JP2008212589A - 前腕回内外運動用装具 - Google Patents

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信之 篠田
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Abstract

【課題】 前腕の中心軸に基づいて前腕が回外または回内できると共に、肌ずれや蒸れを防止して、所望な回外角度または回内角度を保持してリハビリ作業を行うことができるようにした前腕回内外運動用装具を提供すること。
【解決手段】
少なくとも対となる棒状部材10を有し、該対となる棒状部材の先部を繋ぐ連結部材の中央に指挿入部12を有する本体フレーム1と、該本体フレームの対となる棒状部材間に外側環状部材151が取り付けられ、該外側環状部材に対して内側環状部材152が回転かつ固定可能に設けられる環状部材15と、患者の手首を固定するための手首固定手段2と、前記手首固定手段に取り付けられ、前記内側環状部材に設けるフック152bに掛止され前記手首固定手段に弾性力を付与する弾性部材3とから構成した前腕回内外運動用装具である。
【選択図】 図5

Description

本発明は、前腕の骨折などの前腕の外傷に起因する前腕回旋の可動域制限、すなわち、回内および回外の機能制限の回復を促進する前腕回内外運動用装具に関するものである。
従来、前腕の骨折などで前腕回旋の可動域制限、すなわち、回内及び回外の機能制限を回復させるリハビリ作業に用いる装置が提案されている。当該装置は、上腕に取付け可能な取付けバンドと、取付けバンドの両側に固定された対となる吊り下げ部材と、対となる細長片及び細長片の先部を繋ぐ連結片とを有し、細長片の基部が吊り下げ部材の端部に回旋運動自在に取付けられたフレームと、連結片の中央部に設けられた軸受部を介して回旋可能に取付けられた回旋軸と、フレームの内側にあって、しかも回旋軸の先部に取付けられた前腕保持具と、フレームにその一部が固定されて、前腕保持具に回旋力を与える回旋力発生部材とから構成されている。
当該装置の使用に際しては、上腕に取付けバンドを巻付けて固定し、両方の細長片の間に前腕を挿入し、前腕部に前腕保持具を装着する。そして、フレーム側の任意の固定フックを選択し、当該固定フックに回旋力発生部材を掛けることにより、前腕保持具に回外又は回内させる回旋力を与え、前腕保持具と共に前腕部を徐々に回旋させることができる。
特開2000−210349
しかしながら、上述の装置では、前腕部に装着した前腕保持具が回旋軸の回りに回旋できる状態で、回旋力発生部材によって前腕保持具に回旋力を与えるものであり、前腕部は回旋軸の回りに円運動で回旋することになる。このため、前腕の中心軸が回旋軸に対応しておらず、所望な回外角度または回内角度でリハビリを行うことができないという問題があった。
また、前腕部の保持にはプラスチック製の前腕保持具を用いているため、前腕保持具内で前腕が動き、肌ずれ等が生じるという問題もあった。さらに、プラスチック製故に、蒸れて不快感もあった。
本発明は前記した問題点を解決せんとするもので、その目的とするところは、前腕の中心軸に基づいて前腕が回外または回内できると共に、肌ずれや蒸れを防止して、所望な回外角度または回内角度を保持してリハビリ作業を行うことができるようにした前腕回内外運動用装具を提供せんとするにある。
本発明の前腕回内外運動用装具は前記した目的を達成せんとするもので、請求項1の手段は、少なくとも対となる棒状部材を有し、該対となる棒状部材の先部を繋ぐ連結部材の中央に指挿入部を有する本体フレームと、該本体フレームの対となる棒状部材間に外側環状部材が取り付けられ、該外側環状部材に対して内側環状部材が回転かつ固定可能に設けられる環状部材と、患者の手首を固定するための手首固定具と、前記手首固定具に取り付けられ、前記内側環状部材に設けるフックに掛止され前記手首固定具に弾性力を付与する弾性部材とから構成したものである。
請求項2の手段は、前記した請求項1において、前記外側環状部材は、前記本体フレームの対となる棒状部材間に対して摺動かつ固定可能に取り付けたことを特徴とする。
請求項3の手段は、前記した請求項1において、前記外側環状部材の内周面に溝が形成され、該溝に挿入されるガイドピンを内側環状部材に設け、これにより内側環状部材を外側環状部材に対して回転自在としたことを特徴とする。
請求項4の手段は、前記した請求項1において、前記内側環状部材に回動自在にストッパが取り付けられ、該ストッパを回転し先端を前記外側環状部材の前記溝の底部に当接させることで摩擦抵抗を増大させ、これにより内側環状部材を外側環状部材に対して固定するようにしたことを特徴とする。
以上のような構成からなる本発明にかかる前腕回内外運動用装具によれば、中指を基軸とした前腕の中心軸に基づいて前腕が回外または回内でき、所望な回外角度または回内角度を保持してリハビリ作業を行うことができる。
また、外側環状部材を前記本体フレームの対となる棒状部材間に対して摺動かつ固定可能に取り付けたことにより、患者の前腕の長さに応じて移動することで子供から大人が使用して良好な治療を受けることが可能である。
さらに、外側環状部材の内周面に形成した溝に内側環状部材のガイドピンを挿入することで、内側環状部材を外側環状部材に対して回転自在としたので、構造が簡単でコストの低減を図ることができる。
また、内側環状部材にストッパを取り付け、このストッパの先端を外側環状部材の溝の底部に当接させて摩擦抵抗を得ることで、内側環状部材を外側環状部材に対して固定するようにしたので、簡単な操作で内側環状部材を固定あるいは回り難くすることで、治療の初期と後期とで患者の手首に対する回転力を自由に設定することができる等の効果を有するものである。
本発明は、本体フレームに対して外側環状部材を固定し、この外側環状部材に対して回転かつ固定可能に取り付けられた内側環状部材に対して患者の手首を弾性部材を解して取り付けたものである。
以下では、本発明にかかる前腕回内外運動用装具を図面に基づいて具体的に説明する。
ここで、図1は環状部材の正面図であり、図2は外側環状部材に対する内側環状部材の取り付け構造を示す説明図であり、図3は本発明にかかる前腕回内外運動用装具(本体フレーム及び環状部材)の斜視図であり、図4は環状部材に前腕を装着した状態を示す説明図であり、図5は本発明にかかる前腕回内外運動用装具に前腕を装着した状態を示す説明図であり、図6は手首固定具の平面図であり、図7は手首固定具の背面図であり、図8〜図10は手首固定具の装着過程を示す説明図であり、図11は手首固定具の手の平側の装着状態を示す説明図、図12は手首固定具の手の甲側の装着状態を示す説明図である。
図3における符号1は、本発明にかかる前腕回内外運動用装具の本体フレームを示している。
本体フレーム1は対となる棒状部材10を有し、この対となる棒状部材10の先部は連結部材11により繋がれている。本実施形態においては、対となる棒状部材10の他の先部も連結部材12により連結され、平面視において矩形状をなしている。なお、図示してはいないが、本体フレーム1の各角部には必要に応じて脚部を設けることもできる。
また、連結部材12の中央には、後述するように使用時において中指を挿入する中指挿入部13が設けられている。さらに、対となる棒状部材10の間には、布等からなる前腕載置部材14が設けられると共に、対となる棒状部材間を摺動可能に環状部材15が取り付けられている。
環状部材15は、図1及び図2に示すように、前記棒状部材11が挿通される挿通穴151aを有する外側環状部材と、この外側環状部材に対して回転かつ固定可能に設けられる内側環状部材とから構成されている。前記外側環状部材151に設けられる挿通穴151aは、スリット151bと蝶ネジ151cによって、その大きさを変更できるようになっており、前記棒状部材10上を摺動可能でかつ固定可能になっている。
前記内側環状部材152には、図2に示すように、外側環状部材151の内周面に設けたガイド溝151dに、ネジ等からなる複数のガイドピン152aによって回転可能に取り付けられている。また、内側環状部材152には、取付ネジ153aを支点としてつまみ部153bを回動させることにより、外側環状部材151のガイド溝151dの内面に先端部153cが当接して外側環状部材151に対して内側環状部材152を固定可能とするストッパ153が設けられている。さらに、内側環状部材152には、後述する弾性部材を掛止させる4つのフック152bが設けられている。
図6及び図7における符号2は、右手に装着される手首固定具を示している。この手首固定具2は、布やメッシュ状のウレタン等からなり、手の平及び手の甲を覆う手覆い部21と、この手覆い部21に連結され、手首部分に装着されるバンド部22とから構成されている。なお、手首固定具を手に装着した際の外側面が図6、内側面が図7となっている。また、図示しないが、左手に装着されるものは、右手に装着されるものとは逆の構成となる。
手覆い部21は、略矩形状をなし、図7においては、中央左寄り上部に親指を挿入する親指挿入穴21aが設けられると共に、この親指挿入穴21aから左斜め上方に向けて親指を固定するための親指固定片21bが設けられている。
バンド部22は、手首部分に巻き付けて装着できるように帯状をなし、図6に示すように、手覆い部21の左辺近傍に縫着されている。また、バンド部22には、後述する弾性部材を掛止させる複数の弾性部材取付片22aが設けられている。
手首固定具2の手及び手首への装着にあたっては、面ファスナが用いられる。詳しくは、手覆い部21の左辺に設けられるオス面ファスナ23aが、図6に示すメス面ファスナ23bに対応している。親指固定片21bの先端に設けられるオス面ファスナ24aが、図6のメス面ファスナ24bに対応している。さらに、バンド部22の先端に設けられるオス面ファスナ25aが、図6に示すメス面ファスナ25bに対応している。
図6には、手首固定具とは別に、断面が湾曲形状をなすと共に、平面視矩形状をなしたプラスチック等の剛性板を布又はメッシュ状のウレタン等で被覆して形成された動脈保護部材26が図示されている。この動脈保護部材26は、後述するように、バンド部22を手首に巻き付ける際に、動脈が圧迫されることを防止するために装着するものであって、その裏面側にはオス面ファスナ(図示せず)が縫着されている。
弾性部材3は、ゴム、バネ等からなり、内側環状部材152と手首固定具2との間に設けられるものである。図4は、弾性部材3としてゴムを用いた例であり、詳しくは、手首固定具2の弾性部材取付片22aの対向する4箇所に弾性部材(ゴム)3を通して環状とした後、この弾性部材(ゴム)3を内側環状部材152に設けるフック152bにそれぞれ掛止したものである。このように弾性部材3としてゴムを用いた場合には、ゴムの長さを調整することにより、回旋軸と前腕の中心軸とを合わせる調整を容易に行うことができる。
次に、本発明にかかる前腕回内外運動用装具の使用方法について説明する。
(1)手首固定具の装着
まず、リハビリ作業を行う前腕F(本実施形態においては右腕)側の手Hの親指Tを手首固定具2の親指挿入穴21aに挿入し(図8参照)、手覆い部21によって手の平及び手の甲を覆うようにして面ファスナ23a,23bにて固定すると共に、親指Tを親指固定片21bを用いて面ファスナ24a,24bにて固定する(図9参照)。
その後、手首部分にバンド部22を巻き付けて固定することとなるが、この際、手首部分の動脈をバンド部22により圧迫しないように、手首の動脈部分に面ファスナ23bを用いて動脈保護部材26を取り付ける(図10参照)。そして、手首部分にバンド部22を巻き付けて面ファスナ25a,25bにて固定する(図11,図12参照)。このように、手首部分を固定することにより、リハビリ作業時に手のみが回転してしまうことがなくなる。
(2)環状部材への取り付け
手首固定具2の手への装着後、本体の中指挿入部13に中指を挿入し、前腕を前腕載置部材14に載置した状態(図5参照)で、手首固定具2の弾性部材取付片22aの対向する4箇所に弾性部材(ゴム)3を通して環状とし、この弾性部材(ゴム)3を環状部材15の内側環状部材152に設けるフック152bにそれぞれ掛止する(図4参照)。この際、弾性部材(ゴム)3の長さを調整することにより、回旋軸と前腕の中心軸とが一致するように調整する。また、環状部材15を本体フレーム1の棒状部材10上を摺動させることにより、中指挿入部13と環状部材15との距離を調整することができる。
(3)リハビリ作業
リハビリ作業に使用する場合、環状部材15の内側環状部材152を右又は左へ所望角度に回動させる。詳しくは、図5に示す状態において、内側環状部材152をA方向に回動させると回内(手の平を下に向ける運動)となり、B方向に回動させると回外(手の平を上に向ける運動)となる。
その後、ストッパ153のつまみ153bを起こすことにより、外側環状部材151のガイド溝151dの内面に先端部153cが当接して外側環状部材151に対して内側環状部材152を所望角度で固定することができる。
このように、外側環状部材151に対して内側環状部材152を所望角度で固定することにより、前腕は回内又は回外状態で保持されることになるため、リハビリ効果が十分に期待できる。
なお、弾性部材(ゴム)3の弾性力は、手首固定具2の弾性部材取付片22aに働くが、バンド部材22により分散され、手覆い部21には局所的な力が加わらない。このため、バンド部材22が吊れることもなく、肌ずれ等が生じることもない。
上記実施形態としては、前腕を回外又は回内状態で保持するものを説明したが、ストッパ153を使用せず、外側環状部材151に対して内側環状部材152をフリーに回動できる状態として、弾性部材3の弾性力に抗して前腕部Fを徐々に回旋させるリハビリ作業にも用いることもできる。
上記実施形態においては、本発明にかかる前腕回内外運動用装具を前腕のリハビリ作業に用いる例を説明したが、前腕を所定の角度で回転させて固定できることからMRI装置による画像診断等の検査などにも使用することができる。
環状部材の正面図である。 外側環状部材に対する内側環状部材の取り付け構造を示す説明図である。 本発明にかかる前腕回内外運動用装具(本体フレーム及び環状部材)の斜視図である。 環状部材に前腕を装着した状態を示す説明図である。 本発明にかかる前腕回内外運動用装具に前腕を装着した状態を示す説明図である。 手首固定具の平面図である。 手首固定具の背面図である。 手首固定具の装着過程を示す第1の説明図である。 手首固定具の装着過程を示す第2の説明図である。 手首固定具の装着過程を示す第3の説明図である。 手首固定具の手の平側の装着状態を示す説明図である。 手首固定具の手の甲側の装着状態を示す説明図である。
符号の説明
1 前腕回内外運動用装具(本体)
11 棒状部材
12 連結部材
13 中指挿入部
14 前腕載置部材
15 環状部材
151 外側環状部材
152 内側環状部材
2 手首固定具
21 手覆い部
22 バンド部
26 動脈保護部材
3 弾性部材

Claims (4)

  1. 少なくとも対となる棒状部材を有し、該対となる棒状部材の先部を繋ぐ連結部材の中央に指挿入部を有する本体フレームと、
    該本体フレームの対となる棒状部材間に外側環状部材が取り付けられ、該外側環状部材に対して内側環状部材が回転かつ固定可能に設けられる環状部材と、
    患者の手首を固定するための手首固定具と、
    前記手首固定具に取り付けられ、前記内側環状部材に設けるフックに掛止され前記手首固定具に弾性力を付与する弾性部材と、
    から構成したことを特徴とする前腕回内外運動用装具。
  2. 前記外側環状部材は、前記本体フレームの対となる棒状部材間に対して摺動かつ固定可能に取り付けたことを特徴とする請求項1記載の前腕回内外運動用装具。
  3. 前記外側環状部材の内周面に溝が形成され、該溝に挿入されるガイドピンを内側環状部材に設け、これにより内側環状部材を外側環状部材に対して回転自在としたことを特徴とする請求項1記載の前腕回内外運動用装具。
  4. 前記内側環状部材に回動自在にストッパが取り付けられ、該ストッパを回転し先端を前記外側環状部材の前記溝の底部に当接させることで摩擦抵抗を増大させ、これにより内側環状部材を外側環状部材に対して固定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の前腕回内外運動用装具。
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