JP2008216882A - 透過型回折素子、光ピックアップ装置及び透過型回折素子の製造方法 - Google Patents

透過型回折素子、光ピックアップ装置及び透過型回折素子の製造方法 Download PDF

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伸幸 細川
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Abstract

【課題】波長の異なる複数種類の入射光のうち、特有の波長の光のみを選択的に回折する透過型回折素子を迅速に製造する。
【解決手段】単一材料からなる透明基板2を用意し、その透明基板2上に、エッチング加工に基づき、凹部3を周期的にそれぞれ加工し、その各凹部3内に前記光学多層膜を充填する。これにより、エッチング加工において、エッチング最適条件を、単一物質からなる透明基板2にだけ合わせることができるようにして、途中で、エッチング条件を変えることなく、一気に透明基板2に凹部3を周期的に形成できるようにする。
【選択図】図10

Description

本発明は、光デバイスに使用される透過型回折素子、その透過型回折素子を利用した光ピックアップ装置及び透過型回折素子の製造方法に関する。
近年、規格の異なる光ディスクであるCD、DVD、次世代光ディスクに対する記録、再生等に対処すべく、2波長レーザー或いは3波長レーザーを1パッケージに収めた半導体レーザーが開発されている。これに伴い、回折効率の波長依存性を制御できる回折素子や、回折波長の異なる複数の回折素子を一体化して、一つの回折素子でありながら、複数の波長に対して回折効率と回折方向を制御するものが開発されている。このような回折素子としては、例えば特許文献1に示すように、透明基板上に透明材料部と光学多層膜部とを交互に配置して、その光学多層膜部の設計により、回折効率の波長依存性を制御するものが提案されている。
ところで、上記回折素子を製造するに際しては、透明基板上に光学多層膜を成膜し、その光学多層膜に対してエッチング加工することにより、その光学多層膜に凹所を周期的にそれぞれ形成(回折格子形成)し、その各凹所内に透明材料を充填することとされる。
特開2004−342295号公報
しかし、光学多層膜に対してエッチング加工を行い、その光学多層膜に凹部を周期的にそれぞれ形成する場合には、光学多層膜の各層のエッチング最適条件が異なることから、光学多層膜における各層のエッチング加工毎にその各層の物質にあったエッチング条件に変える必要がある。このため、このような製造方法においては、エッチング加工が煩雑となって、当該回折素子を迅速に製造することが困難とならざるを得ない。
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたもので、その第1の技術的課題は、透明基板上に透明材料部と光学多層膜部とが交互に並設されていて、波長の異なる複数種類の入射光のうち、特有の波長の光のみが選択的に回折される透過型回折素子において、その製造を、その構造に基づき迅速に行えるようにすることにある。
第2の技術的課題は、上記透過型回折素子を利用した光ピックアップ装置を提供することにある。
第3の技術的課題は、上記透過型回折素子を製造するための透過型回折素子の製造方法を提供することにある。
前記第1の技術的課題を達成するために本発明(請求項1に係る発明)にあっては、
透明基板上に透明材料部と光学多層膜部とが交互に並設されていて、波長の異なる複数種類の入射光のうち、特有の波長の光のみが選択的に回折される透過型回折素子において、
前記透明基板が単一材料からなり、
前記透明基板に凹部が周期的に形成されて、該透明基板における隣り合う各凹部間部分をもって前記各透明材料部が構成され、
前記各光学多層膜部が、前記各凹部内にそれぞれ充填されている構成としてある。この請求項1の好ましい態様としては、請求項3に記載の通りとなる。
前記第1の技術的課題を達成するために本発明(請求項2に係る発明)にあっては、
複数の透明基板が積層され、該各透明基板に透明材料部と光学多層膜部とが交互に並設された状態で設けられ、該各透明基板毎に、波長の異なる複数種類の入射光のうち、特有の波長の光のみが選択的に回折される透過型回折素子において、
前記各透明基板が単一材料からなり、
前記各透明基板に凹部が周期的にそれぞれ形成されて、該各透明基板における隣り合う各凹部間部分をもって該各透明基板における前記各透明材料部が構成され、
前記各透明基板における前記各光学多層膜部が、該各透明基板における各凹部内にそれぞれ充填されている構成としてある。この請求項2の好ましい態様としては、請求項3に記載の通りとなる。
前記第2の技術的課題を達成するために本発明(請求項4に係る発明)にあっては、
少なくとも2種類の異なる波長の光を出射する光源と、該光源からの出射光を記録媒体へ集光させる集光手段と、該記録媒体への出射光の集光に基づき該記録媒体から反射される反射光を検出する光検出手段と、を備える光ピックアップ装置において、
前記光源と前記集光手段との間の光路中に、請求項1〜3のいずれか1項の回折素子が配置されている、
ことを特徴とする光ピックアップ装置
前記第3の技術的課題を達成するために本発明(請求項5に係る発明)にあっては、
透明基板上に透明材料部と光学多層膜部とが交互に配置されていて、波長の異なる複数種類の入射光のうち、特有の波長の光のみが選択的に回折される透過型回折素子の製造方法において、
先ず、前記透明基板として、単一材料からなるものを用意し、
次に、前記透明基板上に、エッチング加工に基づき凹部を周期的に加工して、隣り合う該凹部間部分をもって前記各透明材料部とし、
次に、前記各凹部内に光学多層膜をそれぞれ充填して、前記各光学多層膜部を形成する構成としてある。この請求項5の好ましい態様としては、請求項6,7,9の記載の通りとなる。
前記第3の技術的課題を達成するために本発明(請求項8に係る発明)にあっては、
複数の透明基板が積層され、該各透明基板に透明材料部と光学多層膜部とが交互に並設された状態で設けられ、該各透明基板毎に、波長の異なる複数種類の入射光のうち、特有の波長の光のみが選択的に回折される透過型回折素子の製造方法において、
先ず、前記各透明基板として、単一材料からなるものを用意し、
次に、前記各透明基板上に、エッチング加工に基づき凹部を周期的に加工して、該各透明基板における隣り合う該凹部間部分をもって前記各透明基板における前記各透明材料部とし、
次に、前記各透明基板における前記各凹部内に光学多層膜をそれぞれ充填して、前記各透明基板における前記各光学多層膜部を形成し、
その後、前記透明材料部と前記光学多層膜部とを備える前記各透明基板を積層状態をもって接合する構成としてある。この請求項8の好ましい態様としては、請求項9の記載の通りとなる。
請求項1に係る発明によれば、透明基板が単一材料からなり、その透明基板に凹部が周期的に形成されて、その透明基板における隣り合う各凹部間部分をもって各透明材料部が構成され、各光学多層膜部が各凹部内にそれぞれ充填されていることから、その構造に基づき、その単一材料からなる透明基板上に凹部を周期的に加工するに際し、その加工にエッチング加工を用いて、そのエッチング加工において、エッチング最適条件を、単一物質からなる透明基板にだけ合わせることができ、途中で、エッチング条件を変えることなく、一気に透明基板に凹部を周期的に形成できる。これより、透明基板における凹部加工の短縮化を図ることができ、当該透過型回折素子を迅速に製造できる。
また、各透明材料部が透明基板をもって一体的に形成されることになり、別部品である各透明材料部と透明基板とを接合(一体化)する場合に比して、光学性能(透過率、温度特性等)を高めることができる。
請求項2に係る発明によれば、複数の透明基板が積層され、該各透明基板に透明材料部と光学多層膜部とが交互に並設された状態で設けられ、該各透明基板毎に、波長の異なる複数種類の入射光のうち、特有の波長の光のみが選択的に回折される透過型回折素子であっても、その構造に基づき、前記請求項1の場合同様、各透明基板における凹部加工の短縮化を図って、当該透過型回折素子を迅速に製造できると共に、光学性能を高めることができる。
請求項3に係る発明によれば、透明基板及び前記光学多層膜部が、無機系材料をもって形成されていることから、屈折率に対する温度依存性を、有機系材料を用いる場合に比して低くすることができ、温度特性に関し、十分な性能を得ることができる。
請求項4に係る発明によれば、光ピックアップ装置において、光源と集光手段との間の光路中に、請求項1〜3のいずれか1項の回折素子が配置されていることから、当該回折素子を利用した光ピックアップ装置を提供でき、その光ピックアップ装置において、当該回折素子の機能を十分に発揮させることができる。
請求項5に係る発明によれば、透明基板として、単一材料からなるものを用意し、次に、透明基板上に、エッチング加工に基づき凹部を周期的に加工し、次に、各凹部内に光学多層膜をそれぞれ充填することから、透明基板に対する凹部加工において、エッチング最適条件を、単一物質からなる透明基板にだけ合わせれば足りることになり、途中、エッチング条件を変えることなく、一気に透明基板に凹部を周期的に形成できる。このため、波長の異なる複数種類の入射光のうち、特有の波長の光のみが選択的に回折される透過型回折素子を迅速に製造できる。
請求項6に係る発明によれば、透明基板の両面に回路素子部をそれぞれ備える透過型回折素子を製造する場合であっても、その透明基板の両面に凹所を形成するに際して、エッチングの最適条件を、単一材料からなる透明基板にだけ合わせれば足りることになり、その透明基板の両面に対する周期的な凹所の形成を迅速に行うことができる。このため、このような透明基板の両面に回路素子部をそれぞれ備える透過型回折素子であっても、迅速に製造できる。
請求項7に係る発明によれば、この場合においても、透明基板の両面に凹所を形成するに際して、エッチング最適条件を、単一材料からなる透明基板にだけ合わせれば足りることになり、当該透過型回折素子を迅速に製造できる。
請求項8に係る発明によれば、複数の透明基板が積層され、該各透明基板に透明材料部と光学多層膜部とが交互に並設された状態で設けられ、該各透明基板毎に、波長の異なる複数種類の入射光のうち、特有の波長の光のみが選択的に回折される透過型回折素子を製造する場合であっても、各透明基板に凹所を形成するに際して、エッチング最適条件を、単一物質からなるその透明基板にだけ合わせれば足りることになり、各透明基板に対する周期的な凹所の形成を迅速に行うことができる。このため、透明基板における凹部加工の短縮化を図ることができ、このような透過型回折素子においても、その製造を迅速に行うことができる。
請求項9に係る発明によれば、光学多層膜部において、隣り合う層の材料が異なっていても、光学多層膜ではなく透明基板をエッチング加工することから、製造工程の途中において、エッチング条件を変える必要はなくなる。このため、このような光学多層膜を有する透過型回折素子であっても、迅速に製造できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、第1実施形態に係る回折素子1を示す。回折素子1は、一枚の透明基板2を有しており、その透明基板2における一方の面2aには凹部3が周期的に形成されて回折格子4(規則的な凹凸を有する平板格子)が形成されている。この回折格子4は、隣り合う各凹部3間部分を格子部(透明材料部)4aとしており、その回折格子4の各凹部3内には光学多層膜(光学多層膜部)5がそれぞれ充填されている。
透明基板2としては、光学ガラス、石英基板、光学プラスチック等を用いることができる。しかし、温度に対する屈折率の安定性・信頼性などから、線膨張係数の小さい光学ガラス、石英基板などの無機材料からなるものが望ましい。
回折格子4のピッチ幅、デューティ(凹部3の幅と格子部4aの幅の比率)などのパラメータについては、要求される回折格子4の仕様によって決定される。ピッチ幅に関しては±1次光の回折角に影響を与えるので、その要求に合わせて決定される。デューティに関しては、一般的には0.5が用いられ、状況に応じてそれ以外の値が用いられる。回折格子4の高さ(凹部3の深さ)に関しては、光学多層膜5との兼ね合いで決定される。基本的には、回折格子4の最上面(透明基板2における一方の面2a)が、充填する光学多層膜5の最上面と一致して表面が平坦になるのが望ましいので、回折格子4の高さは、その最上面と光学多層膜5の最上面とが一致するように調整される。勿論、状況によっては、回折格子4の高さを、その最上面と光学多層膜5の最上面とが一致しないようにしてもよい。
各光学多層膜5は、隣り合う層の材料が異なるようにしつつ積層されている。具体的には、高屈折率材料と低屈折率材料とを周期的に配置したミラー構造を基本としており、低屈折率材料として、SiO2,MgF2,高屈折率材料として、TiO2,Nb25,Ta25,Al23のような無機物材料が主に用いられる。勿論この場合、使用する任意の波長に対しては吸収を持たない材料であることが望ましい。
この光学多層膜5の透過位相制御には、対称三層膜による等価膜の概念が利用されている。図2には、n1,d1とn2,d2の二種類の屈折率および膜厚からなる対称三層膜10が示されているが、その対称三層膜10は、等価屈折率Nと等価位相φをもった単層膜(等価膜20)と同等の振る舞いをすることになり、このとき、等価屈折率Nと等価位相φとには、(数1)、(数2)が成立する。図3は、その対称三層膜10における等価位相φと等価屈折率Nの波長依存性を示しており、その等価膜20においては、グラフが不連続になっている領域が存在し、その不連続領域の両側近辺において等価位相φが急激に変化する。
Figure 2008216882
Figure 2008216882
一方、この光学多層膜5は、下記設計条件を満たす必要がある。
1)所定の波長において格子部4aの透過位相と光学多層膜5の透過位相とが一致すること。
2)所定の他方の波長において格子部4aの透過位相と光学多層膜5の透過位相との差ができるだけ大きいこと。
3)双方の所定の波長においてできるだけ低反射率であること。
この場合、上記条件に加えて、格子部4aの高さ(凹部3の深さ)と光学多層膜5の厚さとが一致することを設計条件として満たすようにすることが、より好ましい。
そこで、光学多層膜5の形成に当たり、(数2)を用いて、上記設計条件1)、2)、3)の条件を満たすように対称三層膜10の設計をし、それを要求する回折強度比が満たされるまで繰り返し積層することとしている。本実施形態に係る光学多層膜5は、このような考え方に基づき、図4に示すように、SiO2とNb25の周期層とされている。この場合、この光学多層膜5は、その層数が41層とされ、そのトータル膜厚は約5μmとされており、これに伴い、回折格子4の高さもそれに応じて約5μmになるように加工されている。尚、このとき用いられる透明基板2、光学多層膜15A,15BにおけるSiO2およびNb25の屈折率の値は、SiO2については、660nmの光に対して1.459、785nmの光に対して1.455、Nb25については、660nmの光に対して2.288、785nmの光に対して2.257である。
このような光学多層膜5を保有する回折素子1は、具体的には、2波長(660nm、785nm)を保有するレーザーに対し、DVD用レーザーである660nmの波長の光に関しては、回折素子として光を回折するが、CD用のレーザーである785nmの波長の光に関しては、回折素子として作用せず光を回折しないことになっている。図5には、格子部4a(凹部3に隣り合う部分)の透過位相と光学多層膜5(充填部)を構成する対称三層膜の透過位相の波長依存性が示されており、その図5中、(a)は格子部4aの透過位相、(b)は光学多層膜5を構成する対称三層膜の透過位相の波長依存性を示している。これによれば、785nmでは互いに重なり合っている曲線が、反射帯近辺でずれはじめ、660nmではわずかにずれている。このわずかなずれを回折強度比が任意の値になるまで積み重ねることによって、所定のある波長(660nm:特有の波長)では所定の回折強度比をもって回折し、他方の波長(785nm)では回折しない回折素子1となっている。
図6は、本実施形態に係る回折素子1についての0次および±1次光の回折効率の波長依存性を示したグラフで、600nm〜800nmまでの波長領域におけるものを示している。この図6において、(a)は±1次光の回折強度、(b)は0次光の回折強度、(c)は0次光と±1次光を足し合わせたトータルの透過率を示しており、この回折素子1によれば、波長660nm近辺の光を約5.3%回折すると共に、波長785nm近辺の光の約97.5%を回折せずに透過させる。
本実施形態においては、透明基板2の他方の面に反射防止膜6が施されている。反射防止膜6は、反射損失による透過量の低下を目的とするものであり、その反射防止膜6は、透明基板2の他方の面に限らず、透明基板2の両方の面に付けてもよい。勿論、透明基板2に反射防止膜6を設けなくてもよい。
次に、上記回折素子1の製造方法について、図7〜図12に基づき説明する。
(1)先ず、光学ガラス等の透明基板2における平坦な一方の面2aに、凹部3が周期的にそれぞれ形成される。この各凹部3の形成には、リソグラフィ技術における塗布、露光、現像、さらには、エッチングの一つであるドライエッチング(食刻)が用いられる。勿論この場合、エッチングとしてウェットエッチングを用いることもできる。これを具体的に説明すれば下記の通りとなる。
1)透明基板2における一方の面2a上に、図7に示すように、レジスト(感光性樹脂)7を塗布し、そのレジスト7上に、周期的なパターンを書き込んだマスク(遮光材)8を、図8に示すように配置する。その上で、それらに対して露光を行ってレジスト7を感光させ、それらを、図9に示すように、現像処理により除去する。これにより、透明基板2上のレジスト7に所望の周期的パターンが形成され、そのスペース部9には透明基板2が露出する。
2)次に、図10に示すように、現像されたレジストパターンを通じて透明基板2に対してドライエッチング加工(エッチング加工)を行い、レジスト7におけるスペース部9に臨む透明基板2部分を、さらに深く彫込んで凹部3を形成する。このドライエッチング加工においては、透明基板2をセットした真空チャンバ内にエッチング用ガスを導入し、そのガスをプラズマ化することにより発生させたラジカルを透明基板2に反応させて、該当部分を除去(揮発)する反応性エッチング、プラズマ化することにより発生するイオンを透明基板2に衝突させて物理的に該当部分を削るイオンエッチングが、単独的或いは複合的に行われ、エッチング用ガスとしては、CF4やCHF3のようなフッ素系ガスが用いられる。この場合、透明基板2が単一材料からなることから、エッチング用ガス等のエッチング条件については、その透明基板2についてのものだけを設定し、それを途中で変える必要はない。これにより、透明基板2が(光学ガラス)以外の他の部材を考慮したエッチング条件が不要となり、迅速に、透明基板2に各凹部3を形成できることになる。
(2)次に、図11に示すように、透明基板2における一方の面2a側全体に対して前述の光学多層膜5の成膜が行われ、その光学ガラスにおける各凹部3内にもその光学多層膜5が充填される。
この場合、光学多層膜5の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法など、種々の方法を用いることができるが、特に、透明基板2における各凹部3内に充填させる必要があることから、指向性の強いイオンビームスパッタリングや真空蒸着、または高真空で成膜が可能なECRスパッタリングなどを用いることが望ましい。
(3)次に、図12に示すように、レジスト7及びそのレジスト7上の光学多層膜5が除去される。
これにより、一枚の透明基板2における一方の面2aに凹部3が周期的に形成されて回折格子4(規則的な凹凸を有する平板格子)が形成され、その透明基板2(回折格子4)の各凹部3内に光学多層膜5が充填されることになり、前記回折素子1が製造されたことになる。
したがって、この実施形態に係る製造方法を用いれば、透明基板2に凹部3(回折格子4)を形成するに際して、単一材料からなる透明基板2(光学ガラス等)に対してだけエッチング加工を行い、エッチング条件を途中で変える必要がなくなることから、エッチング条件を変えなければならないエッチング加工の場合(例えば光学多層膜5をエッチングする場合)に比して、当該回折素子1の製造時間を短縮することができる。
また、回折格子4を形成するに際して、透明基板2として、屈折率が保証された光学ガラス等を用いれば、格子高さ(凹部3の深さ)を的確に制御して各格子部4a(凹部3に隣り合う部分)の透過位相の精度高めることができ、光学多層膜5(回折格子4の充填部)における透過位相については、その光学多層膜の各層の膜厚制御により的確に制御できる。これにより、所望の精度の高い回折素子1を確実に製造(量産)できる。
図13は、第2実施形態に係る回折素子1を示している。この回折素子1は、透明基板(ガラス、石英基板等)2における一方の面2a側に第1回折素子部11Aが形成され、透明基板2における他方の面2b側に第2回折素子部11Bが形成されている。
第1回折素子部11Aは、前記第1実施形態に係る構成がそのまま利用されており、その透明基板2の一方の面2aには、周期的な凹部13Aが形成されて回折格子14Aが形成されている。この回折格子14Aは、隣り合う各凹部13A間部分を格子部(透明材料部)14Aaとしており、その回折格子14Aの各凹部13A内には光学多層膜(光学多層膜部)15A(図4に示すもの)がそれぞれ充填されている。この第1回折素子部11Aの構成要素13A,14A,15Aは、前記第1実施形態における回折素子1の構成要素13,14,15と同じものとなっており、これらの説明は、重複するので省略する。尚、本実施形態においては、回折格子14Aの最上面(透明基板2の一方の面2a)と光学多層膜15Aの最上面とは面一にされ、その上に反射防止膜16Aが設けられている。
一方、第2回折素子部11Bは、透明基板2の他方の面2bに、周期的な凹部13Bが形成されて回折格子14Bが形成されている。この回折格子14Bは、隣り合う各凹部13B間部分を格子部(透明材料部)14Baとしており、その各凹部13B内に光学多層膜(光学多層膜部)15Bが充填される構成となっている。この場合、回折格子14Bの最上面(透明基板2の他方の面2b)と光学多層膜15Bの最上面とは面一にされ、その上に反射防止膜16Bが設けられている。
この第2回折素子部11Bおいては、回折格子14Bのピッチ幅、デューティ、格子の高さなどは、第1実施形態の場合同様、要求される回折素子部11Bの仕様によって決定され、各光学多層膜15Bは、第1実施形態と同様、使用する波長に対して吸収をもたない無機材料が主として用いられる。しかし、光学多層膜15Bに関しては、それに基づき、第2回折素子部11Bを、第1回折素子部11A(光学多層膜15A)が回折する波長(一の特有波長)とは別の波長(別の特有波長)のみに回折素子して機能させ、第1回折素子部11Aが回折する波長に対しては回折素子として機能させないことになっている。このため、光学多層膜15Bは、本実施形態においては、光学多層膜15Aと異なった膜構成とすべく、図14に示すように、SiO2とNb25の周期層とされ、その層数が25層、そのトータル膜厚が約2.9μmとされている。これに伴い、回折格子14Bの高さ(凹部13Bの深さ)も、それに応じて約2.9μmになるように加工されている。
これにより、このような光学多層膜5Bを保有する第2回折素子部11Bは、2波長(660nm、785nm)を保有するレーザー光に対し、CD用レーザーである785nmの波長の光に関しては回折素子として光を回折するが、DVD用レーザーである660nmの波長の光に関しては回折素子として作用せず光を回折しないことになる。図15は、回折格子14B(凹部13Bに隣り合う部分:以下、格子部)の透過位相と光学多層膜5(充填部)を構成する対称三層膜の透過位相の波長依存性を示しており、その図15中、(a)は格子部の透過位相、(b)は光学多層膜5を構成する対称三層膜の透過位相の波長依存性を示している。これによれば、660nm近辺の波長領域では両者の透過位相の曲線は互いに重なり合っているが、785nm近辺の波長領域ではわずかにずれている。
図16は、第2回折素子部11Bについての0次および±1次光の回折効率の波長依存性を示したグラフで、600nm〜800nmまでの波長領域におけるものを示している。この図16において、(a)は±1次光の回折強度、(b)は0次光の回折強度、(c)は0次光と±1次光を足し合わせたトータルの透過率を示しており、この回折素子1によれば、波長785nm近辺の光を約5%回折すると共に、波長660nm近辺の光の約99%を回折せずに透過させる。尚、このとき用いられる透明基板2、光学多層膜15A,15BにおけるSiO2およびNb25の屈折率の値については、第1実施形態の場合と同様である。
図17は、第2実施形態に係る回折素子1全体についての0次および±1次光の回折効率の波長依存性を示したグラフで、500nm〜900nmまでの波長領域におけるものを示している。この図17において、(a)は±1次光の回折強度を示し、(b)は0次光の透過率、(c)は0次光と±1次光を足し合わせたトータルの透過率を示しており、これによれば、波長660nm近辺の光を約5.0%回折すると共に波長785nm近辺の光を約5.9%回折する。またそれぞれの波長における0次および±1次光の回折強度の和である透過率はいずれも89%以上である。
このような第2実施形態に係る回折素子1を製造するに際しては、各回折素子部11A,11Bは、前記第1実施形態と同様の方法により形成されるが、この場合、透明基板2の両面2a,2bにドライエッチング加工により周期的な凹部13A,13Bを形成した後に、その両面2a,2bにおける各凹部に光学多層膜15A,15Bを充填してもよいし、回折素子部11A,11Bの一方を形成(凹部13A又は13Bの形成、光学多層膜15A又は15Bの充填)した後、回折素子部11A,11Bの他方を形成するようにしてもよい。
図18は第3実施形態に係る回折素子1を示している。この回折素子1は、2つの透明基板(光学ガラス、石英基板等)22Aと22Bとを接着剤層27を介して接合した構成とされ、その各透明基板22A,22Bには、その厚み方向の一方側において、回折素子部21A,21Bがそれぞれ形成されている。
透明基板22Aにおける回折素子部(第1回折素子部)21Aには、前記第2実施形態に係る第1回折素子部11Aがそのまま利用されている。すなわち、透明基板22Aの一方の面22aには、周期的な凹部23Aが形成されて回折格子24Aが形成されている。この回折格子24Aは、隣り合う各凹部23A間部分を格子部(透明材料部)24Aaとしており、その各凹部23A内に光学多層膜25A(図4に示すもの)が充填されている。この場合、回折格子24Aの最上面(透明基板22Aの一方の面22a)と光学多層膜25Aの最上面とは面一にされている。この回折素子部21Aの構成要素23A,24A,25Aは、前記第2実施形態における第1回折素子部11Aの構成要素13A,14A,15Aと同一のものが用いられており、これらの説明については、重複するので省略する。
透明基板22Bにおける回折素子部(第2回折素子部)21Bには、前記第2実施形態に係る第2回折素子部11Bがそのまま利用されている。すなわち、透明基板22Bの一方の面22bには、周期的な凹部23Bが形成されて回折格子24Bが形成されている。この回折格子24Bは、隣り合う各凹部23B間部分を格子部(透明材料部)24Baとしており、その各凹部23B内に光学多層膜25B(図14に示すもの)が充填されている。この場合、回折格子24Bの最上面(透明基板22Bの一方の面22b)と光学多層膜25Bの最上面とは面一にされている。この回折素子部21Bの構成要素23B,24B,25Bは、前記第2実施形態における第2回折素子部11Bの構成要素13B,14B,15Bと同じものが用いられており、これらの説明についても、重複するので省略する。
接着剤層27は、2つの透明基板22A,22Bを、その回折素子部21A,21Bが対面するようにして接合している。この接着剤層27を形成する接着剤には、透明で、使用する任意の波長に対して吸収性を持たず、且つ透明基板22A,22Bの屈折率とそれほど大きな差がないものを用いるのが望ましい。この場合、接着剤として有機性接着剤を用いる場合には、温度に対する屈折率の変動等が問題になるが、回折素子部21A,21B(回折格子24A,24Bの最上面及び光学多層膜25A,25Bの最上面)が平坦(面一)とされていることから、仮に有機性接着剤を接着剤層27に用いても、その影響は受けない。
また、本実施形態においては、透明基板22Aの他方の面22b上に反射防止膜26Aが設けられ、透明基板22Bの他方の面22b上に反射防止膜26Bが設けられている。これは、図18に示すように、回折素子部21A,21B同士が互いに対面している場合において、仮に上記のように反射防止膜26A,26Bを設けないときには、その回折素子部21A,21Bとは反対側の面(透明基板22A、22Bの他方の面22b)が大気と接して、その面22bと大気との屈折率差が大きくなるからである。
但し、透明基板22A、22Bを、その回折素子部21A,21Bが同方向に向くように積層した場合には、接着剤と接する面に関しては、接着剤の屈折率が透明基板22A、22Bの屈折率に十分近い場合等には、反射防止膜を設ける必要はない。
図19は、この第3実施形態に係る回折素子1(図18参照)についての0次および±1次光の回折効率の波長依存性を示したグラフで、600nm〜800nmまでの波長領域におけるものを示している。この図19において、(a)は±1次光の回折強度、(b)は0次光の回折強度、(c)は0次光と±1次光を足し合わせたトータルの透過率を示しており、この回折素子1によれば、波長660nm近辺の光を約4.5%回折すると共に、波長785nm近辺の光の約6%を回折する。また、それぞれの波長における0次および±1次光の回折強度の和である透過率は、いずれも89%以上である。
この第3実施形態に係る回折素子1を製造するに際しては、透明基板22Aにおいて回折素子部21Aを形成すること、透明基板22Bにおいて回折素子部21Bを形成することを、前記第1実施形態に係る回折素子1の製造方法と同様の方法によりそれぞれ行い、その後、その両透明基板22A,22Bを接着剤層27をもって積層状態に接合する。この第3実施形態に係る回折素子1を製造においても、各透明基板22A(22B)に各回折素子部21A(21B)を形成するに際して、その単一材料からなる各透明基板22A(22B)に対してエッチング加工を行って凹部23A(23B)を形成することから、その製造の迅速化を図ることができる。特に、本実施形態においては、1つの回折素子を形成するに際して、凹部を、2枚の透明基板22A(22B)にそれぞれ形成しなければならないことから、その迅速化の効果は大きい。
上記各実施形態に係る回折素子1は、図20に示すように、光ピックアップ装置30に搭載される。光ピックアップ装置30は、回折素子1の他に、光記録媒体31(DVD31a、CD31b)に対してDVD用波長λ1及びCD用波長λ2のレーザーを出射するレーザー出射装置32(レーザーダイオード)と、レーザー出射装置32と光記録媒体31との間の光路中に配置される集光手段としてのコリメートレンズ34及び対物レンズ35と、コリメートレンズ34と対物レンズ35との間に配置されて光路を制御するビームスプリッタ36と、記録媒体31により反射された光を対物レンズ35,ビームスプリッタ36,集光レンズ37を経て受け取りその光の強度を検知するフォトセンサ38と、を備えており、この光ピックアップ装置30においては、回折素子1は、一般に、ビームスプリッタ33とレーザー出射装置32との間に配置される。
この光ピックアップ装置30においては、回折素子1として、例えば第2実施形態に係るものが用いられる場合(図13参照)には、第1回折素子部11Aでは、DVD用波長λ1の光が回折される一方、CD用波長λ2の光がほぼ100%透過される。一方、第2回折素子部11Bでは、CD用波長λ2の光が回折される一方、DVD用波長λ1の光がほぼ100%透過される。これにより、回折素子1(第1回折素子部11A、回折素子部11B)は、レーザー出射装置32からのレーザーを、各特有の波長λ1(λ2)に関し、まっすぐに進む0次光と、+1次の回折光と、−1次光の回折光とからなる3つのビーム分割する。このレーザー出射装置32からの各波長λ1(λ2)の3つのビームは、コリメートレンズ34,ビームスプリッタ36,対物レンズ35を経て記録媒体31に集光され、この後、DVD31a又はCD31bにて反射された光は、対物レンズ35,ビームスプリッタ36,集光レンズ37を経てフォトセンサ38に集光され、その光の強度はフォトセンサ38により検知される。この場合、0次光は情報の読み取り用として、また、±1次光はトラッキングエラー検出用として使用される。
実施例1
本実施例は、第1実施形態に係る回折素子1(図1参照)の具体例である。BK7製の透明基板2の表面上にフォトリソグラフィとドライエッチング技術を用いて矩形状の回折格子4を形成させた。レジスト7はネガ型のものを用い、エッチングされる深さを約5μmになるようにエッチング条件を調整した。
次に真空蒸着法(電子ビーム蒸着法)により基板の裏面に反射防止膜6を施し、その後、同じく真空蒸着法により二酸化珪素(SiO2)と酸化ニオブ(Nb2O5)からなる光学多層膜5を成膜した。この際の膜設計に関しては図4に準拠したものを採用した。
次に(硫酸・過酸化水素・水)混合液を用いてレジスト7ごと多層膜のリフトオフを行った。
上記のような工程で作成した回折素子を、660nmにおける回折光を調べたところ、透過率89%、1次回折強度4.6%という良好な結果が得られた。
実施例2
本実施例は、第1実施形態に係る回折素子1(図1参照)のもう一つの具体例である。BK7製の透明基板2の表面上にフォトリソグラフィとドライエッチング技術を用いて矩形状の回折格子4を形成させる。レジスト7はネガ型のものを用い、エッチングされる深さを約2.9μmになるようにエッチング条件を調整する。
次に真空蒸着法(電子ビーム蒸着法)により基板の裏面に反射防止膜6を施し、その後、同じく真空蒸着法により二酸化珪素(SiO2)と酸化ニオブ(Nb2O5)からなる光学多層膜5を成膜する。この際の膜設計に関しては、図14に準拠したものを採用した。
次に(硫酸・過酸化水素・水)混合液を用いてレジスト7ごと多層膜のリフトオフを行った。
上記のような工程で作成した回折素子1を、785nmにおける回折光は透過率88.5%、1次回折効率5.7%となった。
実施例3
本実施例は、第3実施形態に係る回折素子1(図18参照)の具体例である。実施例1および実施例2に基づいて製作した二つの回折素子1を互いに対向するように配置し、接着剤を用いて接着する。この際、接着剤としては屈折率1.50のものを用いる。
上記のような工程で作成した回折素子1を、660nmにおける回折光は透過率88%、1次回折強度4.6%となった。また、785nmにおける回折光は透過率88.5%、1次回折効率5.7%となった。
以上実施形態について説明したが本発明にあっては、回折素子1により制御すべき特有の波長として、CD用波長(780nm帯)、DVD用波長(660nm帯)だけでなく、次世代DVD用波長(405nm帯)を適宜、用いることができる。
尚、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましい或いは利点として記載されたものに対応したものを提供することをも含むものである。
第1実施形態に係る回折素子を示す断面図。 対称三層膜による等価膜の概念を説明する図。 対称三層膜による等価膜における等価位相/等価屈折率の波長依存性を示す図。 第1実施形態において用いられる光学多層膜を説明する説明図。 第1実施形態に係る回折素子における透過位相の波長依存性を示す図。 第1実施形態に係る回折素子における回折効率の波長依存性を示す図。 第1実施形態に係る回折素子の制作工程を説明する説明図。 図7に続く工程を説明する説明図。 図8に続く工程を説明する説明図。 図9に続く工程を説明する説明図。 図10に続く工程を説明する説明図。 図11に続く工程を説明する説明図。 第2実施形態に係る回折素子を示す断面図。 第2実施形態において用いられる光学多層膜を説明する説明図。 第2実施形態に係る回折素子における透過位相の波長依存性を示す図。 第2実施形態に係る第2回折素子部における回折効率の波長依存性を示す図。 第2実施形態に係る回折素子全体における回折効率の波長依存性を示す図。 第3実施形態に係る回折素子を示す断面図。 第3実施形態に係る回折素子における回折効率の波長依存性を示す図。 回折素子が搭載された光ピックアップ装置を説明する説明図。
符号の説明
1 回折素子
2,22A,22B 透明基板
2a,22a 一方の面
2b,22b 他方の面
3,13A,13B,23A,23B 凹部
4 回折格子
4a 格子部(透明材料部)
5,15A,15B,25A,25B 光学多層膜
11A,21A 第1回折素子部
11B,21B 第2回折素子部
14A,14B,24A,24B 回折格子
14Aa,14Ba,24Aa,24Ba 格子部(透明材料部)
30 光ピックアップ装置
31 コリメートレンズ(集光手段)
32 レーザー出射装置(光源)
35 対物レンズ(集光手段)
38 フォトセンサ(光検出手段)


Claims (9)

  1. 透明基板上に透明材料部と光学多層膜部とが交互に並設されていて、波長の異なる複数種類の入射光のうち、特有の波長の光のみが選択的に回折される透過型回折素子において、
    前記透明基板が単一材料からなり、
    前記透明基板に凹部が周期的に形成されて、該透明基板における隣り合う各凹部間部分をもって前記各透明材料部が構成され、
    前記各光学多層膜部が、前記各凹部内にそれぞれ充填されている、
    ことを特徴とする透過型回折素子。
  2. 複数の透明基板が積層され、該各透明基板に透明材料部と光学多層膜部とが交互に並設された状態で設けられ、該各透明基板毎に、波長の異なる複数種類の入射光のうち、特有の波長の光のみが選択的に回折される透過型回折素子において、
    前記各透明基板が単一材料からなり、
    前記各透明基板に凹部が周期的にそれぞれ形成されて、該各透明基板における隣り合う各凹部間部分をもって該各透明基板における前記各透明材料部が構成され、
    前記各透明基板における前記各光学多層膜部が、該各透明基板における各凹部内にそれぞれ充填されている、
    ことを特徴とする透過型回折素子。
  3. 請求項1又は2において、
    前記透明基板及び前記光学多層膜部が、無機系材料をもって形成されている、
    ことを特徴とする透過型回折素子。
  4. 少なくとも2種類の異なる波長の光を出射する光源と、該光源からの出射光を記録媒体へ集光させる集光手段と、該記録媒体への出射光の集光に基づき該記録媒体から反射される反射光を検出する光検出手段と、を備える光ピックアップ装置において、
    前記光源と前記集光手段との間の光路中に、請求項1〜3のいずれか1項の回折素子が配置されている、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  5. 透明基板上に透明材料部と光学多層膜部とが交互に配置されていて、波長の異なる複数種類の入射光のうち、特有の波長の光のみが選択的に回折される透過型回折素子の製造方法において、
    先ず、前記透明基板として、単一材料からなるものを用意し、
    次に、前記透明基板上に、エッチング加工に基づき凹部を周期的に加工して、隣り合う該凹部間部分をもって前記各透明材料部とし、
    次に、前記各凹部内に光学多層膜をそれぞれ充填して、前記各光学多層膜部を形成する、
    ことを特徴とする透過型回折素子の製造方法。
  6. 請求項5において、
    前記透明基板における一方の面に対して凹部を周期的にそれぞれ形成すると共に、該透明基板における他方の面に対して凹部を周期的にそれぞれ形成し、
    次に、前記一方の面における各凹部に対して光学多層膜をそれぞれ充填して、該一方の面側に、波長の異なる複数種類の入射光のうち、一の特有波長の光のみを回折する第1回折素子部を形成すると共に、前記他方の面における各凹部に対して光学多層膜をそれぞれ充填して、該他方の面側に、波長の異なる複数種類の入射光のうち、前記一の特有波長とは異なる別の特有波長の光のみを回折する第2回折素子部を形成する、
    ことを特徴とする透過型回折素子の製造方法。
  7. 請求項5において、
    前記透明基板における一方の面に対して凹部を周期的にそれぞれ形成すると共に、該一方の面における各凹部に対して光学多層膜をそれぞれ充填して、該一方の面側に、波長の異なる複数種類の入射光のうち、一の特有波長の光のみを回折する第1回折素子部を形成し、
    次に、前記透明基板における他方の面に対して凹部を周期的にそれぞれ形成すると共に、該他方の面における各凹部に対して光学多層膜をそれぞれ充填して、該他方の面側に、波長の異なる複数種類の入射光のうち、前記一の特有波長とは異なる別の特有波長の光のみを回折する第2回折素子部を形成する、
    ことを特徴とする透過型回折素子の製造方法。
  8. 複数の透明基板が積層され、該各透明基板に透明材料部と光学多層膜部とが交互に並設された状態で設けられ、該各透明基板毎に、波長の異なる複数種類の入射光のうち、特有の波長の光のみが選択的に回折される透過型回折素子の製造方法において、
    先ず、前記各透明基板として、単一材料からなるものを用意し、
    次に、前記各透明基板上に、エッチング加工に基づき凹部を周期的に加工して、該各透明基板における隣り合う該凹部間部分をもって前記各透明基板における前記各透明材料部とし、
    次に、前記各透明基板における前記各凹部内に光学多層膜をそれぞれ充填して、前記各透明基板における前記各光学多層膜部を形成し、
    その後、前記透明材料部と前記光学多層膜部とを備える前記各透明基板を積層状態をもって接合する、
    ことを特徴とする透過型回折素子の製造方法。
  9. 請求項5又は8において、
    前記光学多層膜部が、隣り合う層の材料が異なるように設定されている、
    ことを特徴とする透過型回折素子の製造方法。


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