JP2008213378A - 被覆部材及び被覆部材の製造方法 - Google Patents

被覆部材及び被覆部材の製造方法 Download PDF

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由孝 吉田
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Abstract

【課題】本発明は、被覆材の収縮応力による基材からの剥離を防止できると共に、高い加工及び再加工性を有する被覆部材及び被覆部材の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の被覆部材は、金属製の基体部と基体部の少なくとも一部の表面を覆う樹脂製の被覆部とを備える被覆部材であって、基体部はその表面に溶接された支持部と支持部と一体で支持部より基体部の表面の延びる方向に延び、表面及び/又は支持部との間に間隙を形成する頭部とからなる多数の係止部を有し、被覆部は係止部を埋める状態で基体部の表面に一体的に形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、新規被覆部材及び被覆部材の製造方法に関するものである。
従来、被覆加工方法において基材(基体部)にブラスト処理、溶射処理などを施し下地処理をする方法がある。被覆材として、樹脂などの高分子材料が使用されている。例えば、フッ素樹脂が色々な利点、例えば耐薬品性、高純度性、耐熱性、イオン溶出防止性または撥水撥油性を持っているため、様々な分野に広く使われている。しかしながら、フッ素樹脂は熱膨張係数が大きく、接着力が低いため、被覆加工するに際しては、基材の表面に被覆されたフッ素樹脂被覆材の収縮などにより内部応力が発生し、フッ素樹脂被覆材が基材から剥離しやすいといった問題がある。この問題の解決方法として、基材の表面に金網を溶接し、さらに金網の上面に被覆材を被覆させる方法が提案されてきた(例えば、特許文献1参照)。この方法によれば、溶接により金網が基材に固定され、熱による温度変化が発生する際、被覆材が金網に引っ張られ基材の表面から離れにくくなる。
特開平10−30784号公報(第1〜5頁、第1図)
特許文献1の発明では、基材の表面に金網を固定して被覆材を付着する際、表面処理などの加工難度が高く、加工時のトラブルが発生しやすくなる。また、再加工の際において基材から金網を剥離する作業が難しいといった問題がある。さらに、従来方法の問題として、厚さ500μm以下の基材に表面処理を行う際の基材の変形問題が残されている。
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、被覆材の収縮応力による基材からの剥離を防止できると共に、高い加工及び再加工性を有する被覆部材及び被覆部材の製造方法を提供することを課題とする。
本発明の被覆部材は、金属製の基体部と基体部の少なくとも一部の表面を覆う樹脂製の被覆部とを備える被覆部材であって、基体部はその表面に溶接された支持部と支持部と一体で支持部より基体部の表面の延びる方向に延び、表面及び/又は支持部との間に間隙を形成する頭部とからなる多数の係止部を有し、被覆部は係止部を埋める状態で基体部の表面に一体的に形成されていることを特徴とする。
本発明の被覆部材によれば、被覆部材の基体部の表面に溶接により一体に形成された支持部と頭部からなる多数の係止部を有することから、被覆部材は係止部の頭部と支持部または表面との間の間隙を利用し、投錨効果が得られる。このため、本発明の被覆部材の被覆部は係止部を介して基体部に密着することができる。つまり、係止部による投錨効果から発生する抵抗力は被覆部の熱膨張などによる収縮応力を抑制し、被覆部の収縮応力による剥離を防止することができる。
また、本発明の被覆部材は、加工工程又は再加工工程に応じて係止部の形状、配置方法などを設計することが可能なので、被覆部材の加工性または再加工性が向上される。例えば、係止部の設置数、配置位置などが被覆部材の加工時あるいは再加工時の作業の難易度(加工性あるいは再加工性)に影響する。
本発明の被覆部材は、係止部の被覆部の厚さ方向の高さが被覆部の厚さの5〜95%であることが好ましい。係止部の高さを被覆部の厚さの5%以上に設定することにより、有効に被覆部の収縮による応力を抑制することができる。また、係止部の高さを被覆部の厚さの95%以下に設定することにより、係止部による突起が被覆部表面まで出てくるのを防ぐことができる。このように、係止部の高さを被覆部の厚さの5〜95%に設定することにより、被覆部の収縮応力に対応する十分な抵抗力を得ることができる。つまり、係止部の投錨効果による抵抗力により被覆部の収縮応力を抑制することができ、収縮応力による被覆部の剥離を防止することができる。
本発明の被覆部材の被覆部の厚さは50〜5000μmであることが好ましい。つまり、本発明の被覆部材によれば、基体部の表面に厚さが50μm以上、5000μm以下の被覆部を形成することができる。
本発明の被覆部材の係止部は、幅方向での断面形状がV字形、T字形、Y字形、円形、逆三角形あるいは逆台形状であることが好ましい。本発明の被覆部材の係止部が被覆部の収縮応力を緩和するために、基体部の表面において、水平方向及び水平方向に垂直する縦方向の両方に抵抗力を示す構造が望まれる。このため、係止部の断面形状をV字形、T字形、Y字形、円形、逆三角形あるいは逆台形状とすることにより係止部の投錨効果から基体部の表面において、水平方向及び水平方向に垂直する縦方向の両方に抵抗力を発生することができる。つまり、本発明の被覆部材は被覆部の収縮応力を抑制することができる。また、本発明の被覆部材の係止部は、上述断面形状から、基体部と接着する部分が比較的狭いため、再加工する際にしては、専用カッターで簡単に取り外すことができる。つまり、本発明の係止部の構造は被覆部材の再加工に有利である。
本発明の被覆部材の係止部は、基体部の表面に分散され、表面の所定位置に所定間隔で隣接して設けられていることが好ましい。これにより、基体部の表面において被覆部の収縮応力を分散して緩和し、個別箇所に収縮応力の集中による剥離を防止することができる。
また、本発明の被覆部材は隣接する係止部の位置及び間隔を加工及び再加工の工程に応じて設計することができるため、被覆部材の加工性及び再加工性が向上される。
本発明の被覆部材の係止部は、基体部と同材質の線形部材で構成され、線形部材は、基体部の表面に線形部材の幅方向に10〜500mmの間隔で設けられることが好ましい。線形部材の間隔を10mm以上に設定することにより、再加工などの工程をより容易にすることができる。また、線形部材の間隔を500mm以下に設定することにより、投錨効果を有効に確保することができる。このように、線形部材で係止部を構成することにより、線形部材の下方が基体部の表面に溶接して固定され、線形部材の頭部は支持部または基体部の表面との間に間隙を形成し、投錨効果を得ることができる。このため、基体部の表面に形成された線形部材を介して被覆部の収縮応力を十分に分散して緩和することができ、係止部を構成する線形部材の投錨効果により発生する抵抗力が被覆部の収縮応力を抑制することができる。
本発明の被覆部材の係止部は、基体部と同材質の釘状、鋲状、球状、逆円錐状、逆円錐台状、逆角錐状あるいは逆角錐台状の分散形部材で構成されている好ましい。係止部を釘状、鋲状、球状、逆円錐状、逆円錐台状、逆角錐状あるいは逆角錐台状の分散形部材で構成することにより、分散形部材の尖端部が基体部の表面に溶接により固定され、尖端部以外の部位と基体部の表面との間に間隙が形成され、投錨効果を得ることができる。このため、被覆部の収縮応力を十分に分散して緩和することができ、係止部の投錨効果により発生する抵抗力が被覆部の収縮応力を抑制することができる。
本発明の被覆部材は、被覆部を構成する樹脂がフッ素樹脂であることが好ましい。また、本発明の被覆部を構成する樹脂はフッ素樹脂に限定されず、フッ素樹脂以外の樹脂を用いることもできる。
本発明の被覆部材の製造方法は、金属製の基体部を準備する基体部準備工程と、基体部準備工程の後、基体部の少なくとも一部の表面に溶接によって支持部と支持部と一体で支持部より基体部の表面の延びる方向に延び表面及び/又は支持部との間に間隙を持つ頭部とを備える多数の係止部を形成する係止部形成工程と、係止部形成工程の後、係止部を埋める状態で基体部の表面を覆う樹脂製の被覆部を形成する被覆部形成工程と、を具備することを特徴とする。
本発明の被覆部材の製造方法によれば、被覆部材の基体部の表面に溶接により一体に形成された支持部と頭部からなる多数の係止部を形成し、係止部の頭部と支持部または表面との間の間隙を埋める状態で被覆部を形成することにより、係止部による投錨効果を得ることができ、被覆部を基体部に密着させることができる。つまり、係止部による投錨効果から発生する抵抗力は被覆部の熱膨張などによる収縮応力を抑制し、被覆部の収縮応力による剥離を防止することができる。
また、本発明の被覆部材の製造方法は、加工又は再加工工程に応じて係止部の形状、配置方法などを設計することが可能なので、被覆部材の加工または再加工性が向上する。
また、本発明の被覆部材の製造方法の係止部形成工程は、基体部の表面をブラスト、溶射、もしくはケミカルエッチングのうちの少なくとも一方により下地表面処理する下地表面処理工程を備えることが好ましい。これにより、基体部においてより接着力のある被覆部を形成することができる。つまり、被覆部の剥離の防止により一層効果的である。
また、本発明の被覆部材の製造方法の係止部形成工程は、下地表面処理工程の後に基体部の表面にプライマーを塗装するプライマー塗装工程を備えることが好ましい。プライマー塗装することにより、基体部においてより接着力のある被覆部を形成することができる。つまり、被覆部の剥離の防止により一層効果的である。
このように、本発明の被覆部材の製造方法は、投錨効果が得られる係止部を形成する係止部形成工程と、基体部の表面をブラスト、溶射、もしくはケミカルエッチングなどの処理を行う下地処理方法とを組み合わせた新規被覆部材の製造方法であり、基体部の表面を処理し被覆を行うことにより被覆部の収縮による内部応力を低減し下地塗料の接着力を最大限維持することができ、被覆寿命を大幅に改善することができる。
また、本発明の被覆部材の製造方法では、基体部の厚さは500μm以下であることが好ましい。つまり、本発明の被覆部材の製造方法では、厚さが500μm以下の基体部(基材)について、表面処理による変形及び被覆部(被覆材)の熱収縮による変形を低減するのに非常に有効である。
例えば、半導体などの製造に用いられている冶具では、厚さが約50〜500μmの基体部を使用しているが、被覆部材の接着力を増加させるためにブラストなどの表面処理を行うと、従来方法の場合、基体部が変形する恐れがある。また、これ以外の表面処理を行い基体部の変形を抑えたとしても、従来方法の場合、被覆部(被覆材)を塗装すると、塗装材の熱収縮により変形が発生し、高精度の冶具の品質が落ちる恐れがある。これに対して、本発明の被覆部材の製造方法では、こう言った問題を解決し、基体部(基材)の変形を最大限に抑えることができ、製品の高精度を実現できる。
また、本発明の被覆部材の製造方法では、基体部の厚さは1000〜50000μmであることが好ましい。つまり、基体部の厚さは1000〜50000μm(1〜50mm)の場合には、本発明の被覆部材の製造方法が適用できる。また、基体部の厚さは2000〜20000μmの場合には、製品の耐圧性、熱伝導性などに有利であるため、本発明の被覆部材の製造方法が好適である。即ち、本発明の被覆部材の製造方法では、通常厚さが1000〜50000μmであり耐食を目的とした基体部に、被覆部(被覆材)を厚く塗装したときでも、被覆部の熱収縮による密着性の低下を抑えることができる。従って、本発明の被覆部材の製造方法では、耐酸性、耐アルカリ性などの耐食性を必要とする管体、配管、反応塔などの製品の耐久性を向上することができる。
本発明の被覆部材によれば、被覆部材の基体部の表面に溶接により一体に形成された支持部と支持部より基体部の表面の延びる方向に延び表面及び/又は支持部との間に間隙を形成する頭部とからなる多数の係止部を有することから、被覆部は、係止部の頭部と支持部または表面との間の間隙を利用し、投錨効果が得られる。このため、被覆部は係止部を介して基体部に密着することができる。つまり、係止部による投錨効果から発生する抵抗力は被覆部の熱膨張などによる収縮応力を抑制し、被覆部の収縮応力による剥離を防止することができる。また、加工又は再加工工程に基づき係止部の形状、配置方法などを設計することが可能なので、被覆部材の加工または再加工性が向上される。さらに、厚さが500μm以下の基体部に対して、表面処理による変形を有効に抑えることができる。
本発明の被覆部材は、基体部はその表面に溶接された支持部と支持部と一体で支持部より基体部の表面の延びる方向に延び、表面及び/又は支持部との間に間隙を形成する頭部とからなる多数の係止部を備え、被覆部は係止部を埋める状態で基体部の表面に一体的に形成されているとすることができる。係止部の形状、配置方法などの設計要素から加工又は再加工工程に対応することができ、被覆部材の加工または再加工性を向上させることができる。
本発明の基体部は耐蝕用管体、部品、配管材またはフランジなどからなることができる。また、基体部の基材として、鉄、SUS、アルミニウム、銅合金、チタン合金及びニッケル合金などを使用することができる。
また、本発明の被覆部材は、基体部の表面に溶接により係止部を接着(形成)することができる。接着方法として接着剤による接着ができるが、溶接による接着方法が作業性、基体部との接着強度の点で好ましく採用できる。溶接方法としてガス溶接またはアーク溶接が採用できる。アーク溶接はビード形状の維持ができるため、好ましく採用できる。さらに、アーク溶接の中でも、ガスシールドアーク溶接がより好ましく採用できる。また、厚さ500μm以下の基材(基体部)には、レーザビーム溶接、超音波などの振動溶接が採用できるが、複雑な係止部形状に適応可能なアーク溶接、超音波溶接が好ましく採用できる。
本発明の被覆部材は、係止部の被覆部の厚さ方向の高さが被覆部の厚さの5〜95%とすることができる。係止部の高さを被覆部の厚さの5〜95%に設定することにより、被覆部の収縮応力に対応する十分な抵抗力を得ることができる。また、係止部の高さは被覆部の厚さの10〜75%の範囲内で採用されることが好ましい。更に、係止部の高さは被覆部の厚さの20〜60%の範囲内で採用されることがより好ましい。このように、係止部の投錨効果による抵抗力が被覆部の収縮応力を抑制することができ、収縮応力による被覆部の剥離を防止することができる。
本発明の被覆部材の被覆部の厚さは50〜5000μmとすることができる。つまり、本発明の被覆部材によれば、基体部に厚さが50μm以上、5000μm以下の被覆部を形成することができる。例えば、管体、配管材などの耐食用途には、本発明の被覆部材の被覆部は厚さ500μm以上の場合において剥離防止効果を発揮し、更に、本発明の被覆部材の被覆部は厚さ2000μm以上の場合において顕著な剥離防止効果を発揮する。
本発明の被覆部材の係止部は、幅方向での断面形状がV字形、T字形、Y字形、円形、逆三角形あるいは逆台形状とすることができる。また、本発明の被覆部材の係止部の断面形状は、基体部の表面において、水平方向及び水平方向に垂直する縦方向の両方に抵抗力を示す構造であれば、前述する断面形状に限定されるものではない。
本発明の被覆部材の係止部は、基体部の表面に分散され、表面の所定位置に所定間隔で隣接して設けられていることができる。また、隣接する係止部の位置及び間隔を加工及び再加工の工程に応じて設計することができるため、被覆部材の加工性及び再加工性が向上される。
本発明の被覆部材の係止部は、基体部と同材質の線形部材で構成され、線形部材は、基体部の表面に線形部材の幅方向に10〜500mmの間隔で設けられることができる。好ましくは、30〜100mmの範囲内で採用できる。このように、被覆部の収縮応力を十分に分散して緩和することができる。つまり、係止部を構成する線形部材の投錨効果により発生する抵抗力が被覆部の収縮応力を抑制することができる。また、断面形状にいて、下方より上方が出っ張っている構造を持つ線形部材が基体部の表面に接着されることにより、本発明の被覆部材の係止部は投錨効果を持つようになり、被覆部の剥離を防止することができる。また、線形部材の間隔が再加工工程に応じて設定することができるので、再加工性の向上に有利である。つまり、被覆部の収縮応力に十分の抑制力を保ちながら、再加工しやすい線形部材の間隔を設けることができる。
また、線形部材のパターンは、縦縞、斜め縞、格子状、ウェーブ状、円サイクル、フリーの模様及び図形などを採用できる。加工時間及び収縮防止効果を併せて持つウェーブ状パターンが好ましく採用できる。ウェーブパターンは、通常線形部材の幅に対し1〜10倍のウェーブ高さ(山−谷の頂点間の高さ)を採用できる。サイクル幅(山−山の頂点間の長さ)はウェーブ高さの0.5〜5倍を採用できる。
本発明の被覆部材の係止部は、基体部と同材質の釘状、鋲状、球状、逆円錐状、逆円錐台状、逆角錐状あるいは逆角錐台状の分散形部材で構成することができる。このように、本発明の被覆部材の係止部は投錨効果を示す構造を有することから、被覆部の収縮に対して収縮制御能力を示すことができる。釘状、鋲状などの分散形部材で係止部を構成する際にしては、基体部に固定する方法として、螺子穴を切りねじ込む方法と、基体部の基材に穴を開け、釘、鋲状部材をスポット溶接で固定する方法などが挙げられる。その中で、加工時間などから溶接による固定方法が好ましく採用できる。このように、下方より上方が出っ張っている構造を持つ分散形部材を基体部の表面に接着させることにより、投錨効果を持つ係止部が形成でき、被覆部の剥離を防止することができる。
また、係止部は釘状、鋲状、球状、逆円錐状、逆円錐台状、逆角錐状あるいは逆角錐台状の分散形部材で構成する場合には、分散形部材の間幅を10〜500mmに設けることができる。好ましくは、30〜100mmの範囲内で採用できる。このように、所定間隔で配置された分散形部材により被覆部の収縮応力を十分に分散して緩和することができる。つまり、係止部の投錨効果により発生する抵抗力が被覆部の収縮応力を抑制することができる。このように、下方より上方が出っ張っている構造を持つ係止部が基体部の表面に接着されることにより、係止部には投錨効果が得られ、被覆部の剥離を防止することができる。また、係止部を構成する分散形部材の間隔が再加工工程に対応して設定することができるので、再加工性の向上に有利である。つまり、被覆部の収縮応力に十分の抑制力を保ちながら、再加工しやすい係止部の間隔を設けることができる。
本発明の被覆部材は、被覆部を構成する樹脂をフッ素樹脂とすることができる。また、本発明の被覆部材の被覆部を構成する樹脂はフッ素樹脂に限定されず、フッ素樹脂以外の樹脂を用いることもできる。例えば、収縮率が1%〜10%を有する高分子で、150℃以上の高温に耐熱性を有するポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリフェニルサルファイト(PPS)、ポリエーテルエテルケトン(PEEK)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)フッ素樹脂、シリコーン樹脂、チラノ樹脂などの高温加工を必要とする高分子材料を使用することができる。また、被覆部用のフッ素樹脂は、フロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、フッ化ビニリデン及びエチレン、プロピレンなどビニル単量体の1種または2種以上より作られるフッ素樹脂とすることができる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン/クロロトラフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、プロピレン/テトラフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビルエーテル共重合体(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)及びこれらに官能基(水酸基、カルボン酸基など)を持った単量体を少量共重合させた溶融性フッ素樹脂、コモノマーとして環状の構造を有する単量体を少量共重合させた物を挙げることができる。
また、本発明の被覆部材の製造方法は、従来方法では厚膜化により剥離しやすい加工温度200℃以上の含フッ素高分子に対し特に有効である。
本発明の被覆部材の製造方法は、金属製の基体部を準備する基体部準備工程と、基体部準備工程の後、基体部の少なくとも一部の表面に溶接によって支持部と支持部と一体で支持部より基体部の表面の延びる方向に延び表面及び/又は支持部との間に間隙を持つ頭部とを備える多数の係止部を形成する係止部形成工程と、係止部形成工程の後、係止部を埋める状態で基体部の表面を覆う樹脂製の被覆部を形成する被覆部形成工程と、を具備することを特徴とすることができる。
また、本発明の被覆部材の製造方法の係止部形成工程は、基体部の表面をブラスト、溶射、もしくはケミカルエッチングのうちの少なくとも一方により下地表面処理する下地表面処理工程を備えることができる。また、下地表面処理工程は係止部形成工程の前後に実施することができる。係止部形成工程と下地表面処理工程を組み合わせることにより、被覆部の収縮による内部応力を低減し下地塗料の接着力を最大限維持することができ、被覆部の寿命を大幅に改善することができる。即ち、基体部においてより接着力のある被覆部を形成することができ、被覆部の剥離の防止により一層効果的である。
また、本発明の被覆部材の製造方法の係止部形成工程は、下地表面処理工程の後に基体部の表面にプライマーを塗装するプライマー塗装工程を備えることができる。プライマー塗装することにより、基体部においてより接着力のある被覆部を形成することができる。つまり、被覆部の剥離の防止により一層効果的である。
基体部及び係止部の表面を通常アルミナなどの粒子によるブラストによりRa(Ra:平均粗さ)で1〜15μmの範囲に粗面化し、基体部及び係止部に金属の活性面を形成する。その活性面の上にプライマーを介し機能性樹脂被覆を塗装により形成する。粗面化の方法はブラスト以外セラミック、金属などの溶射にて基体部及び係止部表面に形成させる方法あるいはケミカルエッチングにより微細凹凸を形成する方法などが挙げられるが、金属の活性化及び接着力増大処理方法であれば何れも採用できる。
接着改良処理としては、シランカプリング材処理などの接着改良処理を併用することもできる。特に、接着性の弱いフッ素樹脂のプライマーとしては、フッ素樹脂と接着剤の組み合わせを使用することが一般的であり、接着剤としては、無機のクロム燐酸及びポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリフェニルサルファイト(PPS)、ポリエーテルエテルケトン(PEEK)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)などのスーパーエンプラと言われる樹脂を使用できる。これらの接着剤はいずれもフッ素樹脂の加工温度に耐えられ、しかも接着性及び耐薬品性に優れている。
プライマーとしては、液状、粉体状何れの塗料を採用できるが、基体部の表面及び係止部の細部まで回り込みなどのことを配慮すると、液状が好ましい。通常接着改良剤プライマーの膜厚としては、0.5〜30μmの範囲にあるが、接着面の形状、粗面化処理の状態により使い分けされる。
以下、具体的に各実施形態に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本実施形態は実施例1〜8で構成されている。実施例1〜8は基本的に同様の構成である。
図1に示すように、本実施形態の被覆部材は主に基体部1と被覆部2とからなり、基体部1の表面101には複数の係止部3が形成される。また、被覆部2は係止部3を埋める状態で基体部1の表面101を覆うように一体的に形成されている。係止部3は、基体部1の表面101に溶接された支持部31と、支持部31と一体に形成された頭部32と支持部31の下方に位置する底部33とを有する線形部材Sからなる。頭部32は支持部31より出っ張った状態で基体部1の表面101の延びる方向に延びる。このため、頭部32と基体部1の表面101との間に間隙320が形成される。つまり、頭部32には斜面321が形成され、斜面321と表面101との間に間隙320が形成される。間隙320により投錨効果が得られ、基体部1に形成された被覆部2の収縮による応力を緩和することができる。なお、場合によって、支持部31と頭部32との間に間隙320を形成することもできるので、投錨効果を得ることもできる。
図1は本実施形態の実施例1の被覆部材の断面を示しているが、実施例2〜4、7、8の被覆部材の断面も示している。また、係止部3の断面形状が異なること以外には、実施例1は実施例5、6と基本的に同じ構成である。
実施例1〜8には、の基体部1は500φ×500L×50tの管体(図示せず)からなる。実施例1〜4、7、8において、係止部3の形成物として、断面形状が三角形状(図1に示す)の溶接ワイヤーW1が使用される。即ち、実施例1〜4、7、8の線形部材Sは溶接ワイヤーW1からなる。具体的には、基体部1の表面101に、溶接ワイヤーW1の底部33を接着点として溶接を行い、溶接ワイヤーW1と基体部1との間に溶接部301が形成される。このように、溶接ワイヤーW1は溶接部301を介して基体部1の表面101に接着され、頭部32が支持部31より出っ張った状態で基体部1の表面101に形成される。
また、実施例5において、係止部3の形成物として、断面形状が円形(図2に示す)の溶接ワイヤーW2が使用される。即ち、本実施例の線形部材Sは溶接ワイヤーW2からなる。図2は溶接ワイヤーW2を含む被覆部材の断面形状を示すものである。図2に示すように、断面形状が円形の溶接ワイヤーW2は支持部31と、支持部31より出っ張った状態の頭部32と、下方に位置する底部33とからなり、底部33を基体部1の表面101に溶接することにより溶接部301が形成され、円形状の溶接ワイヤーW2が基体部1の表面101に接着される。
また、実施例6において、係止部3の形成物として、断面形状がT字形(図3に示す)の溶接ワイヤーW3が使用される。即ち、本実施例の線形部材Sは溶接ワイヤーW3からなる。図3は溶接ワイヤーW3を含む被覆部材の断面形状を示すものである。図3に示すように、断面形状がT字形の溶接ワイヤーW3は支持部31と、支持部31より出っ張った状態の頭部32と、下方に位置する底部33とからなり、底部33を基体部1の表面101に溶接することにより溶接部301が形成され、T字形の溶接ワイヤーW3が基体部1の表面101に接着される。
このように、基体部1の表面101に係止部3を構成する線形部材S(溶接ワイヤーW1、W2、W3)を設けることにより、被覆部材に投錨効果を持つ構造が形成される。
本実施形態では、マイコン制御アルゴンガス使用アーク溶接機を用いて表1に示す各条件下の被覆部材の製造及び評価を行った。また、図4は本実施形態の線形部材Sの実施パターンを示すものである。図4に示すように、本実施形態の線形部材Sはウェーブ状パターンで実施される。また、図4には実施パターンのウェーブの高さA、ウェーブの幅B、ワイヤーの幅D(線径)およびウェーブ間の幅Cが示される。
本実施形態では、線形部材S(溶接ワイヤーW1、W2、W3)がウェーブ状延びるため、線形部材Sの頭部33は線形部材Sの延びる方向を対称軸とし線形部材Sの両側に出っ張った状態で配置される。このため、線形部材Sの両側に投錨効果が得られ、線形部材Sの延びる方向に交差する方向の被覆部の収縮による応力が緩和される。また、線形部材Sはウェーブ状であるため、延びると共に延びる方向が変化する。従って、係止部3の投錨効果が発生する方向も線形部材Sの延びる方向に基づき変化し、結果として被覆部2の収縮による応力をほぼ全ての方向で緩和することができ、被覆部の剥離を防止することができる。
また、図5において、断面形状が逆三角形状の溶接ワイヤーW1を例として、基体部1の高さH1、被覆部2の高さH2、溶接ワイヤーW1の高さH3および溶接ワイヤーW1の頭部33の幅D(線径)が示されている。なお、本実施形態の各寸法は主に表1に示される。
Figure 2008213378
表1は、本実施形態に係る各実施例の被覆部材及びその特性を示すものである。表1に示すように、実施例1〜8は同様の方法にて基体部1の基材種類、係止部3の形成物の形状、寸法、係止部のパターン(線形パターン)、係止部の施工時間、ライニング材(被覆部2)の種類及びその厚さ等を変えて行った実施例である。また、表1には、各実施例の被覆部材の評価結果(係止部の加工性、被覆部の耐久性、係止部の再加工性)が示されている。
なお、本実施形態に係る実施例1〜8では、1−ブロモプロパンで脱脂後アルミナのサンドブラスト(#36)で基体部1及び係止部3の粗面化を行った。溜まったブラスト粉末をエアーで十分クリーニング後、Cr燐酸プライマー(DUPONT 850−321)を8μm塗装した。その後250℃で乾燥した被覆部ライニング材(表1に示す)PFA粉体塗料(MP102:三井・デュポンフロロケミカル製)を塗装し重ね塗りを行い、表1に示す所定の厚さに仕上げた。
また、耐薬品評価は、管体に5%HClを管体の50%量まで入れ、PTFE製投げ込みヒータで90℃以上に加熱した管体を25〜30℃の温度の水槽に浸漬し耐蝕実験を行った。管体の上部はフッ素樹脂フィルムで密封後一部に還流管を取り付けた構造で5%HClが還流できる構造になっている。
比較例として従来の被覆部材を用いて評価実験を行った。各条件及び評価結果を表2に示す。
Figure 2008213378
表2に示すように、比較例1は、係止部3を有しない被覆部材を示したものであり、比較例2は、金網で係止部3を構成する被覆部材を示したものである。表2に示すように、比較例1の被覆部材が耐久性に劣っていることが分かる。比較例2の被覆部材は、係止部3を有することにより、耐久性の改善が見られたが、係止部3の施工時間(加工性)及び係止部3の取り外す時間(再加工性)が長いという問題から、加工性及び再加工性に劣っていることが分かった。
このように、表1、表2を比較して見ると、実施例1〜8において、本実施形態の被覆部材の係止部3の投錨効果が得られた上で、良好の耐久性、加工性及び再加工性を有している。
また、本実施形態の被覆部材の係止部3を構成する線形部材Sとして、図6に示すように、断面形状がY字形の溶接ワイヤー、または図7に示すように、断面形状V字形の溶接ワイヤーを用いることもできる。つまり、被覆部材の係止部3は、基体部1の表面101において、水平方向及び水平方向に垂直する縦方向の両方に被覆部2の内部収縮応力を緩和する抵抗力を発生する構造を示すものであれば採用できる。このように、本実施形態の被覆部材の係止部3は、構造上の投錨効果から被覆部2の内部収縮応力を抑制し、被覆部2の剥離を防止することができる。
(第2実施形態)
本実施形態は、第1実施形態の構成とは基本的に同じである。以下、第1実施形態と異なる部分について説明する。なお、第1実施形態と同様の部分に関しては、同じ符号を用いて説明する。
本実施形態は実施例9〜16で構成される。実施例9〜16は基本的に同様の構成である。
本実施形態は、主に係止部3において実施形態1と異なる。つまり、本実施形態の実施例9〜12、15、16において、係止部3は鋲状部材P(図8に示す)から構成される。実施例13において、係止部3は三角錐状部材Q(図9に示す)から構成される。実施例14において、係止部3は円錐状部材R(図10に示す)から構成される。なお、鋲状部材P、三角錐状部材Q、円錐状部材Rは本発明の分散形部材を構成するものである。また、図8は鋲状部材Pを含む被覆部材の断面概念図である。図9は係止部3を構成する三角錐状部材Qの立体図及びその断面概念図である。図10は係止部3を構成する円錐状部材Rの立体図及びその断面概念図である。図8、図9、図10から分かるように、係止部3は、支持部31、支持部31より出っ張った状態の頭部32、下方に位置する底部33からなる。
また、図11は本実施形態の係止部3が基体部1の表面101に分散して配置された状態を示すものである。図11に示すように、係止部3は所定間隔Cを維持しながら、基体部1の表面101に千鳥状として配置される。なお、係止部3の配置は、係止部3の寸法及び形状から投錨効果と再加工時の操作難易度を考慮して最適化することができる。
また、実施形態2の係止部3を鋲状部材P、三角錐状部材Q、円錐状部材Rで構成することにより、係止部3の頭部33は係止部3の外周側に位置することになり、基体部1の表面101において任意方向での投錨効果が得られ、被覆部の収縮による応力をより完全に緩和することができる。よって、被覆部の剥離を防止することができる。
本実施形態では、マイコン制御アルゴンガス使用アーク溶接機を用いて表3に示す各条件下の被覆部材の製造及び評価を行った。
Figure 2008213378
表3は、本実施形態に係る各実施例の被覆部材及びその特性を示すものである。表3に示すように、実施例9〜16は同様の方法にて基体部1の基材種類、係止部3の形成物の形状、寸法、係止部の加工パターン、係止部の施工時間、ライニング材(被覆部2)の種類及びその厚さ等を変えて行った実施例である。また、表3には、各実施例の被覆部材の評価結果(係止部の加工性、被覆部の耐久性、係止部の再加工性)が示されている。
比較例として従来の被覆部材を用いて評価実験を行った。各条件及び評価結果を表4に示す。
Figure 2008213378
表4に示すように、比較例3は、係止部3を有しない被覆部材を示したものであり、比較例4は、頭無し鋲状物で係止部3を構成する被覆部材を示したものである。また、表4に示すように、比較例3の被覆部材が耐久性に劣っていることが分かる。比較例4の被覆部材は、係止部3を有することにより、比較例1に比べ若干耐久性の改善が見られたが、まだ十分の耐久性を持っていないことが分かった。
このように、表3、表4を比較して見ると、実施例9〜16において、本実施形態の被覆部材の係止部3の投錨効果が得られた上で、良好の耐久性、加工性及び再加工性を有している。
(第3実施形態)
本実施形態は、第1実施形態の構成とは基本的に同じである。以下、第1実施形態と異なる部分について説明する。なお、第1実施形態と同様の部分に関しては、同じ符号を用いて説明する。
本実施形態は、実施例17、18で構成される。実施例17〜18は基本的に同様の構成である。
本実施形態は、厚さ500μm以下の基体部の基材を用いて実施したものである。これ以外は実施形態1と同様の構成である。
実施例17の被覆部材の基体部1の基材は、厚さ250μm×100mm(D)×100mm(L)のSUS304からなる。係止部3は50μmの径を持つ線形ビード状部材Xで構成される。基体部1の表面101に線形ビード状部材Xを押え付けながら、YAGレーザー溶接機でウェーブ状のパターンに加工する。線形ビード状部材Xは、図12に示すように、断面形状が円形であり、支持部31と支持部より出っ張った状態の頭部32と下方に位置する底部33からなる。YAGレーバー溶接機を用いて基体部1の表面101に接触する線形ビード状部材Xの底部33を溶接し、溶接部301が形成される。よって、係止部3が基体部1の表面101に接着される。
基体部1の表面101に溶接により線形ビード状部材Xが形成された後、アセトン溶剤で脱脂し、10%硝酸に5分間浸漬しエッチングを行った。水洗後片面のみPR902BNプライマー(三井・デュポンフロロケミカル製)を乾燥塗膜で8μmになるように塗装し120℃で乾燥後、被覆部ライニング材(表5に示す)PFA粉体塗料(MP−102:三井・デュポンフロロケミカル製)を用いて表5に示す所定厚さに塗装した。最後に塗装した被覆部材を400℃で30分焼成して仕上げた。
実施例18は、基本的に実施例19と同様である。異なる点は、被覆部材の基体部1は厚さ100μmの基材が使用される。係止部3の線形ビード状部材Xの径は30μmである。
Figure 2008213378
表5は、本実施形態に係る各実施例の被覆部材及びその特性を示すものである。表5に示すように、実施例17、18は同様の方法にて基体部1の基材種類、その厚さ、係止部3の形成物の形状、寸法、係止部の加工パターン、ライニング材(被覆部2)の種類及びその厚さ等を変えて行った実施例である。また、表5には、各実施例の被覆部材の評価結果(被覆後基体部1の状態)が示されている。
さらに、表5には、比較例として従来の被覆部材を用いて評価実験を行った結果を示している。表5に示すように、比較例5は、係止部3を有しない被覆部材を示したものである。表5に示すように、実施例1の被覆部材の基体部及び被覆部の厚さは比較例5とほぼ同じであるが、比較例5の被覆部材の基体部が被覆後、完全に内側にカールしていることが分かった。
このように、比較例5に比べ、実施例17、18の係止部材の係止部3の投錨効果が得られた上で、被覆後基体部の状態が良好であることが分かった。
本発明の被覆部材及び被覆部材の製造方法は、溶接加工できる金属製の基体部とその表面に被覆される樹脂製の被覆部とからなる被覆部材の製造分野に使用することができる。
第1実施形態に係る逆三角形断面の係止部を含む被覆部材の断面概念図である。 第1実施形態に係る円形断面の係止部を含む被覆部材の断面概念図である。 第1実施形態に係るT字形断面の係止部を含む被覆部材の断面概念図である。 第1実施形態に係る線形部材の実施パターンを示すものである。 第1実施形態に係る被覆部材の寸法を示すものである。 第1実施形態の被覆部材の変形例の断面概念図である。 第1実施形態の被覆部材の変形例の断面概念図である。 第2実施形態に係る鋲状部材を含む被覆部材の断面概念図である。 第2実施形態に係る逆三角錐状部材の立体概念図及びその断面概念図である。 第2実施形態に係る逆円錐状部材の立体概念図及びその断面概念図である。 第2実施形態に係る係止部の配置状態を示すものである。 第3実施形態に係る被覆部材の断面概念図である。
符号の説明
1:基体部 2:被覆部 3:係止部 101:表面
S:線形部材 W1、W2、W3:溶接ワイヤー
31:支持部 32:頭部 33:底部
301:溶接部 321:斜面
A:ウェーブパターンの高さ B:ウェーブパターンのサイクル幅
C:ウェーブパターンの間隔 D:線形部材の幅
H1:基体部の厚さ H2:被覆部の厚さ H3:係止部の高さ
P:鋲状部材 Q:三角錐状部材 R:円錐状部材
X:線形ビード状部材

Claims (13)

  1. 金属製の基体部と前記基体部の少なくとも一部の表面を覆う樹脂製の被覆部とを備える被覆部材であって、
    前記基体部はその表面に溶接された支持部と該支持部と一体で該支持部より該基体部の該表面の延びる方向に延び、該表面及び/又は該支持部との間に間隙を形成する頭部とからなる多数の係止部を有し、
    前記被覆部は前記係止部を埋める状態で該基体部の該表面に一体的に形成されていることを特徴とする被覆部材。
  2. 前記係止部の前記被覆部の厚さ方向の高さは、該被覆部の厚さの5〜95%である請求項1に記載の被覆部材。
  3. 前記被覆部の厚さは50〜5000μmである請求項1に記載の被覆部材。
  4. 前記係止部は、幅方向での断面形状がV字形、T字形、Y字形、円形、逆三角形あるいは逆台形状である請求項1に記載の被覆部材。
  5. 前記係止部は、前記基体部の該表面に分散され、該表面の所定位置に所定間隔で隣接して設けられている請求項4に記載の被覆部材。
  6. 前記係止部は、前記基体部と同材質の線形部材で構成され、該線形部材は、前記基体部の該表面に該線形部材の幅方向に10〜500mmの間隔で設けられる請求項5に記載の被覆部材。
  7. 前記係止部は、前記基体部と同材質の釘状、鋲状、球状、逆円錐状、逆円錐台状、逆角錐状あるいは逆角錐台状の分散形部材で構成されている請求項5に記載の被覆部材。
  8. 前記被覆部を構成する樹脂はフッ素樹脂である請求項1に記載の被覆部材。
  9. 金属製の基体部を準備する基体部準備工程と、
    前記基体部準備工程の後、前記基体部の少なくとも一部の表面に溶接によって支持部と該支持部と一体で該支持部より該基体部の該表面の延びる方向に延び該表面及び/又は該支持部との間に間隙を持つ頭部とを備える多数の係止部を形成する係止部形成工程と、
    前記係止部形成工程の後、前記係止部を埋める状態で前記基体部の該表面を覆う樹脂製の被覆部を形成する被覆部形成工程と、を具備することを特徴とする被覆部材の製造方法。
  10. 前記係止部形成工程は、前記基体部の該表面をブラスト、溶射、もしくはケミカルエッチングのうちの少なくとも一方により下地表面処理する下地表面処理工程を備える請求項9に記載の被覆部材の製造方法。
  11. 前記係止部形成工程は、前記下地表面処理工程の後に前記基体部の該表面にプライマーを塗装するプライマー塗装工程を備える請求項9に記載の被覆部材の製造方法。
  12. 前記基体部の厚さは500μm以下である請求項9〜11のいずれか1項に記載の被覆部材の製造方法。
  13. 前記基体部の厚さは1000〜50000μmである請求項9〜11のいずれか1項に記載の被覆部材の製造方法。
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