以下、本発明による無線通信装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による無線通信装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による無線通信装置は、無線通信の収容可否に関する予測の成否に応じて、無線通信の収容限界を示す境界情報を調整するものである。
図1は、本実施の形態による無線通信装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による無線通信装置1は、収容予測装置2と、通信部11と、制御部12と、処理部13とを備える。また、収容予測装置2は、自セル利用状況取得部21と、他セル利用状況取得部22と、関係式特定部23と、予測部24と、判断部25と、履歴情報蓄積部26と、調整部27とを備える。なお、無線通信装置1は、例えば、アクセスポイント(AP)のような無線基地局であってもよく、ステーション(STA)のような無線端末装置であってもよい。無線端末装置である無線通信装置1は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等であってもよい。また、本実施の形態では、無線通信装置1が、自律分散無線通信システムにおいて無線通信を行う場合について主に説明する。また、本実施の形態では、その無線通信が無線LANの通信である場合について主に説明するが、それに限定されるものではない。
自セル利用状況取得部21は、無線通信装置1が無線通信を行う自セルの現在の無線リソース利用状況である自セル現在利用状況を取得する。この自セル現在利用状況は、自セルにおける最新の自セル利用状況であってもよく、最新の自セル利用状況と同一視することができる程度新しい自セル利用状況であってもよい。なお、自セル利用状況とは、自セルの無線リソース利用状況である。自セルとは、無線通信装置1が属するセルのことである。無線通信装置1が無線基地局である場合には、無線基地局である無線通信装置1と無線通信を行う無線端末装置の範囲が自セルとなる。また、無線通信装置1が無線端末装置である場合には、無線通信装置1が無線通信を行う無線基地局と無線通信を行う無線端末装置の範囲が自セルとなる。その範囲に、無線通信装置1も含まれていることは当然である。無線リソース利用状況とは、無線リソースの時間方向の利用状況のことであり、無線リソースの時間方向の利用率であってもよく、単位時間あたりの無線リソースの利用時間であってもよく、無線リソースの時間方向の利用状況を示すその他の情報であってもよい。この利用状況は、例えば、利用状況の代表値であってもよい。代表値は、例えば、平均値であってもよく、中間値であってもよい。自セルの無線リソースの利用率は、自セルに属する装置が無線通信を行った時間を、その無線通信の観測時間で割った値である。自セルの無線リソースの利用時間は、単位時間である観測期間中に自セルに属する装置が無線通信を行った時間である。なお、無線通信の行われている時間に、無線信号に含まれる無線信号の予定使用期間(NAV期間:Network Allocation Vector期間)を含めてもよく、または、含めなくてもよい。また、無線リソース利用状況は、通常、周波数帯域ごとの情報であり、具体的には、チャネルごとの情報であってもよい。以下、本実施の形態では、一つのチャネルの無線リソース利用状況について主に説明を行うものとする。これらのことは、後述する他セルの無線リソース利用状況についても同様である。また、本実施の形態では、あらかじめ決められた一定の時間長(以下、「制御スロット」と呼ぶ)ごとに無線リソース利用状況の取得や無線通信の収容可否の予測等の処理を行うものとする。したがって、自セル利用状況取得部21は、その制御スロットごとに自セル現在利用状況を取得するものとする。このことは、後述する他セル現在利用状況を取得する際にも同様である。
自セル利用状況取得部21は、キャリアセンスに応じて自セル現在利用状況を取得してもよく、自セルにおける無線通信のオファードロード(offered load)に応じて、自セル現在利用状況を算出してもよく、または、他の装置から自セル現在利用状況を受け取ってもよい。キャリアセンスに応じて自セル現在利用状況を取得する場合には、センシング結果において、自セルの無線信号と他セルの無線信号とを区別する必要がある。通常、自セルの無線信号については、無線通信装置1で復調できるため、復調を行うことによって、自セルの無線信号と他セルの無線信号とを区別してもよい。なお、無線通信装置1において必須レートである伝送レートの無線信号しか復調できない場合には、オプションレートである伝送レートの無線信号を復調することができないが、その場合には、例えば、必須レートで送信される制御信号(例えば、RTSやCTS、ACK等)を用いて、自セルの無線信号かどうかを判断するようにしてもよい。また、無線通信装置1が無線基地局である場合には、通常、自セルのすべての無線信号を送信または受信するため、自セルの無線信号と他セルの無線信号とを区別することができる。オファードロードとは、無線通信を行う装置が実際に伝送しようとするトラフィック量のことである。その装置は、無線通信装置1であってもよく、または自セルに属する他の装置であってもよい。オファードロードは、アプリケーション層の要求データレートであると考えてもよい。例えば、あるアプリケーションが10Mb/sの無線通信を要求する場合には、オファードロードは、「10Mb/s」である。自セル利用状況取得部21は、例えば、自セルのオファードロードを、自装置のアプリケーション層から受け取ってもよく、他の装置から受け取ってもよく、または、予測してもよい。他の装置から受け取る場合としては、例えば、無線基地局である無線通信装置1が、自セル内の各無線端末装置からオファードロードを受信する場合や、無線端末装置である無線通信装置1が、自セルの無線基地局から自セルのオファードロードを受信する場合などがある。また、予測する場合としては、例えば、自セルのトラフィックパターンに基づいて、アプリケーショントラフィックを推定する場合(例えば、ある無線通信について、U(Kb/s)のVoIPであると推定する場合等)や、自セルの各トラフィックのスループットを推定し、そのスループットを自セルのオファードロードとする場合などがある。なお、オファードロードを用いて自セル現在利用状況を算出する場合には、そのオファードロードに応じたトラフィックの伝送レートやパケットサイズ等の情報も必要となる。その伝送レート等については、例えば、無線端末装置である無線通信装置1は、自セルの無線基地局から受信してもよい。また、無線基地局である無線通信装置1は、当然、各無線端末装置との無線通信の伝送レート等を知っていることになる。また、無線通信装置1は、自セルの無線通信を観測することにより、伝送レートやパケットサイズを取得することもできる。他の装置から自セル現在利用状況を受け取る場合には、例えば、無線端末装置である無線通信装置1が、無線基地局から自セル現在利用状況を受信してもよい。取得された自セル現在利用状況は、図示しない記録媒体で一時的に記憶されてもよい。
ここで、オファードロードや伝送レート等を用いて自セル現在利用状況を算出する方法について説明する。そのようにして算出した自セルの無線リソース利用率の近似値を、「仮想無線リソース利用率」と呼ぶことがある。したがって、自セルの仮想無線リソース利用率も、自セル利用状況であると言うことができる。
再送が起きないと仮定した場合には、データと、それに対するACKとの送信時間が無線リソースの利用時間となるため、アプリケーションnの無線リソース利用率ρs,nは、次式のようになる。
ρs,n=Σ{(アプリケーションnのデータフレームの送信時間+アプリケーションnのデータフレームのACKにかかる時間)/MT}
MTは、無線リソース利用率を算出するための計測期間であり、本実施の形態では制御スロットの時間長である。また、上記式のΣは、MTの期間に送信されたアプリケーションnのデータフレームについての和である。したがって、上記式は、次式のようになる。
ρs,n=NDATA,n×(DDATA,n+DACK,n) (1)
ここで、NDATA,nは、アプリケーションnが制御スロットにおいて単位時間に送信するデータフレーム数であり、DDATA,nは、アプリケーションnのデータフレームの送信にかかる平均時間であり、DACK,nは、アプリケーションnのデータフレームのACKにかかる時間である。DACK,nは、ACKの伝送レートのみによって一意に決定される時間である。(1)式のNDATA,n、DDATA,nは、それぞれ次式のようになる。なお、Onは、アプリケーションnのオファードロード(b/s)であり、Lavg,nは、アプリケーションnの平均パケットサイズ(Byte)である。なお、本シミュレーションでは、MTUサイズを超えるアプリケーションパケットの場合は、平均IPパケットサイズをMTUサイズであると仮定した。また、Dfixedは、伝送レートに依存しない物理層オーバヘッド(preamble長)であり、Lfixedは、伝送レートに依存する物理層以外のオーバヘッドであり、Rnは、アプリケーションnの伝送レート(b/s)である。
NDATA,n=On/(Lavg,n×8)
DDATA,n=Dfixed+(Lavg,n×8+Lfixed)/Rn
したがって、(1)式の無線リソース利用率は、次式のようになる。
ρs,n=coefn×On/Rn
ただし、coefnは次の通りである。
coefn=1+{(Dfixed+DACK,n)×Rn+Lfixed}/(Lavg,n×8)
したがって、自セルの無線リソース利用率ρsは、次のようになる。なお、Sは、注目している制御スロットにおいて無線通信を行う自セルの全アプリケーションの集合である。
ρs=Σn∈S{coefn×On/Rn} (2)
このように、各アプリケーションのオファードロード、伝送レート、及び平均パケットサイズから、無線リソース利用率である自セル利用状況を算出することができる。したがって、自セル利用状況取得部21は、自セルにおけるオファードロード等に応じて、上述のようにして自セル現在利用状況(自セルの仮想無線リソース利用率)を取得できる。なお、802.11gデータフレームフォーマットから、Dfixedは、16+4=20(μs)となり、Lfixedは、{(2+24+8+20+8+4)×8+6}=534(bit)となる。なお、ここでは、説明の簡略化のため、padding領域は考慮していない。
他セル利用状況取得部22は、自セルと干渉しうる他セルの現在の無線リソース利用状況である他セル現在利用状況を取得する。この他セル現在利用状況は、他セルにおける、最新の他セル利用状況であってもよく、最新の他セル利用状況と同一視することができる程度新しい他セル利用状況であってもよい。なお、他セル利用状況とは、他セルの無線リソース利用状況である。他セルは、1個のセルであってもよく、2個以上のセルであってもよい。他セルは、自セルに対する干渉セルであり、例えば、自セルと隣接する他のセルである。他セル利用状況取得部22は、キャリアセンスに応じて他セル現在利用状況を取得してもよく、または、他の装置から他セル現在利用状況を受け取ってもよい。キャリアセンスに応じて他セル現在利用状況を取得する場合には、他セル利用状況取得部22は、例えば、センシング結果から得られた無線リソースの利用期間から、自セルの通信期間を除いた期間を用いて、現在の無線リソース利用率や現在の無線リソース利用時間を算出してもよい。センシング結果において自他セルの通信を区別する方法は、上述の通りである。また、センシング結果を用いて他セル現在利用状況を取得する場合には、他セル利用状況取得部22は、自セルと他セルとの両方に対応する無線リソース利用状況(すなわち、すべての無線リソース利用状況)から、自セル利用状況取得部21が取得した自セル現在利用状況を減算した無線リソース利用状況である他セル現在利用状況を取得してもよい。また、他の装置から他セル現在利用状況を受け取る場合には、例えば、無線端末装置である無線通信装置1が、無線基地局から他セル現在利用状況を受信してもよい。
関係式特定部23は、自セル利用状況取得部21が取得した自セル現在利用状況、及び他セル利用状況取得部22が取得した他セル現在利用状況を用いて、自セル利用状況と他セル利用状況との関係を示す関係式を特定する。なお、関係式特定部23は、ある制御スロットで取得された自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況を用いて、その次の制御スロットにおける無線通信の収容可否の予測で用いられる関係式を特定することになる。自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況を通る、自セル利用状況と他セル利用状況との関係を示す関係式は、自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況に応じて変化するものである。具体的には、線形な関数である関係式の傾きや切片が、出発点である自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況に応じて変化する。したがって、関係式特定部23は、自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況を用いて、両者を通過する自セル利用状況と他セル利用状況との関係を示す関係式を特定することになる。この関係式は、例えば、図3Aにおいて、左下から右上方向に延びる直線を示す式である。なお、図3Aは、自セルのオファードロードがない場合の他セルの無線リソース利用率を16%,25%,35%,45%の4パターンとして自セル及び他セルの無線リソース利用率を変化させたシミュレーション結果である。詳細については、上記非特許文献1を参照されたい。上記非特許文献1に記載されているように、この関係式は、
y=a(x+c) (3)
と記載できる。なお、xは自セル利用状況であり、yは他セル利用状況であり、cは、あらかじめ決められた定数であり、aは、自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況によって決まる係数である。ここで、係数aは、通常、正の値である。自セル利用状況の増加に応じて無線信号の衝突が増え、それに応じて他セル利用状況も増加すると考えられるためである。上記(3)式から、自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況がそれぞれ、xcur、ycurである場合には、関係式特定部23は、
a=ycur/(xcur+c) (4)
のように係数aの値を決定することができ、その結果、関係式である(3)式を特定できる。なお、関係式を特定するとは、結果として、関係式が特定されればよいという意味である。したがって、関係式特定部23は、関係式を特定するため、例えば、(3)式における係数aを特定してもよく、(3)式そのものを特定してもよい。係数や式を特定するとは、係数等を図示しない記録媒体に蓄積することであってもよい。また、上記非特許文献1に記載されているように、例えば、c=80.45となる。
予測部24は、図示しない記録媒体で記憶されている境界情報と、関係式特定部23が特定した関係式と、自セル現在利用状況とを用いて、無線通信の収容可否に関する予測を行う。なお、予測部24は、後述するように、前制御スロットにおける判断結果に応じて調整された境界情報と、前制御スロットで取得された自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況を用いて特定された関係式と、前制御スロットで取得された自セル現在利用状況とを用いて、現制御スロットにおける無線リソースの割り当てで用いる予測を行うことになる。現制御スロットは、前制御スロットの次の制御スロットである。その予測は、例えば、自セルの無線リソース利用状況が増加する場合における無線通信の収容可否に関する予測であってもよく、自セルの無線リソース利用状況が減少する場合における無線通信の収容可否に関する予測であってもよく、他セルの無線リソース利用状況が増加または減少する場合における無線通信の収容可否に関する予測であってもよい。本実施の形態では、自セルの無線リソース利用状況が増加する場合における無線通信の収容可否に関する予測について主に説明し、それ以外の予測については後述する。なお、収容可否とは、伝送しようとするすべてのトラフィックが所望の伝送品質を満たすことができるかどうかを意味している。すなわち、収容可能である場合には、無線通信の各トラフィックにおいて、所望の伝送品質が満たされることになる。一方、収容不可能である場合には、無線通信の少なくともいずれかのトラフィックにおいて、所望の伝送品質が満たされないことになる。次に、境界情報について説明する。図3Aでは、自セルで無線通信を収容可能であるときの自セル利用状況(自セルの仮想無線リソース利用率)及び他セル利用状況(他セルの無線リソース利用率)を○や□等でプロットしており、自セルで無線通信を収容不可能であるときの自セル利用状況及び他セル利用状況を×や−等でプロットしている。例えば、スループットがオファードロードに応じた閾値より大きい場合に、収容可能であるとし、そうでない場合に収容不可能であるとしてもよい。オファードロードに応じた閾値は、例えば、オファードロードそのものであってもよく、オファードロードに、1に近い値をかけたものであってもよい。境界線Aは、収容可能な利用状況(○等)と収容不可能な利用状況(×等)との境界を示す線である。その境界線Aに応じた自セル利用状況と他セル利用状況との関係を示す情報が境界情報である。したがって、上述のように、xを自セル利用状況とし、yを他セル利用状況とした場合には、境界線Aに対応する式である
y=F(x) (5)
を境界情報としてもよい。その関数Fは、図3Aで示されるように線形な関数であってもよい。例えば、p、qが任意の実数である場合に、F(x)=px+qとなってもよい。すなわち、
y=px+q (6)
となってもよい。そのような場合に、境界情報は、p、qを示す情報であってもよい。本実施の形態では、境界情報が、線形な関数である場合について主に説明する。図3Aで示される境界線Aは、次式のようになる(上記非特許文献1参照)。
y=−1.1×x+73.137 (7)
ここで、その境界線Aの算出方法について簡単に説明する。図3Bは、自セルで無線通信を収容可能であるときの自セル利用状況(自セルの無線リソース利用率)及び他セル利用状況(他セルの無線リソース利用率)を○でプロットしており、自セルで無線通信を収容不可能であるときの自セル利用状況及び他セル利用状況を×でプロットしているシミュレーション結果である。その○と×との境界が収容可否境界線となる。その境界線を決定するアルゴリズムは問わない。SVM(Support Vector Machine)のように、マージンを最大化する線形分類器を用いて境界線を設定してもよく、その他の方法を用いて、境界線を設定してもよい。上記式(7)の式は、図3Bのシミュレーション結果において、境界線AをSVMによって算出したものである。
なお、境界線Aに対して、○の側のことを収容可能側と呼び、×の側のことを収容不可能側と呼ぶことがある。また、境界線Aに対して、○の側の領域を収容可能領域と呼び、×の側の領域を収容不可能領域と呼ぶことがある。
また、予測部24は、境界情報や関係式を直接的に用いて予測を行ってもよく、または、間接的に用いて予測を行ってもよい。直接的に用いるとは、予測部24が、境界情報そのものや、関係式そのものを予測に直接用いることである。間接的に用いるとは、予測部24が、境界情報に応じた式や、関係式に応じた式を用いることである。
また、予測部24は、調整部27によって境界情報の調整が行われた場合には、その調整された境界情報を用いた予測を行うことになる。すなわち、予測部24は、上記(6)、(7)式ではなく、後述する(10)式で示される境界線を用いた予測を行う。
予測部24による無線通信の収容可否に関する予測は、無線通信を追加して収容できるかどうかの予測や、無線通信をどこまで収容できるかの予測等である。具体的には、予測部24が行う予測は、(A)追加のオファードロードに応じた無線通信の収容可否に関する予測であってもよく、(B)自セルにおいて追加して収容可能な無線通信に関する予測であってもよく、自セルの無線リソース利用状況が増加する場合の無線通信の収容可否に関するその他の予測であってもよい。以下、その(A)、(B)の予測について、説明する。
(A)追加のオファードロードに応じた無線通信の収容可否に関する予測
予測部24は、自セルにおける無線通信の追加のオファードロードを追加した後の自セル利用状況を用いて、追加のオファードロードに応じた無線通信の収容可否について判断してもよい。追加のオファードロードは、今後、追加したいオファードロードのことである。追加のオファードロードは、例えば、現在は無線通信を行っていないが、新たに無線通信を開始したいアプリケーションのオファードロードであってもよく、現在の無線通信よりもトラフィックを増やしたいアプリケーションの増加分のオファードロードであってもよい。その追加のオファードロードが無線通信装置1のオファードロードである場合には、予測部24は、例えば、処理部13等から、追加のオファードロードを受け取ってもよい。予測部24は、処理部13等から、その追加のオファードロードと共に、伝送レートやパケットサイズも受け取ってもよい。また、その追加のオファードロードが自セルに属する他の装置のオファードロードである場合には、予測部24は、例えば、通信部11を介して、他の装置から追加のオファードロードを受け取ってもよい。予測部24は、他の装置から、その追加のオファードロードと共に、伝送レートやパケットサイズも受け取ってもよい。なお、伝送レートやパケットサイズは、前述のように、オファードロードから無線リソース利用状況を算出するために必要な情報である。また、追加のオファードロードが2以上ある場合には、それぞれについて予測の処理を行ってもよく、それらをあわせたものについて予測の処理を行ってもよく、または、それらのすべての組み合わせについて予測の処理を行ってもよい。
予測部24は、追加のオファードロードを受け取ると、その追加のオファードロードを追加した後の自セル利用状況を算出する。例えば、自セルにおける無線通信の現在のオファードロードが分かっている場合には、予測部24は、その現在のオファードロードと、追加のオファードロードとに対応する自セル利用状況を算出してもよい。また、予測部24は、例えば、自セル現在利用状況と、追加のオファードロードに対応する無線リソース利用状況とをあわせることによって、追加のオファードロードを追加した後の自セル利用状況を予測してもよい。この自セル利用状況は、過負荷でないと仮定した場合の利用状況である。なお、予測した自セル利用状況は、自セル現在利用状況と、追加のオファードロードに対応する無線リソース利用状況とを単に加算した結果であってもよく、または、そうでなくてもよい。後者の場合には、追加のオファードロードに応じた無線通信を行うことによって増加する干渉を考慮してもよい。その場合には、追加のオファードロードを追加した後の予測した自セル利用状況は、通常、両者を単に加算した結果よりも大きい値となる。
予測部24は、追加のオファードロードを追加した後の自セル利用状況が求まると、その自セル利用状況に対応する他セル利用状況を、関係式特定部23が特定した関係式を用いて計算する。具体的には、追加のオファードロードを追加した後の自セル利用状況がx1であれば、上記(3)、(4)式を用いることによって、次式のように、追加のオファードロードに応じた他セル利用状況y1を算出できる。
y1=a(x1+c) (8)
=ycur(x1+c)/(xcur+c)
したがって、予測部24は、追加のオファードロードを追加した後の自セル利用状況x1と他セル利用状況y1とが、境界情報で示される境界の収容可能側に存在するのか、または収容不可能側に存在するのかによって、収容の可否を判断することができる。すなわち、x1,y1が収容可能側に存在する場合には、追加のオファードロードに応じた無線通信を収容できることになり、x1,y1が収容不可能側に存在する場合には、追加のオファードロードに応じた無線通信を収容できないことになる。この場合には、関係式を直接的に用いていることになる。また、例えば、予測部24は、
a(x1+c)−F(x1) (9)
=ycur(x1+c)/(xcur+c)−F(x1)
を計算し、その結果が負の値である場合には、収容可能であると判断し、その結果が正の値である場合には、収容不可能であると判断してもよい。この場合には、予測部24は、境界情報や関係式を間接的に用いることになりうる。なお、その結果が0である場合には、収容可能であると判断してもよく、または、収容不可能であると判断してもよい。その判断結果は、図示しない記録媒体に蓄積されてもよい。
(B)自セルにおいて追加して収容可能な無線通信に関する予測
予測部24は、自セルにおいて追加して収容可能な無線通信に対応する無線リソース利用状況を取得してもよい。そして、予測部24は、その取得した無線リソース利用状況を用いて、自セルにおいて追加して収容可能な無線通信に関する情報である追加可能情報を取得してもよい。その追加可能情報は、追加して収容可能な無線通信に対応する無線リソース利用状況そのものであってもよく、その無線リソース利用状況をオファードロードや、その他の情報(例えば、自セルに追加して収容可能な無線端末装置の数など)に変換したものであってもよい。後述するように、伝送レートやパケットサイズが分かっていれば、無線リソース利用状況をオファードロードに変換できるため、予測部24は、無線リソース利用状況や伝送レート等を用いることによって、オファードロードである追加可能情報を取得してもよい。境界情報の示す境界が、収容限界を示すため、(3)式と、(5)式との交点を求めることによって、現在の無線リソース利用状況に対して追加して収容可能な無線リソース利用状況を取得できる。具体的には、予測部24は、関係式特定部23が特定した関係式と、境界情報の示す境界との交点の自セル利用状況を取得する。そして、その自セル利用状況から、自セル利用状況取得部21が取得した自セル現在利用状況を減算した値が、自セルにおいて追加して収容可能な無線通信に対応する無線リソース利用状況となる。なお、自セル内での無線リソース利用状況の増加に応じた干渉の増加を考慮して、関係式と境界との交点に応じた自セル利用状況から自セル現在利用状況を減算した結果よりも少ない値を、追加して収容可能な無線通信に対応する無線リソース利用状況としてもよい。また、前述のように、予測部24は、その無線リソース利用状況をオファードロード等に変換してもよく、そうでなくてもよい。無線リソース利用状況をオファードロードに変換する場合には、例えば、上記(2)式を用いて行ってもよい。その変換で必要な伝送レートやパケットサイズは、平均的なものを用いて、目安としてのオファードロードを算出してもよい。また、予測部24が予測した追加可能情報は、図示しない記録媒体に蓄積されてもよい。
なお、予測部24による予測結果は、無線通信装置1において用いられてもよく、または、他の装置において用いられてもよい。後者の場合には、例えば、予測結果が通信部11を介して、他の装置に送信されてもよい。その送信先の装置は、自セル内の無線基地局や無線端末装置であってもよい。例えば、無線通信装置1が無線基地局である場合には、予測部24が予測した追加可能情報が、無線基地局である無線通信装置1が送信するビーコン等に含められて送信されてもよく、その他の方法によって送信されてもよい。
判断部25は、予測部24によって収容可能であると予測された範囲となるように自セルの無線リソースの割り当てが変更された場合に、その変更後に自セルで無線通信を収容できたかどうか判断する。すなわち、自セル利用状況及び他セル利用状況が境界線よりも収容可能側において変更された場合に、判断部25は、その変更後の無線通信を自セルで収容できたかどうかを判断することになる。なお、その無線リソースの割り当ては、予測結果に応じてなされるのであれば、無線通信装置1が行ってもよく、または、他の装置が行ってもよい。また、その無線リソースの割り当ての変更は、変更後の自セルの無線リソース利用状況と他セルの無線リソース利用状況とが、収容可能領域内において、変更前よりも境界線に近くなるようにする変更であってもよい。その変更は、例えば、制御部12によって、収容可能領域内において、最大限の無線リソースが利用されるように無線リソースを割り当てる制御によって行われてもよい。また、例えば、前制御スロットの自セル現在利用状況等を用いた予測結果に応じて現制御スロットにおける無線リソース割り当てが行われると、判断部25は、その現制御スロットにおいて、自セルで無線通信を収容できたかどうかの判断を行う。また、判断部25は、例えば、無線通信の観測結果を用いてその判断を行ってもよく、または、ユーザによる判断結果を用いてその判断を行ってもよい。前者の場合には、判断部25は、例えば、スループットがオファードロードに応じた閾値より大きいときに、収容できたと判断し、そうでないときに収容できなかったと判断してもよい。オファードロードに応じた閾値は、例えば、オファードロードそのものであってもよく、オファードロードに、1に近い値(例えば、0.98等)をかけたものであってもよい。また、ユーザによる判断結果を用いる場合には、判断部25は、例えば、ユーザから通信品質がよい旨の入力があったときに、収容できたと判断し、通信品質がよくない旨の入力があったときに、収容できなかったと判断してもよい。なお、ユーザから通信品質がよくない旨の入力がなかった場合に、通信品質がよい旨の入力があったとみなしてもよい。また、無線通信装置1において複数のアプリケーションによる無線通信が行われている場合に、判断部25は、アプリケーションごとに自セルで無線通信を収容できたかどうかを判断してもよい。その場合には、判断部25は、無線通信を収容できなかったアプリケーションが1個でも存在した場合に、自セルで無線通信を収容できなかったと判断してもよい。判断部25は、判断結果を図示しない記録媒体で記憶してもよい。また、無線通信のスループットを用いて判断を行う場合には、判断部25は、自セルの各トラフィックのスループットを推定し、その推定したスループットを用いてもよい。
履歴情報蓄積部26は、判断部25による過去の判断結果を少なくとも含む履歴情報を図示しない記録媒体に蓄積する。その記録媒体は、例えば、半導体メモリや、光ディスク、磁気ディスク等であり、履歴情報蓄積部26が有していてもよく、または履歴情報蓄積部26の外部に存在してもよい。また、この記録媒体は、履歴情報を一時的に記憶するものであってもよく、そうでなくてもよい。その履歴情報は、例えば、過去の判断結果であってもよく、過去の判断結果と、その判断時の自セルでの通信状況とを含む情報であってもよく、または、その他の情報(例えば、判断結果に応じた調整がなされたかどうかを示す情報等)を含む情報であってもよい。通信状況とは、例えば、オファードロードや、伝送レート、スループット、無線リソース利用状況等であってもよい。また、その通信状況は、アプリケーションごとに取得されたものであってもよい。
調整部27は、判断部25による判断結果に応じて境界情報を調整する。なお、調整部27は、前制御スロットについて判断された判断結果を用いて境界情報を調整する。その境界情報は、現制御スロットの予測(前制御スロットの自セル現在利用状況等を用いた予測)で用いられることになる。調整部27は、自セルで無線通信を収容できなかったと判断部25によって判断された場合に、収容不可能である領域が増えるように境界情報を調整してもよい。また、調整部27は、自セルで無線通信を収容できたと判断部25によって判断された場合に、収容可能である領域が増えるように境界情報を調整してもよい。その調整は、例えば、上記(6)式を、
y=px+q−M (10)
とし、そのMを変更することによって行ってもよい。なお、Mは、境界線を上下に移動させるためのマージンであり、Mが大きいほど収容可能領域は小さくなり、Mが小さいほど収容可能領域は大きくなる。このように、調整部27が行う境界情報の調整は、境界線の傾きを変えないで切片を変えることであってもよい。また、調整部27によって調整された境界情報は、図示しない記録媒体で記憶されてもよい。また、後述するように、マージンMには、上限や下限が設定されていてもよく、または、そうでなくてもよい。
その調整について、図4A,図4Bを用いて説明する。図4Aにおいて、予測部24による予測が行われた時点の自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況は、P1の位置であったとする。そして、予測部24によって、無線通信を行うアプリケーションを1個〜3個増やした場合に、自セル利用状況及び他セル利用状況がそれぞれ、P2〜P4の位置になると予測されたとする。そして、制御部12によって、無線通信を行うアプリケーションを2個増やす無線リソースの割り当てが行われたとする。その後、判断部25によって、無線通信を収容できなかったと判断されたとすると、境界線は、もう少し収容可能側であったことになる。したがって、調整部27は、境界線が図4Bにおける境界線CO1の位置となるように、境界情報を調整してもよい。一方、判断部25によって、無線通信を収容できたと判断されたとすると、境界線は、もう少し収容不可能側であった可能性がある。したがって、調整部27は、境界線が図4Bにおける境界線CO2の位置となるように、境界情報を調整してもよい。このように、予測結果を用いた無線リソース割り当てに応じた無線通信の収容の成否によって境界線を調整することにより、境界線が無線通信の状況に応じた適切な位置となるように調整できることになる。以下、収容不可能領域が増えるように調整する場合と、収容不可能領域が減るように調整する場合とのそれぞれについて、より詳細に説明する。
(I)収容不可能領域が増える調整
調整部27は、例えば、自セルで無線通信を収容できなかったと判断部25によって判断された場合に、境界線の切片をΔM+(>0)だけ減少させてもよい。すなわち、自セルで無線通信を収容できなかったと判断部25によって判断された場合に、調整部27は、次の制御で用いるマージンMであるMnextを、次式のようにしてもよい。なお、Mcurは、調整前のマージンMであり、ΔM+は、一回の調整におけるマージン増分であり、Mmaxは、マージンMの最大値である。
Mnext=min((Mcur+ΔM+),Mmax)
また、調整部27は、自セルで無線通信を収容できなかったと判断部25によって判断された場合に、収容できなかったと判断されたアプリケーションの数が多いほど、収容不可能である領域がより増えるように境界情報を調整してもよい。すなわち、自セルで無線通信を収容できなかったと判断部25によって判断された場合に、調整部27は、次の制御で用いるマージンMnextを、次式のようにしてもよい。なお、NNGは、自セルで収容できなかったと判断されたアプリケーションの数であり、NTxは、自セルで無線通信を行ったアプリケーションの数である。なお、この場合には、一回の調整におけるマージン増分の最大値はΔM+となる。
Mnext=min((Mcur+NNG×ΔM+/NTx),Mmax) (11)
所望の伝送品質を満たさなかったアプリケーションの数が多いほど、現在の境界線が理想的な境界線からより大きく乖離していると考えられる。そのため、上式のように、所望の伝送品質を満たさなかったアプリケーションの数が多いほどマージンの増分を大きくすることによって、境界線を本来の境界線の位置により早く収束させられると考えられる。
(II)収容不可能領域が減る調整
調整部27は、例えば、自セルで無線通信を収容できたと判断部25によって判断された場合に、境界線の切片をΔM−(>0)だけ増加させてもよい。すなわち、自セルで無線通信を収容できたと判断部25によって判断された場合に、調整部27は、次の制御で用いるマージンMnextを、次式のようにしてもよい。なお、ΔM−は、一回の調整におけるマージン減少量であり、Mminは、マージンMの最小値である。
Mnext=max((Mcur−ΔM−),Mmin) (12)
なお、調整部27は、自セルで無線通信を収容できたと判断部25によって判断され、かつ、予測部24によって予測された自セル利用状況となるように自セルでの無線リソースの割り当てが変更された後の自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況が、予測部24によって予測された自セル利用状況及び他セル利用状況から所定の範囲内である場合に、上述のように、収容可能である領域が増える境界情報の調整を行ってもよい。すなわち、追加のオファードロードを追加した後の自セル利用状況がx1であり、その追加のオファードロードに応じた他セル利用状況がy1であると予測部24によって予測され、その追加のオファードロードを追加する制御が制御部12によって行われた後の自セル現在利用状況と他セル現在利用状況とがxcur,ycurであった場合に、(xcur,ycur)が、(x1,y1)から所定の範囲内である場合に、調整部27は、上述の調整を行ってもよい。なお、その(xcur,ycur)は、調整部27が調整を行うために用いる判断結果の取得に用いられた制御スロットと同じ制御スロットで取得されたものである。所定の範囲内とは、例えば、図5Aで示されるように、P5(xcur,ycur)が、P3(x1,y1)を中心とする半径TH1の円の領域RA1内である場合、すなわち、
{(xcur−x1)2+(ycur−y1)2}1/2<TH1 (条件1)
である場合であってもよい。また、所定の範囲とは、例えば、図5Bで示されるように、P5(xcur,ycur)が、P3(x1,y1)を中心とする一辺がTH2の正方形の領域RA2内である場合、すなわち、
|xcur−x1|<TH2/2 かつ |ycur−y1|<TH2/2 (条件2)
である場合であってもよい。また、所定の範囲は、それら以外の範囲であってもよい。ここで、条件1や、条件2を用いた判断を行う場合には、予測部24は、x1やy1を予測していてもよい。すなわち、予測部24は、関係式を用いて、収容可能な範囲における自セルの無線リソースの割り当ての変更(例えば、追加のオファードロードに応じた無線通信の開始等)に応じた自セル利用状況(x1)及び他セル利用状況(y1)を予測していてもよい。また、その場合には、判断部25は、予測部24によって予測された自セル利用状況(x1)となるように自セルの無線リソースの割り当てが変更されたときに、変更後に自セルで無線通信を収容できたかどうか判断してもよい。その判断結果と、上記条件1または条件2を満たすかどうかとに応じて、上述の境界情報の調整を行うかどうかが決まることになる。なお、条件1が満たされる場合や、条件2が満たされる場合とは、無線リソース利用状況の推定精度が高い場合であると言うこともできる。
また、自セル利用状況や他セル利用状況が境界線から離れた収容可能領域に存在する場合に、(II)の調整を行うことは適切でないと考えられる。したがって、調整部27は、(xcur,ycur)と、境界線との距離があらかじめ決められた閾値より小さい場合にのみ、(II)の調整を行うようにしてもよい。
また、ΔM+とΔM−との関係は問わないが、例えば、ΔM+>ΔM−であってもよい。収容できなかった場合には、境界線を必ず収容可能領域側に移動させる必要があると考えられるが、収容できた場合には、境界線を必ずしも収容不可能領域側に移動させる必要はないと考えられるからである。
なお、調整部27は、調整後の境界情報に応じた判断結果が、自セルで無線通信を収容できないものになることが、履歴情報蓄積部26が蓄積した履歴情報を用いて予測される場合には、境界情報の調整を行わなくてもよい。なお、調整部27は、境界情報の調整を行わないと判断した場合に、その時のみ境界情報の調整を行わなくてもよく、または、その時点から所定の期間について境界情報の調整を行わなくてもよい。以下の説明において、自セルで無線通信を収容できるという判断結果を「OK」、自セルで無線通信を収容できないという判断結果を「NG」と呼ぶことにする。
まず、履歴情報に判断結果のみが含まれている場合について説明する。その場合には、直近の所定期間または所定回数の判断結果の並びが、あらかじめ決められた条件を満たすとき、または、履歴情報から、その並びの次の判断結果がNGであることが予測されるときに、調整部27は、調整を行わなくてもよい。前者の場合として、例えば、直近の所定期間または所定回数の判断結果の並びがNG→OK→NG→OKであるときに、調整部27は調整を行わなくてもよい。そのような場合には、OKのときに理想的な境界線となっており、NGのときに理想的な境界線よりも収容可能領域が広くなっているため、NGとOKとが繰り返されていると考えられる。したがって、所定の期間、境界情報の調整を行わないことが好適であると考えられる。また、履歴情報から、その並びの次の判断結果がNGであることが予測される場合として、例えば、直近の所定期間または所定回数の判断結果の並びがNG→OK→NG→OKであり、それ以前の履歴情報に、NG→OK→NG→OK→NGが所定回数以上含まれているときに、調整部27は調整を行わなくてもよい。そのような場合には、履歴情報から、次回の判断結果がNGと判断される可能性が高いため、所定の期間、境界情報の調整を行わないことが好適であると考えられる。なお、その判断に用いる判断結果は、その判断結果に応じて境界情報の調整が行われた判断結果であってもよい。その場合には、履歴情報に、判断結果と、その判断結果に応じた調整が行われたかどうかを示す情報が含まれていてもよい。
次に、履歴情報に、判断結果と、その判断時の自セルでの通信状況とが含まれている場合について説明する。その場合には、調整部27は、直近の所定期間または所定回数の履歴情報を用いて、現在の通信状況と同じ過去の通信状況に対応する判断結果がOKかNGかを判断する。そして、調整部27は、その判断結果がOKである場合には調整を行い、NGである場合には調整を行わないようにしてもよい。なお、現在の通信状況と同じ過去の通信状況は、現在の通信状況と厳密に同じである過去の通信状況であってもよく、または、現在の通信状況と所定の誤差の範囲内で同じである過去の通信状況であってもよい。また、現在の通信状況と同じである過去の通信状況が存在しない場合には、調整部27は、調整を行うようにしてもよい。また、調整部27は、その判断で用いる現在の通信状況を、例えば、図示しない経路を介して、通信部11や制御部12、自セル利用状況取得部21、他セル利用状況取得部22等から取得してもよい。
ここで、無線リソース利用状況の取得や、無線通信の収容可否の予測、収容成否の判断、境界情報の調整を行うタイミングについてまとめて説明する。ある制御スロット(前制御スロット)において、自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況の取得が行われると、それに応じて収容可否の予測が行われる。そして、その次の制御スロット(現制御スロット)において、その予測結果に応じた無線リソース割り当ての制御が行われ、その制御に応じた収容成否の判断が行われる。そして、その現制御スロットの判断結果を用いて、その次の制御スロット(次制御スロット)での予測で用いられる境界情報の調整が行われる。また、それらの各処理は、並列して実行されるため、現制御スロットにおいては、前制御スロットの判断結果に応じて調整された境界情報と、前制御スロットにおいて取得された自セル現在利用状況等とを用いた収容可否の予測結果に応じた無線リソースの割り当てが行われると共に、次制御スロットでの無線リソースの割り当てで用いられる予測結果を取得するために用いられる、判断結果の取得と、自セル現在利用状況等の取得とが行われることになる。
通信部11は、アンテナを介して無線通信を行う。通信部11が行う無線通信は、どのようなものであってもよい。その無線通信は、例えば、無線LANによる通信であってもよく、他の移動体通信であってもよく、その他の無線通信であってもよい。通信部11の行う無線通信は、通常、自律分散無線通信システムにおける無線通信である。本実施の形態では、前述のように、無線通信が無線LANによる通信である場合について主に説明する。通信部11は、通信先の無線基地局や無線端末装置からオファードロード等を受信した場合には、その受信した情報を図示しない記録媒体で記憶してもよい。なお、通信部11は、無線通信を行うための無線の通信デバイス(例えば、ネットワークカードなど)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。また、通信部11は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは通信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
制御部12は、通信部11を用いたキャリアセンスの結果に応じて、通信部11による送信を制御する。具体的には、制御部12は、キャリアセンスの結果に応じて、伝送路において無線通信が行われているかどうか判断し、無線通信が行われていない場合に、送信を行うように通信部11を制御してもよい。また、制御部12は、キャリアセンスの結果に応じて空いている周波数を特定し、その特定した周波数で送信するように通信部11を制御してもよい。制御部12による制御は、例えば、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)の制御であってもよく、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)の制御であってもよい。本実施の形態では、前者の場合について主に説明する。なお、キャリアセンスの結果に応じて通信を制御することはすでに公知であり、その詳細な説明を省略する。
また、制御部12は、予測部24による予測結果に応じて、通信部11が行う無線通信に関する無線リソースの割り当てを制御してもよい。なお、制御部12は、前制御スロットで取得された自セル現在利用状況等を用いた予測結果に応じて、現制御スロットにおける無線リソース割り当てを制御する。その制御は、例えば、あるアプリケーションが無線通信を開始したい場合に、予測部24による予測結果に応じて、その無線通信を開始できるように制御したり、その無線通信を開始できないように制御したりすることであってもよい。例えば、あるアプリケーションが所望のオファードロードで無線通信を行いたい場合であって、予測部24による予測結果により、そのオファードロードを収容できないことが予測された場合には、制御部12は、そのアプリケーションによる無線通信を実行させないように制御してもよい。一方、あるアプリケーションが所望のオファードロードで無線通信を行いたい場合であって、予測部24による予測結果により、そのオファードロードを収容できることが予測された場合には、制御部12は、そのアプリケーションによる無線通信を行うことができるように制御してもよい。また、制御部12による制御は、例えば、あるアプリケーションが無線通信を開始したい場合に、そのアプリケーションに対して、予測結果に応じて、無線通信の収容の可否を渡すことであってもよい。また、制御部12は、前述のように、予測部24によって収容可能であると予測された範囲となるように、自セルの無線リソースの割り当てを変更してもよい。また、その変更は、例えば、収容可能領域内において、最大限の無線リソースが利用されるように無線リソースを割り当てる制御であってもよい。具体的には、予測結果を用いて、収容可能と判断されたアプリケーションの組み合わせのうち、最も運用アプリケーションの多い組み合わせを選択してもよく、優先度の高いアプリケーションの含まれる組み合わせを選択してもよい。そして、選択した組み合わせに含まれるアプリケーションについては、チャンネルアクセスを許可し、そうでないアプリケーションについては、チャンネルアクセスを停止してもよい。
また、制御部12は、予測部24による予測結果に応じて、無線ネットワークトポロジーの変更の制御を行ってもよい。その無線ネットワークトポロジーの変更は、通信部11が行う無線通信の通信先の変更、他の装置が行う無線通信の通信先の変更から選ばれる1以上のものであってもよい。例えば、予測結果により、オファードロードに応じた無線通信を収容できないことが示される場合であって、無線通信装置1が無線端末装置である場合には、制御部12は、通信部11が行う無線通信の通信先である無線基地局を変更してもよい。その変更は、例えば、より混雑していない無線基地局に変更することであってもよい。混雑の程度は、例えば、無線基地局の送信するビーコンに、その無線基地局を介して通信を行っている無線端末装置の数に応じた情報が含まれている場合には、その情報を用いて判断してもよく、センシングを行うことによって判断してもよい。また、例えば、予測結果により、オファードロードに応じた無線通信を収容できないことが示される場合であって、無線通信装置1が無線基地局である場合には、制御部12は、通信先の無線端末装置が行う無線通信の通信先である無線基地局を、無線通信装置1から、他の無線基地局に変更するように、通信先の無線端末装置に指示を送信してもよい。その指示に応じて、通信部11の通信先の無線端末装置は、無線通信の通信先である無線基地局を、無線通信装置1から他の無線基地局に変更してもよい。
処理部13は、受信された情報、送信される情報に関する処理を行う。処理部13は、その処理をアプリケーションごとに行ってもよい。例えば、ボイス通信が行われている場合には、処理部13は、アプリケーションから受け取った音声信号に応じたパケットを図示しない送信キューに蓄積したり、通信部11が受信したボイス通信に応じたパケットを受け取り、アプリケーションに渡したりするなどの処理を行ってもよい。なお、送信キューでキューイングされたパケットは、通信部11によって送信されるものとする。また、送信キューにおいて、アプリケーションごとにキューイングを行うことができる場合には、処理部13は、アプリケーションごとにパケットを送信キューに蓄積してもよい。
なお、自セル現在利用状況や、他セル現在利用状況等を取得するために用いられる情報、例えば、最新のセンシング結果等が図示しない記録媒体で記憶されていてもよい。その場合には、例えば、自他セルを見分けるため、無線通信期間ごとに、自他セルを特定してもよい。
次に、収容予測装置2の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)予測部24は、収容可能性に関する予測を行うかどうか判断する。そして、予測を行う場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、ステップS106に進む。予測部24は、例えば、ある制御スロットが終了した時点において、予測を行うと判断してもよく、その他のタイミングで予測を行うと判断してもよい。
(ステップS102)自セル利用状況取得部21は、ある制御スロットの自セル現在利用状況を取得する。
(ステップS103)他セル利用状況取得部22は、ステップS102で自セル現在利用状況を取得したのと同じ制御スロットの他セル現在利用状況を取得する。
(ステップS104)関係式特定部23は、ステップS102で取得された自セル現在利用状況と、ステップS103で取得された他セル現在利用状況とを用いて、それらに対応する関係式を特定する。
(ステップS105)予測部24は、ステップS102で取得された自セル現在利用状況と、ステップS104で特定された関係式と、境界情報の示す境界とを用いて、自セルの無線リソース利用状況が増加した場合における無線通信の収容可能性に関する予測を行う。そして、ステップS101に戻る。
(ステップS106)判断部25は、自セルで無線通信を収容できたかどうかの判断を行うかどうか判断する。そして、その収容成否の判断を行う場合には、ステップS107に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。判断部25は、例えば、ある制御スロットが終了した時点において、その制御スロットにおける無線通信に関する収容成否の判断を行うと判断してもよく、その他のタイミングで収容成否の判断を行うと判断してもよい。なお、その判断結果に応じて調整された境界情報を用いて予測が行われるようにするため、ある制御スロットにおける無線通信に関する収容成否の判断は、その制御スロットで取得された自セル現在利用状況等を用いた予測よりも前に行われることが好適である。
(ステップS107)判断部25は、自セルで無線通信を収容できたかどうかを判断する。
(ステップS108)調整部27は、ステップS107での判断結果と履歴情報とを用いて、次回の調整を行うかどうか判断する。そして、調整を行う場合には、ステップS109に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。
(ステップS109)履歴情報蓄積部26は、ステップS107での判断結果を履歴情報に追加する。
(ステップS110)ステップS107において収容できたと判断された場合には、ステップS111に進み、そうでない場合には、ステップS113に進む。
(ステップS111)調整部27は、境界情報を変更するための条件が満たされているかどうか判断する。そして、その条件が満たされている場合には、ステップS112に進み、そうでない場合には、ステップS101に戻る。調整部27は、例えば、xcur,ycur,x1,y1が上述の条件1を満たしている場合に、その条件が充たされていると判断してもよく、xcur,ycur,x1,y1が上述の条件2を満たしている場合に、その条件が充たされていると判断してもよい。
(ステップS112)調整部27は、収容可能領域が増加するように境界情報を調整する。そして、ステップS101に戻る。
(ステップS113)調整部27は、収容不可能領域が増加するように境界情報を調整する。そして、ステップS101に戻る。
なお、図2のフローチャートでは、無線通信装置1における収容予測装置2以外の構成要素に関する動作を省略しているが、例えば、通信部11や制御部12、処理部13によって、適宜、無線通信が行われるものとする。また、制御部12は、予測結果を用いて、無線通信における無線リソースの割り当てや、無線ネットワークのトポロジーの変更等を行ってもよい。また、図2のフローチャートでは、調整が行われる場合にのみ判断結果が履歴情報に追加される場合について説明したが、そうでなくてもよい。調整が行われるかどうかに関わらず、判断結果が履歴情報に追加されてもよい。その場合には、判断結果と共に、調整が行われたかどうかを示す情報についても履歴情報に追加されてもよく、または、そうでなくてもよい。また、履歴情報に過去の判断結果が含まれる場合について説明したが、前述のように、履歴情報には、過去の判断結果と、その判断時の通信状況とが含まれてもよい。なお、履歴情報に過去の判断結果と、その判断時の通信状況とが含まれる場合には、調整部27は、ステップS108において、その通信状況をも含む履歴情報と、その時点の通信状況とを用いて、判断結果に応じた調整を行うかどうかを決定してもよい。また、図2のフローチャートにおける各処理で用いられる情報(例えば、センシング結果や、スループットを取得するために用いられる情報等)は、図2のフローチャートに含まれる各処理とは別途、取得されてもよい。また、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、従来の無線LANの通信と、固定境界線を用いた無線LANの通信と、本実施の形態による調整境界線を用いた無線LANの通信とを比較するシミュレーション結果について説明する。なお、本実施の形態による調整境界線を用いた無線LANの通信においては、履歴情報を用いた制御は行わなかった。また、そのシミュレーションで用いたシステム諸元は、次の通りである。
シミュレーション時間:10.1(秒)
試行回数:10回
エリアサイズ:20(m)×20(m)
サンプリングレート:120MHz
中央周波数:2.442GHz
エリア内セル数:2セル(自セル、他セル)
トラフィック:アップリンク(UL)のみ(一定のビットレート)
制御スロット長:1(秒)
RTS/CTS:使用しない
送信電力:16dBm(AP)、12dBm(STA)
アンテナ数:2個(AP)、1個(STA)
アンテナ利得:2.15dBi
送信フレーム:DATA,ACK
雑音パラメータ:300K,NF:10dB
センシング閾値:−88dBm/1.25MHz
また、そのシミュレーションでは、境界情報の調整に(11)式、(12)式、条件1を用いた。なお、(11)式、(12)式、条件1におけるパラメータ設定は、次のようにした。
Mmax:20(%)
Mmin:−20(%)
ΔM+:20(%)
ΔM−:5(%)
TH1:20(%)
そのシミュレーションでは、IEEE802.11g ERP−OFDMベースのPHY−MACクロスレイヤシミュレーションを行った。また、20(m)×20(m)のエリア内に設けた同一周波数チャネルで運用される2個のBSS(BSS1,BSS2)のうち、BSS1を自セルとし、BSS2を他セルとした。また、BSS1は、従来の無線LANの通信(従来例)と、固定境界線を用いた無線LANの通信(固定境界線)と、本実施の形態による調整境界線を用いた無線LANの通信(調整境界線)とを切り替えた。一方、BSS2については、従来の無線LANの通信に固定した。ここで、運用するアプリケーションはBSSごとに異なるものとしたが、BSS内ではすべてのSTAが同一のアプリケーションを運用するものとした。また、要求QoE(Quality of Experience)達成条件、すなわち、収容可否判断において収容できると判断する条件は、上記非特許文献1と同様に、「印加トラフィック量に対して98%のスループットを達成」とした。
無線リソース利用状況は、FFTを用いた電力検出により、APにて測定した。個々のアプリケーションの印加トラフィック量と各無線リンクにおける使用伝送レートは既知とし、QoE充足状況と、各STAに対するチャネルアクセス可否は理想的に伝達されるとした。また、このシミュレーションでは、物理伝送レート、印加トラフィック量の異なる2種類の評価ケースについてシミュレーションを行った。各ケースのパラメータは、次の通りである。
[ケース1]
BSSごとのSTA数:6
物理伝送レート:24Mb/s
ペイロード長:1000Bytes
BSS1のSTAごとのオファードロード:300kBytes/s
BSS2のSTAごとのオファードロード:100kBytes/s
BSS1の総オファードロード:1.8MBytes/s
BSS2の総オファードロード:0.6MBytes/s
[ケース2]
BSSごとのSTA数:6
物理伝送レート:6Mb/s
ペイロード長:500Bytes
BSS1のSTAごとのオファードロード:100kBytes/s
BSS2のSTAごとのオファードロード:25kBytes/s
BSS1の総オファードロード:0.6MBytes/s
BSS2の総オファードロード:0.15MBytes/s
各ケースにおいて、自セル(BSS1)の各STAには、他セル(BSS2)のSTAと比較して3〜4倍の印加トラフィック量を与えた。したがって、自セルは他セルと比較して要求QoEの条件充足が厳しいことになる。
ケース1のシミュレーション結果は、図6A,図6Bで示され、ケース2のシミュレーション結果は、図6C,図6Dで示される。図6A,図6Cは、アクセス許可率、及び要求QoE充足率特性を示し、図6B,図6Dは、総スループット、及び要求QoEを充足したアプリケーションのスループット(以下、「要求QoE充足スループット」とする)を示す。図6A〜図6Dにおける従来例、固定境界線、調整境界線は、前述のように、自セル(BSS1)をそれぞれ従来例(アクセス許可率が常に1)、固定境界線、調整境界線にした場合の結果である。他セル(BSS2)については、前述のように、すべて従来例としている。
ケース1の従来例では、総スループットが高いにも関わらず、自セルの要求QoE充足率が0.3程度と大幅に低くなっている。一方、固定境界線及び調整境界線では、要求QoEを充足し得ないアプリケーションの伝送(すなわち、収容できないアプリケーションの伝送)を停止することにより、自セルの要求QoE充足率が高くなっている。特に、調整境界線では、自セルの要求QoE充足率及び要求QoE充足スループットが固定境界線よりも高くなっている。
ケース2は、ケース1と同様にネットワークが過負荷状態であるが、ケース2においても、自セルにおける調整境界線の要求QoE充足率及び要求QoE充足スループットが、従来例及び固定境界線よりも高くなっている。
したがって、調整境界線(本実施の形態による通信手法)では、過負荷状態において、境界線を用いた制御を行わない従来例に対しても、境界線を調整しない固定境界線に対しても、より多くの無線通信を収容できることが分かった。
次に、本実施の形態による無線通信装置1の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例では、無線通信装置1は無線基地局であり、無線端末装置からの要求に応じて、オファードロードの収容可否について予測を行うものとする。無線基地局である無線通信装置1は、自セルの各無線端末装置の各アプリケーションから、無線通信中のアプリケーションに関する最新のオファードロードを受信し、記憶しているものとする。また、この具体例では、説明を簡単にするため、履歴情報を用いた処理については省略する。
無線通信装置1のセル内に存在する無線端末装置が、VoIPの無線通信を開始するため、そのVoIPの無線通信に関するオファードロードU(Mb/s)と、そのVoIPの無線通信で用いる伝送レートR(Mb/s)及び平均パケットサイズL(Byte)と、そのオファードロードの収容可能性を判断する旨の要求とを無線通信装置1に送信したとする。すると、それらの情報は、通信部11で受信され、処理部13に渡される。そして、処理部13は、そのオファードロード等を予測部24に渡す。また、他の無線端末装置からも、同様のオファードロード等が無線通信装置1に送信され、それらが予測部24に渡されたものとする。
ある制御スロットが終了すると、予測部24は、予測を行うタイミングであると判断し、自セル利用状況取得部21に、自セル現在利用状況を取得する旨の指示を渡し、他セル利用状況取得部22に、他セル現在利用状況を取得する旨の指示を渡す(ステップS101)。自セル現在利用状況を取得する旨の指示を受け取ると、自セル利用状況取得部21は、無線通信装置1で記憶されている、最新の制御スロットにおけるオファードロードと、その無線通信の伝送レート及びパケットサイズとを用いて、(2)式により、その制御スロットにおける自セル現在利用状況を算出し、関係式特定部23と予測部24とに渡す(ステップS102)。また、他セル利用状況取得部22は、最新の制御スロットにおけるセンシング結果を用いて、他セルの最新の無線リソース利用率である他セル現在利用状況を取得し、関係式特定部23に渡す(ステップS103)。
自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況を受け取ると、関係式特定部23は、それらを(4)式に代入し、係数aを算出して予測部24に渡す(ステップS104)。自セル現在利用状況と、係数aとを受け取ると、予測部24は、追加のオファードロードU(Mb/s)と、その無線通信で用いる伝送レートR(Mb/s)及び平均パケットサイズL(Byte)とを用いて、追加のオファードロードに対応する自セルの無線リソース利用状況を算出する。また、他の無線端末装置から受け取った追加のオファードロード等についても、それに対応する自セルの無線リソース利用状況を算出する。そして、予測部24は、追加のオファードロードのすべての組み合わせについて、追加のオファードロードの無線リソース利用状況と自セル現在利用状況とを加算し、オファードロードの追加後の自セル利用状況を取得する。そして、予測部24は、それらを代入することによって、(9)式の値を算出する。この具体例では、追加のオファードロードのすべての組み合わせについて、その(9)式の値が負の値であったとする。すると、予測部24は、すべての追加のオファードロードを収容可能であると判断し、その予測結果を処理部13に渡す(ステップS105)。予測結果を受け取ると、制御部12は、無線通信を行ってもよい旨を、オファードロード等の送信元である各無線端末装置に送信する。それらの無線端末装置は、オファードロードに応じた無線通信が収容可能である旨を知ることができ、VoIP等の無線通信を開始する。
その後、判断部25は、その追加のオファードロードを含む各無線通信について、オファードロードと、スループットとを比較し、各無線通信の収容成否について判断する(ステップS106,S107)。その判断の結果、1個のアプリケーションについて、スループットがオファードロードの98%よりも小さかったため、判断部25が、収容できなかったと判断したとする(ステップS110)。すると、調整部27は、収容不可能領域が増えるように境界情報を変更し、その後の制御スロットでは、その変更後の境界情報を用いた予測が行われることになる(ステップS113)。このようにして、判断結果に応じて境界情報が適宜、調整されることになり、収容できる無線通信の開始を許可しないことや、収容できない無線通信を許可してしまうことを回避できるようになる。
なお、この具体例では、自セル現在利用状況等の取得から境界情報の調整までを順を追って説明したが、上述したように、厳密には、1個の制御スロットにおいて、自セル現在利用状況等の取得の処理や判断の処理等が並列して行われる。
また、この具体例では、無線通信装置1が無線基地局である場合について説明したが、無線通信装置1が無線端末装置である場合にも、同様にして、無線通信の収容可能性に関する予測を行うことができる。なお、無線通信装置1が無線端末装置である場合には、前述のように、自セルにおいて無線通信中のアプリケーションに関する最新のオファードロード等を無線基地局から受信することによって取得してもよい。
以上のように、本実施の形態による無線通信装置1によれば、予測に応じた無線リソース割り当ての変更後の無線通信の収容の成否によって境界情報を調整することによって、無線通信の収容可否に関する予測の精度が向上するように境界情報を調整することができる。その結果、固定の境界情報を用いた場合と比較して、より多くの無線通信を収容することができるようになる。特に、過負荷状態において、そのことが顕著になると考えられる。
なお、本実施の形態において、自セルの無線リソース利用状況が増加する場合における無線通信の収容可否に関する予測を行う前に、予測部24は、自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況が、境界線より収容可能側であるかどうかを判断してもよい。そして、自セル現在利用状況等が収容可能側である場合に、その予測を行うようにしてもよい。
次に、自セルの無線リソース利用状況が減少する場合における無線通信の収容可否に関する予測について説明する。この予測を行う前にまず、予測部24は、自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況が、境界線より収容不可能側であるかどうかを判断し、自セル現在利用状況等が収容不可能側である場合にのみ、その予測を行う。自セル現在利用状況等が収容不可能側でなければ、自セルの無線リソース利用状況が減少する場合における無線通信の収容可否に関する予測を行う必要がないからである。この予測においても、前述の(A)、(B)と同様に、(C)オファードロードの削減に応じた無線通信の収容可否に関する予測を行ってもよく、(D)自セルにおいて収容可能となるために削減すべき無線通信に関する予測を行ってもよい。これらの予測を行う場合には、自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況が、境界線より収容不可能側にある。また、その収容不可能側における自セル利用状況と他セル利用状況との関係を示す式は、収容可能側の関係式と異なりうる(上記非特許文献1参照)。したがって、(C)、(D)の予測を行う場合に、予測部24は、収容可能側の関係式とは異なる収容不可能側の関係式を用いて予測を行ってもよく、または収容可能側の関係式を用いて近似の予測を行ってもよい。前者の場合には、関係式特定部23は、(8)式と同様にして、収容不可能側の関係式を特定してもよい。後者の場合には、関係式特定部23は、上述の説明のように、収容可能側の関係式を特定する。以下、その(C)、(D)の予測について説明する。
(C)オファードロードの削減に応じた無線通信の収容可否に関する予測
予測部24は、自セルにおける無線通信のオファードロードを削減した後の自セル利用状況を用いて、オファードロードの削減に応じた無線通信の収容可否について判断してもよい。オファードロードの削減は、今後、行われるオファードロードの削減のことである。例えば、現在無線通信を行っているアプリケーションを今後、終了させる場合には、そのアプリケーションの現在のオファードロードが、削減するオファードロードとなる。予測部24は、例えば、処理部13等から、削減するオファードロードを受け取ってもよい。そして、予測部24は、その削減するオファードロードを削減した後の自セル利用状況を算出する。また、予測部24は、関係式特定部23が特定した関係式を用いて、オファードロードの削減後の自セル利用状況に対応する他セル利用状況を取得し、その自セル利用状況等が境界情報の示す境界の収容可能側に存在するかどうか判断する。そして、予測部24は、その自セル利用状況等が境界線の収容可能側に存在する場合に、収容可能であると判断してもよい。この予測は、例えば、現在無線通信中のアプリケーションのうち、今後、どのアプリケーションを終了させると収容可能になるのかを判断するために用いられてもよい。
(D)自セルにおいて収容可能となるために削減すべき無線通信に関する予測
予測部24は、自セルが収容可能となるために削減すべき無線通信に対応する無線リソース利用状況を取得してもよい。そして、予測部24は、その取得した無線リソース利用状況を用いて、自セルを収容可能にするために削減すべき無線通信に関する情報である削減情報を取得してもよい。その削減情報は、削減すべき無線リソース利用状況そのものであってもよく、その無線リソース利用状況をオファードロードや、その他の情報に変換したものであってもよい。予測部24は、関係式特定部23が特定した関係式と、境界情報によって示される境界との交点の自セル利用状況を取得し、自セル現在利用状況から、その自セル利用状況を減算する。その減算結果の値が、自セルにおいて削減すべき無線リソース利用状況となる。なお、その無線リソース利用状況をオファードロード等に変換することによって削減情報を取得してもよいことは上述の通りである。
なお、予測部24が(A)及び/または(C)の予測を行う場合には、予測部24は、自セルにおける無線通信のオファードロードを変動させた後の自セル利用状況を用いて、そのオファードロードの変動に応じた無線通信の収容可否について判断することになる。そのオファードロードを変動させた後の自セル利用状況は、例えば、追加のオファードロードを追加した後の自セル利用状況や、オファードロードを削減した後の自セル利用状況であり、そのオファードロードの変動は、例えば、オファードロードの追加や削減である。
また、他セルの無線リソース利用状況が増加または減少する場合における無線通信の収容可否に関する予測について簡単に説明する。ここまででは、自セル利用状況が増加したり、減少したりする場合の無線通信の収容可否に関する予測について説明したが、同様の予測を、他セル利用状況が増加したり、減少したりする場合に行ってもよい。その予測は、例えば、他セルにおいて追加して収容可能な無線通信に関する予測や、収容可能となるために他セルにおいて削減すべき無線通信に関する予測などである。また、無線通信装置1が他セルから追加のオファードロードや削減するオファードロードを受信可能である場合には、予測部24は、他セルにおける追加のオファードロードに応じた無線通信の収容可否に関する予測を行ってもよく、他セルにおけるオファードロードの削減に応じた無線信号の収容可否に関する予測を行ってもよい。それらの予測は、自セルと他セルが替わった以外は、上述の説明と同様であり、その詳細な説明を省略する。また、その予測結果は、例えば、他セルの無線基地局等に送信されてもよく、自セルの無線基地局がビーコン等に含めて送信してもよい。
また、本実施の形態では、調整部27が境界線のマージンMを増加させる調整と、減少させる調整との両方を行う場合について説明したが、そうでなくてもよい。調整部27は、例えば、収容不可能である領域が増える方向にのみ境界情報を調整してもよく、または、収容可能である領域が増える方向にのみ境界情報を調整してもよい。前者の場合には、例えば、マージンMの初期値をMminに設定し(すなわち、収容可能領域が最も広くなるように境界情報を設定し)、その後、調整部27は、収容不可能領域が増える方向に境界情報を調整し、判断部25によって収容できると判断された時点で、その調整を終了してもよい。後者の場合には、例えば、マージンMの初期値をMmaxに設定し(すなわち、収容不可能領域が最も広くなるように境界情報を設定し)、その後、調整部27は、収容可能領域が増える方向に境界情報を調整し、判断部によって収容できないと判断された時点で、1個前の境界情報に戻して調整を終了してもよい。そのような一方向のみの調整を行う場合には、上述のように、予測部24は、あらかじめマージンを含む境界線を用いて予測を行うことになる。したがって、予測部24が、境界情報を用いて予測を行うことには、そのように、あらかじめマージンを含んでいる境界情報を初期値として用いて予測を行うことを含むと考えてもよい。
また、本実施の形態では、制御スロットごとに自セル現在利用状況の取得等の処理を行う場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、制御スロットが十分長い場合には、その制御スロットの一部の期間について取得した自セル現在利用状況等を、その制御スロットの自セル現在利用状況等として用いるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、無線通信装置1が収容予測装置2を備える場合について説明したが、そうでなくてもよい。収容予測装置2は、無線基地局や無線端末装置から自セル利用状況や他セル利用状況等を受け付け、それらを用いて予測を行い、その予測結果を、無線基地局や無線端末装置に渡す装置であってもよい。その場合に、収容予測装置2と、無線基地局や無線端末装置との間の情報のやりとりは、例えば、有線や無線の通信によって行われてもよく、ケーブルやその他のインターフェース等を介して行われてもよい。
また、本実施の形態では、収容予測装置2が履歴情報蓄積部26を備える場合について説明したが、そうでなくてもよい。収容予測装置2が履歴情報蓄積部26を備えていない場合には、調整部27は、履歴情報を用いた調整を行うかどうかの判断を行わなくてもよい。
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、あるいは、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いる閾値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していなくても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いる閾値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していなくても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
また、上記実施の形態において、無線通信装置1や収容予測装置2に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。その実行時に、プログラム実行部は、記憶部や記録媒体にアクセスしながらプログラムを実行してもよい。なお、上記実施の形態における収容予測装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、無線通信装置が無線通信を行う自セルの現在の無線リソース利用状況である自セル現在利用状況を取得する自セル利用状況取得部、自セルと干渉しうる他セルの現在の無線リソース利用状況である他セル現在利用状況を取得する他セル利用状況取得部、自セル現在利用状況及び他セル現在利用状況を用いて、自セルの無線リソース利用状況である自セル利用状況と、他セルの無線リソース利用状況である他セル利用状況との関係を示す関係式を特定する関係式特定部、自セルで無線通信を収容可能であるときの自セル利用状況及び他セル利用状況と、自セルで無線通信を収容不可能であるときの自セル利用状況及び他セル利用状況との境界に応じた自セル利用状況と他セル利用状況との関係を示す境界情報と、関係式特定部が特定した関係式と、自セル現在利用状況とを用いて、無線通信の収容可否に関する予測を行う予測部、予測部によって収容可能であると予測された範囲となるように自セルの無線リソースの割り当てが変更された場合に、変更後に自セルで無線通信を収容できたかどうか判断する判断部、判断部による判断結果に応じて境界情報を調整する調整部として機能させ、予測部は、調整部によって調整された境界情報を用いた予測を行う、ものである。
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。例えば、情報を取得する取得部や、情報を出力する出力部などにおけるモデムやインターフェースカードなどのハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれない。
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
図7は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による無線通信装置1や収容予測装置2を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
図7において、コンピュータシステム900は、CD−ROMドライブ905を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
図8は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図8において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、LANやWAN等への接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による無線通信装置1や収容予測装置2の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921に記憶されて、CD−ROMドライブ905に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。また、CD−ROM921に代えて他の記録媒体(例えば、DVD等)を介して、プログラムがコンピュータシステム900に読み込まれてもよい。
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による無線通信装置1や収容予測装置2の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能やモジュールを呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。