以下、本発明の実施の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。
ここでは遊技機として、いわゆるセブン機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(弾球遊技機)を例に取り、その構造について図1〜図3を参照して説明する。
パチンコ機1の前面部は、主として本体枠2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とから構成されている。本体枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図示略)と下板部(図示略)とを有し、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。中枠3の右端中央には施錠装置7が設けられ、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
ここで枠体部は、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の略三角形状の枠飾りLED用レンズ4c,4eに対応して、左側に賞球表示LED(図示略)及び賞球表示LED基板4d(図4参)が、右側にストップ表示LED(図示略)及びストップ表示LED基板4f(図4参照)が配設されている。
また、下板部は、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカー面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図5参照)が配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット(図示略)に対し、上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。
さらに、下板部の下方には、灰皿や玉抜きレバー等を備えた下皿部6が設けられ、下皿部6の略中央には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置ユニット(図示略)を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。
前面枠4は、図1及び図2に示すように、全体がプラスチック製であり、遊技盤10(図3参照)を前方から視認するべく、遊技盤10に形成された遊技領域11(図3参照)の形状に対応して略円周状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板4rが嵌められた略長方形状のガラス枠4s(図2参照)が装着されている。尚、本実施の形態では、ガラス枠4sが、前面枠4に裏面に装着され、このガラス枠4fによって、ガラス板4rの周縁部が保持されている。そして、遊技者を基準とすれば、遊技盤10に形成された遊技領域11は、ガラス板4eの後方に形成されている。尚、前面枠4の前面側にガラス枠4sを装着し、前面枠4の前面側で、ガラス板4rを保持してもよい。また、ガラス板4r以外の透明板(例えば、透明な樹脂板)を、前面枠4に装着された透明板枠で保持することもできる。
また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の約2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bも設けられ、このレンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板4g(図5参照)及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5bには、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。また、上皿部5には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカー面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板12(図5参照)が設けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
次に、本実施形態の遊技盤10の表面構造について図3を参照して説明する。遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって中枠3(図1及び図2参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図4参照)によりその背面側が覆われている。遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、中央装置16と、第一種始動口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
中央装置16は、遊技領域11の略中央部に配置され、センター役物26と、表示装置27と、ランプ装置800、850とを備えている。
センター役物26は、表示装置27の前面周辺部に額縁状に突設して装着されており、上方に配置される上方突出部261と、下方に配置されるステージ262と、左右両側方に配置される側方突出部263,264とを備えている。尚、このセンター役物26には、上方突出部261若しくは側方突出部263,264の球受口(図示を省略)で受け入れた遊技球を、ステージ262上に導くための通路(ワープ通路)が設けられている(図示を省略)。
普通図柄表示装置32は、中央装置16の上部中央に配置されている。普通図柄表示装置32は、1〜9の奇数数字を変動表示させるもので、普通図柄作動ゲート36、37のいずれかを遊技球が通過することにより変動して、所定時間経過後に1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、第一種始動口(普通電動役物)17が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。
普通図柄作動ゲート36、37は中央装置16の左右斜め下方に、それぞれ設けられ、この左右の普通図柄作動ゲート36、37内に左、右普通図柄作動ゲート検知スイッチ36s、37s(図5参照)が配設されている。そして、遊技球の普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置32が変動表示する。
普通図柄保留表示LED32bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器32aの左右両側に近接して配置されている。これは、左右の普通図柄作動ゲート36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器32aの変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED32bは消灯される。
特別図柄保留表示LED16aは、センター役物26の上部であって、普通図柄表示装置32の左右両側に2個ずつに分けて並列状に配置され、4個の赤色LEDで構成されている。これは、第一種始動口(普通電動役物)17に入球した遊技球の数を4個まで保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の特別図柄の変動が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED16aは消灯される。
第一種始動口(普通電動役物)17は、中央装置16の中央位置の下方に離れて配設されている。第一種始動口(普通電動役物)17は、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成され、その前面に飾りを備えて後述する基板34に取り付けられている。内部には、遊技球の通過を検知する第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図5参照)と、翼片部を作動させるための第一種始動口(普通電動役物)ソレノイド17c(図5参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
変動入賞装置18は、上記第一種始動口(普通電動役物)17の下方に配設されており、前面側が略逆台形状に形成された基板34に、大入賞装置31と、左下入賞口21と右下入賞口22とを備えている。ここで、大入賞装置31は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口311と、この大入賞口311を開放・閉鎖する開閉板312と、この開閉板312を開閉するための大入賞口ソレノイド313(図5参照)と、大入賞口311に入賞した後に遊技球が通過する特定領域(V入賞口及び一般入賞口/図示略)と、連動杆(図示略)と、入賞球を検知する入賞球検知スイッチ318(図5参照)と、裏箱(図示略)と、大入賞口中継基板(図示略)とから主に構成されている。
また、左下入賞口21は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の左側に配設されて、内部に左下入賞口通過検知スイッチ21s(図5参照)が設けられている。そして、この左下入賞口21の下方には複数個の左下入賞口LED223〜225が左下入賞口LED基板21f(図5参照)に取り付けられ、飾りレンズによって被覆されている。さらに、右下入賞口22は、第一種始動口(普通電動役物)17の略真横の右側に配設されて、内部に右下入賞口通過検知スイッチ22s(図5参照)が設けられている。
変動入賞装置18の左右斜め上方には、左入賞口19及び右入賞口20がそれぞれ配設されている。そして、その内部にはそれぞれ、左入賞口通過検知スイッチ19s(図5参照)、右入賞口通過検知スイッチ20s(図5参照)が設けられている。さらに、遊技領域11の左右両端部には、一対のサイドランプ38、39がそれぞれ縦円弧状で相対称状に配設されている。なお、多数の釘23は、以上説明した各遊技装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
次に、遊技盤10の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下部にはバック球防止部材58が設けられており、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材59は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム60は、ファール球防止部材59の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の裏面構造について図4を参照して説明する。前面枠4(図1及び図2参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10(図3参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知スイッチ(図示を省略)が、さらに、その下流側には、裏側遊技装置としての賞球払出装置109が配設されている。
続いて、遊技球の振り分け部(図示略)が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、表示装置27(図3参照)を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられ、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図5参照)として、裏側遊技装置としての遊技制御基板54{図6(a)参照}を格納した格納容器としての収納ボックス55が配設されている。収納ボックス55の背面下側には、発射制御部193(図5参照)として発射装置制御基板を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板(図示略)が設けられている。裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット(図示略)が、同じく右下方部には、払出制御部150(図5参照)として、払出制御基板350{図6(b)参照}を格納した格納容器としての払出制御基板ケース118が設けられている。収納ボックス55の右側上方に裏側遊技装置としての中継基板190が装着されている。
中継基板190は、図5にも示すように、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等と主制御部140とを中継するための基板とされている。本実施の形態においては、収納ボックス55、中継基板190及び払出制御基板ケース118は、金属板(図示を省略)に着脱自在に装着され、この金属板は裏機構盤102に対して回動自在に懸架されている。
一方、裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の上側に配設されている。払出制御基板350{図6(b)参照}を格納した払出制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。なお、電源ターミナル基板121には、「RAMクリア信号」を発生させるための図示しないRAMクリアスイッチが接続されている。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電子制御装置130について、図5〜図7を参照して説明する。まず、電子制御装置130は、主制御部140と、信号伝送経路500aにより、その主制御部140に接続された払出制御部(主として賞球の払出制御を行う賞球払出制御部)150、特別図柄制御部160、及び音声ランプ制御部170を含んで構成されている。主制御部140は、遊技制御基板54を備え、主制御部140以外の上記3つの制御部150、160、170はそれぞれ、払出制御基板350、特別図柄制御基板360、音声ランプ制御基板を備えている。
遊技制御基板54は、図6(a)に示すように、CPU401を含む主回路部400と、入出力回路部500とを備えている(図14参照)。そして、この遊技制御基板54は、通常、開閉困難なケース(後述する収納ボックス55)に収納されている。
また、入出力回路部500には、外部端子部145が接続され、この外部端子部145には、パチンコホールの「ホールコンピューター」が接続される。そして、遊技制御基板54は、RAMクリア処理の実行後に、RAMクリア信号をONし、一定時間経過後にOFFするが、このRAMクリア信号をパチンコ機1の外部に出力し、パチンコホールのシステム等に報知できる。このため、不正行為者が判らない間に、パチンコホールの管理者側が不正行為を知ることができる。
図15に示すように、CPU401はCPUコア480を備え、ROM482に格納された制御プログラムにより、RAM481をワークエリアとしてパチンコ機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司る。また、ROM482に記憶された当否判定プログラムにより、CPU401が主体となって当否判断制御を行う(当否判定手段)。
主回路部400は、図14に示すように、CPU401、発振部410、リセット回路部450、I/Oデコード回路部420、データバス安定化部411、及び第1外部入力回路部430を有している。また、CPU401は、図15に示すように、CPUコア480、内蔵RAM481、内蔵ROM482、メモリ制御回路483、クロック発生器484、アドレスデコーダ485、ウオッチドッグタイマ486、カウンタ/タイマ487、パラレル入出力ポート488、リセット/割り込みコントローラ489、外部バスインターフェース490、出力制御回路491を備えている。
図5に戻り、図6(a)に示す入出力回路部500には前記した信号伝送経路500aが接続され、入出力回路部500からその信号伝送経路500aへ、各制御部150、160、170へ処理内容を指示する指令信号たるコマンドデータを送信する。尚、主制御部140から各制御部150、160、170へは、一方向形式若しくは双方向形式でデータが伝送される。また、各制御部140〜170には、電源受電基板415から電源ユニット425、さらには分電基板435を介して電源が供給されており、後述する電源立上げ時のシステムリセット信号が全制御基板に送信される。
中継基板190には、入賞球検知スイッチ318,19s〜22s等が接続され、中継基板190の出力端子は、主制御部140の入出力回路部500と接続されている。また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、普通図柄表示装置基板32f、各種ソレノイド17c,313、右普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ37s、左普通図柄作動ゲート通過検知スイッチ36sが主制御部140の入出力回路部500に接続されている。
払出用端子基板191には、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ192、タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知スイッチ108等が接続され、払出用端子基板191の出力端子は、図6(b)に示す払出制御部150の入出力回路部700と接続されている。
払出制御部150は、図6(b)に示すように、主制御部140と同様の主回路部600及び入出力回路部700を含んで構成され、入出力回路部700において図5に示す信号伝送経路500aに接続されている。また、入出力回路部700には、賞球払出装置109、発射装置制御部193等が接続されている。
特別図柄制御部160は、図7に示すように、演算回路構成要素として、CPU161と、RAM162と、ROM163と、入出力ポート164と、駆動回路167とを含み、それら演算回路構成要素はバス165により相互に接続して構成され、入出力ポート164において信号伝送経路500aに接続されている。入出力ポート164には、表示装置27が接続され、CPU161はROM163に格納された制御プログラムにより、RAM162をワークエリアとして中央装置16の作動制御を行なっている。
さらに、枠飾りランプ基板4g等の各種ランプやサウンドジェネレーター188は、特別図柄制御部160の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様(後述する)、特別遊技態様、及び遊技モード(確率変動、時短など)等に応じてその態様は制御される。その制御指令の指令信号は、音声ランプ制御部170を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信される。
なお、上述した特別図柄制御部160、及び音声ランプ制御部170は、主制御部140や払出制御部150と同様の回路部から構成されるものとすることもできる。すなわち、主回路部と入出力回路部とから構成されるものとし、内部にROM、RAMが内蔵されたCPUを用いることもできる。
次に、賞球動作は、以下の順序で実行される。
主制御部140は、遊技球が入賞球検知スイッチ318を通過したら15個の賞球個数データを、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sを通過したら6個の賞球個数データを、それ以外の場合、例えば、左右下入賞口21、22の通過検知スイッチ21s、22sの通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データを、払出制御部150に対してその検知順に、払出制御部150を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信する。(すなわち、固有賞球数はここでは、6個、10個あるいは15個である。)払出制御部150は、主制御部140からの賞球個数データを受け取り、賞球払出信号の送信により賞球払出装置109を作動させる。
また、主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを読み込む。例えば、主制御部140は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、入賞球検知スイッチ318等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び特別遊技状態なども判断する。また、始動入賞が検知されると後述する乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動(リーチ表示態様を含む)、または確定などの表示態様制御のためのデータが読み込まれる。このデータは、特別図柄制御部160を作動指令対象とする指令信号として、前記した信号伝送経路500aを介して送信される。
次に、主制御部140により実行されるメインジョブについて図8等を参照して説明する。これは、主制御部140のROM482(図15参照)に格納されたプログラムに基づき、CPU401により実行されるジョブの一例である。先ず、スタックポインタをRAM481(図15参照)の所定のアドレスに設定した後(S10)、RAMクリアスイッチが操作(押下)されているか否かを判断し(S12)、操作されていればRAM481の初期化処理が行われ(S800)、操作されていなければ、バックアップフラグが設定されているか否かが判断される(S15)。そして、バックアップフラグが設定されていれば(S15:YES)、図10の「電源断に対する復電処理」が行われる。
尚、本実施の形態では、停電等によって電源断が発生したときに、図10に示すように、使用レジスタをRAM481に退避し(S630)、スタックポインタの値をRAM481に保存する(S632)。そして、大入賞口ソレノイド、第1種始動口ソレノイドをOFFにし(S634)、賞球センサのポーリング処理時間(例えば、約85m秒)を設定し(S636)、賞球計数前センサ及び賞球計数後センサで遊技球の通過を監視する(S638)。次いで、ポーリング処理時間が経過すると(S640)、使用しているRAM481のチェックサム(チェックサム、バックアップフラグ、スタック領域は除く)を作成し(S642)、保存し、バックアップフラグをRAM481に設定する(S646)。そして、RAM481のアクセスを禁止し(S648)、無限ループ処理にて電源ダウンに備える。なお、上記無制限ループ処理に替えてHALT処理やSTOP処理を実行することも可能である。
図10の「復帰処理」においては、チェックサムの算出(S664)を実行し、電源断時に保存していたチェックサムの値を比較し、一致しなければ、RAM481の初期化処理を行う(S800)。一致すれば、電源断前のスタックポインタを復帰し(S668)、バックアップフラグをクリアし(S670)、サブ基板を電源断前の状態に復帰させるためのコマンドを送信する(S672)。そして、各レジスタを電源断前の状態に復帰し(S674)、割込みの許可/不許可を電源断前の状態に復帰等し(S676,S678)、電源断前の番地に戻る(S680)。本実施の形態では、パチンコ機1に対し、電源断対策用のバックアップ電源を付加しているため、パチンコホールの停電時等においても、停電前に生じていた「遊技者にとって有利な情報」を保存できる。
図8に戻り、バックアップフラグが設定されていなければ(S15:NO)、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行される。また、初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブ(S190)が実行され、再び、初期化終了の判定が行われる(S20)。尚、パチンコ機1が出荷状態から最初の電源投入時であったり、RAMクリアスイッチが操作(押下)されていたり、バックアップフラグに異常があったり、チェックサムが一致しなかった場合には、RAM481の初期化処理が行われる。
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データや、特別図柄未始動回数の表示態様データなどが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、後述するRAM481の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウントメモリなどが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、初期値カウンタ、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。なお、汎用カウントメモリ(図示略)は、例えば割り込みごとの「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。
また、音声ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの読み込みが行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、左右入賞口通過検知信号などの各種信号が中継基板190を介して主制御部140に、発射停止検知信号、タッチ検知信号、ヴォリューム検知信号などの各種信号が払出用端子基板191を介して枠制御部150にそれぞれ取り込まれ、また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sから第一種始動口入賞検知信号、大入賞装置31から入賞球検知信号、及び普通図柄作動ゲート通過検知信号が主制御部140に取り込まれる。
さらに、カウント検知スイッチ、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ等のスイッチ318(図5参照)に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)、特別図柄メインジョブ(S90)から音声ジョブ(S110)までのジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
特別図柄メインジョブ(S90)においては、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調して動作するために必要なデータに関するジョブが実行される。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データの読み込みが行われる。
この後、各フラグ状態がバックアップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び残余時間ジョブ(S180)が実行される。賞球信号ジョブ(S150)においては、賞球払出しに関するデータの読み込みや出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの読み込みが行われる。さらに、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理等のためのコマンドの出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼出しが行われる。尚、残余時間ジョブ(S180)においても、初期値乱数の更新が行われる。
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、始動入賞(第一種始動口(普通電動役物)17への入賞)時の当否判定ジョブに関して図11を参照して説明する。なお、これらのジョブで使用する各種メモリ等は、図5に示す主制御部140のRAM481(図15参照)に格納され、代表的なもの(481a〜481n、481v、481w)を図12に示す。
まず、S200において始動入賞があったか否かを確認し、Noであれば、S203に進み、特別図柄保留数メモリ481b(図12参照)に記憶されている保留数(未始動回数)の有無を判定する。保留数が無し(すなわちゼロ)であれば本処理を終了し、保留があればS250に進む。始動入賞があった場合(S200:Yes)には、S206に進み、保留数が4以上であるか否かを判定する。保留数が4以上であればS250に進み、保留数が4未満であればS210に進む。S210では保留数を1インクリメントする。そしてS220において、特別図柄当否判定乱数(以下、当否用乱数、又は判定乱数ともいう)および当り図柄乱数を発生させ(プログラムを発生させても、所定の乱数発生回路を用いてもいずれでもよい(当否用乱数発生手段)}、S230において、これら当否判定乱数および当り図柄乱数を読み込む。こうして読み込んだ乱数値を、S240において、それぞれ特別図柄当否判定乱数メモリ481a(図12参照:以下、判定乱数メモリともいう)、大当り図柄決定乱数メモリ481dに記憶する。このメモリは、読み込んだ判定乱数値を始動入賞の時系列にシフトメモリ形式で記憶している。なお、この乱数値は、特別図柄制御部160にも送信される。
次に、S250において、判定乱数メモリ481a(図12参照)から記憶している最も古い先頭の判定乱数値及び大当り図柄決定乱数メモリ481dから当り図柄乱数を読み出すと共に判定乱数メモリ481aおよび大当り図柄決定乱数メモリ481dをシフトする。そして、S260において、大当り番号メモリ(内蔵ROM482内にある)から大当り番号(当り用判定値)を読み出し、S270において、上記判定乱数値との比較を行い、両者が一致していれば大当り判定となり、一致していなければ外れ判定となる。大当り判定の場合には、S280に進んで当り図柄乱数を読み込み、大当り図柄決定乱数メモリ481dに記憶する。そしてS290にてリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶する。なお、この乱数値は、特別図柄制御部160にも送信される。そしてS300において、「大当り」という判定結果(本実施の形態では「1」)を判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶する。
一方、外れ判定となった場合は、S270からS310に進み、外れリーチジョブを行うかどうかを乱数により決定する。すなわち、S310において、リーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込み、他方、S320において、リーチ番号メモリ481i(図12参照)に記憶されているリーチ番号を読み出す。S330において、両者が一致していれば外れリーチジョブに、一致していなければ通常外れジョブとなる。なお、こうして読み出されたリーチ番号は、特別図柄制御部160にも送信される。
外れリーチジョブの場合は、S380へ進み、「外れリーチ」という判定結果(本実施の形態では「2」)を判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶する。一方、通常外れジョブの場合は、S450に進み、S450において、「通常外れ」という判定結果(本実施の形態では「3」)を判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶する。
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で特別図柄制御部160にて実行される、特別図柄メインジョブの概略の流れを図13を参照して説明する。まず、S500において、第一種始動口(普通電動役物)17への遊技球の入賞に基づき、表示装置27(図3参照)上で各特別図柄の変動表示を開始させる。
次いで、S510において、判定結果メモリ481j(図12参照)から図12に示す当否判定ジョブで得られた各入賞に対する判定結果を読み出す。具体的には、大当り判定(「1」)の場合は(S520:YES)、S530に進み、当り図柄を選択する。具体的には、大当り図柄決定乱数(識別情報決定用乱数)を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値を大当り図柄決定乱数メモリ481d(図12参照)に記憶する。なお、大当り図柄決定乱数の読み込みは、始動入賞時に当否用乱数と同時に読み込まれているが、当り判定決定と同時に、あるいは当り判定決定後所定の時間後に読み込むものとしてもよい。
この大当り図柄決定乱数値で指定される特別図柄は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されている特別図柄画像データに基づいて、表示装置27(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められた配列態様で表示される(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)。なお、上記特別図柄画像データを大当り図柄決定乱数値と対応付けて識別情報決定用値として主制御部140のRAM481(図15参照)に記憶しておき、読み込んだ大当り図柄決定乱数値と識別情報決定用値とを比較することで停止表示する図柄を決定するものとしてもよい。
そして、S540にて当り変動パターンを選択する。これは大当り図柄決定乱数と同時にリーチ態様決定乱数を発生させ、これを読み込んでその決定乱数値をリーチ態様決定乱数メモリ481k(図12参照)に記憶することにより行なう。リーチ態様決定乱数値で指定されるリーチ表示態様は、特別図柄制御部160のROM163(図7参照)に格納されたリーチ表示態様画像データに基づいて、表示装置27(図3参照)に、変動表示状態を経た後、定められたリーチ態様で表示される。なお、この場合も、上記リーチ表示態様画像データをリーチ態様決定乱数値と対応付けてリーチ態様決定用値として、主制御部140のRAM481(図15参照)のリーチ態様決定用値メモリ481l(図12参照)に記憶しておき、読み込んだリーチ態様決定乱数値とリーチ態様決定用値とを比較することで表示するリーチ態様を決定するものとしてもよい。そして例えば左図柄及び右図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示態様を経た後に、中図柄を左図柄及び右図柄と同一図柄に揃えて停止表示させ確定させ、本処理を終了する。
一方、外れの場合は(S520:NO)、S550に進み、外れ変動パターンを選択し、S560にて外れ図柄を選択して所定のリーチ表示態様を経た後に、図柄を停止表示させ確定させ、本処理を終了する。
従来は、停止させる識別情報を決定し、その決定された識別情報に応じて変動パターンを決定していたため、決定され得る識別情報の配列数に応じて、変動パターンを決定する処理が複雑化していた。この点、パチンコ機1によると、変動パターンを先に選択するので、変動パターンの選択過程を簡略にすることができる。
大当り判定により、表示装置27(図3参照)には所定の配列態様で特別図柄が確定表示されると(例えば、「7、7、7」の3桁同一図柄の配列態様)、その後、特別遊技が実行される(特別遊技状態もしくは大当り遊技状態)。特別遊技状態においては、まず、大入賞装置31(図3参照)の開閉板312が開放状態となり、大入賞口311への遊技球の入賞が遊技者にとって優位な遊技球受入状態となる。
この特別遊技状態においては、大入賞装置31は、終了条件が成立するまで遊技球受入状態が継続される。例えば、開放状態が所定時間t1(例えば30秒)経過したとき、もしくは入賞球検知スイッチ318(図5参照)に所定数n1(例えば10個)の入賞が検知されたときに終了条件が成立し、遊技球受入状態が一旦終了して、開閉板312が閉鎖状態となって1ラウンドが終了する。この開閉板312が閉鎖されて所定時間t2(例えば0.5秒)が経過した後に、所定の継続条件(図示しない特定領域への通過)が成立していれば、再び開閉板312が開放状態となり大入賞装置31が遊技球受入状態となる。なお、このような終了条件までを1ラウンドとする遊技球受入状態は、所定の最高継続ラウンド数(本実施の形態では16ラウンド)まで繰り返し継続される。また、終了条件成立時に継続条件が不成立の場合は、特別遊技状態がそのラウンドで終了(いわゆるパンク)するものとなっている。
なお、パチンコ機1においては、当り判定により中央装置16の表示装置27(図3参照)に停止表示された特別図柄の種類に基づき、上記特別遊技状態の終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)を変更(向上)させる確率変動手段が備えられている。具体的には、予め記憶されている上記大当り図柄決定乱数値が、確率変動用乱数値と非確率変動用乱数値とから構成され、各乱数値の取得に応じて確率変動用図柄又は非確率変動用図柄が停止表示される。その停止表示された図柄が確率変動用図柄の場合、上記特別遊技状態終了後、次の大当りまで当否判定の確率(大当り確率)が通常の約4〜5倍に向上するものとされている。
ここで、図13のS550で行なわれる外れ変動パターン選択処理について図16に示す。判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶された判定結果がリーチを経ない外れの場合は(S700:NO)、S705に進み、確率変動中か否かを判定する。確率変動中の場合はS710に進み、入賞から5秒経過したか否かを判定する。経過している場合はS715に進み、高確率時における保留数に応じたデータテーブルを選択し、更にS730に進んでそのデータテーブルより変動パターン選択用の乱数を使用して変動パターンを決定する。一方、入賞から5秒経過していない場合(S710:NO)は、S720に進み、高確率時における5秒経過していない場合のデータテーブルを選択してS730に進む。
S705で確率変動していないと判定された場合はS740に進み、入賞から5秒経過したか否かを判定する。経過している場合はS745に進み、低確率時における保留数に応じたデータテーブルを選択し、S730に進む。一方、入賞から5秒経過していない場合(S740:NO)は、S750に進み、低確率時における5秒経過していない場合のデータテーブルを選択してS730に進む。
判定結果メモリ481j(図12参照)に記憶された判定結果が、外れリーチ判定(「2」)の場合は(S700:YES)、S760に進み、確率変動中か否かを判定する。確率変動中の場合はS765に進み、高確率時の変動用のデータテーブルを選択してS730に進む。一方、確率変動していない場合(S760:NO)はS770に進み、低確率時の変動用のデータテーブルを選択してS730に進む。
S770で選択されるデータテーブルの内容を図17に示す。まず、リーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が100未満か否かを判定し(S810)、100未満でなければS815に進んで前記乱数値が255未満か否かを判定する。255以上であれば、本処理を終了する。なお、前記乱数値が255以上になることは通常はあり得ないので、S815の判定は不測の事態に備えたエラー処理の一種となっている。
一方、乱数値が255未満の場合(S815:Yes)はS820に進み、前記乱数値が164未満か否かを判定する。164未満であれば、S825に進んで変動パターン7を選択し、本処理を終了する。ここで変動パターンとはいわゆるリーチアクションのことであり、パチンコ機1では15通りの変動パターンを備えている。これについて[表1]に示す。
[表1]に示すように変動パターン1〜4はリーチではない外れで行なわれる態様、変動パターン5〜15はリーチ状態で行なわれる態様となっている。なお、変動パターン11および12は変動を開始する前にランプ装置800が発光するものとなっており、変動パターン13および15は変動を開始する前にスピーカー面5aから所定のサウンドが発生されるものとなっている。そしてこれら変動パターン11、12、13、15を含む幾つかの変動パターンは大当りとなる際にも行なわれる。なお、ランプ装置800の発光、およびスピーカー面5aから所定のサウンドはリーチ予告として機能している。
前記乱数値が164以上であれば(S820:No)、S830に進み、前記乱数値が228未満か否かを判定する。228未満であれば、S835に進んで変動パターン8を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が228以上であれば(S830:No)、S840に進み、前記乱数値が237未満か否かを判定する。237未満であれば、S845に進んで変動パターン9を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が237以上であれば(S840:No)、S850に進んで変動パターン12を選択し、本処理を終了する。
S810でYes、すなわち前記乱数値が100未満と判定された場合には、S860に進み、前記乱数値が50未満か否かを判定する。50未満であれば、S865に進んで変動パターン6を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が50以上であれば、S870に進んで変動パターン5を選択し、本処理を終了する。低確率時に外れリーチが発生した場合の変動用の変動パターンが、以上のようにして選択される。前記乱数値と変動パターンの関係は[表2]のようになる。
つまり前述した15種類の変動パターン中の6種類の中から選択している。このように6種類の変動パターンから選択する場合、S820〜S850のようにして全ての変動パターンを決めると、前記乱数値が最も大きい場合に選択される変動パターン(ここでは変動パターン12)は、5回も比較判定を受ける必要がある。これに対し、図17の処理のように前記乱数値が100未満であるか否かを判定することにより2分することにより、変動パターン12でも4回(S815は含まない)の比較判定で選択される。なお、図17の処理において、S820〜S850を更に2分、すなわちS815でYesと判定した後に前記乱数値が228未満か否かを判定し、228未満であった場合には更にその乱数値が164未満か否かを判定してパターンを選択するようにし、一方、前記乱数値が228以上であった場合には更にその乱数値が237未満か否かを判定してパターンを選択するようにすれば、比較判定の回数を最高でも3回に減らすことができる。また、6個の変動パターンを3つずつ2分し、S810の比較判定を100未満か否かではなく、164未満か否かにしても比較判定の回数を最高3回に減らすことができる。
また、リーチ状態となっている図柄(つまり左図柄、右図柄)から1つ手前の図柄で中図柄が停止する変動パターン8([表1]参照)や同じく2つ手前の図柄で中図柄が停止する変動パターン7([表1]参照)が発現する確率が、他の変動パターンよりも高くされているため、遊技者に「おしい」と感じさせる変動パターンがより多く発生され、遊技興趣を高めることができる。
なお、S765で選択されるデータテーブル、すなわち確率変動中に表示される外れリーチの内容は、[表3]のようになっている。
このように確率変動中に表示される外れリーチの変動パターンは、[表2]に示したものよりも多いものの、図17と略同様、まず乱数値を大きく2分したのち、更に対応する閾値と比較することにより変動パターンが選択されていく。
S745で選択されるデータテーブルの内容を図18,19に示す。まず、保留数が3個以上の場合の外れ表示低確率保留選択の処理を図18に示す(本図では便宜上保留3と表示)。本処理ではまずリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が12未満か否かを判定する(S900)。12未満であれば、S905に進んで変動パターン2を選択し、本処理を終了する。ここで変動パターンとは図柄の変動時間が互いに異なるようにされた変動態様のことであり、パチンコ機1では4通りの変動パターンを備えており、変動時間が長い順に変動パターン1、変動パターン2、変動パターン3、変動パターン4となっている。前記乱数値が12以上であれば(S900:No)、S910に進み、前記乱数値が25未満か否かを判定する。25未満であれば、S915に進んで変動パターン3を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が25以上であれば(S910:No)、S920に進み、変動パターン4を選択し、本処理を終了する。つまり保留数が3個以上の場合は、変動パターン1は選択されず、選択される確率が高い順に変動パターン4、変動パターン3、変動パターン2となっている。
次に、保留数が0個の場合の外れ表示低確率保留選択の処理を図19に示す。本処理ではまずリーチ態様決定乱数メモリ481kに記憶された乱数値が192未満か否かを判定する(S950)。192未満であれば、S955に進んで変動パターン1を選択し、本処理を終了する。変動パターンの意味は図18と同じである。前記乱数値が192以上であれば(S950:No)、S960に進み、前記乱数値が230未満か否かを判定する。230未満であれば、S965に進んで変動パターン2を選択し、本処理を終了する。前記乱数値が230以上であれば(S960:No)、S970に進み、変動パターン3を選択し、本処理を終了する。つまり保留数が0の場合は、変動パターン4は選択されず、選択される確率が高い順に変動パターン1、変動パターン2、変動パターン3となっている。
なお、同様の処理が保留数1、保留数2の場合に対応して存在する。各保留数と乱数値に応じて各変動パターンが選択される割合を[表4]に示す。
変動時間の単位は秒である。この表から分かるように、パチンコ機1では、保留数ごとに3種類〜4種類の変動時間(単位は秒)の異なる変動パターンを選択するようにされている。各保留数に対する変動時間の平均値(選択のされ易さの重みを付けたもの)は、保留数0のときが11.1秒、保留数1のときが10.4秒、保留数2のときが 6.5秒、保留数3以上のときが 5.3秒となっている。これにより、変動時間が画一的(例えば、保留数が0なら変動パターン1に固定、保留数が1なら変動パターン2に固定)ではなくなり、遊技者の興趣を引き付けることができる。
なお、以上、図17〜図19のように外れの場合の変動パターンが選択されると、どの変動パターンが何回選択されたかが特別図柄制御部160のRAM162に記憶されて行く。また、変動パターンの選択は、当りの場合にも行なわれる(S540)が、この場合に選択された変動パターンもそれが選択された回数と共に特別図柄制御部160のRAM162に記憶されて行く。更に、大当りになると、その回数が、その直前に行なわれた変動パターン毎に特別図柄制御部160のRAM162に記憶されて行く。これにより、RAM162には、ある変動パターンが何回選択され、その内の何回が大当りに至ったかが記憶されていく。後者に対する前者の割合が信頼度となる。なお、リーチ予告の信頼度も算出可能である。例えば、ランプ装置800の発光の信頼度を算出するには、変動パターン11が選択された回数と、変動パターン12が選択された回数を加える(この値をAとする)、これらが表示された直後に大当りに至った回数をそれぞれ加え、この値をAで割れば良い。同様に、スピーカー面5aから所定のサウンドがは製された際の信頼度も算出することができる。
RAM162の記憶内容に基づき、特別図柄制御部160のCPU161が、変動パターンやリーチ予告の信頼度を算出し、表示装置27に表示する。この様子の1例を図20に示す。表示装置27は液晶表示装置であり、その下部2割ほどの領域61に、信頼度が表示される(以下、信頼度表示領域61という)。本図で「ランプ」とあるのが、ランプ装置800の発光のことであり、その信頼度が33%であることが本図から読み取れる。そして「サウンド」とあるのが、スピーカー面5aからのサウンドの発生のことであり、その信頼度は本図によれば17%である。この33%、17%がCPU161による算出結果である。
本図の信頼度表示領域61には予告リーチのみが表示されているが、この表示は右から左へとスクロールされていき、「変動パターン1 5%、変動パターン2 2%、…」などと変動パターンの信頼度も表示されて行く。そして変動パターン15の信頼度まで表示されると、再びランプの信頼度が表示される。この時、表示されるランプの信頼度は、前回、ランプの信頼度が表示されて以降、ランプ装置800が発光が再びされていると、更新される。この数字は、パチンコ機1の設計上の数値(理論値ともいう)ではなく、実際にパチンコ機1において行なわれたデータに基づいているため、遊技者の興味をより強く引き付けることができる。そしてこの信頼度の表示は、遊技機に電源が投入されている間、常に表示されているので、遊技中か否かに関わらずパチンコ機1を選択する際の判断材料とすることができる。表示装置27の信頼度表示領域61以外の領域には、特別図柄62a、62a、62cが表示される。
このようにリーチ予告や変動パターンの信頼度を設定するための処理は図21(a)のようにして行なっても良い。図21(a)に円C1 で示されているのが特別図柄当否判定乱数である。特別図柄当否判定乱数は、0〜299の自然数をこの順序で、3msec周期で更新して行くものとなっている。従って0から始まった特別図柄当否判定乱数が再び0に戻るには、0.9sec掛かる。一方、3つの弧C2 で示されているのが、ある変動パターンを発生させるか否かを抽選するための乱数カウンタである。この乱数カウンタC2 は、0〜99の自然数をこの順序で、3msec周期で更新して行くものとなっている。なお、更新のタイミングは特別図柄当否判定乱数と同期している。従って0から始まった乱数カウンタが再び0に戻るには、0.3sec掛かる。
この結果、特別図柄当否判定乱数C1 が本図で1周する間に、乱数カウンタC2 は3周する(本図では便宜上、乱数カウンタC2 を3つ描いているが、これら3者は全く同じものである。従って「3周」と表現した)。パチンコ機1において大当り番号は270となっており、始動入賞に伴って抽出された特別図柄当否判定乱数C1 の値が270であったときに大当りとなる。一方、乱数カウンタC2 によって発生されるか否かが決定される変動パターンは、始動入賞に伴って抽出された乱数カウンタC2 の値が70であったときに発生される。この70という値は、特別図柄当否判定乱数C1 の値が270であった時に乱数カウンタC2 によって発生される値である。
乱数カウンタC2 が1周するのに掛かる時間は0.3secで、特別図柄当否判定乱数C1 が1周するのに掛かる時間は0.9secの1/3であったから、特別図柄当否判定乱数C1 が1周する間に、乱数カウンタC2 は3回70になる。つまり、始動入賞に伴って抽出された乱数カウンタC2 の値が70であった場合が3回あっても、平均するとその内の2回は、特別図柄当否判定乱数C1 の値が270ではない可能性がある。つまり、この変動パターンの信頼度は1/3とうことになる。乱数カウンタC2 が1周するのに掛かる時間を0.225secにしたり0.15secにしたりすることにより、その変動パターンの信頼度を1/4や1/6にすることができる。ここで、特別図柄当否判定乱数C1 が本発明の第1の乱数発生手段に相当し、乱数カウンタC2 が本発明の第2の乱数発生手段に相当する。また、N=100,M=3,P=270となっている。
また、信頼度を設定するのを図21(b)のようにして行なっても良い。図21(b)に円C3 で示されているのが特別図柄当否判定乱数であり、図21(a)の特別図柄当否判定乱数C1 と同様、0〜299の自然数をこの順序で、3msec周期で更新して行くものとなっている。一方、3つの弧C4 で示されているのが、ある変動パターンを発生させるか否かを抽選するための乱数カウンタである。この乱数カウンタC4 は、0〜299の自然数をこの順序で、1msec周期で更新して行くものとなっている。従って0から始まった乱数カウンタが再び0に戻るには、0.3sec掛かる。なお、特別図柄当否判定乱数C3 が更新されるタイミングでは必ず乱数カウンタC4 も更新されるように調整されている。
この結果、特別図柄当否判定乱数C3 が本図で1周する間に、乱数カウンタC4 は3周する。パチンコ機1において大当り番号は270となっており、始動入賞に伴って抽出された特別図柄当否判定乱数C3 の値が270であったときに大当りとなる。一方、乱数カウンタC4 によって発生されるか否かが決定される変動パターンは、始動入賞に伴って抽出された乱数カウンタC4 の値が270であったときに発生される。この270という値は、特別図柄当否判定乱数C3 の値が270であった時に乱数カウンタC4 によって発生される値である。
乱数カウンタC4 が1周するのに掛かる時間は0.3secで、特別図柄当否判定乱数C3 が1周するのに掛かる時間は0.9secの1/3であったから、特別図柄当否判定乱数C3 が1周する間に、乱数カウンタC4 は3回270になる。つまり、始動入賞に伴って抽出された乱数カウンタC4 の値が270であった場合が3回あっても、平均するとその内の2回は、特別図柄当否判定乱数C3 の値が270ではない可能性がある。つまり、この変動パターンの信頼度は1/3となる。乱数カウンタC4 の更新周期を0.5msecにしたり0.25msecにしたりすることにより、その変動パターンの信頼度を1/6や1/12にすることができる。ここで、特別図柄当否判定乱数C3 が本発明の第3の乱数発生手段に相当し、乱数カウンタC4 が本発明の第4の乱数発生手段に相当する。また、T=3msec、Q=300,R=270,S=3となっている。
ここで本実施の形態の構成と本発明の構成要件との対応関係を示す。主制御部140が本発明の主制御部に相当し、表示装置27が本発明の可変表示装置および信頼度表示手段に相当し、特別図柄制御部160が本発明の表示制御部に相当し、大入賞装置31が本発明の可変入賞手段に相当し、ランプ装置800およびスピーカー面5aが本発明の報知手段に相当する。
以上、本発明に係る遊技機の主な構成要素について説明したが、本発明に係る遊技機1にあっては、前記収納ボックス55が特定の形状・構造を有しているので、以下これについて詳述すると、図23に示すように、本発明に係る収納ボックス55は、遊技を制御するために遊技機1に取り付けられる遊技制御基板54を保持するボックス基体66と、そのボックス基体66に対して矢印Xで示す一方方向(すなわち3次元空間における例えばX軸方向/以下X方向という)のうち、X1の向きに摺接させながら被せられる蓋体67の、少なくとも二つの構成要素とからなっており、その他前記ボックス基体66と蓋体67を封止する封止材や検査履歴書等の他の構成要素を具備している。
そして、前記X方向におけるボックス基体66の一端部A1と蓋体67の一端部A2に両者を係合させる係合手段76が設けられているとともに、同じくボックス基体66の他端部B1と蓋体67の他端部B2に、既に図23においても説明したように、両者を接合させる接合手段56が設けられている。
前記ボックス基体66は、図23及び図24に示すように、透明な合成樹脂製箱形をなし、その底面部68の表面には格子状をなすリブ部69aと筋交え状のリブ部69bが突出形成されている。また、ボックス基体66の四つの周面側には比較的立上がり高さの低い周壁部71a、71b、71c、71dが張り巡らされており、それら周壁部のうちX方向に延びる平行な周壁部71b、71dの外方にはそれらの周壁部と所定間隔をおいて平行にガイド壁部72b、72dが形成されている。
平行な前記周壁部71b、71d及び前記他端部B1の周壁部71cには、所定間隔をおいて複数個の突片74aが外方に延出形成されており、ボックス基体66に蓋体67が被せられたとき、蓋体67に設けられた離間阻止片や嵌合孔(いずれも後述する)と係合して、ボックス基体66と蓋体67とを収納ボックス55の厚み方向に互いに離間させないような機能を果たしている。同様に前記一端部A1の周壁部71aと他端部B1の周壁部71cのそれぞれにおいて前記突片74aの取付け位置より僅か低い位置にも、所定間隔をおいて対をなす突片74bが外方に延出形成されており、それらは遊技機1の背面側にある裏機構盤50の係合部(図示なし)と係合して本発明に係る収納ボックス55を裏機構盤50に係止する機能を果たしている。
さらに前記一端部A1の周壁部71aには門形の係止部75が5個取り付けられており(図23を参照)、後述する蓋体67の被係止片と係合して、本発明に係る係合手段76の一態様を構成している。他方、前記他端部B1の周壁部71cの中央部には、前記接合手段56の一構成要素である円筒状の基体接合部77が所定間隔をおいて複数個、前記周壁部71cから外方に延びる支持部78により支持されているとともに、相隣接する基体接合部77同士が連接部79により連接されている。なお、複数個の前記基体接合部77のうち最も外方に位置する1個の基体接合部はボックス基体66から延びる1個の支持部78に支持されているのに対して、同じく外方にある残りの1個の基体接合部は2個の支持体78により支持され、後述するように遊技制御基板54のROMを最後に検査するとき切り落とされずに残っていた最後の基体接合部77は、必ず2個の支持体78により支持されるようになっている。
なお、前記基体接合部77の内部にはほぼ釣り鐘状の中空部80が形成されており、ボックス基体66の裏側から蓋体67に向かって、すなわち、図24においてボックス基体66の下から上に向かって、ワンウェイネジ、頭部易破断性ネジ又はリベット等で代表される非可逆的接合手段81が、全ての基体接合部77の中空部80に対して仮止めがなされている。仮止めは、前記中空部80に非可逆的接合手段81の先端部を僅か圧入し又は螺入して基体接合部77に把持させ、本発明に係る収納ボックス55を遊技機1に取り付けたまま又は単独で搬送乃至は移動をさせても非可逆的接合手段81が前記中空部80から外れ落ちない程度に行われる。
このような構造のボックス基体66内に遊技制御基板54を保持させるには、底面部68に4個突出成形された短管状の固定部82の上に遊技制御基板54を載せてネジ止めする。そして、ボックス基体66の一端部A1寄りにおいて遊技制御基板54の複数個のコネクタ83が外部に露出する領域を透明なパターンカバー84で覆って遊技制御基板54を保護する。
他方、前記ボックス基体66に被せられる蓋体67は、図25、図26、図27及び図28に示すように、全体が下に向かって凹状をなす箱体をなしているが、前記した一端部A2側においてボックス基体66のパターンカバー84で占められる部位は切り欠かれ、上に向かって開放された開放部85になっており、遊技制御基板54のコネクタ83を遊技機1の他の電子機器(図示なし)と接続し易いようになっている。
そしてX方向に平行に走る側壁部86b、86dには逆L字形断面をなすレール部87b、87dが設けられており、前記ボックス基体66に蓋体67を摺接させながら被せるとき、前記レール部87b、87dが前記蓋体66のガイド壁部72b、72dの内側に位置して蓋体67がボックス基体66から外れることなく、案内されるようになっている。
また、本発明に係る収納ボックス55にあっては、ボックス基体66に被せられた蓋体67が相互に厚さ方向に分離しないようにする必要がある。そこで、前記レール部87b、87dに対してフック状の離間阻止片88b、88dを設けそれらをボックス基体66の周壁部71b、71dに所定間隔をおいて設けた突片74aと互いに係止させることができるようになっている。
さらに前記ボックス基体66の一端部A1寄りには複数個のコネクタ83が設けられているので、これらのコネクタ83に対して前記一端部A2側の側壁部86aが衝突しないように、ボックス基体66と蓋体67との相対移動範囲を制限する必要がある。そこで、ボックス基体66において、一端部A1側の周壁部71aを除く3つの周壁部71b、71c、71dの内方寄りには、それらと所定間隔をおいて平行にコ字形断面を有する内壁部92b、92c、92dを設け(図23参照)、蓋体67を矢印X1の向きに相対移動させるとき、前記内壁部のうち他端側B1側の内壁部92cに対して、蓋体67の側壁部86の内方寄りに垂下させた壁状ストッパー93が衝突して、それ以上の移動が制限されるようになっている。逆に蓋体67を矢印X2の向きに相対移動させるとき、蓋体67の側壁部86aがボックス基体66の内壁部92b、92bの端面b、cに衝突して、それ以上の移動が制限されるようになっている。
前記側壁部86b、86dの一端部A2寄りの部位と前記開放部85をコ字形に囲む側壁部86eには、比較的外方に長く延びる3枚の舌片状の第一被係止部89とそれらを挟んだ位置で短く外方に延びる2枚の第二被係止部90が突出形成されており、ボックス基体66に蓋体67を摺接・移動させながら被せるとき第一被係止部89と第二被係止部90がボックス基体66の門形の係止部75に係止され、ボックス基体66と蓋体67の一端部A1、A2が互いに係合し合う係合手段76が組成される。
他方、前記蓋体67の他端部B2側における側壁部86cの中央部には、蓋付き短筒状の蓋体接合部95が所定間隔をおいて、かつボックス基体66の基体接合部77と上下方向の中心が一致するよう、複数個前記側壁部86cから延びる支持部96により支持されて、前記基体接合部77と共働して本発明に係る接合手段56を構成している。そしてさらに相隣接する蓋体接合部95間には垂直壁状の連接部97により相互に補強されているとともに、水平壁状の被覆部98により被覆されており、誤って前記支持部96や連接部97をニッパーやラジオペンチ等の切断治具により切断することができないようになっている。また、前記側壁部86cの下部において接合手段56の外方には、U字形の側面形状をなす複数個の被係止部91が所定間隔をおいて設けられており、これらの被係止部91にボックス基体66の突片74aを係止することにより、ボックス基体66と蓋体67との上下方向の離間が防止されている。
このような構造を有するボックス基体66に遊技制御基板54を保持させてから、そのボックス基体66と蓋体67とを両者を、まず図29に示すように上下に重ねてから摺接させて、図30及び図31に示すように前者に対して後者を被せる。すると、基体接合部77と蓋体接合部95とが上下方向において重なるから、複数個組の接合部77,95のうち、1組の接合部77,95を一体化する。すなわち、基体接合部77に仮止めしておいた非可逆的接合手段81の1本を治具により蓋体接合部95に螺入してボックス基体66と蓋体67とを一体化する。このとき治具により作業員が直接非可逆的接合手段81を締め付けるので、前記第一公知技術と異なり、作業者が締め付けの程度を確実に実感しながら収納ボックス55の完成度を高めることができ、ひいては収納ボックスの技術上の信頼性を高めることができる。
このように収納ボックス55の二つの構成要素を締め付けて一旦一体化した後に、締め付け作業手順の逆の手順で非可逆的接合手段81を緩めて収納ボックス55の開封を試みても開封できない。なぜならば、ワンウェイネジのような非可逆的接合手段81は非可逆的な手順で緩めることができない形状・構造になっているからである(本発明においては非可逆的接合手段とは、このような意味おいて使用する)。従って、この収納ボックス55を従来技術と同様に遊技機1の裏機構盤50に取り付けると、そのボックス55を外部から容易に開封することができない。よって、遊技制御基板54のROMを不正に改造することができなくなる。
次に、所定期間経過後、遊技制御基板54のROMが不正に改造されていないかを検査する場合、ボックス基体66において基体接合部77を支持している支持部78と連接部79とを切断治具により切断する。すると、基体接合部77、蓋体接合部95及び非可逆的接合手段81の3つの部材は容易に分離できないから、非可逆的接合手段81は蓋体67の蓋体接合部95に把持されたまま残り、図32に示すように、非可逆的接合手段81に切断された基体接合部77の被切断片99がぶら下がることになる。なお、相隣接する蓋体接合部95間は被覆部98により塞がれているので、蓋体接合部95を支持する支持部95は誤って切断治具により切断される事態は起こらない。
そのため、仮に蓋体67を矢印X1の向きに移動させようとしても、前記被切断片99が邪魔になって蓋体67を前記の向きに移動できないのに対して、この実施態様にあっては、蓋体67を矢印X2の向きに移動させ得る構造、言い換えれば前記非可逆的接合手段81を収納ボックス55の裏面側から表側又は蓋体67に向かって組り付ける構造になっているので、図33に示すように、蓋体67を移動させる際に前記被切断片99は何ら蓋体67の移動に障害ならない。従っても収納ボックス55を開封してその中に収納された遊技制御基板54のROMの検査が可能になる。
次にこのようにしてROMの検査が終了したら、図29及び図30に示すように、再び、遊技制御基板54を保持したボックス基体66に蓋体67を被せて、前記検査に使用した基体接合部と蓋体接合部以外の基体接合部77と蓋体接合部95とを前記非可逆的接合手段81により接合して、ボックス基体66と蓋体67とを一体化する。すると、外部から容易に収納ボックス55を開封できなくなる。以下、前記同様に接合手段56の数に対応した収納ボックス55の開封と閉封が可能になる。
以上説明して来た収納ボックス55は、その根本的技術思想を踏襲して発明の効果を著しく損なわない限度において、前記態様の一部分を、例えば次のように変更して、実施することができる。
(1)前記態様においては、収納ボックス55の開封時にボックス基体66に取り付けられている基体接合部77を切り離すようにしたが、係合手段76の構造を変更することにより、蓋体接合部95を蓋体67から切り離す構造にすることもできる。すなわち、ボックス基体66に対して蓋体67を摺接させながら一方向Xの矢印X2の向きに移動して被せても係合機能を発揮する構造の係合手段76を採用した場合、蓋体接合部95を蓋体67から切り離して得られた被切断片99を基体接合部77及び非可逆的接合手段81とともに移動させても、前記被切断片99が収納ボックス55の開封の障害にならない。この態様の一例として、前記門型の係止片75に相当する係止部を蓋体67の一端部A2側に設け、その係止部に係止される被係止部をボックス基体66の一端部A1側に設けて、蓋体67をX方向の矢印X2に向かって相対的に移動させながら、ボックス基体66に被せるようにする。
ROMの検査の際、基体接合部77をボックス基体66から、又は蓋体接合部95を蓋体67から切り離すことのない態様にあっては、それらを支持部78又は96に支持させることなく、直接切断しない側の構成要素と一体化することもできる。
(2)ボックス基体66と蓋体67とがそれらの厚み方向に離間しないようにする手段として突片74aと離間阻止片88b、88dを大きくし、それらの設置個所を少なくすることができる。
(3)基体接合部77と蓋体接合部95の相対時する対向面同士は、必ずしも当接させる必要がなく、破断治具が挿入できない範囲において対向面同士を離しておくことできる。本発明において接合手段56における接合なる意味はボックス基体66と蓋体67とを接合させ得る手段であるという意味において使用する。なお、前記対向面間に破断治具、例えば金鋸を挿入させない構造として、図34に示すように、基体接合部77の上端面に段差部100を形成するとともに、蓋体接合部95において前記段差部100と対向する部位の下部にスカート部110を形成し、前記ボックス基体66に蓋体67をスライドさせながら被せるとき、蓋体67の変位に伴って蓋体接合部95が基体接合部77上に移動して、図35に示すように、両者が相対峙した面間に前記X方向に直交する向きに切断治具を挿入しようとして、前記段差部100が邪魔になって、真っ直ぐな切断治具の挿入が不可能になる。また、前記X方向から前記面間に切断治具を挿入しようとしても、前記スカート部110が邪魔になって切断治具を挿入できないようにすることもできる。
(4)前記非可逆的接合手段81としてのリベットは、金属又は合成樹脂のいずれからできていてもよい。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、信頼度の表示は、所定の条件が成立したときのみ表示されるようにしてもよい。例えば、あるリーチ予告または変動パターンが発生すると、そのリーチ予告または変動パターンの信頼度のみが表示されるようにしてもよい。
また、[表3]に示した変動パターンは4種類とも変動時間が異なっていたが、次に示す[表5]のように同じ変動時間が同じものを含んでいても良い。
変動時間の単位は秒である。これ以外にも、変動パターン2と変動パターン3の各変動時間が互いに同じものにしたり、変動パターン3と変動パターン4の各変動時間が互いに同じものにしたりしてもよい。
保留数に応じて変動時間を変える制御において、ある保留数においては変動時間を固定しても良い。すなわち、0〜4個の5種類の保留数において、例えば、保留数が1のときは変動パターン2または3のどちらかから選ぶが、保留数が0、2、3、4のときはそれぞれ変動パターン1、2、3、4に固定する、としても良い。
尚、パチンコ機1の制御方法も他の態様であっても実施できる。例えば、主制御部140と特別図柄制御部160、音声ランプ制御部170、又は払出制御部150等(以下、副制御部ともいう)との間での制御に関して主制御部140から出力されるコマンドの種類や主制御部140の制御負担を極力抑制した制御態様の遊技機にも適用できる。
この制御態様における、例えば主制御部140と特別図柄制御部160との間のコマンド送信に関して説明すると、特別図柄の制御において、主制御部140は特別図柄制御部160に対して変動コマンド、停止図柄コマンド、及び変動停止コマンドを送信し、特別図柄制御部160では変動コマンドを受けて、複数の変動態様から乱数等による抽選で変動態様を決定する。各コマンドの送受信時期、順序についても、情報伝達の確実性や、多様な遊技態様の実現、あるいは不正防止等の観点から種々の技術が採用される。
このようにすることで、様々な効果を発揮する。機種変更の際には、異機種においても主制御プログラムを共用でき、副制御プログラムについてのみ変更すれば済むこととなり設計変更容易となる。また、第三者検査機関による検査についても容易にできる。更に、主制御部140の負担軽減や副制御部での制御自由度の向上により多様な遊技効果を実現可能となる。
また、副制御部同士(2以上)についても送信可能とすることができる。尚、上記では主制御部140と副制御部又は副制御部間において送信するとしたが、送信とは一方向であっても双方向であってもどちらでも良い。