JP2008214597A - 電子部品用接着剤組成物 - Google Patents

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昭弘 前田
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Abstract

【課題】耐薬品性、絶縁耐久性および保存安定性に優れる電子部品用接着剤組成物、それを用いた電子部品用接着シートおよび電子部品用接着剤付きテープを提供すること。
【解決手段】アミン価が80以上300以下であるポリアミド樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)およびエポキシ樹脂用硬化剤(C)を含有することを特徴とする電子部品用接着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は電子部品用接着剤組成物に関する。より詳しくは、半導体集積回路(IC)を実装する際に用いられる、テープオートメーテッドボンディング(TAB)方式のパターン加工テープ、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ用インターポーザー等の半導体装置接続用基板、リードフレーム固定テープ、LOC固定テープ、半導体素子等の電子部品とリードフレームや絶縁性支持基板などの支持部材との接着剤すなわちダイボンディング材、ヒートスプレッダ、補強板、シールド材の接着剤、ソルダーレジスト、光学用接着剤(LED用封止剤)、異方導電性フィルム、銅張り積層板、カバーレイ等を作製するために適した電子部品用接着剤組成物およびそれを用いた電子部品用接着剤シート、電子部品用接着剤付きテープに関する。
電子部品に用いられる接着剤組成物は、最終的に接着剤としてパッケージ内に残留することが多く、近年のICの多機能化に伴い、これまで以上に過酷な使用環境での耐熱接着性・耐薬品性・絶縁耐久性が求められている。
耐薬品性や耐熱接着性を向上させる方法として、例えば、アミン価が3.0以上であるポリアミド樹脂とエポキシ樹脂を含有する接着剤層を有するTAB用テープが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、高温高湿下における電気的信頼性を向上させる方法として、例えば、炭素数4以上の脂肪族ジアミンを縮合成分として用いたポリアミド樹脂と、硬化性樹脂とを含有する接着剤層を有する半導体装置用接着テープが提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、これらの技術によっても、IC実装されたパッケージの使用環境下で連続的に酸・アルカリに晒される使用形態においては、耐薬品性と絶縁耐久性が不十分であった。
特開平5−29399号公報 特開2001−284412号公報
本発明は、耐薬品性、絶縁耐久性および保存安定性に優れる電子部品用接着剤組成物、それを用いた電子部品用接着シートおよび電子部品用接着剤付きテープを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の電子部品用接着剤組成物は、アミン価が80以上300以下であるポリアミド樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)およびエポキシ樹脂用硬化剤(C)を含有することを特徴とする電子部品用接着剤組成物である。
本発明によれば、耐薬品性、絶縁耐久性および保存安定性に優れる電子部品用接着剤組成物を得ることができる。さらに、本発明の電子部品用接着剤組成物を用いた電子部品用接着剤シートおよび電子部品用接着剤付きテープは耐薬品性と絶縁耐久性に優れ、IC実装されたパッケージの使用環境下で連続的に酸・アルカリに晒される使用形態においても、優れた耐薬品性と絶縁耐久性を有し、電子回路の信頼性を著しく向上させることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の電子部品用接着剤組成物(以下、接着剤組成物という)は、アミン価が80以上300以下であるポリアミド樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)およびエポキシ樹脂用硬化剤(C)を含有する。
ポリアミド樹脂(A)は、炭素数36のジカルボン酸(いわゆるダイマー酸)の残基を含むものが好ましく、公知の種々のポリアミド樹脂を使用することができる。ダイマー酸の残基を含むポリアミド樹脂は、常法によるダイマー酸とジアミンの重縮合により得られるが、この際に、ダイマー酸以外のアジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸等のジカルボン酸を共重合成分として含有してもよい。ジアミンとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよびピペラジン等の公知のものを使用することができ、2種以上用いてもよい。
本発明において、ポリアミド樹脂(A)のアミン価は、80以上300以下であることが必要である。ここでいうアミン価とは、ポリアミド樹脂1gを0.1N塩酸で滴定する際に要する水酸化カリウムのmg数量を示すものである。ポリアミド樹脂を2種以上含む場合は、各ポリアミド樹脂を接着剤組成物中の含有量比で混合した樹脂混合物1gを、0.1N塩酸で滴定する際に要する水酸化カリウムのmg数量で示されたアミン価を指す。アミン価が80未満では、得られる接着剤組成物の架橋密度が低く、アルカリ溶液や有機酸混合液に対する耐薬品性が不足する。また、接着剤組成物の化学反応速度が充分でない為、電子部品作製時の加工性が低下する。一方、アミン価が300を超えると、得られる接着剤組成物の反応性が高く、保存安定性が低下する。また、得られる接着剤組成物の靭性が低下し脆くなる。
また、ポリアミド樹脂(A)はリン、硫黄、酸素から選ばれる少なくとも一種を主鎖に有することが好ましい。可暁性や絶縁性、耐薬品性の点から、酸素がより好ましい。
エポキシ樹脂(B)は、単位分子内に1つ以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限されないが、2つ以上のエポキシ基を有するものが好ましく、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジシクロペンタジエンジフェノール、ジシクロペンタジエンジキシレノール等のジグリシジルエーテル、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、トリスフェニロールメタン、エポキシ化テトラフェニロールエタン、エポキシ化メタキシレンジアミン、シクロヘキセンオキシド、ビシクロヘプテンオキシド、シクロペンテンオキシド等の化学構造をもつものが好ましい。また、エポキシ基の他にアリル基、メタリル基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基から選ばれる化学反応部位を計3個以上有するものも好ましい。2種以上の異なった化学反応部位を含む場合は、単位分子内に有する全種類の化学反応部位数を総計したものが3個以上あればよい。化学反応部位の位置は特に制限されることはないが、少なくとも側鎖に化学反応部位を有していることが好ましい。また、上記エポキシ樹脂を2種類以上用いてもよく、ハロゲン化されたものを用いてもよい。
本発明の接着剤組成物において、エポキシ樹脂(B)の含有量はポリアミド樹脂(A)100重量部に対して10重量部以上が好ましく、20重量部以上がより好ましく、30重量部以上がさらに好ましい。また、200重量部以下が好ましく、180重量部以下がより好ましく、160重量部以下がさらに好ましい。エポキシ樹脂含有量が10重量部以上であれば、絶縁信頼性、高温高湿処理下における接着力耐久性が向上し、200重量部以下であれば、可撓性に優れる。
エポキシ樹脂用硬化剤(C)は、エポキシ樹脂と反応するものであれば特に限定されないが、アミン化合物、フェノール樹脂、酸無水物、メラミン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、シアン酸エステル樹脂等公知のものが例示される。これらの中でも、特にフェノール樹脂が絶縁性の点から好ましい。フェノール樹脂は、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を含有するものであれば特に限定されず、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等の公知のフェノール樹脂がいずれも使用できる。具体的には、例えば、フェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、p−フェニルフェノール等のアルキル置換フェノール、テルペン、ジシクロヘペンタジエン等の環状アルキル変性フェノール、ニトロ基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基等のヘテロ原子を含む官能基を有するもの、ナフタレン、アントラセン等の骨格を有するもの、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レゾルシノール、ピロガロール等の多官能性フェノールからなる樹脂が挙げられる。また、上記エポキシ樹脂用硬化剤(C)は2種以上用いてもかまわない。絶縁信頼性の観点から、レゾール型フェノール樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂用硬化剤(C)の含有量は、エポキシ樹脂用硬化剤(C)中のエポキシ基と反応しうる官能基数と、接着剤組成物に含有されるエポキシ樹脂のエポキシ基数の比が、1:1から0.02:1の範囲であることが好ましく、0.95:1から0.1:1であることがさらに好ましい。エポキシ樹脂用硬化剤(C)がエポキシ樹脂との反応以外に自己架橋を伴う場合は、エポキシ樹脂用硬化剤(C)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100重量部に対して10重量部以上が好ましく、20重量部以上がより好ましく、180重量部以下が好ましく、160重量部以下がさらに好ましい。エポキシ樹脂硬化剤含有量が10重量部以上であれば、絶縁信頼性が向上し、200重量部以下であれば、可撓性、接着性に優れる。
また、本発明の接着剤組成物は硬化促進剤(D)を含有してもよい。例えば、芳香族ポリアミン、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール等のイミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、トリフェニルフォスフィン、ジアザビシクロウンデセン等公知のものが例示できる。これらを2種以上用いてもよい。硬化促進剤の含有量は、接着剤組成物中0.1〜20重量%が好ましい。
本発明の接着剤組成物は無機質充填剤または有機充填剤を含有してもよく、加工性を向上させることができる。これら充填剤の含有量は、接着剤組成物中0.5〜50重量%が適当である。
無機質充填剤は接着剤の特性を損なうものでなければ特に限定されないが、その具体例としては、金、銀、銅、鉄、ニッケル、アルミニウムなどの金属微粒子、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、カルシウム・アルミネート水和物等の金属水酸化物、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化クロム、タルク等の金属酸化物、炭化珪素、炭化チタンシリカ、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化珪素、あるいは炭酸カルシウム等の無機塩、カーボンブラック、シリカ、ガラス等が挙げられる。中でも、シリカ、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が好ましく用いられる。ここで、シリカは非晶、結晶のいずれであってもよく、それぞれのもつ特性に応じて適宜使いわけることを限定するものではない。これらの無機質充填剤に耐熱性、接着性等の向上を目的としてシランカップリング剤等を用いて表面処理を施してもよい。無機質充填剤の粒子径は特に限定されないが、分散性および塗工性、透明性等の点で、平均粒子径0.02〜0.5μmが好ましい。
有機充填剤としては、スチレン、NBRゴム、アクリルゴム、ポリアミド、ポリイミド、シリコーン等の架橋ポリマが例示される。微粒子状の有機充填剤の平均粒子径は、分散安定性を考慮すると、0.2〜5μmが好ましい。
以上の成分以外に、接着剤の特性を損なわない範囲で酸化防止剤、イオン捕捉剤などを含有することは何ら制限されるものではない。酸化防止剤としては、酸化防止の機能を付与するものであれば特に限定されず、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等の公知の酸化防止剤を使用できる。これらを2種以上用いてもよい。
本発明の電子部品用接着剤シート(以下、接着剤シートという)は、本発明の接着剤組成物から形成される接着剤層と、少なくとも1層の剥離可能な保護フィルム層を有する。例えば、保護フィルム層/接着剤層の2層構成、あるいは保護フィルム層/接着剤層/保護フィルム層の3層構成がこれに該当する。接着剤シートは加熱処理により硬化度を調節してもよい。 硬化度の調節は、接着剤シートを配線基板あるいはICに接着する際の接着剤のフロー過多を防止するとともに加熱硬化時の水分による発泡を防止する効果がある。
保護フィルム層は、接着剤層の形態および機能を損なうことなく剥離できれば特に限定されないが、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート等のプラスチックフィルム、これらにシリコーンあるいはフッ素化合物等の離型剤のコーティング処理を施したフィルムおよびこれらのフィルムをラミネートした紙、離型性のある樹脂を含浸あるいはコーティングした紙等が挙げられる。
接着剤層の両面に保護フィルム層を有する場合、それぞれの保護フィルム層の接着剤層に対する剥離力をF、F(F>F)としたとき、F−Fは好ましくは5Nm−1以上、さらに好ましくは15Nm−1以上である。F−Fが5Nm−1以上であれば、一方の保護フィルム層を安定して剥離することができる。また、剥離力F、Fはいずれも好ましくは1〜200Nm−1 、さらに好ましくは3〜100Nm−1 である。1Nm−1以上であれば保護フィルム層の脱落などがなく、200Nm−1以下であれば安定して剥離することができる。
本発明の電子部品用接着剤付きテープ(以下、接着剤付きテープという)は、本発明の接着剤組成物から形成される接着剤層と、有機絶縁性フィルムを有する。このような接着剤付きテープは、例えば、IC接続用接着剤付きテープや電子回路封止用接着剤付きテープとして好適に用いられる。
有機絶縁性フィルムとしては、ポリイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、アラミド、ポリカーボネート、ポリアリレート等のプラスチックあるいはエポキシ樹脂含浸ガラスクロス等の複合材料からなる、厚さ4〜125μmの可撓性を有する有機絶縁性フィルムが好ましく用いられる。必要に応じて、加水分解、コロナ放電、低温プラズマ、物理的粗面化、易接着コーティング処理等の表面処理を施してもよい。
次に、本発明の接着剤シートを用いたIC接続用接着剤付きテープおよび電子回路封止用接着剤付きテープの製造する方法について、例を挙げて説明する。
(a)本発明の電子部品用接着剤組成物を溶剤に溶解した塗料を、離型性を有するポリエステルフィルム上に塗布、乾燥し接着剤層を形成する。接着剤層の膜厚は5〜100μmとなるように塗布することが好ましい。乾燥条件は、通常100〜200℃、1〜5分である。溶剤は特に限定されないが、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nメチルピロリドン等の非プロトン系極性溶剤が好適である。これらを2種以上用いてもよい。
(b)(a)に記載の方法で形成した接着剤層に、上記よりさらに剥離強度の弱い離型性を有するポリエステルあるいはポリオレフィン系の保護フィルム層をラミネートして本発明の接着剤シートを得る。さらに接着剤厚みを増す場合は、再度塗料を重ねて塗工するか、接着剤シートを複数回積層すればよい。また、接着剤層と有機絶縁性フィルムを有する接着剤付きテープを作製する場合、上述のように作製した接着剤シートの片面の保護フィルムを剥離し、有機絶縁性フィルムに温度100〜160℃、押圧0.1〜0.5MPaでラミネートし、IC接続用接着剤付きテープや電子回路封止用接着剤付きテープを得る。ラミネート後に、例えば40〜100℃で20〜300時間程度熱処理して硬化度を調節してもよい。また、有機絶縁性フィルム面に接着剤組成物を直接コーティングしてもよい。
以下に、本発明の実施形態の一例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。まず、評価用サンプルの作製方法および評価方法を説明する。
(1)評価用接着剤シートの作製
ポリアミド樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、エポキシ樹脂用硬化剤(C)、硬化促進剤等に溶剤を加え、30℃で撹拌、混合して接着剤組成物を作製した。この接着剤組成物をバーコータで、シリコーン離型剤付きの厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業(株)製“フィルムバイナ”(登録商標)GT)に約12μmの乾燥厚さとなるように塗布し、150℃で4分間乾燥し、保護フィルムを貼り合わせて評価用接着剤シートを作製した。
(2)評価用接着剤テープの作製
上記(1)に記載の方法得られた接着剤シートの保護フィルムを剥離し、75μmの有機絶縁性フィルムに130℃、0.3MPaの条件でラミネートし、IC接続用接着剤テープを得た。
IC接続用接着剤テープの保護フィルムを剥離し、18μmの電解銅箔を、130℃、0.3MPaの条件でラミネートした。続いてエアオーブン中で、80℃で3時間、100℃で5時間、150℃で5時間の順次加熱処理を行い、銅箔付きIC接続用接着剤テープを作製した。得られた銅箔付きIC接続用接着剤テープの銅箔面に常法によりフォトレジスト膜形成、エッチング、レジスト剥離を行い、配線ピッチ100μm(導体幅50μm)の対向電極回路を形成した後、ホウフッ酸系(シプレイ・ファーイースト(株)製 スズメッキ液(商品名)“TINPOSIT”(登録商標)LT−34)の無電解スズメッキ液に70℃、5分浸漬処理し、0.5μm厚のメッキを施して、評価用接着剤テープを作製した。
(3)硬化率の測定
上記(1)に記載の方法で得られた接着剤シートから接着剤硬化物を削り取り、加熱処理前の示差熱量を測定した。また、上記(1)に記載の方法で得られた接着剤シートの保護フィルムを剥離し、オーブンで150℃、2時間の加熱硬化処理を行った後、接着剤硬化物を削り取り、加熱処理後の示差熱量を測定した。なお、示差熱量の測定は、示差熱量分析計(DSC6200 SII社製)を用いて行った。
100−(加熱処理後の示差熱量/加熱処理前の示差熱量)×100
を、硬化率(%)とした。硬化率は80%以上が好ましい。
(4)残存反応率の測定
上記(1)に記載の方法で得られた接着剤シートから接着剤硬化物を削り取り、加熱処理前の示差熱量を測定した。また、上記(1)に記載の方法で得られた接着剤シートの保護フィルムを剥離し、オーブンで60℃、72時間の加熱硬化処理を行った後、接着剤シートから接着剤硬化物を削り取り、加熱処理後の示差熱量を測定した。なお、示差熱量の測定は、示差熱量分析計(DSC6200 SII社製)を用いて行った。
((加熱処理前の示差熱量−加熱処理後の示差熱量)/加熱処理前の示差熱量)×100
を、残存反応率(%)とした。残存反応率が50%以上であると、接着剤組成物の保存安定性がよく好ましい。
(5)耐薬品性の評価
上記(1)に記載の方法で得られた接着剤シートの接着剤層をラミネーターで加熱貼り合わせして、接着剤厚みが96μmである電子部品用接着剤シートを作製した。この電子部品用接着剤シートの両側からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離した後、160℃のオーブンで5時間加熱硬化処理を行い、耐薬品性評価用サンプルとした。
耐薬品性評価用サンプル0.5gと、10%水酸化ナトリウム水溶液50gとを、耐薬品性評価用サンプル全てが水酸化ナトリウム水溶液に完全に浸かる状態で圧力容器に封入した後、121℃で20時間熱処理を行った。その後、濾紙で評価サンプルの水酸化ナトリウム抽出水溶液と残査固形物とを分離した。得られた評価サンプルの水酸化ナトリウム抽出水溶液について、燃焼酸化−赤外線式TOC(Total OrganicCarbon)分析(JIS K0102−22.1)を行い、検量線からの差分で導いた接着剤重量当たりの炭素溶出量(mg/kg)を求めた。炭素溶出量は30,000mg/kg以下が好ましい。
(6)絶縁耐久性の評価
上記(2)に記載の方法で得られた評価用接着剤テープ(導体幅50μm、導体間距離50μm)に130℃、85%RH環境下で100V電圧を印加し、抵抗値が10Ω以下まで低下するまでの時間を絶縁耐久時間とした。絶縁耐久時間は250時間以上が好ましい。
(実施例1)
ポリアミド樹脂(“トーマイド”(登録商標)415、富士化成工業社製、アミン価160)100重量部、エポキシ樹脂(“エピコート”(登録商標)828、ジャパンエポキシレジン社製)80重量部、硬化促進剤(2エチル−4メチルイミダゾール、東京化成社製)2重量部にエタノール/トルエン混合溶剤(混合重量比率 エタノール1:トルエン4)を加え、30℃で撹拌、混合して固形分濃度25重量%の電子部品用接着剤組成物を作製した。
(実施例2)
ポリアミド樹脂(トーマイド415、富士化成工業社製、アミン価160)100重量部、エポキシ樹脂(エピコート828、ジャパンエポキシレジン社製)80重量部、フェノール樹脂(CKM908 昭和高分子社製)100重量部、硬化促進剤(2エチル−4メチルイミダゾール、東京化成社製)2重量部にエタノール/トルエン混合溶剤(混合重量比率 エタノール1:トルエン4)を加え、30℃で撹拌、混合して固形分濃度25重量%の電子部品用接着剤組成物を作製した。
(実施例3)
ポリアミド樹脂(トーマイド415、富士化成工業社製、アミン価160)100重量部、エポキシ樹脂(エピコート828、ジャパンエポキシレジン社製)100重量部、フェノール樹脂(CKM2400 昭和高分子社製)80重量部、硬化促進剤(2エチル−4メチルイミダゾール、東京化成社製)2重量部にエタノール/トルエン混合溶剤(混合重量比率 エタノール1:トルエン4)を加え、30℃で撹拌、混合して固形分濃度25重量%の電子部品用接着剤組成物を作製した。
(実施例4)
ポリアミド樹脂(トーマイド225、富士化成工業社製、アミン価280)100重量部、エポキシ樹脂(エピコート828、ジャパンエポキシレジン社製)80重量部、硬化促進剤(2エチル−4メチルイミダゾール、東京化成社製)2重量部にエタノール/トルエン混合溶剤(混合重量比率 エタノール1:トルエン4)を加え、30℃で撹拌、混合して固形分濃度25重量%の電子部品用接着剤組成物を作製した。
(実施例5)
ポリアミド樹脂(トーマイド210、富士化成工業社製、アミン価85)100重量部、エポキシ樹脂(エピコート828、ジャパンエポキシレジン社製)80重量部、硬化促進剤(2エチル−4メチルイミダゾール、東京化成社製)2重量部にエタノール/トルエン混合溶剤(混合重量比率 エタノール1:トルエン4)を加え、30℃で撹拌、混合して固形分濃度25重量%の電子部品用接着剤組成物を作製した。
(比較例1)
ポリアミド樹脂(トーマイド1350、富士化成工業社製、アミン価10)100重量部と、エポキシ樹脂(エピコート828、ジャパンエポキシレジン社製)80重量部、硬化促進剤(2エチル−4メチルイミダゾール、東京化成社製)2重量部にエタノール/トルエン混合溶剤(混合重量比率 エタノール1:トルエン4)を加え、30℃で撹拌、混合して固形分濃度25重量%の電子部品用接着剤組成物を作製した。
(比較例2)
ポリアミド樹脂(トーマイド2620、富士化成工業社製、アミン価320)100重量部と、エポキシ樹脂(エピコート828、ジャパンエポキシレジン社製)80重量部、硬化促進剤(2エチル−4メチルイミダゾール、東京化成社製)2重量部にエタノール/トルエン混合溶剤(混合重量比率 エタノール1:トルエン4)を加え、30℃で撹拌、混合して固形分濃度25重量%の電子部品用接着剤組成物を作製した。
実施例1〜5、比較例1〜2の各電子部品用接着剤組成物を用いて、前記方法により硬化率、残存反応率、耐薬品性、絶縁耐久性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 2008214597
上記各実施例および各比較例から、本発明の接着剤組成物を用いた接着剤テープは、保存安定性がよく、耐薬品性と絶縁耐久性に優れることがわかる。

Claims (4)

  1. アミン価が80以上300以下であるポリアミド樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)およびエポキシ樹脂用硬化剤(C)を含有することを特徴とする電子部品用接着剤組成物。
  2. 前記エポキシ樹脂用硬化剤(C)が、フェノール樹脂を含むことを特徴とする請求項1記載の電子部品用接着剤組成物。
  3. 請求項1または2記載の電子部品用接着剤組成物から形成される接着剤層と、少なくとも1層の剥離可能な保護フィルム層を有する電子部品用接着剤シート。
  4. 請求項1または2記載の電子部品用接着剤組成物から形成される接着剤層と、有機絶縁フィルムを有する電子部品用接着剤付きテープ。
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JP2011184668A (ja) * 2010-03-11 2011-09-22 Sekisui Chem Co Ltd 熱伝導性熱可塑性接着剤組成物

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