JP2008214819A - ピッチ系炭素繊維フィラー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メソフェーズピッチを原料とし、個数平均繊維長、目開き53μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合、目開き100μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合を制御した炭素繊維を作成する。
【選択図】なし
Description
メソフェーズピッチを原料とし平均繊維径が5〜20μm、平均繊維径に対する繊維径分散の百分率(CV値)が5〜20、個数平均繊維長が100〜500μm、目開き53μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合が50〜80%、目開き100μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合が30〜60%であることを特徴とするピッチ系炭素繊維フィラーにより達成できる。
本発明で用いられるピッチ系炭素繊維フィラーの原料としては、例えば、ナフタレンやフェナントレンといった縮合多環炭化水素化合物、石油系ピッチや石炭系ピッチといった縮合複素環化合物等が挙げられる。その中でもナフタレンやフェナントレンといった縮合多環炭化水素化合物が好ましく、特に光学的異方性ピッチ、すなわちメソフェーズピッチが好ましい。これらは、一種を単独で用いても、二種以上を適宜組み合わせて用いてもよいが、メソフェーズピッチを単独で用いることが炭素繊維の熱伝導性を向上させる上で特に好ましい。
3次元ランダムマットとは、クロスラップされていることに加え、ピッチ繊維が三次元的に交絡しているマットをいう。この交絡は、ノズルから、金網ベルトに到達する間にチムニと呼ばれる筒において達成される。線状の繊維が立体的に交絡するために、通常一次元的な挙動しか示さない繊維の特性が立体においても反映されるようになる。
なお、本実施例における各値は、以下の方法に従って求めた。
(1)ピッチ系炭素繊維フィラーの平均繊維径は、焼成を経た炭素繊維を1000本を抜き取り、光学顕微鏡下でスケールを用いて測定した値の平均値として求めた。
(2)ピッチ系炭素繊維フィラーの個数平均繊維長は、焼成を経た炭素繊維を1000本抜き取り測長器で測定した値の平均値として求めた。
(3)ピッチ系炭素繊維フィラーのメッシュ上に残る割合は、100gの炭素繊維を目開き100μm、目開き53μmのメッシュで振盪機(タナカテック製、R−1)で篩い分けし、篩い分け後得られた炭素繊維の質量を測定することで求めた。
(4)ピッチ系炭素繊維フィラーの結晶子サイズは、X線回折に現れる(110)面からの反射を測定し、学振法にて求めた。
(5)ピッチ系炭素繊維フィラーの密度は、JIS R7601に記載の密度こうばい管法にて測定した。
(6)ピッチ系炭素繊維フィラーの熱伝導率は、フィラーの電気抵抗を測定し、計算して求めた。
(7)ピッチ系炭素繊維フィラー/ポリカーボネート複合物の熱伝導率は、京都電子製QTM−500を用いプローブ法で求めた。
縮合多環炭化水素化合物よりなるピッチを主原料とした。光学的異方性割合は100%、軟化点が283℃であった。直径0.2mmφの孔のキャップを使用し、スリットから加熱空気を毎分5500mの線速度で噴出させて、溶融ピッチを牽引して平均直径14.5μmのピッチ系短繊維を作製した。紡出された繊維をベルト上に捕集してマットとし、さらにクロスラッピングで目付320g/m2のピッチ系短繊維からなる3次元ランダムマットとした。
この3次元ランダムマットを空気中で170℃から285℃まで平均昇温速度6℃/分で昇温して不融化を行った。不融化した3次元ランダムマットをカッター(ターボ工業製)で700rpmで粉砕し、目開き1mmのふるいで分級したもの3000℃で焼成した。焼成後のピッチ系炭素繊維フィラーの平均繊維径は8.8μm、平均繊維径に対する繊維径分散の百分率(CV値)は12%であった。個数平均繊維長はで250μmであり、目開き53μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合が70%、目開き100μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合が45%であった。六角網面の成長方向に由来する結晶子サイズは70nmであった。真密度は2.18g/cc、熱伝導率350W/m・Kであった。
上述のピッチ系炭素繊維フィラーをポリカーボネート(帝人化成製、L−1225WP)とをニーダー(栗本鐵工所製)で混合したところ、ポリカーボネート100重量部に対し120重量部まで混合することができた。作製した炭素繊維/ポリカーボネート複合物の熱伝導率を測定したところ、2.3W/(m・K)であった。
実施例1においてカッターの回転数を750rpmに変更したこと以外は同様の方法で、ピッチ系炭素繊維フィラーを作製した。焼成後のピッチ系炭素繊維フィラーの平均繊維径は8.8μm、平均繊維径に対する繊維径分散の百分率(CV値)は12%であった。個数平均繊維長は平均で180μmであり、目開き53μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合が60%、目開き100μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合が35%であった。六角網面の成長方向に由来する結晶子サイズは70nmであった。真密度は2.18g/cc、熱伝導率350W/m・Kであった。
上述のピッチ系炭素繊維フィラーをポリカーボネート(帝人化成製、L−1225WP)とをニーダー(栗本鐵工所製)で混合したところ、ポリカーボネート100重量部に対し130重量部まで混合することができた。作製した炭素繊維/ポリカーボネート複合物の熱伝導率を測定したところ、2.1W/(m・K)であった。
実施例1においてカッターの回転数を650rpmに変更、ふるいによる分級操作を用いなかったこと、ピッチ系炭素繊維フィラーを作製した。焼成後のピッチ系炭素繊維フィラーの平均繊維径は8.8μm、平均繊維径に対する繊維径分散の百分率は12%であった。個数平均繊維長は300μmであり、目開き53μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合が85%、目開き100μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合が55%であった。六角網面の成長方向に由来する結晶子サイズは70nmであった。真密度は2.18g/cc、熱伝導率350W/m・Kであった。
上述のピッチ系炭素繊維フィラーをポリカーボネート(帝人化成製、L−1225WP)とをニーダー(栗本鐵工所製)で混合したところ、ポリカーボネート100重量部に対し90重量部まで混合することができた。作製した炭素繊維/ポリカーボネート複合物の熱伝導率を測定したところ、1.5W/(m・K)であった。
実施例1においてカッターの回転数を950rpmに変更したこと以外は同様の方法で、ピッチ系炭素繊維フィラーを作製した。焼成後のピッチ系炭素繊維フィラーの平均繊維径は8.8μm、平均繊維径に対する繊維径分散の百分率は12%であった。個数平均繊維長は200μmであり、目開き53μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合が30%、目開き100μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合が15%であった。六角網面の成長方向に由来する結晶子サイズは70nmであった。真密度は2.18g/cc、熱伝導率350W/m・Kであった。
上述のピッチ系炭素繊維フィラーをポリカーボネート(帝人化成製、L−1225WP)とをニーダー(栗本鐵工所製)で混合したところ、ポリカーボネート100重量部に対し140重量部まで混合することができた。作製した炭素繊維/ポリカーボネート複合物の熱伝導率を測定したところ、1.2W/(m・K)であった。
Claims (5)
- メソフェーズピッチを原料とし平均繊維径が5〜20μm、平均繊維径に対する繊維径分散の百分率(CV値)が5〜20、個数平均繊維長が100〜500μm、目開き53μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合が50〜80%、目開き100μmのメッシュのふるいで分級した際に、ふるい上に残る割合が30〜60%であることを特徴とするピッチ系炭素繊維フィラー。
- 六角網面の成長方向に由来する結晶子サイズが5nm以上であることを特徴とする請求項1に記載のピッチ系炭素繊維フィラー。
- 真密度が1.5〜2.3g/ccの範囲であり、繊維軸方向の熱伝導率が300W/(m・K)以上である請求項1〜2のいずれか1項に記載のピッチ系炭素繊維フィラー。
- メソフェーズピッチを溶融して紡糸し、これを不融化工程及び焼成工程を経た後に粉砕した後、分級操作を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のピッチ系炭素繊維フィラーの製造法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のピッチ系炭素繊維フィラーを用いた熱伝導性成形体。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009108119A (ja) * | 2007-10-26 | 2009-05-21 | Teijin Ltd | 熱伝導性フィラー及びそれを用いた成形体 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH04209656A (ja) * | 1990-12-07 | 1992-07-31 | Osaka Gas Co Ltd | 炭素繊維強化樹脂組成物 |
JPH06112516A (ja) * | 1992-09-25 | 1994-04-22 | Toshiba Corp | 半導体受光素子 |
JP2000192337A (ja) * | 1998-12-21 | 2000-07-11 | Mitsubishi Chemicals Corp | 黒鉛質炭素繊維及びそれを用いた放熱シート |
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