JP2008213154A - 射出成形装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】先端がゲートg側に開口し軸方向に沿って樹脂材料jの樹脂流路4を内部に有するノズルハウジング2と、その基端5側を支持し且つ樹脂流路4に連通する樹脂供給路11を有するマニホールド10と、ノズルハウジング2の樹脂流路4とマニホールド10の樹脂供給路11とを軸方向などに沿って貫通するバルブステム14と、マニホールド10におけるノズルハウジング2と反対側の位置に設けたエアシリンダ(流体圧シリンダ)Sと、バルブステム14の後端に固定され、エアシリンダS内に摺動可能に挿入されるピストンPと、エアシリンダSのバルブブッシング20とマニホールドバックプレート40との間に介在され、ノズルハウジング2、マニホールド10、およびエアシリンダSを、ゲートg側へ付勢する皿バネ30と、を含む、射出成形装置1。
【選択図】 図1
Description
ところで、上記キャビティ内に樹脂材料を充填するため、マニホールド内やノズルハウジング内に溶けた樹脂材料を圧送すると、係るノズルハウジング、マニホールド、および、後端側のバルブブッシングが熱膨張する。この際、予め、係るバルブブッシングの後端面と、これに接近するマニホールドバックプレートとの間に設けられていた所謂コールドクリアランスが解消される。同時に圧縮力が加わることで、ノズルハウジングとマニホールドとの当たり面、および、マニホールドとバルブブッシングとの当たり面が、それぞれ密着するため、樹脂材料の漏れを生じないように設計されている。
しかし、設定温度に対し著しく低い温度で成形する場合、前記コールドクリアランスが解消されなかったり、圧縮応力が過少であると、ノズルハウジングとマニホールドとの間などから樹脂漏れを起こす。一方、逆に設定温度に対し著しく高い温度で成形する場合、熱膨張が予想以上となり、各構成部品の弾性限度を超える圧縮力による変形が生じるため、上記樹脂漏れを起こす、という問題があった。
上記射出装置では、後端側のエアピストンハウジング(バルブブッシング)とマニホールドバックプレートとの隙間である前記コールドクリアランスをなくすため、上記皿バネに対し、予め、数トンの圧縮応力を更に付与させている。
即ち、本発明による第1の射出成形装置(請求項1)は、溶けた樹脂材料を射出成形する装置であって、先端がゲート側の開口し且つ軸方向に沿って樹脂材料の樹脂流路を内部に有するノズルハウジングと、係るノズルハウジングの基端側を支持し且つ上記樹脂流路に連通する樹脂供給路を有するマニホールドと、上記ノズルハウジングの樹脂流路と上記マニホールドの樹脂供給路とを貫通するバルブステムと、上記マニホールドにおける上記ノズルハウジングと反対側の位置に設けた流体圧シリンダと、上記バルブステムの後端に固定され、上記流体圧シリンダ内に摺動可能に挿入されるピストンと、上記流体圧シリンダのバルブブッシングとマニホールドバックプレートとの間に介在され、上記ノズルハウジング、マニホールド、および流体圧シリンダを、ゲート側へ付勢する皿バネと、を含む、ことを特徴とする。
更に、前記流体圧シリンダのバルブフッシング(シリンダ本体)は、後述する形態のように、その後端面が開口し、皿バネの周縁に圧接する形態に限らない。
これによれば、皿バネのバネ部の周縁が、流体圧シリンダのバルブブッシングの後端面に圧接し、且つ中央側の円盤状部がマニホールドバックプレートに面接触する。このため、前記熱膨張により、上記流体圧シリンダがマニホールドバックプレート寄りに移動しても、係る移動に伴う圧縮応力によって上記皿バネのバネ部が弾性変形するため、上記圧縮応力を確実に吸収することができる。
上記仕切り体を兼ねる形態によれば、皿バネのバネ部の周縁が、流体圧シリンダのバルブブッシングの後端面に圧接すると共に、係るバネ部を境界として、バルブブッシング側とマニホールドバックプレート側とに個別に連通するエアなどの圧力流体の供給・排出孔などの経路を2系統に仕切ることができる。その結果、バルブブッシングの後端面が開口する形態であっても、前記皿バネを配置できると共に、圧力流体を供給・排出する2つの経路を、少ない構成部材により形成することができる。
付言すれば、前記仕切り体を兼ねる形態の皿バネの円盤状部には、前記2つの供給・排出経路のうちの一方を形成する圧力流体用の貫通孔が貫通すると共に、前記マニホールドバックプレート側には、上記貫通孔に連通する圧力流体用の給・排出路の一方が形成されている、射出成形装置も本発明に含まれ得る。
これによれば、前記皿バネによって仕切られる2系統の圧力流体用の供給・排出経路の一方を、短く且つコンパクトして形成することが可能となる。
図1は、本発明の一形態であって、且つゲートgを閉じた状態の射出成形装置1の概略を示す断面図、図2は、上記ゲートgを開いた状態を示す断面図である。尚、以下の図示において、ゲートg側を先端側、その反対側を後端側という。
射出成形装置1は、図1に示すように、ほぼ円筒形のノズルハウジング2、これをその基端5側で支持するマニホールド10、および係るマニホールド10の後端側に取り付けたエアシリンダ(流体圧シリンダ)Sと、これらを包囲するように配置されたキャビティプレート25、キャビティ入れ子25a、マニホールドプレート28、およびマニホールドバックプレート40と、を備えている。
ノズルハウジング2は、樹脂流路4を内部に有している。係る樹脂流路4は、先端がキャビティ入れ子25aに形成されたゲートg側に開口し、且つ基端5側へ軸方向に沿って貫通する。ノズルハウジング2の外周には、樹脂流路4内を圧送される樹脂材料(j)を保温するためのバンドヒータHが巻き付けられている。
前記ノズルハウジング2の基端5側には、断面ほぼL字形で且つ全体がほぼ円環形のリング6がゲートg側に向かって延びている。係るリング6は、マニホールドプレート28の中空部29に連通する凹部29の中間に位置する円環形状の段部dに面接触している。
ノズルハウジング2の樹脂流路4とこれに連通するマニホールド10の樹脂供給路11の先端側とには、棒状のバルブステム14が、樹脂流路4の軸方向に沿ってスライド可能に挿入されている。係るバルブステム14の先端部15は、前記ゲートgを開閉する。尚、図1は、バルブステム14が最前進し、その先端部15によってゲートgを閉鎖した状態にある。
バルブブッシング20は、マニホールドバックプレート40の凹部42の底面45側に開口し、その内側には、バルブステム14の後端に設けた頭部16を固定するステムスペーサ17と、係るステムスペーサ17にボルトbで固定されたほぼ円盤形状のピストンPとが位置し、係るピストンPが内壁面に沿って摺動可能に挿入されている。即ち、バルブステム14は、ピストンPと一体にスライド可能されている。
尚、上記ボルトbの頭は、ピストンPの後端面側の凹み18内に収容され、上記ピストンPの外周面には、全周に沿って気密用のOリングRが装着されている。
上記皿バネ30は、例えば、JIS:SUP9,10などのバネ鋼から成形され、ほぼ円錐形状のバネ部32と、その中心部に位置する円盤状部34とからなる。係る円盤状部34の軸心に沿って透孔36が貫通すると共に、その後端面には、係る透孔36を囲み且つ凹部42の底面45に接触するOリングrが装着されている。また、バルブブッシング20の後端21側の外周寄りにも、凹部42の中間に位置する円環形状の段部46に接触するOリングrが装着されている。
一方の給・排気路43は、前記皿バネ30のバネ部32で仕切られた前記底面45と段部46との間の空間と、バルブブッシング20の透孔22,23とを介して、エアシリンダSの内側で且つピストンPよりも先端側の空間に連通している。係る給・排気路43と透孔22,23とは、2系統のエアの供給・排出経路の一方を形成している。
他方の給・排気路44は、皿バネ30を貫通する透孔36に連通し、且つこれを介して、エアシリンダSの内側で且つピストンPよりも後端側の空間に連通している。係る給・排気路44と透孔36とは、2系統のエアの供給・排出経路の他方を形成している。
このため、ピストンPは、最前進しているため、これと共にバルブステム14がスライドして前進し、その先端部15が前記ゲートgを閉鎖している。
その結果、上記ピストンPは、図2に示すように、マニホールドバックプレート40寄りに後退し、これと共にバルブステム14がスライドして後進するため、その先端部15が前記ゲートgから離れ、係るゲートgを開放する。
係る状態で、図2中の細い矢印で示すように、マニホールド10の樹脂供給路11を経て、約250℃の溶けた樹脂材料(例えば、ポリスチレン)jを、ノズルハウジング2の樹脂流路4内に圧送する。係る樹脂材料jは、キャビティ入れ子25aのゲートgを経て、キャビティ内に充填され、所定形状の樹脂製品に成形される。
この間において、ノズルハウジング2やマニホールド10を所定温度に加熱する以前の段階から、予め、前記皿バネ30に数トン程度の予備圧縮応力が加えられるため、設定温度よりも低い温度で射出成形しても、ノズルハウジング2とマニホールド10との間からの樹脂漏れを生じない。
即ち、前記皿バネ30には、ノズルハウジング2、マニホールド10、およびエアシリンダSにわたる圧縮応力が作用して、そのバネ部32を弾性変形させる。その結果、ノズルハウジング2とマニホールド10とが熱膨張しても、それに伴って生じた圧縮応力は、皿バネ30を弾性変形させ、且つこれに殆んどが吸収される。このため、ノズルハウジング2のゲートg側に位置するやノズルチップ8やノズルインシュレータ9が変形したり、破損する事態を確実に防止できる。
従って、以上において説明した射出成形装置1によれば、溶けた高温の樹脂材料jを、マニホールド10およびノズルハウジング2内を経て、ゲートgからキャビティ内に充填して、所要の樹脂製品を安定して確実に成形することができる。
射出成形装置1aは、図3に示すように、前記同様のマニホールド10、およびエアシリンダSと、これらを包囲するように配置されたマニホールドプレート28、およびマニホールドバックプレート41と、を備えている。尚、図示しない前記ノズルハウジング2、キャビティプレート25、およびキャビティ入れ子25aも前記同様に備えている。
係る射出成形装置1aが前記射出成形装置1と相違する点は、エアシリンダSの具体的な構造、および、これに対応した構造を有するマニホールドバックプレート41である。
射出成形装置1aのエアシリンダSは、図3に示すように、マニホールドバックプレート41の内側における凹んたで位置に設けられ、その後端側を凹部48に挿入した蓋板55によって、閉塞されている。係るエアシリンダSの先端側は、円盤状のステムブッシュ51と皿バネ31とによって、閉塞されている。
シリンダ室(S)は、マニホールドバックプレート41の前端面47に沿って、円環状に突出するリング部49を有し、その後端寄りの空間に、ピストンPを摺動可能に配置している。シリンダ室(S)内で且つ上記リング部49および皿バネ31寄りには、一方の給・排気路53が開口し、前記蓋板55には、他方の給・排気路54がピストンPの後端面に向かって開口している。
射出成形装置1aを稼働するには、図3中の太い実線の矢印で示すように、エアを給・排気路53から供給し、エアシリンダSの内側で且つピストンPよりも先端側の空間に供給する。同時に、ピストンPよりも後端側の空間のエアを、図3中の破線の矢印で示すように、前記給・排気路54へ排出する。
その結果、上記ピストンPは、図3に示すように、マニホールドバックプレート40寄りに後退し、これと共にバルブステム14がスライドして後進するため、その先端部15が前記ゲートgから離れ、係るゲートgを開放させる。
この間において、高温の樹脂材料jに接するノズルハウジング2とマニホールド10との熱膨張によって、ノズルハウジング2およびマニホールド10は、後端側のマニホールドバックプレート41寄りに圧縮応力を伴って移動しようとする。係る圧縮応力は、マニホールド10とマニホールドバックプレート41との間に介在された前記皿バネ31に作用するが、そのバネ部33が偏平に近付くように弾性変形して吸収される。即ち、皿バネ31には、ノズルハウジング2とマニホールド10に加わる圧縮応力が作用して、そのバネ部分33が弾性変形する。その結果、ノズルハウジング2とマニホールド10との間からの樹脂材料jの漏れが防止できると共に、ノズルハウジング2のゲートg寄りに位置するやノズルチップ8やノズルインシュレータ9の変形や破損する事態を確実に防止できる。
尚、射出成形装置1bでは、エアシリンダSを囲むリング部49の内周縁は、ピストンP側のステムスペーサ17に摺接可能とされている。更に、射出成形装置1bでは、皿バネ31がシリンダ室(S)の外側に位置するため、圧力流体として前記エアに替え、油を用いることもできる。
以上のような射出成形装置1a,1bによっても、前記射出成形装置1と同様な作用・効果を奏することができる。
例えば、本発明に適用される樹脂材料は、ほとんど全ての熱可塑性樹脂を含まれる。
また、前記流体圧シリンダには、市販のエアシリンダや油圧シリンダを用いるようにしても良い。
更に、1つのマニホールドに対して、複数組のノズルハウジング、バルブステム、流体圧シリンダ、および皿バネを併設し、多数個取りの形態としても良い。
2………………………………………ノズルハウジング
4………………………………………樹脂流路
5………………………………………基端
10……………………………………マニホールド
11……………………………………樹脂供給路
14……………………………………バルブステム
20……………………………………バルブブッシング
30,31……………………………皿バネ
32,33……………………………バネ部
34……………………………………円盤状部
40,41……………………………マニホールドバックプレート
43,44,53,54,56,57…給・排気路(供給・排出経路)
S………………………………………エアシリンダ(流体圧シリンダ)
P………………………………………ピストン
g………………………………………ゲート
j………………………………………樹脂材料
Claims (4)
- 溶けた樹脂材料(j)を射出成形する装置であって、
先端がゲート(g)側に開口し且つ軸方向に沿って樹脂材料(j)の樹脂流路(4)を内部に有するノズルハウジング(2)と、
上記ノズルハウジング(2)の基端(5)側を支持し且つ上記樹脂流路(4)に連通する樹脂供給路(11)を有するマニホールド(10)と、
上記ノズルハウジング(2)の樹脂流路(4)と上記マニホールド(10)の樹脂供給路(11)とを貫通するバルブステム(14)と、
上記マニホールド(10)における上記ノズルハウジング(2)と反対側の位置に設けた流体圧シリンダ(S)と、
上記バルブステム(14)の後端に固定され、上記流体圧シリンダ(S)内に摺動可能に挿入されるピストン(P)と、
上記流体圧シリンダ(S)のバルブブッシング(20)とマニホールドバックプレート(40)との間に介在され、上記ノズルハウジング(2)、マニホールド(10)、および流体圧シリンダ(S)を、ゲート(g)側へ付勢する皿バネ(30)と、を含む、
ことを特徴とする射出成形装置(1)。 - 溶けた樹脂材料(j)を射出成形する装置であって、
先端がゲート(g)側の開口し且つ軸方向に沿って樹脂材料(j)の樹脂流路(4)を内部に有するノズルハウジング(2)と、
上記ノズルハウジング(2)の基端(5)側を支持し且つ上記樹脂流路(4)に連通する樹脂供給路(11)を有するマニホールド(10)と、
上記ノズルハウジング(2)の樹脂流路(4)と上記マニホールド(10)の樹脂供給路(11)とを貫通するバルブステム(14)と、
上記マニホールド(10)における上記ノズルハウジング(2)と反対側の位置に設けた流体圧シリンダ(S)と、
上記バルブステム(14)の後端に固定され、上記流体圧シリンダ(S)内に摺動可能に挿入されるピストン(P)と、
上記マニホールド(10)とマニホールドバックプレート(41)との間に介在され、上記ノズルハウジング(2)およびマニホールド(10)を、ゲート(g)側へ付勢する皿バネ(31)と、を含む、
ことを特徴とする射出成形装置(1a,1b)。 - 前記皿バネ(30)は、ほぼ円錐形状のバネ部(32)とその内側に位置する円盤形状部(34)とからなり、上記バネ部(32)の周縁が前記流体圧シリンダ(S)のバルブブッシング(20)の後端面に圧接し、且つ上記円盤形状部(34)がマニホールドバックプレート(40)に面接触している、
ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形装置(1)。 - 前記皿バネ(30,31)は、前記流体圧シリンダ(S)内において、圧力流体を供給および排出する2系統の圧力流体用の供給・排出経路(43,44)を仕切る仕切り体を兼ねているか、あるいは、流体圧シリンダ(S)の一部を兼ねている、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の射出成形装置(1,1a,1b)。
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