づいて、前記ガスが前記箱の外部から前記箱の内部に浸入したものであるか、前記箱内の前記温度検出素子から放出されたものであるかを判定する。
ガスが箱の外部から浸入する場合、先に箱の外部に当該ガスが存在する。従って、箱の外部に設置されたガス検出装置は、箱の内部に設置されたガス検出素子よりも先に当該ガスを検出することができる。逆に、温度検出素子からガスが放出された場合には、箱の内部のガス検出素子が先にガスを検出する。本特徴によれば、箱の内部と外部とにガス検出素子が配置される。従って、ガスが増加し始めた時刻の時間差によって、当該ガスが内部で放出されたものであるか、外部から浸入したものであるかをより正確に判定することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の温度検出システム100が適用される監視システム200の概要を模式的に示すブロック図である。この監視システム200は、機械設備や、配電盤などの電気設備、サーバなどのコンピュータなどの被監視装置の過度の発熱を監視するシステムである。図1に示す例では、被監視設備は電気設備11である。この電気設備11は、キュービクル10の中に収容されている。キュービクル10は、換気扇12や鎧窓13を備えて、所定の換気量を有する一定容積の空間を備えた箱である。自然換気で充分な場合には、換気扇12は設けられずに鎧窓13のみが設けられる場合もある。電気設備11は、負荷の増大や接触不良、短絡、漏電などによって発熱し、故障や発火などを招く場合がある。このような事態を未然に防ぐために、電気設備11には発熱を検出する温度検出素子4が備えられている。
図2は、温度検出素子4の構造を示す透視斜視図である。温度検出素子4は、缶状の密封容器41の中に匂い物質(ガス発生物質)42を収容している。匂い物質42は、例えばイソプロパノールやエタノール(沸点約78℃)などであり、電気設備11などの被監視設備の温度上昇により気化して有臭のガスを発生する。密封容器41には、気化したガスを放出するためのガス放出孔43が形成されている。このガス放出孔43は、所定の温度で溶融する封止材44によって図2(a)に示すように封止されている。この封止材44には、融点60〜96℃程度の低融点半田などの低融点合金が用いられる。その他の低融点合金の組成としては、インジュウム−錫合金、錫−ビスマス合金、インジュウム−ビスマス合金、インジュウム−錫−ビスマス合金等が好適である。合金の比率を適宜変更することによって、所望の融点を設定することができる。温度検出素子4の一つの面には接着テープ45が設けられており、これを用いて被監視設備に温度検出素子4を貼り付けることができる。
尚、温度検出素子4が貼り付けられる場所は粘着性のよい平面とは限らないため、接着テープ45を用いるほか種々の方法で温度検出素子4は設置される。例えば、配電盤のボルトの頭部には金属製のアタッチメントを用いて設置される。また、例えば外形の直径が30mm以下の曲率の小さい電線ケーブルには、網状のアダプターを用いて設置される。
電気設備11が発熱し、温度検出素子4が加熱されると匂い物質42が気化を始める。一方、温度検出素子4の過熱により、封止材44が溶融し、ガス放出孔43から気化したガスが放出される。放出されたガスは、キュービクル10の中に拡散する。
本実施形態の温度検出システム100は、温度検出素子4とガス検出装置1とを含んで構成されている。図1に示すように、キュービクル10の中には、キュービクル10内の雰囲気中のガスの濃度を検出するガス検出装置1が取り付けられている。温度検出素子4がキュービクル10内にガスを放出し、ガス検出装置1が、ガスの濃度が所定以上であると判定すると、その判定結果が伝達手段30を介して監視制御部20に伝達される。伝達手段30は、有線のケーブルなどを用いてもよいし、無線(ワイヤレス)通信を用いてもよい。図1に示す他のキュービクル10A、10B、10Cにも同様の温度検出システム100が備えられており、監視システム200は、複数のキュービクルを監視することができる。
図3は、ガス検出装置1の構成を模式的に示すブロック図である。図4は、ガス検出素子5の構造を示す透視斜視図である。ガス検出装置1は、ガス検出部2と制御部3とを備えている。ガス検出素子5は、例えば白金、パラジウム、白金−パラジウム合金などの貴金属線コイル51上に、酸化スズなどの金属酸化物半導体を主成分とする感応層52を塗布焼成して形成された熱線型半導体ガスセンサである。熱線型半導体ガスセンサは、被検出ガスのガス濃度に応じてその抵抗値が異なるものである。ガス検出素子5は、図3に示すようにブリッジ回路に組み込まれ、ガス検出素子5の抵抗値の変化に応じて変化する電圧が測定部8で測定される。尚、ガス検出素子5は、熱線型半導体ガスセンサに限らず、接触型や気体熱電動式など、勿論他の方式のガスセンサであってもよい。
測定部8で測定されたガス濃度を示す電圧値は、制御部3に入力される。制御部3は、増加度演算部6と、判定部7とを備えている。増加度演算部6は、ガス検出素子5の出力に基づいて、被検知対象のガスが単位時間当たりに増加する度合いを示す増加度を演算する。判定部7は、演算された増加度が所定のしきい値以上か否かを判定する。この判定結果は、図1に示したように監視制御部20に送られる。増加度演算部6及び判定部7の詳細については後述する。
図5は、換気量を有する一定容積のキュービクル10内に設置された温度検出素子4から放出されたガスの濃度変化の一例を示すグラフである。図に示すように、キュービクル10内のガス濃度は、ガス発生の初期に急激に上昇し、ピークCpに達した後、徐々に減少する。匂い物質42の気化する温度(第1温度;例えば78℃)と封止材44の融点(第2温度;例えば60〜96℃)とは、近い温度に設定されている。匂い物質42が全て気化するまでガスが発生し続け、ガス放出孔43から気化したガスがキュービクル10内に放出される。尚、封止材44の融点よりも、匂い物質42が気化する温度の方が低い場合には、ガス放出孔43が開封されるまでに密封容器41内にガスが充満する。この場合には、ガス放出孔43が開封されるのと同時にガスは一気に放出されるのでキュービクル10内のガス濃度はさらに急激に上昇することになる。
ここで、容積U、換気量(例えば一時間当たりの換気回数N)が定められた空間(例えばキュービクル10)にガス発生源(例えば温度検出素子4)がある場合を考える。ガス発生源は、一定の発生量Etのガスを限られた時間T0内に発生するとする。つまり、ガス発生の平均速度Mは以下に示す数1で示される。この時、当該空間内のガス濃度の時間依存度C(t)は、以下に示す数2及び数3で示される。
Figure 2008224475
Figure 2008224475
Figure 2008224475
数2は、ガス放出開始からT0秒経過後までの間の、ガス濃度が増加する期間を示す式である。ガス濃度は、図5に示すように時刻T0でピークCpに達する。数1及び数2より明らかなように、ピークCpは、容積U、換気量(換気回数)N、発生量Et、時間T0の関数となる。数3は、ピークCpから換気によって空間内のガス濃度が次第に低下することを示している。
ガス検出装置1が、従来のガス濃度値に基づく判定方法を用いるとすれば、しきい値濃度AL、到達時間TAL、及び遅延時間Tdがガスの検出に関係する。つまり、ガス放出開始後、空間内のガス濃度が到達時間TAL後にしきい値濃度ALを超え、さらに所定の遅延時間Td経過後にガスが検出される。遅延時間Tdは、誤判定を防止するためにガスの濃度が確実にしきい値濃度AL以上となったことを確認するための待機時間である。図5では、しきい値濃度ALが30ppmの場合を例示している。
ところで、キュービクル10内のガスの濃度の変化は、換気回数Nによっても異なる。図6は、ガスの濃度変化を換気回数Nごとに示すグラフである。図6には、容積U、発生量Et、時間T0が一定の場合のガスの濃度変化を、一時間当たりの換気回数Nが1、5、10、50、100の場合のそれぞれについて示したものである。図6より明らかなように、換気回数Nが多いほど、ガス濃度のピークCpの値は小さくなる。例えば、換気回数Nが多いと、キュービクル10内の雰囲気の条件によっては、しきい値濃度を超えない可能性が生じる。
発生量Et、時間T0、遅延時間Tdを決め、容積Uと換気回数Nとの関係を示すと、ガスを検出可能な領域を表示することができる。図7は、キュービクル10の容積Uと換気回数Nとの関係をしきい値濃度ALごとに示すグラフである。各特性曲線の下側の領域はガスを検出可能な領域、上側の領域は、ガスを検出できない領域を示している。各しきい値濃度ALとも、ガスを検出可能な最大の容積Umaxは、換気回数N=0の時である。図7に示すように、原理的には換気回数Nが大きくなれば、ガスを検出可能な容積Uは小さくなる。つまり、換気回数Nが多い場合には、キュービクル10の容量が小さくなければガスの検出は困難である。また、当然ながら、しきい値濃度ALが低いほど、ガスを検出可能な領域は広くなる。つまり、換気関数Nが多く、大きな容量のキュービクル10に対応するには、しきい値濃度ALを低くする必要があるが、上述したように雰囲気の状態変化による影響を受け易くなる。
このように従来のしきい値濃度ALを用いるガス検出の方法では、キュービクル10の容積Uが決まり、しきい値濃度ALを設定すると、ガスを検出可能な最大の換気回数Nも決まる。しかし、近年キュービクル10内に収容される装置の定常的な発熱量も大きくなってきていることから、冷却の意味でも換気回数Nを増やしたいという要望がある。従って、許容可能な換気回数Nの増大が望まれる。
そこで、本発明のガス検出装置1では、濃度値そのものを用いてしきい値濃度ALを判定基準とするのではなく、キュービクル10内における増加度を用いて判定を行う。ここで、増加度とは、ガスが単位時間当たりに増加する度合いを示すものである。ガス濃度の単位時間当たりの変化は、原理的には数2及び数3を微分することによって表される。空間内のガス濃度の時間依存度C(t)の時間tに対する微分C'(t)は、下記に示す数4及び数5となる。
Figure 2008224475
Figure 2008224475
数4から明らかなように、微分値はガス発生の時刻t=0においてC'(t)=M/Uの最大値であり、以降時刻T0まで次第に減少していく。時刻T0の後は負の値となり以降次第に上昇していく。ここで、注目すべきは、C'(t)の初期の値である。下記数6に示すように、ガスの発生量Et、時間T0、容積Uにのみ依存し、換気回数Nには無関係である。また、ガス発生からの時間と等価な時刻tが小さいほど、即ちガス発生の初期ほど、換気回数Nの影響は小さい。
Figure 2008224475
図8は、増加度と増加度しきい値との関係を示す説明図である。図8において、波形P1は温度検出素子4からガスが放出された際の波形を模式的に示している。また、波形P2は温度検出素子4とは関係なく、電気設備11から発生するガスやキュービクル10の外から浸入するガスによってキュービクル10内の雰囲気が変動している際の波形を模式的に示している。上述したように、温度検出素子4が内蔵するガスは、ガス放出孔43を介して短時間の内に放出されるため、波形P1は増加度Z1で急激に立ち上がる。一方、温度検出素子4とは別の要因によるガス濃度は、波形P2に示すように増加度Z2で緩慢に上昇する。従って、増加度Z1と増加度Z2との間の増加度ZTHを所定のしきい値(しきい値増加度)として、温度検出素子4のガス放出に由来するガスを良好に検出することができる。詳細については、具体的な数値例を用いて後述する。
図9は、従来の濃度値を用いたガス検出方法と本発明の増加度を用いたガス検出方法とを比較する説明図である。図9(a)はキュービクル10の雰囲気の状態が標準的な場合、図9(b)は雰囲気の状態が良好な場合、図9(c)は雰囲気の状態が悪い場合を示している。また、図8と同様に、波形P1は温度検出素子4からガスが放出された際の波形、波形P2は温度検出素子4に関係しないガスによる波形を示している。図9の縦軸はガス検出部2からのセンサ出力の電圧値を示している。VTHはしきい値濃度ALに対応するセンサ出力の電圧値に対するしきい値電圧である。また、図中の符号dtは、単位時間である。
図9(a)は、雰囲気中のガス濃度に対するセンサ出力の電圧がほぼゼロ(Vref)となっている。従って、波形P1として示される温度検出素子4に由来するガスは、従来の濃度値を用いたガス検出方法においても、センサ出力に対するしきい値電圧VTHを越えてガスが検出される。また、当然増加度Z1もしきい値増加度ZTHを超えるものであるので増加度を用いた場合にもガスが検出される。一方、波形P2として示される温度検出素子4に関係しないガスは、濃度値を用いたガス検出方法においても、増加度を用いたガス検出方法においても、それぞれのしきい値を超えないので検出されることはない。
図9(b)は、雰囲気中のガス濃度に対するセンサ出力の電圧がゼロ(Vref)を下回っている。従って、波形P1として示される温度検出素子4に由来するガスは、従来の濃度値を用いたガス検出方法においては、センサ出力に対するしきい値電圧VTHを越えず、ガスが検出されない。しかし、増加度Z1はしきい値増加度ZTHを超えるものであるので増加度を用いた場合にはガスが検出される。一方、波形P2として示される温度検出素子4に関係しないガスは、濃度値を用いたガス検出方法においても、増加度を用いたガス検出方法においても、それぞれのしきい値を超えないので、検出されることはない。
図9(c)は、雰囲気中のガス濃度に対するセンサ出力の電圧がゼロ(Vref)を上回っている。従って、波形P1として示される温度検出素子4に由来するガスは、従来の濃度値を用いたガス検出方法においても、センサ出力に対するしきい値電圧VTHを越えてガスが検出される。また、当然増加度Z1もしきい値増加度ZTHを超えるものであるので増加度を用いた場合にもガスが検出される。一方、波形P2として示される温度検出素子4に関係しないガスは、濃度値を用いたガス検出方法においては、しきい値VTHを超えてしまうので検出されてしまう。しかし、増加度を用いたガス検出方法においては、増加度Z2がしきい値増加度ZTHを超えないために検出されることはない。
このように、増加度を用いることによって、雰囲気の良否に依存されることなく、高い安定性を有して温度上昇を検出することのできる温度検出システム100を実現することができる。以下、増加度を用いたガス検出の手順について、具体的な数値も使って詳細に説明する。
図10は、増加度を演算する手順の一例を示す説明図である。図10(a)は、図6の領域Aに示すようなガス濃度が上昇を始める時点の拡大波形である。ここでは、縦軸を濃度値ではなくセンサ出力の電圧値で示している。図3に示すガス検出部2からのセンサ出力は制御部3の増加度演算部6に入力される。増加度演算部6は所定のサンプリング間隔でデジタル変換されたセンサ出力を受け取る。サンプリングやデジタル変換については、増加度演算部6で実施してもよいが、制御部3やガス検出部2の他の機能部(不図示の機能部を含む)で実施してもよい。例えば、サンプリングに関しては制御部3から電源9を制御し、通電間隔を切り替えることによってセンサ出力を得るようにしてもよい。また、測定部8がA/D変換機能を有し、測定部8においてデジタル変換を実施してもよい。
図10(a)は、各サンプリングタイミングt(i)に対応する時刻t0〜t10におけるセンサ出力を示している。図10(b)は、各サンプリングタイミングにおけるセンサ出力の電圧値V、これら電圧値から演算される増加度dV及びDVを示している。本例では、増加度として第1増加度dV及び第2増加度DVを用いる場合を示している。また、第1増加度dVと第2増加度DVとに対応して、単位時間として第1単位時間と第2単位時間とが設定される。
第1増加度dVは、第1単位時間の間にガスが増加する度合いを示す。本例では、サンプリング間隔を第1単位時間dtとする。第2増加度DVは、第2単位時間の間にガスが増加する度合いを示す。第2単位時間は、nを自然数として第1単位時間のn倍に設定された時間(=dt×n)である。本例では、n=3の場合(第2単位時間=3dt)を例として説明する。尚、第1単位時間もmを自然数としてサンプリング間隔のm倍とすることができる。本例では、m=1である。
図10(b)に示すように、各サンプリングタイミングに取得された電圧値V(i)に対して、前回のサンプリングタイミングに取得された電圧値V(i-1)との増加分dV(i)が演算される。つまり、第1単位時間(dt=t(i)−t(i-1))の間にガスが増加する第1増加度dV(i)が演算される。ここで、ガスが増加する場合は当該増加分(V(i)−V(i-1))が第1増加度dV(i)とされる(増加にはゼロを含む。)。ガスが減少する場合は増加分がゼロとみなされる。
図10(b)に示すように、時刻t1では第1増加度dV(1)が0.004と演算される。時刻t2や時刻t3では、それぞれの前の時刻t1や時刻t2に比べてセンサ出力の電圧値Vが減少している。上述したように、本例ではガスが減少する場合は増加分がゼロとみなされるので、第1増加度dV(2)、dV(3)はゼロと演算される。
図10(b)に示すように、各サンプリングタイミングに対応して第2単位時間内に繰り返し演算される第1増加度dVを、第1単位時間dtの経過に応じて移動積算することによって第2増加度DVが演算される。移動積算は、第1単位時間dtに対する第2単位時間の倍数nに対応し、n個ずつの第1増加度dVが積算される。つまり、第1増加度dV(i)が演算される際に、3つの第1増加度dV(i)、dV(i-1)、dV(i-2)が積算されて、第2増加度DV(i)が演算される。このように、第2増加度DVの演算には、3つの第1増加度dVが必要なため、図10(b)に示す本例では、時刻t3以降で第2増加度DVが演算される。
増加度演算部6において、第1増加度dVと第2増加度DVとが演算されると、これらの増加度に基づいて判定部7が判定を実施する。判定部7は、第1増加度dV及び第2増加度DVに対してそれぞれ設定された第1しきい値及び第2しきい値に基づいて判定を実施する。第1しきい値及び第2しきい値は、それぞれ独立して任意に設定可能である。しきい値の一方、例えば第1しきい値をゼロと設定することによって、第2増加度DVだけを用いて判定するようにすることも可能である。両方のしきい値を用いて判定する場合、第2増加度DVは第1増加度dVをn個積算したものであるので、第2しきい値を少なくとも第1しきい値のn倍の値とすると好適である。本例では、第1しきい値を0.03V、第2しきい値を0.1Vとして、n倍よりもさらに大きな値が設定されている。
図10(a)に示すように、ガスの濃度は時刻t6を境に上昇している。従って、図10(b)に示すように、時刻t7において演算される第1増加度dV(7)は0.035Vであり、第1しきい値(=0.03V)以上となる。時刻t7において演算される第2増加度DV(7)は、それまでの第2増加度DV(3)〜DV(6)に比べて大きな値となるが、第2しきい値(=0.1V)以上とはならない。
時刻t6以降、ガスの濃度は上昇しているので、図10(b)に示すように、時刻t7〜時刻t10に演算される第1増加度dV(7)〜dV(10)は、第1しきい値以上となる。そして、時刻t9になると、第1増加度dV(7)〜dV(9)が移動積算された第2増加度DV(9)が0.110Vとなって第2しきい値以上となる。時刻t10において演算される第2増加度DV(10)(=0.105V)も第2しきい値以上となる。
判定部7は、時刻t7において第1増加度dV(7)が第1しきい値以上と判定し、そのn回後(第1単位時間×nの後)に第2増加度DV(9)が第2しきい値以上と判定した場合に、温度検出素子4からガスが放出されたと判定する。そして、その判定結果を監視制御部20に伝達する。尚、第1増加度dV(i)が第1しきい値以上とならない場合には、第2増加度DV(i)を判定する必要がないので、図10(b)では、第2増加度DV(3)〜DV(6)に括弧をつけて表している。また、別の実施形態として、第1増加度dVが連続してn回、第1しきい値以上となった場合に、温度検出素子4からのガス放出があったと判定してもよい。この場合、これら一群の第1増加度dVが第2増加度DVに相当し、連続回数nが第2しきい値に相当するものとなる。
このように、判定部7が第1増加度dVと第2増加度DVとに基づいて判定するので、安定して正確な判定が可能となる。例えば、キュービクル10内のガスの濃度が、図11に示すように推移したとする。ここで、しきい値濃度ALは30ppmである。判定部7がセンサ出力の電圧値V(i)に基づいて判定する場合には、しきい値濃度ALを電圧値に換算したしきい値電圧VTHが用いられる。
図11(a)の左方においてガス濃度が上昇している。この時、第1増加度dVが第1しきい値以上となる場合がある(図中に○印で示す)。しかし、図中に×印で示すように、第2増加度DVが第2しきい値以上とならなければ、ここでの増加度は温度検出素子4とは別の要因による増加度Z2と判定される。また、図11(a)の中央部においてもガス濃度が上昇している。この時には、第1増加度dV及び第2増加度DVが共にしきい値以上とならないため、同様に温度検出素子4とは別の要因による増加度Z2と判定される。図11(a)の右方においては、第1増加度と第2増加度とが共にしきい値以上となる。従って、温度検出素子4によるガス放出に起因する増加度Z1と判定される。
図11(b)は、図11(a)の部分拡大図である。図11(b)に示すようにガスの濃度は、単調に増加するとは限らない。温度検出素子4からの放出と換気との関係や対流によって一時的な減少を伴って増加することも有り得る。従って、第1増加度dVが第1しきい値以上となることと、第2増加度DVが第2しきい値以上となること、との両方を判定条件とすると、第1しきい値の設定値によっては温度検出素子4によるガス放出に起因する増加度Z1と判定されない可能性が生じる。上述したように、ガス濃度が減少する場合の増加度dVはゼロとみなして演算され、第1しきい値及び第2しきい値は互いに独立して設定可能である。従って、図11(b)に示すように第1しきい値dVTHをゼロに設定すれば、第1増加度dVに対する判定結果を常に第1しきい値以上とすることが可能である。この場合には、見かけ上第2増加度DVだけを用いて判定されることになる。
また、増加度に対するしきい値ZTHを複数設定すれば、複数の要因に対するガス濃度の上昇を判定することが可能である。上述したように、温度検出素子4がガスを放出した場合のガス濃度の上昇は急峻である。一方、温度検出素子4に関係しないガスによるガス濃度の上昇はそれよりも緩慢である。従って、増加度に基づいて、ガスがキュービクル10内の温度検出素子4から放出されたものであるか否かを判定することが可能である。
図5〜図11を利用して詳述したように、ガス濃度の絶対値(レベル値)に基づくのではなく、ガス濃度の増加度に基づいて判定を行うことにより、安定して正確な判定が実現できる。また、図5に示したように、ガス濃度がしきい値濃度ALに達するまでには到達時間TALが生じる。また、濃度値に基づく判定では、ガス濃度がしきい値濃度ALに達した後にも遅延時間Tdを必要とする。しかし、本発明に係る増加度に基づく判定は、図6に領域Aで示すように濃度が上昇を開始する初期で為されるから、到達時間TALよりも遥かに早いタイミングでガスの放出を判定することができる。また、濃度値の判定では無いから、遅延時間Tdは必要なく、短時間での判定が可能である。
さらに、図7に基づいて説明したように、ガス濃度の絶対値(レベル値)に基づく判定方法では、キュービクル10の容積Uと換気回数Nとの特性曲線よりも下側の領域しか有効にガスを検出することができない。図12には代表としてしきい値濃度ALが30ppmの場合の容積Uと換気回数Nとの特性曲線L1と、ガス検出可能領域とを示している。ガス濃度の絶対値に基づく判定方法では、図12に示す領域aにおいてのみ有効にガスを検出することができる。しかし、増加度に基づく判定方法を用いれば、特性曲線L1を、判定が不可能な領域c側の特性曲線L2へと移動させることができる。その結果、領域aに領域bを加え、有効な領域を拡大することができる。例えば、キュービクル10の容積Uが3m3の場合は、従来の特性曲線L1に従えば換気回数Nの上限はN1である。しかし、拡張された特性曲線L2に従えば、換気回数Nの上限は、N1よりも大きい値であるN2となる。
〔他の実施形態〕
図13は、監視システム200の他の実施形態の概要を模式的に示すブロック図である。本実施形態では、ガス検出装置1がキュービクル10の内部と外部との2箇所に設置されている。キュービクル10の内部には内部ガス検出装置1A(1)が、外部には外部ガス検出装置1B(1)が設置される。監視システム200の他の構成は図1に示したものと同様であり、同じ符号を付して示している。また、内部ガス検出装置1A及び外部ガス検出装置1Bの内部構成は、共に図3に示したものと同様である。
本実施形態では、内部ガス検出装置1Aと外部ガス検出装置1Bとが、それぞれガスを検出し、増加度を演算する。内部ガス検出装置1Aの増加度演算部6は、キュービクル10内に配置されたガス検出素子5の出力に基づいて増加度を演算する。外部ガス検出装置1Bの増加度演算部6は、キュービクル10の外に配置されたガス検出素子5の出力に基づいて増加度を演算する。外部ガス検出装置1Bで演算された増加度は、内部ガス検出装置1Aへ入力される。内部ガス検出装置1Aの判定部7は、内部ガス検出装置1A及び外部ガス検出装置1Bで演算されたこれらの増加度に基づいて、ガス濃度が上昇し始めた時刻の時間差を演算する。そして、判定部7は、この時間差に基づいてガスがキュービクル10の外部から浸入したものであるか、キュービクル10内の温度検出素子4から放出されたものであるかを判定する。
図14は、同一の要因により上昇し、2つのガス検出装置によって検出されるガスの濃度変化を示すグラフである。本例では、キュービクル10の外部からガスが浸入する場合を示している。キュービクル10の外部に存在するガスは、まず外部ガス検出装置1Bによって検出され、上昇開始時刻Taにおいて増加度が演算される。次に、ガスがキュービクル10内に浸入すると、内部ガス検出装置1Aによって検出され、上昇開始時刻Tbにおいて増加度が演算される。そして、2つの上昇開始時刻の差Tb−Taが演算される。本例では、外部ガス検出装置1による検出時刻の方が早いので、ガスは温度検出装置4が放出したものではなく、キュービクル10の外部から来たものであると判定される。判定結果は、監視制御部20に伝達される。
尚、上記説明では、外部ガス検出装置1Bで演算された増加度が、内部ガス検出装置1Aへ入力され、内部ガス検出装置1Aの判定部7が時間差を演算するとした。しかし、これに限らず、内部ガス検出装置1Aで演算された増加度が、外部ガス検出装置1Bへ入力され、外部ガス検出装置1Bの判定部7が時間差を演算してもよい。また、内部ガス検出装置1A及び外部ガス検出装置1Bが演算した増加度や増加度に基づく判定結果をそれぞれ監視制御部20に伝達し、監視制御部20において時間差を演算してもよい。
以上説明したように、本発明によって、雰囲気の良否に依存されることなく、高い安定性を有して温度上昇を検出することのできる温度検出システムを実現することができる。
本発明の温度検出システムが適用される監視システムの概要を模式的に示すブロック図 温度検出素子の構造を示す透視斜視図 ガス検出装置の構成を模式的に示すブロック図 ガス検出素子の構造を示す透視斜視図 一定容積のキュービクル内の設備に設置された温度検出素子から放出されたガスの濃度変化の一例を示すグラフ ガスの濃度変化を換気回数ごとに示すグラフ キュービクルの容積と換気回数との関係をしきい値濃度ごとに示すグラフ 増加度と増加度しきい値との関係を示す説明図 従来の濃度値を用いたガス検出方法と本発明の増加度を用いたガス検出方法とを比較する説明図 増加度を演算する手順の一例を示す説明図 第1増加度と第2増加度を用いたガス検出方法の効果を示す説明図 容積と換気量との関係に基づいて定義されるガスを検出可能な領域が拡大されることを示す説明図 監視システムの他の実施形態の概要を模式的に示すブロック図 同一の要因により上昇し、2つのガス検出装置によって検出されるガスの濃度変化を示すグラフ
符号の説明
4:温度検出素子
41:密封容器(容器)
42:匂い物質(ガス発生物質)
43:ガス放出孔
44:封止材
5:ガス検出素子
6:増加度演算部
7:判定部
10:キュービクル(一定容積の箱)
11:電気設備(収容された装置)
100:温度検出システム
Z1、Z2:増加度
dV:第1増加度
DV:第2増加度
dVTH:第1しきい値
dt:単位時間、第1単位時間
N:換気回数(換気量)

Claims (5)

  1. 所定の換気量を有する一定容積の箱の内部に収容された装置の温度上昇を検出する温度検出システムであって、
    ガス放出孔が形成された容器内に前記装置の温度上昇により気化してガスを発生するガス発生物質を収容し、当該ガス放出孔を所定の温度で溶融する封止材で封止して構成され、前記箱内に収容された前記装置に設置される温度検出素子と、
    前記箱内に設置され、前記箱内の雰囲気中の前記ガスの濃度を検出するガス検出素子と、
    前記ガス検出素子の出力に基づいて、前記ガスが単位時間当たりに増加する度合いを示す増加度を演算する増加度演算部と、
    前記増加度が所定のしきい値以上か否かを判定する判定部と、
    を備える温度検出システム。
  2. 前記増加度演算部は、前記増加度として、
    第1単位時間の間に前記ガスが増加する第1増加度を、前記ガスが増加する場合は当該増加分を演算すると共に、前記ガスが減少する場合はゼロとみなして演算し、
    nを自然数として前記第1単位時間のn倍に設定された第2単位時間の間に増加する第2増加度を、前記第2単位時間内に繰り返し演算された前記第1増加度を前記第1単位時間の経過に応じて移動積算することによって演算し、
    前記判定部は、前記所定のしきい値として、
    前記第1増加度に対する第1しきい値と、
    前記第1しきい値よりも大きい値に設定された、前記第2増加度に対する第2しきい値と、
    を用いて判定する、
    請求項1に記載の温度検出システム。
  3. 前記第2しきい値は、前記第1しきい値をn倍した値よりも大きい値に設定される請求項2に記載の温度検出システム。
  4. 前記判定部は、前記増加度に基づいて、前記ガスが前記箱内の前記温度検出素子から放出されたものであるか否かを判定する請求項1〜3の何れか一項に記載の温度検出システム。
  5. 前記箱の外部に前記ガス検出素子がさらに配置され、
    前記増加度演算部は、前記箱内に配置された前記ガス検出素子の出力に基づく前記増加度と、前記箱外に配置された前記ガス検出素子の出力に基づく前記増加度と、をそれぞれ演算し、
    前記判定部は、これら演算された前記増加度に基づいて前記ガスが増加を始めた時刻の時間差を演算すると共に、前記時間差に基づいて、前記ガスが前記箱の外部から前記箱の内部に浸入したものであるか、前記箱内の前記温度検出素子から放出されたものであるかを判定する請求項1〜4の何れか一項に記載の温度検出システム。
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