JP2015132333A - フォイル軸受 - Google Patents

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Masato Yoshino
真人 吉野
藤原 宏樹
Hiroki Fujiwara
宏樹 藤原
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Abstract

【課題】フォイル軸受において、軸受隙間における負圧の発生を防止して、負荷容量の低下を回避する。
【解決手段】本発明のフォイル軸受10では、各フォイル12のトップフォイル部Aの前方部分A1とスラストカラー2の端面2aとの間に、スラスト軸受隙間Tの小隙間部T1が形成される。また、各フォイル12のトップフォイル部Aの後方部分A2とスラストカラー2の端面2aとの間に、スラスト軸受隙間Tの大隙間部T2が形成される。そして、大隙間部T2と、各フォイル12とフォイルホルダ11との間の空間Pとを連通する連通路(貫通孔13a)を設けた。
【選択図】図3

Description

本発明は、フォイル軸受に関する。
ガスタービンやターボチャージャ等のターボ機械の主軸を支持する軸受には、高温・高速回転といった過酷な環境に耐え得ることが要求される。このような条件下での使用に適合する軸受として、フォイル軸受が着目されている。フォイル軸受は、曲げに対して剛性の低い可撓性を有する薄膜(フォイル)で軸受面を構成し、軸受面のたわみを許容することで荷重を支持するものである。軸の回転時には、軸の外周面とフォイルの軸受面との間に流体膜(例えば空気膜)が形成され、軸が非接触支持される。
ガスタービンや過給機の軸には、タービンの高速回転により発生する気流のスラスト方向の反力が加わるため、軸をラジアル方向だけでなくスラスト方向にも支持する必要がある。例えば下記の特許文献1〜3には、軸に設けられたスラストカラーをスラスト方向に支持するフォイル軸受(スラストフォイル軸受)の一種として、リーフ型のスラストフォイル軸受が示されている。このスラストフォイル軸受は、円盤状のフォイルホルダの端面の円周方向複数箇所に、複数のリーフ型のフォイルを設けたものであり、各フォイルの周方向一方の端部は自由端とされ、各フォイルの周方向一方の端部が固定部材の端面に固定される。軸が回転すると、各フォイルの軸受面とこれに対向するスラストカラーの端面との間にスラスト軸受隙間が形成され、このスラスト軸受隙間の流体膜により軸及びスラストカラーがスラスト方向に非接触支持される。
上記のスラストフォイル軸受では、各リーフが円周方向に離間して設けられているため、フォイルの円周方向間領域は軸受面として機能せず、支持力が不足する恐れがある。
例えば、下記特許文献4に示されているスラストフォイル軸受110では、図19に示すように、各フォイル112の周方向一方側(軸回転方向先行側)の端部112aが自由端とされ、この端部112aが、隣接するフォイル112の上に重ねて配置される。各フォイル112の周方向一方側の端部112aを含む領域は、スラスト軸受面S1’を有するトップフォイル部A’を構成する。各フォイル112の周方向他方の端部112bを含む領域は、隣接するフォイル112のトップフォイル部A’を背後(図中下方)から支持するバックフォイル部B’を構成する。このように、隣接するフォイル112を重ねることで、スラスト軸受面S1’を全周に連続して設けることができる。
実開昭61−36725号公報 実開昭61−38321号公報 特開昭63−195412号公報 特開2013−61024号公報
図19に示すフォイル軸受110において、スラストカラー101が図中矢印方向に回転すると、各フォイル112のスラスト軸受面S1’とスラストカラー101の端面101aとの間にスラスト軸受隙間T’が形成される。このとき、各フォイル112のトップフォイル部A’が、隣接するフォイル112のバックフォイル部B’に乗り上げていることで、スラスト軸受隙間T’の大きさが場所によって異なる。具体的には、各フォイル112のトップフォイル部A’のうち、隣接するフォイル112のバックフォイル部B’に乗り上げている部分(前方部分A1’)とスラストカラー101との間には、隙間幅が相対的に小さいスラスト軸受隙間(小隙間部T1’)が形成される。一方、各フォイル112のトップフォイル部A’のうち、隣接するフォイル112のバックフォイル部B’に乗り上げていない部分(後方部分A2’)とスラストカラー101との間には、隙間幅が相対的に大きいスラスト軸受隙間(大隙間部T2’)が形成される。この場合、スラスト軸受隙間T’の流体は、小隙間部T1’で圧力が高められた直後に、大隙間部T2’で圧力が急激に低下するため、大隙間部T2’の流体に負圧が生じ、スラストフォイル軸受110の負荷容量が低下する恐れがある。特に、流体の粘度が小さい場合や、軸の回転速度が大きい場合、負圧が生じる恐れが高くなる。
上記のような問題は、スラストフォイル軸受に限らず、ラジアルフォイル軸受においても同様に生じる。
本発明が解決すべき技術的課題は、各フォイルの周方向一方の端部を隣接するフォイルの上に重ねて配置したフォイル軸受において、軸受隙間における負圧の発生を防止して、負荷容量の低下を回避することにある。
前記課題を解決するためになされた本発明は、周方向一方に回転する軸に設けられたスラストカラーと軸方向に対向するフォイルホルダと、前記フォイルホルダの端面に取り付けられ、周方向に並べて配された複数のフォイルとを備え、各フォイルの周方向一方の端部を自由端とし、各フォイルの周方向一方の端部を含む領域が、スラスト軸受面を有するトップフォイル部を構成すると共に、各フォイルの周方向他方の端部を含む領域が、隣接するフォイルの前記トップフォイル部を背後から支持するバックフォイル部を構成し、前記スラスト軸受面と前記スラストカラーの端面との間に形成されるスラスト軸受隙間の流体圧で前記軸をスラスト方向に回転自在に支持するフォイル軸受であって、各フォイルの前記トップフォイル部のうち、当該トップフォイル部の周方向一方の端部を含む領域と前記スラストカラーの端面との間に、前記スラスト軸受隙間の小隙間部が形成され、各フォイルの前記トップフォイル部のうち、当該トップフォイル部の周方向他方の端部を含む領域と前記スラストカラーの端面との間に、前記スラスト軸受隙間の大隙間部が形成され、前記大隙間部と、前記フォイルと前記フォイルホルダとの間の空間とを連通する連通路を設けたことを特徴とするものである。
また、前記課題を解決するためになされた本発明は、内周に軸が挿入されたフォイルホルダと、前記フォイルホルダの内周面に取り付けられ、周方向に並べて配された複数のフォイルとを備え、各フォイルの周方向一方の端部を自由端とし、各フォイルの周方向一方の端部を含む領域が、ラジアル軸受面を有するトップフォイル部を構成すると共に、各フォイルの周方向他方の端部を含む領域が、隣接するフォイルを背後から支持するバックフォイル部を構成し、前記ラジアル軸受面と前記軸の外周面との間に形成されるラジアル軸受隙間の流体圧で前記軸をラジアル方向に回転自在に支持するフォイル軸受であって、各フォイルの前記トップフォイル部のうち、当該トップフォイル部の周方向一方の端部を含む領域と前記軸の外周面との間に、前記ラジアル軸受隙間の小隙間部が形成され、各フォイルの前記トップフォイル部のうち、当該トップフォイル部の周方向他方の端部を含む領域と前記軸の外周面との間に、前記ラジアル軸受隙間の大隙間部が形成され、前記大隙間部と、前記フォイルと前記フォイルホルダとの間の空間とを連通する連通路を設けたことを特徴とするものである。
上記のように、本発明のフォイル軸受では、軸受隙間の大隙間部と、フォイルとフォイルホルダとの間の空間とが、連通路を介して連通される。これにより、大隙間部が常に大気圧に近い状態となるため、大隙間部における負圧の発生が防止され、フォイル軸受の負荷容量の低下を回避できる。
連通路は、例えば、各フォイルのトップフォイル部と、このトップフォイル部を背後から支持するバックフォイル部との間に形成することができる。具体的には、例えば、各フォイルのトップフォイル部と、このトップフォイル部を背後から支持するバックフォイル部との間に支持部材を設け、この支持部材に連通路を設けることができる(図4及び図5参照)。あるいは、各フォイルのトップフォイル部、及び、このトップフォイル部を背後から支持するバックフォイル部のうち、互いに対向する面の少なくとも一方に溝を形成し、この溝で連通路を構成することができる(図6参照)。
この他、フォイルに厚さ方向の貫通孔を形成し、この貫通孔で連通路を構成することができる。また、フォイルに切り欠きを形成し、この切り欠きで連通路を構成することができる。
以上のように、本発明のフォイル軸受によれば、連通路を設けることで、軸受隙間(特に大隙間部)における負圧の発生を防止して、負荷容量の低下を回避することができる。
本発明の一実施形態に係るスラストフォイル軸受の断面図である。 上記スラストフォイル軸受の平面図である。 図2のIII−III線における断面図である。 図2のIV−IV線における断面図である。 他の実施形態に係るスラストフォイル軸受の断面図である。 他の実施形態に係るスラストフォイル軸受のフォイルの斜視図である。 図6のフォイルを有するスラストフォイル軸受の断面図である。 他の実施形態に係るスラストフォイル軸受の平面図である。 他の実施形態に係るスラストフォイル軸受の平面図である。 図9のX−X線における断面図である。 他の実施形態に係るスラストフォイル軸受の平面図である。 図11のXII−XII線における断面図である。 他の実施形態に係るスラストフォイル軸受の平面図である。 他の実施形態に係るスラストフォイル軸受の平面図である。 本発明の一実施形態に係るラジアルフォイル軸受の断面図である。 上記ラジアルフォイル軸受の展開平面図である。 図15の拡大図である。 図17のW−W線における断面図である。 従来のスラストフォイル軸受の断面図である。
図1に、本発明の一実施形態に係るフォイル軸受としてのスラストフォイル軸受10を示す。このスラストフォイル軸受10は、例えばターボ機械の一種であるガスタービンに組み込まれ、周方向一方に回転する軸1に取り付けられた円盤状のスラストカラー2をスラスト方向に支持するものである。
スラストフォイル軸受10は、図2に示すように、フォイルホルダ11と、フォイルホルダ11に取り付けられた複数(図示例では8枚)のフォイル12とを備える。フォイルホルダ11は、軸心に穴を有する円盤状を成している。フォイルホルダ11の端面11aは、スラストカラー2の端面2aと軸方向に対向している(図1参照)。尚、以下では、説明の便宜上、各フォイル12に対して軸方向でスラストカラー2側を上方、各フォイル12に対して軸方向でフォイルホルダ11側を下方と言うが、これはスラストフォイル軸受10の使用態様を限定する趣旨ではない。本実施形態では、図1に示すように、軸1が水平方向に配される。
フォイル12は、ばね性に富み、かつ加工性のよい金属、例えば鋼材料や銅合金からなる厚さ20μm〜200μm程度の金属フォイルで形成される。金属フォイルとしては、ステンレス鋼もしくは青銅製のものを使用するのが好ましい。
複数のフォイル12は、フォイルホルダ11の端面11aに周方向等間隔に並べて配置される。図3に示すように、各フォイル12の周方向一方の端部12a(以下、前端12a)は自由端とされ、隣接するフォイル12の上に軸方向で重ねて配置される。各フォイル12の前端12aを含む領域は、スラスト軸受面S1を有するトップフォイル部Aを構成する。複数のフォイル12のスラスト軸受面S1は、周方向全周に連続して設けられる。一方、各フォイル12の周方向他方の端部12b(以下、後端12b)を含む領域は、隣接するフォイル12のトップフォイル部Aを背後(下方)から支持するバックフォイル部Bを構成する。すなわち、各フォイル12のバックフォイル部Bは、隣接するフォイル12のトップフォイル部Aとフォイルホルダ11との間に配される。各フォイル12のバックフォイル部Bは、フォイルホルダ11の端面11aに溶接等の手段により固定される。尚、図3では、支持部材13の大きさを誇張して示しているため、各フォイル12のトップフォイル部Aと、これに隣接するフォイル12のバックフォイル部Bとが接触していないが、実際には、支持部材13の上下方向寸法が図示よりも小さく、各フォイル12のトップフォイル部Aが、隣接するフォイル12のバックフォイル部Bで下方から接触支持される。
各フォイル12のトップフォイル部Aと、これを下方から支持するバックフォイル部Bとの間には、支持部材13が設けられる。本実施形態では、支持部材13が、各フォイル12の前端12aの下方に設けられる。支持部材13は、各フォイル12の前端12aに沿った形状を成している。図示例では、各フォイル12の前端12aが半径方向に延びる直線状に形成され、この前端12aに沿って、各フォイル12の半径方向全長にわたって支持部材13が延びている。
図3及び図4に示すように、支持部材13には、連通路としての貫通孔13aが形成される。貫通孔13aは、支持部材13の周方向両端面に開口している。支持部材13は、各フォイル12のトップフォイル部Aの下面、あるいは、このトップフォイル部Aを下方から支持するバックフォイル部Bの上面の何れか一方に固定される。本実施形態では、支持部材13が、各フォイル12のバックフォイル部Bの上面に固定され、各フォイル12のトップフォイル部Aには固定されない。
軸1及びスラストカラー2が一体に回転すると、図3に示すように、各フォイル12のスラスト軸受面S1とスラストカラー2の端面2aとの間にスラスト軸受隙間Tが形成される。このスラスト軸受隙間Tの流体(例えば空気)の圧力が高められることで、スラストカラー2がスラスト方向一方に非接触支持される。このとき、フォイル12が有する可撓性により、各フォイル12のスラスト軸受面S1が、荷重や軸1の回転速度、周囲温度等の運転条件に応じて任意に変形するため、スラスト軸受隙間Tは運転条件に応じた適切幅に自動調整される。そのため、高温・高速回転といった過酷な条件下でも、スラスト軸受隙間Tを最適幅に管理することができ、軸1を安定して支持することが可能となる。
このとき、各フォイル12のトップフォイル部Aのうち、前端12aを含む領域(以下、前方部分A1)が、隣接するフォイル12のバックフォイル部Bで下方から支持される。一方、各フォイル12のトップフォイル部Aのうち、当該トップフォイル部Aの後端(バックフォイル部Bとの境界)を含む領域(以下、後方部分A2)は、バックフォイル部Bで下方から支持されず、フォイルホルダ11の端面11aと直接対向している。これにより、各フォイル12のトップフォイル部Aが湾曲し、トップフォイル部Aの前方部分A1が、後方部分A2よりもスラストカラー2に近接する。こうして、各トップフォイル部Aの前方部分A1のスラスト軸受面S1とスラストカラー2の端面2aとの間に、隙間幅が相対的に小さいスラスト軸受隙間(小隙間部T1)が形成される。また、各トップフォイル部Aの後方部分A2のスラスト軸受面S2とスラストカラー2の端面2aとの間に、隙間幅が相対的に大きいスラスト軸受隙間(大隙間部T2)が形成される。特に、図示例では、各フォイル12のトップフォイル部Aが、支持部材13で下方から支持されているため、小隙間部T1と大隙間部T2との差が大きくなる。
軸1の回転に伴ってスラスト軸受隙間Tを流れる流体は、大隙間部T2から小隙間部T1に流れ込むことで圧力が高められ、これによりスラストカラー2を支持する力が発生する。このとき、小隙間部T1で圧力が高められた流体は、大隙間部T2に流れ込むことで圧力が急激に低下するため、大隙間部T2における負圧の発生が懸念される。本実施形態では、支持部材13に設けられた連通路(貫通孔13a)により、大隙間部T2と、各フォイル12とフォイルホルダ11との間の空間Pとが連通しているため、大隙間部T2の圧力が低下すると、貫通孔13aを介して上記の空間Pから流体が流入し、大隙間部T2の圧力が維持される。これにより、大隙間部T2が常に大気圧に近い状態となり、大隙間部T2における負圧の発生が防止される。
尚、軸1の停止直前や起動直後の低速回転時には、各フォイル12のスラスト軸受面S1とスラストカラー2の端面2aとが接触摺動するため、これらの何れか一方または双方に、DLC膜、チタンアルミナイトライド膜、二硫化タングステン膜、あるいは二硫化モリブデン膜等の低摩擦化被膜を形成してもよい。また、軸受の運転中におけるフォイル12とフォイルホルダ11との間の摩擦力を調整するために、これらの何れか一方または双方に、上記のような低摩擦化被膜を形成してもよい。
本発明は、上記の実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記の実施形態と同様の機能を有する部位には同一の符号を付して重複説明を省略する。
上記の実施形態では、支持部材13の貫通孔13aで連通路を構成した場合を示したが、連通路はこれに限られない。例えば、図5に示すように、支持部材13として、凹凸を有する板状部品を使用してもよい。図示例では、波型の板状部品を使用し、この部品で形成される隙間で連通路が構成される。この他、周方向溝を有する板状部品や、ディンプル状の突起を有する板状部品で、連通路を構成してもよい(図示省略)。
図6及び図7に示す実施形態では、各フォイル12のトップフォイル部Aの前方部分A1の下面12cに、周方向溝12dが形成される。周方向溝12dの周方向一方の端部は、各フォイル12の前端12aに開口し、周方向溝12dの周方向他方の端部は、このフォイル12を支持するバックフォイル部Bよりも周方向他方側まで延びている。各フォイル12に設けた周方向溝12dが、大隙間部T2と、各フォイル12の下方の空間Pを連通する連通路として機能する。また、図8に示すように、各フォイル12のバックフォイル部Bの上面12eに、連通路として機能する周方向溝12fが形成してもよい。周方向溝12dの周方向一方の端部は、当該フォイル12のトップフォイル部Aの後方部分A2に達し、周方向溝12dの周方向他方の端部は、当該フォイル12の後端12bに開口している。あるいは、これらの周方向溝12d,12fの双方を形成してもよい。
上記の実施形態では、連通路を介して、各フォイル12の上方に形成される大隙間部T2と、隣接するフォイル12の下方の空間Pとを連通する場合を示したが、これに限られない。例えば図9及び図10に示すように、連通路として、各フォイル12を厚さ方向に貫通する貫通孔12gを形成してもよい。この場合、貫通孔12gを介して、各フォイル12の上方に形成される大隙間部T2と、このフォイル12の下方に形成される空間Pとが連通される。図示例では、各フォイル12のトップフォイル部Aの後方部分A2に貫通孔12gが形成され、特にバックフォイル部Bとの境界付近に形成される。また、図示例では、各フォイル12に複数の貫通孔12gが形成され、特に、半径方向に離隔した複数箇所(図示例では3箇所)に形成される。
図11及び図12に示す実施形態では、各フォイル12に形成した切り込み12hで、連通路を構成している。図示例では、各フォイル12の後端12bから、バックフォイル部Bを介してトップフォイル部Aの後方部分A2に至る周方向の切り込み12hが形成される。また、図示例では、各フォイル12に、半径方向に離隔した複数の切り込み12hが形成される。軸1の回転時には、各フォイル12に設けた切り込み12hを介して、各フォイル12の上方に形成される大隙間部T2が、このフォイル12の下方に形成される空間P、及び、隣接するフォイル12の下方に形成される空間Pの双方と連通される。
フォイル12の形状は上記の実施形態に限られない。例えば、図13に示す実施形態では、各フォイル12の後端12bが、中央部を周方向一方側に突出させたヘリングボーン形状を成している。このヘリングボーン形状の後端12bにフォイル12が乗り上げることで、フォイル12のスラスト軸受面S1にヘリングボーン形状の段差が形成され、周方向一方に流れる流体が半径方向中央に集められる。尚、図示例では、各フォイル12の前端12aも、後端12bと同様のヘリングボーン形状を成している。また、図13に示すフォイル軸受10には、上記の実施形態で示したような連通路が設けられるが、連通路の図示は省略している。
また、フォイル12のフォイルホルダ11への固定方法は上記の実施形態に限られない。例えば、図14に示す実施形態では、各フォイル12のスラスト軸受面S1よりも外径側に延在部12iを設け、この延在部12iをフォイルホルダ11の端面11aに溶接等の手段で固定している。この場合、各フォイル12のスラスト軸受面S1の下方には、フォイル12とフォイルホルダ11との固定部は設けられない。尚、図14に示すフォイル軸受10には、上記の実施形態で示したような連通路が設けられるが、連通路の図示は省略している。
次に、本発明を適用したラジアルフォイル軸受について説明する。
図15に、本発明の一実施形態にかかるフォイル軸受としてのラジアルフォイル軸受20を示す。このラジアルフォイル軸受20は、例えばターボ機械の一種であるガスタービンに組み込まれ、周方向一方に回転する軸1をラジアル方向に支持するものである。
ラジアルフォイル軸受20は、内周に軸1が挿入された円筒状のフォイルホルダ21と、フォイルホルダ21の内周面21aに取り付けられた複数(図示例では8枚)のフォイル22とを備える。
複数のフォイル22は、フォイルホルダ21の内周面21aに周方向等間隔に並べて配置される。各フォイル22の周方向一方の端部22a(以下、前端22a)は、隣接するフォイル22の内径側に重ねて配置される。図16及び図17に示すように、各フォイル22の前端22aを含む領域は、ラジアル軸受面S2を有するトップフォイル部Aを構成する。複数のフォイル22のラジアル軸受面S2は、周方向全周に連続して設けられる。一方、各フォイル22の周方向他方の端部22b(以下、後端22b)を含む領域は、隣接するフォイル22のトップフォイル部Aを背後(外径側)から支持するバックフォイル部Bを構成する。すなわち、各フォイル22のバックフォイル部Bは、隣接するフォイル22のトップフォイル部Aとフォイルホルダ21との間に配される。各フォイル22のバックフォイル部Bは、フォイルホルダ21の内周面21aに溶接等の手段により固定される。フォイル22の材質や厚さは、上記のスラストフォイル軸受10のフォイル12と同様である。
各フォイル22のトップフォイル部Aと、これを下方から支持するバックフォイル部Bとの間には、支持部材23が設けられる(図17参照)。本実施形態では、支持部材23が、各フォイル22の前端22aの外径側に設けられる。支持部材23は、各フォイル22の前端22aに沿った形状を成している。図示例では、各フォイル22の前端22aが軸方向に延びる直線状に形成され、この前端22aに沿って、各フォイル22の軸方向全長にわたって支持部材23が延びている(図16参照)。
支持部材23には、連通路として、支持部材23の周方向両端面に開口した貫通孔23aが形成される。本実施形態では、図18に示すように、軸方向に離隔した複数箇所に貫通孔23aが形成される。支持部材23は、各フォイル22のトップフォイル部Aの外径面、あるいは、このトップフォイル部Aを下方から支持するバックフォイル部Bの内径面の何れか一方に固定される。本実施形態では、支持部材23が、各フォイル22のバックフォイル部Bの内径面に固定され、各フォイル22のトップフォイル部Aには固定されない。
軸1が回転すると、図17に示すように、各フォイル22のラジアル軸受面S2と軸1の外周面1aとの間にラジアル軸受隙間Rが形成され、このラジアル軸受隙間Rの流体(例えば空気)の圧力が高められることで、軸1がラジアル方向に非接触支持される。
このとき、各フォイル22のトップフォイル部Aのうち、前端22aを含む領域(以下、前方部分A1)が、隣接するフォイル22のバックフォイル部Bで外径側から支持される。一方、各フォイル22のトップフォイル部Aのうち、当該トップフォイル部Aの後端(バックフォイル部Bとの境界)を含む領域(以下、後方部分A2)は、バックフォイル部Bで下方から支持されず、フォイルホルダ21の内周面21aと直接対向している。これにより、各フォイル22のトップフォイル部Aが湾曲し、トップフォイル部Aの前方部分A1が、後方部分A2よりも軸1の外周面1aに近接する。こうして、各トップフォイル部Aの前方部分A1のラジアル軸受面S2と軸1の外周面1aとの間に、隙間幅が相対的に小さいラジアル軸受隙間(小隙間部R1)が形成される。また、各トップフォイル部Aの後方部分A2のラジアル軸受面S2と軸1の外周面1aとの間に、隙間幅が相対的に大きいラジアル軸受隙間(大隙間部T2)が形成される。
軸1の回転に伴ってラジアル軸受隙間Rを流れる流体は、大隙間部R2から小隙間部R1に流れ込むことで圧力が高められ、これにより軸1を支持する力が発生する。このとき、小隙間部R1で圧力が高められた流体は、大隙間部R2に流れ込むことで圧力が急激に低下するため、大隙間部R2における負圧の発生が懸念される。本実施形態では、支持部材23に設けられた連通路(貫通孔23a)により、大隙間部R2と、各フォイル22とフォイルホルダ21との間の空間Qとが連通しているため、大隙間部R2の圧力が維持され、大隙間部R2における負圧の発生が防止される。
尚、各フォイル22のラジアル軸受面S2及び軸1の外周面1aの何れか一方または双方に、DLC膜、チタンアルミナイトライド膜、二硫化タングステン膜、あるいは二硫化モリブデン膜等の低摩擦化被膜を形成してもよい。また、フォイル22の外径面及びフォイルホルダ21の内周面21aの何れか一方または双方に、上記のような低摩擦化被膜を形成してもよい。
ラジアルフォイル軸受20においても、スラストフォイル軸受10で示した他の実施形態(図5〜図14参照)を適用することができる。
本発明にかかるフォイル軸受は、ガスタービンや過給機等のターボ機械に限らず、自動車等の車両用軸受、さらには産業機器用の軸受として広く使用することが可能である。
また、以上に説明した各フォイル軸受は、圧力発生流体として空気を使用した空気動圧軸受であるが、これに限らず、圧力発生流体としてその他のガスを使用することもでき、あるいは水や油などの液体を使用することもできる。
1 軸
2 スラストカラー
10,20 フォイル軸受
11,21 フォイルホルダ
12,22 フォイル
13,23 支持部材
13a,23a 貫通孔(連通路)
A トップフォイル部
A1 前方部分
A2 後方部分
B バックフォイル部
P,Q 空間
S1 スラスト軸受面
T スラスト軸受隙間
T1 小隙間部
T2 大隙間部
S2 ラジアル軸受面
R ラジアル軸受隙間
R1 小隙間部
R2 大隙間部

Claims (7)

  1. 周方向一方に回転する軸に設けられたスラストカラーと軸方向に対向するフォイルホルダと、前記フォイルホルダの端面に取り付けられ、周方向に並べて配された複数のフォイルとを備え、各フォイルの周方向一方の端部を自由端とし、各フォイルの周方向一方の端部を含む領域が、スラスト軸受面を有するトップフォイル部を構成すると共に、各フォイルの周方向他方の端部を含む領域が、隣接するフォイルの前記トップフォイル部を背後から支持するバックフォイル部を構成し、前記スラスト軸受面と前記スラストカラーの端面との間に形成されるスラスト軸受隙間の流体圧で前記軸をスラスト方向に回転自在に支持するフォイル軸受であって、
    各フォイルの前記トップフォイル部のうち、当該トップフォイル部の周方向一方の端部を含む領域と前記スラストカラーの端面との間に、前記スラスト軸受隙間の小隙間部が形成され、各フォイルの前記トップフォイル部のうち、当該トップフォイル部の周方向他方の端部を含む領域と前記スラストカラーの端面との間に、前記スラスト軸受隙間の大隙間部が形成され、
    前記大隙間部と、前記フォイルと前記フォイルホルダとの間の空間とを連通する連通路を設けたことを特徴とするフォイル軸受。
  2. 内周に軸が挿入されたフォイルホルダと、前記フォイルホルダの内周面に取り付けられ、周方向に並べて配された複数のフォイルとを備え、各フォイルの周方向一方の端部を自由端とし、各フォイルの周方向一方の端部を含む領域が、ラジアル軸受面を有するトップフォイル部を構成すると共に、各フォイルの周方向他方の端部を含む領域が、隣接するフォイルを背後から支持するバックフォイル部を構成し、前記ラジアル軸受面と前記軸の外周面との間に形成されるラジアル軸受隙間の流体圧で前記軸をラジアル方向に回転自在に支持するフォイル軸受であって、
    各フォイルの前記トップフォイル部のうち、当該トップフォイル部の周方向一方の端部を含む領域と前記軸の外周面との間に、前記ラジアル軸受隙間の小隙間部が形成され、各フォイルの前記トップフォイル部のうち、当該トップフォイル部の周方向他方の端部を含む領域と前記軸の外周面との間に、前記ラジアル軸受隙間の大隙間部が形成され、
    前記大隙間部と、前記フォイルと前記フォイルホルダとの間の空間とを連通する連通路を設けたことを特徴とするフォイル軸受。
  3. 各フォイルの前記トップフォイル部と、このトップフォイル部を背後から支持する前記バックフォイル部との間に、前記連通路が形成された請求項1又は2記載のフォイル軸受。
  4. 各フォイルの前記トップフォイル部と、このトップフォイル部を背後から支持する前記バックフォイル部との間に支持部材を設け、この支持部材に前記連通路を設けた請求項3記載のフォイル軸受。
  5. 各フォイルの前記トップフォイル部、及び、このトップフォイル部を背後から支持する前記バックフォイル部のうち、互いに対向する面の少なくとも一方に溝を形成し、この溝で前記連通路を構成した請求項3記載のフォイル軸受。
  6. 各フォイルに厚さ方向の貫通孔を形成し、この貫通孔で前記連通路を構成した請求項1又は2記載のフォイル軸受。
  7. 各フォイルに切り欠きを形成し、この切り欠きで前記連通路を構成した請求項1又は2記載のフォイル軸受。
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