JP2008214570A - 帯電防止性ポリエステルフィルム - Google Patents

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美八子 大竹
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真一郎 岡田
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Abstract

【課題】帯電防止性および透明性に優れ、種々の光学用機能層との接着力に優れた帯電防止性ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルムおよびその少なくとも片面に設けられた塗布層からなる帯電防止性ポリエステルフィルムであって、塗布層が2−ヒドロキシエチルメタクリレート成分を共重合成分として0.1〜25モル%含むアクリル樹脂10〜95重量%、および平均一次粒子径0.5〜150nmの酸化スズ粒子5〜90重量%からなることを特徴とする帯電防止性ポリエステルフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、帯電防止性ポリエステルフィルムに関し、詳しくは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、帯電防止塗膜を形成した、帯電防止性ポリエステルフィルムに関する。
ポリエステルフィルムは、近年、光学用ベースフィルムとして用いられ、液晶表示装置の部材のプリズムレンズシート、タッチパネル、バックライト等のベースフィルムや反射防止用フィルムのベースフィルム、プラズマディスプレイの電磁波シールドフィルム、有機ELディスプレイのベースフィルム、ディスプレイの防爆用ベースフィルム等の用途に用いられている。通常ポリエステルフィルムは静電気を帯びやすく、加工時の走行不良やフィルムおよび加工工程を汚染する等の問題が生じることがあるため、改善が求められている。また、光学用ベースフィルムには、優れた透明性と、プリズムレンズ層、ハードコート層、粘着層、反射防止層、スパッタ層といった機能層に対する優れた易接着性が要求される。
上記の問題を解決するために、例えばポリエステルフィルムに帯電防止剤を練りこむ方法や、ポリエステルフィルムの表面に金属化合物を蒸着するなどの方法が提案され、実用化されている(特開平5−345351号公報、特開2005−162910号公報、特開昭63−255361号公報)。しかしながら、このような方法ではフィルムの透明性が低下する、加工コストが高いといった問題がある。
また別の方法として、フィルム表面に帯電防止性と易接着性の両特性を有する塗膜を形成する方法が種々提案され、実用化されている。このとき用いられる帯電防止剤には、スルホン酸塩基を有する長鎖アルキル化合物や主鎖にイオン化された窒素原子を有するポリマーなどのイオン導電性の帯電防止剤と、酸化スズ粒子やインジウム、アンチモンなどの元素をドープさせた酸化スズ粒子などの電子導電性の帯電防止剤が主に用いられている(特開平4−28728号公報、特開平7−329250号公報)。
イオン導電性の帯電防止剤は透明性が高く、安価であるなどの利点があるが、外部環境の影響を受けやすい、ブリードアウトにより長期安定性にかけるなどの短所がある。
一方、電子導電性の帯電防止剤は外部環境の影響を受けにくいなどの利点があるが、塗布後に延伸すると光線透過率が高くなる、薄く塗布すると表面抵抗が高くなるなどの短所があり、特に光学用途など高い透明性が要求される用途においては不適合であった。
特開平5−345351号公報 特開2005−162910号公報 特開昭63−255361号公報 特開平4−28728号公報 特開平7−329250号公報
本発明は、上記の問題点を克服することを目的とし、帯電防止性および透明性に優れ、種々の光学用機能層との接着力に優れた帯電防止性ポリエステルフィルムを提供することを課題とする。
すなわち本発明は、ポリエステルフィルムおよびその少なくとも片面に設けられた塗布層からなる帯電防止性ポリエステルフィルムであって、塗布層が2−ヒドロキシエチルメタクリレート成分を共重合成分として0.1〜25モル%含むアクリル樹脂10〜95重量%、および平均一次粒子径0.5〜150nmの酸化スズ粒子5〜90重量%からなることを特徴とする帯電防止性ポリエステルフィルムである。
本発明によれば、帯電防止性および透明性に優れ、種々の光学用機能層との接着力に優れた帯電防止性ポリエステルフィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ポリエステルフィルム]
本発明においてポリエステルフィルムを構成するポリエステルは、芳香族二塩基酸またはそのエステル形成性誘導体とジオールまたはそのエステル形成性誘導体とから合成される線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの具体例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを例示することができる。
ポリエステルフィルムに用いられるポリエステルは、これらの上記ポリエステルの共重合体であってもよく、上記ポリエステルを主体(例えば80モル%以上の成分)とし、少割合(例えば20モル%以下)の他の種類の樹脂とブレンドしたものであってもよい。ポリエステルとしてポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートが力学的物性や光学物性等のバランスが良いので特に好ましい。
ポリエステルは、着色剤、酸化防止剤、有機滑剤、無機滑剤、触媒、紫外線吸収剤、フィラーを含有することもできる。
ポリエステルフィルムの厚みは光学用フィルムの基材として使用する場合に必要な強度を得る観点から、好ましくは25〜300μm、さらに好ましくは50〜250μmである。
[塗布層]
本発明では、上記ポリエステルフィルムの少なくとも片面に塗布層が設けられる。そして、その塗布層は、アクリル樹脂を高分子バインダーとして含有し、酸化スズ粒子を導電剤として含有する。
塗布層の厚みは、好ましくは10〜200nmである。10nm未満であると接着力が不足して好ましくなく、200nmを超えるとブロッキングを起こしたり、ヘーズ値が高くなったりする可能性があり好ましくない。
以下、塗布層について説明する。
[アクリル樹脂]
アクリル樹脂自体は、アクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルからなる重合体で非晶質の樹脂である。本発明では、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合成分として有するアクリル樹脂を用いる。アクリル樹脂の2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合割合は0.1〜25モル%、好ましくは0.5〜25モル%、さらに好ましくは1〜20モル%、特に好ましくは2〜10モル%である。2−ヒドロキシエチルメタクリレートの共重合割合が0.1モル%未満であると帯電防止性能が発現しない。25モル%を超えるとブロッキング性が悪化する。
アクリル樹脂には、2−ヒドロキシエチルメタクリレート以外のモノマー成分を共重合してもよい。例えば、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、スチレンスルホン酸およびその塩(ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、第三級アミン塩等)等のカルボキシ基またはその塩を有するモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリルアミド、N,N−ジアルキルメタクリレート(アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基等)、N−アルコキシアクリルアミド、N−アルコキシメタクリルアミド、N,N−ジアルコキシアクリルアミド、N,N−ジアルコキシメタクリルアミド(アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基等)、アクリロイルモルホリン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド等のアミド基を有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物のモノマー;2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン等のオキサゾリン基含有モノマー;メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メトキシポリエチレングリコールメタクリレート、ビニルイソシアネート、アリルイソシアネート、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリアルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モノエステル、アルキルイタコン酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ブタジエンを例示することができる。
[酸化スズ粒子]
導電剤として用いる酸化スズ粒子は、その平均一次粒子径が0.5〜150nm、好ましくは5〜50nmのものである。平均一次粒子径が150nmを超えると光学散乱が発生し塗布層の透明性が悪くなり、0.5nm未満であると微粒子同士の凝集が多くなり、二次粒子径が大きくなり光学散乱が発生し塗布層の透明性が悪くなることがある。
酸化スズ粒子としては、酸化スズの粒子を用いるが、酸化スズ以外の金属酸化物や、金属や高分子からなる粒子の表面を酸化スズで被覆したものも、本発明では酸化スズ粒子の範疇に入る。酸化スズ粒子は、酸化スズにインジウムやアンチモンといった元素をドーピングすることによって、導電性能を向上させたものを用いることが好ましい。
酸化スズ粒子は塗布層中に、好ましくは5〜90重量%、さらに好ましくは30〜80重量%の範囲で含有される。酸化スズ粒子が5重量%未満であると塗布層の表面抵抗値が低下せず、帯電防止性フィルムとして使用できない。90重量%を超えると高分子バインダーの含有量が相対的に少なくなり、塗膜層の凝集力が下がり、接着性が悪化する。酸化スズ粒子は、環境負荷を低減し、容易に取扱う観点から、好ましくは水分散体として用いる。
[架橋剤]
塗布層には加工時の耐溶剤性能を向上させる目的で、好ましくは架橋剤が配合される。架橋剤として、例えば、自己架橋性を有する架橋剤、カルボキシル基と反応する官能基を有する架橋剤、多価の配位座を有する金属錯体を用いることができる。これらの中でも、好ましくは、イソシアネート化合物、メラミン化合物、尿素化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン基含有化合物、ジルコニウム塩化合物、シランカップリング剤、特に好ましくはオキサゾリン基含有化合物を用いる。
架橋剤が配合される場合、塗布層の100重量%あたりに配合される架橋剤は、例えば10重量%以下、好ましくは0.1〜5重量%である。10重量%を超えるとバインダー樹脂や帯電防止剤に対する相溶性が悪化し、塗膜のヘーズが上昇するため、好ましくない。0.1重量%未満であると架橋剤を配合する効果が期待できない。
[製造方法]
ポリエステルフィルムは、ポリエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後Tg〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍になるように延伸し、必要に応じて更に180〜230℃で1〜60秒間熱処理を行い、熱処理温度より10〜100℃低い温度で幅方向に0〜20%収縮させながら再熱処理を行うことにより得ることができる。なお、ガラス転移温度をTgと略記する。
ポリエステルフィルムは、以下のように同時二軸延伸法によって製造してもよい。すなわち、ポリエステルをフィルム状に溶融押出し、キャスティングドラムで冷却固化させて未延伸フィルムとし、この未延伸フィルムをTg〜(Tg+60)℃で縦方向に倍率が3倍〜6倍に、幅方向に倍率が3〜6倍になるように同時に延伸し、必要に応じて更に180〜230℃で1〜60秒間熱処理を行い、熱処理温度より10〜100℃低い温度で幅方向に0〜20%収縮させながら再熱処理を行うことにより得ることができる。
塗布層を構成するアクリル樹脂と酸化スズ粒子の組成物は、塗膜としてポリエステルフィルムに塗設するために、水溶液、水分散液、乳化液といった水性塗液の形態で塗布することが好ましい。塗液には、さらに、着色剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、ワックス、フィラーを添加してもよい。
水性塗液の固形分濃度は、通常20重量%以下、好ましくは1〜10重量%である。固形分濃度が1重量%未満であるとポリエステルフィルムへの濡れ性が不足することがあり好ましくなく、他方、20重量%を超えると塗液の安定性や塗布層の外観が悪化することがあり好ましくない。
この水性塗液は、ポリエステルフィルムの製造過程において、配向結晶化が完了する前のポリエステルフィルムに塗布することが好ましい。ここで、結晶配向が完了する前のポリエステルフィルムとは、未延伸フィルム、未延伸フィルムを縦方向または横方向の何れか一方に配向せしめた一軸配向フィルム、縦方向および横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最終的に縦方向また横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前の二軸延伸フィルム)を含むものである。
なかでも、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムが好ましい。すなわち、好ましい製造方法においては、未延伸フィルムまたは一方向に配向せしめた一軸延伸フィルムに水性塗液を塗布し、そのまま縦延伸および/または横延伸と熱固定とを施すことにより塗布層を形成する。
水性塗液をフィルムに塗布する際には、塗布性を向上させるための予備処理としてフィルム表面にコロナ表面処理、火炎処理、プラズマ処理等の物理処理を施すか、あるいは組成物と共にこれと化学的に不活性な界面活性剤を併用することが好ましい。
かかる界面活性剤は、ポリエステルフィルムへの水性塗液の濡れを促進機能や塗液の安定性を向上させるものであり、例えば、ポリオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシルエチレン誘導体、アルキルスルホコハク酸塩等のアニオン型、ノニオン型界面活性剤を挙げることができる。界面活性剤を用いる場合、塗膜を形成する組成物中に1〜10重量%含まれていることが好ましい。
塗液は、延伸後の塗布層の厚みが好ましくは10〜200nmの範囲となる量で塗布する。塗布層を形成した後の、本発明の帯電防止性ポリエステルフィルム帯電防止性能は、塵やほこり等の付着を抑える観点から、表面固有抵抗値が、例えば1013Ω/□未満、好ましくは1010Ω/□未満である。
塗布層を形成した後の本発明の帯電防止性ポリエステルフィルムのヘーズは、好ましくは10%未満、さらに好ましくは5%未満である。ヘーズが10%を超えると光学用途の基材として使用するには不適合であり好ましくない。
塗布層を形成するための塗液の塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸法、カーテンコート法を用いることができる。これらは、単独または組合せて用いることができる。
塗布層は、ポリエステルフィルムの片面に形成してもよく、両面に形成してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
各種物性は下記の方法により評価した。
(1)接着性
JSR社製紫外線硬化型樹脂(商品名:デソライト)2gをフィルムサンプルの塗膜形成面上にマイヤバーを用いて塗布した。塗布直後のフィルムを80℃にて2分間乾燥し、さらに該サンプルを20mW/cmで5分間紫外線照射させて、厚み5μmのハードコート層を形成した。
フィルムサンプルの塗膜形成面上にハードコート層を形成させた後、碁盤目のクロスカットを施し、その上に24mm幅のセロハンテープ(ニチバン社製)を貼り付け、180°の剥離角度で急激にはがした後、剥離面を観察し、下記の基準で評価した。
5:剥離面積が10%未満 ……接着力極めて良好
4:剥離面積が10%以上20%未満 ……接着力良好
3:剥離面積が20%以上30%未満 ……接着力やや良好
2:剥離面積が30%以上40%未満 ……接着力不良
1:剥離面積が40%を超える ……接着力極めて不良
(2)ヘーズ値
JIS K7136に準じ、日本電色工業社製のヘーズ測定器(NDH−2000)を使用してフィルムのヘーズ値を測定した。なお、フィルムのヘーズ値を下記の基準で評価した。
◎: ヘーズ値≦ 5.0% ……フィルムのヘーズ極めて良好
○: 5.0%<ヘーズ値≦10.0% ……フィルムのヘーズ良好
×:10.0%<ヘーズ値 ……フィルムのヘーズ不良
(3)帯電防止性
帯電防止性はフィルムサンプルの表面固有抵抗値を、タケダ理研社製固有抵抗測定器を使用し、測定温度23℃、測定湿度65%の条件で、印加電圧500Vで1分後の表面固有抵抗値(Ω/□)を測定した。フィルムの表面固有抵抗値を下記の基準で評価した。
◎: 表面固有抵抗値≦1×1010Ω/□
○:1×1010Ω/□<表面固有抵抗値≦1×1013Ω/□
×:1×1013Ω/□<表面固有抵抗値
(4)ガラス転移温度
サンプル約10mgを測定用のアルミニウム製パンに封入して示差熱量計(デュポン社製・V4.OB2000型DSC)に装着し、25℃から20℃/分の速度で300℃まで昇温させ、300℃で5分間保持した後取出し、直ちに氷の上に移して急冷した。このパンを再度示差熱量計に装着し、25℃から20℃/分の速度で昇温させてガラス転移温度(Tg:℃)を測定した。
(5)固有粘度
固有粘度([η]dl/g)は、25℃のo−クロロフェノール溶液で測定した。
(6)塗布層厚み
包埋樹脂でフィルムを固定し断面をミクロトームで切断し、2%オスミウム酸で60℃、2時間染色して、透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM2010)を用いて、塗布層の厚みを測定した。
(7)粒子径
包埋樹脂でフィルムを固定し断面をミクロトームで切断し、2%オスミウム酸で60℃、2時間染色して、透過型電子顕微鏡(日本電子製JEM2010)を用いて、酸化スズ粒子を倍率50万倍で、任意に選んだ50個について測定し数平均一次粒子径を算出して、これを平均一次粒子径とした。
[実施例1]
溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.63dl/g、Tg=78℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.4倍に延伸した後、その片面に表1に示す組成からなる塗剤の濃度4%の水性塗液をロールコーターで均一に塗布した。
次いで、この塗布フィルムを引き続いて95℃で乾燥し、横方向に120℃で3.5倍に延伸し、220℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、厚さ125μmの光学用帯電防止性ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
塗剤の各成分は次のとおりである。
アクリル樹脂1:
メタクリル酸メチル49.5モル%/アクリル酸エチル49.5モル%/2−ヒドロキシエチルメタクリレート1モル%で構成されている(分子量350000)。アクリル樹脂1は、特開昭63−37167号公報の製造例1〜3に記載の方法に準じて下記の通り製造した。すなわち、四つ口フラスコに、イオン交換水304gを仕込んで窒素気流中で60℃まで昇温させ、次いで重合開始剤として過硫酸アンモニウム0.5g、亜硫酸水素ナトリウム0.2gを添加し、さらにモノマーである、メタクリル酸メチル49.6g、アクリル酸エチル49.6g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.3g、界面活性剤としてラウリルスルホン酸ナトリウム3gの混合物を3時間にわたり、液温が60〜70℃になるよう調整しながら滴下した。滴下終了後も同温度範囲に2時間保持しつつ、撹拌下に反応を継続させ、次いで冷却して固形分が25%のアクリル樹脂1の水分散体を得た。
アクリル樹脂2:
モノマー成分の配合をメタクリル酸メチル49.1g、アクリル酸エチル49.1g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.6gに変更してアクリル樹脂1と同様の製法で製造し、固形分が25%のアクリル樹脂2の水分散体を得た(分子量350000)。
アクリル樹脂3:
モノマー成分の配合をメタクリル酸メチル47.6g、アクリル酸エチル47.6g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート6.5gに変更してアクリル樹脂1と同様の製法で製造し、固形分が25%のアクリル樹脂3の水分散体を得た(分子量360000)。
アクリル樹脂4:
モノマー成分の配合をメタクリル酸メチル45.1g、アクリル酸エチル45.1g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート13.0gに変更してアクリル樹脂1と同様の製法で製造し、固形分が25%のアクリル樹脂4の水分散体を得た(分子量360000)。
アクリル樹脂5:
モノマー成分の配合をメタクリル酸メチル40.0g、アクリル酸エチル40.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート26.0gに変更してアクリル樹脂1と同様の製法で製造し、固形分が25%のアクリル樹脂5の水分散体を得た(分子量360000)。
アクリル樹脂6:
モノマー成分の配合をメタクリル酸メチル35.0g、アクリル酸エチル35.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート39.0gに変更してアクリル樹脂1と同様の製法で製造し、固形分が25%のアクリル樹脂6の水分散体を得た(分子量350000)。
アクリル樹脂7:
モノマー成分の配合をメタクリル酸メチル50.0g、アクリル酸エチル50.0gに変更してアクリル樹脂1と同様の製法で製造し、固形分が25%のアクリル樹脂7の水分散体を得た(分子量350000)。
ポリエステル樹脂:
酸成分がテレフタル酸90モル%/イソフタル酸5モル%/5−ナトリウムスルホイソフタル酸5モル%、グリコール成分がエチレングリコール90モル%/ジエチレングリコール10モル%で構成されている(平均分子量13000)。このポリエステル樹脂は、特開平06−116487号公報の実施例1に記載の方法に準じて下記の通り製造した。すなわち、テレフタル酸ジメチル55g、イソフタル酸3g、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル5g、エチレングリコール35g、ジエチレングリコール3gを反応器に仕込み、これにテトラブトキシチタン0.05gを添加して窒素雰囲気下で温度を230℃にコントロールして加熱し、生成するメタノールを留去させてエステル交換反応を行った。次いで反応系の温度を徐々に255℃まで上昇させ系内を1mmHgの減圧にして重縮合反応を行い、ポリエステル樹脂を得た。このポリエステル樹脂25gをテトラヒドロフラン75gに溶解させ、得られた溶液に10000回転/分の高速攪拌下で水75gを滴下して乳白色の分散体を得、次いでこの分散体を20mmHgの減圧下で蒸留し、テトラヒドロフランを留去してポリエステル樹脂の水分散体を得た。
酸化スズ粒子1:
アンチモンドープ酸化スズ微粒子(住友大阪セメント株式会社製「SNW−120」、平均一次粒子径:20nm)
酸化スズ粒子2:
アンチモンドープ酸化スズ微粒子(石原産業株式会社製「FS−10D」、平均一次粒子径:200nm)
架橋剤:
オキサゾリン基含有アクリルポリマー(日本触媒社製「エポクロスWS−700」)
[実施例2〜10]
塗剤の組成を表1に記載のとおりに変更した他は実施例1と同様にして厚さ125μmの光学用帯電防止性ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
[実施例11]
溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.63dl/g、Tg=78℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、その両面に表に示す塗剤の濃度4%の水性塗液をロールコーターで均一に塗布した。次いで、この塗布フィルムを95℃で乾燥し、引き続いて120℃で縦方向に3.5倍、横方向に3.5倍に同時延伸した。さらに続いて220℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、厚さ125μmの光学用帯電防止性ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
[比較例1]
溶融ポリエチレンテレフタレート([η]=0.63dl/g、Tg=78℃)をダイより押出し、常法により冷却ドラムで冷却して未延伸フィルムとし、次いで縦方向に3.4倍に延伸した後、引き続いて横方向に120℃で3.5倍に延伸し、220℃で幅方向に3%収縮させ熱固定し、厚さ125μmのポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
[比較例2〜7]
塗剤の組成を表1に記載のとおりに変更した他は実施例1と同様にして厚さ125μmの光学用帯電防止性ポリエステルフィルムを得た。評価結果を表2に示す。
Figure 2008214570
Figure 2008214570
本発明の帯電防止性ポリエステルフィルムは、光学用ベースフィルムとして、例えば、液晶表示装置の部材のプリズムレンズシート、タッチパネル、バックライト等のベースフィルムや反射防止用フィルムのベースフィルム、プラズマディスプレイの電磁波シールドフィルム、有機ELディスプレイのベースフィルム、ディスプレイの防爆用ベースフィルムといった用途に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. ポリエステルフィルムおよびその少なくとも片面に設けられた塗布層からなる帯電防止性ポリエステルフィルムであって、塗布層が2−ヒドロキシエチルメタクリレート成分を共重合成分として0.1〜25モル%含むアクリル樹脂10〜95重量%、および平均一次粒子径0.5〜150nmの酸化スズ粒子5〜90重量%からなることを特徴とする帯電防止性ポリエステルフィルム。
  2. 塗布層を形成するための塗液の塗布後に、少なくとも一軸方向に延伸されている、請求項1記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。
  3. ヘーズ値が10%以下である請求項1記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。
  4. 光学用ベースフィルムとして用いる請求項1記載の帯電防止性ポリエステルフィルム。
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