JP2008217909A - 情報記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】特定の規格の情報記録媒体を、異なる規格の情報記録媒体として認識可能に情報の記録と再生が可能とする情報記録媒体を提供する。
【解決手段】 この発明は、記録層と光反射層から構成される記録膜と、記録層と光反射層との間の界面に、凹凸形状を有するプリグルーブとプリグルーブ間に挟まれたランドと、を有する情報記録媒体100において、プリグルーブとランドは、所定の周波数のウォブルが与えられ、その周波数は記録及び再生に650±5nmの光を用いる規格の記録媒体に比較して所定のずれを含むことを特徴とする情報記録媒体である。
【選択図】図16
【解決手段】 この発明は、記録層と光反射層から構成される記録膜と、記録層と光反射層との間の界面に、凹凸形状を有するプリグルーブとプリグルーブ間に挟まれたランドと、を有する情報記録媒体100において、プリグルーブとランドは、所定の周波数のウォブルが与えられ、その周波数は記録及び再生に650±5nmの光を用いる規格の記録媒体に比較して所定のずれを含むことを特徴とする情報記録媒体である。
【選択図】図16
Description
この発明は、特定の規格の情報記録媒体を、異なる規格の情報記録媒体として認識可能に情報の記録と再生が可能とする情報記録媒体に関する。
現在市販されている記録型の光ディスクであるDVD−RディスクまたはDVD−RWディスクは、ランドプリピットによりアドレス情報が予め記録されており、ウォブルされたプリグルーブ上に、記録マークが形成されている。
ランドプリピット及びプリグルーブからの再生信号は、アドレス情報の再生やトラッキングサーボ信号として利用される。安定したトラッキングやアドレス情報の正確な再生のために、これらの再生信号は大きな信号となるように、ランドプリピットやプルグルーブの形状は最適化されている。なお、ランドプリピット及びプリグルーブは、再生専用の−ROMタイプの光ディスクについては設けられておらず、従って、それらがウォブルしていることも無い。
特許文献1には、再生専用の第1のウォブルと、第1のウォブルと異なる形態の記録再生用の第2のウォブルが形成され、第2のウォブルは第1のウォブルよりも高周波、且つ整数倍に規定された光ディスクが示されている。
特開2003−123269
今日、情報記録再生装置において、ディスクの製造後にコンテンツが記録された追記型(−R)もしくは書き換え型(−RW)の光ディスクを、再生専用(−ROM)ディスクとして認識させるために、再生専用(−ROM)ディスクと追記型(−R)もしくは書き換え型(−RW)ディスクにおける大きな差異の一つであるプッシュプル演算方式によるトラッキングエラー信号振幅を、再生時は再生専用(−ROM)ディスクとみなすことができる程度に小さくできる情報記録媒体(光ディスク)の開発が進められている。
しかしながら、再生専用のDVD−ROMディスクでは、エンボスピットで形成された記録マークによってアドレス情報やトラックが形成されており、ランドプリピットやプリグルーブは形成されていない。また、再生専用の光ディスク装置は、記録マークの情報を再生するために最適化されているため、記録型の光ディスクに固有のランドプリピットやプリグルーブの再生信号が混入すると、これが雑音成分となる。従って、たとえ記録条件が最適化された記録マークであっても、再生特性が劣化する。すなわち、現行のDVD−RやDVD−RWといったディスクと再生専用のDVD−ROMとの間で、記録マークの読み取り特性が異なる問題がある。
このことは、特許文献1に示された例においても、解決されていない(第1のウォブルは、リードイン領域に代表される再生専用領域にのみ設けられている)。
この発明の目的は、特定の規格の情報記録媒体を、異なる規格の情報記録媒体として認識可能に情報の記録と再生が可能とする情報記録媒体を提供することである。
この発明は、上記問題点に基づきなされたもので、記録層と光反射層から構成される記録膜と、前記記録層と前記光反射層との間の界面に、凹凸形状を有するプリグルーブとプリグルーブ間に挟まれたランドと、を有する情報記録媒体において、前記プリグルーブと前記ランドは、所定の周波数のウォブルが与えられ、その周波数は記録及び再生に650±5nmの光を用いる規格の記録媒体に比較して所定のずれを含むことを特徴とする情報記録媒体である。
この発明によれば、本提案によれば、追記可能な規格の情報記録媒体を、再生専用の規格の情報記録媒体として認識可能に情報の記録が可能となる。
また、本提案によれば、追記可能な規格の情報記録媒体を再生専用とみなして、記録された情報を安定に再生可能となる。
さらに、本提案によれば、再生専用と判断される記録可能な情報記録媒体のユーザーデータ領域に、追記可能な情報記録媒体に準じて、情報が記録可能である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施例が適用可能な情報記録媒体内(光ディスク)の構造を、図1と図2に示す。図1は、情報記録媒体の断面図、図2は情報記録媒体のグルーブ配置を上部から見た図である。図1では、図2に示したランドプリピット108の記載を省略している。
図1及び図2に示す追記形情報記録媒体(光ディスク)100は、記録層103の材料として有機色素系材料を使用し、前記記録層103に隣接してAgまたはAg合金などの無機物から成る光記録層102が形成されている。
記録層103と光反射層102との界面では、プリグルーブ107やランドプリピット108部に段差Hrの凹凸形状になっている。光反射層102の反対側の界面にも凹凸形状が存在するが、図1では光反射層102の厚みが充分厚いので光反射層102の中央で切断した図面を示し、反対側の界面での凹凸形状の記載を省いた。
今後の説明では、本実施例における追記形情報記録媒体内の記録層103として有機色素系材料を使用する実施例について説明するが、本発明はそれに限らず記録層103の材料として無機物を使用しても良い。記録層103の材料として無機物を使用する実施例としてカルコゲナイド系などの相変化形(相変化を利用して記録マーク105を形成する)記録材料を使用することもできるし、Te−C等の直接穴を開けて記録マーク105を形成するタイプ、あるいは異なる種類の無機層を複数層積層し、熱による拡散により記録マーク105内で混合物または化合物を形成させるものであっても良い。
本発明の実施例の一つである記録媒体は、情報の記録のために第一の波長である650nmより短い波長の光を用い、記録した情報の再生には第二の波長である650nmの波長の光を用いる。従って、記録層の材料としては、650nmより短い波長の光で記録が可能なように、650nmより短い波長の光の吸収率が高いものが望ましい。かつ、650nmでの記録データの再生が可能なように、記録の前後で650nm付近の波長に対する、屈折率もしくは反射率の変化が大きいものが望ましい。
情報記録媒体の基板101には、同心円状、またはスパイラル状にプリグルーブ107が形成されており、プリグルーブ107は、図2に示すように半径方向に蛇行している。この蛇行した形状をウォブルと呼ぶ。また、ランドの一部に、プルグルーブがはみ出したような形状が形成されており、これをランドプリピット108と呼ぶ。
図1に示した断面構造を有した本実施例における情報記録媒体の場合には、Push−Pull法を用いたトラックずれ検出信号やランドプリピット108からの検出信号は、段差Hrを有する記録層103と光反射層102との間の界面で反射した光の回折・干渉により得られる。
本発明において用いる情報記録媒体(光ディスク)100は、記録/再生装置として記録光と再生光とで使用波長を変えるとともに、波長の異なった記録光と再生光に対して良好な記録特性と再生特性を保証するものである。また、情報記録媒体(光ディスク)100は、記録光に対してトラックずれ検出信号とランドプリピット検出信号が得られると同時に、再生光に対してはプリグルーブやプリピットからの影響がほとんど出ないようなプリグルーブ形状と寸法、およびランドプリピット形状と寸法を有している。なお、本実施例における情報記録媒体においては、現行のDVD−RディスクやDVD−RWディスクとの間の再生互換性を確保するため、波長が650±5nmの光で再生可能とする。
記録光に対してトラックずれ検出信号とランドプリピット検出信号が得られると同時に再生光(650±5nmの光)に対してはプリグルーブやプリピットからの影響がほとんど出ないようなプリグルーブ寸法及びランドプリピット寸法と記録光の波長との関係について、図3を用いて説明する。
前述したように、プッシュ−プル法を用いたトラックずれ検出信号やランドプリピット108からの検出信号は、記録層103と光反射層102との間の界面(図2参照)で反射した光の回折・干渉により得られる。段差がHrであるプリグルーブ107またはランドプリピット108とランド109の両方に、それぞれ波長の異なる入射光114が照射された場合を説明する。
図3(a)は、波長が650nmの再生光が照射された場合を表し、プリグルーブ107またはランドプリピット108とランド109に対して垂直に反射される反射光115が段差Hrにより受ける位相差をε650で表す。
図3(b)は、再生光とは異なる波長λwの記録光が照射された場合を示している。記録光による反射光115が段差Hrにより受ける位相差をελwとする。
図3(c)に示すように、段差量Hrが等しい場合には、λw < 650nm の時には、 ε650 <ελw の関係が成り立つ。
ε650 < π であり、ελw < π の場合には、位相差εが大きい方が反射光115間の干渉量が大きく、大きなトラックずれ検出信号とランドプリピット検出信号が得られる。また、位相差εが小さい方が反射光115間の干渉が小さく、プリグルーブやプリピットからの悪影響が出にくい。そのため、本実施例では再生光の波長(650±5nm)に対して記録光の波長λwを短くし(λw < 650nm)、記録光に対してトラックずれ検出信号とランドプリピット検出信号が得られると同時に再生光に対してはプリグルーブやプリピットからの影響がほとんど出ないようにしたところに大きな特徴が有る。
記録光に使用される波長λwの値は、650nmより短ければ任意の値を取ることが可能である。しかし、HD DVDやBD(Blu Ray)で、発光波長が405nmの半導体レーザー光源が使用されているので、同様に405nmの光源を使用することで、記録用光学ヘッドを安価に作成できる。
ここで、第二の波長である650±5nmを有する再生光に対する記録層103内での屈折率をn650とすると、ランドプリピットの深さ(段差)と等しいプリグルーブの深さ(段差)Hrが「650/(8・n650)nm」の時が、最もランドプリピット検出信号とトラックずれ検出信号が大きく検出される。従って、再生時にその影響を受けない条件としては、本実施例ではプリグルーブの深さ(段差)およびランドプリピットの深さ(段差)Hrがその半分の「650/(16・n650)nm」以下に設定する。また、より影響を受けない条件では、更にその半分の「650/(32・n650)nm」以下に設定することが望ましい。
ここで、第一の波長である記録光の波長を405nmとすれば、記録中のプリグルーブの深さ(段差)およびランドプリピットの深さ(段差)Hrは、405nmに対して「405/(10・n405)nm(=650/405×405/(16・n650)nm)」となり、記録時にはプリグルーブ及びランドプリピットからの信号を再生することができる。
図4は、図1〜図3に示した光ディスクに情報を記録する記録用のレーザー光の波長と光ディスクから情報を再生する再生用のレーザー光の波長を変える場合に利用可能な記録媒体すなわち光ディスクDの記録面の記録層の特性の一例を示している。なお、第1の波長と第2の波長とは、以下の理由から(既に説明した)400〜410nmと650〜680nmに設定される。
現行のDVD−RディスクやDVD−RWディスクでは、再生光の波長として650±5nmを前提としている。従って、図4に示す特性(吸光度)を有する本提案の光ディスクの記録層としても、現行のDVD−RディスクやDVD−RWディスクとの間の再生互換性を確保するため、波長が650±5nmの光で再生可能であることが求められる。
一方で、記録用に用いられるレーザー光に使用される波長λwの値は、650nmより短ければ任意の値を取ることが可能である。反面、既にHD DVDやBD(Blu Ray)規格においては、405nmの波長のレーザー光(半導体レーザー光源)が使用されている。従って、記録用のレーザー光の波長の1つとしては、405±5nmが有力である。
これらから、図4に示す光ディスクの記録層の特性(吸光度)は、波長405nm(第1の波長)における吸光度よりも記録前/記録後のいずれの場合も、波長650nm(第2の波長)における吸光度が高く、さらに第2の波長に対する吸光度は、記録前よりも記録後が低くなることが好ましい。
すなわち、図4に示す光ディスクの記録層の特性は、吸収のピークが第2の波長(赤)よりも長波長側であり、第2の波長のレーザー光を用いて情報を記録し、あるいは再生する場合に、第1の波長のレーザー光をほとんど吸収しないため、第1の波長のレーザー光に対する反射率は、第2の波長のレーザー光による記録の有無に拘わりなく、ほぼ一定となる。
このことは、図4に示した吸光度(反射率)を有する記録層を用いることで、トラッキング信号のオフセット変化が無く、安定したトラッキングをかけることが可能となる。なお、第1の波長のレーザー光に対する記録と未記録(記録の有無)により反射率(吸光度)が異なる場合、記録領域と未記録領域(記録の有無)による明るさ(反射)の差が、プッシュプル信号のオフセットになり、安定したトラッキングをかけることが困難となることはいうまでもない。
一方、光ディスクに固有のランド/グルーブの深さについては、図5に示すように、波長405nmのレーザー光を、NA=0.65の対物レンズで集光させた場合のグルーブ深さとプッシュプル信号振幅との間の関係を示すシミュレーション結果と、図6に示すように、波長650nmの光をNA=0.6の対物レンズで集光させた場合のグルーブ深さとプッシュプル信号振幅との間の関係を示すシミュレーション結果から、求めることができる。
図5は、プリグルーブ深さをパラメータとし、(グルーブの)台形斜面の中央におけるランド幅とグルーブ幅の比率を変えた時の出力の変化を計算している。なお、図5において、曲線Aは、グルーブ深さが10nmの例を、曲線Bは、グルーブ深さが20nmの例を、曲線Cは、グルーブ深さが30nmの例を、曲線Dは、グルーブ深さが40nmの例を、曲線Eは、グルーブ深さが50nmの例を、曲線Fは、グルーブ深さが60nmの例を、曲線Gは、グルーブ深さが70nmの例を、それぞれ示している。
同じ条件で、波長405nmの記録光をNA0.65の対物レンズで集光させた場合のシミュレーション結果を図6に示す。なお、図6において、各曲線のa〜gは、グルーブ深さを示し、それぞれは、図5の大文字の添え字と対応されている。
図5および図6から、図5示した例に比べて図6に示した例のほうが遙かに大きなプッシュプル信号振幅が得られることが分かる。
例えば、光ディスクDの記録層の溝(グルーブ)の深さが20nmである時、波長405nmのレーザー光に対してプッシュプル振幅が大きく出力されるが、波長650nmのレーザー光では小さい。従って、光ディスクの記録層に、このようなグルーブ(溝)を与えることで、波長405nmのレーザー光によりトラッキングをかけて光ディスクに信号を記録した後、波長650nmのレーザー光で再生した場合には、プッシュプル信号がほとんど出力されない。その結果、フォーカス信号におけるトラッククロスの影響が小さくなり、安定したフォーカスをかけることが可能である。
なお、記録済みの光ディスクを、現行のDVD規格の光ディスク向けの任意の光ヘッド及び光ディスク装置を用いて、波長650nmのレーザー光で再生する場合においても、記録マーク(ピット列)が記録されていることに起因して、DPD(Difference Phase Detection)方式でトラッキングをかけることが可能であるため、プッシュプル信号が出力されないことは問題とならない。
図1ないし図4に示した情報記録媒体(光ディスク)100には、詳述しないが、予め光ディスクの種類識別情報や、最適記録波形設定情報、記録波形最適化の目標値などが記録されている。例えば、アプリケーションコードとして、そのディスクがどのような目的で使用されるかが記録されており、一般のデータを記録するためのディスクであるか、図7に一例を示すMOD(Manufacturing On Demand)に使用されるディスクであるか、図8に一例を示すEST(Electric Sell Through)に使用されるかといった情報である。ここで、MODとは、暗号化された映像コンテンツ等を小売店に対してネットワーク等で配信し、そのコンテンツを小売店内に設置された光ディスク装置で情報記録媒体に記録し、販売する形態である。また、ESTとは、暗号化された映像コンテンツ等を直接エンドユーザーに配信かつ販売し、エンドユーザーが所有している光ディスク装置内で、ユーザーが保持している情報記録媒体に記録することを許容する販売形態である。光ディスク装置は、これらのディスクタイプまたはアプリケーションコードを確認することにより、挿入されたディスクが一般のデータ記録用のディスクであるのか、EST用のディスクであるのかを簡単に判別でき、最適な記録波長の選択や配信されたコンテンツの記録を許可されている記録媒体であるか、そうでないかといったことを判定することができる。
図7及び図8に、MOD方式およびEST方式について、概略的に説明する。
情報記録媒体すなわち光ディスク100には、MOD方式においては、小売店5内に設置された情報(複製)記録装置55により暗号化されたディスク鍵群16と暗号化されたタイトル鍵13、暗号化された映像コンテンツ14が記録され、EST方式に使用される情報記録媒体はエンドユーザ6が所有している記録装置により暗号化されたディスク鍵群16と暗号化されたタイトル鍵13、暗号化された映像コンテンツ14が記録される。
本実施例では、映像コンテンツ14等の特定情報とCSSに関連した各種鍵情報いずれに対しても暗号化後の情報をネットワーク経由で配信させることを特徴とする。
図7に示すように、MOD方式においては、コンテンツは、情報記録媒体100に、小売店5内に設置された情報(複製)記録装置55内で、記録波長λw(≠650nm)のレーザー光で記録される。この情報(複製)記録装置55内には、通信鍵記憶部52とマスタ鍵記憶部27が存在する。図7では両者が異なるように記述されているが、それに限らず通信鍵記憶部52とマスタ鍵記憶部27が1個のメモリ内で兼用されていても良い。
小売店5は、映像コンテンツ11等の特定情報の制作会社(コンテンツプロバイダ)54に対して通信鍵代金49を支払って、通信鍵44を購入する。
この特定情報の制作会社(コンテンツプロバイダ)54はこの通信鍵を利用して映像コンテンツ11等の特定情報を暗号化し、通信鍵で暗号化された特定情報45をネットワーク経由で小売店5に対して配信する。小売店5では、この特定情報を暗号化して記録した情報記録媒体100をエンドユーザ6に販売し、その売り上げに応じた複製許可代金47を特定情報の制作会社(コンテンツプロバイダ)54に対して支払う。
特定情報の制作会社(コンテンツプロバイダ)54から配信された通信鍵で暗号化された特定情報45は、既に配信された通信鍵44の情報を利用し、特定情報に対する複合器51内で、一度は暗号解読される。その直後にタイトル鍵12で暗号化し、タイトル鍵で暗号化された特定情報42の形で情報記録媒体100内に記録される。図4に示した実施例では、プレーンな(非暗号化状態の)ディスク鍵15の代わりに、暗号化されたタイトル鍵13がネットワークを経由して小売店5へ転送される。それを可能にするために、本実施例では暗号鍵発行会社(CSSエンティティー)2と小売店5との間にエージェント会社8を配置している。このエージェント会社8ではタイトル鍵生成部21によりタイトル毎のタイトル鍵12を発行する。
次に充分にセキュリティ対策が施された環境下で暗号鍵発行会社(CSSエンティティー)2から転送されたディスク鍵15を用いて暗号化されたタイトル鍵13をタイトル鍵の暗号器23内で発生させて小売店5へ向けてネットワーク配信する。
小売店5内の情報(複製)記録装置55内ではこのネットワーク配信された暗号化されたタイトル鍵13を情報記録媒体100内にそのまま記録する。
小売店5では情報記録媒体100内に記録したタイトル鍵13の記録回数に応じてエージェント会社8に対して鍵代金とDVDライセンス料33を支払う。エージェント会社8では、これにより集まったDVDライセンス料33をまとめてDVDライセンス会社7に支払う。
また、DVDライセンス会社7は、ブランク状態20の情報記録媒体100を製造する情報記録媒体の製造会社9に対してDVDライセンス料32を徴収する代わりに情報記録媒体の製造許諾権31を与える。
図7に示したエージェント会社8は、ディスク複製会社(レプリケータ)4と同様に暗号鍵発行会社(CSSエンティティ)2からディスク鍵15と共に暗号化されたディスク鍵群16を受け取るが、エージェント会社8は小売店に対して暗号化されたディスク鍵群16をそのままネットワーク配信する。
このように、小売店5に対してネットワーク配信される情報は“通信鍵で暗号化された特定情報45”と“暗号化されたディスク鍵群16”、“暗号化されたタイトル鍵”と言う全て暗号化された情報なため、ネットワーク経路途中で情報が漏れたとしても不正コピーを防止することが可能となる。
図7では、MOD方式に使用される情報記録媒体100を例に説明したがが、本発明はそれに限らず、上述のEST方式に使用される情報記録媒体10に対しても適応が可能である。
ESTの場合には、ネットワーク経由での配信先がエンドユーザ6となるが、この場合でもエンドユーザ6に対しては“通信鍵で暗号化された特定情報45”と“暗号化されたディスク鍵群16”、“暗号化されたタイトル鍵”と言う全て暗号化された情報が配信されるため、不正コピーを防止できる。
さらに、MOD方式/EST方式のいずれの場合でもネットワーク配信されるCSSに関連した情報が“暗号化されたディスク鍵群16”と“暗号化されたタイトル鍵”と言う情報記録媒体10内に記録される情報と一致しているため、情報(複製)記録装置55内の記録前段階処理が大幅に簡素化されて、情報(複製)記録装置55の低価格化と処理の信頼性向上が実現できる。
また、情報(複製)記録装置55内のディスク鍵の複合器28内では、マスタ鍵記憶部27から転送されるマスタ鍵40を利用して、エージェント会社8からネットワーク配信された暗号化されたディスク鍵群16の暗号解読を行う。
ここで得られたディスク鍵15を利用してタイトル鍵の複合器29内では、同じくエージェント会社8からネットワーク配信された暗号化されたタイトル鍵13の暗号解読を行ってタイトル鍵12を生成し、このタイトル鍵12を用いて特定情報に対する暗号器41内で特定情報43の暗号化を行って情報記録媒体100へ記録する。
図8においても、情報(複製)記録装置60に対してネットワーク配信されるCSS関連情報は“暗号化されたディスク鍵群16”と“暗号化されたタイトル鍵”と言う暗号化された情報記録媒体10に記録される情報であることは、図7に示した実施例と一致している。しかし、図8の応用例では、映像コンテンツ11をネットワーク配信される代わりに通常のDVD−Videoディスク3を配送36していることが異なる。
図8に示した実施例では、情報(複製)記録装置60内部において、DVD−Videoディスク3内に、記録されている暗号化された映像コンテンツ14の暗号解読(復合化)を行うと共に、暗号解読後の映像コンテンツ14を再度暗号化して本発明の情報記録媒体100に記録する。
図9は、本発明が適用される情報記録再生装置(光ディスクドライブ)の構成例を示すブロック図である。
この情報記録再生装置(光ディスクドライブ)は、前記の情報記録媒体(光ディスク)100に対して情報の記録及び再生を行うものである。光ディスク100には、図1ないし図4により既に説明したが、同心円状、または螺旋状に溝が刻まれており、溝の凹部をランド、凸部をグルーブと呼び、グループまたはランドの一周をトラックと呼ぶことは、既に説明した通りである。
ユーザデータは、このトラック(グルーブのみまたはグルーブ及びランド)に沿って、強度変調されたレーザー光を照射して記録マークを形成することで記録される。データ再生は、記録時より弱いリードパワー(read power)のレーザー光をトラックに沿って照射して、トラック上にある記録マークによる反射光強度の変化を検出することにより行われる。記録されたデータの消去は、前記リードパワーより強いイレースパワー(erase power)のレーザー光をトラックに沿って照射し、記録層を結晶化することにより行われる。なお、情報記録媒体(光ディスク)100は、図1ないし図4により既に説明したように、波長が405±5(400〜410)nmの青色レーザー照射時は、プッシュプル(Push-Pull)演算方式による大きなトラッキングエラー信号振幅が得られるが、赤色レーザー照射時はプッシュプル演算方式により小さなトラッキングエラー信号振幅しか得られない特徴を有している。
光ディスク100は、スピンドルモータ63によって所定の速度で回転される。スピンドルモータ63に設けられたロータリエンコーダ63aからは、回転角信号が提供される。回転角信号は、スピンドルモータ63が1回転すると、例えば、5パルス発生する。この回転角信号からスピンドルモータ63の回転角度及び回転数を判断できる。
光ディスク100に対する情報の記録・再生は、光ピックアップ(Pick Up Head)65によって行われる。光ピックアップ65は、送りモータ67とギアとスクリューシャフトを介して連結されており、この送りモータ67は、送りモータ制御回路68により制御される。送りモータ67が送りモータ制御回路68からの送りモータ駆動電流により回転することにより、光ヘッド65が光ディスク100の半径方向に移動する。
光ヘッド65には、図示しないワイヤもしくは板バネにより、光ディスク100の記録面と直交する方向及び光ディスク100の半径方向に所定距離だけ移動可能に支持された対物レンズ70が設けられている。対物レンズ70は、駆動コイル72の駆動によりフォーカシング方向(記録面と直交する方向すなわち対物レンズ70の光軸方向)への移動が可能で、また駆動コイル71の駆動によりトラッキング方向(光ディスク100の半径方向すなわち対物レンズ70の光軸と直交する方向)への移動が可能である。
レーザー変調制御回路75は、情報記録時(マーク形成時)に、ホスト装置94からインタフェース回路93を介して供給される記録データに基づいて、書き込み用信号を青色レーザーダイオード(青色レーザー発光素子、発光波長405±5nm)79−1に提供する。同時に、レーザー変調制御回路75は、読取り用信号を赤色レーザーダイオード79−2(赤色レーザー発光素子、発光波長650±5nmまたは650〜680nm)に提供する。
フォトダイオードにより構成されるモニタ用光検出器(FM−PD)95−1と(FM−PD)95−2は、それぞれ青色レーザーダイオード79−1と赤色レーザーダイオード79−2が発生するレーザー光の一部をハーフミラー96−1とハーフミラー96−2により一定比率だけ分岐し、光量つまり照射パワーに比例した受光信号をそれぞれ検出し、受光信号をレーザー変調制御回路75に供給する。レーザー変調制御回路75は、モニタ用光検出器(FM−PD)95−1および(FM−PD)95−2からの受光信号に基づいて、CPU(Central Processing Unit)90により設定された再生時レーザーパワー、記録時レーザーパワー及び消去時レーザーパワーで発光するように、青色レーザーダイオード79−1と赤色レーザーダイオード79−2を制御する。
それぞれのレーザーダイオード79−1,79−2は、レーザー変調制御回路75から供給される信号に応じて青色もしくは赤色レーザー光を発生する。青レーザーダイオード79−1から発せられるレーザー光は、コリメータレンズ80、ハーフプリズム81、対物レンズ70を介して光ディスク100上に照射される。赤レーザーダイオード79−2から発せられるレーザー光は、コリメータレンズ80、ハーフプリズム81、対物レンズ70を介して光ディスク100上に照射される。光ディスク100からの反射光は、対物レンズ70、ハーフプリズム81、集光レンズ82、波長選択プリズム86によって赤色光と青色光それぞれに分けられ、それぞれ、シリンドリカルレンズ83−1,83−2を介して、信号再生用光検出器84−1,84−2に導かれる。光ヘッド65は、赤色もしくは青色どちらかの波長で対物レンズが情報記録媒体(光ディスク)100の記録層の合焦点位置になると、他方の波長でも合焦点位置となる仕組みを有している。また、光ヘッド65は、赤色レーザー光と青色レーザー光のビームスポット中心が一致しているという特徴を有している。
信号再生用光検出器84−1,84−2は、例えば4分割の光検出セルから成り、これら光検出セルの検知信号はRFアンプ85に出力される。RFアンプ85は、個々の光検出器84−1,84−2の光検知セルからの信号を処理し、合焦点位置からの誤差を示すフォーカスエラー信号FE、レーザー光のビームスポット中心とトラック中心との誤差を示すトラッキングエラー信号TE、及び光検知セル信号の全加算信号である再生信号を生成する。記録時においては、トラッキングエラー信号TEは、青色用光検出器84−2出力、光検知セル信号の全加算信号である再生信号は赤色用光検出器84−1出力を使用する。合焦点位置からの誤差を示すフォーカスエラー信号FEは、赤色用光検出器84−1出力または青色用光検出器84−2出力のどちらを使用しても良い。
フォーカスエラー信号FEは、RFアンプ85の出力が、ローパスフィルター(LPF)87−1で帯域制限されることで生成され、フォーカス制御回路87−2に供給される。フォーカス制御回路87−2は、フォーカスエラー信号FEに応じてフォーカス駆動(制御)信号を生成する。フォーカス駆動信号は、フォーカシング方向の駆動コイル71に供給される。これにより、レーザー光が光ディスク100の記録膜上に常時ジャストフォーカスとなるフォーカスサーボが行われる。
トラッキングエラー信号TEは、RFアンプ85の出力が、ローパスフィルター(LPF)88−1で帯域制限されることで生成され、トラック制御回路88−2に供給される。トラック制御回路88−2は、トラッキングエラー信号TEに応じてトラック駆動信号を生成する。トラック制御回路88から出力されるトラック駆動(制御)信号は、トラッキング方向の駆動コイル72に供給される。これにより、レーザー光が光ディスク100上に形成されたトラック上を常にトレースするトラッキングサーボが行われる。
上記フォーカスサーボおよびトラッキングサーボがなされることで、信号再生用光検出器84−1あるいは84−2の各光検出セルの出力信号の全加算信号RFには、記録情報に対応して光ディスク100のトラック上に形成された記録マークなどからの反射光の変化が反映される。この信号は、イコライザー(EQ)78−1により周波数特性がイコライズ(補償)され、データ再生回路78−2に供給される。データ再生回路78−2は、PLL回路76からの再生用クロック信号に基づき、記録データを再生する。
なお、RFアンプ85の出力の一部は、バンドパスフィルター(BPF)98−1により帯域制限され、ウォブル検出回路98−2に入力される。また、BPF98−1の出力はウォブルカウンタ98−3にも入力される。
上記トラック制御回路88によって対物レンズ70が制御されているとき、送りモータ制御回路68により、対物レンズ70が光ヘッド65内の所定位置近傍に位置するよう送りモータ67つまり光ヘッド65が制御される。
スピンドルモータ制御回路64、送りモータ制御回路68、レーザー制御回路73、PLL(Phase Locked Loop)回路76、データ再生回路78、フォーカス制御回路87−2、トラック制御回路88−2、エラー訂正回路62等は、バス(Bus line)89を介してCPU90によって制御される。CPU90は、インタフェース回路93通じてホスト装置94から提供される動作コマンドに従って、記録再生装置の全体動作を制御する。また、CPU90は、RAM(Random Access Memory)91を作業エリアとして使用し、不揮発メモリNV−RAM99に記録された装置個体毎のパラメータを適宜参照し、ROM(Read Only Memory)92に記録されている本発明によるプログラムを含む制御プログラムに従って所定の動作を行う。
次に、本実施例に基づく情報記録再生装置の記録時の動作について詳述する。
記録時は、ホストコンピュータ94からインタフェース回路93を通して記録データが送られ、レーザー変調制御回路75により記録データに対応したレーザー駆動波形電流が生成される。生成されたレーザー駆動波形電流は、青色レーザーダイオード79−1へ送られ、光ヘッド65上の青色レーザーダイオード79−1を強度変調し、情報記録媒体100上に記録マークを形成するのは前記のとおりである。前記のとおり、同時に光ヘッド上の赤色レーザーダイオード79−2を照射しているので、青色レーザーダイオード79−1により形成された記録マークによる赤色光での反射光による受光信号が信号再生用光検出器84−1または84−2へ入力され、RFアンプ85、EQ78−1により周波数特性が補償された後、データ再生回路78−2へ送られる。
データ再生回路78−2では、受光信号に基づいて信号を再生し、記録マーク長・スペース長ごとに、理想的な時間間隔とのずれ量(ジッター)、受信信号のシンメトリー(信号波の平均値を中心としたときの信号振幅の対称性)等、記録パルスの調整に必要な情報を検出する。
CPU90は、データ再生回路78が検出した情報を元に、青色レーザーダイオード79−1により形成された記録マークを赤色レーザーダイオード79−2を使用して再生した時に、再生される信号波形が理想的に(再生信号の情報エラーが小さく)なるよう、記録時レーザーパワー及び消去時レーザーパワーの設定値をレーザー変調制御回路75へ指令する。
次に、図9を用いて説明した情報記録再生装置において、情報記録媒体(光ディスク)にプリグルーブまたはランドプリピットのウォブルを検出する方法について、詳細に説明する。すなわち、図9に示した情報記録再生装置においては、図1ないし図4を用いて既に説明したようなランドプリピット及びプリグルーブが設けられている記録用の情報記録媒体を、再生専用の情報記録媒体とみなして記録されている情報が再生可能であるとともに、記録用の情報記録媒体については、新規に、あるいは途中まで情報が記録されている状態において、残りの記録可能領域に、情報を記録することができる。
これを実現するため、図9に示した情報記録再生装置の要部を図10に抜き出して説明するが、ウォブル検出回路98−2は、ウォブル信号を抽出するために、ウォブル周波数を中心とするバンドパスフィルター(BPF)98−1を前段に有する。バンドパスフィルター98−1は、例えば図11に示すように、1次のローパスフィルター98−11と1次のハイパスフィルター98−12の組み合わせが用いられる。バタワース特性を持つ1次のフィルターの場合、カットオフ周波数に対して−6dB/octの特性で信号が減衰する。従って、現行のDVD規格の光ディスクにおけるウォブルに対して周波数をずらしたウォブル信号は、バンドパスフィルター98−12の出力において減衰するため、ウォブル検出回路98−2において、「ウォブル有り」と判断されなくなる(「ウォブル無し」と判断される)。
なお、ウォブル周波数のずらし量は、バンドパスフィルター(BPF)98−1の減衰特性と「ウォブル有り」と判断する基準値の関係で決めるとよく、例えば標準ディスクのウォブル検出出力に対して1/2以下になると『ウォブル無し』と判断できる場合には、図12に示すように、基準ディスクに対して、ウォブル周波数を2倍、あるいは1/2にするとよい。この場合、BPF98−1を通されたウォブル信号は、図13(d)に示すように、図13(b)に示す通常のウォブル信号の振幅に比較して、その絶対値(peak-peak)が減衰される。
また、記録クロック周波数とウォブル周波数は、いうまでも無く同期している必要がある。例えば、図14に示すように、個々の同期ブロックにおいて、ウォブル信号は、実質的に正弦波として規定され、基準位相波(NPW)と位相反転波(IPW)が設定されている。また、一般に、NPWとIPWのウォブル個数の組み合わせによりシンクパターンやアドレス情報、等が表現されている(埋め込まれている)。従って、周波数をずらした後のウォブルの周期も整数ビットとなるようにする必要がある。
さらに、一般に、図15に一例を示すが、同期ブロックに対して整数個のウォブル信号が対応されることが多い。これは、記録時にタイミングを取りやすくするため、あるいはトラックアドレス信号の対応を容易にするために、有益である。これらを考慮すると、周波数をずらした本実施例のウォブルにおいても、同期ブロックに対して整数個のウォブルを対応させることが好ましい。
すなわち、現行のDVD規格の光ディスクでは、ディスクに記録するデータは同期パターンを先頭とする同期ブロック単位で処理が行われる。DVDの同期ブロックの長さは、93×16=1488ビットとなっている。この同期ブロックに対して、基準ディスクのウォブルでは186ビット周期で連続的にトラックがウォブルされている。つまり、1つの同期ブロックと8周期分のウォブルを対応させている。
本実施例では基準ディスクに対して、ウォブルの周期をずらすことを特徴とする。例えばDVDのウォブル周期186ビットからずらした周期でトラックをウォブルさせる。
従って、現行のDVD規格における同期ブロック長である1488ビットを素因数に分解した場合に得られる2×2×2×2×3×31(ビット)を適切に組み合わせることにより、ウォブル周期は、同期ブロック長の約数として規定できる。例えば、以下の数値が取り得る。
周波数を高いほうにずらす場合:
31ビット、48ビット、62ビット、96ビット
周波数を低いほうにずらす場合:
248ビット、372ビット、496ビット、744ビット。
周波数を高いほうにずらす場合:
31ビット、48ビット、62ビット、96ビット
周波数を低いほうにずらす場合:
248ビット、372ビット、496ビット、744ビット。
なお、基準ディスクでは連続的してトラックがウォブルされているが、これに対して本実施例では、1同期ブロックに対応する8周期分のウォブルに対して、少なくとも一部の周期の区間はウォブルをしないことを特徴とする。例えば1同期ブロックあたり3周期分だけトラックをウォブルさせ、残りの5周期はウォブルをしない。ウォブルさせる部分は同期ブロックの先頭前後で連続した3周期としてもよい。
このような光ディスクを用いた場合、検出されるウォブル信号は、図16(c)のようになる。ここで、ウォブル検出の判定は、ノイズなどの影響を回避するために複数回の判定を行ったあとに、安定性を向上させるために多数決処理を用いることで、図16(d)に示すように、複数の位置で「ウォブル有り」と『ウォブル無し』を判定した場合、多数決処理の結果『ウォブル無し』と判断される。
一方、情報記録媒体(光ディスク)100側において用意できる例としては、図17に示すように、光ディスク100の半径方向における「管理データ領域(最も中心寄り)」、「リードイン領域(中心寄り)」、ユーザーデータが記録される「ユーザーデータ領域(ディスク半径の概ね中央値を含む領域)」、及び「リードアウト領域(外周寄り)」のそれぞれの領域のうち、ユーザーデータ領域では、トラック(ランドプリピット及びプリグルーブ)をウォブルせず、管理データを記録するリードイン領域において、トラックにウォブルを与えることが好ましい。
このディスク構造は、情報記録再生装置(ディスクドライブ装置)が記録媒体の種類を判定する際に、多くの場合、ディスクの中周付近で、ウォブル信号の検出(ウォブルの有無の判定)を行うことを利用するため、ドライブ装置側には、特別な工夫を必要としないメリットがある。すなわち、光ディスクにおいては、管理データは、ディスクの内周側の領域にのみ用意され、中周及び外周側の領域は、ユーザーデータを記録する領域となっていることにより、ドライブ側に、新たな要求(負担)が生じることはほとんどない。
従って、光ディスクの中周部分を含むユーザーデータ領域のみを、ウォブル無しの状態にすることで、『ウォブル無し』のディスクとして識別させることができる。なお、必ずしも、ユーザーデータ領域全体をウォブル無しにする必要は無く、少なくとも光ディスクの種類の判別が実行される中周領域(ディスクの半径方向を概ね三等分した中央部分)の一部またはその全域にウォブルが形成されていない光ディスクにおいては、『ウォブル無し』と判断される。
また、図示しないが、本実施例の光ディスクは、現行のDVD−Rではウォブルと同期してランドプリピットと呼ばれる方式によりアドレス情報が多重(事前記録)されているが、アドレス情報をウォブルのある領域に対してのみ多重(事前記録)を行い、ウォブルの無いグルーブに対してはアドレスを多重(事前記録)しないことを特徴とする。
また、図示しないが、本実施例の光ディスクは、ウォブルが設けられるデータ領域の先頭から所定の範囲の定義としては、トラックの偏芯量とPUHの位置決め精度から、トラックの偏芯量がDVD−R規格では70μm以下であり、PUHの位置決め精度が概ね0.1mm、且つディスクの取り付け(クランプ)精度が概ね0.1mmである場合に、DVD−R規格のデータ領域の先頭は半径24.0mm+0.0mm −0.1mmすなわち半径23.9mmから24.00mmの範囲に記録されている。従って、これらの数値の合計に対して0.2mm程度のマージンを見込むと、少なくとも、(半径で)24.5mmまではウォブルが設けられている、とみなすことができる。
このことは、ウォブルが形成される(与えられる)プリグルーブ及びランドプリピットの最も外周寄りの境界点は、図17に示した半径方向の概略説明において、リードイン領域よりも所定量だけユーザーデータ領域に入り込んだ領域内になることを示している。
なお、図17に示したような光ディスクにおいては、リードイン領域の記録再生が可能な領域にデータを記録する(試し書きする)際には、現行のDVD−Rと同様の手順で情報を記録することができる。しかしながら、試し書きあるいはデータの記録のためには、少なくとも「開始位置」が特定できなければならない。
従って、「データ領域の先頭への記録開始処理」のために、記録開始位置の前後の所定の範囲では、グルーブがウォブルされており、アドレス情報も記録されていることが必要である。この場合、ウォブル周波数を基準にディスクの回転速度を設定し、ウォブルに同期した記録クロックを生成し、アドレス情報を再生して記録開始位置(記録可能位置)にPUHを移動し、位置が正確に把握できている位置(トラック)からデータの記録を開始すればよい。また、途中で、情報の記録が終了している場合には、既に記録されているデータを再生して、続きを記録すればよい。
一方、「記録開始後の処理」としては、記録方式は、主に線速度一定(CLV)記録方式と、角速度一定(CAV)方式であるから、CLV記録を行う場合には、記録クロック周波数を記録開始の時点の周波数で固定し、記録位置が外周に移動するに従って、半径位置から計算した線速度が一定となるようにディスクの回転速度を遅くするよう、光ディスクの加点を制御すればよく、CAV記録を行う場合には、ディスクの回転速度を記録開始時点の回転速度で固定し、記録位置が外周に移動するに従って、半径位置から計算した線記録密度が一定となるように、記録クロックの周波数を早くしていけばよい。
なお、既に一部にデータが記録されている光ディスクに、さらにデータを追記する場合には、記録を中断する際に、PUHの位置と最後に記録したデータに含まれているアドレス情報を、例えばドライブ側に記憶させ、もしくは光ディスクの管理データ領域あるいは現在位置に、記録することで、追記可能となる。
すなわち、データ領域の大部分のグルーブにはアドレスが記録されてないが、記録済みのデータにはアドレス情報が含まれている。従って、記録再開時には、PUHを、記録を中断した位置のわずかに手前(内周)側に移動して記録済みデータを再生し、再生されたデータに含まれるアドレス情報から記録を再開するタイミングを生成することで、記録を再開する位置に達した時点から記録を再開すれば、記録再開位置の誤差を小さくすることができる。
なお、やむを得ず記録中断位置が不明となってしまった場合には、記録データの有無を検出することにより記録中断位置を求めると同時に、記録を中断したPUHの位置と記録済みデータに含まれるアドレスを抽出することにより、記録処理を再開することが可能となる。
以上説明したように、本提案によれば、追記可能な規格の情報記録媒体を、再生専用の規格の情報記録媒体として認識可能に情報の記録が可能となる。
また、追記可能な規格の情報記録媒体を再生専用とみなして、記録された情報を安定に再生可能となる。
さらに、再生専用と判断される記録可能な情報記録媒体のユーザーデータ領域に、追記可能な情報記録媒体に準じて、情報が記録可能である。
なお、本発明は、上述のいずれかの実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記のいずれかの実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
また、この発明は、波長405nm(青色)のレーザーにより記録し、波長650nm(赤色)のレーザーにより記録された情報を再生する組み合わせに限定されるものではなく、記録と再生が同一の波長のレーザービームを用いるものにも適用できることはいうまでもない。
65…光ピックアップ、70…対物レンズ、75…レーザー制御回路、78−1…イコライザー(EQ)、78−2…データ再生回路、79−1…青色レーザーダイオード、79−2…赤色レーザーダイオード、84…信号再生用光検出器、85…RFアンプ、87−1…ローパスフィルター(LPF)、87−2…フォーカス制御回路、88−1…ローパスフィルター(LPF)、88−2…トラック制御回路、98−1…バンドパスフィルター、98−11…1次のローパスフィルター、98−12…1次のハイパスフィルター、98−2…ウォブル検出回路、98−3…ウォブルカウンタ、100…情報記録媒体(光ディスク)、101…透明基板、102…光反射層、103…記録層、105…記録マーク、107…プリグルーブ、108…ランドプリピット、109…ランド。
Claims (7)
- 記録層と光反射層から構成される記録膜と、
前記記録層と前記光反射層との間の界面に、凹凸形状を有するプリグルーブとプリグルーブ間に挟まれたランドと、を有する情報記録媒体において、
前記プリグルーブと前記ランドは、所定の周波数のウォブルが与えられ、その周波数は記録及び再生に650±5nmの光を用いる規格の記録媒体に比較して所定のずれを含むことを特徴とする情報記録媒体。 - 前記プリグルーブと前記ランドに与えられるウォブルの周波数は記録及び再生に650±5nmの光を用いる規格の記録媒体に与えられるウォブルに比較して、整数倍あるいは整数分の1でずらされていることを特徴とする請求項1記載の情報記憶媒体。
- 前記プリグルーブと前記ランドに与えられるウォブルの周波数は、前記記録膜中に形成される同期ブロックの個数の整数分の1を単位としてずらされていることを特徴とする請求項1記載の情報記憶媒体。
- 前記ウォブルの振幅は、記録及び再生に650±5nmの光を用いる規格の記録媒体に比較して、前記記録膜中のデータが記録可能な領域のうち、内周寄りと外周寄りの所定の範囲にのみ設けられることを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体。
- 前記記録膜は650±5nmの光で再生可能な光反射率を有し、
前記記録層は前記650±5nmよりも短波長の光に対して記録感度を有することを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体。 - 記録層と光反射層から構成される記録膜と、
前記記録層と前記光反射層との間の界面に、凹凸形状を有するプリグルーブとプリグルーブ間に挟まれたランドと、を有する情報記録媒体において、
前記プリグルーブと前記ランドの前記ウォブルは、前記記録膜中に形成される同期ブロックにおいて、その一部にのみ与えられることを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体。 - 記録層と光反射層から構成される記録膜と、
前記記録層と前記光反射層との間の界面に、凹凸形状を有するプリグルーブとプリグルーブ間に挟まれたランドと、を有する情報記録媒体において、
前記プリグルーブと前記ランドの前記ウォブルは、前記記録膜中のデータが記録可能な領域のうち、内周寄りの所定の範囲にのみ設けられることを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体。
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