以下、本発明の一実施形態を図1(A)〜図17に基づいて説明する。図1(A)及び図1(B)には、本発明の一実施形態に係る光ディスク15の記録面が示されている。
この光ディスク15の記録面には、スパイラル状のピット列が、周期的に蛇行(ウォブリング)して形成されている。
ところで、再生時に形成される光スポットの光強度中心(以下「スポット中心」と略述する)は、ピット列が蛇行していないと仮定したときのピット列のほぼ中央に位置する。従って、図1(B)に示されるように、スポット中心の軌跡OTLと、蛇行しているピット列の中央を通る線TCとは一致しない。すなわち、再生時に、スポット中心がピット列の中央位置からずれる場合がある。
ここでは、ピット列の蛇行の周期をウォブル周期(Twblとする)と呼び、隣り合うピット列のOTL間の距離をピット列ピッチ(TPとする)と呼ぶこととする。さらに、ピット列の蛇行の振幅(Wwblとする)を蛇行幅と呼ぶこととする。本実施形態では、一例として、Twbl=5μm、TP=0.74μmとしている。なお、蛇行幅Wwblについては後述する。
ピット列の蛇行形状は、付加される情報(以下「ウォブル情報」ともいう)と搬送波とによって決定される。本実施形態では、搬送波の1周期(ウォブル周期)分の大きさを1ウォブルとしたときに、一例として図2に示されるように、ウォブル情報の部分(以下「ウォブル情報部」という)と搬送波の部分(以下「搬送波部」という)とから構成される基本単位(以下「ウォブルユニット」と呼ぶ)を93ウォブル(ウォブル番号0〜ウォブル番号92)とする。そして、1ウォブルユニットにおける、ウォブル番号0〜ウォブル番号7をウォブル情報部、ウォブル番号8〜ウォブル番号92を搬送波部とする。なお、ウォブル情報部は、内容に応じて位相変調(PSK:Phase Shift Keying)されている。
アドレスが割り振られている領域では、ウォブル情報部は同期情報とアドレス情報とから構成される。ここでは、図2に示されるように、ウォブル番号0〜ウォブル番号3が同期情報、ウォブル番号4〜ウォブル番号7がアドレス情報である。
前記アドレス情報は、4ウォブルで1ビットのデータ(以下「ビットデータ」と略述する)を表している。このビットデータが「0」のときは、図3におけるウォブル形状Bに示されるように、前方の2ウォブルを搬送波と同位相とし、後方の2ウォブルを搬送波と逆位相とする。一方、前記ビットデータが「1」のときは、図3におけるウォブル形状Cに示されるように、前方の2ウォブルを搬送波と逆位相とし、後方の2ウォブルを搬送波と同位相とする。
前記同期情報は、次のウォブルユニットにおけるアドレス情報に、アドレスデータの先頭ビットデータが格納されているときには、図3におけるウォブル形状Aに示されるように、ワード同期(word sync)情報、すなわち4ウォブル全てを搬送波と逆位相とする。また、アドレス情報にビットデータが格納されているときには、図3におけるウォブル形状B及びウォブル形状Cに示されるように、ビット同期(bit sync)情報、すなわち先頭の1ウォブルを搬送波と逆位相とし、残りの3ウォブルを搬送波と同位相とする。
そこで、例えばアドレスデータとして51個のビットデータが必要な場合には、図4に示されるように、52個のウォブルユニットから1つのアドレスデータが得られることとなる。ここで得られるアドレスデータは物理アドレス(絶対アドレス)である。なお、以下では、1物理アドレスに対応するウォブルユニットのまとまりを1ウォブルブロックという。従って、ここでは、1ウォブルブロック=52ウォブルユニットである。
また、アドレスデータが不要な領域では、アドレス情報に代えて、ベンダ情報などの光ディスクに関する情報、いわゆるメディアパラメータがウォブル情報として付加される。
この光ディスク15は、一例として波長が約660nmのレーザ光に対応し、多値記録方式によりデータが記録されているものとする。そして、記録データは、一例として8値(0〜7)に多値化されているものとする。また、記録データを変調する際には、2値記録方式と同様に、帯域制限が行なわれているものとする。この帯域制限とは、サーボ信号の周波数付近(5KHz以下)の周波数を有する信号が再生信号に発生するのを避けるため、記録データを変調するときにデータ列のパターンを制限することである。
多値記録方式では、一例として図5に示されるように、ピット列は仮想的に、ピット列の接線方向に関して所定の長さ毎に複数の領域(以下「セル」ともいう)に分割される。そして、1つのセルには1つの多値化データが格納される。この多値化データの値が1〜7のときは、その値に対応する面積のピットがセルの中央部に形成される。多値化データの値が0のときは、ピットは形成されない。
隣り合うセルの中心間距離はセル周期(Tcellとする)と呼ばれている。ウォブル周期とセル周期との関係は、後述するクロック信号生成回路の構成を簡略化するために、ウォブル周期がセル周期の整数倍となることが好ましい。なお、ウォブル周期がセル周期の0.25倍や0.5倍などであっても、2〜4ウォブル周期がセル周期の整数倍と合致すれば対応可能である。
前記ピットが形成された部分では、ピットの面積が大きいほどレーザ光の反射率が低下するため、光ディスクの記録面で反射されたレーザ光から生成される再生信号(RF信号)は、図5に示されるように、多値化データの値が0のときに最大レベル(L0とする)となり、多値化データの値が7のときに最小レベル(L7とする)となる。なお、多値化データの値が1〜6のときの信号レベルをL1〜L6とする。
ここで、前記蛇行幅Wwblについて説明する。
ウォブル信号の信号品質を示すC/N(キャリア/ノイズ)値の測定結果の一例が図6(A)〜図7に示されている。図6(A)には、2値記録方式で記録された領域から得られたウォブル信号のC/N値が示されている。図6(B)及び図6(C)には、8値の多値記録方式で記録されている領域から得られたウォブル信号のC/N値が示されている。ここで、図6(B)は記録データの変調に際して前記帯域制限を行なわなかった場合であり、図6(C)は帯域制限を行なった場合である。なお、図6(A)〜図6(C)では、同一の光ディスクにそれぞれ同じクロック周期で記録が行われている。
これによれば、図7に示されるように、多値記録方式では2値記録方式よりもウォブル信号の品質劣化が少ないという結果が得られた。2値記録方式(例えばDVD+RW)では、3Tから14T(Tはクロック周期)の長さのマーク及びスペースを用いてデータが記録されるため、約5T以上の長さのマークとスペースが連続すると、再生信号はほぼ最大振幅で変化する。一方、多値記録方式(ここでは、8値)では、再生信号が最大振幅で変化するのは最大レベルL0が連続した直後に最小レベルL7が連続するか、あるいはその逆の場合に限定される。すなわち、多値記録方式では、再生信号が最大振幅で変化する頻度が2値記録方式よりも少ないため、ウォブル信号への再生信号の漏れ込みが2値記録方式の場合に比べて小さくなり、ウォブル信号の信号品質の劣化が抑制されると考えられる。
そこで、多値記録方式が用いられる光ディスクでは、2値記録方式が用いられる光ディスクよりも、蛇行幅を狭くすることが可能である。例えば2値記録方式が用いられるDVD+RWではトラックピッチの±4%程度の蛇行幅が採用されている。そこで、多値記録方式が用いられる光ディスクでは、蛇行幅が、帯域制限を行う場合にはピット列ピッチの±2.4%程度、帯域制限を行わない場合にはピット列ピッチの±3.4%程度であれば、2値記録方式の場合と同程度の品質のウォブル信号を得ることができる。そこで、本実施形態では、ピット列ピッチTPが0.74μmであり、かつ帯域制限を行うことから、蛇行幅Wwblを±17.8nmとしている。
このように、多値記録方式では、2値記録方式よりも蛇行幅を狭くすることができるため、再生信号に漏れ込むウォブル成分が減少し、ウォブル成分による再生信号の品質劣化を抑制することができる。
次に、光ディスク15に記録されているデータのデータフォーマットについて説明する。1アドレス(論理アドレス)分のデータのまとまりを1データブロックとすると、本実施形態では、一例として図8に示されるように、1データブロックに3つの基準マークとしてのクロックマーク(以下「CM」ともいう)が等間隔に挿入される。以下では、CMの挿入間隔をCM周期(Tcmkとする)ともいう。また、先頭のCMとデータとの間には、情報の区切りを示す同期マークが配置されている。
前記CMは、セルの中心位置を特定するためのマークであり、ここでは、一例として図9に示されるように、「00700」という多値化データ列が用いられる。すなわち、CMは5セルの大きさを有し、その3セル目を最大面積のピットとし、それ以外のセルではピットなしとする。そこで、このCMの再生信号(以下、便宜上「CM信号」ともいう)は、図9に示されるように、3セル目の中心に対応したボトム値(L7)を有する「V字型」信号となる。従って、中央のセルの前後にそれぞれ固定値(ここでは0)が格納されている2つのセルが存在するため、例えば光スポットのスポット径に対してセルの大きさが小さい場合であっても、CMの検出が容易となり、そのボトム値(L7)を示すタイミングからセルの中心位置を特定することが可能である。
前記同期マークは、一例として図10に示されるように、「00007777」という多値化データ列が用いられる。この多値化データ列のパターンは、ユーザデータには現われることがないパターンである。この同期マークの再生信号(以下、便宜上「同期信号」ともいう)は、図10に示されるように、4セル分の最大レベル(L0)と4セル分の最低レベル(L7)とから構成される信号となる。従って、同期マークは容易に検出され、例えば情報の開始位置を求めることができる。
ところで、ウォブル信号に付加されている物理アドレスと、ピット列にデータとして記録されている論理アドレスとは、光ディスクにおける絶対位置に対して一意に関連付けがなされていなければならない。この関連付けを確保するには、1データブロックの長さ(以下「データブロック長」ともいう)と1ウォブルブロックの長さ(以下「ウォブルブロック長」ともいう)とが所定の関係にあることが必要となる。例えば、データブロック長とウォブルブロック長とが互いに等しい場合には、物理アドレスと論理アドレスとの関連付けは容易である。また、両ブロック長が互いに同じでなくても、例えば1データブロックに対して2ウォブルブロックが対応している場合には、物理アドレスと論理アドレスとの関連付けは容易である。
また、CMを検出するときには、ウォブル信号がノイズ成分となり、ウォブル信号を検出するときには、CMがノイズ成分となる。
そこで、物理アドレスと論理アドレスとの関連付けを容易とし、かつCM及びウォブル信号がいずれも精度良く検出できるように、CM周期Tcmkとウォブル周期Twblとの関係に規則性をもたせることとした。ここでは、m=Tcmk/Tcell、n=Twbl/Tcellとしたときに、mとnとの関係について、図11を用いて説明する。なお、図11では、便宜上、ウォブル周期Twblが変化するように示されているが、ここでは、CM周期Tcmkが変化する。
《m=nの場合》
m=nの場合には、蛇行の位相が常に同じとなる位置にCMを配置することができる。
図11のウォブル信号2に示されるように、蛇行の位相が0度の位置にCMが配置される場合には、CM位置でのスポット中心は常にほぼピット列の中央に位置する。これにより、CMを検出する際には、ウォブル信号によるノイズが小さくなり、CMを精度良く検出することができる。また、ウォブル信号を検出する際には、CMによるノイズが小さくなり、ウォブル信号を精度良く検出することができる。なお、蛇行の位相が180度の位置にCMが配置される場合も同様である。
また、蛇行の位相が90度もしくは270度の位置にCMが配置される場合には、スポット中心はピット列の中央からずれることになるが、そのずれ量はほぼ一定である。この場合には、CMを検出する際のウォブル信号によるノイズは小さくはないが、常にほぼ同じノイズレベルとなるため、あらかじめそのノイズレベルを取得しておくことにより、容易にノイズ成分を除去することが可能である。同様に、ウォブル信号を検出する際のCMによるノイズは小さくはないが、常にほぼ同じノイズレベルとなるため、あらかじめそのノイズレベルを取得しておくことにより、容易にノイズ成分を除去することが可能である。従って、CM及びウォブル信号をいずれも精度良く検出することが可能となる。
なお、CM信号とウォブル信号とが類似するようなパタンの多値化データ列がCMとして用いられる場合には、蛇行の位相が90度もしくは270度となる位置にCMを配置するのが好ましい。通常ウォブル信号からクロック信号を生成する際には、ウォブル信号の振幅中心のレベルを基準としているため、CM信号とウォブル信号とが類似しているときに、蛇行の位相が0度もしくは180度となる位置にCMを配置すると、CM信号の漏れ込みにより振幅中心のレベルが変動し、クロック信号の精度が低下することがある。しかし、蛇行の位相が90度もしくは270度となる位置にCMを配置すると、CM信号とウォブル信号とが類似しているときであっても、振幅中心のレベル変動を小さくすることができる。
さらに、蛇行の位相が45度や135度の位置にCMが配置されても良い。この場合には、前記蛇行の位相が90度もしくは270度の位置にCMが配置されて場合と同様に、ノイズ成分の除去を容易に行なうことができるため、CM及びウォブル信号をいずれも精度良く検出することが可能となる。
《m=n/2の場合》
m=n/2の場合には、ウォブル1周期にCMが2つ挿入される。この場合も、蛇行の位相が常に同じとなる位置にCMを配置することができる。
図11のウォブル信号1に示されるように、蛇行の位相が0度及び180度の位置にCMがそれぞれ配置される場合には、CM位置でのスポット中心は常にほぼピット列の中央に位置する。これにより、CMを検出する際には、ウォブル信号によるノイズが小さくなり、CMを精度良く検出することができる。また、ウォブル信号を検出する際には、CMによるノイズが小さくなり、ウォブル信号を精度良く検出することができる。
なお、この場合には、CMの挿入頻度が高くなり、データの記録容量を確保するためにCMの長さを短くする必要があるため、CM信号とウォブル信号とが類似するようなパタンの多値化データ列がCMとして用いられるおそれはなく、蛇行の位相が90度や270度の位置にCMを配置するメリットはない。
また、この場合には、CMから得られるクロック信号の周期とウォブル信号から得られるクロック信号の周期とが等しくなるため、後述するクロック信号生成回路では、PLL回路の各パラメータを同じとすることが可能となり、制御が容易となる。
《m=a×nの場合》
m=a×nの場合(aは整数)には、ウォブルa周期にCMが1つ挿入される。この場合も、蛇行の位相が常に同じとなる位置にCMを配置することができる。a=2のときの例が図11におけるウォブル信号3及び4として示され、a=3のときの例が図11におけるウォブル信号5として示されている。
図11のウォブル信号3に示されるように、蛇行の位相が0度の位置の一つにCMが配置される場合には、CM位置でのスポット中心は常にほぼピット列の中央に位置する。これにより、CMを検出する際には、ウォブル信号によるノイズが小さくなり、CMを精度良く検出することができる。また、ウォブル信号を検出する際には、CMによるノイズが小さくなり、ウォブル信号を精度良く検出することができる。なお、蛇行の位相が180度の位置の一つにCMが配置される場合も同様である。
また、図11のウォブル信号4に示されるように、蛇行の位相が90度の位置の一つにCMが配置される場合には、スポット中心はピット列の中央からずれることになるが、そのずれ量はほぼ一定である。この場合には、CMを検出する際のウォブル信号によるノイズは小さくはないが、常にほぼ同じノイズレベルとなるため、あらかじめそのノイズレベルを取得しておくことにより、容易にノイズ成分を除去することが可能である。同様に、ウォブル信号を検出する際のCMによるノイズは小さくはないが、常にほぼ同じノイズレベルとなるため、あらかじめそのノイズレベルを取得しておくことにより、容易にノイズ成分を除去することが可能である。従って、CM及びウォブル信号をいずれも精度良く検出することが可能となる。なお、蛇行の位相が270度の位置の一つにCMが配置される場合も同様である。
さらに、図11のウォブル信号5に示されるように、蛇行の位相が45度の位置の一つにCMが配置される場合には、スポット中心はピット列の中央からずれることになるが、そのずれ量はほぼ一定である。この場合には、上記蛇行の位相が90度の位置の一つにCMが配置される場合と同様に、ノイズ成分の除去を容易に行なうことができるため、CM及びウォブル信号をいずれも精度良く検出することが可能となる。なお、蛇行の位相が135度、225度、及び315度の位置の一つにCMが配置される場合も同様である。
なお、CMから生成される再生クロック信号及びウォブル信号から生成される基準クロック信号は、それぞれ許容精度内での安定性が求められるので、aの値には制限がある。そこで、図12(A)に示されるような仮想的なクロック信号生成回路VCを用い、生成されるクロック信号におけるジッタ(以下「クロックジッタ」ともいう)をシミュレーションにより求めた。このクロック信号生成回路VCは、入力される信号S1を2値化する2値化回路V1と、2値化回路V1で2値化された信号S2に基づいてクロック信号S3を生成するPLL回路V2と、クロック信号S3を分周し、PLL回路V2で信号S2と位相比較される信号とする分周器V3とから構成されている。なお、PLL回路V2の特性は一般的なものであり、セル周波数は25MHz、交差周波数は約2.6kHzとした。図12(B)には、シミュレーション結果の一例として、信号S1の信号品質毎に、信号S2の周期(以下「エッジ周期」ともいう)と、クロック信号S3におけるクロックジッタとの関係が示されている。
ウォブル信号の品質は、現在市販されている記録可能なCDやDVDの場合を参考にすると、45dB程度(未記録時)である。また、許容される基準クロック信号のジッタは経験的にセル周期の5%以下であれば良い。そこで、信号S1をウォブル信号とすると、図12(B)から、前記ウォブル信号の品質及びジッタの条件から、信号S2の周期が80セル以下であれば良いことがわかる。ウォブル信号の場合には立上がりエッジと立下りエッジとで位相比較することができるので、160セルまでウォブル周期を広げることができる。また、多値化データとの帯域分離の観点から、ウォブル周期は、1セル毎にデータが変化する最小繰り返しパタンの周波数の1/10以下にすることが好ましい。すなわち、ウォブル周期はセル周期の20倍以上にするのが好ましい。従って、n(=Twbl/Tcell)は20〜160の整数とする。なお、既記録領域では、ウォブル信号の品質は記録の仕方により若干変化する。
CM信号の品質はウォブル信号よりも高く、55dB以上が得られる。また、許容される再生クロック信号のジッタは経験的にセル周期の5%以下であれば良い、そこで、信号S1をCM信号とすると、図12(B)から、前記CM信号の品質及びジッタの条件から、信号S2の周期が260セル以下であれば良いことがわかる。但し、CMの挿入頻度を高くすると、CMの検出精度は良くなるが、データの情報量が少なくなる。そこで、全体の情報量に占めるCMの割合は10%以内に抑えることが望ましい。従って、m(=Tcmk/Tcell)は50〜260の整数とする。そこで、aの最大値は13(=260/20)となる。
すなわち、mとnとの関係については、m=n、m=n/2、及びm=n×aのいずれかが満足されれば良い。
図13には、本発明の一実施形態に係る光ディスク装置20の概略構成が示されている。この図13に示される光ディスク装置20は、前記光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、該光ピックアップ装置23をスレッジ方向に駆動するためのシークモータ21、レーザ制御回路24、エンコーダ25、サーボ制御回路26、再生信号処理回路28、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、フラッシュメモリ39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図13における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、光ディスク装置20は、記録可能な光ディスク(例えば、DVD−R、DVD−RW、DVD+R、DVD+RW)にも対応可能である。
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15の記録面にレーザ光を照射するとともに、該記録面からの反射光を受光するための装置である。この光ピックアップ装置23は、一例として図14(A)に示されるように、光源ユニット51、カップリングレンズ52、ビームスプリッタ54、対物レンズ60、検出レンズ58、受光器PD、I/Vアンプ62、及び対物レンズ60を駆動するための駆動系61などを備えている。
前記光源ユニット51は、約660nmの波長のレーザ光を発光する光源としての半導体レーザLDを含んで構成されている。なお、本実施形態では、光源ユニット51から出射されるレーザ光の最大強度出射方向を+X方向とする。この光源ユニット51の+X側には、前記カップリングレンズ52が配置され、光源ユニット51から出射された光束を略平行光とする。
前記ビームスプリッタ54は、カップリングレンズ52の+X側に配置され、カップリングレンズ52からの光束をそのまま透過させ、かつ光ディスク15で反射した光束(戻り光束)を−Z方向に分岐する。このビームスプリッタ54の+X側には前記対物レンズ60が配置され、ビームスプリッタ54を透過した光束を光ディスク15の記録面に集光する。
前記検出レンズ58は、ビームスプリッタ54の−Z側に配置され、ビームスプリッタ54で−Z方向に分岐された戻り光束を、前記受光器PDの受光面に集光する。受光器PDの受光面は、一例として図14(B)に示されるように、光ディスク15のピット列の接線方向に対応する方向の分割線(DL1とする)と、該分割線DL1に直交する分割線(DL2とする)とによって、4分割(受光領域Da、Db、Dc及びDdとする)されている。各受光領域はそれぞれ光電変換により受光量に応じた信号を生成する。
前記I/Vアンプ62は、受光器PDの各受光領域からの信号を電圧信号に変換するとともに、所定のゲインで増幅し、再生信号処理回路28に出力する。
前記駆動系61は、対物レンズ60の光軸方向であるフォーカス方向に対物レンズ60を微少駆動するためのフォーカシングアクチュエータと、ピット列の接線方向に直交する方向であるトラッキング方向に対物レンズ60を微少駆動するためのトラッキングアクチュエータとを有している。
図13に戻り、前記再生信号処理回路28は、サーボ信号検出回路28b、ウォブル信号検出回路28c、RF信号検出回路28d、デコーダ28e、クロック信号生成回路28f、及び復調回路28gなどから構成されている。
前記サーボ信号検出回路28bは、I/Vアンプ62の出力信号に基づいてフォーカスエラー信号及びトラックエラー信号などのサーボ信号を検出する。ここで検出されたサーボ信号は前記サーボ制御回路26に出力される。
前記RF信号検出回路28dは、I/Vアンプ62の出力信号に基づいてRF信号を検出する。ここで検出されたRF信号は、クロック信号生成回路28f及びデコーダ28eに出力される。
前記ウォブル信号検出回路28cは、I/Vアンプ62の出力信号に基づいてウォブル信号を検出する。ここで検出されたウォブル信号は、クロック信号生成回路28f、及び復調回路28gに出力される。
前記サーボ信号検出回路28b、前記RF信号検出回路28d、及び前記ウォブル信号検出回路28cを組み合わせた回路の具体例を図15に示す。この図15に示される回路は、6つの加算器(281〜286)、2つの減算器(287、288)、及び4つのフィルタ(291〜294)を有している。加算器281は、I/Vアンプ62からの4つの信号(Va、Vb、Vc、及びVd)を加算する。なお、信号Va、信号Vb、信号Vc、信号Vdは、それぞれ受光器PDの受光領域Da、Db、Dc、Ddの出力信号に対応するI/Vアンプ62の出力信号である。この加算器281の出力信号は広帯域を有し、RF信号Srfとしてクロック信号生成回路28f及びデコーダ28eに出力される。
加算器282は信号Vaと信号Vdを加算し、加算器283は信号Vbと信号Vcを加算する。また、加算器284は信号Vaと信号Vcを加算し、加算器285は信号Vbと信号Vdを加算する。加算器286は、加算器282の出力信号と加算器283の出力信号を加算する。減算器287は、加算器282の出力信号から加算器283の出力信号を減算する。また、減算器288は、加算器284の出力信号から加算器285の出力信号を減算する。
フィルタ291は、減算器287の出力信号に含まれる低周波成分を除去する。このフィルタ291の出力信号は高周波信号であり、ウォブル信号Swbとしてクロック信号生成回路28f及び復調回路28gに出力される。
フィルタ292は、減算器287の出力信号に含まれる高周波成分を除去する。このフィルタ292の出力信号は低周波信号であり、トラックエラー信号Strとしてサーボ制御回路26に出力される。すなわち、いわゆるプッシュプル法によってトラックエラー信号Strを取得している。
フィルタ293は、加算器286の出力信号に含まれる高周波成分を除去する。このフィルタ293の出力信号は低周波信号であり、トラッククロス信号Stcとしてサーボ制御回路26に出力される。
フィルタ294は、減算器288の出力信号に含まれる高周波成分を除去する。このフィルタ294の出力信号は低周波信号であり、フォーカスエラー信号Sfeとしてサーボ制御回路26に出力される。すなわち、いわゆる非点収差法によってフォーカスエラー信号Sfeを取得している。
前記クロック信号生成回路28fは、RF信号に基づいて再生クロック信号(Rckとする)を生成し、ウォブル信号に基づいて基準クロック信号(Wckとする)を生成する。ここではクロック信号生成回路28fは、一例として図16に示されるように、再生クロック信号Rckを生成する再生クロック信号生成回路Krと、基準クロック信号Wckを生成する基準クロック信号生成回路Kwとを有している。
再生クロック信号生成回路Krは、CM検出回路f1、ボトム検出回路f2、PLL回路f3、及び分周器f4を有している。CM検出回路f1は、RF信号を監視しCM信号を検出する。ボトム検出回路f2は、CM検出回路f1で検出されたCM信号のボトム位置を検出する。従って、ボトム検出回路f2の出力信号は、一例として図17に示されるように、CM周期に同期したパルス信号となる。ここでは、CM周期がセル周期のm倍であるため、PLL回路f3はボトム検出回路f2の出力信号の周波数をm倍にした信号を生成する(図17参照)。PLL回路f3の出力信号は再生クロック信号Rckとしてデコーダ28eなどに供給される。なお、PLL回路f3の出力信号は、ボトム検出回路f2の出力信号との位相比較を行なうため、分周器f4でm分周されたのち、PLL回路f3に入力される。これにより、安定した再生クロック信号Rckが出力されることとなる。
基準クロック信号生成回路Kwは、2値化回路f5、PLL回路f6、及び分周器f7を有している。2値化回路f5は、ウォブル信号をその振幅中心レベルを基準として2値化する。PLL回路f6は、ウォブル周期がセル周期のn倍であるため、2値化回路f5の出力信号の周波数をn倍にした信号を生成する。PLL回路f6の出力信号は基準クロック信号Wckとしてエンコーダ25及びサーボ制御回路26などに供給される。なお、PLL回路f6の出力信号は、2値化回路f5の出力信号との位相比較を行なうため、分周器f7でn分周されたのち、PLL回路f6に入力される。これにより、安定した基準クロック信号Wckが出力されることとなる。また、分周器f7の出力信号は復調回路28gに供給される。
図13に戻り、前記デコーダ28eは、前記再生クロック信号Rckに同期して前記RF信号から多値化データを取得し、復号処理及び誤り検出処理などを行い、誤りが検出されたときには誤り訂正処理を行った後、再生データとして前記バッファマネージャ37を介して前記バッファRAM34に格納する。ここでは、再生クロック信号Rckによって、セルの中心が精度良く特定されるため、安定して精度良い再生データを得ることができる。なお、RF信号にはアドレスデータが含まれており、デコーダ28eは、RF信号から抽出したアドレスデータをCPU40に出力する。このアドレスデータは論理アドレスデータである。
前記復調回路28gは、ウォブル信号及び分周器f7の出力信号に基づいて、前記ウォブル情報部を復調し、アドレスデータあるいはメディアパラメータを取得する。ここで得られたアドレスデータ及びメディアパラメータは、CPU40に供給される。
前記サーボ制御回路26は、PU制御回路26a、シークモータ制御回路26b、及びSPモータ制御回路26cを有している。
前記PU制御回路26aは、対物レンズ60のフォーカスずれを補正するために、前記フォーカスエラー信号に基づいてフォーカシングアクチュエータの駆動信号を生成し、光ピックアップ装置23に出力する。また、PU制御回路26aは、対物レンズ60のトラッキングずれを補正するために、前記トラックエラー信号に基づいてトラッキングアクチュエータの駆動信号を生成し、光ピックアップ装置23に出力する。これにより、トラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。
前記シークモータ制御回路26bは、CPU40の指示に基づいてシークモータ21を駆動するための駆動信号を生成し、シークモータ21に出力する。
前記SPモータ制御回路26cは、CPU40の指示に基づいてスピンドルモータ22を駆動するための駆動信号を生成し、スピンドルモータ22に出力する。また前記基準クロック信号に基づいてディスク回転速度を検出し、目標速度と比較してスピンドルモータ22の回転速度を制御する。
前記バッファRAM34には、光ディスク15から再生したデータ(再生データ)などが一時的に格納される。このバッファRAM34へのデータの入出力は、前記バッファマネージャ37によって管理されている。なお、記録可能な光ディスクがセットされているときには、上位装置90から送られてきた記録用データはバッファRAM34に蓄積される。
前記エンコーダ25は、記録可能な光ディスクがセットされているときに、CPU40の指示に基づいてバッファRAM34に蓄積されている記録用データをバッファマネージャ37を介して取り出し、データの変調及びエラー訂正コードの付加などを行ない、書き込み信号を生成する。ここで生成された書き込み信号はレーザ制御回路24に出力される。
前記レーザ制御回路24は、半導体レーザLDから出射されるレーザ光のパワーを制御する。ここでは、光ディスク15は再生専用であるため、レーザ制御回路24は、再生パワーに対応する半導体レーザLDの駆動信号を生成する。なお、記録可能な光ディスクに記録を行なう場合には、レーザ制御回路24では、前記書き込み信号、記録条件、及び半導体レーザLDの発光特性などに基づいて半導体レーザLDの駆動信号を生成する。
前記インターフェース38は、上位装置90(例えば、パソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)及びSCSI(Small Computer System Interface)などの標準インターフェースに準拠している。
前記フラッシュメモリ39は、プログラム領域及びデータ領域を含んで構成されている。フラッシュメモリ39のプログラム領域には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。また、フラッシュメモリ39のデータ領域には、記録条件、及び半導体レーザLDの発光特性などが格納されている。
前記CPU40は、フラッシュメモリ39のプログラム領域に格納されている上記プログラムに従って前記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータなどをRAM41及びバッファRAM34に保存する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る光ディスク装置20では、再生クロック信号生成回路Krによってクロック信号生成手段が構成され、デコーダ28eによって再生手段が構成されている。また、ウォブル信号検出回路28cによってウォブル信号検出手段が構成されている。
そして、再生クロック信号生成回路Krにて、本発明に係る信号生成方法の基準マークを検出する工程と、クロック信号を生成する工程とが実施されている。
以上説明したように、本実施形態に係る光ディスク15によると、多値化された情報に、複数のCM(基準マーク)がピット列の蛇行の周期と対応関係を有して含まれているために、蛇行の影響を受けることなくCMを精度良く検出することが可能となる。そこで、この基準マークを参照することにより、多値化された情報が記録されている位置を精度良く求めることが可能となる。
また、スポット中心とピット列の中央位置とがほぼ一致する位置あるいはスポット中心とピット列の中央位置とのずれ量が所定の値となる位置にCMが形成されているために、CM及びウォブル信号をいずれも精度良く検出することが可能となる。
また、CM周期に含まれるセル数mとウォブル周期に含まれるセル数nとの間に、m=n、m=n/2、及びm=n×aのいずれかの関係が満足されているために、CM及びウォブル信号をいずれも精度良く検出することが可能となる。
また、mが50〜260の整数であるため、記録可能な情報量をあまり低下させることなく、再生クロック信号を精度良く生成することが可能となる。
また、nが20〜160の整数であるため、基準クロック信号を精度良く生成することが可能となる。
また、ウォブル情報部におけるアドレス情報(位相変調波部)が、搬送波部と同じ周期で位相変調されているために、ウォブル情報を容易に復調することが可能となる。
さらに、同期マークにCMが付加されているために、同期マークを精度良く検出することができ、情報の区切りを容易に明確化することができる。
また、本実施形態に係る光ディスク装置20によると、スパイラル状又は同心円状のピット列が周期的に蛇行して形成された記録面を有し、多値化された情報に、複数のCM(基準マーク)が蛇行の周期と対応関係を有して含まれている光ディスク15を再生する際に、光ディスク15の記録面からの反射光に基づいてCMが検出され、そのCMに基づいて再生クロック信号(クロック信号)が生成される。ここでは、CMがピット列の蛇行の周期と対応関係を有して形成されているために、蛇行の影響を受けることなくCMが精度良く検出され、それにより、再生クロック信号が精度良く安定して生成される。その結果、光ディスク15に記録されている情報の再生が安定して行なわれることとなる。すなわち、本発明の光ディスクに記録されている情報を安定して再生することが可能となる。
なお、上記実施形態のクロック信号生成回路28fにおいて、前記再生クロック信号生成回路Krに代えて、図18に示される再生クロック信号生成回路Kr'を用いても良い。この再生クロック信号生成回路Kr'は、ウォブル信号に基づいて擬似的なクロック信号(パルス信号)を生成し、該擬似的なクロック信号とCMとに基づいて再生クロック信号を生成する。すなわち、粗同期のクロック引き込みをウォブル信号で行い、精同期のクロック引き込みを再生信号で行うものである。そこで、再生クロック信号生成回路Kr'は、前記再生クロック信号生成回路Krに、切換スイッチf8と分周器f9と同期検出回路f10とを付加した構成となっている。
分周器f9は、基準クロック信号生成回路Kwからの基準クロック信号Wckをm分周する。切換スイッチf8は、分周器f9の出力信号とボトム検出回路f2の出力信号の一方を選択し、PLL回路f3に出力する。同期検出回路f10は、PLL回路f3の出力信号に基づいて同期状態を検出し、切換スイッチf8を制御する。
ここで、再生クロック信号生成回路Kr'の作用について簡単に説明すると、先ず、同期検出回路f10は切換スイッチf8を分周器f9側に設定する。これにより、分周器f9の出力信号がPLL回路f3に供給され、PLL回路f3にて大まかな周波数引き込み、すなわち粗同期が行なわれる。粗同期によって大まかに周波数が合うと、同期検出回路f10は切換スイッチf8をボトム検出回路f2側に設定する。これにより、ボトム検出回路f2の出力信号がPLL回路f3に供給され、PLL回路f3にて正確な周波数引き込み、すなわち精同期が行なわれる。従って、前記再生クロック信号生成回路Krよりも、再生クロック信号を迅速に生成することが可能となる。
この場合に、mがnの自然数倍のときには、一例として図19に示されるように、上記再生クロック信号生成回路Kr'における分周器f9に代えて、2値化回路f5の出力信号をm/n分周する分周器f11を有する再生クロック信号生成回路Kr”を用いても良い。粗同期のときには、切換スイッチf8では分周器f11の出力信号が選択され、精同期のときには、切換スイッチf8ではボトム検出回路f2の出力信号が選択される。これにより、例えば基準クロック信号が不要で、基準クロック信号生成回路Kwを構成するPLL回路f6が作動していないときでも、再生クロック信号を迅速に生成することができる。
また、上記実施形態では、アドレス情報が搬送波と同じ周期で位相変調される場合について説明したが、これに限らず、例えば図20に示されるように、アドレス情報が搬送波の2倍の周期で位相変調されても良い。この場合に、CM周期とウォブル周期とを互いに等しくすると、スポット中心とピット列の中央位置とがほぼ一致する位置にCMを配置することができる。
また、上記実施形態では、1データブロックに3つのCMが挿入されている場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば1データブロックに1つのCMが挿入されていても良い。
また、上記実施形態では、データブロックの先頭のCMと同期マークとを個別に配置する場合について説明したが、例えば同期マークによってセルの中心を特定することができる場合には、図21(A)に示されるように、同期マークの前方のCMはなくても良い。例えば、図21(B)に示されるように、「007000777」という多値化データ列を同期マークとして用いると、前方の5セルによってセルの中心を特定することができる。
また、上記実施形態では、同期マークとして「00007777」という多値化データ列が用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば図22に示されるように、「007770077」という多値化データ列を同期マークとして用いても良い。要するに、ユーザデータには現われることがないパターンであれば良い。
また、上記実施形態では、CMとして「00700」という多値化データ列が用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば図23に示されるように「0077」という多値化データ列をCMとして用いても良い。この場合には、再生信号の振幅中心に基づいてクロック信号が生成される。すなわち、振幅中心を横切るタイミングを検出することによりセル境界のタイミングが得られるため、セル境界で立上がりエッジをもつクロック信号を生成すると、セルの長さが既知であるため、図23に示されるように、立下りエッジがセルの中心を示すクロック信号を容易に生成することができる。従って、この場合には、上記実施形態における前記再生クロック信号生成回路Krに代えて、図24に示される再生クロック信号生成回路Krcが用いられることとなる。この再生クロック信号生成回路Krcでは、前記再生クロック信号生成回路Krにおけるボトム検出回路f2に代えて、再生信号の振幅中心を検出する振幅中心検出回路f2'が用いられている。
また、上記実施形態では、記録データを8値に多値化する場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、プッシュプル法によってトラックエラー信号を取得する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば位相差法(DPD法)を用いても良い。さらに、半導体レーザLDから出射される光束を3つのビームに分割し、3スポット法及び差動プッシュプル(DPP)法を用いても良い。要するに、トラックエラー信号が品質良く検出されれば良い。なお、光ピックアップ装置23及び再生信号処理回路28の構成は検出方式に応じたものとなる。
また、上記実施形態では、非点収差法によってフォーカスエラー信号を取得する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えばナイフエッジ法を用いても良い。要するに、フォーカスエラー信号が品質良く検出されれば良い。なお、光ピックアップ装置23及び再生信号処理回路28の構成は検出方式に応じたものとなる。
また、上記実施形態では、受光器PDの受光面が4分割されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、サーボ信号、RF信号、及びウォブル信号が品質良く検出されれば良い。
また、上記実施形態では、蛇行幅を±17.8nmとしているが、帯域制限の方法に応じて変更しても良い。
また、上記実施形態では、記録データを変調する際に、帯域制限を行う場合について説明したが、これに限らず、帯域制限を行なわなくても良い。この場合には、蛇行幅は±25.2nmが好ましい。
また、上記実施形態では、ウォブル周期が5μm、ピット列ピッチが0.74μmの場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。そこで、例えばピット列ピッチが0.45μmであれば、帯域制限を行うときの蛇行幅は±10.8nm、帯域制限を行わないときの蛇行幅は±15.3nmが好ましい。また、例えばピット列ピッチが0.32μmであれば、帯域制限を行うときの蛇行幅は±7.7nm、帯域制限を行わないときの蛇行幅は±10.9nmが好ましい。
また、上記実施形態では、1ウォブルユニットが93ウォブルの場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、1ウォブルユニットにおいて、ウォブル番号0〜ウォブル番号7をウォブル情報部、ウォブル番号8〜ウォブル番号92を搬送波部とする場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、アドレスデータとして51ビットが必要な場合について説明したが、これに限定されるものではない。この場合には、アドレスデータのビット数に応じて、1ウォブルブロックを構成するウォブルユニットの個数が規定される。
なお、上記実施形態において、前記再生信号の周期がウォブル信号の周期に近くなる場合には、同期マーク位置では、前記基準クロック信号生成回路KwにおけるPLL回路f6での位相比較を一時的に停止しても良い。
また、上記実施形態では、受光器PDとI/Vアンプ62とが個別に設けられる場合について説明したが、これに限らず、受光器PDとI/Vアンプ62とが一体化されても良い。
また、上記実施形態では、光ディスクが、約660nmの波長のレーザ光に対応する場合について説明したが、、これに限定されるものではなく、例えば約780nmの波長のレーザ光、及び約405nmの波長のレーザ光に対応しても良い。
また、上記実施形態では、多値化データの値に応じて、ピットの面積が異なる場合について説明したが、これに限らず、多値化データの値に応じて、ピットの深さが異なっても良い。要するに、多値化データの値に応じて、再生信号の信号レベルが異なっていれば良い。
また、上記実施形態では、光ピックアップ装置が1つの半導体レーザを備える場合について説明したが、これに限らず、例えば互いに異なる波長の光束を発光する複数の半導体レーザを備えていても良い。この場合に、例えば波長が約405nmの光束を発光する半導体レーザ、波長が約660nmの光束を発光する半導体レーザ及び波長が約780nmの光束を発光する半導体レーザの少なくとも1つを含んでいても良い。すなわち、光ディスク装置が互いに異なる規格に準拠した複数種類の光ディスクに対応する光ディスク装置であっても良い。このときには、複数種類の光ディスクのうち少なくとも1種類の光ディスクで多値記録方式が用いられれば良い。
また、上記実施形態では、光ディスク装置が記録及び再生が可能な光ディスク装置の場合について説明したが、再生専用の光ディスク装置であっても良い。
15…光ディスク、20…光ディスク装置、28c…ウォブル信号検出回路(ウォブル信号検出手段)、28e…デコーダ(再生手段)、CM…クロックマーク(基準マーク)、Kr…再生クロック信号生成回路(クロック信号生成手段)。