JP2008216307A - 電子写真感光体の研磨方法 - Google Patents

電子写真感光体の研磨方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2008216307A
JP2008216307A JP2007049667A JP2007049667A JP2008216307A JP 2008216307 A JP2008216307 A JP 2008216307A JP 2007049667 A JP2007049667 A JP 2007049667A JP 2007049667 A JP2007049667 A JP 2007049667A JP 2008216307 A JP2008216307 A JP 2008216307A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
photosensitive member
tape
photoreceptor
aggregate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007049667A
Other languages
English (en)
Inventor
Motoya Yamada
基也 山田
Satoshi Furushima
聡 古島
Kazuto Hosoi
一人 細井
Jun Ohira
純 大平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2007049667A priority Critical patent/JP2008216307A/ja
Publication of JP2008216307A publication Critical patent/JP2008216307A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 研磨スジ、研磨傷の発生を抑えつつ、感光体の表面突起をその他良好な部分とほぼ平坦になるまで研磨し、かつ処理時間の短縮を実現することを目的とする。
【解決手段】 導電性基体上に少なくとも非晶質Siを含む光電導層と非晶質材料からなる表面保護層を順次積層して形成される電子写真感光体を保持し回転させ、加圧弾性ローラに巻回させた研磨テープと該感光体の表面を加圧当接させながら該研磨テープを送ることによって、該感光体の研磨を行う研磨方法において、表面に研磨砥粒を含む集合体が規則的に配列している研磨テープを用いて研磨を行うことを特徴とする電子写真感光体の研磨方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真用感光体(単に「感光体」とも言う)の表面層の研磨処理に関し、詳しくは、研磨傷、研磨スジの発生を抑えて、かつ処理時間の短縮を実現するための研磨方法に関する。
近年、アモルファスシリコン系感光体(以下、アモルファスシリコンをa−Siと略記する)が実用化され10数年を経て、ますますその優れた耐磨耗性や耐熱性、光感度特性、無公害性などが向上している。
しかし、プラズマCVD法によって導電性基体に作成されるa−Si系感光体の宿命として、わずかなゴミ、欠陥、ピット、介在物を基点に球状、乃至断面方向から見た場合、漏斗状、扇状に成長する異常成長突起がある。このa−Si系感光体の異常成長突起の形状を、図1に断面図で示す。
図1を参照して述べると、a−Si系感光体100は、円筒状あるいは板状のアルミニウム合金などから成る導電性基板101の上に、グロー放電分解法などのプラズマCVD法により厚み20〜80μmのa−Si系光導電層104が形成され、その層上に例えばアモルファスシリコンカーバイド(a−SiC)、アモルファスカーボン(a−C)などから成る厚み0.1〜1μmの表面層105が積層されているものである。
a−Si系感光体はその層構成によって、アナログ複写機、デジタル複写機等の用途に応じて適宜調整選択し決定される。さらに電子写真特性の調整を各種ドーパント元素や成膜パラメータの選択で行い、帯電能、残留電位、光感度、表面硬度、耐環境特性などが所要特性に改善されている。
しかしながら、a−Si系感光体には、図1で示すように成膜途中で付着したゴミ等102を基点として異常成長突起103が多少なりとも発生し、それが感光体層表面に突起状となり、電子写真装置に組み込んだときにはクリーニングブレードを破損したり、そこを基点にトナーの融着が発生乃至成長するといった場合がある。それを解決するために、当初は導電性基体の洗浄度の向上、生産現場のクリーン度の向上といった基体洗浄度を向上させて、ゴミ対策を試みてきた。
こうした対応は、前述の異常成長欠陥が正常な感光体層部分に比べて耐電圧が低く、電子写真画像において黒点或いは白点状の画像欠陥となって現れて画像品質を低下させるという点の改善には効果をあげたが、やはり、ブレードの欠けや、トナーの融着の発生を完全に無くすまでにはいたらなかった。
上記のような問題の対策として、感光体表面の突起状の欠陥を研磨部材、具体的には研磨テープ等により研磨して除去する方法が提案され、実施されている。(例えば、特許文献1)
更に、a−Si系感光体表面にあった突起を研磨して平坦化した、表面保護層が除去されて光導電層が露出した部分を後処理することに関して開示が有る(例えば特許文献2)。
突起部分の研磨に関しては、a−Si感光体表面にある突起を研磨して平坦化するために、感光体を回転させて研磨テープを弾性ローラーに当接して研磨する方法や、研磨テープの送り量と弾性ローラーの侵入量を変化させて研磨する方法が開示されている。(例えば特許文献3、特許文献4)
これらの方法で、感光体の表面突起を研磨して平坦化することはある程度可能であり、上述の課題に対しては一定の効果を得ることができる。
しかし、高硬度なa−SiC系表面層やa−C系表面層が積層された感光体であっても、電子写真プロセスを繰り返し行う間に磨耗されて、突起部分だけでなく表面の微細形状も変化することになる。
磨耗や摩擦と表面の微細形状の関係について、そのメカニズムは解明されていないが、微細形状が変化することにより、クリーニングブレードとの摩擦が変化し、クリーニング不良やブレード破損等が生じる場合がある。
本発明者らは、このような場合に対応するために感光体表面の微細形状との相関について詳細に検討した結果、感光体使用初期の表面微細形状を算術平均粗さ(Ra)で25nm以下にしておくことで、感光体の磨耗や摩擦の変化度合いが小さくなることが分かった。
表面形状を含めて研磨する場合には、長時間におよぶ研磨が必要である。研磨時間を短縮するには、研磨テープの押し当て圧を強めることが望ましいが、研磨によるキズが生じやすくなるために、研磨残渣が研磨面に混入することを極力避けるようにしなければならない。また、突起部分は異常成長したものであるために、研磨工程において、特に押し当て圧が強くなるとハガレ落ちることがあり、それも研磨傷の原因となっている。そのため、ハガレ落ちた突起が混入することも避けなければならない。
いわゆる「ポチ」と呼ばれる画像欠陥は年々規格が厳しくなっており、大きさによってはA3用紙に数個存在していても不良として扱われることがあり、カラー複写機に搭載される場合には更に規格は厳しくなり、A3用紙に1個存在していても不良となる場合がある。それにつれて、研磨工程において感光体表面に発生する研磨傷や研磨スジの規格も同時に厳しくなっている。
したがって、研磨加工において研磨傷や研磨スジを発生させることなく、感光体の表面突起をその他良好な部分とほぼ平坦になるまで研磨し、かつ処理時間の短縮を実現する研磨方法が要望されている。
ここで研磨スジとは感光体上にできたスジであり、画像にあらわれないものを指しており、研磨傷とは同じく感光体上にできたスジではあるが、画像に表れてしまうものを指している。
特公平7−77702号公報 特開平7−64312号公報 特開2001−318479号公報 特開2001−318480号公報
すなわち本発明の課題は、a−Si系感光体表面に発生した異常成長突起を他の良好な部分を傷つけることなく、その他良好な部分とほぼ平坦になるまで研磨し、さらには良好な部分の表面微細形状も含めて精密に均一研磨でき、かつ処理時間の短縮を実現するための研磨方法を提供することにある。
従来は研磨残渣などが研磨面に入り込まないように、研磨テープの表面移動速度を変更して研磨テープを早く送ることが実施されてきた。
しかし、研磨時間を短くするために通常よりも研磨テープの押し当て圧を強めると上記方法でも感光体表面に研磨スジや研磨傷が発生してしまう。
そこで研磨残渣などが研磨面に入り込まないように研磨残渣を効率的に除去するような研磨テープを使用することが重要である。
具体的には研磨テープの表面に研磨砥粒を含む塊(本発明ではそれを集合体と称す)が規則的に配列していることが重要である。それぞれの集合体は感光体表面を独立して研磨することになる。そのため、研磨残渣を効率的に除去できる空間が生まれ、感光体表面に研磨スジや研磨傷を発生させることなく、研磨することが可能になる。
すなわち、本発明は
導電性基体上に少なくとも非晶質Siを含む光電導層と非晶質材料からなる表面保護層を順次積層して形成される電子写真感光体を保持し回転させ、加圧弾性ローラに巻回させた研磨テープと該感光体の表面を加圧当接させながら該研磨テープを送ることによって、該感光体の研磨を行う研磨方法において、表面に研磨砥粒を含む集合体が規則的に配列している研磨テープを用いて研磨を行うことを特徴とする電子写真感光体の研磨方法を提供する。
本発明による電子写真感光体の研磨方法によれば、研磨スジ、研磨傷の発生を抑えつつ、感光体の表面突起をその他良好な部分とほぼ平坦になるまで研磨し、かつ処理時間の短縮を実現することができる。
以下、図面を参照して実施例を詳細に説明する。
図2は、本発明に係わる研磨テープの一例を示す模式的な概略図である。
研磨テープ200は基板材料201の上に集合体202が規則的に配列しており、それぞれの集合体202はバインダー中に分散された研磨砥粒203を含有している。研磨砥粒203としては一般的に、SiC、AlO、CeO、C(ダイヤ)、FeO、CrOなどが用いられる。それぞれの集合体は感光体表面を独立して研磨する。そのため、研磨残渣を効率的に除去できる空間が生まれる。研磨ムラをなくすために、集合体202は実質的にすべて同じ高さであることが好ましい。また、集合体202の形状は実質的にすべて同じであることが好ましい。集合体202の形状はどのようなものでもよいが、感光体と接触している部分、つまり研磨面の面積が小さい方が研磨残渣を効率的に逃がすことが可能となる。ただし後述の様に集合体の高さが必要なため、研磨面の面積が同じでも集合体の形状が多角柱の場合には集合体が細長くなる。従って、集合体の形状が多角錐または円錐であると安定な形状にできる為より好ましい。
集合体の配列は規則正しければ、どのような配列でもよいが、集合体と集合体の間隔をあまり広げてしまうと研磨ムラになる可能性がある、逆に集合体と集合体の間隔をあまり狭くしてしまうと研磨残渣を効率的に逃がす空間が狭くなり、研磨スジや研磨傷が発生してしまう可能性がある。よって、集合体と集合体の間隔は研磨ムラや研磨残渣の大きさを考慮して適宜決められるべきである。
集合体の形状が多角柱の場合は、集合体の高さ(図2(a)中のB)は研磨残渣の大きさを考慮して適宜決められるべきである。研磨残渣の大きさに比べて集合体の高さ(図2中(a)のB)が小さい場合は研磨スジや研磨傷が発生してしまう可能性がある。よって、集合体の高さ(図2(a)中のB)は25μm以上であることが好ましい。
集合体の形状が多角錐または円錐である場合は集合体と集合体の間隔を開けなくてもよい。間隔を開けない状態で多角錐または円錐を用いる場合は、集合体の底面(図2(b)中のC)の外接円の直径(図2(b)中のD)と集合体の高さ(図2(a)中のB)は互いに関係付けて決められるべきである。
集合体の底面(図2(b)中のC)の外接円の直径(図2(b)中のD)に比べ、集合体の高さ(図2(a)中のB)が大きすぎる場合は、感光体に接している部分の圧力が大きすぎて、摩擦熱により研磨砥粒を分散させているバインダーが溶けて感光体に付着し、感光体の表面性を変化させてしまう可能性がある。逆に集合体の底面(図2(b)中のC)の外接円の直径(図2中のD)に比べ、集合体の高さ(図2(a)中のB)が小さすぎる場合は、研磨残渣を効率的に逃がす空間が狭くなる可能性があり、研磨スジや研磨傷が発生してしまう可能性がある。
よって、感光体の表面性変化と研磨スジ、研磨傷の発生を考慮して適宜決める必要がある。
図3は、本発明に係わる研磨装置の一例を示す模式的な概略図である。
感光体300は、支持機構320に保持され、移動ステージ340上の移動範囲341の所定位置に固定されている。支持機構320は具体的には空気圧ホルダーであり、例えば、ブリジストン社製空気圧ホルダー(商品名:エアーピック、型番:PO45TCA*820)を使用することができる。研磨テープ331は、送り出しローラー332に保持され、そこから繰り出され、テープガイドローラー336を経て送られ、加圧弾性ローラー330にて感光体300に押し当てられ、さらに第2のテープガイドローラー336を経て、定量引き取りローラー334とキャプスタンローラー335に挟持され、定量速度で引き取られ、巻き取りローラー333にて巻き取られる。なお、加圧弾性ローラー330は加圧機構337によって感光体に押し当てられている。
感光体300を回転させて、その線速度と異なる速度で研磨テープ331を送ることで研磨処理を行う。この時、感光体300の線速度が10〜40cm/secの範囲、研磨テープの送り速度が1〜20cm/minの範囲で、研磨テープの消費量、研磨処理時間、研磨傷との関係から総合的に決定される。
研磨テープ331との摩擦抵抗により、感光体300と連れ周りが発生し易いため、感光体300の回転方向とは逆の方向に研磨テープ331を送って、研磨処理することが望ましい。この場合、巻き取りローラー333、定量引き取りローラー334とキャプスタンローラー335が研磨テープ331のスピードを調整し、送り出しローラー332がテープ張力を調整する。
一方、加圧とテープテンションを適正に保持することで同方向での研磨処理も有効である。
研磨初期には、研磨残渣による研磨傷を防止するために、感光体300の回転線速度よりも大きな速度で研磨テープ331を送って研磨することがあるが、通常は線速度よりも小さな速度で研磨テープ331を送って研磨処理を行う。
更に、感光体300は円周方向の回転と同時に、回転方向とは直交する方向に交互運動できるように設置しておく。(以下、このように感光体が回転方向とは直交する方向に交互運動することをレシプロと略記する)。
感光体300の支持は、すぼめた状態の空気圧ホルダーを感光体基体の空洞部に挿入し、次いで、100kPa〜1000kPaの空気を送り込むことによって達成される。研磨に際しては、ユニット全体を回転させ、感光体を回転させる。ガイドとして、嵌め合いの緩い、潤滑性に富み、弾性を有するガイドフランジを設けても良い。ガイドフランジの材質としては、ポリアセタール(POM)、ポリアミド(PA)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂が好ましい。感光体300の弾性は空気圧ホルダーの空気圧で制御され、ビビリ、突入ショックなどの微少振動は空気圧ホルダーにより吸収緩和される。
加圧するために用いられる加圧ローラーは、通常弾性体が用いられ、ネオプレン(登録商標)ゴム、シリコンゴム等の材質から成り、JIS K6253−1997に準じて測定される硬度で20〜80の範囲、より好ましくはJISゴム硬度30〜40の範囲で総合的に決定される。
加圧は9.8〜980kPaの範囲で、研磨すべき感光体表面の微細表面形状、研磨処理時間と研磨傷との関係から総合的に決定される。
加圧を制御するために、弾性ローラーの支持部にシリンダーを設けて空圧や油圧等で制御することも有効である。
a-Si系電子写真感光体表面の微細表面形状の観察は、例えば原子間力顕微鏡(AFM)[Quesant社製Q−Scope250]を用いて行うことができる。さらに、微細表面形状として算術平均粗さを10μm×10μmの範囲で測定して、所望の微細表面形状の研磨処理条件を決定することが望ましい。
(実施例及び比較例)
以下、本発明を実施例及び比較例に基づき詳細に説明する。
下記の実施例は、本発明の最良な実施形態の一例であるものの、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
直径84mm、長さ381mm、肉厚3mmのアルミニウム筒状基体の表面を鏡面加工したものを用い、プラズマ化学気相成長(PCVD)装置(不図示)にて、膜厚30μmのa-Si系光導電層および膜厚0.7μmのa-SiC系表面保護層を有するa-Si系電子写真感光体を製造した。この感光体には異常成長突起が見られた。また、その表面の微細形状を観測したところ、算術平均粗さRaが35nmであった。
この感光体を用い、図3の研磨装置を用いて表1に示す条件で研磨処理した。表1に示すように感光体のレシプロはなしとした。なお、加圧弾性ローラーとしてJISゴム硬度40のものを用いた。
研磨テープとして、研磨砥粒がSiCで集合体の形状が四角柱である図4のようなものを用いた。研磨砥粒の平均粒径は5μm。集合体のベース側の一辺の長さは100μm、高さは50μmである。また集合体同士の間隔は50μmで図4のように等間隔に規則的に配列している。
評価は次のように行った。評価結果は表1に示す。
(処理時間)
表面微細形状がほぼRa=25nmになるまでの研磨処理時間を計測し、比較例1にかかった時間を100%として評価した。
◎:80%未満
○:80%以上95%未満
△:95%以上105%未満
×:105%以上
(研磨スジ、研磨傷の有無)
処理後に感光体の表面を光学顕微鏡で観察し、研磨スジの有無を評価し、さらに電子写真装置に装着して、ハーフトーン画像を出力し、研磨傷の発生があるかどうかを評価した。
◎:研磨スジ、研磨傷の発生が全くない。
○:研磨スジが僅かに認められるが、研磨傷の発生はない。
△:研磨スジが認められ、僅かに研磨傷が発生している。
×:研磨傷が発生している。
(研磨処理の均一性)
処理後に感光体表面のAFMによる算術平均粗さRaを、原子間力顕微鏡(Quesant社製Q-Scope250)を用い、視野10μm×10μmの範囲で測定した。その際、感光体母線方向10点×周方向4点の計40点を測定した。AFMによる算術平均粗さRaの40点の標準偏差から、均一性を評価した。
◎:非常に良好 (標準偏差2.0未満)
○:良好 (標準偏差2.0以上3.5未満)
△:実用上問題なし (標準偏差3.5以上5.0未満)
×:実用上難あり (標準偏差5.0以上)
直径84mm、長さ381mm、肉厚3mmのアルミニウム筒状基体の表面を鏡面加工したものを用い、プラズマ化学気相成長(PCVD)装置(不図示)にて、膜厚30μmのa-Si系光導電層および膜厚0.7μmのa-SiC系表面保護層を有するa-Si系電子写真感光体を製造した。この感光体には異常成長突起が見られた。また、その表面の微細形状を観測したところ、算術平均粗さRaが35nmであった。
この感光体を用い、図3の研磨装置を用いて表1に示す条件で研磨処理した。表1に示すように感光体のレシプロはなしとした。なお、加圧弾性ローラーとしてJISゴム硬度40のものを用いた。
研磨テープとして、研磨砥粒がSiC、研磨砥粒の平均粒径が5μmである、3M社製トライザクト(登録商標)(466LA)を使用した。トライザクト(登録商標)(466LA)は研磨砥粒を含む集合体が正三角錐であり、それが図5のように規則正しく配列している。
集合体のベース側の一辺の長さ(図2(a)中のA)は63μmで集合体の高さ(図2(a)中のB)も63μmである。集合体の底面の外接円の直径は約73μmである。
図5において501は基板材料を、502は集合体を示している。
実施例2において、感光体のレシプロをありとした以外は実施例2と同様にした。表1に評価結果を示す。
実施例3において、加圧弾性ローラーの加圧を950kPaに変更する以外は実施例3と同様にした。表1に評価結果を示す。
〈比較例1〉
研磨テープとして研磨砥粒がSiC、研磨砥粒の平均粒径が6μmである、ワイヤーバー方式で作られた富士フィルム社製ラッピングテープ(LT-C2000)を使用した以外は実施例2と同様にした。富士フィルム社製ラッピングテープ(LT-C2000)は図6のようにバインダー中に研磨砥粒が分散したほぼ平らな平面を有する研磨テープである。
評価結果を表1に示す。
〈比較例2〉
研磨テープとして研磨砥粒がSiC、研磨砥粒の平均粒径が6μmである、ワイヤーバー方式で作られた富士フィルム社製ラッピングテープ(LT-C2000)を使用した以外は実施例3と同様にした。評価結果を表1に示す。
〈比較例3〉
比較例2において、加圧弾性ローラーの加圧を950kPaに変更する以外は比較例2と同様にした。表1に評価結果を示す。
Figure 2008216307
表1からわかるように、本発明の研磨方法によれば、研磨スジ、研磨傷の発生を抑えつつも、処理時間を短縮できることがわかる。
加圧弾性ローラーにかける圧が一定でも本発明の研磨テープを用いることで感光体と研磨テープの接触面積が小さくなり、そのために研磨面にかかる圧力が大きくなったために研磨時間が短くなったと考えられる。
また、処理時間を短縮するために加圧を大きくしても感光体に研磨スジや研磨傷は見られなかった。
つまり、クリーニング不良やブレード破損等を生じさせないために感光体使用初期の表面微細形状を算術平均粗さ(Ra)で25nm以下にしておく必要があるが、通常の方法(比較例1や比較例2)だと処理時間がかかりすぎ、尚且つ研磨スジがわずかに見られる。そこで加圧弾性ローラーの加圧を大きくすると処理時間は短くなるが研磨スジ、研磨傷が発生してしまう。
しかし、本発明の研磨方法(実施例1)によると研磨時間を短縮できる。さらに、本発明の研磨方法(実施例2)によると研磨残渣を効率的に逃がすことができ、研磨スジ、研磨傷の発生をなくすことができる。さらに本発明の研磨方法(実施例3)によるとレシプロをいれることで研磨の均一性をあげることができる。さらに、本発明の研磨方法(実施例4)によると研磨処理時間をさらに短縮するために加圧弾性ローラーの加圧を大きくしても、研磨傷、研磨スジの発生を抑えて研磨処理時間を短縮できる。
感光体の層構成の断面図と異常成長突起を説明するための模式図である。 (a)本発明に係る研磨テープの一例を示す模式的断面図である。 (b)本発明に係る研磨テープの一例を示す模式的平面図である 本発明に係る研磨装置の一例を示す模式図である。 (a)本発明に係る研磨テープの一例を示す模式的断面図である。 (b)本発明に係る研磨テープの一例を示す模式的平面図である。 トライザクト(登録商標)(466LA)の配列を示す模式的平面図である。 富士フィルム社製ラッピングテープ(LT-C2000)を示す模式的断面図である。
符号の説明
100 a−Si系感光体
101 導電性基板
102 ゴミ等
103 異常成長突起
104 a−Si系光導電層
105 表面層
200、331、600 研磨テープ
201、501、601 基板材料
202、502 集合体
203、602 研磨砥粒
300 感光体
320 支持機構
330 加圧弾性ローラー
332 送り出しローラー
333 巻き取りローラー
334 定量引き取りローラー
335 キャプスタンローラー
336 テープガイドローラー
337 加圧機構
340 移動ステージ
341 移動範囲
603 バインダー
A 集合体のベース側の一辺の長さ
B 集合体の高さ
C 集合体の底面
D 集合体の底面の外接円の直径

Claims (3)

  1. 導電性基体上に少なくとも非晶質Siを含む光電導層と非晶質材料からなる表面保護層を順次積層して形成される電子写真感光体を保持し回転させ、加圧弾性ローラに巻回させた研磨テープと該感光体の表面を加圧当接させながら該研磨テープを送ることによって、該感光体の研磨を行う研磨方法において、表面に研磨砥粒を含む集合体が規則的に配列している研磨テープを用いて研磨を行うことを特徴とする電子写真感光体の研磨方法。
  2. 前記研磨砥粒を含む集合体が多角錐または円錐であることを特徴とする、請求項1に記載の電子写真感光体の研磨方法。
  3. 前記感光体は円周方向の回転と同時に、回転方向とは直行する方向に交互運動する事を特徴とする、請求項1及び2に記載の電子写真感光体の研磨方法。
JP2007049667A 2007-02-28 2007-02-28 電子写真感光体の研磨方法 Pending JP2008216307A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007049667A JP2008216307A (ja) 2007-02-28 2007-02-28 電子写真感光体の研磨方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007049667A JP2008216307A (ja) 2007-02-28 2007-02-28 電子写真感光体の研磨方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008216307A true JP2008216307A (ja) 2008-09-18

Family

ID=39836467

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007049667A Pending JP2008216307A (ja) 2007-02-28 2007-02-28 電子写真感光体の研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008216307A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8177604B2 (en) 2009-01-30 2012-05-15 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Surface abrading method of photosensitive layer of electrophotographic photoreceptor

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8177604B2 (en) 2009-01-30 2012-05-15 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Surface abrading method of photosensitive layer of electrophotographic photoreceptor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1497367A (zh) 采用无载像构件清洁器的系统的成像设备
US6636715B2 (en) Photosensitive member and image forming apparatus having the same
JP4726209B2 (ja) 負帯電用電子写真感光体の製造方法、及び負帯電用電子写真感光体、及びそれを用いた電子写真装置
JP2008216307A (ja) 電子写真感光体の研磨方法
US10649354B2 (en) Electrophotographic photoreceptor and image forming apparatus
KR20120088506A (ko) 전자 사진 감광체의 제조 방법, 그리고 이 전자 사진 감광체를 이용한 프로세스 카트리지 및 화상 형성 장치
JP2004133397A (ja) 電子写真感光体
JP2004126216A (ja) 電子写真用感光体の研磨方法及び研磨装置
JP2006308743A (ja) 電子写真感光体
JP2013114145A (ja) 電子写真感光体及びその製造方法、並びにその感光体を用いた交換作像ユニット及び画像形成装置
JP2014002224A (ja) 堆積膜形成方法
JP3782680B2 (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置
JP6320160B2 (ja) コロナ放電器及び画像形成装置
JP2008051867A (ja) クリーニング方法、クリーニング装置及び画像形成装置
JP2004334119A (ja) 電子写真用感光体の研磨方法及び研磨装置
JP5554918B2 (ja) 光受容部材の製造方法
JP4448043B2 (ja) 電子写真感光体
JP3789081B2 (ja) 電子写真感光体及び電子写真装置
JP2021051265A (ja) 画像形成装置
JP2001142371A (ja) 電子写真装置
JP2002082463A (ja) 電子写真感光体および電子写真装置
JP2021043358A (ja) 画像形成装置
JP2001318480A (ja) 電子写真用感光体の後処理方法、及び研磨装置
JP2004126217A (ja) 電子写真用感光体の後処理方法及び研磨装置
JP4508910B2 (ja) a−Si電子写真用感光体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100201