JP2008216424A - 回折素子およびそれを用いた光ヘッド装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入射角依存性の小さい、1/2波長板としての機能を有する2波長対応の小型の回折素子およびそれを用いた小型の光ヘッド装置を提供すること。
【解決手段】1/2波長板1の主表面にそれぞれに回折格子を備えているので、1/2波長板の機能を持ち、かつ2波長に対応できる回折素子10を得ることができる。1/2波長板1の機能を持った2波長対応の小型の回折素子10を用いているので、小型の光ヘッド装置100を得ることができる。
【選択図】図2
【解決手段】1/2波長板1の主表面にそれぞれに回折格子を備えているので、1/2波長板の機能を持ち、かつ2波長に対応できる回折素子10を得ることができる。1/2波長板1の機能を持った2波長対応の小型の回折素子10を用いているので、小型の光ヘッド装置100を得ることができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、2波長対応の回折素子およびそれを用いた光ヘッド装置に関する。
DVD(Digital Versatile Disc)、CD(Compact Disc)等の複数の光記録媒体に対応した光ヘッド装置では、光記録媒体に応じた波長のレーザ光を発光する半導体レーザが必要である。一方、複数の波長を発光可能な2波長用半導体レーザが開発されている。光ヘッド装置に2波長用半導体レーザを用いれば、光源としての半導体レーザの数が減り、光ヘッド装置が小型になる。
光ヘッド装置では、レーザ光を情報記録面のトラック上をトレースさせる(トラッキング)ために、レーザ光を分岐して利用している。ここで、レーザ光を分岐するには回折格子が用いられる。
回折格子として、2波長に対応した回折格子が知られている(特許文献1〜3参照)。これらの回折格子には、直線偏光の偏光面の向きを調整するための1/2波長板が組み合わされて使用される。
光ヘッド装置では、レーザ光を情報記録面のトラック上をトレースさせる(トラッキング)ために、レーザ光を分岐して利用している。ここで、レーザ光を分岐するには回折格子が用いられる。
回折格子として、2波長に対応した回折格子が知られている(特許文献1〜3参照)。これらの回折格子には、直線偏光の偏光面の向きを調整するための1/2波長板が組み合わされて使用される。
図8に示すごとく回折格子110と1/2波長板120を組み合わせるために、回折格子110と1/2波長板120とをマウント130等の部材を介してお互いを固定する方法などがあるが、マウント130を介してお互いを固定するので、光ヘッド装置を小型化することができないという問題があった。
また、特許文献1の図7、特許文献2の図5、特許文献3の図7には、回折格子と波長板とを近接配置あるいは積層した構造が開示されているが、光学特性上、波長板の光学軸の方向と回折格子の格子溝の方向とを所定の交差角度で高精度に貼り合せる必要があるので、角度調整にかかわるコストや製造歩留まりの改善など解決しなければならない問題があった。
さらに、1/2波長板においても、入射依存性が小さく、複数の相異なる波長の光に対して1/2波長板として機能することが要求されている。
本発明の目的は、入射角依存性の小さい、1/2波長板としての機能を有する2波長対応の小型の回折素子およびそれを用いた小型の光ヘッド装置を提供することにある。
また、特許文献1の図7、特許文献2の図5、特許文献3の図7には、回折格子と波長板とを近接配置あるいは積層した構造が開示されているが、光学特性上、波長板の光学軸の方向と回折格子の格子溝の方向とを所定の交差角度で高精度に貼り合せる必要があるので、角度調整にかかわるコストや製造歩留まりの改善など解決しなければならない問題があった。
さらに、1/2波長板においても、入射依存性が小さく、複数の相異なる波長の光に対して1/2波長板として機能することが要求されている。
本発明の目的は、入射角依存性の小さい、1/2波長板としての機能を有する2波長対応の小型の回折素子およびそれを用いた小型の光ヘッド装置を提供することにある。
本発明の回折素子は、1/2波長板の一方の主表面に第1の波長の光を回折する第1の回折格子を形成し、前記1/2波長板の他方の主表面に第2の波長の光を回折する第2の回折格子を形成したことを特徴とする。
この発明によれば、1/2波長板の両主表面のそれぞれに回折格子を備えているので、1/2波長板の機能を持ち、かつ2波長に対応できる回折素子が得られる。
本発明では、前記1/2波長板は、板面法線に対してそれぞれ所定の同一角度をなす光学軸を有する2枚の1/4波長板を、前記光学軸の各々が前記2枚の1/4波長板の貼り合せ面に関して互いに対称であるとともに、前記板面法線の方向から見て互いに平行となるように貼り合わせて構成したのが好ましい。
この発明では、1/2波長板を構成する2枚の1/4波長板の光学軸が、1/2波長板の側面から見たときに鏡面対称となっているので、入射光線が波長板の入射面や出射面の法線とは平行でない場合に、一方の1/4波長板で生じる位相差変化と、他方の1/4波長板で生じる位相差変化とは、互いに相殺するように変化する。このため、入射光線が法線に対して平行な場合と、平行でない場合の位相差変化を補償する効果が得られる。
この発明では、1/2波長板を構成する2枚の1/4波長板の光学軸が、1/2波長板の側面から見たときに鏡面対称となっているので、入射光線が波長板の入射面や出射面の法線とは平行でない場合に、一方の1/4波長板で生じる位相差変化と、他方の1/4波長板で生じる位相差変化とは、互いに相殺するように変化する。このため、入射光線が法線に対して平行な場合と、平行でない場合の位相差変化を補償する効果が得られる。
本発明では、前記1/2波長板は、主表面に平行な第1の光学軸を有する第1の波長板と、主表面に平行な第2の光学軸を有する第2の波長板とを、前記第1の光学軸と前記第2の光学軸との交差角度を直角となるように貼り合せ、前記第1の波長板の位相差をΓ1、前記第2の波長板の位相差をΓ2としたときに、Γ1およびΓ2は、Γ1−Γ2=180°を満足するのが好ましい。
この発明では、第1の光学軸と第2の光学軸の方向が、板面法線と直交関係にある、即ち、これらの波長板の切断角度が複屈折材料の光学軸(Z軸)に対して90°となる角度であるので、入射角依存性の小さい、1/2波長板としての機能を有する2波長対応の小型の回折素子が得られる。また、第1の波長板と第2の波長板との位相差が180°であればよいため、それぞれの波長板の位相差の高次モード次数を自由に設定できるので、それぞれの波長の板の厚みにおいて、設計自由度の幅を広げることができる。
この発明では、第1の光学軸と第2の光学軸の方向が、板面法線と直交関係にある、即ち、これらの波長板の切断角度が複屈折材料の光学軸(Z軸)に対して90°となる角度であるので、入射角依存性の小さい、1/2波長板としての機能を有する2波長対応の小型の回折素子が得られる。また、第1の波長板と第2の波長板との位相差が180°であればよいため、それぞれの波長板の位相差の高次モード次数を自由に設定できるので、それぞれの波長の板の厚みにおいて、設計自由度の幅を広げることができる。
本発明では、前記1/2波長板は、第1の波長板と第2の波長板とを互いの光学軸を交差するよう貼り合わせ、所定の波長λに対する前記第1の波長板の位相差をΓ1、および第2の波長板の位相差をΓ2、高次モードの次数をn(=0,1,2,3,…)としたときに、Γ1およびΓ2は、Γ1=180°+360°×n、Γ2=180°+360°×nを満足するのが好ましい。
次数nを適切に設定することにより、2つの波長板の厚さを加工しやすい厚さとすることができる。さらに、同じ基板なので製造コストを安くできる。
次数nを適切に設定することにより、2つの波長板の厚さを加工しやすい厚さとすることができる。さらに、同じ基板なので製造コストを安くできる。
本発明では、n=5、前記第1の波長板の光学軸方位角を22.5°、前記第2の波長板の光学軸方位角を67.5°としたのが好ましい。
この発明では、波長帯405nm帯、660nm帯、785nm帯において、波長に対する変換効率が略1になる。
この発明では、波長帯405nm帯、660nm帯、785nm帯において、波長に対する変換効率が略1になる。
本発明では、前記1/2波長板は、第1の波長板と第2の波長板とを互いの光学軸を交差するよう貼り合わせ、所定の波長λに対する第1の波長板の位相差Γ1および第2の波長板の位相差をΓ2、高次モードの次数をn(=0,1,2,3,…)としたときに、Γ1およびΓ2は、Γ1=360°+360°×2×n、Γ2=180°+360°×nを満足するのが好ましい。
この発明では、次数nを適切に設定することにより、2つの波長板の厚さを加工しやすい厚さとすることができる。さらに、同じ基板なので製造コストを安くできる。
この発明では、次数nを適切に設定することにより、2つの波長板の厚さを加工しやすい厚さとすることができる。さらに、同じ基板なので製造コストを安くできる。
本発明では、n=5、前記第1の波長板の光学軸方位角を−21.0°、前記第2の波長板の光学軸方位角を37.5°としたのが好ましい。
この発明では、波長帯405nm帯、660nm帯、785nm帯において、波長に対する変換効率が略0.94以上になる。
この発明では、波長帯405nm帯、660nm帯、785nm帯において、波長に対する変換効率が略0.94以上になる。
本発明の光ヘッド装置は、波長λ1および波長λ2の2つの光を出射する光源と、前記2つの光を光記憶媒体に集光する対物レンズと、前記2つの光の光記憶媒体からの反射光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に、上記に記載の回折素子が設置されていることを特徴とする。
この発明によれば、1/2波長板の機能を持った2波長対応の小型の回折素子を用いているので、小型の光ヘッド装置が得られる。
以下、本発明を具体化した実施形態について、図面に基づいて説明する。
なお、各実施形態の図面において、同じ構成要素には同じ符号を付して説明する。
なお、各実施形態の図面において、同じ構成要素には同じ符号を付して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態における光ヘッド装置100の全体構成と光記録媒体90とを示す側面図である。
光記録媒体90に向かうレーザ光は実線(往路)で示され、光記録媒体90で反射された戻りレーザ光は破線(復路)で示されている。
図1は、本実施形態における光ヘッド装置100の全体構成と光記録媒体90とを示す側面図である。
光記録媒体90に向かうレーザ光は実線(往路)で示され、光記録媒体90で反射された戻りレーザ光は破線(復路)で示されている。
図1において、光ヘッド装置100は、第1の波長λ1であるCD用波長および第2の波長λ2であるDVD用波長のレーザ光を出射する発光素子としての2波長対応の半導体レーザ光源20を備えている。
また、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光を3ビーム(0次光と±1次光の3ビーム)に回折するための回折素子10を備えている。
さらに、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光を平行光にするためのコリメータレンズ30とレーザ光を直線偏光から円偏光へ変換する広帯域1/4波長板40とハーフミラー50と対物レンズ60とフロントモニタ70とフォトディテクタ80とを備えている。
また、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光を3ビーム(0次光と±1次光の3ビーム)に回折するための回折素子10を備えている。
さらに、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光を平行光にするためのコリメータレンズ30とレーザ光を直線偏光から円偏光へ変換する広帯域1/4波長板40とハーフミラー50と対物レンズ60とフロントモニタ70とフォトディテクタ80とを備えている。
半導体レーザ光源20は、紙面に向かって左方向にレーザ光を出射するように配置されている。半導体レーザ光源20は、DVD用波長660nmのレーザ光とCD用波長785nmのレーザ光を出射することができる。レーザ光は、直線偏光の発散光である。
なお、出射されるレーザ光の波長はこれらの波長に限られない。例えば、DVD用レーザ光として波長650nmのレーザ光を出射してもよいし、CD用レーザ光として波長780nmのレーザ光を出射してもよい。
なお、出射されるレーザ光の波長はこれらの波長に限られない。例えば、DVD用レーザ光として波長650nmのレーザ光を出射してもよいし、CD用レーザ光として波長780nmのレーザ光を出射してもよい。
回折素子10はレーザ光の往路において半導体レーザ光源20を基点として、半導体レーザ光源20の次の位置に配置されている。以下に、図2に基づいて回折素子10について詳しく説明する。
図2は本実施形態における回折素子10の概略断面図である。レーザ光の入射方向と出射方向とを実線矢印で示した。
図2において、回折素子10は複屈折材料である水晶からなる1/2波長板1と、レーザ光の入射面13に形成されている第1の波長のレーザ光を回折する第1の回折格子11と、レーザ光の出射面14に形成されている第2の波長のレーザ光を回折する第2の回折格子12とを備えている。第1の回折格子11は第1の波長である785nmのレーザ光を回折し、第2の回折格子12は第2の波長である660nmのレーザ光を回折する。なお、第1の回折格子11および第2の回折格子12の格子数、格子ピッチや大きさ等は模式的に示してあり、実際とは異なる。
尚、1/2波長板1を構成する複屈折材料として水晶を用いて実施形態について説明するが、複屈折材料としては水晶に限らず、BBO 、方解石、ニオブ酸リチウム、YVO4、雲母等を使用できることは言うまでもない。
図2は本実施形態における回折素子10の概略断面図である。レーザ光の入射方向と出射方向とを実線矢印で示した。
図2において、回折素子10は複屈折材料である水晶からなる1/2波長板1と、レーザ光の入射面13に形成されている第1の波長のレーザ光を回折する第1の回折格子11と、レーザ光の出射面14に形成されている第2の波長のレーザ光を回折する第2の回折格子12とを備えている。第1の回折格子11は第1の波長である785nmのレーザ光を回折し、第2の回折格子12は第2の波長である660nmのレーザ光を回折する。なお、第1の回折格子11および第2の回折格子12の格子数、格子ピッチや大きさ等は模式的に示してあり、実際とは異なる。
尚、1/2波長板1を構成する複屈折材料として水晶を用いて実施形態について説明するが、複屈折材料としては水晶に限らず、BBO 、方解石、ニオブ酸リチウム、YVO4、雲母等を使用できることは言うまでもない。
第1の回折格子11および第2の回折格子12について、図3に基づいて以下に説明する。
図3は、回折素子10の拡大概略断面図である。第1の波長λ1のレーザ光を実線で、第2の波長λ2のレーザ光を破線で示した。
本実施形態では、第1の波長λ1は第1の回折格子11で回折し、第2の波長λ2は第2の回折格子12で回折する。
第1の回折格子11の波長λ1に対する位相差をΓ13、第2の回折格子12の波長λ2に対する位相差をΓ14は以下に示すような関係となる。
Γ13=2×π×(no−1)×d1/λ1<π・・・(1)
Γ14=2×π×(no−1)×d2/λ2<π・・・(2)
なお、d1は第1の回折格子11の凸部の高さ、d2は第2の回折格子12の凸部の高さである。noは凸部の屈折率である。
図3は、回折素子10の拡大概略断面図である。第1の波長λ1のレーザ光を実線で、第2の波長λ2のレーザ光を破線で示した。
本実施形態では、第1の波長λ1は第1の回折格子11で回折し、第2の波長λ2は第2の回折格子12で回折する。
第1の回折格子11の波長λ1に対する位相差をΓ13、第2の回折格子12の波長λ2に対する位相差をΓ14は以下に示すような関係となる。
Γ13=2×π×(no−1)×d1/λ1<π・・・(1)
Γ14=2×π×(no−1)×d2/λ2<π・・・(2)
なお、d1は第1の回折格子11の凸部の高さ、d2は第2の回折格子12の凸部の高さである。noは凸部の屈折率である。
次に、レーザ光が回折素子10の主表面に形成された第1の回折格子11あるいは第2の回折格子12のいずれか一方の回折格子のみで回折し、他方の回折格子では回折せずに透過させることにより回折素子10を出射するレーザ光の光量損失を防ぐことについて検討する。
第1の回折格子11において第1の波長λ1のレーザ光が回折し、第2の波長λ2のレーザ光が回折しないようにするためには、第1の回折格子11において第2の波長λ2のレーザ光に対するΓ’13が2πの整数倍となればよい。
Γ’13=2×π×(no−1)×d1/λ2=2×π×N (Nは整数)・・・(3)
∴d1=N×λ2/(no−1) ・・・(4)
ここで、第1の回折格子11で第1の波長λ1が回折するので、第1の波長λ1における位相差Γ’’13が2πの整数倍にならないので、
Γ’’13=2×π×(no―1)×d1/λ1≠2×π×N (Nは整数)・・・(5)
∴d1≠N×λ1/(no−1) (Nは整数) ・・・(6)
であればよい。したがって、2つの条件(4)と(6)を満たすd1を設定すればよい。
第1の回折格子11において第1の波長λ1のレーザ光が回折し、第2の波長λ2のレーザ光が回折しないようにするためには、第1の回折格子11において第2の波長λ2のレーザ光に対するΓ’13が2πの整数倍となればよい。
Γ’13=2×π×(no−1)×d1/λ2=2×π×N (Nは整数)・・・(3)
∴d1=N×λ2/(no−1) ・・・(4)
ここで、第1の回折格子11で第1の波長λ1が回折するので、第1の波長λ1における位相差Γ’’13が2πの整数倍にならないので、
Γ’’13=2×π×(no―1)×d1/λ1≠2×π×N (Nは整数)・・・(5)
∴d1≠N×λ1/(no−1) (Nは整数) ・・・(6)
であればよい。したがって、2つの条件(4)と(6)を満たすd1を設定すればよい。
一方、出射面14に形成された第2の回折格子12において第1の波長λ1のレーザ光が透過し、第2の波長λ2のレーザ光を回折するようにするためには、第2の回折格子12において第1の波長λ1のレーザ光に対するΓ’14が2πの整数倍となればよい。
Γ’14=2×π×(no−1)×d2/λ1=2×π×N (Nは整数)・・・(7)
∴d2=N×λ1/(no−1) ・・・(8)
ここで、第2の回折格子12で第2の波長λ2が回折するので、λ2における位相差Γ’’14が2πの整数倍にならないので、
Γ’’14=2×π×(no―1)×d2/λ2≠2×π×N (Nは整数)・・・(9)
∴d2≠N×λ2/(no−1) (Nは整数)・・・(10)
であればよい。したがって、2つの条件(8)と(10)を満たすd2を設定すればよい。
Γ’14=2×π×(no−1)×d2/λ1=2×π×N (Nは整数)・・・(7)
∴d2=N×λ1/(no−1) ・・・(8)
ここで、第2の回折格子12で第2の波長λ2が回折するので、λ2における位相差Γ’’14が2πの整数倍にならないので、
Γ’’14=2×π×(no―1)×d2/λ2≠2×π×N (Nは整数)・・・(9)
∴d2≠N×λ2/(no−1) (Nは整数)・・・(10)
であればよい。したがって、2つの条件(8)と(10)を満たすd2を設定すればよい。
入射面13で第1の波長λ1のレーザ光は、回折角度θ1で0次光と±1次光の3ビームに分離し、出射面14で波長λ2のレーザ光は、回折角度θ2で0次光と±1次光の3ビームに分離する。θ1およびθ2は、第1の回折格子11および第2の回折格子12の間隔P1およびP2によって決まる。トラッキングの幅に応じてθ1、θ2は設定すればよい。
また、第1の回折格子11のm1次光の強度は、回折格子の幅をW1とすると、W1/P1と位相差Γ13とm1の関数で決まる。第2の回折格子12においても同様に、m2次光の強度は、W2/P2と位相差Γ14とm2の関数で決まる。分岐された0次光と±1次光の強度比は、フォトディテクタ80の感度によって決める。具体的には、第1の回折格子11については、W1およびP1、第2の回折格子12については、W2およびP2を調整する。
また、第1の回折格子11のm1次光の強度は、回折格子の幅をW1とすると、W1/P1と位相差Γ13とm1の関数で決まる。第2の回折格子12においても同様に、m2次光の強度は、W2/P2と位相差Γ14とm2の関数で決まる。分岐された0次光と±1次光の強度比は、フォトディテクタ80の感度によって決める。具体的には、第1の回折格子11については、W1およびP1、第2の回折格子12については、W2およびP2を調整する。
第1の回折格子11および第2の回折格子12は、基板をエッチングする方法や蒸着、スパッタ等によって基板に形成することができる。
図1において、コリメータレンズ30、広帯域1/4波長板40、ハーフミラー50およびフロントモニタ70は、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光の光軸方向に、回折素子10に続いて順次配置されている。
ハーフミラー50はその反射面が半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光の進む方向に対して45°になるように配置されている。ハーフミラー50から、紙面に対して上方向には対物レンズ60が、紙面に対して下方向にはフォトディテクタ80が配置されている。紙面に対して上下方向は、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光の進む方向と直交する方向である。対物レンズ60の上方向には光記録媒体90が配置される。
ハーフミラー50はその反射面が半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光の進む方向に対して45°になるように配置されている。ハーフミラー50から、紙面に対して上方向には対物レンズ60が、紙面に対して下方向にはフォトディテクタ80が配置されている。紙面に対して上下方向は、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光の進む方向と直交する方向である。対物レンズ60の上方向には光記録媒体90が配置される。
以下に、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光の光路について光記録媒体90を含めて説明する。光記録媒体90には、DVDまたはCDを用いることができる。
半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光は、トラッキングのために、回折素子10によって3ビームに分離されるが、図1では、説明を単純にするために1つの線(0次光)で光路を示してある。
回折素子10は、水晶からなる1/2波長板1を備えているので、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光は、1/2波長板1を透過すると直線偏光の偏光方向が回転する。1/2波長板1に入射するレーザ光の直線偏光の偏光方向と、1/2波長板1の光学軸との交差角度θとすると、レーザ光は偏光方向が2θ回転した直線偏光のレーザ光となって、1/2波長板1から出射する。半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光の断面は楕円形状であり、光記録媒体90のピットに対して対物レンズ60によって集光されて楕円形状に結像する。ピットも楕円形状であり、楕円形状のピットの長軸方向と楕円状に結像したレーザ光の長軸方向とのなす角度は、トラック間の信号の混在を防ぐために、トラックの隣り合うピット間の距離によって変える必要がある。半導体レーザ光源20を回転させれば、半導体レーザ光源20から出射されるレーザ光の楕円形状の断面も回転するので、ピット上に楕円状に結像したレーザ光の長軸方向も回転する。このときレーザ光の直線偏光の偏光方向も回転しているので、直線偏光の偏光方向もハーフミラー50等に対して所定の反射特性となるように直線偏光の偏光方向も回転させる必要がある。直線偏光のレーザ光がハーフミラー50に入射するとき、ハーフミラー50の入射面に対する法線とレーザ光の入射光軸とを含む平面に対して直交する直線偏光をS偏光、前記平面に対して平行な直線偏光をP偏光とすると、ハーフミラー50に入射する直線偏光をS偏光とすれば、レーザ光のハーフミラー50に対する反射率はより高まる。1/2波長板1の光学軸の方向は、レーザ光が光ヘッド装置100に搭載された各構成要素(光学素子)に入射したときの光学特性を所望の光学特性となるように適宜設定することができる。
半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光は、トラッキングのために、回折素子10によって3ビームに分離されるが、図1では、説明を単純にするために1つの線(0次光)で光路を示してある。
回折素子10は、水晶からなる1/2波長板1を備えているので、半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光は、1/2波長板1を透過すると直線偏光の偏光方向が回転する。1/2波長板1に入射するレーザ光の直線偏光の偏光方向と、1/2波長板1の光学軸との交差角度θとすると、レーザ光は偏光方向が2θ回転した直線偏光のレーザ光となって、1/2波長板1から出射する。半導体レーザ光源20から出射されたレーザ光の断面は楕円形状であり、光記録媒体90のピットに対して対物レンズ60によって集光されて楕円形状に結像する。ピットも楕円形状であり、楕円形状のピットの長軸方向と楕円状に結像したレーザ光の長軸方向とのなす角度は、トラック間の信号の混在を防ぐために、トラックの隣り合うピット間の距離によって変える必要がある。半導体レーザ光源20を回転させれば、半導体レーザ光源20から出射されるレーザ光の楕円形状の断面も回転するので、ピット上に楕円状に結像したレーザ光の長軸方向も回転する。このときレーザ光の直線偏光の偏光方向も回転しているので、直線偏光の偏光方向もハーフミラー50等に対して所定の反射特性となるように直線偏光の偏光方向も回転させる必要がある。直線偏光のレーザ光がハーフミラー50に入射するとき、ハーフミラー50の入射面に対する法線とレーザ光の入射光軸とを含む平面に対して直交する直線偏光をS偏光、前記平面に対して平行な直線偏光をP偏光とすると、ハーフミラー50に入射する直線偏光をS偏光とすれば、レーザ光のハーフミラー50に対する反射率はより高まる。1/2波長板1の光学軸の方向は、レーザ光が光ヘッド装置100に搭載された各構成要素(光学素子)に入射したときの光学特性を所望の光学特性となるように適宜設定することができる。
コリメータレンズ30で平行にされたレーザ光は、広帯域1/4波長板40へ向かう。
広帯域1/4波長板40では、レーザ光の直線偏光が円偏光に変換され、ハーフミラー50に向かう。
ハーフミラー50では、レーザ光の光量の10%程度が透過し、フロントモニタ70に向かう。フロントモニタ70では、レーザ光の強度をモニタしており、その情報は半導体レーザ光源20の電源等にフィードバックされる。
広帯域1/4波長板40では、レーザ光の直線偏光が円偏光に変換され、ハーフミラー50に向かう。
ハーフミラー50では、レーザ光の光量の10%程度が透過し、フロントモニタ70に向かう。フロントモニタ70では、レーザ光の強度をモニタしており、その情報は半導体レーザ光源20の電源等にフィードバックされる。
ハーフミラー50では、レーザ光の光量の90%程度が反射し、対物レンズ60に向かう。対物レンズ60によって、レーザ光は光記録媒体90の光記録層に集光および結像される。記録、消去は、集光したレーザ光で行われる。
一方、再生の場合は、信号記録層に記録された信号に応じた反射光である戻るレーザ光は、前記ピットで反射したときに往路のときとは逆回転の円偏光となって、行きの光路を逆に辿り、再び対物レンズ60を透過し、ハーフミラー50へと向かう。ハーフミラー50を透過したレーザ光は、フォトディテクタ80に向かう。フォトディテクタ80では、光を検出し信号を読み取る。
本実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)1/2波長板1の主表面にそれぞれに回折格子を備えているので、1/2波長板の機能を持ち、かつ2波長に対応できる回折素子10を得ることができる。
(1)1/2波長板1の主表面にそれぞれに回折格子を備えているので、1/2波長板の機能を持ち、かつ2波長に対応できる回折素子10を得ることができる。
(2)1/2波長板1の機能を持った2波長対応の小型の回折素子10を用いているので、小型の光ヘッド装置100を得ることができる。
(第2実施形態)
図4は本実施形態における回折素子10の概略断面図である。レーザ光の入射方向と出射方向とを実線矢印で示した。第1の回折格子11および第2の回折格子12の数および大きさは模式的に示してある。
図4において、本実施形態の回折素子10は、1/2波長板1の構成が第1実施形態とは異なる。本実施形態の1/2波長板1は、第1の光学軸21を有する第1の1/4波長板2と、第2の光学軸31を有する第2の1/4波長板3とを備えている。
ここで、第1の光学軸21と第2の光学軸31とが鏡面対称の関係になるように、第1の1/4波長板2と第2の1/4波長板3とが貼り合わされている。
図4は本実施形態における回折素子10の概略断面図である。レーザ光の入射方向と出射方向とを実線矢印で示した。第1の回折格子11および第2の回折格子12の数および大きさは模式的に示してある。
図4において、本実施形態の回折素子10は、1/2波長板1の構成が第1実施形態とは異なる。本実施形態の1/2波長板1は、第1の光学軸21を有する第1の1/4波長板2と、第2の光学軸31を有する第2の1/4波長板3とを備えている。
ここで、第1の光学軸21と第2の光学軸31とが鏡面対称の関係になるように、第1の1/4波長板2と第2の1/4波長板3とが貼り合わされている。
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて以下の効果がある。
(3)1/2波長板1を構成する2枚の1/4波長板2,3の光学軸21,31が、1/2波長板1の側面から見たときに鏡面対称となっているので、入射光線が波長板の入射面や出射面の法線とは平行でない場合に、一方の1/4波長板で生じる位相差変化と、他方の1/4波長板で生じる位相差変化とは、互いに相殺するように変化する。このため、入射光線が前記法線に対して平行な場合と、平行でない場合の位相差変化を補償する効果を得ることができる。
(3)1/2波長板1を構成する2枚の1/4波長板2,3の光学軸21,31が、1/2波長板1の側面から見たときに鏡面対称となっているので、入射光線が波長板の入射面や出射面の法線とは平行でない場合に、一方の1/4波長板で生じる位相差変化と、他方の1/4波長板で生じる位相差変化とは、互いに相殺するように変化する。このため、入射光線が前記法線に対して平行な場合と、平行でない場合の位相差変化を補償する効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図5は本実施形態における回折素子10の概略断面図である。レーザ光の入射方向と出射方向とを実線矢印で示した。第1の回折格子11および第2の回折格子12の数および大きさは模式的に示してある。
図5において、本実施形態の回折素子10は、1/2波長板1の構成が第1実施形態とは異なる。本実施形態の1/2波長板1は、入射面13や出射面14に平行な第1の光学軸41を有する第1の波長板4と、入射面13や出射面14に平行な第2の光学軸51を有する第2の波長板5とを備えている。
ここで、第1の光学軸41と第2の光学軸51との交差角度が直角になるように、第1の波長板4と第2の波長板5とが貼り合わされている。
図5は本実施形態における回折素子10の概略断面図である。レーザ光の入射方向と出射方向とを実線矢印で示した。第1の回折格子11および第2の回折格子12の数および大きさは模式的に示してある。
図5において、本実施形態の回折素子10は、1/2波長板1の構成が第1実施形態とは異なる。本実施形態の1/2波長板1は、入射面13や出射面14に平行な第1の光学軸41を有する第1の波長板4と、入射面13や出射面14に平行な第2の光学軸51を有する第2の波長板5とを備えている。
ここで、第1の光学軸41と第2の光学軸51との交差角度が直角になるように、第1の波長板4と第2の波長板5とが貼り合わされている。
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて以下の効果がある。
(4)第1の光学軸41と第2の光学軸51の方向が、板面法線と直交関係にある、即ち、これらの1/4波長板4,5の切断角度が複屈折材料の光学軸(Z軸)に対して90°となる角度であるので、入射角依存性の小さい、1/2波長板としての機能を有する2波長対応の小型の回折素子10を得ることができる。また、第1の波長板4と第2の波長板5との位相差が180°であればよいため、それぞれの波長板の位相差の高次モード次数を自由に設定できるので、それぞれの波長の板の厚みにおいて、設計自由度の幅を広げることができる。
(4)第1の光学軸41と第2の光学軸51の方向が、板面法線と直交関係にある、即ち、これらの1/4波長板4,5の切断角度が複屈折材料の光学軸(Z軸)に対して90°となる角度であるので、入射角依存性の小さい、1/2波長板としての機能を有する2波長対応の小型の回折素子10を得ることができる。また、第1の波長板4と第2の波長板5との位相差が180°であればよいため、それぞれの波長板の位相差の高次モード次数を自由に設定できるので、それぞれの波長の板の厚みにおいて、設計自由度の幅を広げることができる。
(第4実施形態)
図6は本実施形態における回折素子10の概略断面図である。レーザ光の入射方向と出射方向とを実線矢印で示した。第1の回折格子11および第2の回折格子12の数および大きさは模式的に示してある。
図6において、本実施形態の回折素子10は、1/2波長板1の構成が第1実施形態とは異なる。本実施形態の1/2波長板1は、第1の波長板6と第2の波長板7とを備えている。
第1の波長板6と第2の波長板7は、所定の波長λに対する第1および第2の波長板6,7の位相差をΓ1、Γ2、高次モードの次数をn(=0,1,2,3,…)としたときに、Γ1およびΓ2は以下の関係を満足する。
Γ1=180°+360°×n
Γ2=180°+360°×n
第1の波長板6と第2の波長板7とは貼り合わされている。
図6は本実施形態における回折素子10の概略断面図である。レーザ光の入射方向と出射方向とを実線矢印で示した。第1の回折格子11および第2の回折格子12の数および大きさは模式的に示してある。
図6において、本実施形態の回折素子10は、1/2波長板1の構成が第1実施形態とは異なる。本実施形態の1/2波長板1は、第1の波長板6と第2の波長板7とを備えている。
第1の波長板6と第2の波長板7は、所定の波長λに対する第1および第2の波長板6,7の位相差をΓ1、Γ2、高次モードの次数をn(=0,1,2,3,…)としたときに、Γ1およびΓ2は以下の関係を満足する。
Γ1=180°+360°×n
Γ2=180°+360°×n
第1の波長板6と第2の波長板7とは貼り合わされている。
以下に、具体的なパラメータの数値について説明する。
所望する複数の波長帯で位相差を180°とするために構成パラメータであるn、所定の波長でのΓ1、Γ2、各波長板の光学軸方位角を変化させて、1/2波長板としての出射光のストークスベクトルを算出し、これから位相差、変換効率等を求める。
また、高次モード次数が大きすぎると、変換効率が1に近い波長帯域幅が狭くなり、1/2波長板としても使いづらくなる点も考慮してパラメータを選ぶ。
第1および第2の波長板の切断角度を複屈折材料の光学軸(Z軸)に対して90°となる角度、前記波長λを400nm、n=5としたとき、第1の波長板のΓ1を1980°、光学軸方位角を22.5°とし、第2の波長板のΓ2を1980°、光学軸方位角を67.5°とするのが好ましい。
所望する複数の波長帯で位相差を180°とするために構成パラメータであるn、所定の波長でのΓ1、Γ2、各波長板の光学軸方位角を変化させて、1/2波長板としての出射光のストークスベクトルを算出し、これから位相差、変換効率等を求める。
また、高次モード次数が大きすぎると、変換効率が1に近い波長帯域幅が狭くなり、1/2波長板としても使いづらくなる点も考慮してパラメータを選ぶ。
第1および第2の波長板の切断角度を複屈折材料の光学軸(Z軸)に対して90°となる角度、前記波長λを400nm、n=5としたとき、第1の波長板のΓ1を1980°、光学軸方位角を22.5°とし、第2の波長板のΓ2を1980°、光学軸方位角を67.5°とするのが好ましい。
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて以下の効果がある。
(5)次数nを適切に設定することにより、2つの1/4波長板6,7の厚さを加工しやすい厚さとすることができる。さらに、同じ基板なので製造コストを安くできる。
(5)次数nを適切に設定することにより、2つの1/4波長板6,7の厚さを加工しやすい厚さとすることができる。さらに、同じ基板なので製造コストを安くできる。
(6)波長帯405nm帯、660nm帯、785nm帯において、波長に対する変換効率を略1にできる。
(第5実施形態)
図7は本実施形態における回折素子10の概略断面図である。レーザ光の入射方向と出射方向とを実線矢印で示した。第1の回折格子11および第2の回折格子12の数および大きさは模式的に示してある。
図7において、本実施形態の回折素子10は、1/2波長板1の構成が第1実施形態とは異なる。本実施形態の1/2波長板1は、第1の波長板8と第2の波長板9とを備えている。
第1の波長板8と第2の波長板9は、所定の波長λに対する第1および第2の波長板の位相差をΓ1、Γ2、高次モードの次数をn(=0,1,2,3,…)としたときに、Γ1およびΓ2は以下の関係を満足する。
Γ1=360°+360°×2×n
Γ2=180°+360°×n
第1の波長板8と第2の波長板9とは貼り合わされている。
図7は本実施形態における回折素子10の概略断面図である。レーザ光の入射方向と出射方向とを実線矢印で示した。第1の回折格子11および第2の回折格子12の数および大きさは模式的に示してある。
図7において、本実施形態の回折素子10は、1/2波長板1の構成が第1実施形態とは異なる。本実施形態の1/2波長板1は、第1の波長板8と第2の波長板9とを備えている。
第1の波長板8と第2の波長板9は、所定の波長λに対する第1および第2の波長板の位相差をΓ1、Γ2、高次モードの次数をn(=0,1,2,3,…)としたときに、Γ1およびΓ2は以下の関係を満足する。
Γ1=360°+360°×2×n
Γ2=180°+360°×n
第1の波長板8と第2の波長板9とは貼り合わされている。
パラメータは第4実施形態と同様に方法で選んだ。
第1および第2の波長板の切断角度を複屈折材料の光学軸(Z軸)に対して90°となる角度、前記波長λを400nm、n=5としたとき、第1の波長板のΓ1を3960°、光学軸方位角を−21.0°とし、第2の波長板のΓ2を1980°、光学軸方位角を37.5°とするのが好ましい。
第1および第2の波長板の切断角度を複屈折材料の光学軸(Z軸)に対して90°となる角度、前記波長λを400nm、n=5としたとき、第1の波長板のΓ1を3960°、光学軸方位角を−21.0°とし、第2の波長板のΓ2を1980°、光学軸方位角を37.5°とするのが好ましい。
本実施形態によれば、第1実施形態の効果に加えて以下の効果がある。
(7)次数nを適切に設定することにより、2つの1/4波長板8,9の厚さを加工しやすい厚さとすることができる。さらに、同じ基板なので製造コストを安くできる。
(7)次数nを適切に設定することにより、2つの1/4波長板8,9の厚さを加工しやすい厚さとすることができる。さらに、同じ基板なので製造コストを安くできる。
(8)波長帯405nm帯、660nm帯、785nm帯において、波長に対する変換効率を略0.94以上にできる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、DVD用のレーザ光は、HD−DVDあるいはBlu-ray Disc用レーザ光であってもよい。
例えば、DVD用のレーザ光は、HD−DVDあるいはBlu-ray Disc用レーザ光であってもよい。
また、本発明を実施するための最良の方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、使用する材料、形状、数量その他の詳細な事項において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。したがって、上記に開示した材料、形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの材料、形状、数量などの限定の一部もしくは全部の限定を外した記載は、本発明に含まれるものである。
1…1/2波長板、2…第1の1/4波長板、3…第2の1/4波長板、4,6,8…第1の波長板、5,7,9…第2の波長板、10…回折素子、11…第1の回折格子、12…第2の回折格子、13…入射面、14…出射面、20…発光素子としての半導体レーザ光源、21…第1の光学軸、31…第2の光学軸、50…ハーフミラー、80…フォトディテクタ、90…光記録媒体、100…光ヘッド装置。
Claims (8)
- 1/2波長板の一方の主表面に第1の波長の光を回折する第1の回折格子を形成し、
前記1/2波長板の他方の主表面に第2の波長の光を回折する第2の回折格子を形成した
ことを特徴とする回折素子。 - 請求項1に記載の回折素子において、
前記1/2波長板は、
板面法線に対してそれぞれ所定の同一角度をなす光学軸を有する2枚の1/4波長板を、
前記光学軸の各々が前記2枚の1/4波長板の貼り合せ面に関して互いに対称であるとともに、
前記板面法線の方向から見て互いに平行となるように貼り合わせて構成した
ことを特徴とする回折素子。 - 請求項1に記載の回折素子において、
前記1/2波長板は、
主表面に平行な第1の光学軸を有する第1の波長板と、
主表面に平行な第2の光学軸を有する第2の波長板とを、
前記第1の光学軸と前記第2の光学軸と交差角度を直角となるように貼り合せ、
前記第1の波長板の位相差をΓ1、前記第2の波長板の位相差をΓ2としたときに、Γ1およびΓ2は
Γ1−Γ2=180°
を満足する
ことを特徴とする回折素子。 - 請求項1に記載の回折素子において、
前記1/2波長板は、
第1の波長板と第2の波長板とを互いの光学軸を交差するよう貼り合わせ、
所定の波長λに対する前記第1の波長板の位相差をΓ1、および第2の波長板の位相差をΓ2、高次モードの次数をn(=0,1,2,3,…)としたときに、Γ1およびΓ2は、
Γ1=180°+360°×n
Γ2=180°+360°×n
を満足する
ことを特徴とする回折素子。 - 請求項4に記載の回折素子において、
n=5、
前記第1の波長板の光学軸方位角を22.5°、
前記第2の波長板の光学軸方位角を67.5°とした
ことを特徴とする回折素子。 - 請求項1に記載の回折素子において、
前記1/2波長板は、
第1の波長板と第2の波長板とを互いの光学軸を交差するよう貼り合わせ、
所定の波長λに対する第1の波長板の位相差Γ1および第2の波長板の位相差をΓ2、高次モードの次数をn(=0,1,2,3,…)としたときに、Γ1およびΓ2は、
Γ1=360°+360°×2×n
Γ2=180°+360°×n
を満足することを特徴とする回折素子。 - 請求項6に記載の回折素子において、
n=5、
前記第1の波長板の光学軸方位角を−21.0°、
前記第2の波長板の光学軸方位角を37.5°とした
ことを特徴とする回折格子。 - 波長λ1および波長λ2の2つの光を出射する光源と、
前記2つの光を光記憶媒体に集光する対物レンズと、
前記2つの光の光記憶媒体からの反射光を検出する光検出器とを備える光ヘッド装置であって、
前記光源と前記対物レンズとの間の光路中に、
請求項1〜7のいずれか一項に記載の回折素子が設置されている
ことを特徴とする光ヘッド装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20100511 |