JP2008224231A - 偏波モード分散測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】実伝送路で伝送されている光信号の群遅延時間差(DGD)を測定することができる偏波モード分散測定装置を提供すること。
【解決手段】偏波モード分散測定装置10は、被測定光である光変調信号を入力し、光変調信号から予め定められた波長の光信号成分を取り出す波長可変光フィルタ11と、波長可変光フィルタ11が取り出した光信号成分のストークス信号を検出するストークス信号検出部20と、ストークス信号に基づいて互いに異なる少なくとも3つの波長の光信号成分のストークスパラメータ(S0、S1、S2、S3)を算出し、その算出した3つの波長の光信号成分のストークスパラメータがポアンカレ球上で描く円弧の回転角に基づいてDGDを算出する信号処理部12とを備える構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】偏波モード分散測定装置10は、被測定光である光変調信号を入力し、光変調信号から予め定められた波長の光信号成分を取り出す波長可変光フィルタ11と、波長可変光フィルタ11が取り出した光信号成分のストークス信号を検出するストークス信号検出部20と、ストークス信号に基づいて互いに異なる少なくとも3つの波長の光信号成分のストークスパラメータ(S0、S1、S2、S3)を算出し、その算出した3つの波長の光信号成分のストークスパラメータがポアンカレ球上で描く円弧の回転角に基づいてDGDを算出する信号処理部12とを備える構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば光ファイバ内を伝播する光信号の群遅延時間差(DGD:Differential Group Delay)を測定する偏波モード分散測定装置に関する。
近年、インターネットの急速な普及による通信需要の増大に伴い、光ファイバ伝送における伝送速度の更なる高速化が求められている。現在は伝送速度が10ギガビット/秒の光伝送システムまでが実現されており、次の世代である40ギガビット/秒の光伝送システムや、更に次の世代として伝送速度が100ギガビット/秒を超える光伝送システムが検討されている。伝送速度が高速化されるに従って、光信号の隣り合うビット時間間隔が狭くなるので、光信号が伝送時に何らかの影響を受けて信号品質が劣化すると光信号の識別ができなくなる。
光信号が伝送される際に受ける影響としては、光ファイバ内を伝播する光信号の直交する2つの偏波モード成分間における伝送速度の違いから生じる偏波モード分散特性(PMD:Polarization Mode Dispersion)が知られている。この偏波モード分散は、光ファイバの断面形状が真円ではなく楕円であることや、光ファイバの屈曲による断面形状の扁平により、2つの偏波モード間において伝送速度差が発生する現象である。偏波モード分散により発生するモード伝播時間の差は群遅延時間差(DGD)と呼ばれ、このDGDにより光信号のパルス形状が変形し、信号品質が劣化する。以下、図5を用いて具体的に説明する。
図5(a)は光ファイバのFast軸及びSlow軸モードの群遅延時間差であるΔτを示しており、図5(b)はパルス波形の劣化の度合いを示している。光信号が光ファイバを伝播すると、図5(a)及び(b)に示すように、Fast軸とSlow軸とにおいて群遅延時間差が発生しΔτの時間だけ伝送波形が変形してしまい、元のパルス幅T0がT1に広がってしまうので信号品質が劣化することとなる。
従来、偏波モード分散測定装置としては、光信号の偏光状態を示すストークスパラメータに基づいて算出したジョーンズ行列を用いるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に示されたものは、被測定対象である光伝送媒質にDGDを測定するための光を出射する波長可変光源と、光伝送媒質のDGDを記述するジョーンズ行列を算出するジョーンズ行列算出演算部と、ジョーンズ行列に基づいて算出された偏波分散ベクトルにより光伝送媒質のDGDを算出する偏波モード分散演算部とを備え、ジョーンズ行列の理論に忠実な測定系を構成することによって、光伝送媒質のDGDを簡易かつ正確に高信頼性の下で測定することができるようになっている。
特開平9−72827号公報
しかしながら、従来のものは、専用の光源を用いてDGDを測定するものであり、実際の通信で用いられている伝送路(以下「実伝送路」という。)で伝送されている光信号のDGDを測定できないという課題があった。
本発明は、従来の課題を解決するためになされたものであり、実伝送路で伝送されている光信号のDGDを測定することができる偏波モード分散測定装置を提供することを目的とする。
本発明は、伝送路を流れる光変調信号を波長可変光フィルタで取り出し、任意の互いに異なる少なくとも3つの波長の信号成分に関してストークスパラメータを求め、この3つのストークスパラメータがポアンカレ球上で描く円弧の回転角を求めることにより光変調信号の群遅延時間差(Δτ)を求めることにより、前述の課題を解決するものである。
すなわち、本発明の偏波モード分散測定装置は、入力された光変調信号から任意の波長の光信号成分を取り出す波長可変光フィルタ(11)と、前記光信号成分のストークスパラメータ(S0、S1、S2、S3)を求めるための信号を検出するストークス信号検出部(20)と、該ストークス信号検出部(20)の出力信号に基づいて互いに異なる少なくとも3つの波長の光信号成分のストークスパラメータを算出し前記光変調信号の直交偏波モード間の群遅延時間差(Δτ)を取得する偏波モード分散取得手段(12)とを備えた構成を有している。
この構成により、本発明の偏波モード分散測定装置は、入力した光変調信号から任意の波長の光信号成分を取り出し、互いに異なる少なくとも3つの波長の光信号成分のストークスパラメータを算出することによって光変調信号の直交偏波モード間の群遅延時間差(Δτ)を取得するので、従来のものとは異なり、専用の光源を用いることなく、実伝送路で伝送されている光信号のDGDを測定することができる。
また、本発明の偏波モード分散測定装置は、前記偏波モード分散取得手段(12)が、前記算出した3つの波長の光信号成分のストークスパラメータがポアンカレ球上で描く円弧の回転角(Δθ)に基づいて前記群遅延時間差(Δτ)を取得する構成を有している。
この構成により、本発明の偏波モード分散測定装置は、互いに異なる少なくとも3つの波長の光信号成分のストークスパラメータによってポアンカレ球上に描く円弧の回転角を確定し、円弧の1周を位相差2πラジアンとすることにより群遅延時間差(Δτ)を取得することができるので、実伝送路で伝送されている光信号のDGDを測定することができる。
さらに、本発明の偏波モード分散測定装置は、前記3つの波長の光信号成分が、前記光変調信号の搬送波信号成分、上側波帯信号成分及び下側波帯信号成分である構成を有している。
この構成により、本発明の偏波モード分散測定装置は、光変調信号の搬送波信号成分、上側波帯信号成分及び下側波帯信号成分を用いて群遅延時間差(Δτ)を取得することができるので、実伝送路で伝送されている光信号のDGDを測定することができる。
さらに、本発明の偏波モード分散測定装置は、前記光信号成分の進行方向と直交する所定の偏光方向を0°としたとき、前記ストークス信号検出部(20)は、前記光信号成分の全光量(S0)と、0°偏光成分と90°偏光成分との光量差(S1)と、45°偏光成分と135°偏光成分との光量差(S2)と、右円偏光成分と左円偏光成分との光量差(S3)とをそれぞれ求めるための少なくとも4つの受光器(24a〜24d)とを備えた構成を有している。
さらに、本発明の偏波モード分散測定装置は、前記光信号成分の進行方向と直交する所定の偏光方向を0°としたとき、前記ストークス信号検出部(20)は、前記光信号成分の0°偏光成分又は90°偏光成分の光量を検出する受光器(24a)と、前記光信号成分の45°偏光成分の光量を検出する受光器(24b)と、前記光信号成分の135°偏光成分の光量を検出する受光器(24c)と、前記光信号成分の右円偏光成分又は左円偏光成分の光量を検出する受光器(24d)とを備えた構成を有している。
この構成により、本発明の偏波モード分散測定装置は、光変調信号の搬送波、上側波帯、下側波帯の各波長帯について求めた3つのストークスパラメータがポアンカレ球上で描く円弧の回転角(Δθ)に基づいて群遅延時間差(Δτ)を求めることができるので、実伝送路で伝送されている光信号のDGDを測定することができる。
本発明は、実伝送路で伝送されている光信号のDGDを測定することができるという効果を有する偏波モード分散測定装置を提供することができるものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
まず、本発明に係る偏波モード分散測定装置の一実施の形態における構成について説明する。なお、本実施の形態における偏波モード分散測定装置は、例えば実伝送路の光信号を分岐するタップから光変調信号を分岐して入力するものである。
図1に示すように、本実施の形態における偏波モード分散測定装置10は、被測定光である光変調信号を入力し、光変調信号から予め定められた波長の光信号成分を取り出す波長可変光フィルタ11と、取り出された光信号成分のストークスパラメータを求めるための信号(以下「ストークス信号」という。)を検出するストークス信号検出部20と、ストークス信号に基づいてストークスパラメータ及びDGDを算出する信号処理部12と、制御信号を出力する制御部13とを備えている。
波長可変光フィルタ11は、制御部13からの制御信号に基づいて、入射された光変調信号から所定波長の光信号成分を取り出すようになっている。例えば図1に示すように、波長可変光フィルタ11は、搬送波信号成分と上下側波帯信号成分とを含む光変調信号から上側波帯信号成分のみを取り出すものである。
本実施の形態におけるストークス信号検出部20は、波長可変光フィルタ11からの光信号成分を4つに分岐する光分岐部21と、分岐された1つ目の光信号成分から垂直方向の偏光を通す偏光子23aと、2つ目の光信号成分から45°方向の偏光を通す偏光子23bと、3つ目の光信号成分から135°方向の偏光を通す偏光子23cと、4つ目の光信号成分を1/4波長板(22)に通した後135°方向の偏光を通す偏光子23dと、光信号を電気信号に変換する受光器(以下「PD」という。)24(24a〜24d)と、電気信号の所定周波数成分を除去するローパスフィルタ(以下「LPF」という。)25(25a〜25d)と、アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器(以下「AD変換器」という。)26(26a〜26d)とを備えている。
なお、図1に示すように、光分岐部21から信号処理部12に至る経路において、偏光子23a〜23dをそれぞれ経由する経路をチャンネル1〜4(CH1〜4)と表し、各経路における信号強度をIch1〜Ich4と表す。
ここで、直線偏光成分の方向は、光分岐部21が出力した光信号成分の進行方向に垂直な面内の0°の方向をx軸と定義した。なお、以下の記載において、0°偏光をx偏光、90°偏光をy偏光ということがある。
したがって、PD24a、PD24b、PD24c及びPD24dは、それぞれ、y偏光(90°偏光)成分(Ich1=I90)、45°偏光成分(Ich2=I45)、135°偏光成分(Ich3=I135)及び左円偏光成分(Ich4=ILCP)の度合いを示す光量に対応した電気信号を出力するものである。
前述の構成により、ストークス信号検出部20は、波長可変光フィルタ11が取り出した光信号成分のストークス信号を検出し、信号処理部12に出力するようになっている。なお、ストークス信号検出部20によるストークス信号の検出は、公知の技術であるので説明を省略する。
信号処理部12は、ストークス信号検出部20が検出した少なくとも3つの測定波長に係るストークス信号に基づいてストークスパラメータ(S0、S1、S2、S3)を算出し、算出したS1、S2、S3を3軸とするポアンカレ球(図2参照)に3次元のストークスベクトルを表現してポアンカレ球上の円弧の回転角を求め、DGDを算出するようになっている。なお、信号処理部12は、本発明の偏波モード分散取得手段に対応している。
制御部13は、波長可変光フィルタ11及び信号処理部12を動作させるための制御信号を出力するようになっている。例えば、制御部13は、波長可変光フィルタ11のフィルタ波長を設定するための制御信号を出力し、波長可変光フィルタ11が透過する光信号成分の波長を決定するものである。
次に、本実施の形態における偏波モード分散測定装置10の動作原理について説明する。
波長可変光フィルタ11が出力した光信号成分の全光量(S0)、x偏光(0°偏光)成分とy偏光(90°偏光)成分との光量差(S1)、45°偏光成分と135°偏光成分との光量差(S2)、右円偏光成分と左円偏光成分との光量差(S3)は、式(1)〜(4)によって求めることができる。以下、4つの受光器24a〜24dが、それぞれ、y偏光成分(Ich1=I90)、45°偏光成分(Ich2=I45)、135°偏光成分(Ich3=I135)、左円偏光成分(Ich4=ILCP)の度合いを示す光量を検出する場合について記載する。
S0:全光量
S0=ICh2+ICh3 ・・・ (1)
S1:x偏光成分とy偏光成分との光量差
S1=S0−2ICh1 ・・・ (2)
S2:45°偏光成分と135°偏光成分との光量差
S2=ICh2−ICh3 ・・・ (3)
S3:右円偏光成分と左円偏光成分との光量差
S3=S0−2ICh4 ・・・ (4)
ここで、I0、I90、IRCP、ILCPは、以下の光強度を示す。
I90:y偏光(90°偏光)成分の光強度
I45:45°偏光子を透過した光強度
I135:135°偏光子を透過した光強度
ILCP:1/4波長板+135°偏光子を透過した光強度
S0=ICh2+ICh3 ・・・ (1)
S1:x偏光成分とy偏光成分との光量差
S1=S0−2ICh1 ・・・ (2)
S2:45°偏光成分と135°偏光成分との光量差
S2=ICh2−ICh3 ・・・ (3)
S3:右円偏光成分と左円偏光成分との光量差
S3=S0−2ICh4 ・・・ (4)
ここで、I0、I90、IRCP、ILCPは、以下の光強度を示す。
I90:y偏光(90°偏光)成分の光強度
I45:45°偏光子を透過した光強度
I135:135°偏光子を透過した光強度
ILCP:1/4波長板+135°偏光子を透過した光強度
また、x偏光成分の光量(|Ex|2)と、y偏光成分の光量(|Ey|2)と、両偏光成分間の位相差(δ=δx−δy)とを有する光をストークスベクトル(S1、S2、S3)で表現すると、S0〜S3を式(5)〜(8)で表すこともできる。なお、Z*は複素数Zの複素共役を示す。
S0:全光量
S0=|Ex|2+|Ey|2 ・・・ (5)
S1:x偏光成分とy偏光成分との光量差
S1=|Ex|2−|Ey|2 ・・・ (6)
S2:45°偏光成分と135°偏光成分との光量差
S2=2Re(Ex・Ey*)=2|Ex||Ey|cosδ ・・・ (7)
S3:右円偏光成分と左円偏光成分との光量差
S3=2Im(Ex・Ey*)=2|Ex||Ey|sinδ ・・・ (8)
S0=|Ex|2+|Ey|2 ・・・ (5)
S1:x偏光成分とy偏光成分との光量差
S1=|Ex|2−|Ey|2 ・・・ (6)
S2:45°偏光成分と135°偏光成分との光量差
S2=2Re(Ex・Ey*)=2|Ex||Ey|cosδ ・・・ (7)
S3:右円偏光成分と左円偏光成分との光量差
S3=2Im(Ex・Ey*)=2|Ex||Ey|sinδ ・・・ (8)
S0〜S3を式(5)〜(8)で表した場合、x偏光成分とy偏光成分との位相差(δ=δx−δy)、すなわちDGDを変化させるとポアンカレ球の偏波光軸(PSP:Principal State of Polarization)を中心とする円が描かれる(図2参照)。DGDの代わりに、波長を変化させても同様の軌跡を描く。
以上のように、被測定物が安定したDGDを有する光部品に対して、波長を変化させた場合にはポアンカレ球上の偏波ベクトルの弧は円を描く。なお、ポアンカレ球の中心部からこの円の中心部までのベクトル(PSP)は、図2に示すように、光部品の偏波主軸を表す。
また、ポアンカレ球上のこの円は、少なくとも3波長以上のストークスベクトルによって特定することができる。しかも、ポアンカレ球上の円弧の1周を位相差2πラジアンとすることにより、DGD(Δτ)が式(9)で表される。
Δτ=Δθ/(2πΔf) ・・・ (9)
=Δθ・λa・λb/{2π・c(λb−λa)}
ここで、各パラメータを以下に示す。
Δθ:円弧の1周を2πとしたときの2波長間の円弧の回転角
Δf:周波数差
c:光速
λa、λb:波長
Δτ=Δθ/(2πΔf) ・・・ (9)
=Δθ・λa・λb/{2π・c(λb−λa)}
ここで、各パラメータを以下に示す。
Δθ:円弧の1周を2πとしたときの2波長間の円弧の回転角
Δf:周波数差
c:光速
λa、λb:波長
したがって、伝送路を流れる光変調信号を波長可変光フィルタ11で取り出し、少なくとも3波長についてストークスベクトルを求め、ストークスベクトルからポアンカレ球上の円弧の回転角を求め、式(9)の演算を行うことで、DGDを求めることができる。
なお、ここまでの説明ではストークスパラメータ(S0〜S3)を求めるために、y偏光成分(I90)、45°偏光成分(I45)、135°偏光成分(I135)、左円偏光成分(ILCP)の度合いを示す光量を検出する場合について記載したが、ストークスパラメータの定義から4つの透過光強度を測定すればストークスパラメータ(S0〜S3)を求めることができる。例えば、1つ目の分岐光は直接受光器で受光して全光量を、2つ目の分岐光は0°の偏光子を通して受光してx偏光成分を、3つ目の分岐光は45°偏光子を通して受光して45°偏光成分を、4つ目の分岐光は1/4波長板を通した後45°の偏光子を通して受光しても、同様にストークスパラメータ(S0〜S3)を求めることができる。
次に、波長可変光フィルタ11によって、伝送路を伝播する光変調信号から測定光信号を取り出す手法について図3を用いて説明する。
図3は、各種変調フォーマットのスペクトルを示している。図3(a)はCS−RZ(Carrier−Suppressed Return−to−Zero)変調フォーマット、図3(b)はRZ−OOK(Return−to−Zero On-Off−Keying)変調フォーマット、図3(c)はNRZ−OOK(Non−Return−to−Zero On-Off Keying)変調フォーマット、図3(d)はNRZ−DPSK(Non−Return−to−Zero Differential Phase Shift Keying)変調フォーマット、図3(e)はRZ−DPSK(Return−to−Zero Differential Phase Shift Keying)変調フォーマットを示している。
まず、変調方式がCS−RZ、RZ−OOK、NRZ−OOK等の強度変調の場合は、搬送波及び上下側波が発生するため、これらの信号成分を波長可変光フィルタ11で取り出すことによってDGDを測定することができる。
次に、変調方式がNRZ−DPSK、RZ−DPSK等の位相変調の場合は、搬送波及び側波帯から任意の波長帯域の光信号成分を波長可変光フィルタ11で取り出すことによってDGDを測定することができる。ここで、波長可変光フィルタ11の波長を変化させながら、波長可変光フィルタ11を透過する透過光の強度を測定し、波長可変光フィルタ11のフィルタ波長をどのように設定すればよいかを予め求めておけばよい。
次に、本実施形態における偏波モード分散測定装置10によるDGDの計算例を示す。
第1の例として、40GbpsのRZ変調における計算例を挙げる。40Gbps(25ps)の10%(2.5ps)であるDGDを搬送波と側波帯の周波数差(40GHz)で測定すると、式(9)より、Δθ=Δτ・2π・Δfであるから、Δτ=2.5ps、Δf=40G(Hz)=4×1010(Hz)を代入すると、以下の結果が得られる。
Δθ=2.5×10−12×2π×4×1010(ラジアン)
=2π/10(ラジアン)
=36(度)
また、上下の両側波帯間の周波数差(80GHz)でDGDを測定した場合には、Δθ=72(度)となる。
Δθ=2.5×10−12×2π×4×1010(ラジアン)
=2π/10(ラジアン)
=36(度)
また、上下の両側波帯間の周波数差(80GHz)でDGDを測定した場合には、Δθ=72(度)となる。
第2の例として、10GbpsのRZ変調における計算例を挙げる。10Gbps(100ps)の10%(10ps)であるDGDを搬送波と側波帯の周波数差(10GHz)で測定すると、上記と同様に式(9)により以下の結果が得られる。
Δθ=10×10−12×2π×1×1010(ラジアン)
=2π/10(ラジアン)
=36(度)
また、上下の両側波帯間の周波数差(20GHz)でDGDを測定した場合には、Δθ=72(度)となる。Δθ=36(度)や72(度)の値は十分に測定可能な値であり、本実施の形態における偏波モード分散測定装置10がDGDを測定可能であることが理解できる。また、高次の側波帯成分を用いることで、より小さなDGDの測定が可能である。
Δθ=10×10−12×2π×1×1010(ラジアン)
=2π/10(ラジアン)
=36(度)
また、上下の両側波帯間の周波数差(20GHz)でDGDを測定した場合には、Δθ=72(度)となる。Δθ=36(度)や72(度)の値は十分に測定可能な値であり、本実施の形態における偏波モード分散測定装置10がDGDを測定可能であることが理解できる。また、高次の側波帯成分を用いることで、より小さなDGDの測定が可能である。
次に、本実施の形態における偏波モード分散測定装置10の動作について図4に示すフローチャートを用いて説明する。
まず、制御部13において、被測定光である光変調信号に対する測定波長を決定する(ステップS11)。ここで、測定波長の決定は、例えば波長可変光フィルタ11の透過波長を任意の波長ステップで可変しながら、全波長をモニタしたスペクトルに基づいて行うのが好ましい。ステップS11においては、少なくとも3つの測定波長を決定する。
次いで、制御部13により、波長可変光フィルタ11を第1の測定波長に設定し(ステップS12)、信号処理部12により、ストークス信号検出部20の出力信号から第1の測定波長のストークスパラメータを求める(ステップS13)。
続いて、制御部13により、波長可変光フィルタ11を第2の測定波長に設定し(ステップS14)、信号処理部12により、ストークス信号検出部20の出力信号から第2の測定波長のストークスパラメータを求める(ステップS15)。
さらに、制御部13により、波長可変光フィルタ11を第3の測定波長に設定し(ステップS16)、信号処理部12により、ストークス信号検出部20の出力信号から第3の測定波長のストークスパラメータを求める(ステップS17)。
引き続き、信号処理部12により、第1〜第3の測定波長のストークスパラメータからポアンカレ球上の円弧の回転角を求める(ステップS18)。
そして、信号処理部12により、式(9)に基づいて測定波長差及び円弧の回転角からDGDを算出する(ステップS19)。ここで、測定波長差は式(9)におけるΔfから算出することができ、円弧の回転角は式(9)におけるΔθに対応する。
以上のように、本実施の形態における偏波モード分散測定装置10によれば、波長可変光フィルタ11は、入射された光変調信号から所定波長の光信号成分を取り出し、ストークス信号検出部20は、波長可変光フィルタ11が取り出した光信号成分のストークス信号を検出し、信号処理部12は、ストークス信号検出部20が検出した少なくとも3つの測定波長に係るストークス信号に基づいてストークスパラメータ(S0、S1、S2、S3)を算出し、算出したS1、S2、S3を3軸とするポアンカレ球に3次元のストークスベクトルを表現してポアンカレ球上の円弧の回転角を求め、DGDを算出する構成としたので、従来のものとは異なり、専用の光源を用いることなく、実伝送路で伝送されている光信号のDGDを測定することができる。
なお、本実施の形態における偏波モード分散測定装置10の信号処理部12に、被測定光のDGDのデータを表示する表示装置を接続することにより、実伝送路で伝送されている光信号のDGDを監視する偏波モード分散モニタとして機能させることができる。
以上のように、本発明に係る偏波モード分散測定装置は、実伝送路で伝送されている光信号のDGDを測定することができるという効果を有し、光ファイバ内を伝播する光信号のDGDを測定する偏波モード分散測定装置等として有用である。
10 偏波モード分散測定装置
11 波長可変光フィルタ
12 信号処理部(偏波モード分散取得手段)
13 制御部
20 ストークス信号検出部
21 光分岐部
22 1/4波長板
23(23a〜23d) 偏光子
24(24a〜24d) PD
25(25a〜25d) LPF
26(26a〜26d) AD変換器
11 波長可変光フィルタ
12 信号処理部(偏波モード分散取得手段)
13 制御部
20 ストークス信号検出部
21 光分岐部
22 1/4波長板
23(23a〜23d) 偏光子
24(24a〜24d) PD
25(25a〜25d) LPF
26(26a〜26d) AD変換器
Claims (5)
- 入力された光変調信号から任意の波長の光信号成分を取り出す波長可変光フィルタ(11)と、前記光信号成分のストークスパラメータ(S0、S1、S2、S3)を求めるための信号を検出するストークス信号検出部(20)と、該ストークス信号検出部(20)の出力信号に基づいて互いに異なる少なくとも3つの波長の光信号成分のストークスパラメータを算出し前記光変調信号の直交偏波モード間の群遅延時間差(Δτ)を取得する偏波モード分散取得手段(12)とを備えたことを特徴とする偏波モード分散測定装置。
- 前記偏波モード分散取得手段(12)は、前記算出した3つの波長の光信号成分のストークスパラメータがポアンカレ球上で描く円弧の回転角(Δθ)に基づいて前記群遅延時間差(Δτ)を取得することを特徴とする請求項1に記載の偏波モード分散測定装置。
- 前記3つの波長の光信号成分は、前記光変調信号の搬送波信号成分、上側波帯信号成分及び下側波帯信号成分であることを特徴とする請求項2に記載の偏波モード分散測定装置。
- 前記光信号成分の進行方向と直交する所定の偏光方向を0°としたとき、前記ストークス信号検出部(20)は、前記光信号成分の全光量(S0)と、0°偏光成分と90°偏光成分との光量差(S1)と、45°偏光成分と135°偏光成分との光量差(S2)と、右円偏光成分と左円偏光成分との光量差(S3)とをそれぞれ求めるための少なくとも4つの受光器(24a〜24d)とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の偏波モード分散測定装置。
- 前記光信号成分の進行方向と直交する所定の偏光方向を0°としたとき、前記ストークス信号検出部(20)は、前記光信号成分の0°偏光成分又は90°偏光成分の光量を検出する受光器(24a)と、前記光信号成分の45°偏光成分の光量を検出する受光器(24b)と、前記光信号成分の135°偏光成分の光量を検出する受光器(24c)と、前記光信号成分の右円偏光成分又は左円偏光成分の光量を検出する受光器(24d)とを備えたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の偏波モード分散測定装置。
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