JP2008215950A - 印刷性能判定基準チャート、印刷性能判定対象チャート及び印刷装置 - Google Patents

印刷性能判定基準チャート、印刷性能判定対象チャート及び印刷装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008215950A
JP2008215950A JP2007051770A JP2007051770A JP2008215950A JP 2008215950 A JP2008215950 A JP 2008215950A JP 2007051770 A JP2007051770 A JP 2007051770A JP 2007051770 A JP2007051770 A JP 2007051770A JP 2008215950 A JP2008215950 A JP 2008215950A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
color
performance determination
chart
printing performance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007051770A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumie Chiyuuzai
史江 中財
Shinya Kitaoka
伸也 北岡
Toshihide Kaga
敏秀 加賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2007051770A priority Critical patent/JP2008215950A/ja
Publication of JP2008215950A publication Critical patent/JP2008215950A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Spectrometry And Color Measurement (AREA)
  • Facsimile Image Signal Circuits (AREA)
  • Color Image Communication Systems (AREA)

Abstract

【課題】色較正の必要性(印刷性能)を判定するために用いられる適切な印刷性能判定基準チャート等を提供する。
【解決手段】印刷性能判定の対象となる印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷性能判定基準チャートにおいて、ブラックの色要素からなる第1領域と、シアン、マゼンタ、イエローの各色要素からなり、それぞれの前記各色要素が、前記第1領域に構成された前記ブラックと同色になるような構成比で構成される第2領域と、を有する経時変化判定領域と、複数の所定の基準色を所定の許容色範囲上下に変動させた上限色のパッチと、下限色のパッチと、を有する前記印刷装置の印刷性能判定基準領域と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、印刷装置の印刷性能判定を行うために用いられる印刷性能判定基準チャート等に関する。
従来から、紙等の印刷媒体に文字、画像を印刷するために印刷装置が用いられている。当該印刷装置は経時変化等により印刷性能が変動することがあり、その際には、当該印刷性能を正常な状態に戻すため、印刷装置に対して色較正等が行われていた(特許文献1、2)。しかし、印刷性能に変動が生じていた場合であっても、例えば、インクジェットプリンタ等の印刷装置の場合、インクノズルのつまり・インクカートリッジ内における顔料の沈殿等が原因で出力色が異常になっている(印刷性能が変動している)場合には、原因を排除せずに色較正を行っても、印刷性能を正常な状態に戻す効果は十分得られないといった問題が生じていた。
よって、近年では色較正の効果が十分得られる場合にのみ色較正を行うべく、色較正の前段階として色較正の必要性(印刷性能)を判定する工程を備えた印刷装置が開発されている(特許文献3)。
ここで、色較正の必要性(印刷性能)を判定する際にはカラーチャート等を用いるが、この際使用するカラーチャート自身に褪色等の経時変化が生じている場合には、色較正の必要性(印刷性能)を正確に判定できないため、当該カラーチャートは褪色等の経時変化が生じていない正常なカラーチャートを用いる必要がある。
特開2000−346707号公報 特開2002−232730号公報 特開2000−238298号公報
しかしながら、上記特許文献3に記載された発明においても、現実には色較正の必要性(印刷性能)を判定する際に使用するカラーチャートについて褪色等の経時変化が生じているか否かについてまでは考慮されておらず、使用するカラーチャートが、色較正の必要性(印刷性能)を判定できる状態か否かを考慮せずに色較正が行われていることが多い。よって、色較正の必要性(印刷性能)を判定するために適切でないカラーチャートを用いて色較正の必要性(印刷性能)の判定がなされる場合もあり、色較正の必要性(印刷性能)の適切な判定がなされないという問題が生じていた。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、色較正の必要性(印刷性能)を判定するために用いられる適切な印刷性能判定基準チャート等を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、印刷性能判定の対象となる印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷性能判定基準チャートにおいて、ブラックの色要素からなる第1領域と、複数の色要素からなり、前記各色要素の構成比が、前記第1領域に構成された前記ブラックと同色になるような構成比で混色され構成される第2領域と、
を有する前記印刷媒体の経時変化判定領域と、複数の所定の基準色を所定の許容色範囲上下に変動させた上限色のパッチと、下限色のパッチと、を有する前記印刷装置の印刷性能判定基準領域と、を備えることを特徴とする。
これによれば、印刷性能判定基準チャートの経時変化判定領域において、印刷性能判定基準チャート自身が、印刷装置の印刷性能判定を行うために用いられるに適したチャートであるか否か、具体的には、印刷性能判定基準チャートを印刷した印刷媒体等に経時変化が生じているか否かの判定を行うことにより、褪色等の経時変化が生じていない正常な状態の印刷性能判定基準チャートを用いて印刷性能判定を行うことができるため、色較正の必要性(印刷性能)を適切に判定することができる。
また、許容色範囲に基づいて色較正の必要性(印刷性能)を判定できるため、使用者の個人差によって生じる色較正の必要性(印刷性能)の判定のばらつきもなく、色較正の必要性(印刷性能)を正確に判定できる。
更に、簡易な方法で色較正の必要性(印刷性能)を判定できるため、色較正の頻度を減らし、色較正に伴う使用者の負荷を軽減することができる。
上記課題を解決するための請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷性能判定基準チャートにおいて、前記印刷媒体に印刷された前記上限色のパッチと前記下限色のパッチとに隣接した箇所を切り抜いて成る窓部を有することを特徴とする。
これによれば、印刷性能判定基準チャートの窓部から印刷性能判定対象チャートのパッチが見えるように設置し、この窓部より印刷性能判定対象チャートのパッチのそれぞれの色要素が、印刷性能判定基準チャートの許容色範囲の上限である上限色のパッチの示すそれぞれの色要素の上限を超えていないか(範囲内であるか)、更に、許容色範囲の下限である下限色のパッチの示すそれぞれの色要素の下限を超えていないか(範囲内であるか)を判定することができることにより、印刷性能判定をより容易に正確に行うことができる。
上記課題を解決するための請求項3に記載の発明は、印刷性能判定の対象となる印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷性能判定対象チャートであって、請求項1又は請求項2に記載の前記印刷性能判定基準チャートと比較して、印刷性能判定を行うための前記印刷性能判定対象チャートにおいて、前記第1領域と前記第2領域を有する前記印刷装置の第1の印刷性能判定領域と、前記上限色のパッチ及び前記下限色のパッチと、比較すべきパッチであって、前記印刷性能判定基準チャートの複数の所定の基準色と同じ色要素からなる前記パッチを有する前記印刷装置の第2の印刷性能判定領域と、を備えることを特徴とする。
これによれば、印刷性能判定対象チャートの第1の印刷性能判定領域において、印刷性能判定対象チャート自身が、印刷装置の印刷性能判定を行うために用いられるに適したチャートであるか否か、具体的には、印刷性能判定対象チャートの出力色が印刷性能判定時に既に安定な状態に達しているか否か(出力色に変動が生じているか否か)の判定を行うことにより、出力色が安定した状態の印刷性能判定対象チャートを用いて印刷性能判定ができるため、色較正の必要性(印刷性能)を適切に判定することができる。
上記課題を解決するための請求項4に記載の発明は、印刷性能判定の対象となる印刷装置において、ブラックと、当該ブラックと同色になるような構成比で混色され構成された複数の色要素と、からなる第1の印刷媒体の経時変化判定領域と、複数の所定の基準色を所定の許容色範囲上下に変動させた上限色のパッチと、下限色のパッチと、からなる前記印刷装置の印刷性能判定基準領域と、を備える当該印刷装置の印刷性能判定基準チャートを作成する印刷性能判定基準チャート作成手段と、前記印刷性能判定基準チャートを前記第1の印刷媒体に印刷する印刷性能判定基準チャート印刷手段と、を有することを特徴とする。
これによれば、印刷性能判定基準チャートの経時変化判定領域において、印刷性能判定基準チャート自身が、印刷装置の印刷性能判定を行うために用いられるに適したチャートであるか否か、具体的には、印刷性能判定基準チャートを印刷した印刷媒体等に経時変化が生じているか否かの判定を行うことにより、褪色等の経時変化が生じていない正常な状態の印刷性能判定基準チャートを用いて印刷性能判定を行うことができるため、色較正の必要性(印刷性能)を適切に判定することができる。
また、許容色範囲に基づいて色較正の必要性(印刷性能)を判定できるため、使用者の個人差によって生じる色較正の必要性(印刷性能)の判定のばらつきもなく、色較正の必要性(印刷性能)を正確に判定できる。
更に、簡易な方法で色較正の必要性(印刷性能)を判定できるため、色較正の頻度を減らし、色較正に伴う使用者の負荷を軽減することができる。
上記課題を解決するための請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の印刷装置において、前記印刷性能判定基準チャートは、前記第1の印刷媒体に印刷された前記上限色のパッチと前記下限色のパッチとに隣接した箇所を切り抜いて成る窓部を有することを特徴とする。
これによれば、印刷性能判定基準チャートの窓部から印刷性能判定対象チャートのパッチが見えるように設置し、この窓部より印刷性能判定対象チャートのパッチのそれぞれの色要素が、印刷性能判定基準チャートの許容色範囲の上限である上限色のパッチの示すそれぞれの色要素の上限を超えていないか(範囲内であるか)、更に、許容色範囲の下限である下限色のパッチの示すそれぞれの色要素の下限を超えていないか(範囲内であるか)を判定することができることにより、印刷性能判定をより容易に正確に行うことができる。
上記課題を解決するための請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の印刷装置において、前記印刷性能判定基準チャート印刷手段によって印刷された前記印刷性能判定基準チャートと比較して、当該印刷装置の印刷性能判定を行うための印刷性能判定対象チャートであって、前記ブラックと、当該ブラックと同色になるような構成比で混色され構成された複数の色要素からなる前記印刷装置の前記第1の印刷性能判定領域と、前記印刷性能判定基準チャートの前記上限色のパッチ及び前記下限色のパッチと比較すべきパッチであって、前記印刷性能判定基準チャートの複数の所定の基準色と同じ色要素からなる前記パッチからなる前記印刷装置の第2の印刷性能判定領域と、を備える前記印刷性能判定対象チャートを作成する印刷性能判定対象チャート作成手段と、前記印刷性能判定対象チャートを第2の印刷媒体に印刷する印刷性能判定対象チャート印刷手段と、を有することを特徴とする。
これによれば、印刷性能判定対象チャートの第1の印刷性能判定領域において、印刷性能判定対象チャート自身が、印刷装置の印刷性能判定を行うために用いられるに適したチャートであるか否か、具体的には、印刷性能判定対象チャートの出力色が印刷性能判定時に既に安定な状態に達しているか否か(出力色に変動が生じているか否か)の判定を行うことにより、出力色が安定した状態の印刷性能判定対象チャートを用いて印刷性能判定ができるため、色較正の必要性(印刷性能)を適切に判定することができる。
上記課題を解決するための請求項7に記載の発明は、請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置において、前記第2の印刷媒体は、前記第1の印刷媒体と同じ材質からなることを特徴とする。
これによれば、第2の印刷媒体は、第1の印刷媒体と同じ材質からなることによって、第1の印刷媒体に印刷された印刷性能判定基準チャートの上限色のパッチ、下限色のパッチと第2の印刷媒体に印刷された印刷性能判定対象チャートのパッチの色要素を比較し、色較正の必要性(印刷性能)を適切に判定することができる。
本発明によれば、印刷性能判定基準チャートの経時変化判定領域において、印刷性能判定基準チャート自身が、印刷装置の印刷性能判定を行うために用いられるに適したチャートであるか否か、具体的には、印刷性能判定基準チャートを印刷した印刷媒体等に経時変化が生じているか否かの判定を行うことにより、褪色等の経時変化が生じていない正常な状態の印刷性能判定基準チャートを用いて印刷性能判定を行うことができるため、色較正の必要性(印刷性能)を適切に判定することができる。
また、許容色範囲に基づいて色較正の必要性(印刷性能)を判定できるため、使用者の個人差によって生じる色較正の必要性(印刷性能)の判定のばらつきもなく、色較正の必要性(印刷性能)を正確に判定できる。
更に、簡易な方法で色較正の必要性(印刷性能)を判定できるため、色較正の頻度を減らし、色較正に伴う使用者の負荷を軽減することができる。
以下、本発明の最良の実施形態について図面を用いて説明する。
本実施形態は、印刷装置において色較正の必要性(印刷性能)を判定すべく、当該印刷装置自身が、まず、ブラックと、当該ブラックと同色になるような構成比で混色され構成された複数の色要素と、からなる第1の印刷媒体の経時変化判定領域と、複数の所定の基準色を所定の許容色範囲上下に変動させた上限色のパッチと、下限色のパッチと、からなる印刷装置の印刷性能判定基準領域と、を備える印刷装置の印刷性能判定基準チャートを作成し、印刷性能判定基準チャートを第1の印刷媒体に印刷する。更に、後述するように印刷性能判定対象チャートを作成し、印刷性能判定対象チャートを第2の印刷媒体に印刷した後、印刷性能判定基準チャートと印刷性能判定対象チャートを使用者に提示し、両者を比較させて印刷性能判定を行う手法について本発明を適用した例を示す。
なお、本発明の印刷装置の色要素は、CMYK4色には限定されないものとする。CMYK4色に加え、例えば、Lc(ライトシアン)、Lm(ライトマゼンタ)、R(レッド)やG(グリーン)の色要素を使用する印刷装置でもよい。
[印刷装置の構造及び機能]
次に、図1を用いて、本実施形態にかかる印刷装置を構成する各部の構造及び機能について説明する。
図1は、本発明の印刷装置の概要構成を示すブロック図である。
同図に示すように印刷装置1は、印刷性能判定基準チャート作成手段、印刷性能判定対象チャート作成手段として機能する制御部11と、記憶部12と、表示部13と、印刷性能判定基準チャート印刷手段と、印刷性能判定対象チャート印刷手段として機能する印刷出力部14と、を備えて構成されており、制御部11、記憶部12、表示部13、印刷出力部14はバス15を介して相互に接続されている。
制御部11は、図示しない演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM(Random Access Memory)、本発明の印刷プログラムを含む各種制御プログラムやデータ等を記憶するROM(Read Only Memory)及び発振回路等を備えて構成されており、図示しない操作部からの操作信号に基づいて、当該操作信号に含まれている操作情報に対応する動作を実現すべく上記各構成部材を制御するための制御情報を生成し、バス15を介して当該制御情報を該当する構成部材に出力して当該各構成部材の動作を統轄制御する。また、制御部11は、ROM等に記憶された各種制御プログラムを実行することにより、上記各部材と共に本発明の印刷性能判定基準チャート作成手段、印刷性能判定対象チャート作成手段として機能するようになっている。なお、制御部11における具体的処理は次の印刷性能判定チャート作成処理の説明において詳細に述べる。
記憶部12は、後に詳述する印刷性能判定基準チャート作成処理及び印刷性能判定対象チャート作成処理によって作成した印刷性能判定基準チャートと印刷性能判定対象チャートとを記憶する。
表示部13は、使用者が図示しないマウス等で構成された操作入力部を操作することにより、後に詳述する印刷性能判定基準チャート作成処理及び印刷性能判定対象チャート作成処理によって作成した印刷性能判定基準チャートと印刷性能判定対象チャートとを画面上に表示することができるようになっている。
印刷出力部14は、印刷性能判定基準チャート印刷手段、印刷性能判定対象チャート印刷手段として機能し、後に詳述する印刷性能判定基準チャート作成処理及び印刷性能判定対象チャート作成処理によって作成した印刷性能判定基準チャートと印刷性能判定対象チャートを印刷(出力)するためのものである。
[印刷性能判定基準チャート]
まず、本実施形態に係る印刷性能判定基準チャートについて、図2乃至図4を用いて説明する。図2は、本発明の印刷性能判定基準チャートを示す概略図であり、図3(a)(b)は、経時変化判定領域又は第1の印刷性能判定領域における状態変化を示す図であり、図4は、印刷性能判定基準チャートの窓部を示す概略図である。
印刷性能判定基準チャート21は、印刷性能判定基準チャート21自身が印刷装置の印刷性能判定を行う際に用いられるものとして適切であるか否かを判定するため、更に、印刷装置の印刷性能判定を行うため、に用いられるチャートである。印刷装置が正常な出力状態(印刷性能が変動する前段階)で予め出力しておくものであり、このチャートが印刷性能を判定する基準のチャートとなる。図2に示すように、印刷性能判定基準チャート21は、経時変化判定領域22と、印刷性能判定領域23を備えている。
(I)経時変化判定領域22
経時変化判定領域22は、図2に示すように、印刷性能判定基準チャート21が印刷装置1の印刷性能判定を行う際に用いられるものとして適切であるか否かを判定するために用いられる領域である。具体的には、印刷装置の印刷性能判定を適切に行うためには、褪色等の経時変化が生じていない状態の印刷性能判定基準チャート21を用いて印刷性能判定を行う必要があるため、印刷性能判定基準チャート21に経時変化が生じているか否かの判定を行う必要がある。よってこれを判定するための領域である。ここで、経時変化判定領域22には、第1領域24と第2領域25が備えられている。
(i)第1領域24
第1領域24は、図2に示すように、経時変化判定領域22のうち、後述する第2領域25(バツ印の形状)を除く部分である。当該第1領域24は、色要素K(ブラック)のみから構成されている。なおここでは、第1領域24を黒で表さず、便宜上白で表している。実際には第1領域24は、図3(a)(b)に示すようなブラックで構成されている。
(ii)第2領域25
第2領域25は、バツ印の形状部分である。当該形状は図2に示すようにバツ印で表されているが、特に第2領域の形状は限定することはなく、例えば、バツ印の他にアルファベットのような文字等であってもよい。第2領域25は、複数の色要素、例えば、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)等の各色要素から構成されている。おな、CMYK4色には限定されないものとする。CMYK4色に加え、例えば、Lc(ライトシアン)、Lm(ライトマゼンタ)、R(レッド)やG(グリーン)の色要素から構成されていてもよい。第2領域25は、上記した色要素によって構成されるが、それぞれの各色要素の構成比が、第1領域24で構成されたブラックと同色になるような構成比で混色され構成される。なおここでは、第2領域25を黒で表さず、便宜上白で表している。実際には第2領域25は、図3(a)(b)に示すようにブラックで構成されている。条件等色には、ICCプロファイルや色変換LUTを使用した一般的なカラーマッチング手法を用いてもよい。詳しくは後述する。
(iii)経時変化判定方法
上述したように、第2領域25は、それぞれの各色要素の構成比が、第1領域24で構成されたブラックと同色になるような構成比で混色され構成されている(条件等色されている)ため、第2領域25は、印刷性能判定基準チャート21に褪色等の経時変化が生じていない場合(通常状態)には、図3(a)に示すように、第1領域24と第2領域25との条件等色が成り立つため、第2領域25のバツ印の形状が浮き出てこない。なお、第2領域25のバツ印の形状を示す点線は便宜上示したものであって、実際には点線はなく、第1領域と第2領域はともにブラックにより構成されているため第1領域24と第2領域25との境目はわからないものである。
一方、第2領域25は、初めはそれぞれの各色要素が、第1領域24で構成されたブラックと同色になるような構成比で構成されている(条件等色されている)ため、第2領域25のバツ印の形状が浮き出ていないが、印刷性能判定基準チャート21に褪色等の経時変化が生じた場合には、図3(b)に示すように、第1領域24と第2領域25との条件等色が成り立たたず、両者の色が異なるため、第2領域25のバツ印の形状が浮き出てくる。
よって、経時変化判定領域22の第1領域24と第2領域25を比較し、第2領域25のバツ印の形状が浮き出ているか否かを判定することにより、印刷性能判定基準チャート21に褪色等の経時変化が生じているか否かを判定することができる。これにより、印刷性能判定基準チャート21自身が印刷装置1の印刷性能判定を行う際に用いられるものとして適切であるか否かを判定することができる。
(II)印刷性能判定基準領域23
印刷性能判定基準領域23は、図2に示すように、印刷装置1の印刷性能の判定を行う際に用いられる領域である。ここで、印刷性能判定基準領域23には、複数の所定の基準色を所定の許容色範囲上下に変動させた上限色のパッチ26と、下限色のパッチ27と、が備えられている。上限色のパッチ26と、下限色のパッチ27とを説明するため、まず基準色について説明する。
(i)基準色
基準色は、上限色のパッチ26と下限色のパッチ27を作成するための基準となる色である。具体的には、複数の所定の基準色を決定し、後述するように、その基準色を所定の許容色範囲上下に変動させて上限色のパッチ26と下限色のパッチ27を作成するものである。
ここで、基準色は印刷装置1の色要素(1次色)、色要素を混色した2〜4次色、空・木々といった記憶色やグレー等の複数色を基準色とすることが可能である。なお、印刷性能判定の対象である印刷装置1が、オフセットやグラビアあるいはフレキソ印刷機のプルーフシステムとしての役割を果たす場合は、これらの印刷機のインキ(1次色)、インキ色を混色した2〜4次色、これらの印刷機上で再現される空・木々といった記憶色やグレー等を基準色としても良い。
(ii)上限色のパッチ26と下限色のパッチ27
上限色のパッチ26は、複数の所定の基準色を所定の許容色範囲上に変動させたパッチであり、下限色のパッチ27は、複数の所定の基準色を所定の許容色範囲下に変動させたパッチである。
ここで、許容色範囲は特に限定することはないが、基準色の色材量を中心に、例えば、ΔE=2.0の範囲内で上下に変動させた色要素からなるものとする。なお、ΔE値は、2.0に限定せずとも、例えば、印刷性能の効果が期待できないΔE値の範囲を調べ、その値をΔE値として設定しても良いものとする。ΔE値は、CIE1976色差式ではなく、ΔE94(CIE1994色素式)、ΔE2000(CIE2000色素式)を用いても良いものとする。また、色素式の変わりにΔL*(明度差)、ΔC*ab(彩度差)等を用いても良いものとする。
なお、印刷性能判定対象の印刷装置1が、オフセットあるいはグラビアまたはフレキソ印刷機のプルーフシステムとしての役割を果たす場合は、これら印刷機上で基準色の色材量をΔE=2.0の同心円内で上下させた色からなるものとしてもよい。
(iii)上限色のパッチ26と下限色のパッチ27とに隣接した箇所を切り抜いて成る窓部28
図4に示すように、窓部28は、上限色のパッチ26と下限色のパッチ27とに隣接した箇所を切り抜いて設けられている。この窓部28を形成するためには、初めから上限色のパッチ26と下限色のパッチ27とに隣接した箇所が切り抜いてある印刷媒体を用いて上限色のパッチ26と下限色のパッチ27を印刷してもよく、上限色のパッチ26と下限色のパッチ27を印刷してから窓部28を切り抜いてもよい。
詳しくは後述するが、この窓部28は、印刷性能判定を行う際に用いられるものである。
(III)印刷性能判定基準チャートの作成処理
(経時変化判定領域22の作成処理)
図5及び図6を参照して印刷性能判定基準チャートの経時変化判定領域22の作成処理の具体的手法について説明する。
図5は、印刷装置1の制御部11における経時変化判定領域作成処理を示すフローチャートであり、当該フローチャートにより示される処理は、制御部11内の図示しないROM等に予め記憶されているプログラムに基づいて当該制御部11の制御に基づいて実行されるものである。図6は、経時変化判定領域作成処理における第1領域と第2領域の対応関係図である。
まず、制御部11は、第1領域24として使用するブラックKを抽出する(ステップS1)。より具体的には、図6に示す如く、それぞれブラックKについて複数の異なる網パーセント(濃度)として用意(抽出)する。図6に示す例によれば、それぞれ異なる網パーセント(濃度)を有するブラックKをK1乃至K10まで用意することとなる。
次に、制御部11は、抽出したそれぞれのブラックKに基づいて処理前デバイス信号Ddを生成する(ステップS2)。より具体的には、図6に示す如く、各ブラックK1乃至K10に対応する処理前デバイス信号Ddを、それぞれシアンC、マゼンタM、イエローYの網パーセント(濃度)を0として取得する。
そして、制御部11は、処理前デバイス信号Ddに対応する色彩信号Dc(L*、a*、b*)を取得する(ステップS3)。より具体的には、図6に示す如く、国際照明委員会
(CIE)が定めた1976CIELab空間に基づく色彩信号Dcとして、(L*、
*、b*)、(L*、a*、b*)、(L*、a*、b*)、…(L10*、a10*、b10*)が取得されることになる。
続いて、ステップS3にて取得した色彩信号Dcを再現可能な色信号としての処理後デバイス信号Dd(Cp、Mp、Yp、Kp)を取得する(ステップS4)。より具体的には、図6に示す如く、(Cp、Mp、Yp、Kp)、(Cp、Mp、Yp、Kp)、(Cp、Mp、Yp、Kp)、…(Cp10、Mp10、Yp10、Kp10)が取得されることになる。
通常、印刷装置1で出力されるデバイス信号Ddは、ISO(International Organization for Standardization:国際標準化機構)12642で規格化されているIT8.7/3などのCMYKで現される四次元の色信号であるため、三次元の色彩信号Labから、この色信号CMYKを求めようとすると、三次元の色彩信号Labに対応する複数の色信号CMYKが存在することになる。本実施形態におけるステップS4では、色彩信号Dcに対応する複数の色信号CMYKのうち、当該印刷装置1で再現可能することができる1つの色信号を処理後デバイス信号Ddとして取得するよう構成するが、これに限らず、例えば、1つの色彩信号Dcに対応する複数の色信号CMYKについて平均化処理を行ない、色信号の平均値を処理後デバイス色信号Ddとして取得しても良い。
ここで、ステップS3及びステップS4における変換について説明する。
上述したステップS3において色彩信号Dc(L*、a*、b*)を取得する際に用いら
れるソースプロファイルと、ステップS4において処理後デバイス信号Dd(Cp、Mp、Yp、Kp)を取得する際に用いられるデスティネーションプロファイルは、印刷装置の(出力用の)プロファイルを用いる。
従って、ステップS3において、ステップS2で生成した処理前デバイス信号Ddからソースプロファイルを用いて色彩信号Dc(L*、a*、b*)を取得する際に、処理前デ
バイス信号Ddに含まれるブラックの色信号(K1乃至K10)の情報が消える。その後、一旦色彩信号Dc(L*、a*、b*)を経由(ステップS3にて取得)してソースプロファイルと同一のデスティネーションプロファイルを用いて変換し、処理後デバイス信号Dd(Cp、Mp、Yp、Kp)が取得される(ステップS4)ように構成する。すなわち、ステップS2で生成した処理前デバイス信号Ddにおけるブラックの色信号(K1乃至K10)の値の情報が、CMYKの掛け合わせの情報となって表された処理後デバイス信号Dd(Cp、Mp、Yp、Kp)として取得されることになる。
続いて、ステップS1にて抽出したブラックKに基づいて、第1領域24を作成し、ステップS4にて取得した処理後デバイス信号Ddに基づいて第2領域25を作成する(ステップS5)。
次に、作成した第1領域24及び第2領域25を記憶部12に記憶(保存)する(ステップS6)。
以上の処理に基づいて経時変化判定領域22を作成し、記憶部12に記憶させる。
(印刷性能判定領域23の作成処理)
まず、印刷装置1の記憶部12に予め記憶されている色要素から基準色を決定する。
具体的には、印刷装置1の色要素(1次色)、色要素を混色した2〜4次色、空・木々といった記憶色やグレー等の複数色を基準色とする。
次に、複数の所定の基準色を所定の許容色範囲上に変動させた上限色のパッチ26を作成する。具体的には、許容色範囲は、特に限定することはないが、基準色の色材量を中心に、例えば、ΔE=2.0の範囲内で上に変動させた色からなるものとする。
次に、同様にして、複数の所定の基準色を所定の許容色範囲下に変動させた下限色のパッチ27を作成する。具体的には、許容色範囲は、特に限定することはないが、基準色の色材量を中心に、例えば、ΔE=2.0の範囲内で下に変動させた色からなるものとする。
次に、作成した上限色のパッチ24及び下限色のパッチを記憶部12に記憶(保存)する。
以上の処理に基づいて経時変化判定領域22を作成し、記憶部12に記憶させる。
これにより、経時変化判定領域22と印刷性能判定領域23を備える印刷性能判定基準チャート21を作成し、記憶部12に記憶させる。
(印刷)
使用者は印刷装置1の印刷性能判定を行いたい場合には、図示しない操作入力部等を操作することにより、この記憶部12から経時変化判定領域22と印刷性能判定領域23を備える印刷性能判定基礎チャート21を読み出して、印刷出力部13より印刷(出力)する。なお、印刷性能判定基準チャート21を印刷する際に、図7のように作成条件等を補足条件として印刷することも可能である。
[印刷性能判定対象チャート]
まず、本実施形態に係る印刷性能判定対象チャート31について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の印刷性能判定対象チャートを示す概略図である。
印刷性能判定対象チャート31は、印刷性能判定対象チャート31自身が印刷装置の印刷性能判定を行う際に用いられるものとして適切であるか否かを判定するため、更に、印刷装置の印刷性能判定を行うため、に用いられるチャートであり、上述した印刷性能判定基準チャートと比較して、印刷性能判定を行うためのチャートである。上述の印刷性能判定基準チャート21について説明したように印刷装置1が正常な出力状態(印刷性能が変動する前段階)で出力するものとは異なり、しばらく時間が経過した後、あるいは印刷装置1の色材や用紙を変換し出力色が変動したと考えられるような状態で出力するチャートである。図8に示すように、印刷性能判定対象チャート31は、第1の印刷性能判定領域32と、第2の印刷性能判定対象領域33を備えている。
(I)第1の印刷性能判定領域32
第1の印刷性能判定領域32は、印刷性能判定対象チャート31自身が印刷装置の印刷性能判定を行う際に用いられるものとして適切であるか否かを判定するために用いられる領域である。具体的には、印刷装置の印刷性能判定を適切に行うには、出力色が安定した状態の印刷性能判定対象チャート31を用いて印刷性能判定を行う必要があるため、印刷性能判定対象チャート31の出力色が印刷性能判定時に既に安定な状態に達しているか否か(出力色に変動が生じているか否か)の判定を行う必要がある。よってこれを判定するための領域である。ここで、第1の印刷性能判定領域32には第1領域34と第2領域35が備えられている。
(i)第1領域34及び第2領域35
第1領域34及び第2領域35は、印刷性能判定基準チャート21において説明した第1領域24及び第2領域25と同様であるため説明を省略する。なおここでも、印刷性能判定基準チャート21において説明した第1領域24及び第2領域25と同様に、第1領域34、第2領域35を黒で表さず、便宜上白で表している。実際には第1領域34、第2領域35は、図3(a)(b)に示すようなブラックで構成されている。
(ii)印刷性能判定方法
第2領域35は、印刷性能判定基準チャート21において説明した第2領域25と同様に、それぞれの各色要素の構成比が、第1領域34で構成されたブラックと同色になるような構成比で混色され構成されている(条件等色されている)ため、印刷性能判定対象チャート31の出力色が既に安定な状態に達している場合(出力色に変動が生じていない場合)には、第1領域34と第2領域35との条件等色が成り立つため、図3(a)に示すように、第2領域35のバツ印の形状が浮き出ていない状態になっている。なお、第2領域35のバツ印の形状を示す点線は便宜上示したものであって、実際には点線はなく、第1領域34と第2領域35はともにブラックにより構成されているため第1領域と第2領域との境目はわからないものである。
一方、第2領域35は、始めはそれぞれの各色要素の構成比が、第1領域34で構成されたブラックと同色になるような構成比で混色され構成されている(条件等色されている)ため、第2領域35のバツ印の形状が浮き出ていないが、例えば、出力色が安定するまでにしばらく時間を要するような印刷装置1等を用いた場合であって、印刷性能判定対象チャート31の出力色が安定な状態に達していない場合(出力色に変動が生じている場合)には、第1領域34と第2領域35との条件等色が成り立たず、両者の色が異なるため、図3(b)に示すように、第2領域35のバツ印の形状が浮き出たままであり、バツ印が消えない状態になっている。この場合、印刷装置の印刷性能判定を適切に行うには、出力色が安定した状態の印刷性能判定対象チャート31を用いて印刷性能判定を行う必要があるため、印刷性能判定対象チャート31の出力色が安定するまで放置する等の処置をとる必要がある。
よって、経時変化判定領域32の第1領域34と第2領域35を比較し、印刷性能判定対象チャート31の出力色が安定しているか否か(出力色に変動が生じているか否か)を判定することにより、印刷性能判定対象チャート31自身が印刷装置1の印刷性能判定を行う際に用いられるものとして適切であるか否かを判定することができる。
(II)第2の印刷性能判定領域33
第2の印刷性能判定領域33は、印刷装置1の印刷性能の判定を行う際に用いられる領域である。ここで、第2の印刷性能判定領域33には、パッチ36が備えられている。
(i)パッチ36
パッチ36は、印刷性能判定基準チャート21の上限色のパッチ24及び下限色のパッチ25と、比較すべきパッチであって、印刷性能判定基準チャート21の複数の所定の基準色と同じ色要素(色材量構成)からなるパッチであるため説明は省略する。
(III)印刷性能判定対象チャートの作成処理
(第1の印刷性能判定領域32の作成処理)
印刷性能判定基準チャート21の経時変化判定領域22と同様の処理によって第1の印刷性能判定領域32を作成する。
次に、作成した第1の印刷性能判定領域32を記憶部12に記憶(保存)する。
(第2の印刷性能判定領域33の作成処理)
印刷性能判定基準チャート21の印刷性能判定領域23の複数の所定の基準色と同じ色要素(色材量構成)からなるパッチ36を、印刷性能判定基準チャート21の基準色と同様の処理によって作成する。
次に、作成したパッチ36を記憶部12に記憶(保存)する。
以上の処理に基づいて第2の印刷性能判定領域32を作成し、記憶部12に記憶させる。
これにより、第1の印刷性能判定領域32と第2の印刷性能判定領域33を備える印刷性能判定基準チャート21を作成し、記憶部12に記憶させる。
(印刷)
使用者は印刷装置1の印刷性能判定を行いたい場合には、図示しない操作入力部等を操作することにより、この記憶部12から第1の印刷性能判定領域32と第2の印刷性能判定領域33を備える印刷性能判定対象チャート31を読み出して、印刷出力部13より印刷(出力)する。なお、印刷性能判定対象チャート31を印刷する際に、図7のように作成条件等を補足条件として印刷することも可能である。
[印刷性能判定方法]
(I)印刷性能判定基準チャート21に窓部28が設けられていない場合
図9に示すように、まず印刷性能判定基準チャート21の上限色のパッチ26と印刷性能判定対象チャート31のパッチ36とが上下に見えるよう並べ、パッチ36のそれぞれの色要素が許容色範囲の上限である上限色のパッチ26の示すそれぞれの色要素の上限を超えていないか(範囲内であるか)否かを判定する。更に、上記と同様の手順により、図10に示すように、パッチ36のそれぞれの色要素が許容色範囲の下限である下限色のパッチ27の示すそれぞれの色要素の下限を超えていないか(範囲内であるか)否かを判定する。
(II)印刷性能判定基準チャート21に窓部28が設けられている場合
図11に示すように、印刷性能判定基準チャート21に窓部28が設けられている場合には、印刷性能判定対象チャート31を印刷性能判定基準チャート21の下になるように重ね、印刷性能判定基準チャート21の窓部28から印刷性能判定対象チャート31のパッチ36が見えるように設置する。この窓部28より印刷性能判定対象チャート31のパッチ36のそれぞれの色要素が、印刷性能判定基準チャート21の許容色範囲の上限である上限色のパッチ26の示すそれぞれの色要素の上限を超えていないか(範囲内であるか)否かを判定し、更に、許容色範囲の下限である下限色のパッチ27の示すそれぞれの色要素の下限を超えていないか(範囲内であるか)否かを判定する。
(I)(II)に示したように印刷性能判定基準チャート21の許容色範囲の上限である上限色のパッチ26のそれぞれの色要素の上限、更に、許容色範囲の下限である下限色のパッチ27のそれぞれの色要素の下限を超えていないか(範囲内であるか)否かで、色校正の必要性(印刷性能)の判定ができる。
[印刷性能判定処理]
次に、図12を用いて印刷性能判定処理について説明する。
図12は、印刷性能判定処理を示すフローチャートであり、当該フローチャートにより示される処理は、制御部11内の図示しないROM等の制御に基づいて実行されるものである。
(前段階)
まず、印刷性能判定基準チャート21を出力する。
具体的には、印刷装置1が正常な出力状態(印刷性能が変動する前段階)において予め出力しておく。このチャートが印刷性能を判定する基準のチャートとなる。
(印刷性能判定処理)
次に、印刷性能判定対象チャート31を出力する(ステップS11)。
印刷性能判定基準チャート21を出力後、印刷装置1の印刷性能の変動を考慮して定期的に、印刷性能判定対象チャート31を出力する。印刷性能判定対象チャート31は、定期的に出力するだけでなく、印刷装置1の色材や用紙を交換した場合や、印刷装置1を移動したような場合にも出力することが可能である。
次に、印刷性能判定基準チャート21の経時変化判定領域22において印刷性能判定基準チャート21に褪色及び経時変化が生じているか否かを判定する(ステップS12)。
具体的には、印刷性能判定対象チャート21の経時変化判定領域22を目視し、上述したように経時変化判定領域22の第1領域24と第2領域25を比較して、第2領域25の形状であるバツ印が浮き出ているか否かを判定する。
印刷性能判定基準チャート21の経時変化を判定した結果、経時変化が生じていると判定された場合(ステップS12:YES)には、印刷性能判定作業を中止する(ステップS19)。
具体的には、上述したように、第2領域25の形状であるバツ印が浮き出ていた場合には、印刷性能判定基準チャート21の褪色及び経時変化が生じていると判定されるため、このような印刷性能判定基準チャート21を用いて印刷装置1の印刷性能判定を行っても色較正の必要性(印刷性能)の正確な判定がなされない(印刷性能判定を行う際に用いられるものとして適切でない)ため、印刷性能判定作業を中止する。
印刷性能判定基準チャート21の経時変化を判定した結果、経時変化が生じていないと判定された場合(ステップS12:NO)には、次に、印刷性能判定対象チャート31の第1の印刷性能判定領域において印刷性能判定対象チャート31の出力色に変動が生じているか否か(出力色が安定な状態に達しているか否か)を判定する(ステップS13)。
具体的には、上述したように、第2領域25の形状であるバツ印が浮き出ていない場合には、印刷性能判定基準チャート21に褪色及び経時変化が生じていないと判定され、印刷性能判定を行う際に用いられるものとして適切であることがわかる。その後、印刷性能判定対象チャート31の第1の印刷性能判定領域において印刷性能判定対象チャート31の出力色に変動が生じているか否か(出力色が安定な状態に達しているか否か)を判定する。印刷性能判定対象チャート31の第1の印刷性能判定領域32にバツ印が浮き出ているか否かで、印刷性能判定対象チャート31の出力色に変動が生じているか否か(出力色が安定状態に達しているか否か)を判定することができる。
印刷性能判定対象チャート31の出力色の変動を判定した結果、印刷性能判定対象チャート31の出力色に変動が生じていない(出力色が既に安定な状態に達している)と判定された場合(ステップS13:NO)には、次に、印刷性能判定基準チャート21の印刷性能判定領域23と印刷性能判定対象チャート31の第2印刷性能判定定領域33に基づいて出力色の変動が許容色範囲内であるか否か(印刷性能)を判定する(ステップS14)。
具体的には、上述したように、第2領域35の形状であるバツ印が浮き出ていない場合には、印刷性能判定対象チャート31の出力色に変動が生じていない(出力色が既に安定な状態に達している)と判定され、印刷性能判定を行う際に用いられるものとして適切であることがわかる。よって次のステップS14に移行する。
一方、印刷性能判定対象チャート31の出力色の変動を判定した結果、印刷性能判定対象チャート31の出力色に変動が生じている(出力色が安定な状態に達していない)と判定された場合(ステップS13:YES)には、印刷性能判定基準チャート31の印刷性能判定領域32と印刷性能判定対象チャート31の第2印刷性能判定定領域33に基づいて出力色の変動が許容色範囲内であるか否か(印刷性能)を判定する(ステップS14)。
具体的には、印刷性能判定対象チャート31の出力色に変動が生じている(出力色が安定な状態に達していない)と判定された場合に、その変動が印刷性能の効果が期待できる変動か否かを詳しく判定するため、印刷性能判定基準チャート21の印刷性能判定領域23と印刷性能判定対象チャート31の第2印刷性能判定定領域33に基づいて出力色の変動が許容色範囲内であるか否かを判定する。
上述したように、印刷性能判定基準チャート21に窓部28がない場合には、図9、10に示すように、許容色範囲の上限である上限色のパッチ26の示す色の上限及び許容色範囲の下限である下限色のパッチ27の示すそれぞれの色要素の下限を超えていないか(範囲内であるか)を判定する。一方、印刷性能判定基準チャート21に窓部28が設けられている場合には、図11に示すように、印刷性能判定基準チャート21の窓部28から印刷性能判定対象チャート31のパッチ36が見えるように設置し、許容色範囲の上限である上限色のパッチ26の示すそれぞれの色要素の上限及び許容色範囲の下限である下限色のパッチ27の示すそれぞれの色要素の下限を超えていないか(範囲内であるか)を判定する。
印刷性能判定を行った結果、出力色の変動が上述した許容色範囲内である場合には(ステップS14:YES)、その後色較正作業を行う必要がないので処理を終了する(ステップS17)。
具体的には、色較正判定対象チャート31のパッチ36のそれぞれの色要素が、許容色範囲の上限である上限色のパッチ26の示すそれぞれの色要素の上限及び許容色範囲の下限である下限色のパッチ27の示すそれぞれの色要素の下限を超えていない(範囲内である)場合には、印刷性能不要と判定し作業を終了する。
印刷性能判定を行った結果、出力色の変動が許容色範囲内でない場合(ステップS14:NO)には、次に、パッチ内の色ムラ、見当ずれ、突発的な色の変動が生じているか否かを判定する(ステップS15)。
具体的には、出力色の変動が許容色範囲内でない場合には、その出力色の変動の理由がパッチ内の色ムラ、見当ずれ、突発的な色の変動によるものであるか否かを判定する。
パッチ内の色ムラ等の色の変動があるか否かを判定した結果、色ムラ等の色の変動が生じていると判定された場合(ステップS15:YES)には、印刷装置1のメンテナンスを行う(ステップS18)。
具体的には、色較正判定対象チャート31のパッチ36のそれぞれの色要素が、許容色範囲の上限である上限色のパッチ26の示すそれぞれの色要素の上限及び許容色範囲の下限である下限色のパッチ27の示すそれぞれの色要素の下限を超えている(範囲内でない)場合に、カラーパッチ内の色ムラ、見当ズレ、突発的な色の変動等が確認された場合は、インクヘッドのクリーニングなどの印刷装置のメンテナンスを行う。
パッチ内の色ムラ等の色の変動が生じているか否かを判定した結果、色ムラ等の色の変動が生じていないと判定された場合(ステップS15:NO)には、色較正作業を実行する(ステップS16)。
具体的には、色較正判定対象チャート31のパッチ36のそれぞれの色要素が、許容色範囲の上限である上限色のパッチ26の示すそれぞれの色要素の上限及び許容色範囲の下限である下限色のパッチ27の示すそれぞれの色要素の下限を超えている(範囲内でない)場合であって、カラーパッチ内の色ムラ、見当ズレ、突発的な色の変動ではない場合は、色較正業を実行する。
以上説明したように、本発明によれば、印刷性能判定基準チャートの経時変化判定領域において、印刷性能判定基準チャート自身が、印刷装置の印刷性能判定を行うために用いられるに適したチャートであるか否か、具体的には、印刷性能判定基準チャートを印刷した印刷媒体等に経時変化が生じているか否かの判定を行うことにより、褪色等の経時変化が生じていない正常な状態の印刷性能判定基準チャートを用いて印刷性能判定を行うことができるため、色較正の必要性(印刷性能)を適切に判定することができる。
また、許容色範囲に基づいて色較正の必要性(印刷性能)を判定できるため、使用者の個人差によって生じる色較正の必要性(印刷性能)の判定のばらつきもなく、色較正の必要性(印刷性能)を正確に判定できる。
更に、簡易な方法で色較正の必要性(印刷性能)を判定できるため、色較正の頻度を減らし、色較正に伴う使用者の負荷を軽減することができる。
発明の印刷装置の概要構成を示すブロック図である。 本発明の印刷性能判定基準チャートを示す概略図である。 (a)(b)は、経時変化判定領域又は第1の印刷性能判定領域における状態変化を示す図である。 印刷性能判定基準チャートの窓部を示す概略図である。 印刷装置の制御部における経時変化判定領域作成処理を示すフローチャートである。 経時変化判定領域作成処理における第1領域と第2領域の対応関係図である。 印刷性能判定チャートを示す概略図である。 本発明の印刷性能判定対象チャートを示す概略図である。 印刷性能判定処理を行う際の概略図である。 印刷性能判定処理を行う際の概略図である。 印刷性能判定処理を行う際の概略図である。 印刷性能判定処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1・・・印刷装置
11・・・制御部
12・・・記憶部
13・・・表示部
14・・・印刷出力部
15・・・バス
21・・・印刷性能判定基準チャート
22・・・経時変化判定領域
23・・・印刷性能判定基準領域
24・・・第1領域
25・・・第2領域
26・・・上限色のパッチ
27・・・下限色のパッチ
28・・・窓部
31・・・印刷性能判定対象チャート
32・・・第1の印刷性能判定領域
33・・・第2の印刷性能判定領域
34・・・第1領域
35・・・第2領域
36・・・パッチ

Claims (7)

  1. 印刷性能判定の対象となる印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷性能判定基準チャートにおいて、
    ブラックの色要素からなる第1領域と、
    複数の色要素からなり、前記各色要素の構成比が、前記第1領域に構成された前記ブラックと同色になるような構成比で混色され構成される第2領域と、
    を有する前記印刷媒体の経時変化判定領域と、
    複数の所定の基準色を所定の許容色範囲上下に変動させた上限色のパッチと、下限色のパッチと、
    を有する前記印刷装置の印刷性能判定基準領域と、
    を備えることを特徴とする印刷性能判定基準チャート。
  2. 請求項1に記載の印刷性能判定基準チャートにおいて、
    前記印刷媒体に印刷された前記上限色のパッチと前記下限色のパッチとに隣接した箇所を切り抜いて成る窓部を有することを特徴とする印刷性能判定基準チャート。
  3. 印刷性能判定の対象となる印刷装置によって印刷媒体に印刷される印刷性能判定対象チャートであって、請求項1又は請求項2に記載の前記印刷性能判定基準チャートと比較して、印刷性能判定を行うための前記印刷性能判定対象チャートにおいて、
    前記第1領域と前記第2領域を有する前記印刷装置の第1の印刷性能判定領域と、
    前記上限色のパッチ及び前記下限色のパッチと、比較すべきパッチであって、前記印刷性能判定基準チャートの複数の所定の基準色と同じ色要素からなる前記パッチを有する前記印刷装置の第2の印刷性能判定領域と、
    を備えることを特徴とする印刷性能判定対象チャート。
  4. 印刷性能判定の対象となる印刷装置において、
    ブラックと、当該ブラックと同色になるような構成比で混色され構成された複数の色要素と、からなる第1の印刷媒体の経時変化判定領域と、
    複数の所定の基準色を所定の許容色範囲上下に変動させた上限色のパッチと、下限色のパッチと、からなる前記印刷装置の印刷性能判定基準領域と、
    を備える当該印刷装置の印刷性能判定基準チャートを作成する印刷性能判定基準チャート作成手段と、
    前記印刷性能判定基準チャートを前記第1の印刷媒体に印刷する印刷性能判定基準チャート印刷手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置において、
    前記印刷性能判定基準チャートは、前記第1の印刷媒体に印刷された前記上限色のパッチと前記下限色のパッチとに隣接した箇所を切り抜いて成る窓部を有することを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載の印刷装置において、
    前記印刷性能判定基準チャート印刷手段によって印刷された前記印刷性能判定基準チャートと比較して、当該印刷装置の印刷性能判定を行うための印刷性能判定対象チャートであって、前記ブラックと、当該ブラックと同色になるような構成比で混色され構成された複数の色要素からなる前記印刷装置の前記第1の印刷性能判定領域と、
    前記印刷性能判定基準チャートの前記上限色のパッチ及び前記下限色のパッチと比較すべきパッチであって、前記印刷性能判定基準チャートの複数の所定の基準色と同じ色要素からなる前記パッチからなる前記印刷装置の第2の印刷性能判定領域と、
    を備える前記印刷性能判定対象チャートを作成する印刷性能判定対象チャート作成手段と、
    前記印刷性能判定対象チャートを第2の印刷媒体に印刷する印刷性能判定対象チャート印刷手段と、
    を有することを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の印刷装置において、
    前記第2の印刷媒体は、前記第1の印刷媒体と同じ材質からなることを特徴とする印刷装置。
JP2007051770A 2007-03-01 2007-03-01 印刷性能判定基準チャート、印刷性能判定対象チャート及び印刷装置 Pending JP2008215950A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007051770A JP2008215950A (ja) 2007-03-01 2007-03-01 印刷性能判定基準チャート、印刷性能判定対象チャート及び印刷装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007051770A JP2008215950A (ja) 2007-03-01 2007-03-01 印刷性能判定基準チャート、印刷性能判定対象チャート及び印刷装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008215950A true JP2008215950A (ja) 2008-09-18

Family

ID=39836170

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007051770A Pending JP2008215950A (ja) 2007-03-01 2007-03-01 印刷性能判定基準チャート、印刷性能判定対象チャート及び印刷装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008215950A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011151478A (ja) * 2010-01-19 2011-08-04 Sharp Corp 画像読取装置、白基準チャート、シェーディング補正方法、画像形成装置
JP2013062746A (ja) * 2011-09-14 2013-04-04 Dainippon Printing Co Ltd 色見本候補印刷物の作成方法、及び評価判定シートの作成方法
JPWO2012169592A1 (ja) * 2011-06-07 2015-02-23 株式会社プロスパークリエイティブ 測定機、測定システム、これを用いた測定位置合わせ方法及び測定位置合わせプログラム
JP2019211792A (ja) * 2019-09-05 2019-12-12 大日本印刷株式会社 顕微鏡画像校正用スライドガラス

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011151478A (ja) * 2010-01-19 2011-08-04 Sharp Corp 画像読取装置、白基準チャート、シェーディング補正方法、画像形成装置
JPWO2012169592A1 (ja) * 2011-06-07 2015-02-23 株式会社プロスパークリエイティブ 測定機、測定システム、これを用いた測定位置合わせ方法及び測定位置合わせプログラム
JP2013062746A (ja) * 2011-09-14 2013-04-04 Dainippon Printing Co Ltd 色見本候補印刷物の作成方法、及び評価判定シートの作成方法
JP2019211792A (ja) * 2019-09-05 2019-12-12 大日本印刷株式会社 顕微鏡画像校正用スライドガラス

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8045242B2 (en) Color conversion apparatus and color conversion method
US8570605B2 (en) Image correction method and image correction system
US8094165B2 (en) Color reproduction evaluation apparatus and program storage medium
EP3327412B1 (en) Inspection apparatus, inspection method, and non-transitory computer readable medium for storing inspection program of colorimetric value
JP2008215950A (ja) 印刷性能判定基準チャート、印刷性能判定対象チャート及び印刷装置
JP2003039739A (ja) 多次元ルックアップテーブルを使用してカラー印刷装置を較正する方法および装置
KR20180113590A (ko) 통합된 스폿 컬러 및 프로세스 컬러를 사용한 잉크젯 인쇄 방법
US10764472B2 (en) Profile adjustment method, profile adjustment apparatus, and non-transitory computer-readable storage medium storing profile adjustment program
CN101651770A (zh) 一种色彩校正方法
US20160004941A1 (en) Method for calculating substitution colors for spot colors
US7733527B2 (en) Image processing device, image output device, terminal device, and image forming system and computer readable medium storing program thereof
US7262881B2 (en) Method to determine a characteristic of a printing system
US20030189613A1 (en) System and method for characterizing a printing device
US9626604B2 (en) Method for dynamic printing process calibration
JP2006325131A (ja) 印刷性能判定装置、印刷性能判定方法及び印刷性能判定プログラム等
JP4375258B2 (ja) 色変換装置、色変換方法及び色変換プログラム
JP2006281445A (ja) 印刷データ作成装置及び印刷データ作成プログラム
JP4466037B2 (ja) 画像処理装置及び画像処理方法
US11297208B2 (en) Method of creating teacher data, color prediction model creation apparatus, and method of creating color prediction model
US8482825B2 (en) Image processing apparatus and image processing method
JP2006247925A (ja) 画像処理装置、インクジェットプリンタ、カラー印刷プログラムおよびカラー印刷方法
JP2007259203A (ja) 測色方法および画像処理装置
JP6350877B2 (ja) 画像形成装置
JP2006103192A (ja) 印刷性能判定ステップチャート及び印刷装置等
Livens et al. How to ensure consistent color quality in inkjet proofing