本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による通信ネットワークシステムの構成を示す概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による通信ネットワークシステム100は、端末装置1〜9と、アクセスポイント10〜21と、ネットワーク40と、監視サーバ50と、経路制御装置60とを備える。
端末装置1〜9は、無線通信空間に配置される。そして、端末装置1〜9の各々は、例えば、WiFiの無線インターフェースを備え、その備えた無線インターフェースによってインフラストラクチャモードまたはアドホックモードでアクセスポイント10〜21の少なくとも1つに接続する。
そして、端末装置1〜9の各々は、接続したアクセスポイントと無線通信を行う。
また、端末装置1〜9の各々は、自己が接続したアクセスポイントへのアップリンクにおけるトラフィックレートおよび伝送レートを後述する方法によって検出する。そして、端末装置1〜9の各々は、その検出したトラフィックレートおよび伝送レートを監視サーバ50へ送信する。
更に、端末装置1〜9の各々は、後述する総入力レートと総出力レートとを測定し、その測定した総出力レートを監視サーバ50へ送信する。
更に、端末装置1〜9の各々は、自己が接続可能なアクセスポイントからの受信信号強度を後述する方法によって測定する。そして、端末装置1〜9の各々は、その測定した受信信号強度を監視サーバ50へ送信する。
アクセスポイント10〜21の各々は、WiFiの無線インターフェースを備え、その備えた無線インターフェースを用いて端末装置1〜9と無線通信を行う。
また、アクセスポイント10〜21の各々は、無線通信によってビーコンフレームを定期的に送信する。
更に、アクセスポイント10〜21の各々は、自己にアクセスする端末装置へのダウンリンクにおけるトラフィックレートを後述する方法によって計測し、その計測したトラフィックレートを監視サーバ50へ送信する。
更に、アクセスポイント10〜21の各々は、自己にアクセスする端末装置へのダウンリンクにおける総入力レートと総出力レートとを後述する方法によって計測し、その計測した総入力レートを監視サーバ50へ送信する。
更に、アクセスポイント10〜21の各々は、チャネル占有率を測定し、その測定したチャネル占有率を監視サーバ50へ送信する。
ネットワーク40は、例えば、インターネットからなる。
監視サーバ50は、ネットワーク40に接続される。そして、監視サーバ50は、端末装置1〜9の各々から、総入力レート、総出力レート、伝送レートおよびアップリンクにおけるトラフィックレート、接続可能なアクセスポイントに対応する受信信号強度を受信し、アクセスポイント10〜21の各々からダウンリンクにおける総入力レート、総出力レート、トラフィックレートおよびチャネル占有率を受信する。そして、監視サーバ50は、その受信した総出力レート、総入力レート、伝送レート、トラフィックレート、チャネル占有率および受信信号強度を管理する。
経路制御装置60は、ネットワーク40に接続される。そして、経路制御装置60は、ネットワーク40を介して監視サーバ50から総出力レート、総入力レート、伝送レート、トラフィックレート、チャネル占有率および受信信号強度を取得する。その後、経路制御装置60は、その取得した総出力レート、総入力レート、伝送レート、トラフィックレート、チャネル占有率および受信信号強度に基づいて、後述する方法によって経路制御を行なう。
図2は、図1に示す端末装置1の構成図である。図2を参照して、端末装置1は、アンテナ101と、無線インターフェース102〜104と、キュー105〜107と、通信手段108と、アプリケーションモジュール109とを含む。
無線インターフェース102〜104の各々は、WiFiの無線通信方式によって無線通信を行う。そして、無線インターフェース102〜104の各々は、インフラストラクチャモードでアクセスポイント(アクセスポイント10〜21のいずれか)にアクセスし、アクセスポイント(アクセスポイント10〜21のいずれか)との間でパケットを送受信する。また、無線インターフェース102〜104の各々は、アクセスポイント(アクセスポイント10〜21のいずれか)と他の端末装置の間でインフラストラクチャモードとアドホックモードでパケットを中継する。更に、無線インターフェース102〜104の各々は、アクセスポイント(アクセスポイント10〜21のいずれか)と他の端末装置を通じてアドホックモードでパケットを送受信する。
即ち、無線インターフェース102〜104は、それぞれ、キュー105〜107からパケットを取り出し、その取り出したパケットをアンテナ101を介して送信する。
また、無線インターフェース102〜104は、アンテナ101を介してパケットを受信する。そして、無線インターフェース102〜104は、パケットを受信したときの受信信号強度を検出し、その検出した受信信号強度およびパケットを通信手段108へ出力する。
なお、無線インターフェース102〜104は、相互に同じチャネルを用いてもよく、相互に異なるチャネルを用いてもよい。
キュー105〜107は、それぞれ、無線インターフェース102〜104に対応して設けられる。そして、キュー105〜107は、通信手段108からパケットを受け、その受けたパケットを保持する。
通信手段108は、アプリケーションモジュール109からパケットを受け、その受けたパケットをキュー105〜107に格納する。
また、通信手段108は、後述する方法によって、単位時間においてチャネルが使用中またはセンシング状態である割合をチャネル占有率として測定する。
更に、通信手段108は、受信信号強度と伝送レートとの関係を示すテーブルTBL1および受信信号強度とパケットエラー率との関係を示すテーブルTBL2を予め保持している。そして、通信手段108は、無線インターフェース102〜104からパケットおよび受信信号強度を受ける。そうすると、通信手段108は、テーブルTBL1を参照して、無線インターフェース102〜105から受けた受信信号強度に対応する伝送レートを抽出し、その抽出した伝送レートを用いて後述する方法によってデータの1ビット当たりの送信所要時間を演算する。そして、通信手段108は、その演算した1ビット当たりの送信所要時間と、後述するアクセスポイントが測定したチャネル占有率とを用いて後述する方法によって各無線インターフェース102〜105がデータを送信するときのポテンシャルスループットを演算する。
その後、通信手段108は、その演算したチャネル占有率を用いて後述するポテンシャルスループットを演算し、その演算したポテンシャルスループットに基づいて、後述する方法によって、各無線インターフェース102〜104の接続先のアクセスポイント(アクセスポイント10〜21のいずれか)を選択する。
更に、通信手段108は、後述する方法によって、各無線インターフェース102〜104におけるトラフィック量を演算する。また、通信手段108は、後述する方法によって、単位時間当たりにキュー(キュー105〜107のいずれか)に格納するパケットの総数である総入力レートと、単位時間当たりにキュー(キュー105〜107のいずれか)から取り出されるパケットの総数である総出力レートとを検出する。そして、通信手段108は、トラフィック量、伝送レート、総入力レートおよび総出力レートを監視サーバ50へ送信する。
更に、通信手段108は、無線インターフェース102〜104から受けたパケットをアプリケーションモジュール109へ出力する。
アプリケーションモジュール109は、パケットを生成して通信手段108へ出力するとともに、通信手段108からパケットを受ける。
なお、図1に示す端末装置2〜9の各々も、図2に示す端末装置1と同じ構成からなる。
図3は、図1に示すアクセスポイント10の構成図である。図3を参照して、アクセスポイント10は、アンテナ111と、無線インターフェース112と、キュー113と、通信手段114と、有線インターフェース115とを含む。
無線インターフェース112は、WiFiの無線通信方式によって所定のチャネルを用いて無線通信を行う。そして、無線インターフェース112は、キュー113からパケットを取り出し、その取り出したパケットをアンテナ111を介して送信する。
また、無線インターフェース112は、アンテナ111を介してパケットを受信する。そして、無線インターフェース112は、パケットを受信したときの受信信号強度を検出する。そうすると、無線インターフェース112は、受信信号強度およびパケットを通信手段114へ出力する。
キュー113は、無線インターフェース112に対応して設けられる。そして、キュー113は、通信手段114からパケットを受け、その受けたパケットを保持する。
通信手段114は、後述する方法によって、単位時間においてチャネルが使用中またはセンシング状態である割合をチャネル占有率として測定する。
また、通信手段114は、後述する方法によって、無線インターフェース112におけるトラフィック量を演算する。また、通信手段114は、後述する方法によって、単位時間当たりにキュー113に格納するパケットの総数である総入力レートと、単位時間当たりにキュー113から取り出されるパケットの総数である総出力レートとを検出する。そして、通信手段114は、トラフィック量、伝送レート、総入力レートおよび総出力レートを監視サーバ50へ送信する。
更に、通信手段114は、無線インターフェース112から受けたパケットを有線インターフェース115へ出力する。
更に、通信手段114は、有線インターフェース115からパケットを受け、その受けたパケットをキュー113に格納する。
有線インターフェース115は、通信手段114からパケットを受け、その受けたパケットをネットワーク40を介して監視サーバ50へ送信する。
また、有線インターフェース115は、ネットワーク40を介して経路制御装置60から経路情報を受信し、その受信した経路情報を通信手段114へ出力する。
なお、図1に示すアクセスポイント11〜21の各々も、図3に示すアクセスポイント10と同じ構成からなる。
図4は、図1に示す経路制御装置60の構成図である。図4を参照して、経路制御装置60は、有線インターフェース61と、通信手段62と、制御モジュール63とを含む。
有線インターフェース61は、ネットワーク40を介してパケットを受信し、その受信したパケットを通信手段62へ出力する。
また、有線インターフェース61は、通信手段62からパケットを受け、その受けたパケットを送信する。
通信手段62は、有線インターフェース61を介して監視サーバ50から必要な情報を定期的に取得する。そして、通信手段62は、その取得した必要な情報を制御モジュール63へ出力する。
通信手段62は、経路制御後の経路情報を制御モジュール63から受け、その受けた経路情報を有線インターフェース61を介して経路制御の対象となっている端末装置へ送信する。
制御モジュール63は、必要な情報を通信手段62から受け、その受けた必要な情報に基づいて、後述する方法によって経路制御を行ない、その制御後の経路情報を通信手段62へ出力する。
経路選択に使用するメトリックについて説明する。
[チャネル占有率]
端末装置1〜9の各々の通信手段108は、単位時間においてチャネルが使用中またはセンシング状態である割合をチャネル占有率として測定する。より具体的には、端末装置1〜9の各々の通信手段108は、無線インターフェース102が単位時間においてパケットを送受信中またはセンシング状態である割合をチャネル占有率ATRSTA(102)として測定する。また、端末装置1〜9の各々の通信手段108は、無線インターフェース103,104についても同様にしてチャネル占有率ATRSTA(103),ATRSTA(104)を測定する。
アクセスポイント10〜21の各々の通信手段114は、無線インターフェース112が単位時間においてパケットを送受信中またはセンシング状態である割合をチャネル占有率ATRAP(112)として測定する。
図5は、チャネル占有率を測定する概念図である。タイマー31およびカウンタ32,33は、端末装置1〜9の無線インターフェース102〜104の各々、およびアクセスポイント10〜21の無線インターフェース112に含まれる。また、タイマー34および処理手段35は、端末装置1〜9の通信手段108およびアクセスポイント10〜21の通信手段114に含まれる。
端末装置1〜9におけるチャネル占有率の具体的な測定方法について説明する。タイマー31は、時刻情報を生成し、その生成した時刻情報をカウンタ32,33へ出力する。
カウンタ32,33は、タイマー31から受けた時刻情報に基づいて、1スロットの期間(=例えば、1μs)が経過すると、カウンタ値を“1”だけインクリメントして無線インターフェース102〜104が使用中でないときのスロットの個数numOFFをカウントする。
また、カウンタ33は、当該スロットの期間、チャネル(=無線インターフェース102〜104)が使用中またはセンシング状態であるときのみカウンタ値を“1”だけインクリメントして無線インターフェース102〜104が使用中またはセンシング状態であるときのスロットの個数numBusyをカウントする。
受信電力がキャリアセンス閾値よりも小さいとき、無線インターフェース102〜104が使用中でないと判定され、受信電力がキャリアセンス閾値以上であるとき、無線インターフェース102〜104が使用中またはセンシング状態であると判定される。
従って、カウンタ32は、無線インターフェース102〜104の各々に含まれる判定手段から受信電力がキャリアセンス閾値よりも小さいことを示す信号OFFを受けると、スロットの個数numOFFをカウントする。また、カウンタ33は、無線インターフェース102〜104の各々に含まれる判定手段から受信電力がキャリアセンス閾値以上であることを示す信号BUSYを受けると、スロットの個数numBusyをカウントする。
そして、カウンタ32は、そのカウントしたスロットの個数numOFFを処理手段35へ出力し、カウンタ33は、そのカウントしたスロットの個数numBusyを処理手段35へ出力する。
タイマー34は、時刻情報を生成して処理手段35へ出力する。処理手段35は、タイマー34からの時刻情報に基づいて、例えば、1sの取得周期でカウンタ32,33からそれぞれスロットの個数numOFF,numBusyを周期的に取得する。
周期tでのカウンタ値をnumOFF(t),numBusy(t)とする。そして、周期tでのチャネル占有率をATR(t)としたとき、最新のT周期でのチャネル占有率ATR(T)は、次式によって与えられる。
この場合、算出に用いる周期データ数T、物理層のスロット長、およびカウンタ値の取得周期は、システムパラメータとして設定可能である。
また、物理層でスロットの使用中/使用中でないの判定を行なう際、DIFSおよびSIFSを使用中と判定してスロットの個数numBusyに加算するかどうかを設定可能にしてもよい。
より具体的には、送信側では、データフレームを送信するときDIFSを、ACKフレームを送信するときSIFSを使用中と判定してスロットの個数numBusyに加算する。受信側では、データフレームを受信するときDIFSを、ACKフレームを受信するときSIFSを使用中と判定してスロットの個数numBusyに加算する。
従って、処理手段35は、スロットの個数numOFF,numBusyに基づいて、式(1)を用いて、チャネル占有率ATRSTA=ATR(T)を演算し、その演算したチャネル占有率ATRSTAを出力する。
アクセスポイント10〜21の各々においても、同様にして、チャネル占有率ATRAP=ATR(T)が演算される。
[1ビット当たりの送信所要時間]
端末装置1〜9の各々の通信手段108は、無線インターフェース102が通信を行なっている場合、無線インターフェース102の伝送レートTxRate(102)を無線インターフェース102とアクセスポイント(アクセスポイント10〜21のいずれか)との間の無線リンクのリンク品質として検出する。端末装置1〜9の各々の通信手段108は、同様にして、無線インターフェース103,104の伝送レートTxRate(103),TxRate(104)を無線インターフェース103,104とアクセスポイント(アクセスポイント10〜21のいずれか)との間の無線リンクのリンク品質として検出する。
また、アクセスポイント10〜21の各々の通信手段114は、無線インターフェース112が通信を行なっている場合、無線インターフェース112の伝送レートTxRate(112)を無線インターフェース112と端末装置(端末装置1〜9のいずれか)との間の無線リンクのリンク品質として検出する。
端末装置1〜9およびアクセスポイント10〜21の各々は、通信を行なっていない無線リンクに対しては、以下の方法によって伝送レートを推定する。
端末装置1〜9の各々において、無線インターフェース102〜104は、ビーコンフレームを受信する際、またはデータフレームをオーバーヒアリング(傍受)する際に受信信号強度RSSI(102)〜RSSI(104)を検出し、その検出した受信信号強度RSSI(102)〜RSSI(104)を通信手段108へ出力する。
端末装置1〜9の各々において、通信手段108は、予め保持しているテーブルTBL1(伝送レートと受信信号強度との関係を示す)を参照して、受信信号強度RSSI(102)に対応する伝送レートrSTA,AP(102)を検出する。
図6は、1ビット当たりの送信所要時間を算出する方法を説明するための概念図である。図6を参照して、ペイロードサイズがLバイトであるパケットをユニキャストする場合の送信所要時間は、ペイロードの送信時間だけではなく、DIFS、プリアンブル(preamble)、および確認応答(ACK)等の送信時間も含む。
そこで、一般的なIP(Internet Protocol)パケットの長さ(例えば、512バイト)をLとし、DIFS、SIFSおよびプリアンブル(preamble)等の伝送レートに依存しないオーバーヘッドをtOH1=DIFS+(DATAのpreamble)+SIFS+(ACKのpreamble)とし、データフレームのMAC(Media Access Control)層およびLLC(Logical Link Control)層のheaderおよびFCS(Frame Check Sequence)(=32バイト)と、ACKのアドレス(address)およびFCS(10バイト)とを伝送レートrで送信するときに要するオーバーヘッドをtOH2(r)=(32+10)×8/rとする。
端末装置1〜9の各々において、通信手段108は、ペイロードの1ビット当たりの送信所要時間tbit AP,STAを次式によって算出する。
なお、式(2)において、PERAP,STAは、端末装置(=端末装置1〜9のいずれか)とアクセスポイント(=アクセスポイント10〜21のいずれか)との間の無線リンクにおけるパケットエラー率である。
また、端末装置1〜9およびアクセスポイント10〜21のレート制御方式が適応レートである場合、PERAP,STAは、“0”に設定され、受信信号強度RSSIから算出されたrAP,STAのみが使用される。一方、端末装置1〜9およびアクセスポイント10〜21のレート制御方式が固定レートである場合、RSSIから算出されたPERAP,STAが使用される。
端末装置1〜9の各々において、通信手段108は、受信信号強度RSSIとパケットエラー率PERとの関係を示すテーブルTBL2を予め保持しているので、テーブルTBL2を参照すれば、受信信号強度RSSIに対応するパケットエラー率PERAP,STAを取得できる。
そして、端末装置1〜9の各々において、通信手段108は、式(2)を用いて、無線インターフェース102〜104がデータフレームを送信するときの1ビット当たりの送信所要時間tbit AP,STA(102)〜tbit AP,STA(104)を演算する。
アクセスポイント10〜21の各々において、通信手段114は、端末装置1〜9の通信手段108と同様にして、無線インターフェース112がデータフレームを送信するときの1ビット当たりの送信所要時間tbit STA,AP(112)を式(2)を用いて演算する。この場合、式(2)において、rSTA,APがrAP,STAに代えて用いられる。
[ポテンシャルスループット]
ポテンシャルスループットPTとは、単位時間当たりのチャネル未使用時間割合を、ある端末装置が全て利用できたときに達成できる最大スループットを言う。
図7は、ポテンシャルスループットの概念図である。なお、図7は、パケットの送信時のオーバーヘッドおよび再送等を考慮しない場合のポテンシャルスループットの概念を示す。
図7を参照して、端末装置1〜4は、アクセスポイント10と通信することによって、単位時間当たりにおいて、チャネルが使用中である割合が60%(即ち、チャネル占有率ATR(Air Time Ratio)=60%)であるとき、新規に参入する端末装置5とアクセスポイント10との間の無線リンクの伝送レートが54Mbpsであると推定された場合、残る40%の分を使用して端末装置5が達成できる最大スループットPTは、PT=(1−ATR)*54=21.6Mbpsである。
(i)シングルホップにおけるポテンシャルスループット
アクセスポイントj(jは10≦j≦21を満たす整数)におけるチャネル占有率をATRAPjとする。アクセスポイントjは、ビーコンフレームの送信時に測定したチャネル占有率ATRAPjをビーコンフレームに含めて送信する。
端末装置i(iは1≦i≦9を満たす整数)は、アクセスポイントjからビーコンフレームを受信した時に、受信信号強度RSSIAPj,STAiを測定する。また、端末装置iは、ビーコンフレームから該当するアクセスポイントのチャネル占有率ATRAPjを読み取る。そして、端末装置iは、その測定した受信信号強度RSSIAPj,STAiを用いて、上述した方法によって送信所要時間tbit APj,STAiを演算する。その後、端末装置iは、送信所要時間tbit APj,STAiと、チャネル占有率ATRAPjとを次式に代入してポテンシャルスループットPTAPj,STAiを演算する。
なお、式(3)において、ATRmは、区間[0,1]に属するシステムパラメータである。そして、ATRmは、例えば、0.95〜0.98の範囲の値に設定される。0.95〜0.98の範囲の値は、パケットの衝突を考慮して決定されたものである。
算出されたポテンシャルスループットPTAPj,STAiがシステムパラメータであるPTminよりも小さければ、ポテンシャルスループットPTAPj,STAiをPTminとする。PTminのデフォルト値は、最小の伝送レートに設定される。
端末装置1〜9の各々において、通信手段108は、無線インターフェース102〜104におけるチャネル占有率ATRAP(102)〜ATRAP(104)と、送信所要時間tbit AP,STA(102)〜tbit AP,STA(104)とを式(3)に代入してポテンシャルスループットPTAP,STA(102)〜PTAP,STA(104)を演算する。即ち、端末装置1〜9の各々の通信手段108は、無線インターフェース102〜104毎にポテンシャルスループットPTAP,STAを演算する。
(ii)マルチホップにおけるポテンシャルスループット
(算出方法1)
アクセスポイント(アクセスポイント10〜21のいずれか)からn−1(nは2以上の整数)ホップ目に位置する端末装置(親端末)は、自己とアクセスポイントとの間のエンド−エンドのポテンシャルスループットEPTn−1を含むルータ広告RADを生成し、その生成したルータ広告RADを自己よりもアクセスポイント側と反対側に位置する端末装置(子端末)へ送信する。
子端末は、チャネル占有率ATRSTAを含むビーコンフレームを受信し、そのビーコンフレームを受信したときの受信信号強度RSSIを検出する。そして、子端末は、ビーコンフレームからチャネル占有率ATRSTAを取り出す。
そうすると、子端末は、テーブルTBL1を参照して、受信信号強度RSSIに対応する伝送レートrを検出し、その検出した伝送レートrと、チャネル占有率ATRSTAと、式(2),(3)とを用いて、自己と親端末との間の無線リンクにおけるポテンシャルスループットPTnを算出する。
アクセスポイントからnホップ目に位置する端末装置とアクセスポイントとの間のエンド−エンドのポテンシャルスループットをEPTnとしたとき、nホップ目に位置する端末装置は、ルータ広告RADから取り出したポテンシャルスループットEPTn−1と、上述した方法によって演算したポテンシャルスループットPTnとを次式に代入してポテンシャルスループットをEPTnを演算する。
ここで、アクセスポイントへの直接リンクを有し、無線通信を中継する端末装置は、2つのWiFiの無線インターフェースを装備する場合、一方の無線インターフェースをインフラストラクチャモードによるアクセスポイントへの接続に用い、他方の無線インターフェースをアドホックモードによる中継に用いる。
この場合、2つの無線インターフェースが用いる2つのチャネルは、同じであるとは限らない。
図8は、マルチホップにおけるエンド−エンドのポテンシャルスループットの算出例を示す図である。
なお、図8の(a)は、2つの無線インターフェースが同じチャネルを使用する場合を示し、図8の(b)は、2つの無線インターフェースが異なるチャネルを使用する場合を示す。
図8を参照して、端末装置1の2つの無線インターフェースが同じチャネルを使用する場合、エンド−エンドのポテンシャルスループットEPT3(=アクセスポイント10−端末装置3間のポテンシャルスループット)は、次式によって算出される。
また、端末装置1の2つの無線インターフェースが相互に異なるチャネルを使用する場合、エンド−エンドのポテンシャルスループットEPT3(=アクセスポイント10−端末装置3間のポテンシャルスループット)は、次式によって算出される。
端末装置3は、式(5)または式(6)を用いてエンド−エンドのポテンシャルスループットEPT3を算出する。
(算出方法2)
図9は、マルチホップにおけるエンド−エンドのポテンシャルスループットの他の算出例を示す図である。
なお、図9の(a)は、2つの無線インターフェースが同じチャネルを使用する場合を示し、図9の(b)は、2つの無線インターフェースが異なるチャネルを使用する場合を示す。
アクセスポイントからn−1ホップ目に位置する中継端末(図9の端末装置2)は、自己と1ホップ目に位置する中継端末(図9の端末装置1)との間のパーシャルパスメトリックPPMn−1と、1ホップの端末(端末装置1)とアクセスポイント10との間のポテンシャルスループットPT1と、チャネル占有率ATRSTAとを含むビーコンフレームまたはルータ広告を生成し、その生成したビーコンフレームまたはルータ広告を子端末(端末装置3)へ送信する。
子端末(端末装置3)は、親端末(端末装置2)からのビーコンフレームまたはルータ広告を受信し、そのビーコンフレームまたはルータ広告を受信したときの受信信号強度RSSIを検出する。そして、子端末(端末装置3)は、テーブルTBL1を参照して、受信信号強度RSSIに対応する伝送レートrを検出し、その検出した伝送レートrと、ビーコンフレームまたはルータ広告から取り出したチャネル占有率ATRSTAとに基づいて、式(2),(3)を用いて、自端末と親端末(端末装置2)との間のポテンシャルスループットPT3を演算する。
そうすると、子端末(端末装置3)は、ビーコンフレームまたはルータ広告からパーシャルパスメトリックPPMn−1とポテンシャルスループットPT1とを取り出し、その取り出したパーシャルパスメトリックPPMn−1およびポテンシャルスループットPT1と、演算したポテンシャルスループットPT3とを次式に代入して子端末(端末装置3=nホップ目の端末装置)とアクセスポイント10との間のエンド−エンドのポテンシャルスループットEPTnを演算する。
図9を参照して、端末装置1の2つの無線インターフェースが同じチャネルを使用する場合、エンド−エンドのポテンシャルスループットEPT3(=アクセスポイント10−端末装置3間のポテンシャルスループット)は、式(7)の上側の式によって算出される。
また、端末装置1の2つの無線インターフェースが相互に異なるチャネルを使用する場合、エンド−エンドのポテンシャルスループットEPT3(=アクセスポイント10−端末装置3間のポテンシャルスループット)は、式(7)の下側の式によって算出される。
端末装置1〜9の各々において、通信手段108は、無線インターフェース102〜104の各々に対して、上述した算出方法1,2のいずれかを用いてエンド−エンドのポテンシャルスループットEPTn(102)〜EPTn(104)を演算する。
[トラフィック量]
経路切替処理において必要となる端末装置が通信ネットワークシステム100に与えるトラフィック負荷の指標として、トラフィックレートおよび伝送レートが挙げられる。アクセスポイントから端末装置iへのダウンリンクのトラフィックレートTrafficRateAP,STAiを、単位時間当たりに端末装置i宛てのパケットがアクセスポイントの送信キューに挿入されるレートと定義する。
また、端末装置iからアクセスポイントへのアップリンクのトラフィックレートTrafficRateSTAi,APを、中継トラフィックを除く、端末装置i発のパケットが単位時間当たりに端末装置iの送信キューに挿入されるレートと定義する。
そうすると、端末装置iのトラフィックレートTrafficRateSTAiは、次式によって与えられる。
従って、端末装置1〜9の各々は、上述した定義に従って、無線インターフェース102〜104に対するトラフィックレートTrafficRateSTAi,AP(102)〜TrafficRateSTAi,AP(104)を測定し、その測定したトラフィックレートTrafficRateSTAi,AP(102)〜TrafficRateSTAi,AP(104)を監視サーバ50へ送信する。
また、アクセスポイント10〜21の各々は、上述した定義に従って、無線インターフェース112に対するトラフィックレートTrafficRateAP,STAiを測定し、その測定したトラフィックレートTrafficRateAP,STAiを監視サーバ50へ送信する。
[負荷]
伝送レートTxRateSTAiをアクセスポイントと端末装置iとの間のパケット通信に用いられるレートとする。この場合、任意の端末装置iが通信ネットワークシステム100に与える負荷LoadSTAiは、トラフィックレートTrafficRateSTAiと、伝送レートTxRateSTAiとの関数LoadSTAi=f(TrafficRateSTAi,TxRateSTAi)によって定義される。
なお、負荷LoadSTAiは、例えば、次の2つの式によって表わされる。
なお、式(10)において、αおよびβの各々は、区間[0,1]の範囲の定数である。
[総入力レートおよび総出力レート]
総入力レート(IncomingRate)は、アクセスポイントまたは端末装置の送信キューにおいて、単位時間当たりに挿入される総トラフィック量(総パケット数)である。
また、総出力レート(OutgoingRate)は、アクセスポイントまたは端末装置の送信キューにおいて、単位時間当たりに取り出される総トラフィック量(総パケット数)である。
端末装置iに接続する端末を端末装置jとする。アクセスポイントおよび端末装置iの総入力レートIncomingRateおよび総出力レートOutgoingRateをそれぞれIncomingRateAP、OutgoingRateAP、IncomingRateSTAi、およびOutgoingRateSTAiとする。
そうすると、アクセスポイントおよび端末装置iの総入力レートIncomingRateは、次式によって定義される。
図10は、総入力レートおよび総出力レートの概念図である。図10を参照して、アクセスポイントAPにおける総入力レートIncomingRateAPは、アクセスポイントAPから各端末装置STAへのトラフィックの和に等しい。
また、端末装置STAiにおける総入力レートIncomingRateSTAiは、端末装置STAi発のトラフィックレートTrafficRateSTAi,APと端末装置STAj発の総出力レートOutgoingRateSTAjとの和に等しい。
以下、この発明の実施の形態による経路選択および経路切替について説明する。
[初期経路選択]
通信ネットワークシステム100に新規参入した端末装置(端末装置1〜9のいずれか)は、以下の方向によってアクセスポイントまたは端末装置に接続する。
(1)接続先のアクセスポイントが存在する場合
新規参入した端末装置1は、起動すると、無線インターフェース102〜104を用いて全てのチャネルを順にスキャンして周辺に存在するアクセスポイントからのビーコンフレームを収集する。そして、端末装置1は、自己が接続可能な接続先の候補となるアクセスポイントのリストLAPを作成する。
この場合、アクセスポイントは、常にチャネルを観測し、チャネル占有率ATRAPを算出する。そして、アクセスポイントは、その算出したチャネル占有率ATRAPを含むビーコンフレームを生成し、その生成したビーコンフレームを送信する。
端末装置1は、以下の手順に従って接続先のアクセスポイントを決定する。
(手順1)起動後、接続先の候補となるアクセスポイントのリストを作成
(手順1−1)全チャネルを順にスキャンしてビーコンフレームを収集
(手順1−2)検知したビーコンフレームからビーコンフレームの受信信号強度RSSIおよびチャネル占有率ATRAPを取得
(手順1−3)接続可能なアクセスポイント毎にポテンシャルスループットPTを算出
(手順2)ポテンシャルスループットの大きい順に端末装置に装備された無線インターフェースの個数分のアクセスポイントを選択
(手順3)選択したアクセスポイントへ接続
具体的に説明する。図11および図12は、それぞれ、初期の経路選択の方法を説明するための第1および第2の概念図である。また、図13は、接続先の候補となるアクセスポイントのリストを示す図である。
図11を参照して、アクセスポイント10〜14が端末装置1の周辺に存在する場合を想定する。そして、アクセスポイント10〜14は、それぞれ、チャネル占有率ATRAP10〜ATRAP14を含むビーコンフレームBcon10〜Bcon14を送信する。
端末装置1の無線インターフェース102〜104は、全てのチャネルを順にスキャンし、ビーコンフレームBcon10〜Bcon14を受信する(手順1−1)。この場合、無線インターフェース102〜104は、相互に同じチャネルを使用する場合もあれば、相互に異なるチャネルを使用する場合もある。また、無線インターフェース102〜104の各々は、1個のチャネルを用いてビーコンフレームBconを受信することもあれば、2個以上のチャネルを順に用いてビーコンフレームを受信することもある。
端末装置1の無線インターフェース102がビーコンフレームBcon10,Bcon11を受信し、無線インターフェース103がビーコンフレームBcon12,Bcon13を受信し、無線インターフェース104がビーコンフレームBcon14を受信したものとする。
そうすると、端末装置1において、無線インターフェース102は、ビーコンフレームBcon10,Bcon11を受信したときの受信信号強度RSSI10,RSSI11を検出し、ビーコンフレームBcon10,Bcon11および受信信号強度RSSI10,RSSI11を通信手段108へ出力する。
同様に、端末装置1の無線インターフェース103は、ビーコンフレームBcon12,Bcon13および受信信号強度RSSI12,RSSI13を通信手段108へ出力し、無線インターフェース104は、ビーコンフレームBcon14および受信信号強度RSSI14を通信手段108へ出力する。
そして、端末装置1の通信手段108は、無線インターフェース102〜104からビーコンフレームBcon10〜Bcon14および受信信号強度RSSI10〜RSSI14を受ける。その後、端末装置1の通信手段108は、ビーコンフレームBcon10〜Bcon14からそれぞれチャネル占有率ATRAP10〜ATRAP14を検出する(手順1−2)。
そうすると、端末装置1の通信手段108は、チャネル占有率ATRAP10および受信信号強度RSSI10に基づいて、式(2),(3)を用いて端末装置1−アクセスポイント10間の無線リンクにおけるポテンシャルスループットPT10を算出する。同様にして、端末装置1の通信手段108は、端末装置1−アクセスポイント11〜14間の無線リンクにおけるポテンシャルスループットPT11〜PT14を算出する(手順1−3)。
そして、端末装置1の通信手段108は、接続先の候補となるアクセスポイントのリストLAP(図13参照)を作成する。この場合、PT10>PT11>PT12>PT13>PT14の関係が成立するものとする。
その後、端末装置1の通信手段108は、ポテンシャルスループットPT10〜PT14から大きい順に無線インターフェース102〜104の個数(=3個)分のアクセスポイント10〜12を選択する(手順2)。
そして、端末装置1の無線インターフェース102〜104は、それぞれ、インフラストラクチャモードでアクセスポイント10〜12に接続する(手順3、図12参照)。
その後、端末装置1は、無線インターフェース102〜104によってアクセスポイント10〜12とインフラストラクチャモードで無線通信を行なう。
アクセスポイント10−無線インターフェース102間の無線リンクは、最も大きいポテンシャルスループットPT10を有し、アクセスポイント11−無線インターフェース103間の無線リンクは、2番目に大きいポテンシャルスループットPT11を有し、アクセスポイント12−無線インターフェース104間の無線リンクは、3番目に大きいポテンシャルスループットPT12を有する。
その結果、端末装置1は、接続可能なアクセスポイント10〜14からスループットを最大化できるアクセスポイント10〜12を選択して無線通信を行なう。
従って、ユーザに提供するスループットを最大化できる。
(2)接続先のアクセスポイントが存在しない場合
図14および図15は、それぞれ、マルチホップによる経路選択を説明するための第1および第2の概念図である。
図14を参照して、端末装置1がインフラストラクチャモードでアクセスポイント10に接続され、端末装置2がインフラストラクチャモードでアクセスポイント11に接続され、端末装置3,4がインフラストラクチャモードでアクセスポイント12に接続されている状態で、端末装置5をマルチホップでアクセスポイント10〜12のいずれかに接続する場合を想定する。
新規参入した端末装置5は、アクセスポイント10〜12のローカルネットワークのいずれにも属さないため、アクセスポイント10〜12からのビーコンフレームを直接受信できない。
そこで、端末装置5は、無線インターフェース102〜104を用いて端末装置5の周辺に存在する端末装置1〜4(周辺端末装置)からのビーコンフレームまたはルータ広告を受信し、端末装置1〜4が端末装置5の周辺に存在することを検知する。
この場合、端末装置1〜4は、それぞれ、ビーコンフレームBcon1〜Bcon4を送信するものとする。そして、ビーコンフレームBcon1は、端末装置1−アクセスポイント10間のエンド−エンドのポテンシャルスループットEPT1(1−10)とチャネル占有率ATRSTA1とを含む。また、ビーコンフレームBcon2は、端末装置2−アクセスポイント11間のエンド−エンドのポテンシャルスループットEPT1(2−11)とチャネル占有率ATRSTA2とを含む。更に、ビーコンフレームBcon3は、端末装置3−アクセスポイント12間のエンド−エンドのポテンシャルスループットEPT1(3−12)とチャネル占有率ATRSTA3とを含む。更に、ビーコンフレームBcon4は、端末装置4−アクセスポイント12間のエンド−エンドのポテンシャルスループットEPT1(4−12)とチャネル占有率ATRSTA4とを含む。
端末装置5において、無線インターフェース102は、ビーコンフレームBcon1,Bcon2を受信し、無線インターフェース103は、ビーコンフレームBcon3を受信し、無線インターフェース104は、ビーコンフレームBcon4を受信するものとする。
そうすると、端末装置5の無線インターフェース102は、ビーコンフレームBcon1,Bcon2を受信したときの受信信号強度RSSI1,RSSI2を検出し、ビーコンフレームBcon1,Bcon2および受信信号強度RSSI1,RSSI2を通信手段108へ出力する。
また、端末装置5の無線インターフェース103は、ビーコンフレームBcon3を受信したときの受信信号強度RSSI3を検出し、ビーコンフレームBcon3および受信信号強度RSSI3を通信手段108へ出力する。
更に、端末装置5の無線インターフェース104は、ビーコンフレームBcon4を受信したときの受信信号強度RSSI4を検出し、ビーコンフレームBcon4および受信信号強度RSSI4を通信手段108へ出力する。
そして、端末装置5の通信手段108は、ビーコンフレームBcon1からポテンシャルスループットEPT1(1−10)およびチャネル占有率ATRSTA1を取り出す。そして、端末装置5の通信手段108は、受信信号強度RSSI1、ポテンシャルスループットEPT1(1−10)およびチャネル占有率ATRSTA1に基づいて、上述した方法によって、端末装置5−アクセスポイント10間のエンド−エンドのポテンシャルスループットEPT5−10を算出する。
また、端末装置5の通信手段108は、同様にして、ビーコンフレームBcon2〜Bcon4および受信信号強度RSSI2〜RSSI4に基づいて、ポテンシャルスループットEPT5−11,EPT5−12(3),EPT5−12(4)を算出する。
そうすると、端末装置5の通信手段108は、ポテンシャルスループットEPT5−10,EPT5−11,EPT5−12(3),EPT5−12(4)から最大のポテンシャルスループットEPT5−11を選択し、無線インターフェース102〜104のいずれかを用いて端末装置2に接続する(図15参照)。
そして、端末装置5は、端末装置2を経由してアクセスポイント11とマルチホップで無線通信を行なう。つまり、端末装置5は、アドホックモードでアクセスポイント11と無線通信を行なう。
このように、新規参入した端末装置5は、インフラストラクチャモードでアクセスポイント10〜12に接続できない場合、自己の周辺に存在する端末装置1〜4を検知し、端末装置1〜4を経由した場合のエンド−エンドのポテンシャルスループットEPT5−10,EPT5−11,EPT5−12(3),EPT5−12(4)から最大のポテンシャルスループットEPT5−11を選択してアクセスポイント11とマルチホップで無線通信を行なう。
従って、ユーザに提供するスループットを最大化できる。
端末装置1または5以外の端末装置が新規参入した場合も、その新規参入した端末装置は、上述した方法によってアクセスポイントに接続する。
[リンク品質の低下による経路切替]
図16および図17は、それぞれ、リンク品質の低下による経路切替を説明するための第1および第2の概念図である。
図16を参照して、端末装置1が無線インターフェース102〜104によってそれぞれアクセスポイント10〜12と無線通信を行なっている場合を想定する。
端末装置1の通信手段108は、無線インターフェース102〜104がそれぞれアクセスポイント10〜12からビーコンフレームBcon10〜Bcon12を受信したときの受信信号強度RSSI10〜RSSI12の平均値RSSI10_AVE〜RSSI12_AVEを定期的に取得する。
そして、端末装置1の通信手段108は、平均値RSSI10_AVE〜RSSI12_AVEをしきい値RSSIthと比較し、平均値RSSI10_AVE〜RSSI12_AVEがしきい値RSSIthよりも小さいとき、リンク品質が低下したと判定する。
この場合、平均値RSSI10_AVE,RSSI11_AVE≧RSSIthであり、RSSI12_AVE<RSSIthであるとする。
そうすると、端末装置1の通信手段108は、無線インターフェース104−アクセスポイント12間のリンク品質が低下したことを検知する。
また、端末装置1の通信手段108は、上述した(手順1)〜(手順3)に従って、端末装置1−アクセスポイント10〜14間のポテンシャルスループットPT10〜PT14を演算する。
その後、端末装置1の通信手段108は、ポテンシャルスループットPT10〜PT14のうち、ポテンシャルスループットPT13が最も大きいことを検知する。そうすると、端末装置1の通信手段108は、アクセスポイント13からの受信信号強度RSSIがしきい値RSSIthよりも大きく、かつ、ポテンシャルスループットPT13が無線インターフェース104で得られているスループットよりも大きい場合、無線インターフェース104の接続先をアクセスポイント12からアクセスポイント13へ切り替える。即ち、端末装置1の通信手段108は、端末装置1−アクセスポイント12間の無線リンクを端末装置1−アクセスポイント13間の無線リンクに切り替える(図17参照)。
なお、端末装置1の通信手段108は、無線インターフェース102−アクセスポイント10間のリンク品質または無線インターフェース103−アクセスポイント11間のリンク品質が低下した場合も、上述した方法によって、経路を切り替える。
これによって、端末装置1は、最大のスループットで無線通信を行なう。
従って、ユーザに提供するスループットを最大化できる。
[過負荷に伴う経路切替]
図18および図19は、それぞれ、過負荷に伴う経路切替を説明するための第1および第2の概念図である。
図18を参照して、端末装置1〜6は、1つの無線インターフェース(無線インターフェース102〜104のいずれか)を用いてインフラストラクチャモードでアクセスポイント10に接続している。
また、端末装置7,8は、1つの無線インターフェース(無線インターフェース102〜104のいずれか)を用いてインフラストラクチャモードでそれぞれアクセスポイント11,12に接続している。
そして、端末装置1〜8のうち、端末装置3がアクセスポイント12に接続可能であり、端末装置5,6がアクセスポイント11とアクセスポイント12とに接続可能であり、端末装置8は、アクセスポイント10および11に接続可能である。
監視サーバ50は、端末装置1〜8におけるトラフィックレートTrafficRateSTA1〜TrafficRateSTA8、伝送レートTxRateSTA1〜TxRateSTA8、総入力レートIncomingRateSTA1〜IncomingRateSTA8、および総出力レートOutgoingRateSTA1〜OutgoingRateSTA8を端末装置1〜8から受信して管理している。
また、監視サーバ50は、接続先をアクセスポイント12へ切替え可能な端末装置3,5,6がアクセスポイント12からのビーコンフレームを受信した時に測定したRSSI12_3,RSSI12_5,RSSI12_6を端末装置3,5,6から受信する。そして、監視サーバ50は、接続先をアクセスポイント11へ切替え可能な端末装置5,6,8がアクセスポイント11からのビーコンフレームを受信した時に測定したRSSI11_5,RSSI11_6,RSSI11_8を端末装置5,6,8から受信する。更に、監視サーバ50は、接続先をアクセスポイント10へ切替え可能な端末装置8がアクセスポイント10からのビーコンフレームを受信した時に測定したRSSI10_8を端末装置8から受信する。そして、監視サーバ50は、RSSI12_3,RSSI12_5,RSSI12_6;RSSI11_5,RSSI11_6,RSSI11_8;RSSI10_8を管理する。
更に、監視サーバ50は、アクセスポイント10〜12におけるチャネル占有率ATRAP10〜ATRAP12をアクセスポイント10〜12から受信して管理している。
更に、監視サーバ50は、アクセスポイント10〜12における総入力レートと、総出力レートとをアクセスポイント10〜12から受信して管理している。
経路制御装置60の制御モジュール63は、トラフィックレートTrafficRateSTA1〜TrafficRateSTA8、伝送レートTxRateSTA1〜TxRateSTA8、総入力レートIncomingRateSTA1〜IncomingRateSTA8、総出力レートOutgoingRateSTA1〜OutgoingRateSTA8、伝送レートTxRateAP10〜TxRateAP12、RSSI10_8,RSSI11_8,RSSI11_5,RSSI11_6,RSSI12_3,RSSI12_5,RSSI12_6およびチャネル占有率ATRAP10〜ATRAP12、総入力レートIncomingRateAP10〜IncomingRateAP12および総出力レートOutgoingRateAP10〜OutgoingRateAP12を監視サーバ50から取得する。
そして、経路制御装置60の制御モジュール63は、端末装置1〜8の総入力レートIncomingRateSTA1〜IncomingRateSTA8、および総出力レートOutgoingRateSTA1〜OutgoingRateSTA8と、アクセスポイント10〜12の総入力レートIncomingRateAP10〜IncomingRateAP12および総出力レートOutgoingRateAP10〜OutgoingRateAP12とに基づいて、端末装置1〜8およびアクセスポイント10〜12において過負荷が発生しているか否かを判定する。
より具体的には、経路制御装置60の制御モジュール63は、総入力レートIncomingRateSTA1が総出力レートOutgoingRateSTA1よりも大きいか否かを判定することによって端末装置1において過負荷が発生しているか否かを判定する。端末装置2〜8およびアクセスポイント10〜12についても同様である。
その結果、経路制御装置60の制御モジュール63は、端末装置1において過負荷が発生していることを検知する(図18参照)。
経路制御装置60の制御モジュール63は、端末装置1において過負荷が発生していることを検知すると、インフラストラクチャモードでアクセスポイント10に接続し、かつ、他の端末装置へ中継を行なっていない端末装置を端末装置1〜6から選択する。
この場合、端末装置1〜6の全てが他の端末装置へ中継を行なっていないものとする。
その後、経路制御装置60の制御モジュール63は、接続先を切替え可能な端末装置3,5,6のトラフィックレートTrafficRateSTA3,TrafficRateSTA5,TrafficRateSTA6、および伝送レートTxRateSTA3,TxRateSTA5,TxRateSTA6に基づいて、端末装置3,5,6における負荷LoadSTA3,LoadSTA5,LoadSTA6を式(9)または式(10)によって演算する。
そして、経路制御装置60の制御モジュール63は、負荷LoadSTA3,LoadSTA5,LoadSTA6を大きい順に並べた負荷リストLADを作成する。
図20は、負荷リストの概念図である。図20を参照して、負荷リストLADは、負荷とアドレスとからなる。負荷およびアドレスは、相互に対応付けられる。
負荷は、上述した方法によって演算された負荷からなる。アドレスは、対応する負荷を有する端末装置のMACアドレスからなる。
負荷LoadSTA3,LoadSTA5,LoadSTA6は、LoadSTA5>LoadSTA6>LoadSTA3の関係を有するものとする。
そうすると、経路制御装置60の制御モジュール63は、負荷リストLADを参照して、端末装置3,5,6のうち、最も大きい負荷を有する端末装置5を選択する。
そして、経路制御装置60の制御モジュール63は、端末装置5が接続する可能性があるアクセスポイント11,12におけるチャネル占有率ATRAP11,ATRAP12およびRSSI11_5,RRSI12_5に基づいて、端末装置5をアクセスポイント11,12へ切り替えたときに使用できるポテンシャルスループットPT11_5,PT12_5を上述した方法によって算出する。
その後、経路制御装置60の制御モジュール63は、端末装置5のトラフィックレートTrafficRateSTA5およびアクセスポイント11,12におけるポテンシャルスループットPT11_5,PT12_5に基づいて、TrafficRateSTA5<PT11_5およびTrafficRateSTA5<PT12_5のいずれが成立するかを判定する。そして、経路制御装置60の制御モジュール63は、TrafficRateSTA5<PT11_5およびTrafficRateSTA5<PT12_5の両方が成立すると判定し、ポテンシャルスループットPT11_5,PT12_5の大きい順に並べた接続先アクセスポイントリストLAPSTA−5を作成する。
接続先アクセスポイントリストLAPSTA−5は、PT11_5>PT12_5である場合、LAPSTA−5=[PT11_5:MACadd11/PT12_5:MACadd12]からなる。
引き続いて、経路制御装置60の制御モジュール63は、過負荷が検知された端末装置1における総入力レートIncomingRateSTA1および総出力レートOutgoingRateSTA1に基づいて、移動量ShiftRate=IncomingRateSTA1−OutgoingRateSTA1を演算する。
そして、経路制御装置60の制御モジュール63は、端末装置3を経路切替リストML={Null}に追加する(ML={STA5→AP11})。つまり、経路制御装置60は、端末装置5をアクセスポイント11へ移動させることを決定する。
その後、経路制御装置60の制御モジュール63は、端末装置5をアクセスポイント11へ移動させた後のアクセスポイント10のローカルネットワークにおける負荷ShiftRateをShiftRate=ShiftRate−TrafficRateSTA5によって演算する。
引き続いて、経路制御装置60の制御モジュール63は、端末装置5をアクセスポイント11へ移動させた後のアクセスポイント11におけるチャネル占有率ATRAP11をATRAP11=ATRAP11+TrafficRateSTA5×tSTA5,AP11によって算出する。
ここで、tSTA5,AP11は、RSSI11_5に基づいて、式(2)を用いて計算された1ビット当たりの送信所要時間である。
そして、経路制御装置60の制御モジュール63は、既に演算した端末装置5の接続先の切替後の負荷ShiftRateが“0”よりも小さいか否かを判定する。
ShiftRate<0である場合、経路制御装置60の制御モジュール63は、端末装置5の接続先の切替を決定し、接続先(=アクセスポイント11)を端末装置5へ送信する。
そして、端末装置5は、経路制御装置60から接続先(=アクセスポイント11)を受信し、接続先をアクセスポイント10からアクセスポイント11に切り替える(図19参照)。
一方、ShiftRate≧0である場合、経路制御装置60の制御モジュール63は、負荷リストLADに基づいて、端末装置6を検出し、端末装置6を移動させるか否かを上述した方法によって決定する。
そして、経路制御装置60の制御モジュール63は、ShiftRate<0になるまで、負荷リストLADに基づいて、移動させる端末装置6,3を順次選択し、その選択した端末装置6,3を移動させるか否かを判定する。
このように、経路制御装置60は、過負荷になった端末装置1を検知し、過負荷になった端末装置1と同じローカルネットワーク内に存在する端末装置1〜6を負荷の多い順に他のアクセスポイント11,12のローカルネットワーク内へ移動させる。従って、過負荷が発生した端末装置をアクセスポイント11,12のローカルネットワーク内へ移動させない場合もある。
その結果、アクセスポイント10〜12のローカルネットワークにおいて過負荷が発生せず、通信ネットワークシステム100全体のスループットが向上する。
従って、ユーザに供給するスループットを最大化できる。
なお、この発明の実施の形態においては、各アクセスポイント10〜21において過負荷を検知した場合にも、その過負荷が検知されたローカルネットワーク内の端末装置を上述した方法によって他のローカルネットワークへ移動させる。
また、この発明の実施の形態においては、端末装置1〜9またはアクセスポイント10〜21が過負荷を検知してもよい。この場合、端末装置1〜9またはアクセスポイント10〜21の各々は、自己における過負荷を検知すると、経路切替要求と、移動量ShiftRateとを経路制御装置60へ送信する。そして、経路制御装置60は、経路切替要求に基づいて、上述した方法によって、過負荷が発生しないように、端末装置の接続先を切り替える。
図21は、過負荷に伴う自律的な経路切替の概念図である。図21を参照して、端末装置5は、端末装置2を介してアクセスポイント11とマルチホップで無線通信を行なっている。
最も下位に位置する端末装置5は、上述した方法によって、自己が過負荷であることを自律的に検知すると、端末装置1〜4が自己の周辺に存在することを上述した方法によって検知する。
そして、端末装置5は、端末装置1〜4からのビーコンフレームBcon1〜Bcon4に基づいて、上述した方法によって、端末装置1〜4を経由した場合のエンド−エンドのポテンシャルスループットEPT(5−1−10),EPT(5−2−11),EPT(5−3−12),EPT(5−4−12)を演算する。
その後、端末装置5は、ポテンシャルスループットEPT(5−1−10),EPT(5−2−11),EPT(5−3−12),EPT(5−4−12)から最大のポテンシャルスループットEPT(5−1−10)を選択し、ポテンシャルスループットEPT(5−1−10)が自端末でのIncomingRateよりも大きい場合、端末装置5−端末装置2−アクセスポイント11からなる経路を端末装置5−端末装置1−アクセスポイント10からなる経路に切り替える。
その結果、端末装置5を送信元または送信先とする通信のスループットが向上する。
従って、ユーザに提供するスループットを最大化できる。
なお、上記においては、総入力レートが総出力レートよりも大きいとき、過負荷であると判定すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、総入力レートから総出力レートを減算した減算結果が一定時間以上の間、正であれば、過負荷であると判定するようにしてもよい。この場合、一定時間は、10秒よりも短い時間であって、経路切替に要する時間よりも長い時間に設定される。
また、この発明の実施の形態においては、端末装置1〜9およびアクセスポイント10〜21の出力キューの長さが任意の閾値を一定時間以上越える場合に過負荷と判定するようにしてもよい。
更に、上記においては、端末装置1〜9の各々は、3個の無線インターフェース102〜104を備えると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、端末装置1〜9の各々は、i(iは正の整数)個の無線インターフェースを備えていればよい。
無線インターフェースの個数が1個である場合、上述した(手順1)〜(手順3)によって選択される接続先のアクセスポイントは、最大のポテンシャルスループットを有するアクセスポイントである。
更に、初期経路選択においては、一般的に、j(jは正の整数)個のアクセスポイントがビーコンフレームを定期的に送信し、端末装置1〜9の各々は、j個のビーコンフレームのうち、k(kは1≦k≦jを満たす整数)個のビーコンフレームを受信する。
更に、この発明の実施の形態においては、通信ネットワークシステム100は、端末装置1〜9と、アクセスポイント10〜21とを備えていればよい。端末装置1〜9と、アクセスポイント10〜21とを備えていれば、上述した初期経路選択、リンク品質の低下に伴う経路切替、および自律的な経路切替によって、通信ネットワークシステム100におけるスループットが向上し、ユーザに提供するスループットを最大化できるからである。
なお、この発明の実施の形態においては、端末装置1〜9の各々において、ビーコンフレームまたはルータ広告を受信する無線インターフェース102〜104の各々は、「受信手段」を構成し、ビーコンフレームまたはルータ広告を受信したときの受信信号強度を検出する無線インターフェース102〜104の各々は、「検出手段」を構成し、上述した方法によって、複数のアクセスポイントとの間の経路における複数のポテンシャルスループットPTを演算する通信手段108は、「演算手段」を構成し、複数のポテンシャルスループットPTに基づいてポテンシャルスループットの大きい順に接続先のアクセスポイントを選択する通信手段108は、「選択手段」を構成する。
また、この発明の実施の形態においては、端末装置1〜9の各々において、リンク品質が低下した場合に経路を切り替える通信手段108は、「切替手段」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、端末装置1〜9の各々において、過負荷を検知する通信手段108は、「検知手段」を構成し、過負荷の検知に伴って経路を切り替える通信手段108は、「切替手段」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、経路制御装置60において、過負荷を検知する制御モジュール63は、「検知手段」を構成し、過負荷が検知された端末装置におけるトラフィックレートよりも大きいポテンシャルスループットを有するアクセスポイントを検出する制御モジュール63は、「検出手段」を構成し、接続先を送信する制御モジュール63は、「切替手段」を構成し、経路切替要求を端末装置1〜9から受信する制御モジュール63は、「受信手段」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、ビーコンフレームまたはルータ広告は、「制御フレーム」を構成する。
更に、この発明の実施の形態においては、端末装置1〜9が送信する経路切替要求は、「過負荷通知」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。