JP2008212435A - 防止ケーシング - Google Patents

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Abstract

【課題】浴室内に取り付けられる電子機器は防水ケーシング内に電子部品が収納されている。また、電子機器である浴室テレビでは内蔵されている表示画面を外部から鑑賞するために、ケーシングの前面に表示窓を開設すると共にその表示窓を透明な表示板で閉塞している。この表示板をケーシング本体に対して接着剤で取り付けると、接着剤の硬化時間が必要であるし、両面テープでは表示窓に相当する部分を打ち抜いて捨てるため両面テープのロスが大きい。
【解決手段】表示板の前方からレーザー光を照射して表示板とケーシング本体とを相互に溶着させた。なお、溶着部分が前方から見えると外観が損なわれるので、ケーシング本体に取り付けられるカバーで溶着部分を覆い隠すようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、浴室に設置される電子機器の防水ケーシングに関する。
浴室に設置される電子機器として、例えば浴室テレビでは内部に水が侵入しないように防水性を備えた防水ケーシングの中に電子部品や画像表示部が収納されている。これらの電子部品等は外部から見えると外観を損なうので一般に防水ケーシングは不透明の樹脂で形成されている。但し、画像表示部は外部から鑑賞できなければいけないので、ケーシング本体の前面に表示窓を開設している。なお、この表示窓から水等がケーシング内に侵入することを防止するために、透明な表示板でこの表示窓を水密に閉塞している。
ケーシング本体に表示板を固定する手段としては表示板をケーシング本体に対して接着剤を用いて接着して固定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−208046号公報(段落番号0010)
上記従来のものでは、表示板をケーシング本体に固定する手段として接着剤を用いているので、接着剤を塗布したあと、接着剤が硬化するまでケーシングをストックする必要があり、生産性が損なわれるという意問題が生じる。
なお、接着剤の代わりに両面テープを用いるものも知られているが、表示板とケーシング本体との間の防水性を確保するため、両面テープは連続した1枚のものを使用しなければならない。ところが、表示窓に相当する部分は表面テープが不要であるので、表示窓に相当する部分を打ち抜く必要があり、打ち抜いた部分を廃棄するので両面テープのコストが高くなり、かつ資源を無駄に浪費するという不具合が生じる。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、接着剤のように硬化するための時間を必要とせず、かつ廃棄される資材が極めて少ない防水ケーシングを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明による防水ケーシングは、浴室に設置される電子機器の防水ケーシングであって、ケーシング本体の前面に、内部の表示部が臨む表示窓が開設されると共に、この表示窓を外側から透明な表示板で水密に閉塞したものにおいて、表示板の外周を全周にわたって1段下げて溶着部を形成すると共に、この溶着部とケーシング本体との接触面に外部から与えるエネルギを集中させ、その集中した部分のケーシング本体および溶着部を共に溶融させてケーシング本体と表示板とを溶着させ、更に溶着部をカバーで覆って隠したことを特徴とする。
外部からのエネルギを集中させてケーシング本体や表示板の一部を溶融すると、要するされる範囲を非常に狭く限定することができる。すなわち、たとえ高温に加熱することができても範囲が狭いので、エネルギ量は少なく、外部からのエネルギ供給を停止すれば直ちに冷却されて、溶融された部分が硬化する。したがって、従来の接着剤を用いるもののように接着剤が硬化するまでの時間を必要とせず、短時間で表示板をケーシング本体に固定することができる。なお、溶着した部分が外部から見えるとデザインを損なうので、カバーで溶着部を隠すようにした。
なお、上記外部からのエネルギはレーザ光、もしくは振動によって与えられることができる。すなわち、レーザー光であればケーシングと表示板とが接触している部分に焦点が合うようにすればよく、また超音波溶着や振動溶着のように振動によりエネルギを供給するものでは、エネルギが集中するエネルギーダイレクターを溶着したい部分に設ければよい。
以上の説明から明らかなように、本発明は、外部からのエネルギを集中させてケーシング本体の表示板の一部を狭い範囲で溶融させて相互に溶着させるので、接着剤が硬化するための時間などが不要で、短時間で表示板をケーシング本体に固定することができる。なお、溶着した部分は前方から識別でき、外観が損なわれるが、カバーで溶着部を覆い隠すことにより外観が損なわれることを防止できる。
図1を参照して、1は浴室BRの壁部Wに固定される浴室用の電子機器である浴室テレビである。この浴室テレビ1は内部に液晶表示部を備えており、その液晶表示部に表示されるテレビ画像を鑑賞し得るように構成されている。
図2を参照して、この浴室テレビ1には不透明な樹脂で形成された防水性のケーシング本体3を備えており、そのケーシング本体3の左右に1対のスピーカカバー21と、中央部の上下に上カバー22と下カバー23とが着脱自在に取り付けられている。
これら4つのカバーで囲まれる位置に、表示窓31がケーシング本体3に開設されている。そしてその表示窓31に内側から臨むように液晶表示部が配置されている。したがって、液晶表示部に表示されるテレビ画像はこの表示窓31を通して前方から鑑賞することができる。
表示窓31には前方から表示板4が固定されており、表示窓31が外部に対して密閉されている。この表示板4は透明なアクリル板で形成されており、上下左右の外周の4辺に各々1段下がった溶着部41が形成されている。そして、この溶着部41に対応する位置であって、表示板4とケーシング本体3との合わせ部分が溶着部分5となり、表示板4とケーシング本体3とがこの溶着部分5で相互に溶着されている。
さらに、図3を参照して、表示板4をケーシング本体3に対して位置決めした状態で、溶着部41に対してレーザー光61を照射する。なお、このレーザー光61は集光レンズ6によって上記溶着部分5に集光されるように調節されている。
表示板4は透明であるので、レーザー光61は溶着部41から表示板4内に入射しても、表示板4で吸収されることなくケーシング本体3の表面に到達する。ケーシング本体3は不透明であるので、到達したレーザー光61を吸収してその部分で発熱する。すると、ケーシング本体3のレーザー光61が照射されている部分が溶融知ると共に、隣設する表示板4の一部も溶融する。そして両者は混ざり合い、その後冷却されることにより溶着され、溶着部分5が形成される。
なお、レーザー光61は上述のように、溶着部41に沿って走査されるので、溶着部分5は連続して形成され、溶着部分5で表示窓31を囲うことになる。これにより、表示板4とケーシング本体3との間に水が侵入することがなく、表示窓31の防水性が確保される。
上述の実施の形態では、レーザー光61を表示板4側から照射した。一方、ケーシング本体3が不透明であっても可視光線を吸収するだけでレーザー光61を透過する場合がある。このような場合には溶着部分5にレーザー光61を吸収する塗料を、表示板4の裏面、もしくはケーシング本体3の表面に塗布しておけばよい。また、ケーシング本体3がレーザー光61を透過するのであれば、ケーシング本体3側からケーシング本体3を透過するようにレーザー光61を照射してもよい。
ところで、溶着部分5はそのままでは前方から識別することができ、外観が損なわれる。そこで、上記4つのカバーを取り付けると、各カバーの内側端縁が溶着部41を前方から覆い、溶着部分5がカバーで隠されて前方から識別されないようにした。
以上は、外部からのエネルギとしてレーザー光61を用いたものであるが、超音波溶着や振動溶着のように、振動エネルギを外部から供給して溶着してもよい。
例えば超音波溶着であれば、図4を参照して、表示板4の裏面にエネルギーダイレクターとして機能する突起42を全周にわたって設け、超音波振動しに連結されたコーン7を溶着部41に当接して超音波溶着を行ってもよい。そして、接合面に対して平行方向に振動を加える振動溶着も用いることができる。
なお、本発明は上記した形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加えてもかまわない。
本発明の一実施の形態の構成を示す図 浴室テレビのカバーの状態を示す図 III-III断面図 超音波溶着を用いた場合のIII-III断面図
符号の説明
1 浴室テレビ
3 ケーシング本体
4 表示板
5 溶着部分
6 集光レンズ
21 スピーカカバー
22 上カバー
23 下カバー
31 表示窓
41 溶着部
61 レーザー光
BR 浴室
W 壁部

Claims (2)

  1. 浴室に設置される電子機器の防水ケーシングであって、ケーシング本体の前面に、内部の表示部が臨む表示窓が開設されると共に、この表示窓を外側から透明な表示板で水密に閉塞したものにおいて、表示板の外周を全周にわたって1段下げて溶着部を形成すると共に、この溶着部とケーシング本体との接触面に外部から与えるエネルギを集中させ、その集中した部分のケーシング本体および溶着部を共に溶融させてケーシング本体と表示板とを溶着させ、更に溶着部をカバーで覆って隠したことを特徴とする防水ケーシング。
  2. 上記外部からのエネルギはレーザ光、もしくは振動によって与えられることを特徴とする請求項1に記載の防水ケーシング。
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