JP2008215576A - すべり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転中に発生する軸の傾きに追従して、軸受と軸の損傷などの問題を解決することができる可撓面すべり軸受を得る。
【解決手段】軸受1の内周面に弾性材料を円筒状にした可撓性部材11を接合し、かつ軸3と対向する可撓性部材11の内周面における直径寸法を軸受1の両端部間において同一とし、軸受1の内周面と接合される可撓性部材11の外周面の直径寸法は、軸受1の端部のうち軸3の外周面との隙間の狭い軸受1の端部側に向かって徐々に大きくなるように形成し、隙間の狭い軸受の端部側の摺動面が、軸受1とこの軸受1を支持する軸受台6との間に形成される潤滑膜に発生する圧力によって圧縮変形し易く構成したものである。
【選択図】 図1
【解決手段】軸受1の内周面に弾性材料を円筒状にした可撓性部材11を接合し、かつ軸3と対向する可撓性部材11の内周面における直径寸法を軸受1の両端部間において同一とし、軸受1の内周面と接合される可撓性部材11の外周面の直径寸法は、軸受1の端部のうち軸3の外周面との隙間の狭い軸受1の端部側に向かって徐々に大きくなるように形成し、隙間の狭い軸受の端部側の摺動面が、軸受1とこの軸受1を支持する軸受台6との間に形成される潤滑膜に発生する圧力によって圧縮変形し易く構成したものである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えばバルブ水車発電機に使用され、すべり軸受の内周面或いはすべり軸受の内周面側に可撓面を有するすべり軸受に関する。
従来、回転機械に使用されるすべり軸受は、図18に示すように軸受台6に支承される軸受1における軸受中心2と、軸3の中心4が平行になるように組み立てられる。
しかしながら、回転時には荷重の方向や軸の変形などによって、図19のように軸受1と軸3との間にミスアライメントが生じたり、さらに回転荷重が作用すると、例えば図20のように交点5を頂点とする円錐状の振れ回りを生ずることがある。
このような運転状態になると、軸受端部に片当りによる損傷(焼付き)が発生する可能性がある。このような問題点を改善するための公知例が種々があるが、図21から図23は、このうちの実用性の高いものの例を示している。
図21は、非特許文献1に示されるすべり軸受であって、軸受台6に支承される軸受1の外周面(背面)の軸方向断面を凸型の球面とし、軸受台6の内周面(表面)を凹型の球面としたものである。このように構成することで、運転中に軸3が傾いたときにこの面を滑らせて、軸3に追従して軸受1が軸方向に自動調芯されるものである。
図22は、特許文献1に示されるすべり軸受であって、軸内周面(軸受表面)7に摺動性に優れた樹脂系の薄膜摺動材(摺動材)8を接合し、片当りが生じても軸側の摩耗を防ぐとともに、金属同士のような焼付を防止することを目的とした軸受であり、これは小形軸受のみならず大形軸受としても使用されている。
図23は特許文献2に示されるすべり軸受であって、従来から自動調芯性に優れる軸受として一般的に使用されているティルティングパッド軸受である。具体的には、ティルティングパッド9は、軸受6の周方向および軸方向に傾斜可能となるように、ピボット10などで支持されており、軸3の傾きに容易に追従できるようになっている。
旧・日本潤滑学会(現・日本トライボロジー学会)編 「潤滑ハンドブック」養賢堂 591頁 特開2003−278767
特開2004−197890
旧・日本潤滑学会(現・日本トライボロジー学会)編 「潤滑ハンドブック」養賢堂 591頁
以上述べた図21〜図23に示すすべり軸受のいずれかにあっては、運転時の軸3の傾きに追従して軸受の損傷を防止する策が提案されているが以下のような課題を残している。
図21に示すすべり軸受では、軸受1に負荷される荷重が大きい場合に球面間の摩擦力が過大となり、軸受1が傾き難くなる傾向にあり追従性が悪くなることがある。このためミスアライメント量が増加すると片当りが発生し、軸3と軸受内周面(軸受表面)が損傷(焼付)する可能性がある。
図22に示すすべり軸受では、経年的に軸受1側の摩耗が進展し、軸受1の特性が徐々に低下して潤滑膜の形成が困難となる。潤滑膜が形成されなくなると摩擦熱による異常な温度上昇を生じ、樹脂からなる薄膜摺動材8は、この耐熱温度を超えて損傷に至ることがある。
図23に示すすべり軸受では、摺動面が複数に分割されるため、円筒型軸受に比べて負荷性能が悪く、このため特許文献2に対して負荷性能の向上策を目的として給油方法の改善などの提案がなされている。また、特許文献2は、例えば大容量バルブ水車発電機のような高荷重・低回転用の軸受として使用する場合など、十分な潤滑膜の形成が困難であること、また軸受寸法がかなり大きくなるなどの課題を残している。
本発明では、回転中に発生する軸の傾きに追従して、軸受と軸の損傷などの問題を解決することができるすべり軸受を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、請求項1に対応する発明は、軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の外側にあるすべり軸受において、
前記軸受の内周面に、弾性材料を円筒状にした可撓性部材、又は弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材を接合し、かつ前記軸と対向する前記可撓性部材の内周面における直径寸法を前記軸受の両端部間において同一とし、前記軸受の内周面と接合される前記可撓性部材の外周面の直径寸法は、前記軸受の端部のうち前記軸の外周面との隙間の狭い前記軸受の端部側に向かって徐々に大きくなるように形成し、前記隙間の狭い軸受の端部側の摺動面が、前記軸受とこの軸受を支持する軸受台との間に形成される潤滑膜に発生する圧力によって圧縮変形し易く構成したことを特徴とするすべり軸受である。
前記軸受の内周面に、弾性材料を円筒状にした可撓性部材、又は弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材を接合し、かつ前記軸と対向する前記可撓性部材の内周面における直径寸法を前記軸受の両端部間において同一とし、前記軸受の内周面と接合される前記可撓性部材の外周面の直径寸法は、前記軸受の端部のうち前記軸の外周面との隙間の狭い前記軸受の端部側に向かって徐々に大きくなるように形成し、前記隙間の狭い軸受の端部側の摺動面が、前記軸受とこの軸受を支持する軸受台との間に形成される潤滑膜に発生する圧力によって圧縮変形し易く構成したことを特徴とするすべり軸受である。
前記目的を達成するため、請求項3に対応する発明は、軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の内部にあるすべり軸受において、
前記軸受の内周面に、弾性材料を円筒状にした可撓性部材、又は弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材を接合し、かつ前記軸と対向する前記可撓性部材の内周面における直径寸法を前記軸受の両端部間において同一とし、前記軸と対向する前記可撓性部材の外周面における直径寸法は、前記交点又は前記頂点近傍で最も小さくなるようにし、かつ前記可撓性部材の外周面における直径寸法は前記交点又は前記頂点近傍から前記軸受の両端部に向かって徐々に大きく形成して、前記軸受の両端部の片当りを回避することを特徴としたすべり軸受である。
前記軸受の内周面に、弾性材料を円筒状にした可撓性部材、又は弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材を接合し、かつ前記軸と対向する前記可撓性部材の内周面における直径寸法を前記軸受の両端部間において同一とし、前記軸と対向する前記可撓性部材の外周面における直径寸法は、前記交点又は前記頂点近傍で最も小さくなるようにし、かつ前記可撓性部材の外周面における直径寸法は前記交点又は前記頂点近傍から前記軸受の両端部に向かって徐々に大きく形成して、前記軸受の両端部の片当りを回避することを特徴としたすべり軸受である。
前記目的を達成するため、請求項4に対応する発明は、軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の外側にあるすべり軸受において、
弾性材料を円筒状にした可撓性部材部、又は弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材部の軸方向の一端部に直交するように一体に形成され、かつ前記軸受の一側面又は前記軸受の内周面に固定するための固定部とを備えた可撓性部材を予め準備し、
前記可撓性部材の可撓性部材部が前記軸受の内周面に対して所望の隙間を存するように、前記可撓性部材を配置し、前記可撓性部材の可撓性部材部を前記軸受の一側面に片持ち状に固定し、前記可撓性部材の可撓性部材部に前記軸によって発生する弾性変形により、前記軸と前記軸受との片当りを防ぐことを特徴としたすべり軸受である。
弾性材料を円筒状にした可撓性部材部、又は弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材部の軸方向の一端部に直交するように一体に形成され、かつ前記軸受の一側面又は前記軸受の内周面に固定するための固定部とを備えた可撓性部材を予め準備し、
前記可撓性部材の可撓性部材部が前記軸受の内周面に対して所望の隙間を存するように、前記可撓性部材を配置し、前記可撓性部材の可撓性部材部を前記軸受の一側面に片持ち状に固定し、前記可撓性部材の可撓性部材部に前記軸によって発生する弾性変形により、前記軸と前記軸受との片当りを防ぐことを特徴としたすべり軸受である。
前記目的を達成するため、請求項7に対応する発明は、軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の外側にあるすべり軸受において、
弾性部材を円筒状にした可撓性部材部、又は弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材部であって、軸方向の長さが異なる複数組の可撓性部材部と、この各組の可撓性部材部を軸方向の長さの短いものから順次重ねた状態で、前記各可撓性部材部の一端部に直交し、一体に形成され、かつ前記軸受の一側面に固定するための固定部とを備えた可撓性部材を予め準備し、
前記各組の可撓性部材の可撓性部材部が前記軸受の内周面に対して所望の隙間を存すると共に、前記隙間の狭い軸受端部側に向かって前記各円筒部の枚数が少なくなるように前記可撓性部材を配置し、前記可撓性部材の可撓性部材部を前記軸受の一側面に片持ち状に固定し、前記可撓性部材の可撓性部材部に前記軸によって発生する弾性変形により、前記軸と前記軸受との片当りを防ぐことを特徴としたすべり軸受である。
弾性部材を円筒状にした可撓性部材部、又は弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材部であって、軸方向の長さが異なる複数組の可撓性部材部と、この各組の可撓性部材部を軸方向の長さの短いものから順次重ねた状態で、前記各可撓性部材部の一端部に直交し、一体に形成され、かつ前記軸受の一側面に固定するための固定部とを備えた可撓性部材を予め準備し、
前記各組の可撓性部材の可撓性部材部が前記軸受の内周面に対して所望の隙間を存すると共に、前記隙間の狭い軸受端部側に向かって前記各円筒部の枚数が少なくなるように前記可撓性部材を配置し、前記可撓性部材の可撓性部材部を前記軸受の一側面に片持ち状に固定し、前記可撓性部材の可撓性部材部に前記軸によって発生する弾性変形により、前記軸と前記軸受との片当りを防ぐことを特徴としたすべり軸受である。
前記目的を達成するため、請求項8に対応する発明は、軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の内部にあるすべり軸受において、
弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材部の外周面であって、軸方向の一端部近くに一体に形成され、かつ前記軸受の内周面に支持するための支持部とを備えた可撓性部材を予め準備し、
前記可撓性部材の可撓性部材部が前記軸受の内周面に対して所望の隙間を存するように、前記可撓性部材を配置し、前記可撓性部材の支持部を前記軸受の内周面に片持ち状態に近い状態に支持し、前記可撓性部材の可撓性部材部に前記軸によって発生する弾性変形により、前記軸と前記軸受との片当りを防ぐことを特徴としたすべり軸受である。
弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材部の外周面であって、軸方向の一端部近くに一体に形成され、かつ前記軸受の内周面に支持するための支持部とを備えた可撓性部材を予め準備し、
前記可撓性部材の可撓性部材部が前記軸受の内周面に対して所望の隙間を存するように、前記可撓性部材を配置し、前記可撓性部材の支持部を前記軸受の内周面に片持ち状態に近い状態に支持し、前記可撓性部材の可撓性部材部に前記軸によって発生する弾性変形により、前記軸と前記軸受との片当りを防ぐことを特徴としたすべり軸受である。
前記目的を達成するため、請求項11に対応する発明は、軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の内部にあるすべり軸受において、
弾性材料を円筒状にしかつ軸方向の長さの異なる複数個の可撓性部材部と、この各可撓性部材部を軸方向の長さの短いものから順次重ねた状態で、前記各可撓性部材部の一端部よりに直交し、一体に形成され、かつ前記軸受の内周面に固定するための固定部とを備えた可撓性部材を予め準備し、
前記可撓性部材の各可撓性部材部が前記軸受の内周面に対して所望の隙間を存すると共に、前記隙間の狭い軸受端部側に向かって前記各可撓性部材部の枚数が少なくなるように前記可撓性部材を配置し、前記可撓性部材の可撓性部材部を前記軸受の内周面に片持ち状態に近い状態で固定し、前記可撓性部材の可撓性部材部に前記軸によって発生する弾性変形により、前記軸と前記軸受との片当りを防ぐことを特徴としたすべり軸受である。
弾性材料を円筒状にしかつ軸方向の長さの異なる複数個の可撓性部材部と、この各可撓性部材部を軸方向の長さの短いものから順次重ねた状態で、前記各可撓性部材部の一端部よりに直交し、一体に形成され、かつ前記軸受の内周面に固定するための固定部とを備えた可撓性部材を予め準備し、
前記可撓性部材の各可撓性部材部が前記軸受の内周面に対して所望の隙間を存すると共に、前記隙間の狭い軸受端部側に向かって前記各可撓性部材部の枚数が少なくなるように前記可撓性部材を配置し、前記可撓性部材の可撓性部材部を前記軸受の内周面に片持ち状態に近い状態で固定し、前記可撓性部材の可撓性部材部に前記軸によって発生する弾性変形により、前記軸と前記軸受との片当りを防ぐことを特徴としたすべり軸受である。
前記目的を達成するため、請求項12に対応する発明は、軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の外側又は前記軸受の内部にあるすべり軸受において、
円筒部を軸方向に沿って分割した分割円筒部を複数個組合わせてなる円筒部と、前記円筒部の両端部に直交するように一体的に形成され前記軸受の側面に支持するための支持部からなる円筒体を準備し、前記円筒体の支持部を貫通するように回り止めピンを設け、この回り止めピンを前記軸受の両側面にそれぞれ形成された回り止め穴に挿入して、前記軸受の側面に前記円筒体の支持部を摺動可能に支持し、前記円筒体の円筒部の外周面と前記軸受の内周面との間に、軸方向に剛性の異なる可撓性部材を設けたことを特徴するすべり軸受である。
円筒部を軸方向に沿って分割した分割円筒部を複数個組合わせてなる円筒部と、前記円筒部の両端部に直交するように一体的に形成され前記軸受の側面に支持するための支持部からなる円筒体を準備し、前記円筒体の支持部を貫通するように回り止めピンを設け、この回り止めピンを前記軸受の両側面にそれぞれ形成された回り止め穴に挿入して、前記軸受の側面に前記円筒体の支持部を摺動可能に支持し、前記円筒体の円筒部の外周面と前記軸受の内周面との間に、軸方向に剛性の異なる可撓性部材を設けたことを特徴するすべり軸受である。
本発明によれば、回転中に発生する軸の傾きに追従して、軸受と軸の損傷などの問題を解決することができるすべり軸受を提供することができる。
以下、本発明によるすべり軸受の実施形態について図面を参照して説明する。
図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。図1に示す実施形態は、軸受1の内周面と、この内周面側に配設される軸3の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、軸受1の内周面の軸受中心2と、この軸受中心2に対して傾斜した状態の軸3の軸中心4とが交わる交点5(又は軸3の円錐状振れ回りの頂点)が軸受1の外側にあるすべり軸受が前提で以下のように構成されている。
すなわち、軸受1の内周面に弾性材料を円筒状にした可撓性部材11を接合し、かつ軸3と対向する可撓性部材11の内周面における直径寸法を軸受1の両端部間において同一とし、軸受1の内周面と接合される可撓性部材11の外周面の直径寸法は、軸受1の端部のうち軸3の外周面との隙間の狭い軸受1の端部側に向かって徐々に大きくなるように形成し、隙間の狭い軸受の端部側の摺動面が、軸受1とこの軸受1を支持する軸受台6との間に形成される潤滑膜に発生する圧力によって圧縮変形し易く構成したものである。
可撓性部材11としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の工業系材料の摩擦係数の小さい摺動性に優れた材質のものを使用する。
このようにするのは、軸受中心2と傾斜した軸中心4の交点5(または前述した軸の円錐状振れ回りの頂点)が軸受1の外側にある場合は、前述したように図19や図20に示す右端部側が片当りし易くなる。
そこで、前述した摺動性に優れた可撓性部材11を軸受1の表面(軸受の内周面)に接合し、且つ隙間の狭い軸受端部側が圧縮変形し易いように、可撓性部材11の厚さを図1のように分布させる。
ここで、図2を参照して図1の可撓性部材11の具体的構成について説明する。軸受1の平均面圧をPm、軸3の傾斜高さをδ、可撓性部材11の弾性率をEとすれば、軸受1の両端部の可撓性部材11の肉厚の薄側及び肉の厚い側の厚さt0及びt1とすると、おおよそ以下の範囲に設定することにより、適正な変形を得ることができる。
1/4 < Pm/E×(t1-t0)/δ < 1 (t0は0〜数mmを基準とする)
このように可撓性部材11を接合することにより軸受摺動面は、変形前の潤滑膜の圧力分布12aによって図3の13に示すような形状(12bは変形後の圧力分布)となり、片当りを回避できる。前述した特許文献1に示す軸受(例えば図22の摺動材8に弾性率の低い樹脂を接合)は可撓性部材が一様な厚さのため、図4に示すような圧力分布12cとなり、薄膜摺動材8に軸受端部近傍が十分に変形できず、軸と接触する可能性があったが、本実施形態によりこれを改善することができる。
1/4 < Pm/E×(t1-t0)/δ < 1 (t0は0〜数mmを基準とする)
このように可撓性部材11を接合することにより軸受摺動面は、変形前の潤滑膜の圧力分布12aによって図3の13に示すような形状(12bは変形後の圧力分布)となり、片当りを回避できる。前述した特許文献1に示す軸受(例えば図22の摺動材8に弾性率の低い樹脂を接合)は可撓性部材が一様な厚さのため、図4に示すような圧力分布12cとなり、薄膜摺動材8に軸受端部近傍が十分に変形できず、軸と接触する可能性があったが、本実施形態によりこれを改善することができる。
以上述べた第1実施形態は、可撓性部材11としては弾性材料を円筒状にしたものをあげたが、これを次のように構成してもよい。すなわち、弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材11であっても、前述の実施形態と同様な作用効果が得られる。
図5は本発明の第2実施形態を説明するための図である。本実施形態は、第1実施形態における可撓性部材11を断面形状を階段状に変化させた可撓性部材14を用いたものである。具体的には、可撓性部材14は、軸受1の内周面と接合される可撓性部材の接合面を軸方向と直交するように階段状に形成し、接合面に作用するせん断力を小さくするようにしたものである。
このように構成することで、第1実施形態で可能性のある点を改善できる。第1実施形態の可撓性部材11では軸受幅方向に傾斜させて接合面を設けたが、これでは潤滑膜圧力によってこの傾斜した接合面間(軸受表面と可撓性部材裏面間)にせん断力が発生するため、経年的に剥離する可能性がある。
そこで、本実施形態に示すように接合面を階段状にして、可撓性部材14を形成する(厚さは前述の式に順ずる)。これにより圧力の作用方向と接合面が垂直になるので、せん断力が顕著に低下して接着安定性を向上することができる。また、可撓性部材14を高温例えば1200℃で高圧力下で成形できるので、製作が容易である。
図6は本発明の第3実施形態を説明するための図である。本実施形態の前提は、第1実施形態とは異なる。すなわち、軸3の外周面に配設される軸受1の内周面と、軸3の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、軸受中心2と、この軸受中心2に対して傾斜した状態の軸中心4とが交わる交点5(又は軸3の円錐状振れ回りの頂点)が軸受1の内部にあるすべり軸受である。
この前提で、次のようにしたものである。軸受1の内周面に円筒状の可撓性部材15を接合し、かつ軸3と対向する可撓性部材15の内周面における直径寸法を軸受1の両端部間において同一とし、軸3と対向する可撓性部材15の外周面における直径寸法は、交点5又は前記頂点近傍で最も小さくなるようにし、かつ可撓性部材15の外周面における直径寸法は交点5又は頂点近傍から軸受1の両端部に向かって徐々に大きく形成して、軸受1の両端部の片当りを回避するようにしたものである。
第3実施形態のように構成することで、次のような作用効果が得られる。すなわち、第1及び第2実施形態では、前記交点5が軸受外部にある場合の可撓性部材の厚さ分布と接合面形状を与えるものであるが、荷重条件や軸の変形によってはこの交点が軸受内部に存在することがある。このような場合、図6に示すように交点5の近傍に可撓性部材15の最も薄い箇所を配置することによって、両軸受端部側を変形し易くし片当りを防止することができる。また、第2実施形態と同様に、接合面を階段状に設けることによって、接着安定性を向上することができる。なお、可撓性部材15の厚さは前述の式に順ずる。
以上述べた第3実施形態は、可撓性部材15としては弾性材料をほぼ円筒状にしたものをあげたが、これを次のように構成してもよい。すなわち、弾性材料をほぼ円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材15であっても、前述の第3実施形態と同様な作用効果が得られる。
図7及び図8は、本発明の第4実施形態を説明するための図である。第4実施形態の前提は、軸3の外周面に配設される軸受1の内周面と、軸3の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、軸受1の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の軸3の中心とが交わる交点5又は軸の円錐状振れ回りの頂点が軸受1の外側にあるすべり軸受である。
この前提において、次のように構成したものである。弾性材料を円筒状にした可撓性部材部16aと、可撓性部材部16aの軸方向の一端部に直交するように一体に形成され、かつ軸受1の一側面又は軸受1の内周面に固定するための固定部16bとを備えた可撓性部材(薄肉円筒)16を予め準備し、可撓性部材部16aが軸受1の内周面に対して所望の隙間を存するように、可撓性部材16を配置し、可撓性部材部16aを軸受1の一側面に片持ち状に固定し、可撓性部材部16aに軸3によって発生する弾性変形により、軸3と軸受1との片当りを防ぐようにしたすべり軸受である。
第4実施形態のように構成することにより、次のような作用効果が得られる。すなわち、図7及び図8に示すように可撓性部材16を軸受1の内周面と隙間を介して方持ち状に取り付け、この可撓性部材部16aの圧力による弾性変形を利用するものである。この弾性変形により第1実施形態と同様の効果が得られ、図8のように片当りを防止することができる。
以上述べた第4実施形態は、可撓性部材16は弾性材料を円筒状にした可撓性部材部16aと、可撓性部材部16aの軸方向の一端部に直交するように一体に形成され、かつ軸受1の一側面又は軸受1の内周面に固定するための固定部16bとを備えたものを説明したが、これを次のようにしてもよい。すなわち、弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材部の軸方向の一端部に直交するように一体に形成され、かつ軸受1の一側面又は前記軸受の内周面に固定するための固定部とを備えた可撓性部材であってもよい。この場合であっても、可撓性部材部が軸受1の内周面に対して所望の隙間を存するように、可撓性部材を配置し、可撓性部材部を軸受1の一側面に片持ち状に固定し、可撓性部材部に軸3によって発生する弾性変形により、軸3と軸受1との片当りを防ぐことができる。
図9は本発明の第5実施形態を説明するための図である。図7及び図8の実施形態において、可撓性部材16の可撓性部材部16aと軸受1の内周面との間の隙間に、弾性材料からなる第2の可撓性部材17を挿入させ、可撓性部材部16aの変形を微調整できるようにしたすべり軸受である。
図9に示すように構成することにより、次のような作用効果が得られる。第2の可撓性部材17の剛性は全面に亘って均一でもよいが、軸3の傾斜角あるいは振れ回りの振幅などに対応して、可撓性部材部(薄肉円筒表面又は摺動面)16a各部の変形量を制御するために軸方向あるいは周方向に剛性を変化させ、軸受1の負荷特性を更に向上させることができる。
図10は本発明の第6実施形態を説明するための図である。本実施形態のすべり軸受は、図7、図8に示す可撓性部材16の可撓性部材部16aの肉厚が同一であったものを、隙間の狭い軸受端部に向かって薄くなるように形成した可撓性部材部18aを備えた可撓性部材(薄肉円筒)18を使用したものである。なお、可撓性部材部18aの軸方向の一端部に直交するように一体に形成され、かつ軸受の一側面又は軸受1の内周面に固定するための固定部18bを備えている。このように構成した可撓性部材18を使用することで、図7、図8に示す実施形態に比べて軸受1の端部側をより変形し易くなり、片当りを防止することができる。
図11は本発明の第7実施形態を説明するための図である。第7実施形態の前提は、軸の外周面に配設される軸受1の内周面と、軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、軸受1の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の軸の中心とが交わる交点又は軸の円錐状振れ回りの頂点が軸受1の外側にあるすべり軸受であって、以下のように構成された可撓性部材19を備えている。
すなわち、可撓性部材19は、弾性材料を円筒状にした可撓性部材部19aを複数個備え、各可撓性部材部19aは、軸方向の長さが異なる複数組(ここでは3組)あり、この各組の可撓性部材部19aを軸方向の長さの短いものから順次重ねた状態で、各可撓性部材部19aの一端部に直交し、溶接等により一体に形成され、かつ軸受1の一側面に固定するための固定部19bとを備えたものである。この場合、各組の可撓性部材部19aが軸受1の内周面に対して所望の隙間を存すると共に、隙間の狭い軸受端部側に向かって各可撓性部材部19aの枚数が少なくなるように配置し、可撓性部材部19aを軸受1の一側面に片持ち状に固定部19bを固定したものである。
このように、可撓性部材部19aの軸方向の長さの異なるものを組合わせることで、軸方向の剛性が変化することにより、可撓性部材部19aに軸によって発生する弾性変形により、軸と軸受1との片当りを防ぐことができる。
なお、図11の実施形態では、可撓性部材19の可撓性部材部19aとして円筒状に形成したものを複数組組合わせたものを説明したが、各組の可撓性部材部19aは弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなるものであってもよい。
図12、図13は本発明の第8実施形態を説明するための図である。第8実施形態の前提は、軸の外周面に配設される軸受1の内周面と、軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、軸受1の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の内部にあるすべり軸受である。第8実施形態では、前述の前提において、可撓性部材32を次のように構成したものである。すなわち、可撓性部材32は、図12に示すように弾性材料を円筒状にした可撓性部材部31と、可撓性部材部31の外周面であって、軸方向の一端部近くに一体に形成され、かつ軸受1の内周面に支持するための例えば断面台形状の支持部20とを備えたものである。この可撓性部材32を予め準備し、可撓性部材部31が軸受1の内周面に対して所望の隙間を存するように、可撓性部材32を配置し、可撓性部材32の支持部を前記軸受の内周面に片持ち状態に近い状態に支持するため、図13に示すように断面台形状の円周溝21を形成し、この円周溝21に支持部20を嵌めるようにしたものである。
このように構成することにより、可撓性部材32の可撓性部材部31に軸によって発生する弾性変形により、軸と軸受1との片当りを防ぐことができる。
なお、前述した可撓性部材32は、弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って2分割以上とした分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材部31とする。図12及び図13の構成を、図9、図10、図11に組合わせることもでき、このようにすることにより変形量を制御することができる。
図14は第9実施形態を説明するための図である。第9実施形態の前提は、軸の外周面に配設される軸受1の内周面と、軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、軸受1の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の外側又は前記軸受の内部にあるすべり軸受である。
このような前提において、円筒部を軸方向に沿って分割した分割円筒部を複数個組合わせてなる円筒部と、円筒部22aの両端部に直交するように一体的に形成され軸受1の側面に支持するための支持部22bからなる円筒体(薄肉円筒)22を準備し、円筒体22の支持部22bを貫通するようにT字状の回り止めピン23を設け、この回り止めピン23を軸受1の両側面にそれぞれ形成された回り止め穴24に挿入して、軸受1の側面に円筒体22の支持部22bを摺動可能に支持し、円筒体22の円筒部22aの外周面と軸受1の内周面との間に、軸方向に剛性の異なる可撓性部材25を設けものである。
可撓性部材25は、軸方向に剛性が変化しており、軸受1と傾斜した軸の中心の交点または軸の円錐状振れ回りの頂点近傍で剛性が非常に高く、軸受両端部(交点が軸受外部の場合は隙間の狭い端部)へ向かって剛性が低下している。これにより前述の交点近傍ではほとんど変形せず、両軸受端部側(交点が軸受外部の場合は隙間の狭い端部側)に向かって変形し易い薄肉円筒が構成され、片当りを防止することができる。
図15及び図16は本発明の第10実施形態を説明するための図である。第10実施形態は、前述の第1〜第9実施形態において、前述の隙間の狭い軸受端部側又は軸受の両端部に円周方向溝27を設け、この溝27内に潤滑剤を導入するように構成した例である。このように構成することにより、軸受端部の潤滑不良を防止することができる。
具体的には、図15に示すように軸3が傾斜すると、潤滑剤26が隙間の広い方に流れ易くなり、隙間の狭い方に潤滑剤が十分に流れず潤滑不良から膜破断して圧力が生じ難くなることがある。このような場合、圧力によって可撓面が変形する前に接触する可能性がある。そこで、図15および図16に示すように隙間が狭くなる軸受端部側(交点が軸受内部の場合は両端部側)の摺動面に、円周方向溝27を設けて溝内に潤滑剤28を導入し、隙間の狭い端部側の潤滑不良を防止して圧力を発生させ、可撓面を変形させて片当りを回避することができる。
図17は本発明の第11実施形態を説明するための図である。第11実施形態は、前述の第1〜第9実施形態において、軸受中央部側から隙間の狭い前記軸受の端部側に向かうダム状(レーリーステップ型)の溝29を設け、このダム状の溝29内に潤滑剤30を導入し、該軸受端部の潤滑不良を防止するようにしたすべり軸受である。具体的には、隙間の狭い端部側(交点が軸受内部の場合は両端部側)の潤滑不良を防止でき、第10実施形態と同様の効果を得ることができる。
<変形例>
本発明は、以上述べた実施形態に限らず、例えば次のように変形して実施できる。
本発明は、以上述べた実施形態に限らず、例えば次のように変形して実施できる。
図7、図8、図9、図10における可撓性部材(薄肉円筒)16又は18は、次のようにしてもよい。すなわち、可撓性部材部16a(18a)と固定部16b(18b)を別々に製作し、この両者16a(18a)、16b(18b)を溶接接合したり、又は可撓性部材部16a(18a)と固定部16b(18b)を一体に形成し、後に可撓性部材部16a(18a)に対して固定部16b(18b)を直交するように折り曲げてもよく、さらに可撓性部材(薄肉円筒)16又は18は軸方向に沿って切断し、2分割又は3分割以上の構成としてもよい。
図12の実施形態における、弾性材料を円筒状にした可撓性部材部31と、軸受1の内周面との隙間に第2の可撓性部材を挿入させ、可撓性部材32の可撓性部材部31の変形を微調整できるようにしてもよい。
また、図12の実施形態における、可撓性部材32の可撓性部材部31の肉厚を前記隙間の狭い軸受端部に向かって薄くなるように変化させ、軸受1の端部側をより変形し易くするようにしてもよい。
1…軸受(軸受台金)、2…軸受中心、3…軸、4…軸中心、5…軸受と軸の中心の交点または軸の円錐状振回りの頂点、6…軸受台、7…軸受内周面(軸受表面)、8…薄膜摺動材(摺動材)、9…ティルティングパッド、10…ピボット、11…可撓性部材、12a、12b、12c…圧力分布、13…変形後の軸受摺動面、14…可撓性部材、
15…可撓性部材、16…可撓性部材、16a…可撓性部材部、16b…固定部、17…可撓性部材、18…可撓性部材、18a…可撓性部材部、18b…固定部、19…可撓性部材、19a…可撓性部材部、19b…固定部、20…支持部、21…円周溝、22…円筒体、22a…円筒部、22b…支持部、23…回り止めピン、24…回り止め穴、25…可撓性部材、26…潤滑剤の流れ、27…円周方向溝、28…潤滑剤、29…ダム状の溝、30…潤滑剤、31…可撓性部材部、32…可撓性部材。
15…可撓性部材、16…可撓性部材、16a…可撓性部材部、16b…固定部、17…可撓性部材、18…可撓性部材、18a…可撓性部材部、18b…固定部、19…可撓性部材、19a…可撓性部材部、19b…固定部、20…支持部、21…円周溝、22…円筒体、22a…円筒部、22b…支持部、23…回り止めピン、24…回り止め穴、25…可撓性部材、26…潤滑剤の流れ、27…円周方向溝、28…潤滑剤、29…ダム状の溝、30…潤滑剤、31…可撓性部材部、32…可撓性部材。
Claims (14)
- 軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の外側にあるすべり軸受において、
前記軸受の内周面に、弾性材料を円筒状にした可撓性部材、又は弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材を接合し、かつ前記軸と対向する前記可撓性部材の内周面における直径寸法を前記軸受の両端部間において同一とし、前記軸受の内周面と接合される前記可撓性部材の外周面の直径寸法は、前記軸受の端部のうち前記軸の外周面との隙間の狭い前記軸受の端部側に向かって徐々に大きくなるように形成し、前記隙間の狭い軸受の端部側の摺動面が、前記軸受とこの軸受を支持する軸受台との間に形成される潤滑膜に発生する圧力によって圧縮変形し易く構成したことを特徴とするすべり軸受。 - 前記軸受の内周面と接合される前記可撓性部材の接合面を軸方向と直交するように階段状に形成し、前記接合面に作用するせん断力を小さくするようにしたことを特徴とする請求項1に記載のすべり軸受。
- 軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の内部にあるすべり軸受において、
前記軸受の内周面に、弾性材料を円筒状にした可撓性部材、又は弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材を接合し、かつ前記軸と対向する前記可撓性部材の内周面における直径寸法を前記軸受の両端部間において同一とし、前記軸と対向する前記可撓性部材の外周面における直径寸法は、前記交点又は前記頂点近傍で最も小さくなるようにし、かつ前記可撓性部材の外周面における直径寸法は前記交点又は前記頂点近傍から前記軸受の両端部に向かって徐々に大きく形成して、前記軸受の両端部の片当りを回避することを特徴としたすべり軸受。 - 軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の外側にあるすべり軸受において、
弾性材料を円筒状にした可撓性部材部、又は弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材部の軸方向の一端部に直交するように一体に形成され、かつ前記軸受の一側面又は前記軸受の内周面に固定するための固定部とを備えた可撓性部材を予め準備し、
前記可撓性部材部が前記軸受の内周面に対して所望の隙間を存するように、前記可撓性部材を配置し、前記可撓性部材部を前記軸受の一側面に片持ち状に固定し、前記可撓性部材部に前記軸によって発生する弾性変形により、前記軸と前記軸受との片当りを防ぐことを特徴としたすべり軸受。 - 前記可撓性部材の可撓性部材部と前記軸受の内周面との間の隙間に、第2の可撓性部材を挿入させ、前記可撓性部材の可撓性部材部の変形を微調整できるようにしたことを特徴とした請求項4に記載のすべり軸受。
- 前記可撓性部材の可撓性部材部の肉厚を前記隙間の狭い軸受端部に向かって薄くなるように変化させ、前記軸受の端部側をより変形し易くすることを特徴とした請求項4に記載のすべり軸受。
- 軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の外側にあるすべり軸受において、
弾性材料を円筒状にした可撓性部材部、又は弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材部であって、軸方向の長さが異なる複数組の可撓性部材部と、この各組の可撓性部材部を軸方向の長さの短いものから順次重ねた状態で、前記各可撓性部材部の一端部に直交し、一体に形成され、かつ前記軸受の一側面に固定するための固定部とを備えた可撓性部材を予め準備し、
前記各組の可撓性部材部が前記軸受の内周面に対して所望の隙間を存すると共に、前記隙間の狭い軸受端部側に向かって前記各可撓性部材部の枚数が少なくなるように前記可撓性部材を配置し、前記可撓性部材部を前記軸受の一側面に片持ち状に固定し、前記可撓性部材の可撓性部材部に前記軸によって発生する弾性変形により、前記軸と前記軸受との片当りを防ぐことを特徴としたすべり軸受。 - 軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の内部にあるすべり軸受において、
弾性材料を円筒状にしたものを軸方向に沿って分割した分割円筒状部を複数個組合わせてなる可撓性部材部の外周面であって、軸方向の一端部近くに一体に形成され、かつ前記軸受の内周面に支持するための支持部とを備えた可撓性部材を予め準備し、
前記可撓性部材の可撓性部材部が前記軸受の内周面に対して所望の隙間を存するように、前記可撓性部材を配置し、前記可撓性部材の支持部を前記軸受の内周面に片持ち状態に近い状態に支持し、前記可撓性部材の可撓性部材部に前記軸によって発生する弾性変形により、前記軸と前記軸受との片当りを防ぐことを特徴としたすべり軸受。 - 前記可撓性部材の可撓性部材部と前記軸受の内周面との間の隙間に、第2の可撓性部材を挿入させ、前記可撓性部材の可撓性部材部の変形を微調整できるようにしたことを特徴とした請求項8に記載のすべり軸受。
- 前記可撓性部材の可撓性部材部の肉厚を前記隙間の狭い軸受端部に向かって薄くなるように変化させ、前記軸受の端部側をより変形し易くすることを特徴とした請求項8に記載のすべり軸受。
- 軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の内部にあるすべり軸受において、
弾性材料を円筒状にしかつ軸方向の長さの異なる複数個の可撓性部材部と、この各可撓性部材部を軸方向の長さの短いものから順次重ねた状態で、前記各可撓性部材部の一端部よりに直交し、一体に形成され、かつ前記軸受の内周面に固定するための固定部とを備えた可撓性部材を予め準備し、
前記可撓性部材の各可撓性部材部が前記軸受の内周面に対して所望の隙間を存すると共に、前記隙間の狭い軸受端部側に向かって前記各可撓性部材部の枚数が少なくなるように前記可撓性部材を配置し、前記可撓性部材の可撓性部材部を前記軸受の内周面に片持ち状態に近い状態で固定し、前記可撓性部材の可撓性部材部に前記軸によって発生する弾性変形により、前記軸と前記軸受との片当りを防ぐことを特徴としたすべり軸受。 - 軸の外周面に配設される軸受の内周面と、前記軸の外周面との間にミスアライメントが存在するものであって、前記軸受の内周面の中心と、この中心に対して傾斜した状態の前記軸の中心とが交わる交点又は前記軸の円錐状振れ回りの頂点が前記軸受の外側又は前記軸受の内部にあるすべり軸受において、
円筒部を軸方向に沿って分割した分割円筒部を複数個組合わせてなる円筒部と、前記円筒部の両端部に直交するように一体的に形成され前記軸受の側面に支持するための支持部からなる円筒体を準備し、前記円筒体の支持部を貫通するように回り止めピンを設け、この回り止めピンを前記軸受の両側面にそれぞれ形成された回り止め穴に挿入して、前記軸受の側面に前記円筒体の支持部を摺動可能に支持し、前記円筒体の円筒部の外周面と前記軸受の内周面との間に、軸方向に剛性の異なる可撓性部材を設けたことを特徴するすべり軸受。 - 隙間の狭い前記軸受端部側又は前記軸受の両端部に円周方向溝を設け、この溝内に潤滑剤を導入し、該軸受端部の潤滑不良を防止することを特徴とした請求項1から請求項12のいずれか一つに記載のすべり軸受。
- 前記軸受中央部側から隙間の狭い前記軸受の端部側に向かうダム状の溝を設け、このダム状の溝内に潤滑剤を導入し、該軸受端部の潤滑不良を防止することを特徴とした請求項1から請求項12のいずれか一つに記載のすべり軸受。
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