JP2008216778A - 構造化照明顕微鏡 - Google Patents

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日佐雄 大澤
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Abstract

【課題】光検出器の出力信号から正確な入射光量を算出し、入射光量をできるだけ正確に反映した復元画像を取得すことが可能な構造化照明顕微鏡を提供すること。
【解決手段】光源1と、前記光源からの照明光を標本に導く照明光学系40と、前記標本からの光を光検出器に結像させる結像光学系50と、前記照明光学系の光軸上に配置され、前記標本と共役な位置に配置された回折格子6と、前記回折格子を光軸に直交する方向に駆動する駆動手段21と、前記駆動手段で駆動された前記回折格子により空間変調された前記照明光を照射され、前記標本の像を検出する光検出器17と、前記光検出器で取得された画像に演算処理して標本画像を生成し、前記画像を取得する光検出器の入射光量と出力信号の間に生じる非線形特性を補正する補正手段を含む画像処理装置19と、を有することを特徴とする構造化照明顕微鏡100。
【選択図】図1

Description

本発明は、構造化照明顕微鏡に関する。
光学顕微鏡の分解能は対物レンズの開口数と波長により決まり、分解能を高めるためには、一般に波長を短くするか開口数を大きくするより方法がないとされてきた。その一方で、開口数と波長により決定されるそれよりも高い分解能で標本を観察したいと言う要求がある。
この要求に答える技術の一つとしてW. Lukoszが"Optical systems with resolving powers exceeding the classical limit. II", Journal of the Optical Society of America, Vol.37, no.7 (1967)で示した格子超解像と呼ばれる技術がある。この手法では、観察物体の近傍に置いた回折格子で標本像を空間変調し、標本と撮像素子の間に存在する結像光学系を通りえない空間周波数成分を撮像素子へ導き、撮像素子近傍の回折格子で復調して高い分解能を持った光学顕微鏡を構成しようというものである。これは、Lukosz自身が認めているように現実的ではないが、より現実的にしたものとして、例えば、J. T. Frohnらが"True optical resolution beyond the Rayleigh limit achieved by standing wave illumination", PNAS, Vol.97, No.13で紹介している顕微鏡構成がある。
この顕微鏡では、照明光学系に観察する標本付近の照明光の空間周波数を変調する手段を設け、空間周波数を変調しながら複数の撮影画像を取得し、複数の撮影画像をもとに線形計算により複数の撮影画像を復調することにより、高分解能の画像を得ることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−242189号公報
従来の顕微鏡では、画像取得に用いられる光検出器の入射光量と出力信号の間に生じる非線形性を考慮していないため、復調によって得られた画像は誤ったものとなる可能性がある。
一般に光検出器は、入射光量に比例した出力信号が得られるように作られている。しかし実際には、製造誤差などから±数%もの非線形性が生じる場合がある。
構造化照明顕微鏡では、構造化照明の条件を変化させながら複数枚の画像を取得し、そこから回折成分を分離した後、本来の波数空間に並べ直して合成することで復元画像を取得する。このため、元画像における信号の非線形性が拡大されてしまい正しい画像とならないという問題があった。
上記課題を解決するため、本発明は、光源と、前記光源からの照明光を標本に導く照明光学系と、前記標本からの光を光検出器に結像させる結像光学系と、前記照明光学系の光軸上に配置され、前記標本と共役な位置に配置された回折格子と、前記回折格子を光軸に直交する方向に駆動する駆動手段と、前記駆動手段で駆動された前記回折格子により空間変調された前記照明光を照射され、前記標本の像を検出する光検出器と、前記光検出器で取得された画像に演算処理して標本画像を生成し、前記画像を取得する光検出器の入射光量と出力信号の間に生じる非線形特性を補正する補正手段を含む画像処理装置と、を有することを特徴とする構造化照明顕微鏡を提供する。
本発明によれば、光検出器の出力信号から正確な入射光量を算出し、入射光量をできるだけ正確に反映した復元画像を取得することができる構造化照明顕微鏡を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態にかかる構造化照明顕微鏡について説明する。
(第1実施の形態)
図1は、第1実施の形態にかかる構造化照明顕微鏡の概略構成図である。
図1において、ランプ光源1からの光は、コレクタレンズ2、リレーレンズ3を介して、開口絞り4の開口部に集光され、フィールドレンズ5で光軸に対して略平行光に変換され、回折格子6に入射される。回折格子6を射出した光は、コンデンサレンズ7で集光され、対物レンズ13の瞳面14の共役位置に配置された折返しミラー8で偏向され、リレーレンズ9、視野絞り10、第二対物レンズ11を介して、ハーフミラー12に入射される。ハーフミラー12で対物レンズ13側に反射され、対物レンズ13の瞳面14に集光され、対物レンズ13を介して標本15に照射される。以上で照明光学系40が構成されている。
標本15からの光は、対物レンズ13で集光され、ハーフミラー12を透過して結像レンズ16を介して光検出器17に結像される。以上で結像光学系50が構成されている。
光検出器17からの出力信号は制御装置18の画像処理装置19に入力され、後述する画像処理が行われる。画像処理後の標本画像は制御装置18の不図示のメモリに記憶されると共にモニター20に表示されユーザに観察される。また、回折格子6には、回折格子6の格子に対して直交する方向に回折格子6を駆動する回折格子駆動装置21が接続され、制御装置18により駆動が制御されている。このようにして、画像処理装置19を含む構造化照明顕微鏡100が構成されている。
以下、構造化照明顕微鏡100の画像取得について説明する。
回折格子6は紙面内に1次元の透過率分布を持つ回折格子、もしくは、光源1の波長に対して1/2波長の光路差となるような位相回折格子であり、図1の破線で示す回折光を生じさせる。後述する理由により本技術で高い空間分解能を得るためには、回折格子6は標本15上に変調された照明光が投影できる範囲で周期の細かいものが望ましい。
この際、十分細かい正弦波状の照明を標本15に対して行えればいいので、結像限界付近の周期を持った格子に対して斜光照明を行うか、あるいは±1次光の回折が結像できる周期の回折格子6に対して±1次光のみが透過できるように対物レンズ13の瞳面14と共役な面に遮光板を置いてもよい。
図1には±1次光が標本15上で干渉し解像限界付近の周期の照明となるような回折格子6を用いた場合を示す。回折格子6によって±1次光はそれぞれフィールドレンズ7周辺部を通るように分離され、+1次光と−1次光は瞳面上に置かれた折返しミラー8の周辺部の位置にそれぞれスポットを作る。ここで、折返しミラー8上で±1次光が重ならないように開口絞り4を調節しておく。なお、光源1として単色光を利用した場合には上記±1次光が重ならないような照明条件とすることは容易であるため、開口絞り4はなくてもよい。
回折格子6の種類と照明条件によっては0次光が発生するので、さらに、折り返しミラー8面上の光軸上に0次光を遮る部材を用意し、正弦波状の照明に不要な0次光を除去することが望ましい。なお、図1では折り返しミラー8を瞳面上に置いたため0次光除去部材を折り返しミラー8上に用意したが、折り返しミラー8を使用しない場合、あるいは、それが瞳面と異なる位置に置かれた場合は、折り返しミラー8上ではなく照明光学系40中の瞳面14と共役なの位置に0次光除去部材を設けることが望ましい。
折返しミラー8で偏向された±1次光は、対物レンズ13の瞳面14の周縁部を通り、標本15付近で互いに干渉することにより縞構造を有する照明光を標本15に照射する。
標本像の撮影は、例えばCCD等の光検出器(撮像素子とも言う)17によって行われる。回折格子駆動装置21により、回折格子6の格子とほぼ直交する方向に正確にその周期の1/NだけずらしながらN枚の画像を取得する。ただし、Nは3以上であり、できるだけ大きいことが望ましい。
これらの複数の撮影画像を画像処理装置19により演算処理することにより標本画像を作成する。演算の内容を次に示す。
画像上の点r=(x、y)における点像強度分布P(r)を持つ顕微鏡光学系において、標本O(r)にある強度分布をもった照明を与えると標本15における回折光は空間変調を受ける。単一の空間周波数成分ベクトルKを持つ正弦波状の照明の場合、空間変調成分としては、0、±1次の3変調成分となる。これらの空間変調をmexp(ilkr+ilφ),(l=1、0、−1)と表記すると、空間変調を受けた標本の像は、
Figure 2008216778
と表すことができる。ここで、rは標本上の位置ベクトルでありKrは内積を示し、*は畳み込み積分を表す。
前述のように回折格子6をずらしながら撮像を行うと、同一の変調周波数、変調振幅を持ち、変調位相φのみ異なる画像がN枚得られるが、このときのj番目の画像信号強度Ij(r)は、j番目の画像の構造化照明位相をφjと表すと、
Figure 2008216778
であり、N個の方程式が得られる。
また、光検出器の入力光量と出力信号の事前の測定データから、入射光量I(r)を出力信号S(r)の多項式によって次式のように近似する。なお、事前の測定データは、テーブルとして制御装置18の不図示のメモリに記憶しておくことが望ましい。
Figure 2008216778
図2は、光検出器17である冷却CCDカメラへの入射光の輝度と出力信号の間の線形性を示すデータの一例である。図2において、横軸は光検出器17の出力信号を示す。実線は、輝度が既知である入射光に対する出力信号を測定したデータを示す(縦軸は左)。図2の一点鎖線はこのデータの直線からのずれをほぼ線形性が保たれていると思われる領域の最大輝度で規格化したものである。線形性が保たれていると見える領域でも±0.6%のずれがあることがわかる。
この実測値に対して5次でフィッティングを行うと、次の(4)式が得られた。
I(r)=4.17192×10−17S5(r)−3.38634×10−13S(r)+1.04250×10−9S3(r)
−1.47742×10−6S2(r)+2.37467×10−3S(r)−7.60269×10−1 (4)
図2の点線は、(4)式から得られた近似値と実測値との差(縦軸は右)を示す。このような近似を行うことで、線形性を±0.2%程度まで向上することが可能となった。
なお、入射光量と出力信号の関係は、例えばCCDなどの光検出器17の温度によって異なる。したがって、実際に利用する光検出器17の温度に合わせて、それぞれデータを取得し、近似する必要があり、それぞれの温度でデータを取得し、テーブルとして制御装置18の不図示のメモリに記憶しておくことが望ましい。
あるいは、単純な補間計算で光検出器17の出力信号の補正を行うことができる場合もある。
光検出器17への入射光の輝度と出力信号の間の線形性を測定する際には、有限な測定点数におけるそれらの関係のデータが得られるに過ぎないが、これが十分多くの入射光輝度値において良いS/N比で測定できるならば、測定点と測定点の間の点については補間計算で出力信号に対する入射光量を求めることももできる。
補間計算式としては、必要とする精度によって線形補間、多項式補間、スプライン補間などから選べば良い。
入射光の輝度と出力信号の間の関係はほぼ線形であり、そこからのずれを求めたいのであるから、通常は線形補間でも十分なことが多い。この場合には、出力信号S(r)を上下から挟む測定点における出力信号Sa、Sbと、その測定点における入射光輝度Ia、Ibから、出力信号S(r)に対応する入射光輝度I(r)は、
Figure 2008216778
で求めることができる。
光検出器17の入射光量と出力信号の間に生じる非線形性の補正は、光検出器17からの読み出し直後に行うことも可能であるが、回折成分分離計算と同時に行った方がMPU(Micro Processing Unitの略)による処理速度の点で有利である。多くのMPUにはキャッシュメモリが搭載されているが、これは通常のデータ処理に見られる処理の局在性を利用して、大きなコストアップを避けつつ高性能を達成する技術である。
従って、このようなアーキテクチャを持ったMPUで画像処理を行う場合には、同一画素についての演算はなるべくまとめて処理するのが望ましい。従って、信号強度を補正する処理は回折成分の分離とともに行うのが望ましい。
式(2)、式(3)より、次式のようなN個の方程式が得られる。
Σ[cSn(r)]=Σl[ml(O(r)exp(ilKr+ilφj))*P(r)] (5)
これらの方程式ではO(r)exp(ilKr),(l=−1,0,1)が未知数であり、それらはN≧3の画像を取得することで求めることができる。N個の方程式(5)のうち3つの式を用いると、次式が得られる。
Figure 2008216778
この方程式を解くことで、O(r)exp(ilKr)*P(r),(l=−1,0,1)を求めることができる。
または、N≧4の画像から、公知の手法により最小2乗法を用いて求めてもよい。最小2乗法を用いることでノイズを低減させることができる。これらは、l=0が超解像ではない通常の顕微鏡像に、l=±1が超解像成分に対応する。
上記で求められるO(r)exp(ilKr)*P(r),(l=−1,0,1)は波数空間では、それぞれOk(k)Pk(r+lK),(l=−1,0,1)に対応する。
ここで、Ok(k)は標本における発光体の分布のフーリエ変換、Pk(k)は強度分布を持たない照明を与えた場合の顕微鏡光学系が持つ伝達関数(OTF; Optical Transfer Function)である。
強度分布を持たない照明を与えた場合の通常の伝達関数は光の波長λ、対物レンズ13のNAに対してk=−2NA/λ〜2NA/λであるから、上記で得られた標本情報O(r)exp(ilKr)*P(r),(l=−1,0,1)は、l=−1,0,1に対して、k=−2NA/λ−K〜2NA/λ−K、k=2NA/λ〜2NA/λ、k=−2NA/λ+K〜2NA/λ+Kの情報を含むことがわかる。従って、O(r)exp(ilKr)*P(r)全体としてはk=−2NA/λ−K〜2NA/λ+Kまでの情報を含むので、高い解像度を持った顕微鏡画像を得ることができる。
上述のような補正に基づいて得られた像は、空間変調がなされた1次元方向のみに高い解像度を持つが、空間変調を施す方向を少なくとも2方向に変化させ、それぞれの方向について1次元と同様の処理を施すことで2次元方向の高い解像度を持った顕微鏡を構成することもできる。
このとき、空間変調を施す方向は3方向が望ましい。2方向のみの場合はそれら2方向の中間方向に超解像効果があまり得られないが、3方向ではそれら3方向の間の方向でも超解像効果の最大となる方向とくらべ遜色のない程度までの超解像効果が得られる。4方向以上とすると撮像枚数の増加のわりには照明方向の間における超解像の低下を抑える効果が少なくなる。
(第2実施の形態)
次に、本発明の第2実施の形態にかかる構造化照明顕微鏡に関し説明する。第2実施の形態は、第1実施の形態に対して回折格子と回折格子駆動装置の構成、およびこれに伴う画像処理方法が異なっている。第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し説明する。
図3は、第2実施の形態にかかる構造化照明顕微鏡の概略構成図である。図3において、ランプ光源1からの光は、コレクタレンズ2、リレーレンズ3を介して、開口絞り4の開口部に集光され、フィールドレンズ5で光軸に対して略平行光に変換され、回折格子26に入射される。回折格子26を射出した光は、コンデンサレンズ7で集光され、対物レンズ13の瞳面14の共役位置に配置された折返しミラー8で偏向され、リレーレンズ9、視野絞り10、第二対物レンズ11を介して、ハーフミラー12に入射される。ハーフミラー12で対物レンズ13側に反射され、対物レンズ13の瞳面14に集光され、対物レンズ13を介して標本15に照射される。以上で照明光学系40が構成されている。
標本15からの光は、対物レンズ13で集光され、ハーフミラー12を透過して結像レンズ16を介して光検出器17に結像される。以上で結像光学系50が構成されている。
光検出器17からの出力信号は制御装置18の画像処理装置19に入力され、後述する画像処理が行われる。画像処理後の標本画像は制御装置18の不図示のメモリに記憶されると共にモニター20に表示されユーザに観察される。また、回折格子26には、回折格子26の格子に対して直交する方向に回折格子26をそれぞれ駆動する回折格子駆動装置31が接続され、制御装置18により駆動が制御されている。このようにして、画像処理装置19を含む構造化照明顕微鏡200が構成されている。
以下、構造化照明顕微鏡200の画像取得について説明する。
回折格子26は光軸に対して垂直な面内で直行する正弦波状の透過率分布を持つ回折格子である。回折格子26は光軸に対して垂直な面内の2方向に格子が形成され、それぞれの格子は必ずしも直交している必要はないが、以下で説明する演算処理が単純となるため直交していたほうが望ましい。
この回折格子26は紙面に垂直な方向に沿った格子によって破線で示す回折光を生じさせる。また、紙面内の方向に沿った格子によって、紙面の上下を通る図示しない回折光が生じる。本技術により高い空間分解能を得るためには回折格子26は標本上に変調された照明光が投影できる範囲で周期の細かいものが望ましい。このため、回折光のうち考慮しなければならないのは±1次光のみとなる。なお、2方向の格子の周期は同じであるほうが望ましいが、2方向の解像度が異なることが問題とならない場合には、2方向の周期は異なっていてもかまわない。
回折格子26は0次光成分が十分少ない必要があるため、光源の波長に対して1/2波長の光路差となるような位相回折格子が望ましいが、十分細かい正弦波状の照明を標本15に対して行えればいいので、例えば透過率を変調させた結像限界付近の周期を持った格子に対して斜光照明を行うか、あるいは±1次光の回折が結像できる周期の回折格子26対して±1次光のみが透過できるように照明光学系40中の対物レンズ13の瞳面14と共役な面に遮光板を置いてもよい。
回折格子26によって±1次光はそれぞれフィールドレンズ7周辺部を通るように分離され、+1次光と−1次光は折返しミラーの周辺部の位置にそれぞれスポットを作る。ここで、折返しミラー8上で±1次光が重ならないように開口絞り4を調節しておく。なお、光源1として単色光を利用した場合には上記±1次光が重なることはないため、開口絞り4はなくてもよい。
折返しミラー8で偏向された±1次光は対物レンズ13の瞳面14の周縁部を通り、標本15付近で互いに干渉することにより縞構造を有する照明光を照射する。
撮影は、光検出器17によって行われる。回折格子26が直交する二つの方向の格子となっているため、標本15上には直交する二つの方向の格子に基づく光が照明されている。回折格子駆動装置31により、二つの格子の方向に正確にその周期の1/Nだけ位置をずらしながら画像を取得する。
すなわち、一つの格子の方向(これをY方向とする)に1/Nずつ位置をずらしながらN枚の画像を取得する。次にもう一方の格子の方向(これをX方向とする)に1/Nだけ位置をずらしてから、Y方向に1/Nずつ位置をずらしながらN枚の画像を取得する。以下、これを繰り返して、X方向についてもN回位置をずらすことで(N×N)枚の画像を取得する。
上記のように格子をずらしながら撮像を行うと、一方の格子パターンにおける同一位相の画像がN枚取得できるが、これらの画像はもう一方の格子パターンにより変調振幅が異なる。すなわち、上記格子パターンの方向をそれぞれx、y方向とすると、構造化照明強度Iriは一般に、
Figure 2008216778
と書けるので、位相φxをx方向にφx=0,…,2πj/Nx,…,2π(Nx−1)/Nxとなるようにずらすと、ある特定のxにおいてはy方向の照明振幅は、cos(2πj/Ny)に比例した値を持つことになる。すなわち変調振幅の異なる画像が得られることになる。
具体的には、(7)式で示す構造化照明で標本を照明し、φy=0を固定とし、φxをφx=0,…,2πj/Nx,…,2π(Nx−1)/Nxと変化させながらNx枚の標本像を撮像する。そのときの画像信号をSj(r)とし、第1実施の形態における1次元の場合と同様に(4)式を使い、(5)式と同様の方程式
Σn[cnSjn(r)]=Σl[mlx(O(r)exp(ilxKr+iφxj))*P(r)] (8)
を3個作成して(6)式を解くか、もしくは、N≧4の画像から公知の最小自乗法を利用した方法を用いてO(r)exp(ilxKr)*P(r),(l=−1,0,1)を求め、これをOx(r)exp(ilxKx x)*P(r)とする。
次に、これらをφy=2π/Ny,…,2πj/Ny,…,2π(Ny−1)/Nyと変化させながら前記φy=0の場合も含めてNy組繰り返すとOx(r)exp(ilxKx x)*P(r)をNy組計算することができる。
最後に、φyを変化させて得られたNy組のOx(r)exp(ilxKx x)*P(r),(l=−1,0,1)から3組を選ぶと、(6)式に相当する(9)式がl=−1,0,1に対してそれぞれ1個づつできるので、これら
Figure 2008216778
をlxごとに解くことで、O(r)exp(ilxKx x+ilyKy y)*P(r), (lx=−1,0,+1,ly=−1,0,+1)を求めることができる。
これらのうちlx=0,ly=0の成分が通常の顕微鏡画像に対応するが、その他の成分は超解像情報に対応する成分であるため、第1実施の形態と同様に合成することで超解像画像を得ることができる。
なお、ここでは、構造化照明位相を等間隔で変化させる場合について述べたが、実際には不等間隔でも上に述べた補正演算手法により画像の復調は可能であり、これらの複数の撮影画像を画像処理装置19により補正演算することにより標本画像を作成する。演算処理は第1実施の形態で述べた手法を二次元に拡張して適用すればよい。
以上述べたように、実施の形態によれば、光検出器の入射光量対出力信号の非線形性を前もって測定した結果を用いて、出力信号から正確な入射光量を算出し、入射光量をできるだけ正確に反映した復元画像を取得することが可能な構造化照明顕微鏡を提供することができる。
なお、上述の実施の形態は例に過ぎず、上述の構成や形状に限定されるものではなく、本発明の範囲内において適宜修正、変更が可能である。
第1実施の形態にかかる構造化照明顕微鏡の概略構成図である。 光検出器への入射光の輝度と出力信号の間の線形性を示すデータの一例である。 第2実施の形態にかかる構造化照明顕微鏡の概略構成図である。
符号の説明
1 光源
2 コレクタレンズ
3 リレーレンズ
4 開口絞り
5 フィールドレンズ
6、26 回折格子
7 コンデンサレンズ
8 折り返しミラー
9 リレーレンズ
10 視野絞り
11 第二対物レンズ
12 ハーフミラー
13 対物レンズ
14 瞳面
15 標本
16 結像レンズ
17 光検出器
18 制御装置
19 画像処理装置
20 モニター
21、31 回折格子駆動装置
40 照明光学系
50 結像光学系
100、200 構造化照明顕微鏡

Claims (9)

  1. 光源と、
    前記光源からの照明光を標本に導く照明光学系と、
    前記標本からの光を光検出器に結像させる結像光学系と、
    前記照明光学系の光軸上に配置され、前記標本と共役な位置に配置された回折格子と、
    前記回折格子を光軸に直交する方向に駆動する駆動手段と、
    前記駆動手段で駆動された前記回折格子により空間変調された前記照明光を照射され、前記標本の像を検出する光検出器と、
    前記光検出器で取得された画像に演算処理して標本画像を生成し、前記画像を取得する光検出器の入射光量と出力信号の間に生じる非線形特性を補正する補正手段を含む画像処理装置と、を有することを特徴とする構造化照明顕微鏡。
  2. 前記補正手段は、前記光検出器の前記入射光量と前記出力信号の関数を含むことを特徴とする請求項1に記載の構造化照明顕微鏡。
  3. 前記関数は、前記出力信号の多項式を含むことを特徴とする請求項2に記載の構造化照明顕微鏡。
  4. 前記補正手段は、前記光検出器の前記入射光量に対応する前記出力信号のテーブルを有し、
    前記テーブルを用いて前記出力信号から前記入射光量を求めることを特徴とする請求項1に記載の構造化照明顕微鏡。
  5. 前記テーブルの補間計算により前記出力信号と前記入射光量の補間値を求めることを特徴とする請求項4に記載の構造化照明顕微鏡。
  6. 前記標本画像は、前記照明光の位相を変化させてそれぞれ取得した複数の画像を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の構造化照明顕微鏡。
  7. 前記標本画像は、前記照明光の変調振幅を変化させてそれぞれ取得した複数の画像を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の構造化照明顕微鏡。
  8. 前記回折格子は、光軸に直交する格子を有し、
    前記駆動手段は、前記格子の格子に直交する方向を含む方向に前記回折格子を駆動可能であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の構造化照明顕微鏡。
  9. 前記回折格子は、光軸に垂直な面内で互いに直交する二つの格子からなり、
    前記駆動手段は、前記二つの格子それぞれに沿ってそれぞれ前記回折格子を駆動可能であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の構造化照明顕微鏡。
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