JP2008214257A - スルホキシド化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】触媒を実質的に使用することなく、短時間で高収率のスルホキシド化合物を得ながら、スルホン化合物の副生を実質的に伴わない、効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】過酸化物溶液および溶媒に溶解したスルフィド化合物溶液を、それぞれの供給路を通して反応流路内に供給し、高速混合する。反応流路としては、マイクロリアクターを使用することができる。反応流路の等価直径は1mm以下であることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】過酸化物溶液および溶媒に溶解したスルフィド化合物溶液を、それぞれの供給路を通して反応流路内に供給し、高速混合する。反応流路としては、マイクロリアクターを使用することができる。反応流路の等価直径は1mm以下であることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、反応流路内で過酸化物存在下、スルフィド化合物よりスルホキシド化合物を製造する方法に関する。
スルホキシド化合物は、化学的または生物学的に活性な化合物およびその合成中間体等として重要な化合物である(例えば非特許文献1参照)。その製造法として、スルフィド化合物を酸化する方法が知られており、該酸化に用いられる酸化剤としては、例えば過酸化水素(非特許文献1参照)が知られている。過酸化水素は安全に貯蔵することができ、安価に入手することができる。さらに過酸化水素は水や種々の有機溶媒への溶解性がよく、反応後は水となることから、環境に優しい酸化剤として注目されている。
スルフィド化合物を過酸化水素と反応させてスルホキシド化合物を製造する方法としては、金属触媒を用いる方法が知られている(例えば非特許文献1および特許文献1参照)。しかしながら、金属触媒を用いる方法は必ずしも環境に優しいとはいえず、さらに触媒の回収、再利用が困難な場合があるという問題があった。
スルホキシド化合物を製造する際に、酸化剤によるスルフィド化合物の酸化反応を、フラスコ等の中の閉じ込められた状態で行うバッチ(回分)法を用いると、反応の進行に伴って反応液中には、未反応のスルフィド化合物と製造目的物のスルホキシド化合物が共存する。このため逐次反応が避けられず、反応完結時には、スルホキシド化合物がさらに酸化されたスルホン化合物が副生するという問題点があった。
無触媒下であっても、例えばアセトン、酢酸またはメタノールを溶媒として用いると、過酸化水素によりスルフィド化合物を酸化することができるが、スルホキシド化合物の収率が低いことまたは長い反応時間が必要であるといった問題点があった(非特許文献1参照)。また、フェノールまたはヘキサフルオロ−2−プロパノールを溶媒として用いると、短時間で過酸化水素によりスルフィド化合物の酸化が進行し、スルホキシド化合物の収率もよいことが記載されている(非特許文献1参照)。しかしながら、フェノール水溶液は弱酸性であるため、酸に不安定な官能基を有するスルフィド化合物には使用することができず、また、塩基性化合物と反応するという問題点があった。また、ヘキサフルオロ−2−プロパノールは高価であるという経済性および毒性における問題点があった。
本発明は上記事情に鑑み、スルフィド化合物を過酸化物と反応させてスルホキシド化合物を製造する方法において、触媒を実質的に使用することなく、短時間で高収率のスルホキシド化合物を得ながら、スルホン化合物の副生を実質的に伴わない、効率的な製造方法を提供することを目的とする。
請求項1の発明は前記目的を達成するために、
一般式(1)
R1−S−R2(1)
(式中、R1およびR2は、同一または異なって、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアルケニル基を表す)で示されるスルフィド化合物より、過酸化物の存在下でスルホキシド化合物を製造する方法であって、過酸化物溶液および溶媒に溶解したスルフィド化合物溶液を、それぞれの供給路を通して反応流路内に供給し、該反応流路内で該スルフィド化合物よりスルホキシド化合物を生成させることを特徴とするスルホキシド化合物の製造方法を提供する。
一般式(1)
R1−S−R2(1)
(式中、R1およびR2は、同一または異なって、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアルケニル基を表す)で示されるスルフィド化合物より、過酸化物の存在下でスルホキシド化合物を製造する方法であって、過酸化物溶液および溶媒に溶解したスルフィド化合物溶液を、それぞれの供給路を通して反応流路内に供給し、該反応流路内で該スルフィド化合物よりスルホキシド化合物を生成させることを特徴とするスルホキシド化合物の製造方法を提供する。
ここで、供給路とは、反応流路に結合され、過酸化物溶液および溶媒に溶解したスルフィド化合物溶液を反応流路に流通させる供給路である。
また、反応流路とは、逐次供給される過酸化物溶液および溶媒に溶解したスルフィド化合物溶液が高速混合され、混合された溶液が流通しながら該過酸化物による該スルフィド化合物の酸化反応が進行する流路である。
請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、スルホキシド化合物の生成速度を、反応流路の温度、反応流路を流通する溶液の流速、反応流路長のいずれかまたはこれらの組み合わせにより制御することを特徴とする。
ここで、反応流路の温度は、反応流路を加熱または冷却することによっても調整することができ、また反応流路に供給される溶液の温度を供給前に所望の温度に調整することもできる。
反応流路を流通する溶液の流速は、例えば、供給される溶液を加圧することによりまたは反応流路出口の圧力を陰圧とすることにより調整することができる。
請求項3の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記反応流路がマイクロリアクターにより形成されることを特徴とする。
ここでマイクロリアクターとは、微小な反応空間中で反応を行うことを目的とする微小流路を有する反応器である。
請求項4の発明は、請求項3記載の発明において、前記マイクロリアクターは、反応流路の等価直径が1mm以下であるマイクロリアクターであることを特徴とする。
ここで等価直径とは、流路に垂直な断面の断面積と等価な面積を有する正円の直径をいう。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、過酸化物溶液が過酸化水素水溶液であって、スルフィド化合物に対して、16〜24モル倍の過酸化水素を用いることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、過酸化物溶液が、ヒドロペルオキシド溶液またはペルオキシ酸溶液であることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、スルフィド化合物の溶媒が、アセトニトリル、テトラヒドロフランおよびトルエンからなる群より選ばれた少なくとも1種の溶媒であることを特徴とする。
本発明のスルホキシド化合物の製造方法によれば、過酸化物溶液および溶媒に溶解したスルフィド化合物溶液を反応流路内で高速混合することにより、触媒を実質的に使用することなく、またスルホン化合物の副生を実質的に伴わずに、短時間に高収率でスルホキシド化合物を得ることができる。
本発明のスルホキシド化合物の製造方法は、反応流路内で過酸化物によりスルフィド化合物を酸化し、スルホキシド化合物を得る反応に基づく。より詳しくは、反応流路内で過酸化物溶液と、溶媒に溶解したスルフィド化合物溶液を高速混合することにより、効率よく連続的な酸化反応を得る。このため、バッチ(回分)法に比較して、反応時間が短い。
本発明に使用される過酸化物溶液には、過酸化水素水溶液、ヒドロペルオキシド溶液、ペルオキシ酸溶液等が挙げられる。ヒドロペルオキシドとしては、t−ブチルヒドロペルオキシド等が挙げられる。また、ペルオキシ酸としては、メタクロロ過安息香酸、過安息香酸等が挙げられる。
本発明に使用される過酸化水素水溶液の過酸化水素濃度は、特に制限されないが、30重量%が好ましい。
本発明に使用されるスルフィド化合物としては、
一般式(1)
R1−S−R2(1)
(式中、R1およびR2は、同一または異なって、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアルケニル基を表す)で示されるスルフィド化合物が挙げられる。前記アルキル基、アリール基、アラルキル基またはアルケニル基の炭素数は1〜30であり、好ましくは1〜24である。
一般式(1)
R1−S−R2(1)
(式中、R1およびR2は、同一または異なって、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアルケニル基を表す)で示されるスルフィド化合物が挙げられる。前記アルキル基、アリール基、アラルキル基またはアルケニル基の炭素数は1〜30であり、好ましくは1〜24である。
置換基を有してもよいアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、ラウリル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルキル基が挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基としては、例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアラルキル基としては、例えば前記置換基を有してもよいアリール基と前記置換基を有してもよいアルキル基とから構成されるものが挙げられ、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、例えばエテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチルエテニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−デセニル基、2−シクロペンテニル基、2−シクロヘキセニル基等の直鎖状、分枝鎖状または環状のアルケニル基が挙げられる。
前記置換基は、ヘテロ原子を含んでいてもよい炭化水素基であって、炭素数1〜14であり、好ましくは炭素数1〜12である。ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、イオウ原子等が挙げられる。
反応流路内で過酸化物溶液と、溶媒に溶解したスルフィド化合物溶液を高速混合することにより、連続的な酸化反応を得るためには、該反応流路として、例えばマイクロリアクターを使用することができる。マイクロリアクターとは、微小な反応空間中で反応を行うことを目的とする微小流路を有する反応器であるが、かかる反応器であれば特に限定はない。
本発明に使用されるマイクロリアクターの流路の等価直径は1mm以下であり、好ましくは0.1〜1mmである。かかる流路の大きさであれば、流路断面の形状は特に限定されない。
反応流路の温度、反応流路を流通する溶液の流速および反応流路長は、反応流路に供給するスルフィド化合物の種類および酸化反応により生成するスルホキシド化合物の種類等により変化させてよい。反応流路の温度は、0〜45℃が好ましく、より好ましくは0〜40℃であり、さらに好ましくは0〜30℃である。反応流路を流通する溶液の流速は、0.1〜40mL/minが好ましい。反応流路長は5〜500cmが好ましい。
反応流路に供給されるスルフィド化合物の溶媒は、対象となるスルフィド化合物を溶解することのできる溶媒であればよいが、副生物であるスルホン化合物の生成を抑制する目的としては、好ましくは、アセトニトリル、テトラヒドロフラン若しくはトルエンまたはこれらの所望の組み合わせにかかる混合溶媒であり、より好ましくはアセトニトリルである。
過酸化物溶液として過酸化水素水溶液を用いる場合、反応流路に供給される過酸化水素は、スルフィド化合物に対して、16〜24モル倍であればよく、好ましくは18〜22モル倍であり、より好ましくは19〜21モル倍である。
ここで、本発明の方法を、図1を用いて説明する。図1は、過酸化物溶液および溶媒に溶解したスルフィド化合物溶液を、それぞれの供給路を通して反応流路内に供給し、該反応流路内で該スルフィド化合物よりスルホキシド化合物を生成させるための装置の一例を示す説明図である。
図1を参照すると、参照符号1、2は送液ポンプを示している。送液ポンプとしては、例えばハーバード アパラタス インコーポレイテッド(Harvard Apparatus Inc.)製のシリンジ型送液ポンプを使用することができるが、正確な容量の連続移送ができるものであればすべてのポンプを採用することができる。そして、溶媒に溶解したスルフィド化合物3および過酸化物溶液4は、それぞれ、送液ポンプ1および2により、供給管9a、9bを介してTピースの一種であるマイクロミキサー5に送られ、高速に混合される。該マイクロミキサー5には、T字型マイクロミキサー等の公知のミキサーを用いることができる。マイクロミキサー5で混合された混合液は、そのままマイクロリアクター6に供給され、反応液吐出口7より反応液8が回収される。マイクロミキサー5およびマイクロリアクター6の材質としては、特定の素材に限定されないが、例えばステンレスを採用することができる。
スルフィド化合物と過酸化物のモル比は、スルフィド化合物溶液におけるスルフィド化合物の濃度若しくは過酸化物溶液における過酸化物の濃度、またはマイクロミキサーに通ずる供給路におけるスルフィド化合物溶液若しくは過酸化物溶液の流速を調整することにより所望のモル比とすることができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
スルフィド化合物が、一般式(1)
R1−S−R2(1)
(式中、R1はフェニル基、R2はメチル基)
であるチオアニソール(1242.0mg、10.0mmol)をアセトニトリルに溶解し、20mLにメスアップした。このチオアニソール−アセトニトリル溶液4.0mL(チオアニソール2mmol)および30重量%過酸化水素水溶液4.0mL(過酸化水素40mmol)をT字型マイクロミキサーで混合し、等価直径が1mmであるマイクロリアクターに供給した。
スルフィド化合物が、一般式(1)
R1−S−R2(1)
(式中、R1はフェニル基、R2はメチル基)
であるチオアニソール(1242.0mg、10.0mmol)をアセトニトリルに溶解し、20mLにメスアップした。このチオアニソール−アセトニトリル溶液4.0mL(チオアニソール2mmol)および30重量%過酸化水素水溶液4.0mL(過酸化水素40mmol)をT字型マイクロミキサーで混合し、等価直径が1mmであるマイクロリアクターに供給した。
前記マイクロリアクターの反応流路長は90cm、また反応流路の温度は25℃とした。チオアニソール−アセトニトリル溶液および30重量%過酸化水素水溶液の流速は10mL/minとして、マイクロミキサーに供給した。
溶液の供給開始後24秒間分の反応液8mLを、マイクロミキサーの反応液吐出口より回収し、この回収液に対して飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液15mLを加え、この回収液中に残存する過酸化水素を分解し反応を不活性化した後、酢酸エチル20mLで3回抽出した。この抽出液は飽和食塩液で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製することにより、反応生成物(272.0mg)を得た。
この反応生成物は1H−NMRスペクトル、質量スペクトルおよび赤外線吸収スペクトルで分析した結果、スペクトルデータはメチルフェニルスルホキシド標品のものと完全に一致した。単離収率は97重量%であった。スルホン化合物は検出されなかった。なお単離収率は、シリカゲルカラムクロマトグラフィー後に得られたスルホキシド化合物、スルホン化合物およびスルフィド化合物を合わせた総量を100重量%として算出した。
実施例2〜7
マイクロリアクターの反応流路の温度および反応流路長、チオアニソール−アセトニトリル溶液および30重量%過酸化水素水溶液の流速並びにチオアニソール濃度を変更した以外は、実施例1と同様の方法で、反応および分析を行った。なお反応液の回収は、チオアニソール−アセトニトリル溶液が4mL供給された時点で終了した。分析結果を表1に示した。
マイクロリアクターの反応流路の温度および反応流路長、チオアニソール−アセトニトリル溶液および30重量%過酸化水素水溶液の流速並びにチオアニソール濃度を変更した以外は、実施例1と同様の方法で、反応および分析を行った。なお反応液の回収は、チオアニソール−アセトニトリル溶液が4mL供給された時点で終了した。分析結果を表1に示した。
比較例1
30重量%過酸化水素水溶液の流速を2.5mL/minとした以外は、実施例1と同様の方法で、反応および分析を行った。なお反応液の回収は、チオアニソール−アセトニトリル溶液が4mL供給された時点で終了した。その結果、スルホキシド化合物は検出されず、出発物質であるスルフィド化合物(チオアニソール)のみが検出され、反応は進行していなかった。
30重量%過酸化水素水溶液の流速を2.5mL/minとした以外は、実施例1と同様の方法で、反応および分析を行った。なお反応液の回収は、チオアニソール−アセトニトリル溶液が4mL供給された時点で終了した。その結果、スルホキシド化合物は検出されず、出発物質であるスルフィド化合物(チオアニソール)のみが検出され、反応は進行していなかった。
比較例2および3
チオアニソール−アセトニトリル溶液および30重量%過酸化水素水溶液の流速を変更した以外は、実施例1と同様の方法で、反応および分析を行った。なお反応液の回収は、チオアニソール−アセトニトリル溶液が4mL供給された時点で終了した。分析結果を表1に示した。
チオアニソール−アセトニトリル溶液および30重量%過酸化水素水溶液の流速を変更した以外は、実施例1と同様の方法で、反応および分析を行った。なお反応液の回収は、チオアニソール−アセトニトリル溶液が4mL供給された時点で終了した。分析結果を表1に示した。
表1において、過酸化水素使用量(当量)は、過酸化水素/スルフィド化合物のモル比を示し、流速は供給路における流速であり、Aはチオアニソール−アセトニトリル溶液の流速を、Bは30重量%過酸化水素水溶液の流速を示す。また単離収率(重量%)は、1a:スルフィド化合物、2b:スルホキシド化合物、3c:スルホン化合物を示す(全量100重量%)。
実施例8および9
スルフィド化合物(チオアニソール)の溶媒を、アセトニトリルからテトラヒドロフランまたはトルエンに変更した以外は実施例1と同様の方法で、反応および分析を行った。分析結果を表2に示した。
スルフィド化合物(チオアニソール)の溶媒を、アセトニトリルからテトラヒドロフランまたはトルエンに変更した以外は実施例1と同様の方法で、反応および分析を行った。分析結果を表2に示した。
比較例4および5
スルフィド化合物(チオアニソール)の溶媒を、アセトニトリルから酢酸エチルまたはメタノールに変更した以外は実施例1と同様の方法で、反応および分析を行った。分析結果を表2に示した。
スルフィド化合物(チオアニソール)の溶媒を、アセトニトリルから酢酸エチルまたはメタノールに変更した以外は実施例1と同様の方法で、反応および分析を行った。分析結果を表2に示した。
表2において、単離収率(重量%)は、1a:スルフィド化合物、2b:スルホキシド化合物、3c:スルホン化合物を示す(全量100重量%)。
実施例10〜15
反応に用いるスルフィド化合物を、
R1−S−R2(1)
(式中、R1はフェニル基、R2はメチル基)
であるチオアニソールから、R1およびR2を変更した以外は実施例1と同様の方法で、反応および分析を行った。分析結果を表3に示した。
反応に用いるスルフィド化合物を、
R1−S−R2(1)
(式中、R1はフェニル基、R2はメチル基)
であるチオアニソールから、R1およびR2を変更した以外は実施例1と同様の方法で、反応および分析を行った。分析結果を表3に示した。
比較例6
スルフィド化合物が、一般式(1)
R1−S−R2(1)
(式中、R1はフェニル基、R2はメチル基)
であるチオアニソール(1242.0mg、10.0mmol)をアセトニトリルに溶解し、20mLにメスアップした。このチオアニソール−アセトニトリル溶液4.0mL(チオアニソール2mmol)に30重量%過酸化水素水溶液4.0mL(過酸化水素40mmol)を加え、3時間撹拌して反応させた。この反応液に対して飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液15mLを加え、この回収液中に残存する過酸化水素を分解し反応を不活性化した後、酢酸エチル20mLで3回抽出した。この抽出液は飽和食塩液で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製することにより、反応生成物を得た。この反応生成物は1H−NMRスペクトル、質量スペクトルおよび赤外線吸収スペクトルで分析した。
スルフィド化合物が、一般式(1)
R1−S−R2(1)
(式中、R1はフェニル基、R2はメチル基)
であるチオアニソール(1242.0mg、10.0mmol)をアセトニトリルに溶解し、20mLにメスアップした。このチオアニソール−アセトニトリル溶液4.0mL(チオアニソール2mmol)に30重量%過酸化水素水溶液4.0mL(過酸化水素40mmol)を加え、3時間撹拌して反応させた。この反応液に対して飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液15mLを加え、この回収液中に残存する過酸化水素を分解し反応を不活性化した後、酢酸エチル20mLで3回抽出した。この抽出液は飽和食塩液で洗い、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)で精製することにより、反応生成物を得た。この反応生成物は1H−NMRスペクトル、質量スペクトルおよび赤外線吸収スペクトルで分析した。
その結果、出発物質であるスルフィド化合物(チオアニソール)は検出されず、スルホキシド化合物が82重量%生成したが、15重量%のスルホン化合物が副生した。
比較例7〜12
反応に用いるスルフィド化合物を、
R1−S−R2(1)
(式中、R1はフェニル基、R2はメチル基)
であるチオアニソールから、R1およびR2を変更した以外は比較例6と同様の方法で、反応および分析を行った。分析結果を表3に示した。
反応に用いるスルフィド化合物を、
R1−S−R2(1)
(式中、R1はフェニル基、R2はメチル基)
であるチオアニソールから、R1およびR2を変更した以外は比較例6と同様の方法で、反応および分析を行った。分析結果を表3に示した。
表3において、反応方法は、M:マイクロリアクター、B:バッチ法を示し、単離収率(重量%)は、1a:スルフィド化合物、2b:スルホキシド化合物、3c:スルホン化合物を示す(全量100重量%)。
実施例16および17
過酸化物溶液を、過酸化水素水溶液からt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液またはメタクロロ過安息香酸−テトラヒドロフラン溶液に変更し、スルフィド化合物の溶媒をテトラヒドロフランとした以外は、実施例1と同様の方法で反応および分析を行なった。分析結果を表4に示した。
過酸化物溶液を、過酸化水素水溶液からt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液またはメタクロロ過安息香酸−テトラヒドロフラン溶液に変更し、スルフィド化合物の溶媒をテトラヒドロフランとした以外は、実施例1と同様の方法で反応および分析を行なった。分析結果を表4に示した。
24秒の反応時間において、過酸化物としてt−ブチルヒドロペルオキシドを用いた場合、スルホキシド化合物の単離収率は92重量%であり、過酸化物としてメタクロロ過安息香酸を用いた場合、単離収率は70重量%であった。
比較例13および14
過酸化物溶液を、過酸化水素水溶液からt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液またはメタクロロ過安息香酸−テトラヒドロフラン溶液に変更し、撹拌時間を6時間とした以外は比較例6と同様の方法で反応および分析を行なった。分析結果を表4に示した。
過酸化物溶液を、過酸化水素水溶液からt−ブチルヒドロペルオキシド水溶液またはメタクロロ過安息香酸−テトラヒドロフラン溶液に変更し、撹拌時間を6時間とした以外は比較例6と同様の方法で反応および分析を行なった。分析結果を表4に示した。
表4において、過酸化物使用量(当量)は、過酸化物/スルフィド化合物のモル比を示し、反応方法は、M:マイクロリアクター、B:バッチ法を示す。また、単離収率(重量%)は、1a:スルフィド化合物、2b:スルホキシド化合物、3c:スルホン化合物を示す(全量100重量%)。
触媒を実質的に使用することなく、かつ副生物の生成も実質的に伴わないで、スルホキシド化合物を効率的に製造することができる。
1、2 送液ポンプ
3 スルフィド化合物
4 過酸化物溶液
5 マイクロミキサー
6 マイクロリアクター
9a、9b 供給管
3 スルフィド化合物
4 過酸化物溶液
5 マイクロミキサー
6 マイクロリアクター
9a、9b 供給管
Claims (7)
- 一般式(1)
R1−S−R2(1)
(式中、R1およびR2は、同一または異なって、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基または置換基を有してもよいアルケニル基を表す)で示されるスルフィド化合物より、過酸化物の存在下でスルホキシド化合物を製造する方法であって、過酸化物溶液および溶媒に溶解したスルフィド化合物溶液を、それぞれの供給路を通して反応流路内に供給し、該反応流路内で該スルフィド化合物よりスルホキシド化合物を生成させることを特徴とするスルホキシド化合物の製造方法。 - スルホキシド化合物の生成速度を、反応流路の温度、反応流路を流通する溶液の流速、反応流路長のいずれかまたはこれらの組み合わせにより制御することを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 前記反応流路が、マイクロリアクターにより形成されることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
- 前記マイクロリアクターは、反応流路の等価直径が1mm以下であるマイクロリアクターであることを特徴とする請求項3記載の製造方法。
- 前記過酸化物溶液が過酸化水素水溶液であって、スルフィド化合物に対して、16〜24モル倍の過酸化水素を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記過酸化物溶液が、ヒドロペルオキシド溶液またはペルオキシ酸溶液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- スルフィド化合物の溶媒が、アセトニトリル、テトラヒドロフランおよびトルエンからなる群より選ばれた少なくとも1種の溶媒であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
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