JP2008222629A - エポキシトリアゾール誘導体またはその塩の製造方法 - Google Patents

エポキシトリアゾール誘導体またはその塩の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】エポキシトリアゾール誘導体の製造方法において、熱に不安定な中間体の分解がなく速やかに濃縮可能であり、次の1,2,4−トリアゾールと反応させるエポキシトリアゾール誘導体の製造方法を提供する。
【解決手段】化合物(II)をトルエン中、塩基の存在下、メタンスルホニル化反応に供して、化合物(III)を含むトルエン溶液を得、当該トルエン溶液にN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を加えた後、加熱下で濃縮し、得られたトルエン−DMF溶液を、塩基の存在下で1,2,4−トリアゾールと反応させる化合物(I)の製造方法。
Figure 2008222629

(式中、Arは1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を示し、Rは水素原子またはC1−3アルキル基を示し、Msはメタンスルホニル基を示す。特に、Arは2,5−ジフルオロフェニル基、Rはメチル基が好ましい。)
【選択図】なし

Description

2−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3−メチル−2−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]オキシランは、例えば、抗菌剤の中間体として有用である。その製造方法としては、3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールをトルエン中、トリエチルアミン存在下でメタンスルホニルクロリドと反応させて、3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−メタンスルホニルオキシブタンを含むトルエン溶液を得、当該トルエン溶液をそのまま減圧濃縮し、得られた残渣にN,N−ジメチルホルムアミドを加えて溶解させた後、1,2,4−トリアゾールのナトリウム塩と反応させる、という方法が知られている〔特許文献1:WO2004/000826号パンフレットの実施例7の欄〕。
WO2004/000826号パンフレット
特許文献1の方法において、3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−メタンスルホニルオキシブタンを含むトルエン溶液の濃縮はより短時間で行われることが特に工業的には好ましい。当該トルエン溶液を速やかに濃縮する方法として、比較的高い温度で濃縮することが考えられるが、その場合、ある温度以上であると、3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−メタンスルホニルオキシブタンが分解するということが判明した。
3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−メタンスルホニルオキシブタンの発熱開始温度(分解開始の指標)を測定した結果、比較的低い(約94℃)ことが判明した。そこで、本発明者らは、当該化合物の発熱開始温度に関して種々検討した結果、N,N−ジメチルホルムアミド中では、3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−メタンスルホニルオキシブタンの発熱開始温度が予想外にも高くなるという知見を得た。この知見に基づいて、当該化合物のトルエン溶液にN,N−ジメチルホルムアミドを添加すれば、トルエン溶液の場合より高い温度で濃縮しても分解がなく速やかにトルエンを留去できることを見出し、発明を完成するに至った。
[1]式(II):
Figure 2008222629
(式中、Arは1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を示し、Rは水素原子またはC1−3アルキル基を示す。)
で表される化合物(以下、化合物(II)ともいう)をトルエン中、塩基の存在下、メタンスルホニル化反応に供して、式(III):
Figure 2008222629
(式中、Msはメタンスルホニル基を示し、他の記号は前記と同義である。)
で表される化合物(以下、化合物(III)ともいう)を含むトルエン溶液を得、当該トルエン溶液にN,N−ジメチルホルムアミドを加えた後、加熱下で濃縮し、得られたN,N−ジメチルホルムアミド溶液を、塩基の存在下で1,2,4−トリアゾールと反応させることを特徴とする、式(I):
Figure 2008222629
(式中、各記号は前記と同義である。)
で表されるエポキシトリアゾール誘導体またはその塩(以下、エポキシトリアゾール誘導体(I)ともいう)の製造方法。
[2]Arが2,5−ジフルオロフェニル基である、上記[1]記載の製造方法。
[3]Rがメチル基である、上記[1]記載の製造方法。
[4]化合物(III)を含むトルエン−N,N−ジメチルホルムアミド混合溶液。
[5]トルエン−N,N−ジメチルホルムアミド混合溶液が、化合物(II)をトルエン中、塩基の存在下、メタンスルホニル化反応に供して得られた化合物(III)を含むトルエン溶液に、N,N−ジメチルホルムアミドを加えてなるものである、上記[4]記載のトルエン−N,N−ジメチルホルムアミド混合溶液。
[6]化合物(III)を含むトルエン溶液に、N,N−ジメチルホルムアミドを加えた後、加熱下で濃縮してなる、化合物(III)を含むN,N−ジメチルホルムアミド溶液。
[7]トルエン溶液が、化合物(II)をトルエン中、塩基の存在下、メタンスルホニル化反応に供して得られたものである、上記[6]記載のN,N−ジメチルホルムアミド溶液。
[8]化合物(III)を含むトルエン溶液に、N,N−ジメチルホルムアミドを加えた後、加熱下で濃縮することを特徴とする、化合物(III)を含むトルエン溶液の濃縮方法。
[9]トルエン溶液が、化合物(II)をトルエン中、塩基の存在下、メタンスルホニル化反応に供して得られたものである、上記[8]記載のトルエン溶液の濃縮方法。
3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−メタンスルホニルオキシブタンに代表される化合物(III)は、N,N−ジメチルホルムアミドの存在により、分解開始温度が高く(発熱開始温度が高く)なるので、化合物(III)を含むトルエン溶液にN,N−ジメチルホルムアミドを加えることにより、トルエン溶液の場合より高い温度で濃縮しても分解がなく速やかにトルエンを留去することができる。
また、N,N−ジメチルホルムアミドは、次工程(1,2,4−トリアゾールとの反応)で使用する溶媒であるため、トルエン留去後のN,N−ジメチルホルムアミド溶液は、そのまま次工程に供することができるという利点がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本明細書で使用している各記号の定義を行う。
「1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基」における「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられ、中でも、フッ素原子が好ましい。
「1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基」の具体例としては、例えば、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基等が挙げられ、中でも、2,4−ジフルオロフェニル基および2,5−ジフルオロフェニル基が好ましく、2,5−ジフルオロフェニル基が特に好ましい。
「C1−3アルキル基」とは、炭素数1ないし3個の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。
本発明におけるエポキシトリアゾール誘導体(I)、化合物(II)および化合物(III)は2個以上の不斉炭素原子を有し、本発明においては、エポキシトリアゾール誘導体(I)、化合物(II)および化合物(III)には、考えられるすべての光学活性体およびその混合物(例えば、ラセミ体、エナンチオマー混合物、ジアステレオマー混合物等)が含まれる。それぞれの好ましい立体配置を有する化合物は、式(Ia)、(IIa)および(IIIa)
Figure 2008222629
(式中、各記号は、前記と同義である。)
で表される化合物である。
エポキシトリアゾール誘導体(I)は、1,2,4−トリアゾール環を有しており、塩の形態であってもよい。エポキシトリアゾール誘導体(I)の塩としては、例えば、鉱酸類(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等)、有機酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸等)等との塩が挙げられる。
本発明のエポキシトリアゾール誘導体(I)の製造方法は、以下の工程にて行われる。
Figure 2008222629
工程1(化合物(III)の製造)
化合物(III)は、トルエン中、塩基の存在下、化合物(II)の水酸基をメタンスルホニル化することにより製造することができる。
化合物(II)の水酸基をメタンスルホニル化する方法としては、例えば、トルエン中、化合物(II)を塩基の存在下、メタンスルホニルクロライドまたはメタンスルホン酸無水物(以下、これらを特に区別しない場合、メタンスルホニルクロライド等ともいう)と反応させる方法が挙げられる。試薬の添加順序は特に限定はなく、例えば、トルエン中に化合物(II)および塩基を仕込んだ後、メタンスルホニルクロライド等を加えても;トルエン中に化合物(II)とメタンスルホニルクロライド等を仕込んだ後、塩基を加えてもよい。
塩基としては、例えば、脂肪族第3級アミン類(例、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン等)、芳香族アミン類(例、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、コリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン等)、アルカリ金属炭酸塩(例、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、塩基性イオン交換樹脂(例、アンバーライトIRA−67、アンバーライトIRA−900等)等が挙げられ、中でも、トリエチルアミンおよび炭酸ナトリウムが好ましく、トリエチルアミンが特に好ましい。
塩基の使用量は、副反応の抑制、反応促進、経済的な理由等から、メタンスルホニルクロライド等1モルに対して、通常0.8モル〜3.0モル、好ましくは1.0モル〜2.0モル、さらに好ましくは1.0モル〜1.5モルである。
メタンスルホニルクロライド等の使用量は、収率向上、副反応の抑制、経済的理由等から、化合物(II)1モルに対して、通常0.8モル〜3.0モル、好ましくは1.0モル〜2.0モル、さらに好ましくは1.0モル〜1.5モルである。
トルエンの使用量は、化合物(II)1kgに対して、通常1L〜50L、好ましくは4L〜30L、さらに好ましくは5L〜25Lである。
反応は、用いる試薬等に依存するが、通常−30℃〜80℃、好ましくは−10℃〜60℃、さらに好ましくは−5℃〜30℃で、通常0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜10時間行う。
反応終了後、反応液に対して通常の後処理を行う。例えば、反応液を水にあけ、分液後、トルエン層を洗浄、乾燥する。次いで、このトルエン溶液にN,N−ジメチルホルムアミドを加えて、30〜70℃、好ましくは50〜65℃の加熱下で濃縮(好ましくは減圧濃縮)を行う。
このときのN,N−ジメチルホルムアミドの使用量は、化合物(II)1kgに対して、通常0.7L〜4.2L、好ましくは0.9L〜2.8L、さらに好ましくは1.3L〜1.5Lである。
化合物(III)、例えば、3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−メタンスルホニルオキシブタンについて、密封セル型示差走査熱量計(SC−DSC)により測定した発熱開始温度(Ta,分解開始の指標)は比較的低い(約94℃、図1参照)ことが判明した。そこで、本発明者らは、当該化合物の発熱開始温度が高くなるように種々検討した結果、N,N−ジメチルホルムアミド中では予想外にも高くなる(約151℃、図2参照)という知見を得た。この知見に基づき、化合物(III)のトルエン溶液にN,N−ジメチルホルムアミドを加えれば、トルエン溶液の場合より高い温度で濃縮しても熱による分解が少なくなる、換言すれば、トルエン溶液の場合より濃縮温度を高くすることができるのであり、よって、安定にかつ速やかに濃縮(トルエンの留去)することができるのである。
濃縮された(トルエンが留去された)化合物(III)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液は、次の工程(1,2,4−トリアゾールとの反応)において、そのまま使用することができる。
原料である化合物(II)は、例えば、特許文献1(WO2004/000826号パンフレット)に記載方法により製造することができる。
工程2(エポキシトリアゾール誘導体(I)の製造)
エポキシトリアゾール誘導体(I)は、例えば、工程1で得られた化合物(III)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液を、塩基の存在下、1,2,4−トリアゾールと反応させることにより製造することができる。
塩基としては、1,2,4−トリアゾールと安定した塩を形成するものであれば、特に限定はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属類;炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム等のアルカリ金属炭酸塩;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等の水素化アルカリ金属類;n−ブチルリチウム、メチルリチウム、n−ヘキシルリチウム等のアルキルアルカリ金属類;ナトリウムアミド、カリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムジシクロヘキシルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等のアルカリ金属アミド類;カリウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド類等が挙げられ、中でも、水素化ナトリウム、炭酸カリウムおよびナトリウムメトキシドが好ましく、特に水素化ナトリウムが好ましい。水素化ナトリウムは流動パラフィン等の鉱油に分散させて滴下してもよい。
塩基の使用量は、経済的理由、副反応の抑制等から、1,2,4−トリアゾール1モルに対して、通常0.3モル〜1.3モル、好ましくは0.5モル〜1.1モル、さらに好ましくは0.8モル〜1.0モルである。
1,2,4−トリアゾールの使用量は、収率、経済的理由等から、化合物(III)1モルに対して、通常0.8モル〜5.0モル、好ましくは1.0モル〜3.0モル、さらに好ましくは1.1モル〜2.0モルである。
1,2,4−トリアゾールは、予め上記塩基により塩とした後、これを化合物(III)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液と反応させてもよい。
この工程では、化合物(III)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液を使用するため、新たに溶媒を使用しなくてもよいが、必要により、N,N−ジメチルホルムアミドまたは他の溶媒を追加してもよい。他の溶媒としては、テトラヒドロフラン(THF)、メチルtert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル(diglyme)、エチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキソラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類;ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(HMPA)、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、アセトン、シクロヘキサノン、3−ペンタノン、ニトロベンゼン、二硫化炭素、アセトニトリル、プロピオニトリル等の非プロトン性極性溶媒;塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、2−クロロトルエン、3−クロロトルエン、4−クロロトルエン、2−クロロ−m−キシレン、2−クロロ−p−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、2,3−ジクロロトルエン、2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、2,6−ジクロロトルエン、3,4−ジクロロトルエン、モノフルオロベンゼン等のハロゲン系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
反応を促進するために、臭化オクタデシルトリメチルアンモニウム、硫酸テトラブチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウム塩、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム等のトリアルキルベンジルアンモニウム塩等のいわゆる相間移動触媒を添加してもよい。
反応は、用いる試薬等に依存するが、通常−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜100℃、さらに好ましくは20℃〜90℃で、通常0.5時間〜24時間、好ましくは1時間〜10時間行う。
得られるエポキシトリアゾール誘導体(I)は、常法によって単離、精製することができる。例えば、反応液を水にあけ、分液後、有機層を洗浄、乾燥、減圧濃縮することによって、エポキシトリアゾール誘導体(I)を単離することができる。単離後、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶に付して精製することもできる。また、エポキシトリアゾール誘導体(I)は、精製することなしに、目的とする医薬品化合物へと誘導する反応に供することもできる。
なお、工程1の原料として光学活性な化合物(II)を用いた場合、その立体配置は工程1および工程2ではそのまま保持される。
このようにして得られたエポキシトリアゾール誘導体(I)は、例えば、特開平4−356471号公報、特開平5−230038号公報等に記載の方法に従って、抗真菌剤として有用なトリアゾール化合物に誘導することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
窒素気流中、(2R,3R)−3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールと(2R,3S)−3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−ブタノールとの混合物(20:1)100重量部およびトルエン430重量部の溶液に、トリエチルアミン56重量部を加え、15℃以下に冷却後、メタンスルホニルクロリド57重量部を滴下して加え、同温度で2時間撹拌して反応させた。その後、水280重量部を加え、水洗後、分液して有機層を得、得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥して、(2R,3R)−3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−メタンスルホニルオキシブタンのトルエン溶液600重量部を得た。このトルエン溶液を上限温度65℃で減圧濃縮し、(2R,3R)−3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−メタンスルホニルオキシブタン(トルエン2%含有)の発熱開始温度を密封セル型示差走査熱量計(SC−DSC、セイコーインスツルメント社製、DSC6200−ASD2、測定条件:金メッキセル、Air雰囲気下での仕込み)により測定したところ、94℃であった。そのチャートを図1に示す。
上記で得たトルエン溶液(減圧濃縮前のトルエン溶液)600重量部にN,N−ジメチルホルムアミド130重量部を加えてトルエン−N,N−ジメチルホルムアミド混合溶液を得た。このトルエン−N,N−ジメチルホルムアミド混合溶液を上限温度65℃で減圧濃縮した溶液(N,N−ジメチルホルムアミド50%含有)について、(2R,3R)−3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−メタンスルホニルオキシブタンの発熱開始温度を密封セル型示差走査熱量計(SC−DSC、セイコーインスツルメント社製、DSC6200−ASD2、測定条件:金メッキセル、Air雰囲気下での仕込み)により測定したところ、151℃であった。そのチャートを図2に示す。
上記減圧濃縮により、(2R,3R)−3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−メタンスルホニルオキシブタンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液270重量部を得た。
1,2,4−トリアゾール45重量部をN,N−ジメチルホルムアミド130重量部に溶解し、水素化ナトリウム25重量部(60%油分散品、水素化ナトリウム純分15重量部)を少量ずつ添加して1,2,4−トリアゾールナトリウム塩溶液を得、得られた溶液を、上記で得たN,N−ジメチルホルムアミド溶液270重量部に60℃にて滴下して加え、同温度で2時間撹拌して反応させた。反応液に塩酸を加えて中和後、7%食塩水に注ぎ、トルエンにて3回抽出し、得られた抽出液を合わせた。この抽出液を希塩酸、10%炭酸水素ナトリウム水溶液および純水により、この順で洗浄後、溶媒を留去し、トルエン43容量部とヘプタン69容量部の混合溶媒から再結晶することにより、(2R,3R)−2−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3−メチル−2−[(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)メチル]オキシラン130重量部を得た。
本発明の製造方法によれば、化合物(III)を含むトルエン溶液にN,N−ジメチルホルムアミドを加えることにより、トルエン溶液の場合より高い温度で濃縮しても分解がなく速やかにトルエンを留去することができる。
3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−メタンスルホニルオキシブタンを密封セル型示差走査熱量計(SC−DSC)で測定した時のチャート図である。 3−(2’,5’−ジフルオロフェニル)−3,4−エポキシ−2−メタンスルホニルオキシブタンのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を密封セル型示差走査熱量計(SC−DSC)で測定した時のチャート図である。

Claims (9)

  1. 式(II):
    Figure 2008222629

    (式中、Arは1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を示し、Rは水素原子またはC1−3アルキル基を示す。)
    で表される化合物をトルエン中、塩基の存在下、メタンスルホニル化反応に供して、式(III):
    Figure 2008222629

    (式中、Msはメタンスルホニル基を示し、他の記号は前記と同義である。)
    で表される化合物を含むトルエン溶液を得、当該トルエン溶液にN,N−ジメチルホルムアミドを加えた後、加熱下で濃縮し、得られたN,N−ジメチルホルムアミド溶液を、塩基の存在下で1,2,4−トリアゾールと反応させることを特徴とする、式(I):
    Figure 2008222629

    (式中、各記号は前記と同義である。)
    で表されるエポキシトリアゾール誘導体またはその塩の製造方法。
  2. Arが2,5−ジフルオロフェニル基である、請求項1記載の製造方法。
  3. Rがメチル基である、請求項1記載の製造方法。
  4. 式(III):
    Figure 2008222629

    (式中、Arは1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を示し、Rは水素原子またはC1−3アルキル基を示し、Msはメタンスルホニル基を示す。)
    で表される化合物を含むトルエン−N,N−ジメチルホルムアミド混合溶液。
  5. トルエン−N,N−ジメチルホルムアミド混合溶液が、式(II):
    Figure 2008222629

    (式中、Arは1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を示し、Rは水素原子またはC1−3アルキル基を示す。)
    で表される化合物をトルエン中、塩基の存在下、メタンスルホニル化反応に供して得られた式(III):
    Figure 2008222629

    (式中、Msはメタンスルホニル基を示し、他の記号は前記と同義である。)
    で表される化合物を含むトルエン溶液に、N,N−ジメチルホルムアミドを加えてなるものである、請求項4記載のトルエン−N,N−ジメチルホルムアミド混合溶液。
  6. 式(III):
    Figure 2008222629

    (式中、Arは1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を示し、Rは水素原子またはC1−3アルキル基を示し、Msはメタンスルホニル基を示す。)
    で表される化合物を含むトルエン溶液に、N,N−ジメチルホルムアミドを加えた後、加熱下で濃縮してなる、式(III)で表される化合物を含むN,N−ジメチルホルムアミド溶液。
  7. トルエン溶液が、式(II):
    Figure 2008222629

    (式中、Arは1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を示し、Rは水素原子またはC1−3アルキル基を示す。)
    で表される化合物をトルエン中、塩基の存在下、メタンスルホニル化反応に供して得られたものである、請求項6記載のN,N−ジメチルホルムアミド溶液。
  8. 式(III):
    Figure 2008222629

    (式中、Arは1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を示し、Rは水素原子またはC1−3アルキル基を示し、Msはメタンスルホニル基を示す。)
    で表される化合物を含むトルエン溶液に、N,N−ジメチルホルムアミドを加えた後、加熱下で濃縮することを特徴とする、式(III)で表される化合物を含むトルエン溶液の濃縮方法。
  9. トルエン溶液が、式(II):
    Figure 2008222629

    (式中、Arは1ないし3個のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基を示し、Rは水素原子またはC1−3アルキル基を示す。)
    で表される化合物をトルエン中、塩基の存在下、メタンスルホニル化反応に供して得られたものである、請求項8記載のトルエン溶液の濃縮方法。
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