JP2008219102A - ノイズフィルタ及びコイル - Google Patents

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Abstract

【課題】制御回路の破損を防止しつつ、周波数特性を調整可能なノイズフィルタを提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係るノイズフィルタ1は、共有磁路20をそれぞれ含む第1の閉磁路16、第2の閉磁路17及び第3の閉磁路18,19を有するコア10と、第1の閉磁路16の非共有磁路16aに巻かれた第1の巻線21と、共有磁路20において第1の閉磁路16からの磁束と同一方向の磁束を発生するように、第2の閉磁路17の非共有磁路17aに巻かれた第2の巻線22と、共有磁路20において第1の閉磁路16からの磁束及び第2の閉磁路17からの磁束と同一方向の磁束を発生するように、第3の閉磁路18,19の非共有磁路18aに巻かれた第3の巻線23と、第1の巻線21と第2の巻線22との間のノードに接続された容量素子30とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、ノイズフィルタ及びコイルに関するものである。
従来、周波数特性を調整可能なノイズフィルタが要望されている。ノイズフィルタとしては、インダクタ(例えば、コイル)と容量素子とで構成されたものが一般的に知られている。この種のノイズフィルタにおいて周波数特性を調整するためには、インダクタのインダクタンス又は容量素子の容量値を調整することが考えられる。特許文献1及び2には、インダクタンスを可変とすることが可能な可変インダクタが記載されている。
特許文献1及び2に記載の可変インダクタでは、主巻線と制御巻線とが同一の閉磁路に巻かれており、制御巻線に流れる電流が変更されることによって閉磁路における磁束の飽和度合いが調整され、主巻線におけるインダクタンスが調整される。
特開2004−207729号公報 特開平3−16205号広報
しかしながら、特許文献1及び2に記載の可変インダクタでは、主巻線と制御巻線とが同一の閉磁路に巻かれているので、主巻線に流れる電流に応じた電流が制御巻線に流れ、制御巻線の電流を制御するための制御回路が破損する恐れがある。
そこで、本発明は、制御回路の破損を防止しつつ、周波数特性を調整可能なノイズフィルタ、及びインダクタンスを調整可能にすることによってこのノイズフィルタに適用可能なコイルを提供することを目的としている。
本発明のノイズフィルタは、(a)互いに磁路の一部を共有する共有磁路をそれぞれ含む第1の閉磁路、第2の閉磁路及び第3の閉磁路を有するコアと、(b)入力端子に接続された一端を有し、第1の閉磁路における共有磁路以外の非共有磁路に巻かれた第1の巻線と、(c)第1の巻線の他端に接続された一端と出力端子に接続された他端とを有し、共有磁路において第1の閉磁路からの磁束と同一方向の磁束を発生するように、第2の閉磁路における共有磁路以外の非共有磁路に巻かれた第2の巻線と、(d)共有磁路において第1の閉磁路からの磁束及び第2の閉磁路からの磁束と同一方向の磁束を発生するように、第3の閉磁路における共有磁路以外の非共有磁路に巻かれた第3の巻線と、(e)第1の巻線の他端とグランド端子との間に接続された容量素子とを備える。
このノイズフィルタによれば、第3の巻線が、共有磁路において第1の閉磁路からの磁束及び第2の閉磁路からの磁束と同一方向の磁束を発生するように第3の閉磁路に巻かれているので、共有磁路において磁気飽和を生じさせることができる。その結果、第3の巻線に流す電流の大きさに応じて、すなわち、第3の閉磁路からの磁束の大きさに応じて、第1の閉磁路の磁束の大きさ及び第2の閉磁路の磁束の大きさを調整することができ、第1の巻線に発生するインダクタンス及び第2の巻線に発生するインダクタンスを調整することができる。したがって、このノイズフィルタによれば、容量素子、第1の巻線及び第2の巻線からなるノイズフィルタの周波数特性を調整することができる。
更に、このノイズフィルタによれば、第1の巻線、第2の巻線及び第3の巻線が、それぞれ、第1の閉磁路における共有磁路以外の非共有磁路、第2の閉磁路における共有磁路以外の非共有磁路、第3の閉磁路における共有磁路以外の非共有磁路に巻かれているので、第1の巻線及び第2の巻線に流れる電流に応じた電流が第3の巻線に流れることがない。したがって、このノイズフィルタによれば、第3の巻線の電流を制御するための制御回路が、第1の巻線及び第2の巻線に流れる電流に起因して破損することを防止することができる。
上記した第3の閉磁路における非共有磁路は、第1の閉磁路及び第2の閉磁路に対して直交することが好ましい。
この構成によれば、第1の巻線、第2の巻線及び第3の巻線を、それぞれ、第1の閉磁路における共有磁路以外の非共有磁路、第2の閉磁路における共有磁路以外の非共有磁路、第3の閉磁路における共有磁路以外の非共有磁路に巻くことが容易となる。
上記したノイズフィルタは、第3の巻線の一端と他端との間に接続された可変電流源を含む制御回路を更に備えてもよい。
本発明のコイルは、(a)互いに磁路の一部を共有する共有磁路をそれぞれ含む第1の閉磁路、第2の閉磁路及び第3の閉磁路を有するコアと、(b)入力端子に接続された一端を有し、第1の閉磁路における共有磁路以外の非共有磁路に巻かれた第1の巻線と、(c)第1の巻線の他端に接続された一端と出力端子に接続された他端とを有し、共有磁路において第1の閉磁路からの磁束と同一方向の磁束を発生するように、第2の閉磁路における共有磁路以外の非共有磁路に巻かれた第2の巻線と、(d)第3の閉磁路における共有磁路以外の非共有磁路に巻かれた第3の巻線とを備え、(e)第3の閉磁路における非共有磁路は、第1の閉磁路及び第2の閉磁路に対して直交するように形成されていることを特徴とする。
このコイルによれば、第3の巻線に流す電流を制御することにより、第1及び第2の巻線で形成されるインダクタンスを可変とすることができる。従って、第1の巻線の他端とグランド端子との間にコンデンサを接続すれば、フィルタとしての周波数特性を可変できるフィルタを実現することができる。
本発明によれば、制御回路の破損を防止しつつ、周波数特性を調整可能なノイズフィルタ、及びインダクタンスを調整可能にすることによってこのノイズフィルタに適用可能なコイルを得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
図1は、本発明の実施形態に係るノイズフィルタの構成を示す図である。図1に示すノイズフィルタ1は、入力端子2と、出力端子3と、グランド端子4と、制御端子5,6と、コア10と、第1の巻線21と、第2の巻線22と、第3の巻線23と、容量素子30と、可変電流源(制御回路)40とを備えている。なお、入力端子2と、出力端子3と、制御端子5,6と、コア10と、第1の巻線21と、第2の巻線22と、第3の巻線23とがコイル(インダクタ)を形成している。
コア10は、磁性体からなり、枠体11と、中脚12,13と、直交脚14とを有している。枠体11は、XYZ直行座標系においてXY平面上を1周回して閉磁路を形成しており、X軸方向に二分割した第1の部分11aと第2の部分11bとを有している。これらの第1の部分11aと第2の部分11bとの境界部には、中脚12,13が結合されている。
中脚12,13は、それぞれY軸方向に延びる平板状をなしており、略平行にZ軸方向に離間している。中脚12,13の両端は、それぞれ、枠体11における第1の部分11aと第2の部分11bとの境界部に結合されている。中脚12,13の間におけるY軸方向の中央部には、直交脚14が結合されている。
直交脚14は、Z軸方向に延びる角柱状をなしており、その両端はそれぞれ中脚12,13の中央部に結合されている。
この構成によって、枠体11の第1の部分11aと中脚12,13とが第1の閉磁路16を形成し、枠体11の第2の部分11bと中脚12,13とが第2の閉磁路17を形成している。また、中脚12,13と直交脚14とが、第1の閉磁路16及び第2の閉磁路17に直交する第3の閉磁路18,19を形成している。
また、中脚12,13は、第1の閉磁路16、第2の閉磁路17及び第3の閉磁路18,19の一部を共有する共有磁路20を形成している。また、枠体11の第1の部分11a及び第2の部分11b、並びに直交脚14が、それぞれ、第1の閉磁路16の非共有磁路16a、第2の閉磁路17の非共有磁路17a、第3の閉磁路18,19の非共有磁路18aを形成している。
枠体11の第1の部分11aには、第1の巻線21が巻かれており、第2の部分11bには、中脚12,13において第1の部分11aからの磁束と同一方向の磁束を発生するように、第2の巻線22が巻かれている。また、直交脚14には、中脚12,13において第1の部分11aからの磁束及び第2の部分11bからの磁束と同一方向の磁束を発生するように、第3の巻線23が巻かれている。
すなわち、第1の巻線21は、第1の閉磁路16における共有磁路20以外の非共有磁路16aに巻かれており、第2の巻線22は、共有磁路20において第1の閉磁路16からの磁束と同一方向の磁束を発生するように、第2の閉磁路17における共有磁路20以外の非共有磁路17aに巻かれている。また、第3の巻線23は、共有磁路20において第1の閉磁路16からの磁束及び第2の閉磁路17からの磁束と同一方向の磁束を発生するように、第3の閉磁路18,19における共有磁路20以外の非共有磁路18aに巻かれている。
第1の巻線21の一端は入力端子2に接続されており、他端は第2の巻線22の一端に接続されている。第2の巻線22の他端は出力端子3に接続されており、第1の巻線21の他端及び第2の巻線22の一端とグランド端子4との間には容量素子30が接続されている。また、第3の巻線23の一端及び他端は、それぞれ、制御端子5,6に接続されており、制御端子5,6の間には、可変電流源(制御回路)40が接続されている。
次に、本実施形態のノイズフィルタ1の動作を説明する。入力端子2と出力端子3との間に、すなわち、第1の巻線21及び第2の巻線22に電流が流れると、この電流の大きさに応じて第1の閉磁路16及び第2の閉磁路17に磁束が発生する。ここで、可変電流源40によって制御端子5,6間に、すなわち、第3の巻線23に電流を流すと、第3の閉磁路18,19に磁束が発生する。
この第3の巻線23の電流によって発生する磁束は、第3の閉磁路18における共有磁路20の第1の領域18b及び第3の閉磁路19における共有磁路20の第1の領域19bにおいて、第1の閉磁路16からの磁束及び第2の閉磁路17からの磁束を打ち消すように作用する。一方、第3の閉磁路18における共有磁路20の第2の領域18c及び第3の閉磁路19における共有磁路20の第2の領域19cにおいては、第3の巻線23の電流によって発生する磁束は、第1の閉磁路16からの磁束及び第2の閉磁路17からの磁束を強めるように、すなわち、磁気飽和を生じさせるように作用する。
このように共有磁路20の第1の領域18b、19bにおいては磁束を打ち消しあい、共有磁路20の第2の領域18c,19cにおいては磁気飽和が生じると、共有磁路20では磁束が通りづらくなり、その結果、第1の閉磁路16の非共有磁路16aからの磁束は第2の閉磁路17の非共有磁路17aへ向かい、第2の閉磁路17の非共有磁路17aからの磁束は第1の閉磁路16の非共有磁路16aへ向かうこととなる。すなわち、第1の巻線21の電流の大きさによって発生する磁束及び第2の巻線22の電流の大きさによって発生する磁束は、枠体11が形成する閉磁路に閉じ込められることとなる。
枠体11の閉磁路に閉じ込められた磁束は互いに打ち消し合うように作用するので、第1の巻線21に発生するインダクタンス及び第2の巻線22に発生するインダクタンス(すなわち、コイルのインダクタンス)が低下する。これらのインダクタンスの低下量は、第3の巻線23の電流の大きさによって調整することができる。
このように、本実施形態のノイズフィルタ1によれば、第3の巻線23の電流の大きさに応じて、容量素子30、第1の巻線21及び第2の巻線22からなるノイズフィルタの周波数特性を調整することができる。
更に、本実施形態のノイズフィルタ1によれば、第1の巻線21、第2の巻線22及び第3の巻線23が、それぞれ、第1の閉磁路16における共有磁路20以外の非共有磁路16a、第2の閉磁路17における共有磁路20以外の非共有磁路17a、第3の閉磁路18,19における共有磁路20以外の非共有磁路18aに巻かれているので、第1の巻線21及び第2の巻線22に流れる電流に応じた電流が第3の巻線23に流れることがない。したがって、本実施形態のノイズフィルタ1によれば、第3の巻線23の電流を制御するための可変電流源(制御回路)40に、第1の巻線21及び第2の巻線22に流れる電流に起因して過大な電流が流れることがなく、可変電流源40の破損することを防止することができる。
以下では、本実施形態のノイズフィルタ1を更に解析する。図2は、図1に示すノイズフィルタの回路図である。図2に示すノイズフィルタ1は、第1の巻線21に発生する第1のインダクタ51と、第2の巻線22に発生する第2のインダクタ52と、第3の巻線23に発生する第3のインダクタ53とを有している。
第1のインダクタ51の一端は入力端子2に接続されており、他端は第2のインダクタ52の一端に接続されている。第2のインダクタ52の他端は出力端子3に接続されており、第1のインダクタ51の他端と第2のインダクタ52の一端とグランド端子4との間には容量素子30が接続されている。第1のインダクタ51と第2のインダクタ52とは、コア10、具体的には、枠体11と中脚12,13とによって電磁気的に結合している。
また、第3のインダクタ53は、制御端子5,6間に接続されており、制御端子5,6間には、可変電流源40が接続されている。第3のインダクタ53と第1のインダクタ51とは、コア10、具体的には、枠体11と中脚12,13と直交脚14とによって電磁気的に直交して結合しており、同様に、第3のインダクタ53と第2のインダクタ52とは、コア10、具体的には、枠体11と中脚12,13と直交脚14とによって電磁気的に直交して結合している。
図3は、図2に示すノイズフィルタを等価的に示す回路図である。上記したように、第3の巻線23の電流を調整することによって、共有磁路20の第2の領域18c,19cにおいて磁気飽和を生じさせることができ、その結果、枠体11に形成される閉磁路において第1の巻線21に流れる電流による磁束と第2の巻線22に流れる電流による磁束との打ち消し度合い、すなわち、第1のインダクタ51と第2のインダクタ52との電磁気結合の度合いを調整することができる。したがって、図3(a)に示すように、第3の巻線23の電流を調整することは、第1のインダクタ51と第2のインダクタ52との電磁気結合の結合係数の値Kを調整することとなる。
また、図3(b)に示すように、第1のインダクタ51と第2のインダクタ52とは、電磁気的に結合しているので、2つのインダクタ56,57と負性インダクタ(負性誘導素子)58とで等価的に表すことができる。具体的には、インダクタ56の一端は入力端子2に接続されており、他端はインダクタ57の一端及び負性インダクタ58の一端に接続されている。インダクタ57の他端は出力端子3に接続されており、負性インダクタ58の他端とグランド端子4との間には容量素子30が接続されている。
ここで、第1のインダクタ51のインダクタンス、第2のインダクタ52のインダクタンス及び容量素子30の容量値を、それぞれL51、L52、C30とし、第1のインダクタ51と第2のインダクタ52との結合係数の値をKとすると、インダクタ56のインダクタンスL56、インダクタ57のインダクタンスL57及び負性インダクタ58のインダクタンスL58は、それぞれ、以下のように表される。
L56=L51−K×L52
L57=L52−K×L51
L58=K×√(L51×L52)
また、ノイズフィルタ1の共振周波数fは、以下のように表される。
f=1/(2π√(K×C30×√(L51×L52)))
上記式より、結合係数の値Kが大きいほど、共振周波数fが低周波側へ移動することがわかる。これより、第3の巻線23の電流を調整することによって、フィルタの帯域幅を調整することができ、フィルタとしての周波数特性を調整することができる。
図4は、図3に示すノイズフィルタ等価回路の減衰特性のシミュレーション結果を示す図である。図4には、図3(a)に示す等価回路において、L51=500μH、L52=500μH、C30=4700pFとし、結合係数の値Kをパラメータとした減衰量の周波数特性シミュレーション結果が示されている。曲線61,62,63は、結合係数の値Kをそれぞれ0.02、0.05、0.1としたときの周波数に対する減衰特性である。図4によれば、結合係数の値Kが大きいほど、すなわち、第3の巻線23の電流が増加するほど、共振周波数fが低周波側へ移動することがわかる。
上記の説明では、理想的なインダクタの等価回路を示したが、実際には、インダクタには無視できないレベルの浮遊容量が存在する場合がある。図5は、図2に示すノイズフィルタを等価的に示す回路図である。図5(a)に示すように、実際には、第1の巻線21の両端間に、すなわち、第1のインダクタ51に並列に浮遊容量71が存在し、第2の巻線22の両端間に、すなわち、第2のインダクタ52に並列に浮遊容量72が存在する。また、入力端子2と出力端子3との間に浮遊容量73が存在する。なお、図5(a)に示すノイズフィルタ1の回路は、図3(b)と同様に、図5(b)に示すように等価的に表すことができる。
図6は、図5に示すノイズフィルタ等価回路の減衰特性のシミュレーション結果を示す図である。図6には、図5(a)に示す等価回路において、L51=500μH、L52=500μH、C30=4700pF、C71=1pF、C72=1pF、C73=0.1pFとし、結合係数の値Kをパラメータとした減衰量の周波数特性シミュレーション結果が示されている。曲線66,67,68は、結合係数の値Kをそれぞれ0.02、0.05、0.1としたときの周波数に対する減衰特性である。
図6によれば、結合係数の値Kが大きいほど、すなわち、第3の巻線23の電流が増加するほど、容量素子30による第1の共振周波数f1が低周波側へ移動し、浮遊容量73による第2の共振周波数f2が高周波側へ移動することがわかる。その結果、帯域幅が広がっていることがわかる。なお、浮遊容量71,72による共振周波数は更に高周波側に存在する。
図7は、図1に示すノイズフィルタの減衰特性の測定結果を示す図である。図7には、第3の巻線23に流す電流を順に増加したときの減衰量の周波数特性が、曲線81,82,83,84,85に示されている。図7によれば、図6に示すシミュレーション結果と同様に、第3の巻線23の電流を増加するほど、容量素子30による第1の共振周波数f1が低周波側へ移動し、浮遊容量73による第2の共振周波数f2が高周波側へ移動することによって、帯域幅が広がっていることがわかる。
ところで、スイッチングコンバータやインバータでは、動作モードによってノイズが発生する周波数帯域が異なる。顕著な例としては、スイッチング素子(半導体)のオンオフ期間を周波数によって変化させる場合である。このような制御において、負荷電流を大きくする場合、スイッチング周波数を低くする。その場合、比較的低周波側の狭帯域においてピーク値が大きいノイズが発生する。一方、負荷電流が小さい場合には、低周波から高周波に渡って広帯域に比較的ピーク値が小さいノイズが発生する。このようなスイッチングコンバータやインバータに、本実施形態のノイズフィルタ1が好適に適用可能である。
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、本実施形態のノイズフィルタ1は、更にインダクタを備えることによって、減衰量を増加してもよい。
[変形例1]
図8は、本発明の変形例1に係るノイズフィルタの回路図である。図8に示すノイズフィルタ1Aは、ノイズフィルタ1において、入力端子2と第1のインダクタ51との間及び第2のインダクタ52と出力端子3との間に、それぞれ、インダクタ54、インダクタ55を更に有している。変形例1では、インダクタ54とインダクタ55とは、コアによって電磁気的に結合されている。例えば、インダクタ54を発生する巻線とインダクタ55を発生する巻線とが同一のコアに巻かれている構成となっている。
図9は、図8に示すノイズフィルタの減衰特性の測定結果を示す図である。図9には、第3の巻線23に流す電流を順に増加したときの減衰量の周波数特性が、曲線86,87,88,88に示されている。図9によれば、図8に示す測定結果と比較して、比較的低周波側の減衰量が大きいことがわかる。このように、変形例1のノイズフィルタ1Aによれば、本実施形態のノイズフィルタ1にインダクタ54及びインダクタ55を更に備えることによって、比較的低周波側の減衰量を大きくすることができる。
また、本実施形態のノイズフィルタ1は、以下のような可変電流源(制御回路)を備えることが好ましい。
[変形例2]
図10は、本発明の変形例2に係るノイズフィルタの回路図である。図10に示すノイズフィルタ1Bは、フォトカプラ91と、トランジスタ92と、抵抗素子93〜97とを有する可変電流源を備えている。フォトカプラ91の一対の入力端子間には、抵抗素子93を介して可変電圧源からの制御電圧が入力される。フォトカプラ91の一方の出力端子には、基準電圧源に直列に接続された抵抗素子94,95の中間ノードに接続されており、他方の出力端子は接地されている。抵抗素子94,95の中間ノードは、抵抗素子96を介してトランジスタ92のベースに接続されている。トランジスタ92のコレクタは抵抗素子97を介して制御端子5に接続されており、制御端子6は基準電源に接続されている。トランジスタのエミッタは接地されている。
このような構成により、可変電圧源からの制御電圧の電圧値を調整することによって、制御端子5,6間、すなわち、第3の巻線23に流す電流を調整することができる。更に、変形例2のノイズフィルタ1Bによれば、フォトカプラ91を用いているので、第3の巻線23と可変電圧源との間でノイズの回り込みを低減することができる。また、1次側と2次側との絶縁を要するスイッチングコンバータやインバータに好適に適用可能である。
本発明の実施形態に係るノイズフィルタの構成を示す図である。 図1に示すノイズフィルタの回路図である。 図2に示すノイズフィルタを等価的に示す回路図である。 図3に示すノイズフィルタ等価回路の減衰特性のシミュレーション結果を示す図である。 図2に示すノイズフィルタを等価的に示す回路図である。 図5に示すノイズフィルタ等価回路の減衰特性のシミュレーション結果を示す図である。 図1に示すノイズフィルタの減衰特性の測定結果を示す図である。 本発明の変形例1に係るノイズフィルタの回路図である。 図8に示すノイズフィルタの減衰特性の測定結果を示す図である。 本発明の変形例2に係るノイズフィルタの回路図である。
符号の説明
1…ノイズフィルタ、2…入力端子、3…出力端子、4…グランド端子、5,6…制御端子、10…コア、11…枠体、12,13…中脚、14…直交脚、16…第1の閉磁路、16a…非共有磁路、17…第2の閉磁路、17a…非共有磁路、18,19…第3の閉磁路、18a…非共有磁路、20…共有磁路、21…第1の巻線、22…第2の巻線、23…第3の巻線、30…容量素子、40…可変電流源(制御回路)。

Claims (4)

  1. 互いに磁路の一部を共有する共有磁路をそれぞれ含む第1の閉磁路、第2の閉磁路及び第3の閉磁路を有するコアと、
    入力端子に接続された一端を有し、前記第1の閉磁路における前記共有磁路以外の非共有磁路に巻かれた第1の巻線と、
    前記第1の巻線の他端に接続された一端と出力端子に接続された他端とを有し、前記共有磁路において前記第1の閉磁路からの磁束と同一方向の磁束を発生するように、前記第2の閉磁路における前記共有磁路以外の非共有磁路に巻かれた第2の巻線と、
    前記共有磁路において前記第1の閉磁路からの磁束及び前記第2の閉磁路からの磁束と同一方向の磁束を発生するように、前記第3の閉磁路における前記共有磁路以外の非共有磁路に巻かれた第3の巻線と、
    前記第1の巻線の他端とグランド端子との間に接続された容量素子と、
    を備える、ノイズフィルタ。
  2. 前記第3の閉磁路における前記非共有磁路は、前記第1の閉磁路及び前記第2の閉磁路に対して直交する、
    請求項1に記載のノイズフィルタ。
  3. 前記第3の巻線の一端と他端との間に接続された可変電流源を含む制御回路を更に備える、
    請求項1又は2に記載のノイズフィルタ。
  4. 互いに磁路の一部を共有する共有磁路をそれぞれ含む第1の閉磁路、第2の閉磁路及び第3の閉磁路を有するコアと、
    入力端子に接続された一端を有し、前記第1の閉磁路における前記共有磁路以外の非共有磁路に巻かれた第1の巻線と、
    前記第1の巻線の他端に接続された一端と出力端子に接続された他端とを有し、前記共有磁路において前記第1の閉磁路からの磁束と同一方向の磁束を発生するように、前記第2の閉磁路における前記共有磁路以外の非共有磁路に巻かれた第2の巻線と、
    前記第3の閉磁路における前記共有磁路以外の非共有磁路に巻かれた第3の巻線と、
    を備え、
    前記第3の閉磁路における前記非共有磁路は、前記第1の閉磁路及び前記第2の閉磁路に対して直交するように形成されている
    ことを特徴とするコイル。
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