JP2008215980A - センサ付車輪用軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軸受の剛性を下げることなく、車両にコンパクトに荷重検出用のセンサを設置できて、車輪にかかる荷重を感度良く検出でき、量産性に優れ、コスト低下が図れるセンサ付車輪用軸受を提供する。
【解決手段】 固定輪1と回転輪2の間に複列の転動体5を介在させた車輪用軸受において、少なくとも1つの送信部22および受信部23を有する超音波センサ21を前記固定輪1に設ける。超音波センサ21は、送信部22から回転輪2に設けた検出面に向けて超音波を発し、検出面で反射したエコーを受信部23で検知する構成とする。受信部23で検知したエコーの大きさもしくは反射時間より、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定する推定手段31を設ける。前記検出面は、例えば回転輪2の周面、または回転輪2に設けられたフランジ9aの側面とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 固定輪1と回転輪2の間に複列の転動体5を介在させた車輪用軸受において、少なくとも1つの送信部22および受信部23を有する超音波センサ21を前記固定輪1に設ける。超音波センサ21は、送信部22から回転輪2に設けた検出面に向けて超音波を発し、検出面で反射したエコーを受信部23で検知する構成とする。受信部23で検知したエコーの大きさもしくは反射時間より、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定する推定手段31を設ける。前記検出面は、例えば回転輪2の周面、または回転輪2に設けられたフランジ9aの側面とする。
【選択図】 図1
Description
この発明は、車輪の軸受部にかかる荷重を検出する荷重センサを内蔵したセンサ付車輪用軸受に関する。
従来、自動車の安全走行のために、各車輪の回転速度を検出するセンサを車輪用軸受に設けたものがある。従来の一般的な自動車の走行安全性確保対策は、各部の車輪の回転速度を検出することで行われているが、車輪の回転速度だけでは十分でなく、その他のセンサ信号を用いてさらに安全面の制御が可能なことが求められている。
そこで、車両走行時に各車輪に作用する荷重から姿勢制御を図ることも考えられる。例えばコーナリングにおいては外側車輪に大きな荷重がかかり、また左右傾斜面走行では片側車輪に、ブレーキングにおいては前輪にそれぞれ荷重が片寄るなど、各車輪にかかる荷重は均等ではない。また、積載荷重不均等の場合にも各車輪にかかる荷重は不均等になる。このため、車輪にかかる荷重を随時検出できれば、その検出結果に基づき、事前にサスペンション等を制御することで、車両走行時の姿勢制御(コーナリング時のローリング防止、ブレーキング時の前輪沈み込み防止、積載荷重不均等による沈み込み防止等)を行うことが可能となる。
また、今後ステアバイワイヤが導入されて、車軸とステアリングが機械的に結合しないシステムになってくると、車軸方向荷重を検出して運転手が握るハンドルに路面情報を伝達することが求められる。
このような要請に応えるものとして、車輪用軸受の外輪に超音波センサを設け、転動体と転走面の接触面積により変化するエコー比より荷重を検出する車輪用軸受が提案されている(例えば特許文献1,2)。また、変位センサを用いて軸受の回転輪と固定輪のギャップ(相対変位)を測定し、それから荷重を算出する車輪用軸受も提案されている(例えば特許文献3,4)。
特開2006−177932号公報
特開2006−292027号公報
特開2004−003918号公報
特開2004−232795号公報
しかし、特許文献1,2に開示された技術には、次のような問題があった。
・ 超音波が反射を繰り返して複雑に伝播するため、他の位置に設置された別の超音波センサに影響を及ぼし、荷重を正確に検出することが難しい。
・ 転動体と転走面の接触面に向けて超音波が発せられるように超音波センサを設置する必要があるため、超音波センサの位置決めが難しい。
・ 超音波センサの設置個数が少ないと転動体通過時しか荷重を測定できず、静荷重を測定するためには、複数個の超音波センサを設置するか、または送信部および受信部が幅広い超音波センサとする必要がある。
・ 超音波が反射を繰り返して複雑に伝播するため、他の位置に設置された別の超音波センサに影響を及ぼし、荷重を正確に検出することが難しい。
・ 転動体と転走面の接触面に向けて超音波が発せられるように超音波センサを設置する必要があるため、超音波センサの位置決めが難しい。
・ 超音波センサの設置個数が少ないと転動体通過時しか荷重を測定できず、静荷重を測定するためには、複数個の超音波センサを設置するか、または送信部および受信部が幅広い超音波センサとする必要がある。
また、特許文献3,4に開示された技術には、次のような問題があった。
・ 回転輪と固定輪の相対変位量が小さく、変位の検出が難しい。
・ 様々な方向の荷重を測定するためには、複数個のセンサを設ける必要がある。例えばタイヤの接地面に対して垂直方向にセンサを設置した場合、垂直方向の変位は検出できるが水平方向の変位は検出できない。
・ 渦電流方式や磁束の大きさによりギャップを検出する方式では、検出部と被検出部のギャップを狭くしなければならない。
・ 光学式の変位センサの場合、振動や汚れに弱い。
・ 回転輪と固定輪の相対変位量が小さく、変位の検出が難しい。
・ 様々な方向の荷重を測定するためには、複数個のセンサを設ける必要がある。例えばタイヤの接地面に対して垂直方向にセンサを設置した場合、垂直方向の変位は検出できるが水平方向の変位は検出できない。
・ 渦電流方式や磁束の大きさによりギャップを検出する方式では、検出部と被検出部のギャップを狭くしなければならない。
・ 光学式の変位センサの場合、振動や汚れに弱い。
この発明の目的は、軸受の剛性を下げることなく、車両にコンパクトに荷重検出用のセンサを設置できて、車輪にかかる荷重を感度良く検出でき、量産性に優れ、コスト低下が図れるセンサ付車輪用軸受を提供することである。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が周面に形成された固定輪と、この固定輪の転走面と対向する転走面を形成した回転輪と、対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、少なくとも1つの送信部および受信部を有する超音波センサを前記固定輪に設け、この超音波センサは、送信部から前記回転輪に設けた検出面に向けて超音波を発し、検出面で反射したエコーを受信部で検知する構成とし、前記超音波センサの受信部で検知したエコーの大きさより、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定する推定手段を設けたものである。
この発明の他のセンサ付車輪用軸受は、この発明の前記構成のセンサ付車輪用軸受において、前記推定手段として、エコーの大きさより、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定するものに代えて、前記超音波センサの受信部で検知したエコーの反射時間より、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定するものである。前記反射時間は、前記送信部から送信して前記受信部が受信するまでの時間であるが、反射時間によって生じる前記送信部と前記受信部の信号の位相差もこれに含まれる。
この発明の他のセンサ付車輪用軸受は、この発明の前記構成のセンサ付車輪用軸受において、前記推定手段として、エコーの大きさより、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定するものに代えて、前記超音波センサの受信部で検知したエコーの反射時間より、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定するものである。前記反射時間は、前記送信部から送信して前記受信部が受信するまでの時間であるが、反射時間によって生じる前記送信部と前記受信部の信号の位相差もこれに含まれる。
車両走行に伴い回転輪に荷重が加わると、回転輪が変形すると共に、その回転輪の変形が転動体を介して固定輪に伝わり、固定輪も変形する。固定輪に設けた超音波センサは、送信部から回転輪の検出面に向けて超音波を発し、検出面で反射した超音波を受信部で検知する。回転輪と固定輪の相対変位により受信部で検知したエコーの大きさや反射時間が変化するため、その大きさもしくは反射時間より荷重を推定することができる。受信部で検知したエコーの大きさや反射時間は、回転輪と固定輪の相対変位だけでなく、この相対変位により生じる検出面に対する入射角度および反射角度の変化によっても変わる。この現象を利用することで、数少ないセンサで様々な方向の荷重を推定することが可能になる。推定手段は、受信部で検知したエコーの大きさもしくは反射時間より、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定する。このようにして得られたタイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を自動車の車両制御に使用することにより、きめ細かな車両制御が可能となる。
超音波センサの場合、送信部と検出面、および検出面と受信部の間に、ある程度距離を離してもよいので設計の自由度が高い。超音波センサは、車輪用軸受に簡易な加工を施すだけで設置できるため、軸受の剛性を下げることなく、車両にコンパクトに設置でき、量産性に優れたものとなり、コスト低下が図れる。また、超音波センサは振動にも強い。さらに、超音波は指向性が良いため、少しの相対変位でも受信部で検知したエコーの大きさや反射時間が変化しやすく、感度の良い測定結果が得られる。さらに、この発明の構成によれば、超音波は空気中を伝播するため、複数個のセンサを設置しても互いに影響を及ぼし合うことが少なく、そのため複数個のセンサを設置して検出精度を向上させることが可能である。
超音波センサの場合、送信部と検出面、および検出面と受信部の間に、ある程度距離を離してもよいので設計の自由度が高い。超音波センサは、車輪用軸受に簡易な加工を施すだけで設置できるため、軸受の剛性を下げることなく、車両にコンパクトに設置でき、量産性に優れたものとなり、コスト低下が図れる。また、超音波センサは振動にも強い。さらに、超音波は指向性が良いため、少しの相対変位でも受信部で検知したエコーの大きさや反射時間が変化しやすく、感度の良い測定結果が得られる。さらに、この発明の構成によれば、超音波は空気中を伝播するため、複数個のセンサを設置しても互いに影響を及ぼし合うことが少なく、そのため複数個のセンサを設置して検出精度を向上させることが可能である。
前記検出面は、前記回転輪の周面、または前記回転輪に設けられたフランジの側面とすると良い。
検出面を回転輪の周面とした場合、検出面が円弧形状であるため、荷重により固定輪と回転輪の相対位置関係が変わったときの検出面に対する入射角および反射角の変化の程度が、超音波センサの取付箇所によって異なる。このため、超音波センサの取付箇所を適正に選択することで、様々な方向の荷重を検出することができる。また、検出面を回転輪に設けられたフランジの側面とした場合、フランジは回転輪の他の箇所に比べて変形が大きく現れる箇所であるため、回転輪と固定輪の相対変位を感度良く検出することができる。いずれの場合も、回転輪に検出面となる部材を別途設ける必要がないため、コンパクトな構造とすることができる。
検出面を回転輪の周面とした場合、検出面が円弧形状であるため、荷重により固定輪と回転輪の相対位置関係が変わったときの検出面に対する入射角および反射角の変化の程度が、超音波センサの取付箇所によって異なる。このため、超音波センサの取付箇所を適正に選択することで、様々な方向の荷重を検出することができる。また、検出面を回転輪に設けられたフランジの側面とした場合、フランジは回転輪の他の箇所に比べて変形が大きく現れる箇所であるため、回転輪と固定輪の相対変位を感度良く検出することができる。いずれの場合も、回転輪に検出面となる部材を別途設ける必要がないため、コンパクトな構造とすることができる。
前記超音波センサの送信部および受信部を別体とし、これら送信部および受信部を、送信部から前記検出面へ送信される超音波の中心の方向と前記検出面で受信部へ向けて反射されるエコーの中心の方向とが前記検出面の垂直面に対し角度が互いに対称となる位置関係で配置するのが好ましい。
超音波センサの送信部および受信部を別体とすると、設計の自由度が増す。その場合、送信部および受信部を上記位置関係で配置すれば、荷重による回転輪と固定輪の相対変位を感度良く測定できる。
超音波センサの送信部および受信部を別体とすると、設計の自由度が増す。その場合、送信部および受信部を上記位置関係で配置すれば、荷重による回転輪と固定輪の相対変位を感度良く測定できる。
前記超音波センサを、前記固定輪の周方向4箇所に設けても良い。
超音波センサを固定輪の周方向4箇所に設けると、それぞれの信号を演算して、タイヤと路面の接地点に作用する互いに直交する3軸方向の荷重等の様々な方向の荷重の大きさを推定することがより一層容易となる。
超音波センサを固定輪の周方向4箇所に設けると、それぞれの信号を演算して、タイヤと路面の接地点に作用する互いに直交する3軸方向の荷重等の様々な方向の荷重の大きさを推定することがより一層容易となる。
この発明のセンサ付車輪用軸受は、複列の転走面が周面に形成された固定輪と、この固定輪の転走面と対向する転走面を形成した回転輪と、対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、少なくとも1つの送信部および受信部を有する超音波センサを前記固定輪に設け、この超音波センサは、送信部から前記回転輪に設けた検出面に向けて超音波を発し、検出面で反射したエコーを受信部で検知する構成とし、前記超音波センサの受信部で検知したエコーの大きさもしくは反射時間より、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定する推定手段を設けたため、超音波センサにより固定輪と回転輪の相対位置変化を測定し、その変化量より車輪にかかる荷重を感度良く検出することが可能になり、この検出した荷重を自動車の車両制御に使用することができる。超音波センサは、車輪用軸受に簡易な加工を施すだけで設置できるため、軸受の剛性を下げることなく、車両にコンパクトに設置でき、量産性に優れたものとなり、コスト低下が図れる。
この発明の実施形態を図1ないし図3と共に説明する。この実施形態は、第3世代型の内輪回転タイプで、駆動輪支持用の車輪用軸受に適用したものである。なお、この明細書において、車両に取付けた状態で車両の車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車両の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。図1では、左側がアウトボード側、右側がインボード側となる。
このセンサ付車輪用軸受は、内周に複列の転走面3を形成した外方部材1と、これら各転走面3に対向する転走面4を形成した内方部材2と、これら外方部材1および内方部材2の転走面3,4間に介在する複列の転動体5とで構成される。この車輪用軸受は、複列のアンギュラ玉軸受型とされていて、転動体5はボールからなり、各列毎に保持器6で保持されている。上記転走面3,4は断面円弧状であり、ボール接触角が背面合わせになるように形成されている。外方部材1と内方部材2との間の軸受空間の両端は、密封装置7,8によりそれぞれ密封されている。
外方部材1は固定輪となるものであって、車体の懸架装置(図示せず)におけるナックルに取付ける車体取付フランジ1aを外周に有し、全体が一体の部品とされている。フランジ1aには、周方向の複数箇所に内周に雌ねじ部が形成された車体取付孔14が設けられている。
内方部材2は回転輪となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、ホイールおよび制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
内方部材2は回転輪となるものであって、車輪取付用のハブフランジ9aを有するハブ輪9と、このハブ輪9の軸部9bのインボード側端の外周に嵌合した内輪10とでなる。これらハブ輪9および内輪10に、前記各列の転走面4が形成されている。ハブ輪9のインボード側端の外周には段差を持って小径となる内輪嵌合面12が設けられ、この内輪嵌合面12に内輪10が嵌合している。ハブ輪9の中心には貫通孔11が設けられている。ハブフランジ9aには、周方向複数箇所にハブボルト(図示せず)の圧入孔15が設けられている。ハブ輪9のハブフランジ9aの根元部付近には、ホイールおよび制動部品(図示せず)を案内する円筒状のパイロット部13がアウトボード側に突出している。
外方部材1の内周面における一対の転走面3間に、荷重検出用の超音波センサ21を取付けたセンサ取付リング20が嵌合している。超音波センサ21は、送信部22および受信部23を有し、送信部22から発せられる超音波が検出面である内方部材2の外周面に反射し、その反射したエコーを受信部23が受信するようになっている。図3に示すように、送信部22および受信部23は別体とされており、送信部22から内方部材2の外周面へ送信される超音波の中心L1の方向と、内方部材2の外周面で受信部23へ向けて反射されるエコーの中心L2の方向とが内方部材2の外周面の垂直面24に対し角度αが互いに対称となる位置関係で配置されている。この実施形態では、送信部22および受信部23が1個ずつ設けられているが、その数は特に限定しない。また、超音波センサを1箇所に設ける場合、その設置場所は特に限定しない。
図1に示すように、超音波センサ21の出力を処理する手段として、超音波センサ21の出力からタイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定する推定手段31、およびこの推定手段31の推定結果から外部に異常信号を出力する異常判定手段32が設けられている。これら手段31,32は、この車輪用軸受の外方部材1等に取付けられた回路基板等に電子回路装置(図示せず)に設けられたものであっても、また自動車の電気制御ユニット(ECU)に設けられたものであっても良い。
上記構成のセンサ付車輪用軸受の作用を説明する。ハブ輪9に荷重が印加されると、ハブ輪9が変形すると共に、そのハブ輪9の変形が転動体5を介して外方部材1に伝わり、外方部材1も変形する。外方部材1に設けられた超音波センサ21は、送信部22から内方部材2の外周面に向けて超音波を発し、内方部材2の外周面で反射したエコーを受信部23で検知する。外方部材1と内方部材2の相対変位により受信部23で検知するエコーの大きさや反射時間が変化するため、その大きさもしくは反射時間より荷重を推定することができる。ここで、前記反射時間は、前記送信部から送信して前記受信部が受信するまでの時間である。反射時間は、送信部22からパルス状の超音波を送信し、受信部23で受信した超音波との位相差から求めることができる。超音波センサ21の送信部22および受信部23は、送信部22から検出面へ送信される超音波の中心L1の方向と検出面で受信部23へ向けて反射されるエコーの中心L2の方向とが検出面の垂直面24に対し角度αが互いに対称となる位置関係で配置されているため、荷重による外方部材1と内方部材2の相対変位を感度良く測定できる。
この実施形態では、検出面が円周状をした内方部材2の外周面であるため、受信部23で検知したエコーの大きさや反射時間は、外方部材1と内方部材2の相対変位だけでなく、この相対変位により生じる内方部材2の外周面での入射角度および反射角度の変化によっても変わる。この現象を利用することで、数少ないセンサで様々な方向の荷重を推定することが可能である。
この実施形態では、検出面が円周状をした内方部材2の外周面であるため、受信部23で検知したエコーの大きさや反射時間は、外方部材1と内方部材2の相対変位だけでなく、この相対変位により生じる内方部材2の外周面での入射角度および反射角度の変化によっても変わる。この現象を利用することで、数少ないセンサで様々な方向の荷重を推定することが可能である。
荷重の方向や大きさによって前記相対変位の変化が異なるため、予め相対変位と荷重の関係を実験やシミュレーションにて求めておけば、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定することができる。前記推定手段31は、受信部23で検知したエコーの大きさもしくは反射時間より、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定する。すなわち、前記推定手段31は、前記受信部23で検知したエコーの大きさもしくは反射時間と、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量との関係が設定された計算式またはテーブル等の関係設定手段(図示せず)を有していて、検出信号を前記関係設定手段と照合することで、前記推定を行う。また、前記異常判定手段32は、推定手段31により推定されたタイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量が任意に設定された許容値を超えたと判断される場合に、外部に異常信号を出力する。この異常信号を、自動車の車両制御に使用することができる。リアルタイムでタイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を出力すると、よりきめ細かな車両制御が可能となる。
超音波センサ21の場合、送信部22と検出面、および検出面と受信部23の間に、ある程度距離を離してもよく、しかもこの実施形態では送信部22および受信部23を別体としているため、設計の自由度がきわめて高い。超音波センサ21は、センサ取付リング20を用いることで、車輪用軸受に簡易な加工を施すだけで設置できるため、軸受の剛性を下げることなく、車両にコンパクトに設置でき、量産性に優れたものとなり、コスト低下が図れる。また、超音波センサ21は振動にも強い。さらに、超音波は指向性が良いため、少しの相対変位でも受信部23で検知するエコーの大きさや反射時間が変化しやすく、感度の良い測定結果が得られる。さらに、超音波センサ21を用いるこの発明の構成とすれば、超音波は空気中を伝播するため、複数個のセンサを設置しても互いに影響を及ぼし合うことが少なく、そのため複数個のセンサを設置して検出精度を向上させることが可能である。
この実施形態は、超音波センサ21を外方部材1の1箇所にだけ設けた構成としているが、図4に示すように、超音波センサ21を周方向の4箇所に設けるとより好ましい。超音波センサ21を周方向の4箇所に設けると、各超音波センサ21の出力を比較することで、荷重の方向が推定しやすくなる。例えば、タイヤと路面の接地点に作用する互いに直交する3軸方向の荷重Fz、Fx,Fy等の様々な方向の荷重の大きさを推定することができる。3軸方向とは、垂直方向であるZ軸方向、車両の前後方向であるX軸方向、車幅方向であるY軸方向のことである(図1参照)。
図5および図6は異なる実施形態を示す。前記実施形態が超音波センサ21の検出面を内方部材2の外周面としているのに対し、この実施形態は、超音波センサ21の検出面を内方部材2のハブフランジ9aの側面としたものである。超音波センサ21は、外方部材1の外周面にねじ等により固定されたセンサ取付部材25に取付けられている。超音波センサ21の送信部22から発せられる超音波がハブフランジ9aの側面で反射し、その反射したエコーを受信部23が受信するようになっている。超音波センサ21は、外方部材1に直接固定してもよい。他は前記実施形態と同じ構成であり、同一構成箇所については同一符号を付してある。
ハブフランジ9aはハブ輪9に荷重が印加されたときに他の箇所に比べて変形が大きく現れる箇所であるため、この実施形態のようにハブフランジ9aの側面を検出面とすると、超音波センサ21により、外方部材1と内方部材2の相対変位を感度良く検出することができる。
また、本実施形態のように、検出面を、ハブフランジ9aの側面のハブボルト(図示なし)が通過する位置とすれば、ハブボルトの端面とハブフランジ9aの側面は、前記超音波センサ21からの距離が異なるため、反射エコーの大きさが変化する。そのため、検出信号を任意のしきい値でデジタル信号に変換すれば、ハブボルトの通過周期が容易に算出することができ、ハブボルトの設置個数より、回転輪である内方部材2の回転速度を容易に算出することができる。
検出面をハブフランジ9aの側面とした場合も、前記実施形態と同様、図7に示すように、超音波センサ21を周方向の4箇所に設けると、各超音波センサ21の出力を比較することで、荷重の方向が推定しやすくなり、より好ましいものとなる。
ハブフランジ9aはハブ輪9に荷重が印加されたときに他の箇所に比べて変形が大きく現れる箇所であるため、この実施形態のようにハブフランジ9aの側面を検出面とすると、超音波センサ21により、外方部材1と内方部材2の相対変位を感度良く検出することができる。
また、本実施形態のように、検出面を、ハブフランジ9aの側面のハブボルト(図示なし)が通過する位置とすれば、ハブボルトの端面とハブフランジ9aの側面は、前記超音波センサ21からの距離が異なるため、反射エコーの大きさが変化する。そのため、検出信号を任意のしきい値でデジタル信号に変換すれば、ハブボルトの通過周期が容易に算出することができ、ハブボルトの設置個数より、回転輪である内方部材2の回転速度を容易に算出することができる。
検出面をハブフランジ9aの側面とした場合も、前記実施形態と同様、図7に示すように、超音波センサ21を周方向の4箇所に設けると、各超音波センサ21の出力を比較することで、荷重の方向が推定しやすくなり、より好ましいものとなる。
なお、前記各実施形態では、外方部材1が固定輪である場合につき説明したが、この発明は、内方部材が固定輪である車輪用軸受にも適用することができる。その場合、超音波センサ21は内方部材に設置し、外方部材の内周面、または外方部材に設けられたフランジの側面を検出面とする。
また、前記各実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第1または第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。
また、前記各実施形態では第3世代型の車輪用軸受に適用した場合につき説明したが、この発明は、軸受部分とハブとが互いに独立した部品となる第1または第2世代型の車輪用軸受や、内方部材の一部が等速ジョイントの外輪で構成される第4世代型の車輪用軸受にも適用することができる。また、このセンサ付車輪用軸受は、従動輪用の車輪用軸受にも適用でき、さらに各世代形式のテーパころタイプの車輪用軸受にも適用することができる。
1…外方部材(固定輪)
2…内方部材(回転輪)
3,4…転走面
5…転動体
9…ハブ輪
9a…ハブフランジ
20…センサ取付リング
21…超音波センサ
22…送信部
23…受信部
24…検出面の垂直面
25…センサ取付部材
L1…送信部から検出面へ送信される超音波の中心
L2…検出面で受信部へ向けて反射されるエコーの中心
2…内方部材(回転輪)
3,4…転走面
5…転動体
9…ハブ輪
9a…ハブフランジ
20…センサ取付リング
21…超音波センサ
22…送信部
23…受信部
24…検出面の垂直面
25…センサ取付部材
L1…送信部から検出面へ送信される超音波の中心
L2…検出面で受信部へ向けて反射されるエコーの中心
Claims (6)
- 複列の転走面が周面に形成された固定輪と、この固定輪の転走面と対向する転走面を形成した回転輪と、対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
少なくとも1つの送信部および受信部を有する超音波センサを前記固定輪に設け、この超音波センサは、送信部から前記回転輪に設けた検出面に向けて超音波を発し、検出面で反射したエコーを受信部で検知する構成とし、前記超音波センサの受信部で検知したエコーの大きさより、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定する推定手段を設けたことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。 - 複列の転走面が周面に形成された固定輪と、この固定輪の転走面と対向する転走面を形成した回転輪と、対向する転走面間に介在した複列の転動体とを備え、車体に対して車輪を回転自在に支持する車輪用軸受において、
少なくとも1つの送信部および受信部を有する超音波センサを前記固定輪に設け、この超音波センサは、送信部から前記回転輪に設けた検出面に向けて超音波を発し、検出面で反射したエコーを受信部で検知する構成とし、前記超音波センサの受信部で検知したエコーの反射時間より、タイヤと路面間の作用力、または車輪用軸受の予圧量を推定する推定手段を設けたことを特徴とするセンサ付車輪用軸受。 - 請求項1または請求項2において、前記検出面は、前記回転輪の周面であるセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1または請求項2において、前記検出面は、前記回転輪に設けられたフランジの側面であるセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、前記超音波センサの送信部および受信部を別体とし、これら送信部および受信部を、送信部から前記検出面へ送信される超音波の中心の方向と前記検出面で受信部へ向けて反射されるエコーの中心の方向とが前記検出面の垂直面に対し角度が互いに対称となる位置関係で配置したセンサ付車輪用軸受。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、前記超音波センサを、前記固定輪の周方向4箇所に設けたセンサ付車輪用軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007052394A JP2008215980A (ja) | 2007-03-02 | 2007-03-02 | センサ付車輪用軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007052394A JP2008215980A (ja) | 2007-03-02 | 2007-03-02 | センサ付車輪用軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008215980A true JP2008215980A (ja) | 2008-09-18 |
Family
ID=39836197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007052394A Pending JP2008215980A (ja) | 2007-03-02 | 2007-03-02 | センサ付車輪用軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008215980A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5542221B1 (ja) * | 2013-02-07 | 2014-07-09 | 公立大学法人高知工科大学 | 軸受にかかる垂直荷重および/または軸荷重の検出装置および検出方法 |
-
2007
- 2007-03-02 JP JP2007052394A patent/JP2008215980A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5542221B1 (ja) * | 2013-02-07 | 2014-07-09 | 公立大学法人高知工科大学 | 軸受にかかる垂直荷重および/または軸荷重の検出装置および検出方法 |
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