JP2008219673A - 無線装置およびそれを備えた無線ネットワーク - Google Patents
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Abstract
【課題】リンク品質が変動しても高いスループットが得られるように複数のリンクを集約する無線装置を提供する。
【解決手段】品質検出手段150は、複数のインターフェース121〜123の各々におけるオーバーヘッドOpt,i、送信レートRiおよびパケットエラー率Pe,iからなるリンク品質を検出し、その検出したリンク品質をパケット割当手段140へ出力する。パケット割当手段140は、リンク品質に基づいて、パケットの送信によって1つのインターフェースを占有する占有時間の一定期間における積算占有時間を各インターフェース121〜123に対して演算し、インターフェース121〜123における積算占有時間が略等しくなるようにパケットをインターフェース121〜123に割り当てる。そして、インターフェース121〜123の各々は、割り当てられたパケットを送信する。
【選択図】図2
【解決手段】品質検出手段150は、複数のインターフェース121〜123の各々におけるオーバーヘッドOpt,i、送信レートRiおよびパケットエラー率Pe,iからなるリンク品質を検出し、その検出したリンク品質をパケット割当手段140へ出力する。パケット割当手段140は、リンク品質に基づいて、パケットの送信によって1つのインターフェースを占有する占有時間の一定期間における積算占有時間を各インターフェース121〜123に対して演算し、インターフェース121〜123における積算占有時間が略等しくなるようにパケットをインターフェース121〜123に割り当てる。そして、インターフェース121〜123の各々は、割り当てられたパケットを送信する。
【選択図】図2
Description
この発明は、無線装置およびそれを備えた無線ネットワークに関し、特に、無線通信におけるリンクを集約する無線装置およびそれを備えた無線ネットワークに関するものである。
次世代の無線ネットワークにおいては、複合的な送信技術が単一のデバイス内に共存することが期待されている(非特許文献1)。複数の無線アクセスを同時に使用することによって、論理的なリンク容量および送信の確実性は、全般的に増強され得る。
これらの複数の無線を用いたコグニティブネットワークに対して、多数の技術的な課題が存在する。例えば、一般的なリンク層は、層状のプロトコルスタックによって異質な無線アクセススキームからなる。この異質性は、上層プロトコル層(例えば、IP層およびトランスポート層)がより下層の異質なアーキテクチャにとって透過的であるように設定される。
他の課題は、複数の無線アクセスの存在によって導入される送信ダイバーシティの利点を効果的に実現することである。特に、これは、システム全体のスループットを最大にするために、トラフィックをどのように複数の無線アクセスに分割するかという問題を含む。パケットを各無線アクセスに割り当てる方法は、システム全体のスループットを実際に決定する上で重要な要因になる。
端末間の占有時間の公平性は、複数のレートで送信するIEEE802.11ネットワークにおいて幅広く研究されている。各端末は、送信レートによって異なったチャネル占有時間を占める。各端末に等しいチャネルリソースを公平に割り当てることによって、ネットワークの特性全体が向上することが報告されている(非特許文献2)。
一方、占有時間は、マルチホップ無線メッシュネットワーク上の経路メトリックのためにも研究されている(非特許文献3)。そして、この経路メトリックは、高いスループットを有する経路を発見することを最終的な目的としている。
N. Niebert, H. Flinck, R. Hancock, H. Karl, and C. Prehofer,"Ambient networks- an architecture for communication networks keyworks beyond 3G", IEEE Wireless Communication Magazine, pp. 14-21, Apr. 2004. G. Tan and J. Guttga, "Time-based fairness improves performance in multi-rate WLANs", Proc. Of the Usenix Annual Tech. Conf., pp. 269-282, June 2004. R. Draves, J. Padhye, and B. Zill, "Routing in multi-radio, multi-hop wireless mesh networks", Proc. Of MobiCom ’04, pp.114-128, Sept.-Oct., 2004
N. Niebert, H. Flinck, R. Hancock, H. Karl, and C. Prehofer,"Ambient networks- an architecture for communication networks keyworks beyond 3G", IEEE Wireless Communication Magazine, pp. 14-21, Apr. 2004. G. Tan and J. Guttga, "Time-based fairness improves performance in multi-rate WLANs", Proc. Of the Usenix Annual Tech. Conf., pp. 269-282, June 2004. R. Draves, J. Padhye, and B. Zill, "Routing in multi-radio, multi-hop wireless mesh networks", Proc. Of MobiCom ’04, pp.114-128, Sept.-Oct., 2004
しかし、無線ネットワークでは、リンク品質が変動するため、高いスループットを実現するように複数のリンクを集約することが困難であるという問題がある。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、リンク品質が変動しても高いスループットが得られるように複数のリンクを集約する無線装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、リンク品質が変動しても高いスループットが得られるように複数のリンクを集約する無線装置を備える無線ネットワークを提供することである。
この発明によれば、無線装置は、複数のインターフェースと、品質検出手段と、パケット割当手段とを備える。複数のインターフェースの各々は、割り当てられたパケットを無線通信によって送信する。品質検出手段は、複数のインターフェースの複数のリンク品質を検出する。パケット割当手段は、品質検出手段によって検出された複数のリンク品質に応じて、パケットの送信によってインターフェースを占有する占有時間の一定期間における和である積算占有時間が複数のインターフェース間で略等しくなるように複数のインターフェースにパケットを割り当てる。
好ましくは、パケット割当手段は、演算手段と、割当手段とを含む。演算手段は、複数のリンク品質に基づいて各々が1つのインターフェースにおける占有時間を示す複数の占有時間を演算し、その演算した複数の占有時間に基づいて各々が積算占有時間を示す複数の積算占有時間を演算する。割当手段は、演算手段によって演算された複数の積算占有時間が略等しくなるようにパケットを複数のインターフェースに割り当てる。
好ましくは、演算手段は、リンク品質が相対的に低下すると、値が相対的に大きくなるように占有時間を演算し、リンク品質が相対的に向上すると、値が相対的に小さくなるように占有時間を演算する。
好ましくは、リンク品質は、送信レートおよびパケットエラー率を含む。そして、演算手段は、送信レートが相対的に低下すると、値が相対的に大きくなるように占有時間を演算し、送信レートが相対的に高くなると、値が相対的に小さくなるように占有時間を演算するとともに、パケットエラー率が相対的に大きくなると、値が相対的に大きくなるように占有時間を演算し、パケットエラー率が相対的に小さくなると、値が相対的に小さくなるように占有時間を演算する。
好ましくは、一定期間は、複数のインターフェースの各々に少なくとも1つのパケットを割当可能な個数のパケットがパケット割当手段に到着する期間に設定される。
好ましくは、一定期間は、パケット到着率に複数のインターフェースの個数を乗算した値以上に設定される。
好ましくは、一定期間は、リンク品質の変動が相対的に速い場合、相対的に短く設定され、リンク品質の変動が相対的に遅い場合、相対的に長く設定される。
好ましくは、複数のインターフェースは、相互に異なるプロトコルに従ってパケットを送信する。
好ましくは、検出手段およびパケット割当手段は、インターネット層よりも下位の層に配置される。
また、この発明によれば、無線ネットワークは、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無線装置を備える。
この発明によれば、複数のインターフェースの複数のリンク品質に応じて、パケットの送信によってインターフェースを占有する占有時間の一定期間における和である積算占有時間が複数のインターフェース間で略等しくなるように複数のインターフェースにパケットが割り当てられて送信される。即ち、複数のインターフェース間でパケットの送信時間が略等しくなるようにパケットが複数のインターフェースに割り当てられて送信される。その結果、リンク品質が変動しても、パケットは、複数のインターフェースにおける負荷を略均一化して送信される。
従って、この発明によれば、リンク品質が変動しても高いスループットが得られるように複数のリンクを集約できる。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線ネットワークの概略図である。無線ネットワーク10は、無線装置1〜4を備える。無線装置1〜4は、それぞれ、アンテナ11〜14が装着され、無線通信空間に配置される。そして、無線装置1〜4は、それぞれ、アンテナ11〜14を介して、後述する方法によって、他の無線装置と無線通信を行なう。
図2は、図1に示す無線装置1の構成を示す概略ブロック図である。無線装置1は、アンテナ111〜113と、インターフェース121〜123と、LLC(Logical Link Control)モジュール130と、パケット割当手段140と、品質検出手段150と、キュー160と、通信モジュール170とを含む。
アンテナ111〜113は、図1に示すアンテナ11を構成し、それぞれ、インターフェース121〜123に対応して設けられる。そして、アンテナ111〜113は、それぞれ、インターフェース121〜123からパケットを受け、その受けたパケットを他の無線装置へ送信するとともに、他の無線装置からパケットを受信し、その受信したパケットをそれぞれインターフェース121〜123へ出力する。
インターフェース121〜123は、物理層に属し、相互に異なる無線通信方式によってパケットを送受信する。例えば、インターフェース121は、IEEE802.11aによってパケットを送受信し、インターフェース122は、IEEE802.11bによってパケットを送受信し、インターフェース123は、IEEE802.11gによってパケットを送受信する。
より具体的には、インターフェース121は、パケット割当手段140によって割り当てられたパケットをIEEE802.11aに従って変調し、その変調したパケットをアンテナ111へ出力するとともに、アンテナ111から受けたパケットをIEEE802.11aに従って復調して通信モジュール170へ出力する。また、インターフェース122は、パケット割当手段140によって割り当てられたパケットをIEEE802.11bに従って変調し、その変調したパケットをアンテナ112へ出力するとともに、アンテナ112から受けたパケットをIEEE802.11bに従って復調して通信モジュール170へ出力する。更に、インターフェース123は、パケット割当手段140によって割り当てられたパケットをIEEE802.11gに従って変調し、その変調したパケットをアンテナ113へ出力するとともに、アンテナ113から受けたパケットをIEEE802.11gに従って復調して通信モジュール170へ出力する。
LLCモジュール130は、データリンク層に属し、LLCプロトコルを実行して隣接する無線装置との間でリンクの接続および解放を行なう。
パケット割当手段140は、データリンク層とインターネット層との間に存在するコグニティブ層に属し、キュー160からパケットを読み出すとともに、品質検出手段150からリンク品質を受ける。そして、パケット割当手段140は、リンク品質に応じて、後述する方法によって、パケットをインターフェース121〜123に割り当てる。
品質検出手段150は、インターフェース121〜123の各々のリンク品質を後述する方法によって検出し、その検出したリンク品質をパケット割当手段140へ出力する。より具体的には、品質検出手段150は、インターフェース121〜123の各々におけるパケットエラー率Pe,i(i=121〜123)、送信レートRiおよびオーベーヘッドOpt,iを検出する。
この場合、品質検出手段150は、インターフェース121〜123の各々がパケットの送信要求RTS(Reqest To Send)を送信し、相手の無線装置から送信許可CTS(Clear To Send)を受信し、その後、送信したパケットの総数に対して何個の返答ACK(Acknowledge)を受信したかによってインターフェース121〜123の各々におけるパケットエラー率Pe,iを検出する。
また、品質検出手段150は、インターフェース121〜123の各々において、単位時間当たりに送信するビット数を検出することによって各インターフェース121〜123における送信レートRiを検出する。
更に、IEEE802.11a,IEEE802.11b,IEEE802.11gにおいては、DIFS(DCF(Distributed Coordination Function)interframe space)、SIFS(Short Interframe Space)、RTSフレーム、CTSフレーム、ACKフレーム MACヘッダおよびPHYプリアンブルが異なる。従って、品質検出手段150は、IEEE802.11a,IEEE802.11b,IEEE802.11g等の各無線通信方式におけるDIFS、SIFS、RTS、CTS、ACK、MACヘッダおよびPHYプリアンブルの送信に要する負荷を計測することによって各インターフェース121〜123におけるオーバーヘッドOpt,iを検出する。
そして、品質検出手段150は、その検出したパケットエラー率Pe,i、送信レートRiおよびオーベーヘッドOpt,iをリンク品質としてパケット割当手段140へ出力する。
キュー160は、通信モジュール170からパケットを受け、その受けたパケットを保持する。そして、キュー160は、パケット割当手段140からの読出要求に応じてパケットをパケット割当手段140へ出力する。
通信モジュール170は、インターネット層、トランスポート層およびアプリケーション層に属する各種のモジュールからなる。そして、通信モジュール170は、データに基づいてTCP(Transmission Control Protocol)パケットを生成し、その生成したTCPパケットに基づいて、IP(Internet Protocol)パケットを生成する。IPパケットは、IPヘッダと、TCPパケットを格納するためのIPデータ部とからなる。そして、通信モジュール170は、TCPパケットを生成すると、その生成したTCPパケットをIPデータ部に格納してIPパケットを生成し、その生成したIPパケットをキュー160へ格納する。
なお、図1に示す無線装置2〜4の各々は、図2に示す無線装置1と同じ構成からなる。この場合、アンテナ12〜14の各々は、図2に示すアンテナ11と同じ構成からなる。
図3は、図2に示すパケット割当手段140の機能ブロック図である。パケット割当手段140は、演算手段1401と、割当手段1402とを含む。演算手段1401は、品質検出手段150からパケットエラー率Pe,i、送信レートRiおよびオーバーヘッドOpt,iを受ける。そして、演算手段1401は、キュー160から読出したパケットPKTのサイズLを検出する。
そうすると、演算手段1401は、パケットエラー率Pe,i、送信レートRi、オーバーヘッドOpt,iおよびパケットサイズLを次式に代入してインターフェースi(インターフェース121〜123のいずれか)における占有時間Cair,iを演算する。
なお、式(1)における占有時間Cair,iは、パケットの送信によって消費されるチャネルの占有時間である。
演算手段1401は、占有時間Cair,iを演算すると、その演算した占有時間Cair,iの一定期間Δtにおける和である積算占有時間Cair,i(Δt)を更に演算する。この場合、一定期間Δtは、キュー160から割当手段1402へ到着するパケットの到着率をRarrとすると、Rarr×(インターフェース121〜123の個数=3)≦Δt≦上限値を満たすように決定される。即ち、一定期間Δtは、複数のインターフェース121〜123の各々に少なくとも1つのパケットを割当可能な個数のパケットがキュー160から割当手段1402へ到着する期間に設定される。そして、到着率Rarrは、例えば、50msecに設定される。また、上限値は、無線ネットワーク10に使用される無線装置1〜4に依存した値からなり、無線ネットワーク10を構成する際に各無線装置1〜4に初期設定される。
演算手段1401は、積算占有時間Cair,i(Δt)を演算すると、その演算した積算占有時間Cair,i(Δt)を割当手段1402へ出力する。
演算手段1401は、インターフェース121〜123の全てに対して、上述した方法によって、積算占有時間Cair,121(Δt)〜Cair,123(Δt)を演算し、その演算した積算占有時間Cair,121(Δt)〜Cair,123(Δt)を割当手段1402へ出力する。
割当手段1402は、演算手段1401から積算占有時間Cair,121(Δt)〜Cair,123(Δt)を受け、キュー160からパケットPKTを受ける。そして、割当手段1402は、複数のインターフェース121〜123に対して演算された積算占有時間Cair,121(Δt)〜Cair,123(Δt)が次式を満たすようにパケットPKTを複数のインターフェース121〜123に割り当てる。
即ち、割当手段1402は、複数のインターフェース121〜123における積算占有時間Cair,121(Δt)〜Cair,123(Δt)が略等しくなるように、パケットPKTを複数のインターフェース121〜123に割り当てる。
式(1)によって演算される占有時間Cair,iは、パケットエラー率Pe,iが相対的に大きくなると、値が相対的に大きくなり、パケットエラー率Pe,iが相対的に小さくなると、値が相対的に小さくなる。また、占有時間Cair,iは、送信レートRiが相対的に高くなると、値が相対的に小さくなり、送信レートRiが相対的に低くなると、値が相対的に大きくなる。更に、占有時間Cair,iは、オーバーヘッドOpt,iが相対的に大きくなると、値が相対的に大きくなり、オーバーヘッドOpt,iが相対的に小さくなると、値が相対的に小さくなる。
パケットエラー率Pe,iが相対的に大きくなることは、リンク品質が相対的に低下することに相当し、パケットエラー率Pe,iが相対的に小さくなることは、リンク品質が相対的に向上することに相当する。また、送信レートRiが相対的に高くなることは、リンク品質が相対的に高くなることに相当し、送信レートRiが相対的に低くなることは、リンク品質が相対的に低くなることに相当する。更に、オーバーヘッドOpt,iが相対的に大きくなることは、リンク品質が相対的に低くなることに相当し、オーバーヘッドOpt,iが相対的に小さくなることは、リンク品質が相対的に高くなることに相当する。
従って、演算手段1401は、リンク品質が相対的に低下すると、値が相対的に大きくなり、リンク品質が相対的に向上すると、値が相対的に小さくなるように占有時間Cair,iを演算する。
そして、積算占有時間Cair,i(Δt)は、一定期間Δtにおける占有時間Cair,iの和であるので、演算手段1401は、リンク品質であるパケットエラー率Pe,i、送信レートRiおよびオーバーヘッドOpt,iに対して値の変化が占有時間Cair,iと同じになるように積算占有時間Cair,i(Δt)を演算する。
割当手段1402は、式(2)に従って、パケットの送信によって占有される積算占有時間Cair,i(Δt)が複数のインターフェース121〜123間で略等しくなるようにパケットを複数のインターフェース121〜123に割り当てる。
例えば、インターフェース12iの積算占有時間Cair,i(Δt)がインターフェース12jの積算占有時間Cair,j(Δt)よりも長い場合、割当手段1402は、積算占有時間Cair,i(Δt)が短くなるように、即ち、個数を相対的に少なくしてパケットをインターフェース12iに割り当て、または積算占有時間Cair,j(Δt)が長くなるように、即ち、個数を相対的に多くしてパケットをインターフェース12jに割り当てる。
従って、割当手段1402は、積算占有時間Cair,j(Δt)の値が相対的に大きくなれば、個数を相対的に少なくしてパケットをインターフェース12iに割り当て、積算占有時間Cair,j(Δt)の値が相対的に小さくなれば、個数を相対的に多くしてパケットをインターフェース12iに割り当てる。
即ち、割当手段1402は、インターフェース12iのリンク品質が相対的に低下すると、個数を相対的に少なくしてパケットをインターフェース12iに割り当て、インターフェース12iのリンク品質が相対的に向上すると、個数を相対的に多くしてパケットをインターフェース12iに割り当てる。
図4は、2つの無線装置間においてパケットを送信するときの概念図である。無線装置1の各インターフェース121〜123における積算占有時間Cair,121(Δt)〜Cair,123(Δt)の間に、Cair,123(Δt)<Cair,121(Δt)<Cair,122(Δt)の関係が存在する場合、無線装置1のパケット割当手段140は、p(pは正の整数)個のパケットPKT1〜PKTpをインターフェース121に割り当て、q(qは、q<pを満たす正の整数)個のパケットPKT1〜PKTqをインターフェース122に割り当て、r(rは、r>pを満たす正の整数)個のパケットPKT1〜PKTrをインターフェース123に割り当てる。
そして、無線装置1において、インターフェース121は、割り当てられたパケットPKT1〜PKTpをIEEE802.11aに従って送信し、インターフェース122は、割り当てられたパケットPKT1〜PKTqをIEEE802.11bに従って送信し、インターフェース123は、割り当てられたパケットPKT1〜PKTrをIEEE802.11gに従って送信する。
そうすると、無線装置2のインターフェース121〜123は、それぞれ、無線装置1のインターフェース121〜123から送信されたパケットPKT1〜PKTp;PKT1〜PKTq;PKT1〜PKTrを受信する。
これによって、無線装置1の各インターフェース121〜123がパケットの送信に要する時間が略等しくなる。
図5は、この発明の実施の形態における無線通信方法を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、送信元の無線装置において、品質検出手段150は、各インターフェース12iのオーバーヘッドOpt,i、送信レートRiおよびパケットエラー率Pe,iを上述した方法によって検出し(ステップS1)、その検出したオーバーヘッドOpt,i、送信レートRiおよびパケットエラー率Pe,iをパケット割当手段140へ出力する。
そして、送信元の無線装置において、パケット割当手段140は、品質検出手段150からオーバーヘッドOpt,i、送信レートRiおよびパケットエラー率Pe,iを受け、キュー160からパケットを読み出す。
そうすると、送信元の無線装置において、パケット割当手段140は、オーバーヘッドOpt,i、送信レートRiおよびパケットエラー率Pe,iを式(1)に代入して占有時間Cair,iを演算し(ステップS2)、その演算した占有時間Cair,iに基づいて積算占有時間Cair,i(Δ)を演算する(ステップS3)。
その後、送信元の無線装置において、パケット割当手段140は、複数のインターフェース121〜123間で積算占有時間Cair,121(Δ)〜Cair,123(Δ)が略等しくなるようにパケットを複数のインターフェース121〜123に割り当てる(ステップS4)。
そして、送信元の無線装置において、複数のインターフェース121〜123は、割り当てられたパケットを送信する(ステップS5)。これによって、一連の動作は終了する。
上述したように、送信元の無線装置は、各インターフェース121〜123のリンク品質に応じて、各インターフェース121〜123の積算占有時間Cair,121(Δ)〜Cair,123(Δ)を演算し、その演算した複数の積算占有時間Cair,121(Δ)〜Cair,123(Δ)が略等しくなるようにパケットを複数のインターフェース121〜123に割り当ててパケットを送信するので、リンク品質が変動しても、各インターフェース121〜123における積算占有時間が略同じになるようにパケットを複数のインターフェース121〜123に割り当てて送信できる。
なお、この発明においては、リンク品質(=オーバーヘッドOpt,i、送信レートRiおよびパケットエラー率Pe,i)の変動が相対的に速い場合、一定期間Δtは、パケット到着率Rarr×(インターフェース121〜123の個数=3)≦Δt≦上限値の範囲において相対的に短く設定され、リンク品質の変動が相対的に遅い場合、一定期間Δtは、パケット到着率Rarr×(インターフェース121〜123の個数=3)≦Δt≦上限値の範囲において相対的に長く設定される。
リンク品質の変動が相対的に速い場合においては、その変動したリンク品質を反映して積算占有時間Cair,121(Δt)〜Cair,123(Δt)を演算して複数のインターフェース121〜123にパケットを割り当てるために一定期間Δtを相対的に短くする必要があり、リンク品質の変動が相対的に遅い場合においては、リンク品質の変動を反映して積算占有時間Cair,121(Δt)〜Cair,123(Δt)を演算するためには、ある程度長い期間が必要であるからである。
上述した割当方法を用いてパケットを割り当ててパケットを送信したときのシミュレーション結果について説明する。シミュレーションにおいては、IEEE802.11aおよびIEEE802.11bが用いられた。また、パケットサイズは、100バイト〜1460バイトの中から選択された単一のパケットサイズが用いられた。更に、ネットワークのトポロジーとして、セル内に存在するアクセスポイントおよびステーションが用いられた。そして、2つのノード(アクセスポイントおよびステーション)は、IEEE802.11aおよびIEEE802.11bの両方を用いて同時に無線通信を行なう。更に、上述したパケット割当方法の特性を示すために、比較例として重み付きラウンドロビン方式WRR(Weighted Round Robin)が用いられた。そして、この重み付きラウンドロビンWRRにおいては、パケットは、送信レートに比例して各インターフェースに割り当てられ、2つのインターフェース間のパケット分布率である重みは、2つの送信レート間の相対比率から求められた。
図6は、全スループットとネットワーク負荷との関係を示す図である。図6において、縦軸は、全スループットを表し、横軸は、ネットワーク負荷を表す。また、図6の(a)は、6Mbpsの送信レートを有するIEEE802.11aに従ってパケットを送信するインターフェースと、5.5Mbpsの送信レートを有するIEEE802.11bに従ってパケットを送信するインターフェースとを用いた場合を示し、図6の(b)は、12Mbpsの送信レートを有するIEEE802.11aに従ってパケットを送信するインターフェースと、5.5Mbpsの送信レートを有するIEEE802.11bに従ってパケットを送信するインターフェースとを用いた場合を示す。
更に、図6の(a)において、曲線k1は、この発明によるパケット割当方法を用いた場合の全スループットとネットワーク負荷との関係を示し、曲線k2は、重み付きラウンドロビンを用いた場合の全スループットとネットワーク負荷との関係を示し、曲線k3は、IEEE802.11aに従ってパケットを送信するインターフェースのみを用いた場合の全スループットとネットワーク負荷との関係を示す。更に、図6の(b)において、曲線k4は、この発明によるパケット割当方法を用いた場合の全スループットとネットワーク負荷との関係を示し、曲線k5は、重み付きラウンドロビンを用いた場合の全スループットとネットワーク負荷との関係を示し、曲線k6は、IEEE802.11aに従ってパケットを送信するインターフェースのみを用いた場合の全スループットとネットワーク負荷との関係を示す。
図6の(a)および(b)から明らかなように、全スループットは、単一のインターフェースのみを用いるよりも、複数のインターフェースを用いる方が高くなる(図6の(a)の曲線k1,k2と曲線k3との比較、および図6の(b)の曲線k4,k5と曲線k6との比較参照)。
また、6Mbpsの送信レートを有するインターフェースと5.5Mbpsの送信レートを有するインターフェースとを用いる場合、全スループットは、ネットワーク負荷が5.5Mbpsよりも高くなると、この発明によるパケット割当方法を用いた方が高くなる(曲線k1,k2参照)。そして、12Mbpsの送信レートを有するインターフェースと5.5Mbpsの送信レートを有するインターフェースとを用いる場合、全スループットは、ネットワーク負荷が5.5Mbpsよりも高くなると、この発明によるパケット割当方法を用いた方が高くなる(曲線k4,k5参照)。
図7は、パケット遅延とライシャンファクターKとの関係を示す図である。図7において、縦軸は、パケット遅延を表し、横軸は、ライシャンファクターKを表す。また、曲線k7は、この発明によるパケット割当方法を用いた場合のパケット遅延とライシャンファクターKとの関係を示し、曲線k8は、重み付きラウンドロビンを用いた場合のパケット遅延とライシャンファクターKとの関係を示し、曲線k9は、IEEE802.11aに従ってパケットを送信するインターフェースのみを用いた場合のパケット遅延とライシャンファクターKとの関係を示す。
このライシャンファクターKは、その値が小さくなるに従ってフェージングが大きくなることを表し、その値が大きくなるに従ってフェージングが小さくなることを表す。
図7に示す結果から、IEEE802.11aに従ってパケットを送信するインターフェースのみを用いた場合、および重み着きラウンドロビンを用いた場合、フェージングが大きくなるに従って(=ライシャンファクターKが小さくなるに従って)、パケット遅延が大きくなる(曲線k8,k9参照)。
一方、この発明によるパケット割当方法を用いた場合、フェージングが大きくなっても(=ライシャンファクターKが小さくなっても)、パケット遅延は、ほぼ一定である。
従って、この発明によるパケット割当方法を用いることによって、無線ネットワーク10における全スループットを向上できるとともに、パケット遅延を減少できる。
上述したように、この発明の実施の形態によれば、各インターフェース121〜123のリンク品質に応じて、各インターフェース121〜123の積算占有時間Cair,121(Δ)〜Cair,123(Δ)を演算し、その演算した複数の積算占有時間Cair,121(Δ)〜Cair,123(Δ)が略等しくなるようにパケットを複数のインターフェース121〜123に割り当ててパケットを送信するので、リンク品質が変動しても高いスループットが得られるように複数のリンク(複数のインターフェース121〜123)を集約してパケットを送信できる。
上記においては、各無線装置1〜4は、3個のインターフェース121〜123を有すると説明したが、この発明においては、これに限らず、各無線装置1〜4は、相互に異なる無線通信方式によって無線通信を行なう2個以上のインターフェースを有していればよい。
また、上記においては、パケット割当手段140および品質検出手段150は、データリンク層とネットワーク層との間に配置されると説明したが、この発明においては、これに限らず、パケット割当手段140および品質検出手段150は、ネットワーク層よりも下位の層であれば、どの層に配置されていてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、リンク品質が変動しても高いスループットが得られるように複数のリンクを集約する無線装置に適用される。また、この発明は、リンク品質が変動しても高いスループットが得られるように複数のリンクを集約する無線装置を備える無線ネットワークに適用される。
1〜4 無線装置、11〜14,111〜113 アンテナ、121〜123 インターフェース、130 LLCモジュール、140 パケット割当手段、150 品質検出手段、160 キュー、170 通信モジュール、1401 演算手段、1402 割当手段。
Claims (5)
- 各々が割り当てられたパケットを無線通信によって送信する複数のインターフェースと、
前記複数のインターフェースの複数のリンク品質を検出する品質検出手段と、
前記検出された複数のリンク品質に応じて、パケットの送信によって前記インターフェースを占有する占有時間の一定期間における和である積算占有時間が前記複数のインターフェース間で略等しくなるように前記複数のインターフェースにパケットを割り当てるパケット割当手段とを備える無線装置。 - 前記パケット割当手段は、
前記複数のリンク品質に基づいて各々が1つのインターフェースにおける前記占有時間を示す複数の占有時間を演算し、その演算した複数の占有時間に基づいて各々が前記積算占有時間を示す複数の積算占有時間を演算する演算手段と、
前記演算手段によって演算された複数の積算占有時間が略等しくなるように前記パケットを前記複数のインターフェースに割り当てる割当手段とを含む、請求項1に記載の無線装置。 - 前記演算手段は、前記リンク品質が相対的に低下すると、値が相対的に大きくなるように前記占有時間を演算し、前記リンク品質が相対的に向上すると、値が相対的に小さくなるように前記占有時間を演算する、請求項2に記載の無線装置。
- 前記リンク品質は、送信レートおよびパケットエラー率を含み、
前記演算手段は、前記送信レートが相対的に低下すると、値が相対的に大きくなるように前記占有時間を演算し、前記送信レートが相対的に高くなると、値が相対的に小さくなるように前記占有時間を演算するとともに、前記パケットエラー率が相対的に大きくなると、値が相対的に大きくなるように前記占有時間を演算し、前記パケットエラー率が相対的に小さくなると、値が相対的に小さくなるように前記占有時間を演算する、請求項3に記載の無線装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の無線装置を備える無線ネットワーク。
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2007
- 2007-03-07 JP JP2007056489A patent/JP2008219673A/ja active Pending
Cited By (2)
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US8391170B2 (en) | 2008-12-25 | 2013-03-05 | Kddi R&D Laboratories Inc. | Communication characteristic measuring device adapted to wireless terminal |
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