JP2008217954A - 回折格子およびそれを用いた光学ヘッド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】使用する材料の屈折率の調整が少なくて済む、回折効率の波長依存性の小さい2波長対応の回折格子およびそれを用いた光ヘッド装置を提供すること。
【解決手段】第1の光学多層膜12によって第1の波長λ1の透過率を、第2の光学多層膜15によって第2の波長λ2の透過率を制御して、位相変調型の回折と比較して、振幅変調型の回折を多く生じさせることで波長依存性の小さい回折格子10を得ることができる。また、使用する低屈折率材料および高屈折率材料の屈折率に応じて、第1および第2の光学多層膜12,15の層数、各層の膜厚を決めることにより、第1および第2の波長の透過率を決めることができる。さらに、ガラス基板1と略同じ屈折率の第1および第2の透明材料11,14を用いるので使用する材料の屈折率の調整を少なくできる。
【選択図】図2

Description

本発明は、2波長対応の回折格子およびそれを用いた光学ヘッド装置に関する。
DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)等の複数の光記録媒体に対応した光ヘッド装置では、光記録媒体に応じた波長のレーザ光を発光する半導体レーザが必要である。一方、複数の波長を発光可能な2波長用半導体レーザが開発されている。光ヘッド装置に2波長用半導体レーザを用いれば、光源としての半導体レーザの数が減り、光ヘッド装置が小型になる。
光ヘッド装置では、レーザ光を情報記録面のトラック上にトレースさせるために、レーザ光を分岐して利用する、いわゆるトラッキングを行っている。レーザ光を分岐するには回折格子が用いられる。その中で、2波長に対応したガラス基板の回折格子が知られている。2波長対応の回折格子は、第1の波長λ1のレーザ光を回折する第1の回折格子と、第2の波長λ2のレーザ光を回折する第2の回折格子とを、ガラス基板の両主面の夫々形成した構造を有している。ここで、第1の波長λ1のレーザ光と第2の波長λ2のレーザ光は、ガラス基板の両主面を通過するとき、第1の波長λ1のレーザ光は第2の回折格子でも回折し、第2の波長λ2のレーザ光は第1の回折格子でも回折してしまうので、ノイズ光が発生したり、光の利用効率が低下したりする。
また、回折効率の波長依存性を小さくするために、周期的な凸部を光学多層膜で形成し、その間の凹部を充填材によって充填した回折格子が知られている(特許文献1参照)。
特開2003−185819号公報(3頁、図1)
しかしながら、特許文献1に記載された構成では、所望の光学特性を満足するように透明な充填材の屈折率を適宜1.5〜1.9の範囲で調整しなければならず、特に高屈折率の充填材に関しては適切な材料が少ない。
本発明の目的は、使用する材料の屈折率の調整が少なくて済む、回折効率の波長依存性の小さい2波長対応の回折格子およびそれを用いた光ヘッド装置を提供することにある。
本発明の回折格子は、透明基板の一方の主面に形成された第1の波長の光を回折する周期的な凹凸を有する第1の回折格子と、前記透明基板の他方の主面に形成された第2の波長の光を回折する周期的な凹凸を有する第2の回折格子とを備えた回折格子であって、前記第1の回折格子の凹凸は、低屈折率材料と高屈折率材料とが交互に積層された第1の光学多層膜と、前記透明基板と屈折率が同等の第1の透明材料とを前記透明基板の表面に交互に配置して形成し、前記第2の回折格子の凹凸は、低屈折率材料と高屈折率材料とが交互に積層された第2の光学多層膜と、前記透明基板と屈折率が同等の第2の透明材料とを前記透明基板の表面に交互に配置して形成したことを特徴とする。
この発明によれば、第1の光学多層膜によって第1の波長の透過率を、第2の光学多層膜によって第2の波長の透過率を制御して、位相変調型の回折と比較して、振幅変調型の回折を多く生じさせることで波長依存性の小さい回折格子が得られる。また、使用する低屈折率材料および高屈折率材料の屈折率に応じて、第1および第2の光学多層膜の層数、各層の膜厚を決めることにより、第1および第2の波長の透過率が決まる。さらに、透明基板と同じ屈折率の透明材料を用いるので使用する材料の屈折率の調整が少なくなる。
ここで、透明基板の屈折率と第1および第2の透明材料の屈折率が同等とは、透明材料の製造上および形成上のばらつきを考慮して、屈折率の差が5/100までの屈折率は同等の屈折率に含まれるものとする。
本発明では、前記第1の光学多層膜は、前記第2の波長のレーザ光の透過率が前記第1の波長のレーザ光の透過率より高く、前記第2の光学多層膜は、前記第1の波長のレーザ光の透過率が前記第2の波長のレーザ光の透過率より高いのが好ましい。
この発明では、レーザ光において、回折効率の波長依存性のより小さい回折格子が得られる。
本発明では、前記第1の回折格子の前記第2の波長における位相差は、2πの整数倍であり、前記第2の回折格子の前記第1の波長における位相差は、2πの整数倍であるのが好ましい。
この発明では、第1の波長のレーザ光で回折が起こる第1の回折格子において、第1の光学多層膜を透過した第2の波長のレーザ光と第1の透明材料を透過した第2の波長のレーザ光の位相差が2πの整数倍なので、第1の回折格子で第2の波長のレーザ光の位相差変調型の回折が生じず、効率よく透過する。同様に、第2の回折格子においても第1の波長のレーザ光の回折が生じず、レーザ光の利用効率が向上する。
本発明では、前記第1の波長は785nmであり、前記第2の波長は660nmであるのが好ましい。
この発明では、CD用およびDVD用の2波長に対応した回折格子が得られる。
本発明では、前記低屈折率材料は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、フッ化マグネシウムから選ばれる少なくとも1つ以上の材料であり、前記高屈折率材料は、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化セリウムから選ばれる少なくとも1つ以上の材料であるのが好ましい。
この発明では、光学多層膜形成用の材料として、光学的、機械的に安定した材料を使用するので耐久性に優れた回折格子が得られる。また、光学多層膜形成によく用いられる材料なので、屈折率調整の必要が少なくて済む。
本発明では、前記透明基板、前記第1および前記第2の透明材料は、二酸化ケイ素であるのが好ましい。
この発明では、透明基板と第1および第2の透明材料が同じ材料であるので、透明基板とそれぞれの透明材料との界面での屈折率差による反射が抑えられ、レーザ光の利用効率が高まる。
本発明の光ヘッド装置は、第1の波長λ1および第2の波長λ2の2つの光を出射する光源と、前記2つの光を光記録媒体に集光する対物レンズと、前記光記録媒体からの反射光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に、上記に記載の回折格子が設置されていることを特徴とする。
この発明によれば、前述の効果を有する光ヘッド装置が得られる。
以下、本発明を具体化した実施形態、実施例および比較例について、図面に基づいて説明する。
なお、実施形態、実施例および比較例の図面において、同じ構成要素には同じ符号を付して説明する。
図1は、実施形態における光ヘッド装置100の全体構成と光記録媒体90とを示す側面図である。
光記録媒体90に向かうレーザ光は実線(往路)で示され、光記録媒体90からの戻るレーザ光は破線(復路)で示されている。
図1において、光ヘッド装置100は、第1の波長λ1であるCD用波長および第2の波長λ2であるDVD用波長のレーザ光を出射する光源としての2波長対応の半導体レーザ光源20を備えている。
また、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光を3ビーム(0次光と±1次光の3ビーム)に分岐するための回折格子10を備えている。
さらに、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光を平行光にするためのコリメータレンズ30とレーザ光を直線偏光から円偏光へ変換する広帯域1/4波長板40とハーフミラー50と対物レンズ60とフロントモニタ70と光検出器としてのフォトディテクタ80とを備えている。
半導体レーザ光源20は、紙面に向かって左方向にレーザ光を出射するように配置されている。半導体レーザ光源20は、CD用波長785nmのレーザ光とDVD用波長660nmのレーザ光とを出射することができる。レーザ光は、直線偏光の発散光である。
なお、出射されるレーザ光の波長はこれらの波長に限られない。例えば、CD用レーザ光として波長780nmのレーザ光を出射してもよいし、DVD用レーザ光として波長650nmのレーザ光を出射してもよい。
回折格子10は半導体レーザ光源20から出射されるレーザ光の出射方向で最初の位置に配置されている。以下に、図2に基づいて回折格子10について詳しく説明する。
図2は本実施形態における回折格子10の概略拡大断面図である。レーザ光の入射方向と出射方向とを実線矢印で示した。
図2において、回折格子10は透明基板であるガラス基板1と、レーザ光の入射面13に形成されている凸部および凹部からなる第1の回折格子17と、レーザ光の出射面16に形成されている凸部および凹部からなる第2の回折格子18とを備えている。第1の回折格子17は第1の波長λ1である785nmのレーザ光を回折し、第2の回折格子18は第2の波長λ2である660nmのレーザ光を回折する。第1の回折格子17および第2の回折格子18の格子数、格子ピッチや大きさ等は模式的に示してあり、実際とは異なる。
第1の回折格子17の凹凸において、凸部は第1の透明材料11で形成され、凹部は、低屈折率材料と高屈折率材料とが交互に積層された第1の光学多層膜12で形成されている。
また、第2の回折格子18の凹凸も、凸部は第2の透明材料14で形成され、凹部は、低屈折率材料と高屈折率材料とが交互に積層された第2の光学多層膜15で形成されている。光学多層膜の層数は模式的に示しており、実際の層数とは異なる。
第1の光学多層膜12は、第2の波長λ2の透過率が第1の波長λ1の透過率より高いダイクロイックミラー膜である。
一方、第2の光学多層膜15は、第1の波長λ1の透過率が第2の波長λ2の透過率より高いダイクロイックミラー膜である。
ダイクロイックミラー膜は、よく知られているものを使用することができる。低屈折率材料として、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、フッ化マグネシウム等から選ばれる一つまたは二つ以上の材料を用い、高屈折率材料として、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化セリウム等から選ばれる一つまたは二つ以上の材料を用いて、低屈折率材料と高屈折率材料とを交互に積層することによって得られる。光学多層膜の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタ法などを挙げることができる。
第2の波長λ2のレーザ光が第1の回折格子17を透過するとき、第1の光学多層膜12を透過したレーザ光と第1の透明材料11を透過したレーザ光との位相差は2πとなりレーザ光は回折しない。そして、第1の波長λ1のレーザ光が第2の回折格子18を通過するとき、第2の光学多層膜15を透過したレーザ光と第2の透明材料14を透過したレーザ光との位相差は2πとなりレーザ光は回折しない。
ガラス基板1の屈折率が1.46程度であれば、第1および第2の透明材料11,14として、略同等の屈折率である二酸化ケイ素を用いることができる。
図1において、コリメータレンズ30、広帯域1/4波長板40、ハーフミラー50およびフロントモニタ70は、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光の進む方向に、回折格子10に続いて順次配置されている。
ハーフミラー50はその反射面が半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光の進む方向に対して45°になるように配置されている。ハーフミラー50から、紙面に対して上方向には対物レンズ60が、紙面に対して下方向にはフォトディテクタ80が配置されている。紙面に対して上下方向は、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光の進む方向と直交する方向である。対物レンズ60の上方向には光記録媒体90が配置されている。
以下に、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光の光路について光記録媒体90を含めて説明する。光記録媒体90には、DVDまたはCDを用いている。
図1において、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光は、トラッキングのために、回折格子10によって3ビームに分離されるが、図1では、説明を単純にするために1つの線(0次光)で光路を示してある。
回折格子10を透過したレーザビームは、コリメータレンズ30に向かい、コリメータレンズ30で平行にされたレーザ光は、広帯域1/4波長板40へ向かう。
広帯域1/4波長板40では、レーザ光の直線偏光が円偏光に変換され、ハーフミラー50に向かう。
ハーフミラー50では、レーザ光の光量の10%程度が透過し、フロントモニタ70に向かう。フロントモニタ70では、レーザ光の強度をモニタしており、その情報は半導体レーザ光源20の電源等にフィードバックされる。
ハーフミラー50では、レーザ光の光量の90%程度が反射し、対物レンズ60に向かう。対物レンズ60によって、レーザ光は光記録媒体90の光記録層に集光および結像される。記録、消去は、集光したレーザ光で行われる。
一方、再生の場合は、信号記録層に記録された信号に応じた反射光である戻りレーザ光は、光記録媒体90で反射したときに往路のときとは逆回転の円偏光となって、行きの光路を逆に辿り、再び対物レンズ60を透過し、ハーフミラー50へと向かう。ハーフミラー50を透過したレーザ光は、フォトディテクタ80に向かう。フォトディテクタ80では、光を検出し信号を読み取る。
以下に、実施形態の回折格子10の回折特性を実施例を用いて具体的に説明する。また、比較例として透明材料のみで形成された回折格子を用いて説明する。
[実施例]
実施例の回折格子10は以下の条件で形成した。
第1の回折格子17については、第1の光学多層膜12は、ガラス基板1上に酸化アルミニウムの層を268.5nm設け、その上に二酸化チタンの膜を98.6nm、二酸化ケイ素の膜を139.6nm、二酸化チタンの膜を91.2nm、二酸化ケイ素の膜を157.9nm、二酸化チタンの膜を87.4nm、二酸化ケイ素の膜を147.5nm、二酸化チタンの膜を83.9nm、二酸化ケイ素の膜を156.8nm、二酸化チタンの膜を93.4nm、二酸化ケイ素の膜を130.2nm、二酸化チタンの膜を102.0nm、二酸化ケイ素の膜を139.6nm、二酸化チタンの膜を117.6nm、二酸化ケイ素の膜を60.4nmを順次積層し形成した。第1の光学多層膜12の膜厚d2は1874.5nmであった。また、第1の透明材料11として、二酸化ケイ素をガラス基板1上に膜厚d1として2000.0nm形成した。第1の回折格子17は、CD用の波長である785nmのレーザ光を回折する。
第2の回折格子18については、第2の光学多層膜15は、ガラス基板1上に酸化アルミニウムの層を188.5nm設け、その上に二酸化チタンの膜を56.9nm設けた後に、二酸化ケイ素の膜を100.4nm設け、その後、二酸化チタンの膜62.6nmと二酸化ケイ素の膜105.4を交互に4回繰り返して積層した。さらにその上に二酸化チタンの膜62.6、二酸化ケイ素の膜81.1nm、二酸化チタンの膜50.1nm、二酸化ケイ素の膜42.4nmを順次積層し形成した。全体の膜厚d4は1253.7nmであった。また、第2の透明材料14として、二酸化ケイ素をガラス基板1上に膜厚d3として2200.0nm形成した。第2の回折格子18は、DVD用の波長である660nmのレーザ光を回折する。
図3は、第1の回折格子17(CD用)での0次光と1次光の透過光量の波長依存性の例を示すグラフである。図4は、第2の回折格子18(DVD用)での0次光と1次光の透過光量の波長依存性の例を示すグラフである。図5は、第1の回折格子17および第2の回折格子18を透過したときの透過光量の波長依存性を示した図である。
図3において、CD用の第1の回折格子17では、波長が700nm以上で回折が起こり、0次光と1次光の光量が得られ、一方、DVD用の波長である660nmでは、回折は起こらず透過するのが分る。
図4において、DVD用の第2の回折格子18では、600nm〜700nmの範囲で回折が起こり、0次光と1次光の光量が得られ、一方、750nm以上では、回折は起こらず透過するのが分る。
図5は、回折格子10全体としての回折効率の波長依存性の例を示すグラフである。図5において、CD用波長の第1の波長λ1である785nmでは第1の回折格子17だけに回折が起こり、DVD用波長の第2の波長λ2である660nmでは第2の回折格子18だけに回折が起こり、600nmから850nm波長領域で0次光の光量が略一定になり、回折格子10は2波長対応の回折格子として機能しているのが分る。
以下に、比較例についての説明をする。
[比較例]
図6は比較例における回折格子200の概略拡大断面図である。レーザ光の入射方向と出射方向とを実線矢印で示した。
図6において、ガラス基板1のレーザ光の入射面13上に、CD用回折格子110として、二酸化ケイ素の厚さd5を2770nmとして形成し、レーザ光の出射面16上に、DVD用回折格子140として、二酸化ケイ素の厚さd6を3420nmとして形成した。
図7は、CD用回折格子110での0次光と1次光の透過光量の波長依存性を示すグラフである。図8は、DVD用回折格子140での0次光と1次光の透過光量の波長依存性を示すグラフである。図9は、DVDおよびCD用回折格子を透過したときの透過光量の波長依存性を示すグラフである。
図7において、CD用回折格子110では、660〜850nmで回折が起こり、785nmで0次光と1次光の光量が略同じ光量で得られ、一方、DVD用の波長である660nmでは、回折は起こらず透過するのが分る。
図8において、DVD用回折格子140では、600〜770nmで回折が起こり、660nm付近で1次光の光量が多く得られ、一方、CD用の波長である785nm付近では、回折せずに透過しているのが分る。
図9において、CD用波長の第1の波長λ1である785nmではCD用回折格子110だけに回折が起こり、DVD用波長の第2の波長λ2である660nmではDVD用回折格子140だけに回折が起こり、730nm付近をピークとして0次光の光量は最大となり、660nmから850nmの波長領域で0次光の光量は大きく変化しており、一定の値でないことが分る。
第1の回折格子17および第2の回折格子18の凹凸の形成方法としては、基板の表面をエッチングして凹部を形成する方法や蒸着、スパッタ等によって基板の表面に凸部を形成する方法などがある。
実施例と比較例の結果から、実施形態の回折格子10は、比較例の回折格子200と比較して、回折効率の波長依存性が小さいことが確認できた。
本実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)第1の光学多層膜12によって第1の波長λ1の透過率を、第2の光学多層膜15によって第2の波長λ2の透過率を制御して、位相変調型の回折と比較して、振幅変調型の回折を多く生じさせることで波長依存性の小さい回折格子10を得ることができる。また、使用する低屈折率材料および高屈折率材料の屈折率に応じて、第1および第2の光学多層膜12,15の層数、各層の膜厚を決めることにより、第1および第2の波長の透過率を決めることができる。さらに、ガラス基板1と略同じ屈折率の第1および第2の透明材料11,14を用いるので使用する材料の屈折率の調整を少なくできる。
(2)第1の波長λ1のレーザ光で回折が起こる第1の回折格子17において、第1の光学多層膜12を透過した第2の波長λ2のレーザ光と第1の透明材料11を透過した第2の波長λ2のレーザ光の位相差が2πの整数倍なので、第1の回折格子17で第2の波長λ2のレーザ光の位相変調型の回折が生じず、効率よく透過する。同様に、第2の回折格子18においても第1の波長λ1のレーザ光の回折が生じず、レーザ光の利用効率を向上できる。
(3)CD用およびDVD用の2波長に対応した回折格子10が得られる。
(4)光学多層膜形成用の材料として、光学的、機械的に安定した材料を使用するので耐久性に優れた回折格子10を得ることができる。また、光学多層膜形成によく用いられる材料なので、屈折率調整の必要を少なくできる。
(5)ガラス基板1と第1および第2の透明材料11,14が同じ材料であるので、ガラス基板1と第1および第2の透明材料11,14との界面での反射が抑えられ、レーザ光の利用効率を高めることができる。
(6)前述の効果を有する光ヘッド装置100を得ることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、ガラス基板1は一枚からなるものでなくてもよく、第1の回折格子17が形成されたガラス基板と、第2の回折格子18が形成されたガラス基板が貼り合わされたものであってもよい。
また、透明基板は、水晶基板、その他使用する波長帯で透明な基板であってもよい。
さらに、レーザ光は、DVD用の660nmとCD用の785nmの波長のレーザ光を用いて実施例を説明したが、波長はこれに限らず、HD−DVDあるいはBlu-ray Disc用の400nm〜450nm付近の波長のレーザ光であってもよい。
また、本発明を実施するための最良の方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態、実施例および比較例に関して説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態等に対し、使用する材料、形状、数量その他の詳細な事項において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。したがって、上記に開示した材料、形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの材料、形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した記載は、本発明に含まれるものである。
本実施形態における光ヘッド装置の全体構成と光記録媒体とを示す側面図。 本発明の実施形態における回折格子の概略拡大断面図。 第1の回折格子での0次光と1次光の透過光量の波長依存性を示す図。 第2の回折格子での0次光と1次光の透過光量の波長依存性を示す図。 第1の回折格子および第2の回折格子を透過したときの透過光量の波長依存性を示した図。 比較例での回折格子の概略拡大断面図。 比較例のCD用回折格子での0次光と1次光の透過光量の波長依存性を示す図。 比較例のDVD用回折格子での0次光と1次光の透過光量の波長依存性を示す図。 比較例のCDおよびDVD用回折格子を透過したときの透過光量の波長依存性を示す図。
符号の説明
1…透明基板としてのガラス基板、10…回折格子、11…第1の透明材料、12…第1の光学多層膜、13…入射面、14…第2の透明材料、15…第2の光学多層膜、16…出射面、17…第1の回折格子、18…第2の回折格子、20…光源としての半導体レーザ光源、50…ハーフミラー、80…光検出器としてのフォトディテクタ、90…光記録媒体、100…光ヘッド装置。

Claims (7)

  1. 透明基板の一方の主面に形成された第1の波長の光を回折する周期的な凹凸を有する第1の回折格子と、
    前記透明基板の他方の主面に形成された第2の波長の光を回折する周期的な凹凸を有する第2の回折格子とを備えた回折格子であって、
    前記第1の回折格子の凹凸は、低屈折率材料と高屈折率材料とが交互に積層された第1の光学多層膜と、前記透明基板と屈折率が同等の第1の透明材料とを前記透明基板の表面に交互に配置して形成し、
    前記第2の回折格子の凹凸は、低屈折率材料と高屈折率材料とが交互に積層された第2の光学多層膜と、前記透明基板と屈折率が同等の第2の透明材料とを前記透明基板の表面に交互に配置して形成した
    ことを特徴とする回折格子。
  2. 請求項1に記載の回折格子において、
    前記第1の光学多層膜は、前記第2の波長のレーザ光の透過率が前記第1の波長のレーザ光の透過率より高く、
    前記第2の光学多層膜は、前記第1の波長のレーザ光の透過率が前記第2の波長のレーザ光の透過率より高い
    ことを特徴とする回折格子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の回折格子において、
    前記第1の回折格子の前記第2の波長における位相差は、2πの整数倍であり、
    前記第2の回折格子の前記第1の波長における位相差は、2πの整数倍である
    ことを特徴とする回折格子。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の回折格子において、
    前記第1の波長は785nmであり、
    前記第2の波長は660nmである
    ことを特徴とする回折格子。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の回折格子において、
    前記低屈折率材料は、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、フッ化マグネシウムから選ばれる少なくとも1つ以上の材料であり、
    前記高屈折率材料は、二酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化セリウムから選ばれる少なくとも1つ以上の材料である
    ことを特徴とする回折格子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の回折格子において、
    前記透明基板、前記第1および前記第2の透明材料は、二酸化ケイ素である
    ことを特徴とする回折格子。
  7. 第1の波長λ1および第2の波長λ2の2つの光を出射する光源と、
    前記2つの光を光記録媒体に集光する対物レンズと、
    前記光記録媒体からの反射光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、
    前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に、
    請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の回折格子が設置されている
    ことを特徴とする光ヘッド装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2010052863A1 (ja) * 2008-11-05 2010-05-14 日立マクセル株式会社 グレーティング素子、光ピックアップ光学系及びグレーティング素子の設計方法
US20130183440A1 (en) * 2007-12-21 2013-07-18 Fujikura Ltd. Optical waveguide-type wavelength dispersion compensation device and manufacturing method thereof

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