JP2008218193A - 電流遮断機構および非水電解質電池 - Google Patents

電流遮断機構および非水電解質電池 Download PDF

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Abstract

【課題】円筒型非水電解質電池において、電池内圧上昇の際に電流遮断機構が動作して電流が遮断した後、電池内圧の低下にともなって再度導通が起こるのを防止する。
【解決手段】安全弁と、略中央部に孔部を有するディスクホルダと、略中央部に孔部を有し、孔部の内周にサブディスク引き込み抑制用の凸部が設けられた遮断ディスクと、電池素子と電気的に接続可能なようにしたサブディスクとを順に配置し、安全弁とサブディスクとが、ディスクホルダの孔部と、遮断ディスクの孔部とを介して接続されるようにした電流遮断機構を電池缶の開放端部に設ける。また、遮断ディスクの孔部の内周に凸部を設ける代わりに、孔部を有する他の部材を用い、この部材を遮断ディスクとサブディスクとの間に設けるようにしてもよい。サブディスクと電池素子から導出された電極端子とが接続されることにより、電池蓋と電池素子とが電気的に接続される。
【選択図】図3

Description

この発明は、電池内圧上昇時に電池内の電流を遮断する電流遮断機構およびこれを用いた非水電解質電池に関する。
近年、携帯電子技術の目覚しい発達により、携帯電話やノートブック型パーソナルコンピューター、PDA(Personal Digital Assistant;個人用携帯型情報端末機器)等の電子機器は高度情報化社会を支える基盤技術と認知されてきた。さらに、これらの機器の高機能化に関する研究開発は精力的に進められており、それに比例して電子機器の消費電力も増加の一途を辿っている。その反面、これらの電子機器は長時間駆動が求められており、必然的に駆動電源である二次電池の高エネルギー密度化が望まれてきた。
電子機器に内蔵される電池の占有体積や重量等の観点より、電池のエネルギー密度は高いほど望ましい。そこで現在ではこの要求に応えるべく、リチウムイオンのドープ・脱ドープを利用したリチウムイオン二次電池に関して、種々の提案がなされている。これら電池は、正極および負極をセパレータを介して積層し、例えば渦巻き状に巻回した巻回構造を有しており、これによって高い保存特性、低温特性、負荷特性等を示している。
一方、電池は過充電や誤使用等により大電流が流れることにより電池内の温度が上昇する。これらの電池は電解液として非水系の溶媒を用いていることから、電池内温度上昇時に熱暴走のおそれがある。また、ガスが発生して電池内圧が上昇する可能性もある。
そこで、このような問題に対処すべく、以下の特許文献1のように、電池内温度が上昇した際や大電流が流れた際に、電池内で物理的に回路を遮断する電流遮断機構を設けた電池が提案されている。
特許2701375号公報
また、以下の特許文献2のように、電流遮断機構とともに、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限する熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)が用いられている電池もある。
特開2004−031165号公報
特許文献1および特許文献2では、電流遮断機構として、図1に示すような電池内圧の上昇時に内圧方向に変形を生じる安全弁3と、安全弁3が変形を生じる側と逆側に設けられた略中央に孔部7aを有する遮断ディスク7と、安全弁3と遮断ディスク7の間に設けられた絶縁性を有するディスクホルダ6とを有し、正極端子15が遮断ディスク7の孔部7aを通じて安全弁3と接続された構成を有している。
安全弁3には、遮断ディスク7側に向けて突出部3aが形成されており、この突出部3aが遮断ディスク7の孔部7aが重ねあわされた部分に位置するように構成されている。また、遮断ディスク7には、略中央に設けた孔部7aの他、ガス抜き孔7bが設けられる。
上述のような電流遮断機構を有する電池は、電池蓋2の内側面に安全弁3を設け、安全弁3の突出部3aと、電池素子10から導出した正極端子15が接続されたサブディスク8とを遮断ディスク7の孔部7aを通じて接続する。この後、電池素子10を収容した電池缶1と、電池蓋2とを、電池缶1の開放端部内側に設けたリング状の絶縁封口ガスケット5を介してかしめることにより作製される。
図2Aおよび図2Bに、このような電池における電流遮断機構の電流遮断前後の動作を示す。図2Aのように構成された電流遮断機構は、電池内圧上昇時に図2Bに示すように、安全弁3が内圧方向に変形し、安全弁3と接続されていたサブディスク8が破断して電流が遮断され、それ以上の発熱および内圧上昇が抑制される。
しかしながら、このような電流遮断機構では、図2Cに示すように、電流遮断後に電池温度および電池内圧の低下により安全弁3が再び変形し、安全弁3が反転して破断する際に安全弁3側に立ち上がったサブディスク8の破断部分と安全弁3とが接触して再度電流が流れ、過充電状態が繰り返し起こってしまう。
したがって、この発明の目的は、上記問題点に鑑み、確実に電流遮断が可能な安全性の高い電流遮断機構および非水電解質電池を提供することにある。
上記課題を解決するために、第1の発明は、安全弁と、略中央部に孔部を有するディスクホルダと、略中央部に孔部を有し、該孔部の内周に凸部が設けられた遮断ディスクと、電池素子と電気的に接続可能なようにしたサブディスクとを備え、安全弁と、ディスクホルダと、遮断ディスクと、サブディスクとが、遮断ディスクの孔部のサブディスク側の内径が安全弁側の内径よりも小さくなるように順に配置され、安全弁とサブディスクとが、ディスクホルダの孔部と、遮断ディスクの孔部とを介して接続されたことを特徴とする電流遮断機構である。
第2の発明は、安全弁と、略中央部に孔部を有するディスクホルダと、略中央部に孔部を有する遮断ディスクと、略中央部に孔部を有する有孔部材と、電池素子と電気的に接続可能なようにしたサブディスクとを備え、安全弁と、ディスクホルダと、遮断ディスクと、有孔部材と、サブディスクとが順に配置され、安全弁とサブディスクとが、ディスクホルダの孔部と、遮断ディスクの孔部と、有孔部材の孔部とを介して接続されたことを特徴とする電流遮断機構である。
第3の発明は、電池素子と、電池素子と電気的に接続された電流遮断機構とを有する非水電解質電池であって、電流遮断機構は、非水電解質電池の内圧上昇により変形する安全弁と、略中央部に孔部を有するディスクホルダと、略中央部に孔部を有し、孔部の内周の一部に凸部が設けられた遮断ディスクと、電池素子から導出された電極端子と接続されたサブディスクとを備え、安全弁と、ディスクホルダと、遮断ディスクと、サブディスクとが、遮断ディスクの孔部のサブディスク側の内径が安全弁側の内径よりも小さくなるように順に配置され、安全弁とサブディスクとが、ディスクホルダの孔部と、遮断ディスクの孔部とを介して接続されたことを特徴とする非水電解質電池である。
上述の凸部は、断面略三角形状または断面略四角形状であることが好ましい。
また、凸部の内径は、遮断ディスクの孔部の内径に対して30%以上90%以下であることが好ましく、凸部の厚みは、0.1mm以上10.0mm以下であることが好ましい。
さらに、遮断ディスクは、アルミニウム(Al)からなることが好ましい。
第4の発明は、電池素子と、電池素子と電気的に接続された電流遮断機とを有する非水電解質電池であって、電流遮断機構は、非水電解質電池の内圧上昇により変形する安全弁と、略中央部に孔部を有するディスクホルダと、略中央部に孔部を有する遮断ディスクと、略中央部に孔部を有する有孔部材と、電池素子から導出された電極端子と接続されたサブディスクとを備え、安全弁と、ディスクホルダと、遮断ディスクと、有孔部材と、サブディスクとが順に配置され、安全弁とサブディスクとが、ディスクホルダの孔部と、遮断ディスクの孔部と、有孔部材の孔部とを介して接続されたことを特徴とする非水電解質電池である。
上述の有孔部材の孔部の内径は、遮断ディスクの孔部の内径に対して30%以上90%以下であり、有孔部材の厚みは、0.1mm以上10.0mm以下であることが好ましい。
また、有孔部材は、アルミニウム(Al)からなることが好ましい。
第1の発明では、遮断ディスクの孔部の内周に凸部を設け、この凸部がサブディスク側に延設されるようにすることで、電池内圧が上昇して安全弁が変形した際、凸部がサブディスクを押さえて安全弁側に引き込まれるのを抑制することができる。これにより、サブディスクが破断した際にサブディスクの破断端部が立ち上がりにくくすることができる。
第2の発明では、遮断ディスクとサブディスクとの間に有孔部材を設けることにより、電池内圧が上昇して安全弁が変形した際、有孔部材がサブディスクを押さえて安全弁側に引き込まれるのを抑制することができる。これにより、サブディスクが破断した際にサブディスクの破断端部が立ち上がりにくくすることができる。
第3の発明では、遮断ディスクの孔部の内周に凸部を設け、この凸部がサブディスク側に延設されるようにすることで、電池内圧が上昇して安全弁が変形した際、凸部がサブディスクを押さえて安全弁側に引き込まれるのを抑制することができる。これにより、サブディスクが破断した際にサブディスクの破断端部が立ち上がりにくくすることができ、電池内圧が低下して安全弁が電池素子側に再度変形した際に、安全弁とサブディスクの破断端部との接触を防止することができる。
なお、凸部の形状は、断面略四角形状または断面略三角形状が好ましいが、遮断ディスクの孔部の内周との接触面積が大きく、サブディスクが安全弁によって引き込まれる際の圧力によって変形しにくいことから、断面三角形状の凸部が設けられることがより好ましい。
また、凸部の内径を遮断ディスクの孔部の内径に対して30%以上90%以下とし、厚みを0.1mm以上10.0mm以下とすることにより、安全弁とサブディスクとの接続を阻害することなくサブディスクの引き込み防止効果を得ることができる。
また、遮断ディスクをアルミニウム(Al)で構成することにより、凸部の強度を向上させて有孔部材の変形を生じにくくすることができる。
第4の発明では、遮断ディスクとサブディスクとの間に有孔部材を設けることにより、電池内圧が上昇して安全弁が変形した際、有孔部材がサブディスクを押さえて安全弁側に引き込まれるのを抑制することができる。これにより、サブディスクが破断した際にサブディスクの破断端部を立ち上がりにくくすることができ、電池内圧が低下して安全弁が電池素子側に再度変形した際に、安全弁とサブディスクの破断端部との接触を防止することができる。
なお、有孔部材の孔部の内径を遮断ディスクの孔部の内径に対して30%以上90%以下とし、厚みを0.1mm以上10.0mm以下とすることにより、安全弁とサブディスクとの接続を阻害することなくサブディスクの引き込み防止効果を得ることができる。
また、有孔部材をアルミニウム(Al)で構成することにより、有孔部材の強度を向上させて有孔部材の変形を生じにくくすることができる。
この発明によれば、一旦電流遮断が起こった後に、再度電流が流れることがない確実な電流遮断を起こすことができる。
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
(1)非水電解質二次電池の構成
図3は、この発明の一実施形態による非水電解質二次電池20を示す。図3に示す非水電解質二次電池20は、いわゆる円筒型と呼ばれるものであり、ほぼ中空円柱状の電池缶21の内部に電池素子30を有し、電池蓋22により密封されてなる。
電池缶21は、例えばニッケルメッキが施された鉄により構成されており、一端部が閉鎖され、他端部が開放されている。電池缶21の内部には、電池素子30を挟み込むように、周面に対して垂直に一対の絶縁板29aおよび絶縁板29bがそれぞれ配置されている。
電池蓋22は、略中央部に電池外部方向に突出した突起22aを有するように構成されており、非水電解質二次電池20の使用時には、突起22aが電子機器の端子に接触される。電池蓋22は、例えば電池缶21と同様の材料により構成される。
電池缶21の開放端部には、電池蓋22と、この電池蓋22の内側に設けられた熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient;PTC素子)24と、安全弁23、ディスクホルダ26、遮断ディスク27およびサブディスク28からなる電流遮断機構とが備えられている。この電流遮断機構は、安全弁23と遮断ディスク27とが絶縁材料からなるディスクホルダ26を介して配置されており、安全弁23が熱感抵抗素子24とともに絶縁封口ガスケット25を介してかしめられることにより取り付けられることにより非水電解質二次電池20の内部が密閉されている。
[電流遮断機構]
以下、電流遮断機構について、図3ないし図7を参照して詳しく説明する。なお、図3は、電池缶21の開放端部の構成を示す断面図であり、図4Aおよび図4Bは電流遮断機構の構成を詳しく示す模式図、図5は電池缶21の開放端部に設けられる電流遮断機構の各部品の半部の斜視図である。また、図6Aおよび図6Bは、電流遮断機構の他の例であり、図7は図6Aの電流遮断機構の各部品の半部の斜視図である
電流遮断機構は、安全弁23と、ディスクホルダ26と、遮断ディスク27と、電池素子30から導出された正極端子35が接続されたサブディスク28とからなる。
安全弁23は、アルミニウム(Al)等の導電性を有する金属材料等からなり、例えば熱感抵抗素子24を介して電池蓋22と電気的に接続されている。安全弁23は、電池の内側方向に段差をもって円形状に形成された凸部の略中央部が電池素子30側に突出した突出部23aを有する円板状であり、突出部23aの外側面は、サブディスク28が電気的に接続されるようになされた接触面とされている。
また、安全弁23には図示しない開裂弁が設けられ、過充電、内部短絡または外部からの加熱・加圧等により電池内圧が一定以上となった場合には、内圧によって安全弁23に設けられた開裂弁が開裂し、この開裂弁から非水電解質二次電池20内で発生したガスが開放されるようにしてもよい。また、突出部23aは反転して、電池蓋22方向に変形可能な形状とされており、開裂弁の開裂とともに、突出部23aとサブディスク28との接続が解除されて安全弁23が反転し、電流が遮断されるような構造とされている。
サブディスク28は、安全弁23と同様にアルミニウム(Al)等の導電性を有する金属材料等からなり、遮断ディスク27を介して安全弁23の突出部23aと電気的に接続されている。サブディスク28と安全弁23とは、例えば溶接により接続される。なお、サブディスク28と安全弁23との接続部が電気的遮断部となることから、接続不良が生じない程度の接続強度を確保しつつ、過充電等による内圧上昇に際しては速やかに接続が解除されるような接続強度となるようにする。また、サブディスク28の安全弁23との接触面と反対の面には、電池素子30から導出された正極端子25が溶接等により接続されている。
遮断ディスク27は、安全弁23と同様にアルミニウム(Al)等の導電性を有する金属材料等からなり、電池内圧が上昇して安全弁23が反転した際に、容易にサブディスク28との接続が解除されるように配置されるものである。遮断ディスク27は略中心部に安全弁23とサブディスク28を接続するための孔部27aを有しており、孔部27aの周辺には複数のガス抜き孔27bが設けられている。電池素子30においてガスが発生した際には、このガス抜き孔27bを通じて電池内圧の上昇が安全弁23に伝えられる。
また、遮断ディスク27の孔部27a内周部においては、サブディスク28側の一部が突出した凸部27cが設けられている。凸部27cは、例えば図4Aに示すような断面四角形状もしくは図4Bに示すような断面三角形状となるように遮断ディスク27と一体に設けられる。凸部27cの形状は、断面三角形状とすることがより好ましい。孔部27aの内周部分に対する凸部27cの接触面積が大きくなり、電池内圧上昇時にサブディスク28が引き込まれた際でも変形しにくくなるためである。また、安全弁23とサブディスク28との距離が大きくなることから、電流遮断後に内圧の低下によって安全弁23が下がってきてもサブディスク28と接触しにくくなるため好ましい。
なお、凸部27cの内径は、遮断ディスク27の孔部27aの内径に対して30%以上90%以下であることが好ましい。凸部27cの内径が30%未満の場合、安全弁23とサブディスク28との接続が困難となる。また、凸部27cの内径が90%を超えた場合、電池内圧上昇時にサブディスク28の引き込みを抑制することが困難となり、サブディスク28の破断端部28aが立ち上がって、電流遮断後に電池内圧が低下した際に再度導通が起こりやすくなる。
また、凸部27cの厚みは0.1mm以上10.0mm以下であることが好ましい。凸部27cの厚みが0.1mm未満となると、凸部27cの強度が低くなり、電池内圧上昇時にサブディスク28の引き込みを抑制することが困難となる。また、凸部27cの厚みが10.0mmを超えると、安全弁23とサブディスク28との接続を阻害してしまう。
サブディスク28は、破断直前まで反転した安全弁23に引っ張られて遮断ディスク27の孔部27aに引き込まれるが、このような凸部27cを設けることによりサブディスク28が引き込まれにくくなる。このため、サブディスク28の破断端部28aを立ち上がりにくくし、電池内圧低下時に安全弁23とサブディスクの破断端部28aとの接触を防止することができる。このような部品からなる電流遮断機構は、図5に示すようにして重ね合わされる。
なお、凸部27cは、その外周が孔部27aの内周に沿うような形状とされた別部品の部材とされてもよい。また、図6Aおよび図6Bに示すように、遮断ディスク27とサブディスク28との間に、略中心部に孔部を有する有孔部材であるリング状のプレート29を配置しても同様の効果を得ることができる。また、このようなプレート29を用いる場合、プレート29の外形は円形状に限らず、電流遮断機構の遮断効果を阻害しない範囲で任意の形状を用いることができる。このように、プレート29を用いる電流遮断機構は、図7に示すようにして重ね合わされる。
このようなプレート29は、アルミニウム(Al)等の導電性を有する金属材料等を用いることができる。また、プレート29の孔部29aの内径は、遮断ディスク27の孔部27aの内径に対して30%以上90%以下であることが好ましい。また、プレート29の厚みは、0.1mm以上10.0mm以下であることが好ましい。
ディスクホルダ26は、安全弁23が反転して安全弁23とサブディスク28との接続が解除された後、導通が起こらないように設けられるものであり、絶縁性を有する樹脂材料等からなる。ディスクホルダ26は略中心部に安全弁23とサブディスク28との接続を阻害しない大きさの孔部26aを有しており、必要に応じて遮断ディスク27のガス抜き孔27bと重なる部分に、同様のガス抜き孔を設ける。
熱感抵抗素子24は、温度が上昇すると抵抗値の増大により電流を制限し、大電流による異常な発熱を防止するものであり、例えば、チタン酸バリウム系半導体セラミックスにより構成されている。熱感抵抗素子24は、電池内温度が例えば約110℃以上に上昇すると抵抗値が急激に上昇するものであり、上述のような機械的な電流遮断機構が動作する前に電池が異常に温度上昇した場合には、この熱感抵抗素子24の抵抗値上昇によって電流が遮断される。
絶縁封口ガスケット25は、例えばポリプロピレン(PP)等からなる絶縁材料により構成されており、表面には、例えばアスファルトが塗布されている。
[電池素子]
このような電流遮断機構を用いる非水電解質二次電池20に収容される電池素子30としては、正極活物質を有する帯状の正極31と、負極活物質を有する帯状の負極32とが、イオン透過性を有するセパレータ33を介して積層され、多数回巻回されてなる。
以下、電池素子30および電池素子30の巻回端面に配置する絶縁板29aおよび29bについて詳細に説明する。
[正極]
正極31は、帯状の形状を有する正極集電体31bと、この正極集電体31bの両面に形成された正極活物質層31aとからなり、正極集電体31bには正極端子35が接続されている。正極集電体31bは、例えばアルミニウム(Al)箔、ニッケル(Ni)箔、ステンレス(SUS)箔等の金属箔からなる。また、正極端子35はアルミニウム(Al)等の金属箔であり、正極端子35は、正極活物質層31aが設けられていない正極集電体31bの一部に接続されることが好ましい。正極端子35は、安全弁23と溶接されることにより電池蓋22と電気的に接続される。
正極活物質層21aは、例えば正極活物質と、導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。
正極活物質としては、目的とする電池の種類に応じて、金属酸化物、金属硫化物または特定の高分子等、従来用いられてきたいずれの材料も用いることができる。例えばリチウムイオン電池を構成する場合、LiXMO2(式中、Mは、一種以上の遷移金属を表し、xは、電池の充放電状態によって異なり、通常0.05以上1.10以下である)を主体とする、リチウムと遷移金属との複合酸化物が用いられる。リチウム複合酸化物を構成する遷移金属としては、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)等が用いられる。
このようなリチウム複合酸化物として、具体的には、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、LiNiyCo1-y2(0<y<1)等が挙げられる。また、遷移金属元素の一部を他の元素に置換した固溶体も使用可能である。LiNi0.5Co0.52、LiNi0.8Co0.22等がその例として挙げられる。これらのリチウム複合酸化物は、高電圧を発生でき、エネルギー密度が優れたものである。さらに、正極活物質としてTiS2、MoS2、NbSe2、V25等のリチウムを有しない金属硫化物または酸化物を使用しても良い。これらの正極活物質は、単独で用いるか、もしくは複数種を混合して用いてもよい。
また、導電剤としては、例えばカーボンブラックあるいはグラファイトなどの炭素材料等が用いられる。また、結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が用いられる。
[負極]
負極32は、帯状の形状を有する負極集電体32bと、この負極集電体32bの両面に形成された負極活物質層32aとからなり、負極集電体32bには負極端子36が接続されている。負極集電体32bは、例えば銅(Cu)箔、ニッケル(Ni)箔あるいはステンレス(SUS)箔などの金属箔からなる。また、負極端子36は銅(Cu)、ニッケル(Ni)等の金属箔であり、負極端子36は、負極活物質層32aが設けられていない負極集電体32bの一部に接続されることが好ましい。負極端子36は、電池缶21と溶接されて電気的に接続される。
負極活物質層22aは、例えば負極活物質と、必要であれば導電剤と、結着剤とを含有して構成されている。
負極活物質としては、リチウム金属、リチウム合金またはリチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料または金属系材料と炭素系材料との複合材料等、従来用いられてきたいずれの材料も用いることができる。具体的に、リチウムをドープ・脱ドープ可能な炭素材料としてはグラファイト、難黒鉛化炭素、易黒鉛化炭素等が挙げられる。より具体的には、熱分解炭素類、コークス類(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス)、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等の炭素材料を使用することができる。さらに、リチウムをドープ、脱ドープできる材料としては、ポリアセチレン、ポリピロール等の高分子やSnO2等の酸化物を使用することができる。
また、リチウムを合金化可能な材料としては多様な種類の金属元素、半金属元素が使用可能であるが、これらは単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種または2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。なお、この発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物),金属間化合物あるいはそれらのうちの2種以上が共存するものがある。
このような金属元素あるいは半金属元素としては、具体的には、マグネシウム(Mg)、ホウ素(B)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ケイ素、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、カドミウム(Cd)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、パラジウム(Pd)あるいは白金(Pt)などが挙げられる。
中でも、このような元素としては長周期型周期表における14族の金属元素あるいは半金属元素を構成元素として含むものが好ましく、特に好ましいのはケイ素およびスズの少なくとも一方を構成元素として含むものである。ケイ素およびスズは、リチウムを吸蔵および放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。具体的には、例えば、ケイ素の単体,合金,あるいは化合物、またはスズの単体,合金,あるいは化合物、またはこれらの1種あるいは2種以上の相を少なくとも一部に有する材料が挙げられる。
また、スズ(Sn)、コバルト(Co)および炭素(C)を含む合金等も用いることができる。
結着剤としては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が用いられる。
[セパレータ]
セパレータ33は、例えばポリプロピレン(PP)あるいはポリエチレン(PE)などのポリオレフィン系の材料よりなる多孔質膜、またはセラミック製の不織布などの無機材料よりなる多孔質膜により構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレンの多孔質フィルムが最も有効である。
セパレータ33の厚みは5μm以上50μm以下が好ましく、7μm以上30μm以下がより好ましい。セパレータ33は、厚すぎると活物質の充填量が低下して電池容量が低下するとともに、イオン伝導性が低下して電流特性が低下する。逆に薄すぎると、膜の機械的強度が低下する。
[非水電解質]
また、上述のセパレータ33には、液状の非水電解質である非水電解液が含浸されている。非水電解液には、非水電解質電池に一般的に使用される電解質塩と有機溶媒が使用可能である。
非水溶媒としては、具体的には、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、またはこれらの炭酸エステル類の水素をハロゲンに置換した溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は1種類を単独で用いてもよく、また複数種を所定の組成で混合してもよい。
また、電解質塩としては通常の非水電解液に用いられる材料を使用することが可能である。具体的には、LiCl、LiBr、LiI、LiClO3、LiClO4、LiBF4、LiPF6、LiNO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiAsF6、LiCF3SO3、LiC(SO2CF33、LiAlCl4、LiSiF6等を挙げることができるが、酸化安定性の点からLiPF6、LiBF4が望ましい。これらリチウム塩は単独で用いても複数種を混合して用いても良い。リチウム塩を溶解する濃度として、上記溶媒に溶解することができる濃度であれば問題ないが、リチウムイオン濃度が非水溶媒に対して0.4mol/kg以上、2.0mol/kg以下の範囲であることが好ましい。
ゲル状のゲル電解質を用いる場合には、上述の電解液をマトリクスポリマーでゲル化して用いる。マトリクスポリマーは、上記非水溶媒に上記電解質塩が溶解されてなる非水電解液に相溶可能であり、ゲル化できるものであればよい。このようなマトリクスポリマーとしては、ポリフッ化ビニリデンとの共重合体などのフッ素系子高分子化合物、ポリエチレンオキサイドあるいはポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリルを繰り返し単位に含むポリマーが挙げられる。このようなポリマーは、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
その中でも酸化還元安定性の点から特に好ましいのは、フッ素系高分子化合物が望ましい。例えば、ポリフッ化ビニリデンにヘキサフルオロプロピレンが75.0重量%以下の割合で導入された共重合体を用いることができる。このようなポリマーは、数平均分子量が5.0×105から7.0×105(50万〜70万)の範囲であるか、または重量平均分子量が2.1×105から3.1×105(21万〜31万)の範囲であり、固有粘度が1.7(dl/g)から2.1(dl/g)の範囲とされている。
[絶縁板]
絶縁板29aは、電池缶1の閉鎖部側において電池素子20と電池缶21との間に配置されており、電池缶29bは、電池素子30と電流遮断機構との間に配置されている。絶縁板29aおよび29bとしては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などの樹脂材料により構成されており、その厚みは、例えば0.1mm以上1.0mm以下の範囲内であることが好ましい。
絶縁板29aおよび29bには、必要に応じて孔部が設けられており、これらの孔から正極端子35もしくは負極端子36を導出して正極端子35と安全弁23もしくは負極端子36と電池缶21とを接続する。また、孔部を有することにより、電解液の注液性を向上させるとともに、ガス発生時にガスを通過させて電流遮断機構の動作を確実にすることができる。
(2)非水電解質二次電池の作製
このような非水電解質二次電池20は、以下のようにして作製される。
[正極の作製]
上述の正極活物質、結着剤、導電剤を均一に混合して正極合剤とし、この正極合剤を溶剤中に分散させてスラリー状にする。次いで、このスラリーをドクターブレード法等により帯状の正極集電体31b上に均一に塗布した後、高温で乾燥させて溶剤を飛ばし、さらにローラプレス機などにより圧縮成型することにより正極活物質層31aが形成される。なお、溶剤としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン等が用いられる。正極活物質、導電剤、結着剤および溶剤は均一に分散していればよく、その混合比は問わない。
[負極の作製]
負極活物質層は、例えば負極活物質と、必要であれば導電剤と結着剤とを含有して構成されている。これらを均一に混合して負極合剤とし、この負極合剤を溶剤中に分散させてスラリー状にする。次にこのスラリーをドクターブレード法等により帯状の負極集電体32b上に均一に塗布し、高温で乾燥させて溶剤を飛ばし、さらにローラプレス機などにより圧縮成型することにより負極活物質層32aが形成される。ここで、負極活物質、導電剤、結着剤および溶剤は、正極活物質と同様に、その混合比は問わない。
[電池素子の作製]
上述のようにして得られた帯状の形状を有する正極31と、負極32とを、例えば正極31、セパレータ33、負極32、セパレータ33の順に積層した後、長手方向に多数回巻することにより、電池素子30を作製する。
次に、このような電池素子30を用いて非水電解質二次電池20を作製する。
[非水電解質二次電池の作製]
まず、底部に絶縁板29aが予め挿入され、内側に例えばニッケルメッキが予め施された電池缶21に、センターピン34が巻回中心に挿入された電池素子30を収納する。そして、電池素子30の上面に絶縁板29bを配設する。その後、負極32の集電をとるために、電池素子30から導出された負極端子36の一端を抵抗溶接または超音波溶着等により電池缶21に溶接する。
これにより、電池缶21は負極32と導通をもつことになり、外部負極となる。また、正極31の集電をとるために、電池素子30から導出された正極端子35の一端をサブディスク28に接続し、このサブディスク28を遮断ディスク27およびディスクホルダ26を介して安全弁23に接続することにより、正極端子35と電池蓋22とを電気的に接続する。これにより、電池蓋22は正極31と導通をもつこととなり、外部正極となる。
続いて、電池缶21の中に電解液を注入した後に、遮断ディスク27およびディスクホルダ26を介してサブディスク28と接続した安全弁23と、熱感抵抗素子24と、電池蓋22とを挿入し、アスファルトを塗布した絶縁封口ガスケット25を介して電池蓋22をかしめることにより電池缶21を密封する。これにより、円筒型の非水電解質二次電池20が作製される。
このようにして作製された非水電解質二次電池20では、電池内圧が上昇して安全弁23が反転し、サブディスク28が破断して電流を遮断する際、遮断ディスク27の凸部27cによりサブディスク28の破断端部28aの立ち上がりを抑制し、電池内圧が低下しても安全弁23とサブディスク28の破断端部28aとの接触による通電を防止することができるため、高い安全性を得ることができる。
(実施例1−1〜1−3、比較例1−1)
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明する。なお、この発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例では、遮断ディスクの構成を変えて円筒型リチウムイオン電池を作製し、電流遮断状態の確認を行う。
<実施例1−1>
[正極の作製]
コバルト酸リチウム(LiCoO2)92重量%と、粉状ポリフッ化ビニリデン3重量%と、粉状黒鉛5重量%とを均一に混合して正極合剤を作製し、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状に調製した。この正極合剤を正極集電体となるアルミニウム(Al)箔の両面に均一に塗布し、100℃で24時間減圧乾燥することにより正極活物質層を形成した。
次いで、これをロールプレス機で加圧成形することにより正極シートとし、当該正極シートを帯状に切り出して正極とし、活物質の不塗布部分にアルミニウム(Al)リボンの正極端子を溶接した。
[負極の作製]
人造黒鉛91重量%と、粉状ポリフッ化ビニリデン9重量%とを均一に混合して負極合剤を作製し、これをN−メチル−2−ピロリドンに分散させてスラリー状に調製した。次に、この負極合剤を負極集電体となる銅箔の両面に均一に塗布し、120℃で24時間減圧乾燥することにより負極活物質層を形成した。
次いで、これをロールプレス機で加圧成形することにより負極シートとし、当該負極シートを帯状に切り出して負極とし、物質の不塗布部分にニッケル(Ni)リボンの負極端子を溶接した。
[電解液の作製]
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)とを6:4の重量比で混合し、0.8mol/kgのLiPF6と0.2mol/kgのLiBF4を溶解して電解液を作製した。
[円筒型リチウムイオン電池の作製]
続いて、上述のようにして作製された帯状の正極と負極とを、正極、セパレータ、負極、セパレータの順に積層してから多数回巻回し、電池素子を作製した。
以上のようにして得られた電池素子を、ニッケルメッキを施した鉄製電池缶に収納した。このとき、電池素子の巻回中心にはセンターピンを挿入し、下面には絶縁板が配設されるようにした。次に、負極端子を抵抗溶接により電池缶に接続し、電池素子の上面にも絶縁板を配設した後、正極端子とサブディスクとを接続した。続いて、遮断ディスクとディスクホルダとを介してサブディスクと安全弁とを接続した後、電解液を注液した。最後に、電池蓋と安全弁とを熱感抵抗素子を介した状態で電池缶の開放端部に配置し、アスファルトが表面に塗布された絶縁封口ガスケットを介して電池蓋を電池缶にかしめて円筒型リチウムイオン電池を作製した。なお、実施例1では図4Aに示すような断面四角形状の凸部を有する遮断ディスクを用いた。遮断ディスクの孔部の内径を1.7mm、遮断ディスクの凸部の内径を1.1mm、厚み(電池底面から電池蓋方向の寸法)を0.3mmとした。
<実施例1−2>
遮断ディスクとして図4Bに示すような断面三角形状の凸部を有し、遮断ディスクの凸部の内径を1.1mm、厚みを0.5mmとしたものを用いた以外は実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン電池を作製した。なお、厚さ方向の寸法は、断面の三角形状の最も高い部分とする。
<実施例1−3>
遮断ディスクとサブディスクの間にリング状プレートを配置して、図6Aに示すような構成とした以外は実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン電池を作製した。なお、リング状プレートは、直径2.3mm、内径1.1mm、厚みを0.05mmとしたものを用い、遮断ディスクの孔部内周から0.3mm内側にリング状プレートの孔部内周が配置されるようにした。
<比較例1−1>
遮断ディスクとして図1および図2Aに示すような構成のものを用いた以外は実施例1と同様にして円筒形リチウムイオン電池を作製した。
[過充電試験]
上述のような実施例1−1〜1−3および比較例1−1の電池をそれぞれ10個ずつ作製し、過充電試験を行った。過充電試験では、23.45℃の環境下で、作製した各電池において(公称容量×1.25)充電を行い、電流遮断機構が作動して電流が遮断された後、3時間放置した後に遮断が維持された電池個数を確認し、遮断維持率を求めた。
以下の表1に、結果を示す。
Figure 2008218193
表1に示すように、この発明を適用した実施例1−1ないし実施例1−3の電流遮断機構を用いた電池では、過充電が生じて電流が遮断された後遮断状態が維持された。一方、従来の電流遮断機構を用いた電池では電池内圧の低下とともにすべての電池で遮断状態が解除され、再度導通が起こってしまった。
また、実施例1−1および実施例1−2から分かるように、遮断ディスクの孔部に凸部を設けた場合、実施例1−2のように、凸部を断面三角形状とした方がより確実に遮断を維持することができた。実施例1−1の各電池において、遮断状態が解除された10%の電池は、凸部が遮断ディスクの内周部分から安全弁方向に折れ曲がっていた。
したがって、遮断ディスクの孔部の内側に凸部を設けるか、もしくは遮断ディスクとサブディスクとの間にリング状プレートを配置することにより、電流遮断後に遮断状態の解除が生じるのを防止することができることが分かる。
また、遮断ディスクの孔部の内側に凸部を設ける場合は、凸部を断面三角形状とすることにより、より高い遮断維持効果を得ることができることがわかる。なお、断面三角形状の凸部は、上述のように、遮断ディスクの孔部の内周との接触面積が大きいため、サブディスクが安全弁によって引き込まれる際の圧力によって変形しにくい、という効果が得られる。このため、断面三角形状に限らず、凸部と遮断ディスクの孔部の内周との接触面積が大きく、安全弁とサブディスクとの接続を阻害しない形状であれば同様の効果が得られると考えられる。
(実施例2−1〜2−3、比較例2−1〜2−2)
図4Aに示すような、断面四角形状の凸部を有する遮断ディスクを用い、遮断ディスクの孔部の内径を変化させて遮断効果を確認した。
<実施例2−1>
遮断ディスクの孔部の内径を2.0mm、遮断ディスクの凸部の内径を0.6mmとした以外は実施例1−1と同様にして円筒型リチウムイオン電池を作製した。
<実施例2−2>
遮断ディスクの孔部の内径を2.0mm、遮断ディスクの凸部の内径を1.2mmとした以外は実施例1−1と同様にして円筒型リチウムイオン電池を作製した。
<実施例2−3>
遮断ディスクの孔部の内径を2.0mm、遮断ディスクの凸部の内径を1.8mmとした以外は実施例1−1と同様にして円筒型リチウムイオン電池を作製した。
<比較例2−1>
遮断ディスクの孔部の内径を2.0mm、遮断ディスクの凸部の内径を0.5mmとした以外は実施例1−1と同様にして円筒型リチウムイオン電池を作製した。
<比較例2−2>
遮断ディスクの孔部の内径を2.0mm、遮断ディスクの凸部の内径を1.9mmとした以外は実施例1−1と同様にして円筒型リチウムイオン電池を作製した。
[過充電試験]
上述のような実施例2−1〜2−3および比較例2−1〜2−2の電池をそれぞれ10個ずつ作製し、過充電試験を行った。過充電試験では、23.45℃の環境下で、作製した各電池において(公称容量×1.25)充電を行い、電流遮断機構が作動して電流が遮断された後、3時間放置した後に遮断が維持された電池個数を確認し、遮断維持率を求めた。
以下の表2に、結果を示す。
Figure 2008218193
表2に示すように、この発明を適用した実施例2−1ないし実施例2−3の電流遮断機構を用いた電池では、過充電が生じて電流が遮断された後遮断状態が維持された。一方、遮断ディスクの孔部の内径に対する遮断ディスクの凸部の内径が25%である比較例2−1の円筒型リチウムイオン二次電池では、安全弁とサブディスクとの接続ができず、円筒型リチウムイオン二次電池を作製することができなかった。また、遮断ディスクの孔部の内径に対する遮断ディスクの凸部の内径が95%である比較例2−3の円筒型リチウムイオン二次電池では、凸部を設けることによるサブディスクの引き込み抑制効果が小さく、電流遮断状態が解除されてしまった。
したがって、上記結果から、遮断ディスクの孔部の内径に対する遮断ディスクの凸部の内径は30%以上90%以下とすることが好ましいことが分かった。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた数値・材料はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる数値・材料を用いてもよい。
また、この発明の一実施形態にかかる電流遮断機構は、上述のような構成を有していれば、大容量の電池等、いずれの電池にも用いることができる。
従来の電池構成を示す断面図である。 従来の電流遮断機構の構成および動作を示す模式図である。 この発明の一実施形態にかかる非水電解質電池の構成を示す断面図である。 この発明の一実施形態にかかる電流遮断機構の構成を示す模式図である。 この発明の一実施形態にかかる電流遮断機構の構成を示す斜視半図である。 この発明の他の実施形態にかかる電流遮断機構の構成および動作を示す模式図である。 この発明の他の実施形態にかかる電流遮断機構の構成を示す斜視半図である。
符号の説明
1,21・・・電池缶
2,22・・・電池蓋
3,23・・・安全弁
3a,23a・・・突出部
4,24・・・熱感抵抗素子
5,25・・・絶縁封口ガスケット
6,26・・・ディスクホルダ
7,27・・・遮断ディスク
7a,27a・・・ガス抜き孔
8,28・・・サブディスク
9a,9b,29a,29b・・・絶縁板
10,30・・・電池素子
11,31・・・正極
11a,31a・・・正極活物質層
11b,31b・・・正極集電体
12,32・・・負極
12a,32a・・・負極活物質層
12b,32b・・・負極集電体
13,33・・・セパレータ
14,34・・・センターピン
15,35・・・正極端子
16,36・・・負極端子
20・・・非水電解質電池
26a,27a・・・孔部
27b・・・ガス抜き孔
27c・・・凸部
29・・・プレート
29a・・・孔部

Claims (12)

  1. 安全弁と、
    略中央部に孔部を有するディスクホルダと、
    略中央部に孔部を有し、該孔部の内周に凸部が設けられた遮断ディスクと、
    電池素子と電気的に接続可能なようにしたサブディスクと
    を備え、
    上記安全弁と、上記ディスクホルダと、上記遮断ディスクと、上記サブディスクとが、上記遮断ディスクの上記孔部の上記サブディスク側の内径が上記安全弁側の内径よりも小さくなるように順に配置され、
    上記安全弁と上記サブディスクとが、上記ディスクホルダの孔部と、上記遮断ディスクの孔部とを介して接続されたこと
    を特徴とする電流遮断機構。
  2. 安全弁と、
    略中央部に孔部を有するディスクホルダと、
    略中央部に孔部を有する遮断ディスクと、
    略中央部に孔部を有する有孔部材と、
    電池素子と電気的に接続可能なようにしたサブディスクと
    を備え、
    上記安全弁と、上記ディスクホルダと、上記遮断ディスクと、上記有孔部材と、上記サブディスクとが順に配置され、
    上記安全弁と上記サブディスクとが、上記ディスクホルダの孔部と、上記遮断ディスクの孔部と、上記有孔部材の孔部とを介して接続されたこと
    を特徴とする電流遮断機構。
  3. 電池素子と、該電池素子と電気的に接続された電流遮断機構とを有する非水電解質電池であって、
    上記電流遮断機構は、
    上記非水電解質電池の内圧上昇により変形する安全弁と、
    略中央部に孔部を有するディスクホルダと、
    略中央部に孔部を有し、該孔部の内周の一部に凸部が設けられた遮断ディスクと、
    上記電池素子から導出された電極端子と接続されたサブディスクと
    を備え、
    上記安全弁と、上記ディスクホルダと、上記遮断ディスクと、上記サブディスクとが、上記遮断ディスクの上記孔部の上記サブディスク側の内径が上記安全弁側の内径よりも小さくなるように順に配置され、
    上記安全弁と上記サブディスクとが、上記ディスクホルダの孔部と、上記遮断ディスクの孔部とを介して接続されたこと
    を特徴とする非水電解質電池。
  4. 上記凸部は、断面略三角形状であることを特徴とする請求項3に記載の非水電解質電池。
  5. 上記凸部は、断面略四角形状であることを特徴とする請求項3に記載の非水電解質電池。
  6. 上記凸部の内径は、上記遮断ディスクの孔部の内径に対して30%以上90%以下であることを特徴とする請求項3に記載の非水電解質電池。
  7. 上記凸部の厚みは、0.1mm以上10.0mm以下であることを特徴とする請求項3に記載の非水電解質電池。
  8. 上記遮断ディスクは、アルミニウム(Al)からなることを特徴とする請求項3に記載の非水電解質電池。
  9. 電池素子と、該電池素子と電気的に接続された電流遮断機とを有する非水電解質電池であって、
    上記電流遮断機構は、
    上記非水電解質電池の内圧上昇により変形する安全弁と、
    略中央部に孔部を有するディスクホルダと、
    略中央部に孔部を有する遮断ディスクと、
    略中央部に孔部を有する有孔部材と、
    上記電池素子から導出された電極端子と接続されたサブディスクと
    を備え、
    上記安全弁と、上記ディスクホルダと、上記遮断ディスクと、上記有孔部材と、上記サブディスクとが順に配置され、
    上記安全弁と上記サブディスクとが、上記ディスクホルダの孔部と、上記遮断ディスクの孔部と、上記有孔部材の孔部とを介して接続されたこと
    を特徴とする非水電解質電池。
  10. 上記有孔部材の孔部の内径は、上記遮断ディスクの孔部の内径に対して30%以上90%以下であることを特徴とする請求項9に記載の非水電解質電池。
  11. 上記有孔部材の厚みは、0.1mm以上10.0mm以下であることを特徴とする請求項9に記載の非水電解質電池。
  12. 上記有孔部材は、アルミニウム(Al)からなることを特徴とする請求項9に記載の非水電解質電池。
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