JP2008213785A - サスペンション制御装置、サスペンションシステムおよびサスペンション機構の制御方法 - Google Patents

サスペンション制御装置、サスペンションシステムおよびサスペンション機構の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】サスペンション機構のシリンダに対する作動液の流出入のしやすさを変化させるばね定数を切り替える切替弁を寿命作動回数まで使い切るようにして、切替弁の使用による車両性能を十分に発揮させる。
【解決手段】各種センサ102〜112は、車両の運転状態に関する物理量を検出する。ばね定数切替判定部120は、検出された物理量と予め定められたしきい値とを比較してばね定数を切り替えるか否かを判定する。作動頻度推定部140は、予め定められたタイミングで車両の耐用限界時における切替弁の推定作動頻度を計算する。寿命余裕判定部152は、推定作動頻度と予め設定されている前記切替弁の寿命作動頻度とを比較する。しきい値更新部154は、寿命余裕判定部152における比較の結果に応じて、車両の耐用限界時に切替弁の作動頻度が寿命作動頻度を超えない範囲でしきい値を変更する。
【選択図】図2

Description

本発明は、特性を切り替える仕組みを備えたサスペンション機構の制御技術に関する。
従来から、車両の運転状態量を基準値と比較して、基準値を超える場合にサスペンションの特性を変更する車両用サスペンション制御装置が知られている。例えば、特許文献1には、運転状態量が基準レベルを越えたときにサスペンション特性をハード側に切り替えるサスペンション制御装置において、特性がハード側に切り替えられた回数を計測し、その回数が所定範囲内になければ基準レベルを補正するものが開示されている。
特開昭61−287808号公報
一般に、車両には耐用走行距離や耐用走行時間が想定されている。サスペンション機構の構成部品は、車両が耐用走行距離または時間まで走行したときでも損傷しないような作動頻度となるように設計されているが、ドライバーの運転の仕方や走行する路面の状況などによって、現実の作動頻度は設計時の想定通りとはならずばらついてしまう。そのため、車両が耐用走行距離まで走行したときでも、構成部品の耐久性能を遙かに下回る頻度でしか使用されないことも多い。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、サスペンション機構のばね定数を切り替える切替弁を寿命作動回数まで使い切るようにして、切替弁の使用による車両性能を十分に発揮させる技術を提供することにある。
本発明のある態様は、サスペンション制御装置である。この装置は、サスペンション機構のばね定数を切り替える切替弁を制御する装置であって、車両の運転状態に関する物理量を検出する検出部と、検出された物理量と予め定められたしきい値とを比較してばね定数を切り替えるか否かを判定する切替判定部と、予め定められたタイミングで車両の耐用限界時における前記切替弁の推定作動頻度を計算する作動頻度推定部と、推定作動頻度と予め設定されている前記切替弁の寿命作動頻度とを比較する寿命余裕判定部と、前記寿命余裕判定部における比較の結果に応じて、車両の耐用限界時に前記切替弁の作動頻度が寿命作動頻度を超えない範囲で前記切替判定部のしきい値を変更するしきい値更新部と、を備える。前記作動頻度推定部は、しきい値変更後の推定作動頻度を計算する。
この態様によると、切替弁の推定作動頻度と寿命作動頻度との比較結果に応じて、車両の耐用限界時に切替弁の作動頻度が寿命作動頻度を超えない範囲で切替判定部のしきい値を変更して、切替弁の作動頻度を増減させる。したがって、切替弁の使用による車両の運動性能の向上を可能な限り引き出すことができる。
なお、「車両の耐用限界時」とは、車両の耐用走行距離または耐用走行時間に達した時点を指す。また、「作動頻度」には、切替弁の作動回数と作動時間が含まれる。
前記寿命余裕判定部は、前記切替弁の推定作動頻度が寿命作動頻度に対して余裕のある値か否かを判定し、前記しきい値更新部は、推定作動頻度が余裕のある値であった場合にのみ、前記切替判定部のしきい値を変更して前記切替弁の作動回数を増加させてもよい。これによると、切替弁の推定作動頻度が寿命作動頻度に対して一定の余裕があるか、例えばその差分が所定のしきい値以上あるか否かを判定する。これによって、推定作動頻度が寿命作動頻度に対してマージンがある場合にのみ切替判定部のしきい値が変更されることになるため、寿命を安全側に見ることができる。
前記検出部と前記切替判定部を複数組備えており、前記切替判定部の少なくとも一部は、前記検出部により検出された物理量がしきい値を越える場合、他の切替判定部によって決定されたばね定数の切替を禁止するように構成されていてもよい。これによると、一つの切替判定部によって切替弁を作動させると判定された場合でも、他の切替判定部によってそれを禁止できるため、車両の様々な運動状態を考慮してばね定数の切替を判定することができる。
本発明の別の態様は、サスペンションシステムである。このサスペンションシステムは、懸架シリンダを備えるショックアブソーバと、前記懸架シリンダとそれぞれ連通し、該懸架シリンダに対する作動液の流出入のしやすさを変化させるための高圧アキュムレータおよび低圧アキュムレータと、前記懸架シリンダと前記低圧アキュムレータとを連通する通路に配設される切替弁と、車両の運転状態に関する物理量を検出する検出部と、検出された物理量と予め定められたしきい値とを比較してばね定数を切り替えるか否かを判定する切替判定部と、予め定められたタイミングで車両の耐用限界時における前記切替弁の推定作動頻度を計算する作動頻度推定部と、推定作動頻度と予め設定されている前記切替弁の寿命作動頻度とを比較する寿命余裕判定部と、前記寿命余裕判定部における比較の結果に応じて、車両の耐用限界時に前記切替弁の作動頻度が寿命作動頻度を超えない範囲で前記切替判定部のしきい値を変更するしきい値更新部と、を備える。作動頻度推定部は、しきい値変更後の推定作動頻度を計算する。
本発明のさらに別の態様は、車両の運転状態に関する物理量と予め定められたしきい値とを比較して、サスペンション機構のばね定数を切り替える切替弁を作動させるか否かを判定するサスペンション機構の制御方法である。この方法は、予め定められたタイミングで車両の耐用限界時における前記切替弁の推定作動頻度を計算し、推定作動頻度と予め設定されている前記切替弁の寿命作動頻度とを比較し、比較の結果に応じて、車両の耐用限界時に前記切替弁の作動頻度が寿命作動頻度を超えない範囲で前記しきい値を変更することを含む。
本発明によれば、サスペンション機構のばね定数を切り替える切替弁を寿命作動回数まで使い切るようにして、切替弁の使用による車両性能を十分に発揮させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るサスペンションシステムの構成を示す。サスペンションシステムは、車両の左前輪、右前輪、左後輪、右後輪に対応するサスペンション機構80FL、80FR、80RL、80RRと、センタシリンダ48とから構成される。サスペンション機構80FL、80FR、80RL、80RRはそれぞれ同様の構造をしており同様の機能を有するので、図1ではサスペンション機構80FLのみ構成を詳細に示し、その他のサスペンション機構80FR、80RL、80RRについては図示を省略している。以下の説明では、特に断りのない限り、サスペンション機構80FLについて説明する。
サスペンション機構80FLでは、車輪4を保持する車輪保持装置6と車体8との間に懸架シリンダ10とサスペンションスプリング(図示せず)が設けられている。懸架シリンダ10は、作動液によって作動する流体シリンダである。
懸架シリンダ10は、ハウジング11と、ハウジング11の内部を相対移動可能に嵌合されたピストン12と、ピストンロッド14とを含む。ピストンロッド14は車輪保持装置6と、ハウジング11は車体8と、それぞれ上下方向に相対移動ができないように連結される。ピストン12には連通路20が設けられ、この連通路20によって、ピストン12によって仕切られた二つの液室16、18が連通している。連通路20には絞り21が設けられている。絞り21によって、ピストン12のハウジング11に対する相対移動速度、すなわち絞りを通過する作動液の流速に応じた減衰力が発生するので、懸架シリンダ10はショックアブソーバとして機能する。
懸架シリンダ10の液室16には、個別通路22が接続される。個別通路22には、アキュムレータ24と26が並列に接続される。懸架シリンダ10とアキュムレータ26とを繋ぐ通路には、ばね定数切替弁28が配設される。一例として、ばね定数切替弁28は、ソレノイドによって弁座に対して弁子を着座、離座させる常開型の電磁開閉弁である。
アキュムレータ24、26は、いずれもばねとしての機能を有する。例えば、アキュムレータ24、26は、ハウジングとそのハウジングの内側を仕切る仕切部材とを含む。仕切部材の一方の側に画成される容積変化室には個別通路22が連通しており、他方の側に画成される容積変化室には弾性体が設けられている。この構成において、一方の容積変化室の容積が増加すると、他方の容積変化室の容積が減少し、これによって弾性力が発生する。アキュムレータ24、26の構造は上記のものに限られず、ベローズ式、ブラダ式、ピストン式などの周知の他の構造を採用することができる。
本実施形態では、アキュムレータ24のばね定数がアキュムレータ26のばね定数よりも大きく設定されている。そのため、以下の説明では、アキュムレータ24を高圧アキュムレータと、アキュムレータ26を低圧アキュムレータと呼ぶことにする。
個別通路22には可変絞り30も設けられる。車輪保持装置6が車体8に対して相対的に上下動すると、液室16に作動液が流入したり流出したりするが、このときに可変絞り30によって個別通路22の流路面積を制御することで、懸架シリンダ10で発生する減衰力を制御することができる。
各車輪の懸架シリンダ10は、個別通路22を介してセンタシリンダ48に接続される。センタシリンダ48は、三つのピストンが連結されてなるピストン組立体50と、このピストン組立体50を液密かつ摺動可能に収容するシリンダハウジング57とを含む。ピストン組立体50は、図1の右側から順に第1ピストン51、第2ピストン52、第3ピストン53を有する。第1ピストン51と第2ピストン52は連結ロッド56によって、第2ピストン52と第3ピストン53は連結ロッド58によって、それぞれ直列に連結されている。
シリンダハウジング57は、大径部と小径部とを備えた段付き状のシリンダボアを備える。シリンダボアの大径部に第2ピストン52が嵌合され、小径部に第1ピストン51と第3ピストン53とがそれぞれ嵌合される。第1ピストン51と第3ピストン53の直径は等しくされている。この結果、シリンダハウジング57には、第1ピストン51の受圧面65とシリンダボアの右端部とで画成される第1液室61、第1ピストン51の受圧面66と第2ピストン52の受圧面67とで画成される第2液室62、第2ピストン52の受圧面68と第3ピストン53の受圧面69とで画成される第3液室63、および第3ピストン53の受圧面70とシリンダボアの左端部とで画成される第4液室64の、四つの液室が形成される。第1液室61には、右前輪のサスペンション機構80FRの懸架シリンダ10が連通する。第2液室62には、左後輪のサスペンション機構80RLの懸架シリンダ10が連通する。第3液室63には、右後輪のサスペンション機構80RRの懸架シリンダ10が連通する。第4液室64には、左前輪のサスペンション機構80FLの懸架シリンダ10が連通する。
第1ピストン51の受圧面65は、右前輪の懸架シリンダ10から液圧を受け、また第3ピストン53の受圧面70は、左前輪の懸架シリンダ10から液圧を受ける。第1ピストン51と第3ピストン53の直径は等しいので、受圧面65と受圧面70の受圧面積は等しい。
第1ピストン51の受圧面66と第2ピストン52の受圧面67は、左後輪の懸架シリンダ10からの液圧を受ける。第2液室62に作用する液圧が第1ピストン51に加える力は、直径の大きい第2ピストン52の受圧面67のうち第1ピストン51の受圧面66と等しい受圧面積に加わる力によって相殺される。したがって、第2液室62の液圧に対する有効受圧面積は、第2ピストン52の受圧面67の受圧面積から第1ピストン51の受圧面66の受圧面積を差し引いた大きさとなる。
第2ピストン52の受圧面68と第3ピストン53の受圧面69は、右後輪の懸架シリンダ10からの液圧を受ける。同様の理由により、第3液室63の液圧に対する有効受圧面積は、第2ピストン52の受圧面68の受圧面積から第3ピストン53の受圧面69の受圧面積を差し引いた大きさとなる。
ところで、第1ピストン51の直径と第3ピストン53の直径は等しいから、結局第2液室62と第3液室63の有効受圧面積は等しくなる。本実施形態では、第2液室62および第3液室63の有効受圧面積が、第1液室61および第4液室64の受圧面積と等しくなるように、第2ピストン52の直径が決定されている。
続いて、上述のように構成されたサスペンションシステムの動作について説明する。
センタシリンダ48のピストン組立体50には、各車輪の懸架シリンダ10の液圧に応じた力、すなわち液圧と有効受圧面積との積で表される圧力が作用する。第2ピストン52の直径を上記のようにすることで、車体が平衡位置にある状態、すなわち各車輪の懸架シリンダ10からの液圧が互いに等しい場合には、ピストン組立体50の各シリンダに作用する圧力が釣り合っている。
車体にピッチングが生じたとき、例えば車両の前輪側で車輪保持装置6と車体8との間の距離が増加し、後輪側で減少した場合には、左右前輪の懸架シリンダ10の液圧が低下し、左右後輪の懸架シリンダ10の液圧が上昇する。そのため、第1ピストン51の受圧面65と第3ピストン53の受圧面70に作用する液圧が小さくなり、第2ピストン52の受圧面67、68に作用する液圧が大きくなる。この状況では、ピストン組立体50に作用する力の釣り合い状態は変わらないため、ピストン組立体50はシリンダ内を移動しない。したがって、各車輪の懸架シリンダ10は、それぞれ独立しているのと等しい状態となる。そのため、ピストン12の移動に伴って懸架シリンダ10はそれぞれ大きな減衰力を発生し、その結果車両のピッチングが効果的に抑制される。
車体にローリングが生じたとき、例えば車両の左輪側で車輪保持装置6と車体8との間の距離が増加し、右輪側で減少した場合には、左前輪と左後輪の懸架シリンダ10の液圧が低下し、右前輪と右後輪の懸架シリンダ10の液圧が上昇する。そのため、第3ピストン53の受圧面70と第2ピストン52の受圧面67に作用する液圧が小さくなり、第1ピストン51の受圧面65と第2ピストン52の受圧面68に作用する液圧が大きくなる。ローリング時にも、ピストン組立体50に作用する力の釣り合い状態が変わらない場合には、上述と同様に各車輪の懸架シリンダ10はそれぞれ独立しているのと等しい状態になる。そのため、ピストン12の移動に伴って懸架シリンダ10はそれぞれ大きな減衰力を発生し、その結果車両のローリングが効果的に抑制される。
しかしながら、前後左右の車輪の一つに路面から入力が加わった場合、例えば、左前輪の懸架シリンダ10のみに車輪保持装置6と車体8との間の距離を小さくする力が加わった場合には、左前輪の懸架シリンダ10の液圧が相対的に高くなる。したがって、第3ピストン53の受圧面70に作用する液圧が相対的に高くなるため、ピストン組立体50の力の釣り合いが崩れ、ピストン組立体50はシリンダ内を図1の右方に移動する。その結果、第4液室64と第3液室63の容積が増加し、第2液室62と第1液室61の容積が減少する。すると、それぞれの個別通路22を介して第2液室62からは左後輪の懸架シリンダ10に、第1液室61からは右前輪の懸架シリンダ10に、作動液が流出する。つまり、左前輪の懸架シリンダ10から流出した作動液が、センタシリンダ48を介して左後輪と右前輪の懸架シリンダ10へと流れ込むような形となる。
本実施形態のサスペンションシステムは、電子制御装置(以下、「ECU」と称する)100によって制御される。ECU100の切替弁制御部116は、所定の車両状態を検出するとばね定数切替弁28を制御し、サスペンション機構80のばね定数を切り替える。ばね定数切替弁28が開状態であるときは、懸架シリンダ10の液室16と高圧アキュムレータ24および低圧アキュムレータ26とが連通し、ばね定数が小さい状態になる。ばね定数切替弁28が作動して閉状態とされると、懸架シリンダ10の液室16と低圧アキュムレータ26が遮断され、液室16は高圧アキュムレータ24とのみ連通した状態となるため、ばね定数が大きい状態になる。ばね定数が小さい方が、懸架シリンダ10における作動液の流入および流出が行われ易い。ECU100のばね定数切替判定部120は、車両の旋回時、制動時、または駆動時において所定の条件を満足する場合には、車両のローリング、ノーズダイブまたはバウンシングを抑制するためにばね定数切替弁28を作動させてサスペンション機構80のばね定数を大きい状態にし、それ以外ではサスペンション機構80のばね定数を小さい状態に設定する。なお、ECU100の詳細な構成および動作については、図2以降で後述する。
図2は、サスペンションECU100の構成と、ECUに接続される各種センサを示す機能ブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUやメモリを初めとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックとして描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
車速センサ102は、車両の速度を検出する。舵角センサ104は、図示しないステアリングホイールの舵角を検出する。ブレーキ液圧センサ108は、図示しないブレーキシステムにおけるブレーキ液圧を検出する。スロットル開度センサ110は、図示しないエンジンのスロットル開度を検出する。上下加速度センサ112は、車体に生じる上下加速度を検出する。これらセンサの検出値は、サスペンションECU100に供給される。これらセンサは周知のものであるから、詳細な構造の説明は省略する。
サスペンションECU100は、上述したばね定数切替判定部120と切替弁制御部116の他に、作動頻度改善部160を含む。
ばね定数切替判定部120は、それぞれ異なる条件に基づいてばね定数切替弁28を開閉してばね定数の大小を切り替えるか否かの判定を行う四つの判定部を有する。
旋回判定部122は、車速センサ102から車速を、舵角センサ104から舵角を受け取る。そして、所定の車速が出ているときに舵角の回転速度と所定のしきい値とを比較し、しきい値を越えている場合、ばね定数切替弁28を作動させてばね定数を増加させるべきと判定する。
制動判定部124は、車速センサ102から車速を、ブレーキ液圧センサ108からブレーキ液圧を受け取る。そして、所定の車速が出ているときにブレーキ液圧と所定のしきい値とを比較し、しきい値を越えている場合、ばね定数切替弁28を作動させてばね定数を増加させるべきと判定する。
駆動判定部126は、車速センサ102から車速を、スロットル開度センサ110からスロットル開度を受け取り、エンジントルクを推定する。そして、エンジントルクと所定のしきい値とを比較し、しきい値を越えている場合に、ばね定数切替弁28を作動させてばね定数を増加させるべきと判定する。
禁止判定部128は、車速センサ102から車速を、上下加速度センサ112から上下加速度を受け取る。そして、所定の車速が出ているときに上下加速度と所定のしきい値とを比較し、しきい値を越えている場合に、ばね定数切替弁28の作動を禁止する。禁止判定部128は、旋回判定部122、制動判定部124、および駆動判定部126がばね定数切替弁28を作動させようとしたときに、その制御を禁止する役割を持つ。
判定部122〜126による判定結果に基づいて、切替弁制御部116はばね定数切替弁28の開閉を制御する。ばね定数切替弁28は常開弁であるから、ばね定数切替弁28は通電時に閉弁し、非通電時に開弁する。
続いて、作動頻度改善部160の構成を説明する。
作動回数記録部130は、ばね定数切替判定部120によってばね定数切替弁28が作動された回数を記録する。具体的には、旋回判定部122によってばね定数切替弁28の作動が判定された回数をN、制動判定部124によって作動が判定された回数をN、駆動判定部126によって作動が判定された回数をN、および禁止判定部128によって作動が禁止された回数をNとすると、作動回数記録部130で記録されるばね定数切替弁28の作動回数Nallは、Nall=(N+N+N−N)となる。
作動時間記録部132は、ばね定数切替判定部120によってばね定数切替弁28が作動されていた時間を記録する。具体的には、旋回判定部122によってばね定数切替弁28が作動されていた時間をT、制動判定部124によって作動されていた時間をT、駆動判定部126によって作動されていた時間をT、および禁止判定部128によって作動が禁止されていた時間をTとすると、作動回数記録部130で記録されるばね定数切替弁28の作動回数Tallは、Tall=(T+T+T−T)となる。
走行距離・走行時間カウンタ134は、車両が製造されてから現時点までの累計走行距離と累計走行時間をカウントする。
作動頻度推定部140は、ばね定数切替判定部120内の各判定部122〜128のしきい値を変更したときの、ばね定数切替弁28の作動頻度を推定する。以下、具体的に説明する。各判定部122〜128のしきい値をSijと表す。ここで、iは判定部122〜128にそれぞれ対応して1〜4の値を取る。つまり、旋回判定部122のしきい値はS1j、制動判定部124のしきい値をS2j、駆動判定部126のしきい値をS3j、禁止判定部128のS4jと表す。また、jは、相異なるしきい値を表し、複数の具体的なしきい値が予め設定されているものとする。また、判定部122〜128について、しきい値を変更したときの作動回数の推定値をNp(i=1〜4)と、作動時間の推定値をTp(i=1〜4)と表すことにする。
ある時点からの走行距離または走行時間をwと表すと、推定値Np、Tpは、次式のようにSijとwを変数とする関数f、gで表すことができる。
Np=f(Sij,w) (1)
Tp=g(Sij,w) (2)
作動頻度推定部140は、判定部122〜128に対応する推定関数fおよびg142〜148を予め記憶している。そのため、車両の耐用走行距離または耐用走行時間から、走行距離・走行時間カウンタ134で得られる累計走行距離または累計走行時間を減じてwを求め、また予め準備されているしきい値Sijを各判定部122〜128についてそれぞれ選択することで、ばね定数切替弁28の推定作動回数Npallおよび推定作動時間Tpallを次式によって求めることができる。
Npall=(Np+Np+Np−Np) (3)
Tpall=(Tp+Tp+Tp−Tp) (4)
図3は、作動回数の推定方法の一例を示すグラフである。あるセンサ検出値、例えば舵角速度のしきい値S1iについて、S11〜S13に設定したときの推定作動回数を走行時間に対する関数としてグラフのように求めておく。この関数は、シミュレーションや耐久試験の結果などから求めることができる。予め定められている耐用走行距離Vmaxから所定の検証タイミングでの累計走行距離Vを減じたw=(Vmax−V)を上述の関数に当てはめることで、各しきい値S11〜S13に対する推定作動回数Npを求めることができる。
図4は、作動回数の推定方法の別の例を示すテーブル200である。簡易的な方法として、しきい値を変更したときの推定作動回数をテーブルとして有していてもよい。例えば、舵角速度のしきい値S1i(欄204を参照)をS11〜S13(欄206を参照)に設定したときの推定作動回数を、所定の走行距離に対して定めておく。この推定作動回数は、シミュレーションや耐久試験の結果などから求めることができる。そして、所定の検証タイミングから耐用走行距離までの残りの走行距離202に対応する欄208を検索することで、各しきい値S11〜S13に対する推定作動回数Npを求めることができる。
なお、図3および図4では作動回数について説明したが、作動頻度についても同様のことが言える。
図2に戻り、将来作動頻度予測部150は、作動頻度推定部140から推定作動回数Npallおよび推定作動時間Tpallを受け取り、現在までの累計作動回数Nallおよび累計作動時間Tallに加算して、耐用走行距離または耐用走行時間に達したときの将来作動回数Nfおよび将来作動時間Tfを求める。これを数式で表すと、次式のようになる。
Nf=Nall+Npall (5)
Tf=Tall+Tpall (6)
寿命余裕判定部152は、将来作動回数Nfおよび将来作動時間Tfが、ばね定数切替弁28の寿命作動回数Nlおよび寿命作動時間Tl以下となるかを判定する。これを数式で表すと、次式のようになる。
Nl≧Nf (7)
Tl≧Tf (8)
さらに、寿命余裕判定部152は、将来作動回数Nfおよび将来作動時間Tfが、寿命作動回数Nlおよび寿命作動時間Tlに対してそれぞれある程度の余裕があるか否かを判定する。この判定は、例え将来作動回数Nfおよび将来作動時間Tfがそれぞれの寿命を下回っていたとしても、余裕分がない場合には、しきい値を無理に変更して作動頻度を増やすよりも安全側に見ておく方が好ましいからである。余裕分は、寿命作動回数および寿命作動頻度に対する将来作動回数および将来作動時間の差分が所定のしきい値を上回るか否かで判断する。このしきい値をそれぞれNh、Thで表すと、寿命余裕判定部152は、次式が成立するか否かを判定する。
Nl−Nf≧Nh (9)
Tl−Tf≧Th (10)
しきい値更新部154は、寿命余裕判定部152で寿命に余裕があると判定された場合、または寿命を越えてしまうと判定されたときに、各判定部122〜128のしきい値を変更したときの作動回数および作動時間の推定値を作動頻度推定部140から受け取り、しきい値変更後の将来作動回数および将来作動時間がそれぞれ寿命作動回数および寿命作動時間に対して余裕のあるものとなったか否かを確認する。しきい値更新部154は、将来作動回数および将来作動時間が寿命に対して余裕があるものとなるまで、各判定部122〜128におけるしきい値Sijを組み替えて、検証を繰り返す。
しきい値を変更する際に、各判定部122〜128のしきい値を所定の順番で変更していったり、網羅的にしきい値を変更したりして寿命を確認してもよいが、各判定部122〜128における検証タイミングまでの作動回数の比率に応じてしきい値を変更するようにしてもよい。一例として、旋回判定部122、制動判定部124、駆動判定部126によってばね定数切替弁28を作動させると判定された回数が、それぞれ累計作動回数の5割、3割、2割を占めるような場合を想定する。この場合、旋回判定部122のしきい値を変更すると、将来作動回数および将来作動時間の増減に及ぼす影響が大きい。したがって、旋回判定部122のしきい値S1jの変更幅を大きく、その他のしきい値S2j、S3jのしきい値の変更幅を小さくなるように変更する。こうすることによって、寿命に対して余裕のあるしきい値の選択をより迅速にできる可能性がある。あるいは、各判定部122〜128における検証タイミングまでの作動回数の多い順にしきい値を変更するようにしてもよい。
しきい値更新部154は、各判定部122〜128のしきい値を変更したときに寿命に対して余裕があることが確認されると、判定部122〜128にその時点で設定されているしきい値を変更後のしきい値で更新する。これにより、以降は各判定部122〜128は変更後のしきい値でばね定数切替弁28を作動させるか否かを判定することになる。
図5は、サスペンションECU100のばね定数切替判定部120による制御を説明するフローチャートである。
ばね定数切替判定部120の旋回判定部122は、舵角センサの出力に基づいて車両が旋回中か否かを判定する(S10)。旋回中でなければ(S10のN)、制動判定部124は、ブレーキ液圧センサの出力に基づいて車両が制動中か否かを判定する(S12)。制動中でなければ(S12のN)、駆動判定部126はスロットル開度センサの出力に基づいて車両が駆動中か否かを判定する(S14)。S10〜S14においていずれかの条件が満たされると(S10のY、S12のY、S14のY)、禁止判定部128は、上下加速度センサからの出力に基づいて、ばね定数を大きくする制御を禁止するか否かを判定する(S16)。
S10〜S14においていずれの条件も満たされない場合(S14のN)、またはS16において制御が禁止される場合(S16のY)、切替弁制御部116はばね定数切替弁28が作動しているか、すなわち弁が閉状態にあるかを判定する(S18)。弁が閉状態にあれば(S18のY)、切替弁制御部116はばね定数切替弁28への通電をやめて弁を開状態にする(S20)。弁が開状態にあれば(S18のN)、このフローを終了する。これによって、サスペンション機構80のばね定数は小さくなる。
S16において制御が禁止されない場合(S16のN)、切替弁制御部116はばね定数切替弁28に通電して弁を作動させ閉状態にする(S22)。これによって、サスペンション機構80のばね定数が大きくなる。
次に、本実施形態の目的について説明する。
一般に、ばね定数切替弁を初めとする自動車の構成部品の耐久回数は、非常に過酷な条件下で耐久性試験を繰り返して決定している。しかしながら、自動車はユーザによって全く乗り方が異なるものである。そのため、車両が耐用走行距離まで走行した時点でも、寿命作動回数よりも遙かに低い回数しかばね定数切替弁が使用されないこともある。このように、ばね定数切替弁の使用頻度が寿命に対して大きく余裕がある場合には、ばね定数切替弁を作動させるために設定しているしきい値を下げることによって、ばね定数切替弁の作動回数を増やしても問題ないことになる。逆に、ばね定数切替弁の作動回数が予め想定していた使用頻度よりも多い場合もあり得る。このような場合には、ばね定数切替弁のしきい値を上げることによって、今後の作動回数を低減させることが好ましい。
本実施形態では、所定の検証タイミングにおいて、ばね定数切替弁の推定作動回数および推定作動時間と、寿命作動回数および寿命作動時間とを比較することによって、ばね定数切替弁の作動判定に用いるしきい値を変更するか否かを判断する。そして、しきい値を変更すべきと判断した場合には、その値が寿命作動回数および寿命作動時間を上回らないように、しきい値を更新するようにした。
図6を参照して本発明の上述の目的を説明する。図6において、横軸は車両の走行距離を表し、縦軸はばね定数切替弁の作動回数を表す。図6中の線Dは、車両が耐用走行距離を走行した時点でばね定数切替弁の寿命作動回数に達する線である。したがって、所定の検証タイミングにおいて、作動回数が線Dを下回っていれば、将来にわたってばね定数切替弁の寿命に余裕があり、作動回数が線Dを上回っていれば、耐用走行距離に達する前にばね定数切替弁に故障が生じるおそれがあることになる。
検証タイミングAにおいて、例えば図中の線Bのように線Dを下回るような使用の仕方であれば、寿命作動回数に対してかなりの余裕があることになる。そこで、ばね定数切替弁を作動させるためのしきい値を低下させて、線B’で示すようにばね定数切替弁の作動回数を増加させても、耐用走行距離到達時点においても寿命作動回数には達しないことになる。しきい値更新部154は、しきい値を実際に変更したときのばね定数切替弁の推定作動回数を求め、寿命作動回数に到達しないことを確認する。
反対に、図中の線Cのように、検証タイミングAにおいて線Dを上回るような使用の仕方であれば、耐用走行距離に達するよりも早く寿命を迎えてしまうことになる。そこで、ばね定数切替弁を作動させるためのしきい値を現状よりも大きくして、線C’で示すようにばね定数切替弁の作動回数を低下させて、耐用走行距離になっても寿命作動回数に達しないようにする必要がある。しきい値更新部154は、しきい値を実際に変更したときのばね定数切替弁の推定作動回数を求め、寿命作動回数に到達しないことを確認する。
なお、簡単のために、図6の説明では一つのしきい値のみについて説明したが、上述したように、実際にはしきい値は各判定部122〜128に対して一つずつ設定されているので、合計四つのしきい値を変更したときの作動回数の推定値を求めなければならないことに注意する。
また、図6では作動回数について説明したが、作動時間についても上述と同様の考え方が成り立つことは明らかである。
図7は、本実施形態に係るばね定数切替弁のしきい値更新処理を説明するフローチャートである。このフローチャートは、サスペンションECU100の作動時に一定頻度で実施される。
まず、将来作動頻度予測部150は、走行距離・走行時間カウンタ134から累計走行距離または累計走行時間を受け取り、予め定めた検証タイミングが到来したか否かを判定する(S30)。検証タイミングに達していなければ(S30のN)、このフローを終了する。検証タイミングに達していれば(S30のY)、将来作動頻度予測部150は、作動回数記録部130からばね定数切替弁28の累計作動回数を、作動時間記録部132からばね定数切替弁28の累計作動時間をそれぞれ取得する(S32)。続いて、作動頻度推定部140は、その時点で各判定部122〜128に設定されているしきい値を用いて、耐用走行距離に達したときのばね定数切替弁28の推定作動回数および推定作動時間を求める(S34)。そして、寿命余裕判定部152は、現時点での累計作動回数と推定作動回数の和(将来作動回数という)が寿命作動回数以下であるか、および累計作動時間と推定作動時間の和(将来作動時間という)が寿命作動時間以下であるかを判定する(S36)。
寿命以下であれば(S36のY)、寿命余裕判定部152はさらに、上記将来作動回数と将来作動時間が、寿命まで予め定められた余裕を有しているか否かを判定する(S38)。余裕がなければ(S38のN)、各判定部122〜128のしきい値を変更しないで(S40)、このフローを終了する。
寿命まで余裕があれば(S38のY)、作動頻度推定部140は、各判定部122〜128のしきい値を緩和方向、すなわちばね定数切替弁28の作動回数が増える方向に変更して、そのときの作動回数および作動時間を推定する(S42)。しきい値更新部154は、しきい値変更後の推定作動回数および推定作動時間を作動頻度推定部140から受け取り、現時点の累計作動回数および累計作動時間と加算して、寿命まで余裕があるか否かを判定する(S44)。余裕がなければ(S44のN)、作動頻度推定部140は、しきい値を他の値に設定して推定作動回数および推定作動時間を求め直す。余裕があれば(S44のY)、しきい値更新部154は、推定に用いたしきい値を、ばね定数切替判定部内の各判定部122〜128それぞれのしきい値として設定する(S46)。
S36において、将来作動回数または将来作動時間のいずれかが寿命を上回っている場合は(S36のN)、しきい値を変更してばね定数切替弁28の作動回数を低減する必要がある。そこで、作動頻度推定部140は、しきい値を強化方向、すなわちばね定数切替弁28の作動回数が減る方向に変更して、そのときの推定作動回数および推定作動時間を求める(S48)。しきい値更新部154は、しきい値変更後の推定作動回数および推定作動時間を作動頻度推定部140から受け取り、現時点の累計作動回数および累計作動時間と加算して、寿命まで余裕があるか否かを判定する(S50)。余裕がなければ(S50のN)、作動頻度推定部140は、しきい値を他の値に設定して推定作動回数および推定作動時間を求め直す。余裕があれば(S50のY)、しきい値更新部154は、推定に用いたしきい値を、ばね定数切替判定部内の各判定部122〜128それぞれのしきい値として設定する(S52)。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ばね定数切替弁の推定作動頻度と寿命作動頻度との比較結果に応じて、車両の耐用限界時に切替弁の作動頻度が寿命作動頻度を超えない範囲でしきい値を変更して、ばね定数切替弁の作動頻度を増減させるようにした。したがって、ばね定数切替弁の使用による車両の運動性能の向上を可能な限り引き出すことができる。また、予め設定された検証タイミングで推定作動頻度と寿命作動頻度の比較をするようにしたので、ユーザが自発的にしきい値を変更しようとしなくても自動的に調整をすることができる。
上述の検証タイミングを所定の間隔、例えば1万km走行毎に判断するようにしてもよい。こうすれば、最初の区間ではばね定数切替弁の作動頻度が低かったためしきい値を緩和方向に変更したが、その後の区間では作動頻度が増加したためにそのままでは寿命作動回数を上回ってしまうような場合にも対応することができる。言い換えると、車両の走行状況の変化に柔軟に対応して、ばね定数切替弁のしきい値を調整することが可能となる。
また、本実施形態では、しきい値変更後の将来作動頻度を含めて余裕度を判定し、余裕があった場合にのみしきい値を変更するようにしている。したがって、検証タイミングが到来するたびにしきい値が頻繁に切り替わって、サスペンションがハード側に入りやすくなったり入りにくくなったりして運転者に違和感を与えるようなことがない。
以上、本発明をいくつかの実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態はあくまで例示であり、実施の形態どうしの任意の組合せ、実施の形態の各構成要素や各処理プロセスの任意の組合せなどの変形例もまた、本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能である。各図に示す構成は、一例を説明するためのもので、同様な機能を達成できる構成であれば、適宜変更可能である。
実施の形態では、ステアリングの回転速度に基づいて車両の急旋回を判定することを述べたが、横加速度センサの値に基づいて旋回を判定してもよいし、あるいはその両方に基づいて旋回を判定してもよい。後者の場合、しきい値はそれぞれについて設定されており、両方のしきい値を越えたときに急旋回と判定するようにする。この場合、作動回数を推定するための関数は、二つのしきい値を変数としたものを準備しておく必要がある。
実施の形態では、主に車両の走行距離に基づいて将来の作動頻度を推定することを述べたが、車両の走行時間に基づいて将来の作動頻度を推定してもよい。
実施の形態に挙げたセンサ以外にも、前後加速度センサやヨーレートセンサを用いて車両の運動状態を取得し、それに基づいてばね定数切替弁28を作動させるか否かを判定してもよい。また、車高センサの結果を用いてばね定数切替弁28の作動を禁止するか否かを判定してもよい。例えば、車高が所定値より高い場合には、ばね定数切替弁28の作動を禁止するなどが考えられる。
実施の形態では、しきい値の変更対象として予め複数の値が設定されている場合について説明したが、しきい値を無段階に変更できるような構成としてもよい。
実施の形態では、ばね定数切替判定部120の各判定部122〜128において、所定の車速を越えたときに、対応するセンサの出力値としきい値とを比較してばね定数切替弁28を作動させるか否かを判定することを述べた。しかしながら、しきい値が車速毎に段階的に切り替わるようにしてもよい。一例として、車速が30km/h、50km/h、80km/hのときでは、しきい値がそれぞれ異なることが好ましい。
また、各判定部122〜128のしきい値を変更する際に、車速についても変更の対象としてもよい。例えば、従前は車速50km/hのときにしきい値Eを上回るとばね定数切替弁28を作動させると判定していたときに、車速が30km/hを越えるときにしきい値Eを上回ると作動させるというように変更してもよい。この場合でも、しきい値更新部154により、変更後の推定作動回数および推定作動時間が寿命に対して余裕があることを確認する必要がある。
実施の形態では、主にばね定数切替弁の寿命について説明したが、他のサスペンション構成部品、例えば懸架シリンダ10や図示しないスプリング、または他の電磁弁の寿命についても、本実施形態に述べたような方法で所定の値以上の力を受けた回数をカウントし、それらの作動回数を増減させるように車両制御の仕方を変えることも可能である。
本発明の一実施形態に係るサスペンションシステムの構成を示す図である。 サスペンションECUの構成と、ECUに接続される各種センサを示す機能ブロック図である。 ばね定数切替弁の作動頻度を推定するためのグラフの一例を示す図である。 ばね定数切替弁の作動頻度を推定するためのテーブルの一例を示す図である。 サスペンションECUのばね定数切替判定部による制御を説明するフローチャートである。 本実施形態によってばね定数切替弁の作動判定のしきい値を変更する理由を説明するグラフである。 本実施形態に係るばね定数切替弁のしきい値更新処理を説明するフローチャートである。
符号の説明
28 ばね定数切替弁、 80 サスペンション機構、 100 サスペンションECU、 102 車速センサ、 104 舵角センサ、 108 ブレーキ液圧センサ、 110 スロットル開度センサ、 112 上下加速度センサ、 116 切替弁制御部、 120 ばね定数切替判定部、 122 旋回判定部、 124 制動判定部、 126 駆動判定部、 128 禁止判定部、 130 作動回数記録部、 132 作動時間記録部、 134 走行距離・走行時間カウンタ、 140 作動頻度推定部、 150 将来作動頻度予測部、 152 寿命余裕判定部、 154 しきい値更新部、 160 作動頻度改善部。

Claims (5)

  1. サスペンション機構のばね定数を切り替える切替弁を制御する装置であって、
    車両の運転状態に関する物理量を検出する検出部と、
    検出された物理量と予め定められたしきい値とを比較してばね定数を切り替えるか否かを判定する切替判定部と、
    予め定められたタイミングで車両の耐用限界時における前記切替弁の推定作動頻度を計算する作動頻度推定部と、
    推定作動頻度と予め設定されている前記切替弁の寿命作動頻度とを比較する寿命余裕判定部と、
    前記寿命余裕判定部における比較の結果に応じて、車両の耐用限界時に前記切替弁の作動頻度が寿命作動頻度を超えない範囲で前記切替判定部のしきい値を変更するしきい値更新部と、を備え、
    前記作動頻度推定部は、しきい値変更後の推定作動頻度を計算することを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 前記寿命余裕判定部は、前記切替弁の推定作動頻度が寿命作動頻度に対して余裕のある値か否かを判定し、
    前記しきい値更新部は、推定作動頻度が余裕のある値であった場合にのみ、前記切替判定部のしきい値を変更して前記切替弁の作動回数を増加させることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置。
  3. 前記検出部と前記切替判定部を複数組備えており、
    前記切替判定部の少なくとも一部は、前記検出部により検出された物理量がしきい値を越える場合、他の切替判定部によって決定されたばね定数の切替を禁止するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンション制御装置。
  4. 懸架シリンダを備えるショックアブソーバと、
    前記懸架シリンダとそれぞれ連通し、該懸架シリンダに対する作動液の流出入のしやすさを変化させるための高圧アキュムレータおよび低圧アキュムレータと、
    前記懸架シリンダと前記低圧アキュムレータとを連通する通路に配設される切替弁と、
    車両の運転状態に関する物理量を検出する検出部と、
    検出された物理量と予め定められたしきい値とを比較してばね定数を切り替えるか否かを判定する切替判定部と、
    予め定められたタイミングで車両の耐用限界時における前記切替弁の推定作動頻度を計算する作動頻度推定部と、
    推定作動頻度と予め設定されている前記切替弁の寿命作動頻度とを比較する寿命余裕判定部と、
    前記寿命余裕判定部における比較の結果に応じて、車両の耐用限界時に前記切替弁の作動頻度が寿命作動頻度を超えない範囲で前記切替判定部のしきい値を変更するしきい値更新部と、を備え、
    前記作動頻度推定部は、しきい値変更後の推定作動頻度を計算することを特徴とするサスペンションシステム。
  5. 車両の運転状態に関する物理量と予め定められたしきい値とを比較して、サスペンション機構のばね定数を切り替える切替弁を作動させるか否かを判定するサスペンション機構の制御方法において、
    予め定められたタイミングで車両の耐用限界時における前記切替弁の推定作動頻度を計算し、
    推定作動頻度と予め設定されている前記切替弁の寿命作動頻度とを比較し、
    比較の結果に応じて、車両の耐用限界時に前記切替弁の作動頻度が寿命作動頻度を超えない範囲で前記しきい値を変更することを特徴とするサスペンション機構の制御方法。
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