JP2018534702A - 電気回路の不具合の結果生じる火災前状態を検知する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、防火及び電力安全の分野、特に、電気機器の局所過熱から生じる火災前状態の検知方法に関し、電気配線の不具合、特に配線デバイスにおける不具合によって生じる火災を予防することを意図する。【解決手段】 方法は、保護された部屋の大気中の軽沸点物質の含有量の測定に基づき、軽沸点物質は、開口が生じる温度が80〜200℃の範囲のカプセルに封入されて、通電部品上に固定されており、カプセルが上記部品を適切な温度に加熱することによって開口されたときに外部環境中へ放出される。特許請求される解決手段の技術的成果は、火災前状態を早期段階で検知する可能性を増大することである。【選択図】 図2

Description

本発明は、防火及び電力安全の分野に関し、特に、電気機器の局所過熱から生じる火災前状態の検知方法に関する。
現在までに、全火災の20%超が電気機器及び電気デバイスの操作における違反行為によって起こっている。ほとんどの場合、発火は電気接点の領域で起こる。
最も効果的な防火の方法は、火災前状態を認識することである。かかる状態を検知するための多くのシステムは、ガス状媒体の組成のモニタリング、特に、燃焼の初期段階(くすぶり)で放出されるガスの内容物の分析をベースとする。
水素(H)は、建築に使用された材料(木、織物、合成材料など)の熱分解の結果として、くすぶりの段階で放出されるガスの主成分である。火災の初期段階では、くすぶり過程の間、水素濃度は0.001〜0.002%である。更に、芳香族炭化水素の含有量は、一酸化炭素(СО)の形で存在する不完全酸化炭素のバックグラウンドと比べて増大している−0.002〜0.008%(空気中の体積%)(非特許文献1)。
実験の結果、通常条件下の大気中における初期火災警報システムの閾値は、水素及び一酸化炭素を含め、ほとんどのガスで、0.002%のレベルとすべきであることが実証されている。同時に、システム性能は少なくとも10秒であることが望ましい。この結論は、多数の火災ガス警報の警告の開発の基礎と考えることができる(非特許文献1)。
しかしながら、上記のように、くすぶり段階で形成されるガス状熱分解生成物の濃度は非常に低い。このため、このような生成物の空気中濃度の検知に基づいて火災前状態を検知するためのシステムは全て、以下の多数の共通の欠点を有する:
1.かかるシステムの使用は、通気の度合が低い物体のみで可能である。
2.低濃度のCO及びHを検知するためには、高精度の選択的方法を使用しなければならない。同時に、ガスセンサは、必要な選択性を提供することができず、分光測定に基づくデバイスは、高コストで、維持が困難である。
3.空気中にこのような低濃度の燃焼生成物が出現することは、発火の結果としてのみ起こり得るのではないことから、検知システムの感度の増大は、偽応答の数の増大を招く。したがって、例えば、炎が現れた直後に、二酸化炭素(CO)の濃度は0.1%まで増大し、これは一方では容積60mの密閉室内における40〜50gの木材又は紙の燃焼に相当し、他方では10本のタバコの燃焼に相当する。かかるレベルのCOは、1つの室内に2人が1時間滞在した結果でも達成される(非特許文献1)。
4.熱分解生成物の集中的な分離は、高温(>250℃)、すなわち、炎の出現の直前にしか始まらないことから、かかるシステムは、危険な状態を早期段階で識別することはできない。
このように、パルス源によって放出される単色放射の強度を、特定物質の熱破壊生成物によるその吸収周波数において測定すること、及びその濃度が許容値を超えたときに火災警報のための制御信号を発生することを含む、火災前状態の診断及び火災予防のための方法が知られている(特許文献1)。
既知の方法の欠点としては、信頼性が低いこと、擬応答の可能性が高いこと、並びに火災の初期検知が不十分であることなどがあり、これは、不十分な量の制御ガス成分の濃度に関して、濃度上昇速度及び火災危険状態の評価を考慮せずに制御信号が発生することによって引き起こされる。
赤外分光法に基づいて火災前状態を検知する方法及びデバイスが知られている。このデバイスは、光学結合した線源及び第1の増幅器に結合した放射線レシーバー、並びに2つの放射線レシーバー及び第2及び第3の増幅器を含む処理パターンを含み、第2及び第3の増幅器は第1の増幅器と共に、火災危険成分の許容濃度の各ブロックを通るアナログーデジタル変換器に接続し、変換器の出力はマイクロプロセッサ及びデジタル−アナログ変換金属を通って警報ユニットに接続し、その一方でマイクロプロセッサの第2の出力はモニタに接続する。これは、特に電気通信機器における火花又は短絡の結果生じ得る標準外の熱源の影響下で生成した種々の有機材料の熱分解生成物を検知するように設計されている(特許文献2)。
上記の既知の技術的解決手段の欠点は、既に始まった発火に伴うガス及び煙の出現に反応すること、すなわち、発火開始の時点又は火災の開始後に信号を直接的に発することである。
ガスセンサ、アナログ測定部、センサの操作モードの制御と測定データの一次処理及び保存のためのマイクロプロセッサモジュール、並びにセンサとデバイスを全体とした電源回路を含む、ガス状媒体のパラメータを監視するためのデバイスが既知であり、当該デバイスは、デバイスの電子回路が無線ネットワークを介したデータ伝送及びコマンドのためのソフトウェアとハードウェアインターフェイスを集積すること、及び測定及びデータ伝送のためのアルゴリズムは、較正期間中の電池交換のない、設備の自律的操作という目的に最適化されていることを特徴とする。この場合、デバイスを、火災前警報の検知器として使用して、空気中の化学組成を制御すること、特にCО及びНの含有量を決定することができる(特許文献3)。
既知のデバイスの欠点は、火災前状態の検知において偽応答の可能性があること、並びに干渉への感度が高いために維持期間中の操作信頼性が低いことである。
火災前状態の診断及び火災予防のための別の既知の方法は、センサユニットによる情報パラメータ(空気中のガス状熱分解生成物、すなわちCO、CO、NO、HCl、オキシダント、ヒュームの濃度、並びに温度)の測定、発火シミュレータを用いた各センサからの信号の遅延時間の測定、各センサで測定した情報パラメータへの時間依存性の導出値、火災警報開始のための制御信号の発生、並びに少なくとも2つのパラメータセンサによって測定された情報パラメータに基づくリスク分析の結果として起こり得る消火手段の起動及び電源オフを含み、情報パラメータとしてのH、CH、NH、O、Cl、HS、SO、HCOOH、COH、還元剤の0.1〜60秒の時間間隔の濃度測定に加えて、各情報パラメータの時間依存性を決定し、導出値の少なくとも1つは、測定された各情報パラメータの修正値を、各遅延センサに対応する時間当たりの導出値に等しい値として決定し、少なくとも2つのセンサの測定値から決定された情報パラメータの修正値が許容値を超えたときに制御信号を発生し、信号の時間遅延は、火災シミュレータの切り替え時間の時間間隔の値及びセンサからの信号の最大値として周期的に測定されることを特徴とする(特許文献4)。
上記の既知方法は、空気中のガス状熱分解生成物の濃度測定が複雑であること、測定値の有効性が低いこと、及び高額な装置を必要とすることから、幅広い用途で限られた範囲で適用できる。
火災前状態の認識に対するやや異なるアプローチが特許文献5に記載されており、当該特許は、電気設備及び機械設備の目や手の届きにくい場所での過熱を早期検知するための方法に使用されるデバイスを開示しており、当該デバイスは、デバイス2の発熱部分の近くに設置された熱溶融性組成物に封入された付臭剤1の使用に基づき、上記デバイスに対して過熱が制御される(図1参照)。臭いセンサ3は、この付臭剤からの気流の下流に設けられる(図1参照)。付臭剤として、香料を包含した熱溶融性組成物のマイクロカプセルを使用できる。更に、ワックス又は他の脂肪酸と混合した香料も応用できる。この技術的解決手段は、本発明に最も類似している。
特許文献5からの既知の解決手段の欠点は、熱溶融性ポリマーを使用することである。発熱部分が熱溶融性ポリマーの軟化又は溶融温度を超えて加熱されると、ポリマーが分離して、電気機器の一部分、例えば配線の絶縁部に流れる場合があり、該配線の侵害は短絡を招くおそれがある。更に、特許文献5の記述は、提案されている高分子組成物からの付臭剤の放出は、材料の溶融によって起こることを示している。この状況は、発泡、発生ガスによる高分子物質の放散など、電気機器に望ましくない結果を伴う可能性がある。高温の溶融発泡物質の挿入により、ポリマー液滴又はポリマー溶融物は、ステッカーから、隣接する接点、電気機器、ブロワ、センサへと流れ、動作不良又は発火さえも招く可能性がある。
加えて、火災前状態の記録にとって最も重要な基準の1つは、システム全体の応答速度である。 この目的で、ガスは、臨界温度に達したとき大量に放出され、素早く広範に分布する必要がある。しかしながら、特許文献5において、ポリマーの溶融の結果生じる孔の開口は、熱溶融性組成物への付臭剤の移行(例えば、溶解)、又は発泡体層の形成を伴う場合がある。この場合、表面からのガスの蒸発は低速で進み、生成物に囲まれたガスの大部分が一度に気相に移行することはないであろう。
更に、上記システムの大きな欠点は、マイクロカプセル化された付臭剤又はワックス若しくは脂肪酸と混合された付臭剤の低速加熱中のガス放出速度である。材料の層で最初に溶融するのは熱源に最も近い層であり、その後に次の層などとなることから、臭気物質の排出速度は無視できるほど小さいであろう。通気がある場合、臭気物質の濃度は無視できるほど低い場合があり、その結果センサは反応しないであろう。
ソ連国特許発明第1277159号明細書 ロシア国特許出願公開第2022250号明細書 ロシア国特許出願公開第95849号明細書 ロシア国特許出願公開第2175779号明細書 特開平6−66648号公報 ロシア国特許出願公開第2403934号明細書
エレクトロニクス:サイエンス、テクノロジー、ビジネス(Electronics:Science,Technology,Business)、第4号、2001年、p.48 A.P.ドリン(Dolin)、A.I.カラプジコフ(Karapuzikov)、Yu.A.コヴァルコワ(Kovalkova)著、「電気機器の動作不良発生の場所及びレベル決定のためのレーザーリークディテクター『KARAT』の使用の有効性」(Efficiency of using a laser leak detector "KARAT" to determine the location and level of development of electrical equipment malfunction)、エレクトロ(Electro)、第6号、2009年、p.25〜28
本発明の目的は、火災前状態を早期段階で検知する可能性を増大すること、及び偽応答の数を最小限に抑えることである。
技術的解決手段の本質は、電気回路の感熱部分の火災前状態を検知するために、内部に低沸点物質を包含していて開口が生じる温度が80〜200℃の範囲である1個又は数個のカプセルを、接着剤又は接着テープで固定し、保護された部屋の大気中の上記軽沸点物質の含有量を、信号送達システムに接続した、自動記録器に接続するガスセンサという手段によって測定することにある。特定の温度を超えて加熱されると、カプセルが開き、軽沸点物質の蒸気の発生を伴い、これがガスセンサによって検知される。
特許文献5に開示されているプロトタイプと比較すると、本発明の方法は、熱溶融性組成物に包含された又は熱溶融性芳香剤ポリマー中に分散された多数のマイクロカプセルの代わりに、1個又は複数の大きなカプセルを使用する。この場合、加熱の速度に関係なく、カプセルは一度に開き、ガスの全て又は大部分が一回で放出される。ガスが一度に放出されることは、その空間内での高濃度のガスの発生、及び通気の有無に関係のない、ガスセンサの信頼できる操作に寄与する(実施例6参照)。
通常、加熱時のチューブ(マクロカプセル)の開口は、二次充填の場所で起こる。製造上の特徴から、各チューブは、封止位置において一次シェルの厚さが異なり、独自の開口が生じる温度を有する。開口が異なる圧力及び温度で起こることは、本発明の重要な利点を生む。カプセルの開口は、比較的広い温度範囲で起こることから、本発明の方法は、数個のカプセルを使用した場合、過熱を複数回記録することができる。換言すれば、数個のカプセルが開口が生じる温度範囲の温度まで加熱され、冷却され、開口が生じる温度範囲内の温度(ただし、1回目よりも高い温度)に再加熱された場合、1回目に開口が生じなかったカプセルが、再加熱時に、過熱を記録するのに十分なガスを放出する。
該方法は、配線又は電気接点の加熱が許容可能な操作パラメータを超えている(>100℃)が、発火可能な材料の熱分解が起こるレベル(>250℃)にはまだ達していないときの、火災前状態の早期検知を確実とする。
電気設備及び機械設備の目や手の届きにくい場所での過熱を早期検知するための既知のデバイス(特許文献5による)を示す図である。 警報デバイスの全体図を概略的に示す図である。 システムの反復応答の際のガス濃度(緑色曲線)及び加熱プレートの温度(赤色曲線)の時間依存性を示す図である。
本発明の方法は、電気機器の局所過熱の結果生じる火災前状態を検知するように設計されている。本発明は、易沸物質を包含していて開口が生じる温度が80〜200℃の範囲である1個以上のカプセルが、電気回路の加熱されやすい領域に接着剤又は接着テープで固定され、保護された建物内の大気中の上記易沸物質の含有量を、記録器に接続したガスセンサで測定し、これが信号送達システムに接続されていることを特徴とする。
架橋(熱硬化性)ポリマーは、好ましくはカプセル材料として使用される。この場合、材料シェル(material shall)の溶融及び電気機器への漏出に伴う欠点を避けることができる。
カプセルに包含される軽沸点物質として、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(chladone 365)及び1,1,1,2,2,4,5,5,5−ノナフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン−3−オン(Novec 1230)などのフロン、又は二酸化硫黄を使用できる。上記化合物は、第4危険分類に属し、すなわち、人体に有害ではない。機器の通常運転の間、通常状況下で屋内空気中にフロンは存在せず、そのため極めて低い濃度で、偽応答の恐れなく検知することができる。加えて、フロンは、最低濃度(最大0.001ppm)で特殊センサによって選択的に検知することができる化学物質の一分類であり、これにより、強制換気使用時又は大容量の電気機器の保護時でも、システムが信頼できるものとなる(非特許文献2)。
軽沸点物質として、代替的又は追加的に、低分子量メルカプタン、ジアルキルスルフィド、ジアルキルジスルフィド又はこれらの溶液などの付臭剤も使用してよい。この溶液の利点は、この場合、過熱の検知が、センサによってだけでなく、人の嗅覚によっても可能になることである。
付臭剤は、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、n−プロピルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、n−ブチル、sec−ブチルメルカプタン、イソブチルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、アミルメルカプタン、イソアミルメルカプタン、へキシルメルカプタン、ジメチル、ジエチル、ジアリルジスルフィド、アリルメチルスルフィド、メチルエチル、ジイソプロピルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、ジピリジルジスルフィド、ジイソプロピルジスルフィドであってもよい。
いくつかの実施形態において、付臭剤は溶媒との混合物で使用される。溶媒の使用により、カプセルの開口が生じる温度低下及び温度範囲の狭化を達成することができる。
付臭剤溶媒としては、ハイドロフルオロクロロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、フルオロカーボン、アルカン、エーテル、又はこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
高分子材料で出来たカプセルは、端部に丸みのある円筒形を有する。カプセルの直径は1〜10mmであり、長さは5〜50mmであり、高分子シェルの厚さは0.1〜1mmである。カプセルは接着剤又は接着テープで通電部品に固定される。
カプセルの高分子シェルの材料として、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ酢酸ビニル、架橋ゼラチンを使用できる。
本方法の操作を図で説明する。図2は、火災前状態を検知するための本発明の方法を実施するシステムの全体図を概略的に示す。
火災前警報システムは、高分子材料で出来たシェルを有するカプセル9、記録器11を介して信号送達システム12に接続するガスセンサ10からなる。カプセル9は、接着層14によって通電部品13に固定されている。特定の温度を超えて加熱されると、カプセル9は、その中に包含されたガス15を放出し、ガスセンサ10で検出される。
複合材料の加熱によって放出されるガス状物質は、通常条件下で大気中に存在しないことから、かつ比較的低温で(配線及び配線デバイスの材料が熱分解する前に)放出されることからも、本発明は、煙又は炎が出現するよりもかなり前に、潜在的火災危険状況を検知することができる。
このように、本発明は、火災前状態を、既存の類似品よりもはるかに早期に検知することを可能にする。この方法は実施が容易であり、高額な機器又は入ってくるデータを処理する複雑な方法の使用を必要としない。
直径1mmでシェル厚さ0.25mmのポリアミドチューブを、70mmに切断する。
チューブをホルダーに挟持し、高温の空気流により両端を溶融する。次いで、チューブの両端を把持し、中央部分を溶融開始まで加熱し、異なる方向に3mm伸長する。
チューブを中央部分で切断し、真空処理し、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタンを充填する。充填したチューブを冷却し、ホルダーに固定し、薄い端部を金属板で封止する。
得られたカプセルを1時間真空処理し、重量損失で漏洩がないか点検する。空のカプセルは、再溶融に送る。充填したカプセルを80℃に加熱し、次いで再度真空処理する。カプセルが充填状態を維持している場合、本発明の方法に使用される。
カプセルは、実施例1に従って調製するが、得られたチューブを2×3×30mmの大きさの鋳型の中央に置き、エポキシ樹脂を充填した点が異なる。
カプセルは、実施例2と同じ方法で調製するが、チューブに1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンを充填する点が異なる。
カプセルは、実施例2と同じ方法で調製するが、チューブに2%(質量%)ジメチルスルフィドの1,1,1,2,2,4,5,5,5−ノナフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン−3−オン溶液を充填する点が異なる。
カプセルは、実施例2と同じ方法で調製するが、実施例2に従って作製した10本のチューブの束を、20×3×30mmの大きさの鋳型内に置き、ポリエステル樹脂を充填する点が異なる。得られたプレートを、両面スコッチテープに取り付ける。
1つのカプセルを容積1mのキャビネット内で瞬時加熱したときの本発明の応答。
試験手順。実施例1に従って作製したカプセルを、加熱プレートに接着剤で付け、その温度を130〜135℃の範囲に維持した。プレートを、容積1mのキャビネット(キャビネットの高さは2.0mであり、幅は1.0mであり、0.5mであった)の幾何学的中心に配置した。プレートの温度は、複合高分子材料の製品と加熱プレートとの間に固定した熱電対によって制御した。複合高分子材料によって放出された信号ガスの濃度を、キャビネットの上縁の幾何学的中心から1cmの距離に配置した半導体ガスセンサSP−42A−00(FIS Inc.製)で記録した。図3は、ガス濃度(緑色曲線)及び加熱プレートの温度(赤色曲線)の時間依存性を示す。
図3からわかるように、ガスセンサによるシステム応答及び過熱記録は、1分未満で起こる。

Claims (8)

  1. 易沸物質を包含していて開口が生じる温度が80〜200℃の範囲である1個以上のカプセルが、電気回路の加熱されやすい領域に接着剤又は接着テープで固定され、前記易沸物質の含有量を、保護された建物内の大気中で、記録器に接続したガスセンサで測定し、記録器が信号送達システムに接続されていることを特徴とする、火災前状態検知方法。
  2. 前記方法は、複数回応答用に設計されている、請求項1に記載の火災前状態検知方法。
  3. 前記カプセルの材料及び接着剤は、熱硬化性ポリマーである、請求項1又は2に記載の火災前状態検知方法。
  4. 前記カプセル内に包含される軽沸点物質として、含フッ素ハロカーボンが使用される、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の火災前状態検知方法。
  5. 1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(Hladon 365)、1,1,1,2,2,4,5,5,5−ノナフルオロ−4−(トリフルオロメチル)ペンタ−3−オン(Novec 1230)、1,1,1,2,3,3,3 ヘプタフルオロプロパン、オクタフルオロプロパン、六フッ化硫黄、ペンタフルオロエタン、オクタフルオロシクロブタン又はこれらの混合物を前記易沸物質として使用する、請求項4に記載の火災前状態検知方法。
  6. 前記カプセルに包含される前記易沸物質は、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、n−プロピルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン、sec−ブチルメルカプタン、イソブチルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン、アミルメルカプタン、イソアミルメルカプタン、へキシルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、ジアリルジスルフィド、アリルメチルスルフィド、メチルエチルスルフィド、ジイソプロピルスルフィド、ジメチルジスルフィド、ジエチルジスルフィド、ジピリジルジスルフィド、ジイソプロピルジスルフィド又はこれらの溶液からなる群から選択される付臭剤である、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の火災前状態検知方法。
  7. 前記付臭剤溶液の溶媒は、ハイドロフルオロクロロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、フルオロカーボン、アルカン、エーテル又はこれらの任意の混合物を包含する、請求項6に記載の火災前状態検知方法。
  8. 前記カプセルシェル用の材料は、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリ酢酸ビニル、架橋ゼラチン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル又はフッ化ビニリデン若しくはフッ素樹脂のような含フッ素ポリマーである、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の火災前状態検知方法。
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